説明

物品支持装置

【課題】体格の大型化を招くことなく概略的な角度を保持しつつ微調整が可能な物品支持装置を提供する。
【解決手段】ヒンジ状に相対的に回転する第一骨格部材21と第二骨格部材22との間には、回転角度調節機構部12が設けられている。第一骨格部材21と第二骨格部材22との回転角度は、。回転角度調節機構部12において、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とが噛み合う部分のピッチに応じておおまかに決定される。これらが嵌合した状態で軸C1を中心にプレート部材33を回転させることにより、第二骨格部材22に対するプレート部材33の角度は微調整される。その結果、第一骨格部材21と第二骨格部材22との相対的な角度は、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との噛み合いによるおおまかな調整と、第二骨格部材22に対するプレート部材33の回転による微調整によって精密に調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品支持装置に関し、特に支持する物品の角度を調整する物品支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を支持する物品支持装置は、例えばヒンジ部分の回転角度を調整することにより、物品を所定の位置に支持している。例えば、レーザやカメラ画像などによって監視エリアを監視する監視装置の場合、レーザセンサやカメラは物品支持装置によって支持される。レーザセンサは、レーザ光の特徴を生かして広い監視エリア、すなわち長距離の監視に利用される。しかし、レーザ光を用いて長距離の監視を行う場合、監視範囲が遠距離になるほど目的とする照射点において角度がずれ、誤差が大きくなる。すなわち、物品支持装置における数°程度のわずかな回転角度の誤差は、レーザ光が照射される監視エリアの外縁において数十cm程度の誤差となる。したがって、監視装置の場合、物品支持装置による正確な位置の決定が要求される。
【0003】
そこで、特許文献1では、ラックアンドピニオン機構を利用して、物品支持装置に支持する物品の設置角度を調整している。しかしながら、特許文献1の場合、ラックアンドピニオンのピッチ幅に応じた単位でしか角度の調整ができない。そのため、レーザセンサの初期的な設置位置や設置角度によっては、任意の位置にレーザ光を照射するための調整が困難になる。また、特許文献1の場合、物品支持装置はラックとピニオンとが噛み合っている一点でのみ保持される。そのため、位置の調整中に対象物の自重によって物品支持装置の角度が変化し、再調整が必要になるおそれもある。さらに、対象物であるレーザセンサやカメラなどは、家屋の壁などの近い位置に取り付けられることが多い。そのため、物品支持装置に調整用のための空間を確保することは困難である。特許文献1の場合、調整幅が拡大するほど、ラックの長さが増大し、多くの空間を必要とするという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−187159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、体格の大型化を招くことなく概略的な角度を保持しつつ微調整が可能な物品支持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、ステー部材とフレーム部材とは、回転中心を軸としてヒンジ状に回転する。フレーム部材は、さらに回転中心を軸としてプレート部材とも相対的に回転可能である。回転角度調整機構部は、ステー部材に接続される第一嵌合部材と、プレート部材に接続される第二嵌合部材とを有している。第一嵌合部材と第二嵌合部材とは、第一歯部および第二歯部において互いに噛み合っている。第一歯部は、第一嵌合部材の第二嵌合部材と対向する側に、回転中心を軸とした第一嵌合部材の回転方向に沿って設けられている。同様に、第二歯部は、第二嵌合部材の第一嵌合部材と対向する側に、回転中心を軸とした第二嵌合部材の回転方向に沿って設けられている。これにより、互いに噛み合っている第一嵌合部材と第二嵌合部材との噛み合いをずらすことにより、第一嵌合部材と一体のステー部材と、第二嵌合部材と一体のプレート部材とは、それらが形成する角度が変化する。すなわち、第一歯部および第二歯部の一ピッチごとに、ステー部材とプレート部材との角度が変化する。また、プレート部材は、回転中心を軸としてフレーム部材と相対回転可能である。そのため、プレート部材を回転させることにより、プレート部材と一体の第二嵌合部材、第二嵌合部材に噛み合う第一嵌合部材、および第一嵌合部材と一体のステー部材は、フレーム部材に対して角度が変化する。これにより、第一嵌合部材と第二嵌合部材との噛み合いのピッチをずらすことにより、ステー部材とプレート部材の角度はおおまかに決定される。この状態でロック部材を締め付けることにより、第一嵌合部材と第二嵌合部材とは噛み合って互いに保持された状態となる。そして、回転中心を軸にプレート部材を回転させることにより、プレート部材の角度が微調整される。このプレート部材は、回転中心を軸とした周方向の両端部間において、フレーム部材と相対的に回転可能である。すなわち、プレート部材は、回転中心を軸として回転可能であり、この回転可能な範囲が自身の周方向の両端部間に設定されている。つまり、ステー部材とフレーム部材とは、第一嵌合部材と第二嵌合部材との嵌合によりおおまかに角度が決定され、プレート部材の回転によってその周方向の両端部間において角度が微調整される。さらに、角度の決定に、回転中心を軸とした回転を利用している。そのため、占有する空間は小さくなる。その結果、おおまかな角度を決定する構成と、詳細な角度を決定する構成とを分離しても、構造は簡単になる。したがって、体格の大型化および構造の複雑化を招くことなく概略的な角度を保持しつつ、ステー部材とフレーム部材との相対的な回転角度を微調整することができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、プレート部材は、円弧穴部を有している。これにより、プレート部材は、回転中心を軸として円弧穴部の範囲で回転角度が調整される。すなわち、保持部材を緩めることにより、円弧穴部の範囲でプレート部材とフレーム部材との自由な回転が確保された状態でプレート部材とフレーム部材との角度が詳細に決定される。そして、保持部材を締め付けることにより、プレート部材とフレーム部材との角度が決定される。したがって、ステー部材とフレーム部材との相対的な回転角度を微調整することができる。
【0008】
請求項3記載の発明では、プレート部材は、ラック部を有している。これにより、プレート部材は、回転中心を軸としてラック部の範囲で回転角度が調整される。すなわち、ピニオンが設けられた保持部材を回転させることにより、ラック部とピニオンのピッチごとにプレート部材とフレーム部材との角度が詳細に決定される。したがって、ステー部材とフレーム部材との相対的な回転角度を微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による物品支持装置を示す概略斜視図
【図2】一実施形態による物品支持装置を示す概略分解斜視図
【図3】一実施形態による物品支持装置の回転角度調整機構部を示す概略斜視図
【図4】一実施形態による物品支持装置の回転角度調整機構部を第二骨格部材側から見た概略斜視図であって、第二骨格部材を除いた状態を示す図
【図5】一実施形態による物品支持装置の回転角度調整機構部の構成を示す概略斜視図
【図6】一実施形態による物品支持装置の回転角度調整機構部を構成するプレート部材を示す模式図
【図7】一実施形態による物品支持装置の回転角度調整機構部を示す概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による物品支持装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品支持装置10は、レーザ照射装置11を支持している。レーザ照射装置11は、予め設定された監視エリアに所定の角度間隔でレーザ光を照射する。一実施形態の物品支持装置10の場合、二箇所の回転角度調整機構部12、13を備えている。回転角度調整機構部12は、物品支持装置10の途中部分でレーザ照射装置11の上下方向の回転角度を調整する。また、回転角度調整機構部13は、物品支持装置10の端部でレーザ照射装置11の旋回方向の回転角度を調整する。物品支持装置10は、レーザ照射装置11の反対側の端部14が例えば家屋の壁などの構造物に固定される。
【0011】
まず、回転角度調整機構部12について説明する。物品支持装置10は、第一骨格部材21および第二骨格部材22を有している。この第一骨格部材21は、特許請求の範囲のステー部材に相当し、第二骨格部材22は、特許請求の範囲のフレーム部材に相当する。この第一骨格部材21と第二骨格部材22とは、二箇所の関節部23、24においてヒンジ状に可動である。回転角度調整機構部12は、この二箇所の関節部23、24のうち一方の関節部23に設けられている。
【0012】
回転角度調整機構部12は、図2から図4に示すように第一嵌合部材31、第二嵌合部材32、プレート部材33、ロック部材34および保持部材35を有している。第一嵌合部材31は、円板状に形成され、第一骨格部材21と一体に接続されている。具体的には、第一嵌合部材31は、図3に示すように円板の軸方向において一方の端部に挿入部36を有している。第一骨格部材21は、この挿入部36に第二骨格部材22側の端部が挿入されている。第一嵌合部材31は、第二骨格部材22側の端面に第一歯部41を有している。第一歯部41は、第一嵌合部材31の軸方向へ凹凸を形成している。第二嵌合部材32は、第一嵌合部材31と同様に円板状に形成され、プレート部材33と一体に接続されている。第二嵌合部材32は、第一嵌合部材31と対向して設けられている。第二嵌合部材32は、第一嵌合部材31と対向する側の端面に第二歯部42を有している。第二歯部42は、第二嵌合部材32の軸方向へ凹凸を形成している。第一歯部41の凹凸の間隔すなわちピッチと、第二歯部42のピッチとは、ほぼ同一である。これにより、第一嵌合部材31の第一歯部41と第二嵌合部材32の第二歯部42とは、互いに噛み合い可能である。
【0013】
プレート部材33は、図2に示すように概ね長方形の板状に形成されている。プレート部材33の一方の端部は、図4に示すように第二嵌合部材32と一体に接続している。具体的には、第二嵌合部材32は、第二歯部42と反対側の端面側に挿入部43を有している。プレート部材33の第二嵌合部材32側の端部は、この挿入部43に挿入されている。
ロック部材34は、回転中心となる軸C1と同一の軸上に設けられている。ロック部材34は、図3に示すように第一骨格部材21、第二骨格部材22、第一嵌合部材31、第二嵌合部材32およびプレート部材33のいずれも貫いている。ロック部材34は、軸方向の一方の端部側に胴部44を有している。ロック部材34は、胴部44側の端部が第一骨格部材21に回転可能に支持され、胴部44と反対側の端部が第二骨格部材22の支持部45に回転可能に支持されている。
【0014】
回転角度調整機構部12は、上記の構成に加えて、図5に示すように弾性部材46および弾性部材47を有している。弾性部材46および弾性部材47は、例えばウェーブワッシャなどで形成されている。弾性部材46は、第一骨格部材21と第一嵌合部材31との間に挟み込まれており、第一嵌合部材31を第二嵌合部材32側へ押し付ける弾性力を有している。また、弾性部材47は、プレート部材33と第二嵌合部材32との間に挟み込まれており、第二嵌合部材32を第一嵌合部材31側へ押し付ける弾性力を有している。
【0015】
ロック部材34は、第一骨格部材21、第二骨格部材22、第一嵌合部材31、第二嵌合部材32およびプレート部材33を貫くことにより、一体となっている第一骨格部材21および第一嵌合部材31と、一体となっている第二嵌合部材32およびプレート部材33と、第二骨格部材22とをそれぞれ相対的な回転が可能な状態で支持している。第二骨格部材22の支持部45には、ねじが形成されている。そのため、ロック部材34は、軸C1を中心に一方へ回転させると、支持部45に締め込まれる。これにより、軸C1を中心にロック部材34を一方へ回転させると、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは嵌合する方向へ締め付けられる。このとき、弾性部材46および弾性部材47も、第一嵌合部材31および第二嵌合部材32を、互いに嵌合する方向へ押し付ける。一方、ロック部材34は、軸C1を中心に他方へ回転させると、支持部45から緩められる。これにより、軸C1を中心にロック部材34を他方へ回転させると、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との間に作用する嵌合力は低下する。このとき、弾性部材46は第一嵌合部材31を第二嵌合部材32側へ押し付け、弾性部材47は第二嵌合部材32を第一嵌合部材31側へ押し付けている。そのため、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは、緩く嵌合した状態を維持する。
【0016】
プレート部材33は、長手方向の一方の端部が第二嵌合部材32と接続するとともに、ロック部材34によって回転可能に支持されている。プレート部材33は、図2に示すように長手方向の他方の端部に微調整部としての円弧穴部48を有している。円弧穴部48は、回転角度調整機構部12の回転中心を軸C1とする回転方向へ円弧状に延びている。プレート部材33は、図6に示すように、この円弧穴部48を形成する内壁にラック部49を有している。このラック部49は、特許請求の範囲のプレート側微調整部に相当する。
【0017】
保持部材35は、図3に示すようにプレート部材33および第二骨格部材22を貫いている。保持部材35は、胴部51を有しており、胴部51と反対側の端部が第二骨格部材22の支持部52によって回転可能に支持されている。保持部材35は、プレート部材33の円弧穴部48を貫いている。保持部材35は、図2および図4に示すように軸方向の全長の一部にプレート部材33のラック部49と噛み合い可能なピニオン部53を有している。なお、図2および図4では、ピニオン部53におけるピニオンの形状を省略して示している。保持部材35は、第二骨格部材22の支持部52に回転可能に支持されることにより、胴部51と第二骨格部材22の支持部52との間に、プレート部材33を挟み込んでいる。この場合、胴部51と支持部52との間に加わる締め付け力は、プレート部材33と第二骨格部材22との相対的な回転を許容する程度に設定されている。そのため、保持部材35は、一方または他方への回転によって、ラック部49との噛み合いが変化する。その結果、保持部材35を一方または他方へ回転させることにより、プレート部材33と第二骨格部材22とは軸C1を中心に相対的に回転する。したがって、保持部材35のピニオン部53とプレート部材33のラック部49との噛み合いの変化によって、プレート部材33と第二骨格部材22との相対的な角度は、ラック部49のピッチに応じて微調整される。このように、保持部材35は、プレート部材33と第二骨格部材22とを、これらの相対的な位置を決定しつつ保持する。
【0018】
円弧穴部48aは、回転中心を軸C1とする回転方向へ延びている。そのため、保持部材35に保持されるプレート部材33は、第二骨格部材22に対し、回転中心を軸C1とする回転方向の両端部間、すなわち円弧穴部48aの両端部間で相対的に回転する。このように、プレート部材33は、第二骨格部材22に対する相対的な回転範囲が制限されている。これにより、プレート部材33と第二骨格部材22との相対的な回転範囲は、回転中心を軸C1とするプレート部材33の周方向においてプレート部材33の両端部間、すなわち円弧穴部48aの両端部間に制限される。
【0019】
次に、上記の構成による物品支持装置10における回転角度調整機構部12の作用について説明する。
回転角度調整機構部12は、ロック部材34を回転させて第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との嵌合を解除することにより、軸C1を中心に第一骨格部材21とプレート部材33とが相対的に回転可能となる。ロック部材34を上述の他方側に回転させることにより、ロック部材34が第一嵌合部材31および第二嵌合部材32を嵌合方向へ締め付ける力が緩められる。これにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは、軸C1を中心として相対的に回転可能となる。このとき、第一嵌合部材31および第二嵌合部材32は、弾性部材46および弾性部材47によって互いに嵌合する方向へ押し付けられている。これにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは、緩く嵌合している。そのため、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは、第一歯部41と第二歯部42との噛み合いが軸C1を中心とした回転方向へずれながら相対的に回転する。また、弾性部材は、その押し付け力によって第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との緩やかな嵌合を維持している。そのため、第一歯部41と第二歯部42との噛み合いがずれるとき、物品支持装置10を操作する使用者には軽いクリック感が加わる。第一歯部41および第二歯部42のピッチを設定することにより、一つのクリック感あたりで変化する回転角度は任意に設定される。本実施形態の場合、一つのクリック感ごとに、第一骨格部材21とプレート部材33とは軸C1を中心として相対的に2.5°回転する。すなわち、第一骨格部材21とプレート部材33とが形成する角度は、一つのクリック感ごとに2.5°変化する。
【0020】
ロック部材34を緩めた状態で第一骨格部材21とプレート部材33とを相対的に回転させることにより、第一骨格部材21とプレート部材33とは関節部23の軸C1を中心とする角度が変化する。第一骨格部材21とプレート部材33とが所望の角度になると、使用者はロック部材34を緩める際と反対側へ回転させる。これにより、ロック部材34は、第二骨格部材22の支持部45に締め込まれ、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは嵌合を維持した状態で固定される。
【0021】
このようにロック部材34を締め込むことにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との嵌合が固定される。そのため、第一嵌合部材31に接続する第一骨格部材21と第二嵌合部材32に接続するプレート部材33とは、所望の角度で固定される。このように、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とが嵌合しているとき、第二嵌合部材32に接続するプレート部材33は、軸C1を中心として第二骨格部材22と相対的に回転可能である。このプレート部材33と第二骨格部材22とが相対的に回転可能な角度は、プレート部材33の円弧穴部48に依存する。すなわち、プレート部材33と第二骨格部材22とは、保持部材35が軸C1を中心とする回転方向において、円弧穴部48一方の端部481から他方の端部482までの間で相対的に回転可能である。より具体的には、保持部材35は、円弧穴部48の端部481と端部482との間で移動可能である。そのため、プレート部材33と第二骨格部材22とが相対的に回転可能な範囲は、この円弧穴部48によって規定される。
【0022】
本実施形態の場合、円弧穴部48を形成するプレート部材33の内壁にはラック部49が設けられている。保持部材35を回転させると、保持部材35のピニオン部53とプレート部材33のラック部49との噛み合いが変化する。そのため、保持部材35を回転させると、ラック部49のピッチごとにプレート部材33と第二骨格部材22との相対的な回転角度は変化する。本実施形態の場合、保持部材35が円弧穴部48の端部481から端部482まで移動すると、プレート部材33と第二骨格部材22とは、第一嵌合部材31の第一歯部41および第二嵌合部材32の第二歯部42の2ピッチ分、回転角度が変化する。言い換えると、保持部材35が円弧穴部48の中央にあるとき、一方の端部481まで移動するとプレート部材33と第二骨格部材22との回転角度は+2.5°変化し、他方の端部482まで移動するとプレート部材33と第二骨格部材22との回転角度は−2.5°変化する。本実施形態の場合、ラック部49のピッチは、第一歯部41および第二歯部42のピッチの1/5に設定されている。そのため、保持部材35とプレート部材33との噛み合いを1ピッチずらすと、プレート部材33と第二骨格部材22との回転角度は0.5°変化する。なお、図6に示すプレート部材33は、模式的なものであり、ラック部49の歯の数が実際とは相違する。
【0023】
上述のように、回転角度調整機構部12は、ロック部材34を緩めることにより、第一骨格部材21とプレート部材33とが形成する角度を、2.5°間隔でおおまかに調整することができる。このようにロック部材34を緩めた状態で第一骨格部材21とプレート部材33とが形成する角度をおおまかに決定した後、ロック部材34を締め込むことにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との嵌合が固定され、第一骨格部材21とプレート部材33とが形成する角度がおおまかに決定される。この状態で保持部材35を回転させると、ラック部49のピッチにあわせてプレート部材33と第二骨格部材22とが形成する角度が0.5°刻みで変化する。これにより、プレート部材33と第二骨格部材22とが形成する角度は、第一歯部41および第二歯部42のピッチ以下で微調整される。これとともに、第二骨格部材22に対する第一骨格部材21の角度も変化するため、最終的には第一骨格部材21と第二骨格部材22とが形成する角度が微調整される。すなわち、第一骨格部材21と第二骨格部材22とは、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との相対的な回転によっておおまかな回転角度が決定された後、第二骨格部材22に対するプレート部材33の回転によって詳細な回転角度が微調整される。
【0024】
次に、回転角度調整機構部13について説明する。
物品支持装置10は、第一骨格部材21および第二骨格部材22に加え、図1、図2および図7に示すように第三骨格部材60を有している。回転角度調整機構部13の場合、第一骨格部材21は、特許請求の範囲のステー部材に相当し、第三骨格部材60は、特許請求の範囲のフレーム部材に相当する。この第一骨格部材21と第三骨格部材60とは、図1に示すように回転中心を軸C2を中心として相対的に回転する。第三骨格部材60は、第一骨格部材21と反対側にレーザ照射装置11を支持している。
【0025】
回転角度調整機構部13は、図1、図2、図4および図7に示すように第一嵌合部材61、第二嵌合部材62、プレート部材63、ロック部材64および保持部材65を有している。第一嵌合部材61は、円板状に形成され、第一骨格部材21と一体に接続されている。具体的には、第一嵌合部材61は、図4および図7に示すように円板の軸方向において一方の端部に挿入部66を有している。第一骨格部材21は、この挿入部66に第三骨格部材60側の端部が挿入されている。第一嵌合部材61は、図4に示すように第三骨格部材60側の端面に第一歯部71を有している。第一歯部71は、第一嵌合部材61の軸方向へ凹凸を形成している。第二嵌合部材62は、第一嵌合部材61と同様に円板状に形成され、プレート部材63と一体に接続されている。第二嵌合部材62は、第一嵌合部材61と対向して設けられている。第二嵌合部材62は、第一嵌合部材61と対向する側の端面に第二歯部72を有している。第二歯部72は、第二嵌合部材62の軸方向へ凹凸を形成している。第一歯部71の凹凸の間隔すなわちピッチと、第二歯部72のピッチとは、ほぼ同一である。これにより、第一嵌合部材61の第一歯部71と第二嵌合部材62の第二歯部72とは、互いに噛み合い可能である。
【0026】
プレート部材63は、図2に示すように概ね長方形の板状に形成されている。プレート部材63の一方の端部は、第二嵌合部材62と一体に接続している。具体的には、第二嵌合部材62は、図4に示すように第二歯部72と反対側の端部に挿入部73を有している。プレート部材63の第二嵌合部材62側の端部は、この挿入部73に挿入されている。
ロック部材64は、図1および図7に示すように回転中心となる軸C2と同一の軸上に設けられている。ロック部材64は、第一骨格部材21、第三骨格部材60、第一嵌合部材61、第二嵌合部材62およびプレート部材63のいずれも貫いている。ロック部材64は、図2に示すように軸方向の一方の端部側に胴部74を有している。ロック部材64は、胴部74側の端部が第一骨格部材21に回転可能に支持され、胴部74と反対側の端部が第三骨格部材60の支持部75に回転可能に支持されている。
【0027】
回転角度調整機構部13は、上記の構成に加えて、図示しない二つの弾性部材を有している。図示しない二つの弾性部材は、いずれも弾性部材46および弾性部材47と同様にウェーブワッシャで形成されている。二つの弾性部材の一方は、第一骨格部材21と第一嵌合部材61との間に挟み込まれており、第一嵌合部材61を第二嵌合部材62側へ押し付ける弾性力を有している。二つの弾性部材の他方は、プレート部材63と第二嵌合部材62との間に挟み込まれており、第二嵌合部材62を第一嵌合部材61側へ押し付ける弾性力を有している。
【0028】
ロック部材64は、第一骨格部材21、第三骨格部材60、第一嵌合部材61、第二嵌合部材62およびプレート部材63を貫くことにより、一体となっている第一骨格部材21および第一嵌合部材61と、一体となっている第二嵌合部材62およびプレート部材63と、第三骨格部材60とをそれぞれ相対的に回転可能な状態で支持している。ロック部材64は、軸C2を中心に一方へ回転させると、第三骨格部材60の支持部75に締め込まれる。これにより、軸C2を中心にロック部材64を一方へ回転させると、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは嵌合する方向へ締め付けられる。このとき、図示しない弾性部材も、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とを互いに嵌合する方向へ押し付ける。一方、ロック部材64は、軸C2を中心に他方へ回転させると、第三骨格部材60の支持部75から緩められる。これにより、軸C2を中心にロック部材64を他方へ回転させると、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62との間に作用する嵌合力は低下する。このとき、二つの弾性部材は、いずれも第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とが嵌合する方向へ押し付けている。そのため、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは、緩く嵌合した状態を維持する。
【0029】
プレート部材63は、長手方向の一方の端部が第二嵌合部材62と嵌合するとともに、ロック部材64によって回転可能に支持されている。プレート部材63は、図2に示すように長手方向の他方の端部に微調整部の円弧穴部78を有している。円弧穴部78は、回転角度調整機構部13の軸C2を中心とする回転方向へ円弧状に延びている。プレート部材63は、この円弧穴部78を形成する内壁に図示しないラック部を有している。このラック部は、特許請求の範囲のプレート側微調整部に相当する。プレート部材63のラック部の構成は、プレート部材33のラック部49と同一の構成である。
【0030】
保持部材65は、図2に示すようにプレート部材63および第三骨格部材60を貫いている。保持部材65は、図示しない胴部を有しており、胴部と反対側の端部が第三骨格部材60の支持部82によって回転可能に支持されている。保持部材65は、プレート部材63の円弧穴部78を貫いている。保持部材65は、軸方向の全長の一部にプレート部材63のラック部と噛み合い可能な図示しないピニオン部を有している。この保持部材65のピニオン部の構成は、保持部材35のピニオン部53と同一の構成である。保持部材65は、支持部82に回転可能に支持されることにより、胴部と第三骨格部材60の支持部82との間に、プレート部材63を挟み込んでいる。この場合、胴部と支持部82との間に加わる締め付け力は、プレート部材63と第三骨格部材60との相対的な回転を許容する程度に設定されている。そのため、保持部材65は、一方または他方への回転によって、プレート部材63の図示しないラック部との噛み合いが変化する。その結果、保持部材65を一方または他方へ回転させることにより、プレート部材63と第三骨格部材60とは軸C2を中心に相対的に回転する。したがって、保持部材65のピニオン部とプレート部材63のラック部との噛み合いの変化によって、プレート部材63と第三骨格部材60との相対的な角度は、ラック部のピッチに応じて微調整される。
【0031】
次に、上記の構成による回転角度調整機構部13の作用について説明する。なお、回転角度調整機構部12と実質的に同一の作用については省略して説明する。
回転角度調整機構部13は、ロック部材64を回転させて第一嵌合部材61と第二嵌合部材62との嵌合を解除することにより、軸C2を回転中心として第一骨格部材21とプレート部材63とが相対的に回転可能となる。ロック部材64を上述の他方側に回転させることにより、ロック部材64が第一嵌合部材61および第二嵌合部材62を嵌合方向へ締め付ける力は緩められる。これにより、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは、軸C2を回転中心として相対的に回転可能となる。このとき、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは図示しない弾性部材で互いに押し付けられているため、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは緩く嵌合している。そのため、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは、第一歯部71と第二歯部72との噛み合いが軸C2を中心とした回転方向へずれながら、軽いクリック感を与えつつ、相対的に回転する。本実施形態の場合、回転角度調整機構部13は、回転角度調整機構部12と同様に、一つのクリック感ごとに第一骨格部材21とプレート部材63との相対的な回転角度が2.5°変化する。
【0032】
ロック部材64を緩めた状態で第一骨格部材21とプレート部材63とを相対的に回転させることにより、第一骨格部材21とプレート部材63とは軸C2を回転中心として回転角度が変化する。第一骨格部材21とプレート部材63とが所望の回転角度になると、使用者はロック部材64を締め込む。これにより、ロック部材64は、支持部75に締め込まれ、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とは嵌合を維持した状態で固定される。
【0033】
ロック部材64を締め込むことにより、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62との嵌合が固定され、第一嵌合部材61に接続する第一骨格部材21と第二嵌合部材62に接続するプレート部材63とは所望の角度で固定される。第一嵌合部材61と第二嵌合部材62とが嵌合しているとき、第二嵌合部材62に接続するプレート部材63は、軸C2を回転中心として第三骨格部材60と相対的に回転可能である。このプレート部材63と第三骨格部材60とが相対的に回転可能な角度は、プレート部材63の円弧穴部78に依存している。
【0034】
保持部材65を回転させると、保持部材65のピニオン部とプレート部材63のラック部との噛み合いが変化する。そのため、保持部材65を回転させると、ラック部のピッチごとにプレート部材63と第三骨格部材60との相対的な回転角度は変化する。本実施形態の場合、保持部材65とプレート部材63との噛み合いを1ピッチずらすと、プレート部材63と第三骨格部材60との回転角度は0.5°変化する。
【0035】
上述のように、回転角度調整機構部13は、ロック部材34を緩めることにより、第一骨格部材21とプレート部材63とが形成する角度を、2.5°間隔でおおまかに調整することができる。このようにロック部材34を緩めた状態で第一骨格部材21とプレート部材63とが形成する角度をおおまかに決定した後、ロック部材34を締め込むことにより、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62との嵌合が固定され、第一骨格部材21とプレート部材63とが形成する角度がおおまかに決定される。この状態で保持部材65を回転させると、ラック部のピッチにあわせてプレート部材63と第三骨格部材60とが形成する角度が0.5°刻みで変化する。これにより、プレート部材63と第三骨格部材60とが形成する角度は、第一歯部71および第二歯部72のピッチ以下で微調整される。これとともに、第三骨格部材60に対する第一骨格部材21の角度も変化するため、最終的には第一骨格部材21と第三骨格部材60とが形成する角度が微調整される。すなわち、第一骨格部材21と第三骨格部材60とは、第一嵌合部材61と第二嵌合部材62との相対的な回転によっておおまかな回転角度が決定された後、プレート部材63に対する第三骨格部材60の回転によって詳細な回転角度が微調整される。
【0036】
以上説明した一実施形態では、互いに噛み合っている第一嵌合部材31、61と第二嵌合部材32、62との噛み合いをずらすことにより、第一嵌合部材31、61と一体の第一骨格部材21と、第二嵌合部材32、62と一体のプレート部材33、63とは、第一歯部41、71および第二歯部42、72のピッチに応じて角度が変化する。また、プレート部材33、63は、軸C1または軸C2を回転中心として第二骨格部材22または第三骨格部材60と相対回転可能である。これにより、第一嵌合部材31、61と第二嵌合部材32、62との噛み合いのピッチをずらすことにより、第一骨格部材21とプレート部材33、63との相対的な角度はおおまかに決定される。この状態でロック部材34、64を締め込むことにより、第一嵌合部材31、61と第二嵌合部材32、62とは噛み合って互いに保持された状態となる。そして、軸C1または軸C2を中心にプレート部材33、63を回転させることにより、プレート部材33、63の角度が微調整される。すなわち、第一骨格部材21と第二骨格部材22または第三骨格部材60とは、第一嵌合部材31、61と第二嵌合部材32、62との嵌合によりおおまかに相対的な角度が決定され、プレート部材33、63の回転によって厳密な角度が微調整される。さらに、相対的な角度の決定に、軸C1または軸C2を中心とした回転を利用している。そのため、占有する空間は小さくなる。その結果、おおまかな角度を決定する第一嵌合部材31、61および第二嵌合部材32、62からなる部分と、詳細な角度を決定するプレート部材33、63および保持部材35、65からなる部分とを分離しても、構造は簡単になる。したがって、体格の大型化および構造の複雑化を招くことなく概略的な角度を保持しつつ、第一骨格部材21と第二骨格部材22または第三骨格部材60との相対的な回転角度を微調整することができる。
【0037】
また、一実施形態では、プレート部材33、63は、円弧穴部48、78を有している。これにより、プレート部材33、63は、軸C1または軸C2を回転中心として円弧穴部48、78の範囲で回転角度が調整される。したがって、第一骨格部材21と第二骨格部材22または第三骨格部材60との相対的な回転角度を所定範囲で微調整することができる。
さらに、一実施形態では、プレート部材33、63は、円弧穴部48、78を形成する内壁にラック部49を有している。これにより、プレート部材33、63は、軸C1または軸C2を回転中心としてラック部49の範囲で回転角度が調整される。すなわち、ピニオン部が設けられた保持部材35、65を回転させることにより、ラック部49とピニオン部53のピッチごとにプレート部材33と第二骨格部材22、またはプレート部材63と第三骨格部材60との角度が詳細に決定される。したがって、第一骨格部材21と第二骨格部材22または第三骨格部材60との相対的な回転角度を容易に微調整することができる。
【0038】
(その他の実施形態)
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
上述の一実施形態では、プレート部材33の円弧穴部48を形成する内壁にラック部49を形成する例について説明した。しかし、プレート部材33にラック部49、および保持部材35にピニオン部53を設けなくてもよい。この場合、保持部材35は、第二骨格部材22へ締め付ける構成とする。これにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との嵌合によって第一骨格部材21とプレート部材33との概略的な角度を決定するとき、保持部材35を締め付けてプレート部材33と第二骨格部材22とを固定する。そして、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との嵌合によって第一骨格部材21とプレート部材33との概略的な角度が決定されると、保持部材35を緩める。保持部材35を緩めることにより、プレート部材33と第二骨格部材22とは、軸C1を回転中心として円弧穴部48の範囲で相対回転可能である。これにより、第二骨格部材22に対するプレート部材33の角度を微調整するとともに、決定した角度で保持部材35を締め込む。その結果、ラック部などを形成しなくても、プレート部材33と第二骨格部材22との回転角度、および第一骨格部材21と第二骨格部材22との回転角度は高精度に決定することができる。保持部材65も、同様の構成とすることができる。
【0039】
また、一実施形態では、物品支持装置10でレーザ照射装置11を支持する例について説明したが、物品支持装置10で支持する物品はこれに限るものではない。また、第一骨格部材21、第二骨格部材22および第三骨格部材60の形状は一例であり、二つの部材の相対的な角度を調整する構成であれば上記の例に限るものではない。
【0040】
さらに、一実施形態では、ロック部材34による締め付けを解除したとき、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との噛み合いは弾性部材46および弾性部材47の押し付け力で確保する例について説明した。しかし、第一嵌合部材31および第二嵌合部材32の径方向の中心付近に弾性変形可能な肉厚部を設け、ロック部材34の締め付けまたは締め付けの解除によってその肉厚部を変形させる構成としてもよい。この場合、ロック部材34を締め付けると肉厚部が変形し、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは、嵌合状態で密着する。一方、ロック部材34の締め付けを解除すると、肉厚部の弾性力によって第一嵌合部材31と第二嵌合部材32とは離間し、緩く嵌合した状態となる。これにより、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との緩やかな嵌合によるクリック感を確保しつつ、第一嵌合部材31と第二嵌合部材32との相対的な回転を確保することができる。
【符号の説明】
【0041】
図面中、10は物品支持装置、11はレーザ照射装置(物品)、12、13は回転角度調整機構部、21は第一骨格部材(ステー部材)、22は第二骨格部材(フレーム部材)、31、61は第一嵌合部材、32、62は第二嵌合部材、33、63はプレート部材、34、64はロック部材、35、65は保持部材、41、71は第一歯部、42、72は第二歯部、46、47は弾性部材、48、78は円弧穴部(微調整部)、49はラック部(プレート側微調整部)、53はピニオン部、60は第三骨格部材(フレーム部材)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステー部材と、回転中心を軸として前記ステー部材に対し相対的に回転するフレーム部材と、前記ステー部材と前記フレーム部材との相対的な回転角度を調整する回転角度調整機構部とを備え、前記ステー部材または前記フレーム部材の一方に対象となる物品を支持する物品支持装置であって、
前記回転角度調整機構部は、
前記ステー部材と一体に接続され、前記フレーム部材側の端面に第一歯部を有する第一嵌合部材と、
前記第一嵌合部材と対向して設けられ、前記第一嵌合部材側の端面に前記第一歯部と噛み合い可能な第二歯部を有する第二嵌合部材と、
前記第二嵌合部材と一体に接続され、前記回転中心を軸として前記回転中心を軸とした周方向の両端部間において前記フレーム部材と相対的に回転可能であって、前記回転中心と反対側の端部において前記フレーム部材との間の回転角度を微調整する微調整部を有するプレート部材と、
前記第一嵌合部材および前記第二嵌合部材を、互いに嵌合する方向へ押し付ける弾性部材と、
前記回転中心において、前記ステー部材、前記フレーム部材、前記第一嵌合部材、前記第二嵌合部材および前記プレート部材を貫いて、一体の前記ステー部材および前記第一嵌合部材と、一体の前記第二嵌合部材および前記プレート部材と、前記フレーム部材とを相対回転可能に支持するとともに、一方へ回転することにより前記弾性部材の押し付け力とともに前記第一嵌合部材と前記第二嵌合部材とが嵌合する方向へ締め付け、他方へ回転することにより前記第一嵌合部材と前記第二嵌合部材との嵌合を解除する方向へ緩むロック部材と、
前記微調整部において前記プレート部材と前記フレーム部材とを相対的な位置を決定しつつ保持する保持部材と、を有し、
前記第一歯部材と前記第二歯部材との噛み合いが前記回転中心を軸とする回転方向へずれるごとに前記回転中心を軸とする前記ステー部材に対する前記プレート部材の相対的な回転角度が変化し、前記回転中心を軸として前記プレート部材が回転することにより前記第一嵌合部材と前記第二嵌合部材との噛み合いを維持したまま前記プレート部材と前記フレーム部材との相対的な回転角度が変化することを特徴とする物品支持装置。
【請求項2】
前記プレート部材は、前記微調整部に、前記回転中心を軸とする前記プレート部材の回転方向へ延び、前記保持部材が貫く円弧穴部を有することを特徴とする請求項1記載の物品支持装置。
【請求項3】
前記微調整部は、前記プレート部材に設けられ、前記回転中心を軸とする前記プレート部材の回転方向へ延び内側にラック部を有するプレート側微調整部と、
前記保持部材に設けられ、前記ラック部と噛み合い可能なピニオン部と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の物品支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−196765(P2011−196765A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62476(P2010−62476)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】