説明

物品配送システム

【課題】本願発明の課題は従来技術が抱える問題を解消することであり、より具体的には、温度検知機能と送信機能を備えたセンサ付真空断熱パネルを利用するものであり、断熱性能に優れ且つ検知温度を送信できる保冷容器を用いた物品配送システムを提供することである。
【解決手段】本願発明は、温度検知という性質上、通常は断熱環境に置かれることのない温度センサを、あえて真空断熱材内に設置するという発想に基づいて行われたものであり、具体的には、温度検知機能と送信機能を備えたセンサ付真空断熱パネルを用いた保冷容器で配送する技術について開発したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食材や食品、あるいは化粧品や薬品など、保冷を必要とする物品を配送するシステムに関するものであり、より具体的には、センサを備えた真空断熱パネルを使用した保冷容器で配送するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、就業主婦の増加、高齢者世帯の増加に伴い、食材の宅配サービスの需要が拡大している。食材の宅配サービスとは、食材の販売事業者が需要者のもとに食材を届けるサービスであり、需要者の注文に応じた食材を例えば週に1回の頻度で定期的に宅配するものである。
【0003】
宅配される食材には、常温管理できるものに限らず要冷蔵や要冷凍の食材も含まれるため、発泡スチロールなど断熱材を使用した保冷容器に収容して配送している。また夏場に宅配されることもあり、あるいは需要者に手渡しされず指定された場所(例えば玄関前)に置いて帰ることもあるので、保冷容器の中には食材とともにドライアイスや蓄冷剤を入れているのが現状である。なお、多くの食材の宅配事業者では、「要冷凍食材」を宅配する場合にはドライアイスを、「要冷蔵食材」を宅配する場合には蓄冷剤を保冷容器内に同梱している。
【0004】
このように従来の保冷容器は、ドライアイスや蓄冷剤で冷却し、かつ発泡スチロールなどで断熱することによって、保冷容器内の食材を保冷する(冷却状態を保つ)ものである。しかしながら、時間とともにドライアイスや蓄冷剤の冷却能力も衰えていくうえ、発泡スチロールの熱伝導率は空気と同じ0.02〜0.03w/mk程度でそれほど断熱性に優れたものではないことから、長時間にわたって従来の保冷容器で食材を保冷することは困難であった。
【0005】
食材の宅配も通常の宅配と同様、一回の配送で複数の宅配先を訪れるため、交通事情によっては予定よりも長い時間がかかって届けられることもある。あるいは、需要者に直接手渡しするつもりで宅配したにもかかわらず、その需要者が不在ということもある。このような場合、宅配者が保冷容器内の温度状態を確認することができないので、そのまま食材を指定場所に置いていくか、あるいは持ち帰るべきか、いずれか判断に迷うこととなる。
【0006】
また、通常、宅配者が配送中に保冷容器の中を確認することはないので、保冷容器の故障によって、あるいはドライアイスや蓄冷剤の入れ忘れによって、図らずも保冷されない状態で食材を届けてしまうことがある。このように、配送中に保冷容器内の温度管理ができないと、保冷されていない状態の食材をそのまま需要者が手にするおそれがある。
【0007】
現状の改善策として、現在使用されている発泡スチロール製の保冷容器を、より断熱性の高い材料を用いた保冷容器に変更することも考えられる。この方法は有効であるが、食材の宅配サービスの需要拡大に伴って現在大量に保冷容器が使用されていることを考えると、全ての保冷容器に対応するには時間がかかるため即効性にやや欠けるうえ、保冷容器内の温度管理ができないという問題については解決できない。
【0008】
その他、保冷容器内に同梱するドライアイスや蓄冷剤を通常の設計量よりも多くして保冷可能期間を長引かせることも考えられるが、ドライアイスや蓄冷剤を多くした分だけ収容できる食材の量が減ることとなり、食材の宅配事業者としては採用し難いし、やはり保冷容器内の温度管理ができないという問題については解決できない。
【0009】
保冷容器内の温度管理ができないという問題を解決するため、特許文献1では、特別な保冷庫を利用して物品を配送するシステムを提案している。ここで用いられる保冷庫は、物品を保冷するとともに、庫内の温度を検知し、この温度データを記憶し、さらにこのデータを送信する手段を備えたものである。そして、これら送信されるデータを管理センタのような施設で集中管理するのが、特許文献1で提案するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−322459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら特許文献1によれば、特別な保冷容器を必要とするため、その数量を考えると莫大な費用がかかるうえ、大量の既存の保冷容器を破棄しなければならず、経済的にも自然環境的にも問題が残る。
【0012】
そこで、特許文献1で提案される特別な保冷容器に代えて、温度検知可能で且つ通信可能な無線センサを既存の保冷容器内に配置するシステムも考えられる。しかしこの場合、無線センサが保冷容器内で低温に曝され、さらにはドライアイスや蓄冷剤による結露に曝される結果、無線センサの電源であるバッテリが急速に劣化して早々に機能しなくなり、無線センサひいてはシステムそのものが適切に運用されなくなる。
【0013】
本願発明の課題は前記した問題を解消することであり、より具体的には、温度検知機能と送信機能を備えたセンサ付真空断熱パネルを利用するものであり、断熱性能に優れ且つ検知温度を送信できる保冷容器を用いた物品配送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、温度検知という性質上、通常は断熱環境に置かれることのない温度センサを、あえて真空断熱材の内部に設置するという発想に基づいて行われたものであり、具体的には、温度検知機能と送信機能を備えたセンサ付真空断熱パネルを用いた保冷容器で配送する技術について開発したものである。
【0015】
本願発明の物品配送システムは、保冷容器内に物品を収納し、配送車でこの保冷容器を配送するとともに、配送中の保冷容器内の温度を、監視手段によって監視可能な物品配送システムであって、前記保冷容器は、容器本体と蓋を備え、前記容器本体の内面と前記蓋の内面のうち、一部又は全面に、芯材にガスバリア性の外被材を被せた真空断熱パネルが配置され、前記真空断熱パネルの一部又は全部は、外被材の内側に、周辺温度の検知が可能な温度センサと、温度センサによる検知結果を通信可能な通信部と、バッテリと、が設置されたセンサ付真空断熱パネルであり、前記監視手段は、前記真空断熱パネルの通信部から前記温度センサによる検知結果を受信可能な受信手段と、この受信手段で受信した検知結果を記憶する記憶手段と、検知結果を表示する表示手段と、を備えたものとである。
【0016】
本願発明の物品配送システムは、保冷容器内に物品を収納し、配送車でこの保冷容器を配送するとともに、配送中の保冷容器内の温度を、監視手段によって監視可能な物品配送システムであって、前記保冷容器は、芯材にガスバリア性の外被材を被せた真空断熱パネルで形成された容器本体と、この真空断熱パネルで形成された蓋を備え、前記真空断熱パネルの一部又は全部は、外被材の内側に、周辺温度の検知が可能な温度センサと、温度センサによる検知結果を通信可能な通信部と、バッテリと、が設置されたセンサ付真空断熱パネルであり、前記監視手段は、前記真空断熱パネルの通信部から前記温度センサによる検知結果を受信可能な受信手段と、この受信手段で受信した検知結果を記憶する記憶手段と、検知結果を表示する表示手段と、を備えたものとすることもできる。
【0017】
本願発明の物品配送システムは、センサ付真空断熱パネルの外被材が、熱伝導性素材と電波透過性素材を組み合わせて形成されたものであり、前記外被材のうち、通信部を覆う範囲が電波透過性素材であるものとすることもできる。
【0018】
本願発明の物品配送システムは、センサ付真空断熱パネルの外被材が、熱伝導性素材と電波透過性素材を組み合わせて形成されたものであり、前記外被材のうち、温度センサを覆う範囲が熱伝導性素材であるものとすることもできる。
【0019】
本願発明の物品配送システムは、センサ付真空断熱パネルが、温度センサに加え、湿度センサ、加速度センサ、真空センサのうちいずれか1又は2以上のセンサを、外被材の内側に備えるとともに、センサ付真空断熱パネルの通信手段は、前記1又は2以上のセンサの検知結果を通信可能であって、監視手段の受信手段が、前記1又は2以上のセンサの検知結果を受信可能なものとすることもできる。
【0020】
本願発明の物品配送システムは、配送車とともに移動する端末機を備え、前記端末機は、センサ付真空断熱パネルの通信手段から、センサの検知結果を受信する受信手段と、該センサの検知結果を表示する表示手段と、該センサの検知結果を監視手段の受信手段に伝送する通信手段と、を備えたものとすることもできる。
【0021】
本願発明の物品配送システムは、監視手段の受信手段は、センサの検知結果を物品配送中に2回以上受信し、監視手段の記憶手段は、前記受信した検知結果を検知時間とともに記憶することで、監視手段によるセンサの検知結果の履歴管理が可能なものとすることもできる。
【0022】
本願発明の物品配送システムは、保冷容器内の温度の閾値を設定し、監視手段によって保冷容器内温度の閾値超過が確認されると、この閾値超過を端末機の受信手段に報知する報知手段を備えたものとすることもできる。
【0023】
本願発明の物品配送システムは、監視手段の受信手段は、2以上の保冷容器からセンサの検知結果を受信可能であり、監視手段の記憶手段は、前記保冷容器ごとに前記センサの検知結果を記憶可能であり、監視手段の表示手段は、前記保冷容器ごとに前記センサの検知結果を表示可能なものとすることもできる。
【発明の効果】
【0024】
本願発明の物品配送システムは次のような効果がある。
(1)使用する真空断熱材の外被材内が真空状態であるため、断熱性の優れた保冷容器で配送できる。従って、物品についても良好な保冷状態のまま届けることができる。
(2)保冷容器に使用されるバッテリはセンサ付真空断熱パネル内に設置されているので、結露が生ずるような高湿環境や低温環境で使用してもバッテリが劣化しにくく、長期使用が可能となる。
(3)保冷容器に使用されるセンサ付真空断熱パネルに加速度センサを備えると、例えば搬送している間に物品の振動状況を把握できるので、品質管理上さらに好適である。
(4)保冷容器に使用されるセンサ付真空断熱パネルに真空センサを備えると、例えば外皮材が破損するなど真空断熱パネルの異常も検知できるので、品質管理上さらに好適である。
(5)本願発明で使用する保冷容器は、現在使用されている保冷容器を活用することができるので、経済的にも自然環境的にも好適である。
(6)本願発明で使用する保冷容器の内面に配置されるセンサ付真空断熱パネルは、表面が外被材で覆われているため洗浄することが可能で、その結果、保冷容器内の衛生状態を維持することが容易である。
(7)保冷容器に用いられるセンサ付真空断熱パネルが通信部を備えているので、温度センサで検知した温度データを監視手段に送信することができ、監視手段ではこの温度データを確認できるので、保冷容器内の温度を管理しながら配送することができる。
(8)監視手段は、複数の保冷容器からの検知結果を受信できるので、効率的に温度管理を行うことができる。
(9)配送車とともに移動する端末機を備えると、配送する者も、保冷容器を開けることなく内部温度を確認することができる。また、届け先(お客様)に、到着時の保冷容器内温度を確認してもらうこともできる。
(10)配送車とともに移動する端末機を備えると、保冷容器内に温度異常があった場合に、その旨が監視手段から配送する者に報知されることで、保冷されない物品の配送を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の物品配送システムの全体概要を示す説明図。
【図2】センサ付真空断熱パネルを用いた本願発明における保冷容器を示す斜視図。
【図3】現在利用されている保冷容器を示す断面図。
【図4】本願発明における保冷容器を正面から見た断面図。
【図5】センサ付真空断熱パネルを示す断面図で、(a)は無線センサを芯材に埋設した場合を示す断面図、(b)は無線センサを芯材の表面に配置した場合を示す断面図、(c)は本体部とアンテナ部を芯材の表面にバッテリを芯材に埋設した場合を示す断面図、(d)はアンテナ部とバッテリを芯材の一方の表面に配置し温度センサ部を芯材の他方の表面に配置した場合を示す断面図、(e)は一方の表面にアンテナ部とバッテリを配置し温度センサ部を芯材の他方の表面に配置した場合を示す断面図。
【図6】芯材の片面に板状外被材、他面にシート状外被材を被せたセンサ付真空断熱パネルを示す断面図。
【図7】無線センサを説明するための詳細平面図。
【図8】本願発明におけるセンサ付真空断熱パネルの真空検知説明図。
【図9】蓋内にドライアイス等を収容することのできる保冷容器を正面から見た断面図。
【図10】センサ付真空断熱パネル自体によって形成された保冷容器を示す説明図。
【図11】センサ付真空断熱パネルに補強材を組み合わせた保冷容器を正面から見た断面図。
【図12】断熱材からなる壁材にセンサ付真空断熱パネルを内挿した保冷容器を正面から見た断面図。
【図13】検知データの送受信を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[実施形態]
本願発明の物品配送システムの実施形態の一例を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の物品配送システムの全体概要を示す説明図である。この図は、配送元1から配送車2によって目的の配送先3へ物品が配送される状況を示すものである。この物品は、冷凍された食品(冷凍食品)や冷蔵された食品(冷蔵食品)などのように所定温度を維持したまま配送される必要があるもの(以下、「保冷物品」という。)であり、保冷容器4に収納されて配送される。また、保冷容器4は、後に説明する真空断熱材が使用されたものであり、さらに容器内の温度を検知する温度センサ5とこの検知温度を伝送する通信部6を備えている。そして、保冷容器4の通信部6から伝送された検知温度は、直接的にあるいは間接的に管理センタ7の監視手段で受信され、ここで監視される。以下、本願発明の物品配送システムについて、これを構成する要素ごとに説明する。
【0027】
(保冷容器)
保冷容器4は、保冷物品を収容して配送車2で搬送することのできるものであり、図2に示すように、その外形は容器本体8と蓋9によって形成されている。この容器本体8及び蓋9は新規に作成することもできるが、現在利用されている保冷容器B(図3に示す)をそのまま利用することもできる。現在大量に流通している既存の保冷容器Bを有効活用することによって、経済的な負担を軽減できるとともに、廃棄物を減らし自然環境にも配慮したものとなる。既存の保冷容器Bの容器本体8及び蓋9は、断熱性の材料が利用されており、代表的なものとしては発泡スチロールが挙げられるが、他にも各種ウレタン製のものが用いられることもある。
【0028】
図4は、本願発明における保冷容器4を正面から見た断面図である。この図及び図2に示すように容器本体8は、立設して対向する2枚の正面壁8aと、同じく立設して対向する2枚の側壁8bと、これら2枚の正面壁8a及び2枚の側壁8bの下端を塞ぐ底面壁8cによって形成され、これら壁面内には上部開放の収容空間10が設けられている。図2及び図4では、容器本体8を立設する4面の壁からなる平面視形状を長方形としているが、収容空間10を設けることができれば、この長方形に限らず他の形状、例えば平面視で多角形、長円形、その他の任意形状とすることができる。
【0029】
蓋9は、容器本体8の上方から被せて嵌合できるもので、容器本体8にこの蓋9を設置すると収容空間10が略密閉される。収容空間10内に収められる保冷物品F(図4)を外部の熱から遮断する(断熱する)ために、容器本体8と蓋9は確実に嵌合されることが望ましい。そのため、図4に示すように容器本体8の上部を凹形状にして蓋9の下側を凸形状にしたり、逆に容器本体8側が凸形状で蓋9の下側が凹形状としたり、一方に突起を設けて他方に溝部(孔部)を設けるなど種々の手段によることができるが、ここで例示したように蓋9の着脱が容易である手段とすることが望ましい。
【0030】
図2や図4に示すように、収容空間10を構成する正面壁8a、側壁8b、底面壁8c、及び蓋9の内面(以下、これらを総称して「収容空間10の構成面」という。)には、発泡スチロールなどに比べると断熱性に優れる真空断熱材が設置される。この場合、真空断熱材は、各壁面に固定することも、あるいは固定せずに単に配置することもできる。真空断熱材は、芯材を外被材で覆ったもので、この外被材内を真空状態(減圧状態)とすることで優れた断熱性能を発揮する。真空断熱材の熱伝導率は0.002〜0.01w/mkであり、発泡スチロールの0.02〜0.03w/mk、空気の0.02w/mkに比べると、その断熱性能が顕著であることがわかる。この優れた断熱性能を有する真空断熱材を利用すれば、従来の保冷容器Bの断熱性能も格段に向上する。なお、正面壁8a、側壁8b、底面壁8c、及び蓋9の「内面」とは、各壁の表裏面のうち収容空間10側の面を指す。
【0031】
収容空間10内の断熱性を考えると、収容空間10の構成面の全てに真空断熱材が配置されることが望ましいが、利用環境によっては収容空間10の構成面のうち一部にのみ真空断熱材を配置することもできる。また、これら配置された真空断熱材のうち一部又は全部に、温度センサ5が設置されている。これによって収容空間10内の温度、つまり保冷物品Fの環境温度を検知することができる。なお便宜上、温度センサ5が設置された真空断熱材を「センサ付真空断熱パネル11」とし、温度センサ5のない真空断熱材を「真空断熱パネル12」とする。
【0032】
(センサ付真空断熱パネル)
図5(a)〜(e)は、センサ付真空断熱パネル11を示す断面図である。これらの図に示すようにセンサ付真空断熱パネル11は、真空断熱材に温度センサ5を取り付けたものであり、図5(a)〜(e)に示すように温度センサ5の取付け方にはさまざまな方法がある。
【0033】
真空断熱材は、芯材13に外被材14で被せた状態で減圧し、外被材14の開口部を熱溶着(ヒートシール)したものである。芯材13の内部には多くの空隙が設けられており、ローラによる空気の押し出しあるいは吸気によって、空隙内の空気が排出されて、真空断熱材の内部は減圧され真空状態となる。このとき芯材13が湿気を帯びているとその後の真空状態が保たれ難いので、空隙内からの空気排出作業は、乾燥空気を送りながら行うなど乾燥環境下で実施するのが望ましい。なお、ここでいう真空状態とは、必ずしも絶対真空状態に限らず真空度の高い状態を指すもので、10−5Pa以下の絶対真空状態に近い状態を含む。なお、絶対真空状態に近づけるためには相当の費用もかかることから、本願発明で使用する真空断熱材の真空度は10−5〜200Paが望ましく、さらに望ましいのは0.1〜100Pa程度である。
【0034】
より多くの空気を芯材13から排出できる方がより減圧され、つまりより高い真空度の真空断熱材が得られることとなる。そのため、芯材13の材質としては、内部に多くの空隙をもついわゆる多孔体が用いられ、例えば、グラスウール、セラミックファイバ、ロックウールなどの繊維素材、粉末シリカなどの粉体、有機又は無機の発泡体などを用いることができる。発泡スチロールやFRP等を使用することもできるが、断熱材は多くの空気を排出できる方が減圧され、高い真空状態にすることができることから、内部に多くの空隙や孔等(以下、「空隙」という。)をもついわゆる多孔質のものが望ましい。スタイロホームも芯材13として利用できるが、割れやすいという面があるので使用状況によっては注意を要する。逆に、芯材13として利用するガラスウールは割れ難いという特性を有する。芯材13の材質、形状、サイズ、厚さ等はセンサ付真空断熱パネル11や真空断熱パネル12の用途に合わせて設計できる。
【0035】
外被材14は、フィルム状、シート状、板状のものを使用することができる。外被材14はその内部を真空状態に保つためガスバリア性に富む材質で形成される必要がある。ガスバリア性に富む材料としては、ステンレススチール、アルミニウム、鉄といった金属、プラスチック(樹脂)、金属箔とプラスチックフィルムとをラミネートした複合材、プラスチックに金属を蒸着した複合材、金属シートと樹脂シートを貼り合わせた積層構造の複合材、樹脂繊維製あるいは天然繊維製の織布や不織布等の布とガスバリア性のある樹脂製、金属箔製等のフィルムやシート等とを積層した複合材等がある。これら外被材14の材質、厚さ、形状、サイズ、複合構造等は使用目的に応じて適宜設計することができる。外被材14は、フィルム状、シート状、板状のものを単独で使用することもできるが、芯材13の片面をフィルム状の外被材14で被覆し反対側面をシート状の外被材14で被覆することもできる。そのほか、図6に示すように芯材13の片面(図6では下面)に板状の外被材14aを配置し、芯材13の反対側面(図6では上面)をシート状(あるいはフィルム状)の外被材14bを被せて芯材13を被覆することもできる。このように、フィルム状、シート状、板状のものを組み合わせて芯材13を被覆することもできる。場合によっては芯材13の両面に図6に示すような板状の外被材14aを配置し、その外側をさらにシート状(あるいはフィルム状)の外被材14bで被覆して、その外被材14bの内側を真空にすることもできる。外被材14の材質、形状、サイズ、厚さ、強度等もセンサ付真空断熱パネル11や真空断熱パネル12の用途に合わせて設計できる。外被材14は同じあるいは異なる材質、構造のもの(いずれもガスバリア性のあるもの)を二重にして芯材13を被覆することもでき、二重被覆することにより、万が一いずれか一方の外被材14が損傷しても外被材14の内側の真空状態は確保される。
【0036】
アルミニウムをはじめとする金属製の素材を用いた外被材14は、熱伝導性が高いという特性がある半面、シールド性(電波遮蔽性)もある。後に説明するように、真空断熱材の内部に入れられる温度センサ5は周辺温度を検知するもので、通信部6がこの検知した結果を通信する。周辺温度を検知するという面ではアルミニウム素材は適しているが、通信するという面ではアルミニウム素材は適さない。
【0037】
一方、外被材14として、ナイロン系の素材を用いることもできるが、ナイロン系の素材は熱伝導性が低く、電波を透過しやすいという特性がある。つまり、アルミニウム素材とは逆で、通信するという面ではナイロン系の素材は適しているが、周辺温度を検知するという面ではナイロン系の素材は適さない。双方の特性を生かすべく、アルミニウム素材とナイロン系素材を組み合わせて外被材14とすることもできる。一例として、温度センサ5に近接する(温度センサ5を覆う)範囲は熱伝導性の高いアルミニウム素材を用い、通信部6に近接する(通信部6を覆う)範囲は電波透過性の良いナイロン系素材とする外被材14を用いることができる。
【0038】
芯材13の空隙内の空気が排出された状態、すなわち真空断熱材の内部が減圧された状態で外被材14の開口部がヒートシールされ、これによって真空度の高い状態を維持することができる。従って、外被材14は熱溶着可能な材料と組み合わされることが多い。例えば、アルミニウム箔の裏面(又は表裏面)にPET素材を重ねたものを、外被材14として用いるなど、アルミウムをはじめとする金属製の板、フィルム、シート等にPET素材を組み合わせたもの(貼り合わせ、蒸着等したもの)を用いることができる。PET素材は90℃程度で溶着され、これに対して温度センサ5は通常200℃程度までは溶けることがないので、温度センサ5にとっては好適である。
【0039】
なお、芯材13や外被材14は、ここで例示したものに限らず、従来から真空断熱材として用いられている素材、材質のものを使用することができ、特にサイズを大きめにし、更に折り曲げ可能な材質、厚さに設計すると、一枚のセンサ付真空断熱パネル11を折り曲げて、保冷容器4内に設置することができる。
【0040】
センサ付真空断熱パネル11は、外被材14内に、温度センサ5と、ここで検知した温度データを送信する通信部(送信部)6を備えている。温度センサ5で検知した温度データは、通信部6から外部の管理センタ7や他の機器に無線送信され、例えば管理センタ7でデータ処理し、遠隔地からの温度管理を実現することができる。また他の機器と通信する場合は有線で行うこともできる。有線式の場合は外被材14の外に外部機器と電気的に接続可能なコネクタなど他の接続機器(接続具)を設けておき、それに接続された外部機器との間で有線通信することができる。この場合、外被材14内の真空状態が損なわれないように取付ける必要がある。無線式の場合は通信部6にアンテナを内蔵あるいは外付けすることができる。
【0041】
本願発明では、温度センサ5で検知した温度データを、外被材14の内側に設けたデータロガー(記憶部)に記憶させておき、記憶されたデータを例えば外部の管理センタ7やその他の場所で処理して温度状態を管理することもできる。データロガーには温度データだけでなく、他のセンサで検知されたデータ、例えば、真空(圧力)データ、湿度データ、加速度データ等も記録することができる。湿度センサは、外被材14のガスバリア性が劣化又は破損して外部から外被材14の内側に侵入した場合の湿気を検知するものである。加速度センサは振動を感知できるものである。この加速度センサを設けることにより、例えば保冷容器4で保冷物品Fを搬送している間、保冷物品F周辺の振動状況が把握できるので、配送品質を考えるとさらに好適である。
【0042】
センサ付真空断熱パネル11には、温度センサ5と通信部6、あるいはデータロガーや真空センサ17を作動させるためのバッテリが設けられている。バッテリにはリチウム電池をはじめ長寿命の電池を使用することができる。この電池は、充電式のものでも非充電式のものでも使用可能である。充電式の場合は外被材14の外に充電用電源接続器(例えば、コンセント)を設けておき、それに電源を接続することにより充電することができる。近年は、非接触式の充電、例えば、電磁波を充電に利用する充電方法も研究され、実用化の目途が立っているので、非接触式で充電が可能な電池を使用することもできる。
【0043】
温度センサ5、通信部6、バッテリを一体として備えたものが無線センサ15である。この無線センサ15は市販されていることもあって、現在では広く利用されている。この無線センサ15は、図7に示すような形態であり、温度を検知する温度センサ部(温度センサ5)を有する本体部15a、アンテナ部15b(通信部6)、バッテリ15cの三つの部品を備えている。なお本願発明におけるセンサ付真空断熱パネル11は、少なくとも温度センサ5と通信部6を備えていればよく、これらが別体であっても、無線センサ15のように一体であってもよい。以下便宜上、センサ付真空断熱パネル11が無線センサ15(本体部15a、アンテナ部15b、バッテリ15cの三つの部品を有する)を備えた場合で説明する。近年では無線センサ15は小型化が進み、その外寸(長さ)が2〜4mmのものまであり、センサ付真空断熱パネル11に用いられる無線センサ15も小型の方が望ましいが、真空断熱材の内部に設置することのできるものであれば、その大きさや形状は任意に設計することができる。
【0044】
センサ付真空断熱パネル11に用いられる無線センサ15は、専用のものとして別途作成してもよいが、市販されているものを使用することもできる。また、市販されている無線センサ15には、温度を検知することができる温度センサ5に加えて、湿度を検知することができる湿度センサや、振動の程度を検知できる加速度センサを備えたものもあるので、このような無線センサを利用することもできる。
【0045】
無線センサ15のバッテリ15cには、リチウム電池などが多用されている。リチウム電池等は、一般に低温環境や高湿環境では劣化が進みやすく、極端に寿命が短くなることが知られている。そのため無線センサ15は、常温環境であって高湿とならない環境で利用されることが多い。保冷物品Fを搬送する保冷容器4内に無線センサ15を設置できれば、搬送中であっても保冷物品Fの環境温度を管理することができて好適であるが、保冷容器4内にはドライアイスD等が置かれるためにバッテリ15cの劣化(短寿命)問題が生じることとなって、従来では保冷容器4内に無線センサ15が設置されることはなかった。一方、本願発明は、断熱性能が高い真空断熱材の内部に無線センサ15を設置するので、収容空間10内の低温・高湿からバッテリ15cを保護することが可能となり、バッテリ15cの劣化問題が生じないことから、安心して保冷容器4内に無線センサ15を設けることができる。
【0046】
無線センサ15を真空断熱材の内部に設置する方法は、種々選択することが可能であり、その例を図5(a)〜(e)に示す。
【0047】
図5(a)は、無線センサ15を芯材13に埋設した場合を示す断面図である。この図に示すように、芯材13に設けられた埋設凹部16に無線センサ15を設置することができる。あるいは、本体部15a、アンテナ部15b、バッテリ15cの三つの部品のうちいずれか一つの部品を埋設凹部16に設置することもできるし、これら三つの部品から選ばれる二つの部品を埋設凹部16に設置することもできる。この場合、あらかじめ芯材13に埋設凹部16を設け、これに無線センサ15(又は前記三つの部品のうち少なくとも一つの部品)を設置し、その後に外被材14を被せて減圧し、外被材14の開口部をヒートシールすることで、センサ付真空断熱パネル11を完成させる。無線センサ15(又は前記三つの部品のうち少なくとも一つの部品)を設置した後の埋設凹部16にできる空隙部は、外被材14を被せる前に熱伝導性の高い充填剤で注入しておくことも、あるいはそのまま空隙として残しておくこともできる。バッテリ15cが埋設凹部16に設置された場合、バッテリ15cは芯材13の略中心部に配置されることになるので、確実に外部の低温・高湿環境から守られる。
【0048】
図5(b)は、無線センサ15を芯材13の表面に配置した場合を示す断面図である。この図に示すように、芯材13と外被材14との間に無線センサ15を設置することができる。この場合、あらかじめ芯材13の表面(図では上面)に無線センサ15を取付け、その後に外被材14を被せて減圧し、外被材14の開口部をヒートシールすることで、センサ付真空断熱パネル11を完成させる。温度センサ5とアンテナ部15bは外被材14のみで覆われているので、温度検知や通信という点では好適である。このセンサ付真空断熱パネル11は、表面近くにバッテリ15cがあることから、バッテリ15cが配置されていない面(図では下面)が低温・高湿環境となる(例えば、収容空間10の構成面側となる)ように配置して利用することが望ましい。
【0049】
図5(c)は、無線センサ15のうち本体部15aとアンテナ部15bを芯材13の表面に、バッテリ15cを芯材13内に埋設した場合を示す断面図である。この場合、あらかじめ芯材13の一部にバッテリ15cを埋設するとともに、芯材13の表面に本体部15aとアンテナ部15bを取付け、その後に外被材14を被せて減圧し、外被材14の開口部をヒートシールすることで、センサ付真空断熱パネル11を完成させる。温度センサ5とアンテナ部15bは外被材14のみで覆われているので、温度検知や通信という点では好適である。しかもバッテリ15cは、芯材13の内部に配置されるので、外部の低温・高湿環境から守られる。なお、この図のセンサ付真空断熱パネル11も、バッテリ15cが配置されていない面(図では下面)が低温・高湿環境となる(例えば、収容空間10の構成面側となる)ように配置して利用することが望ましい。
【0050】
図5(d)は、無線センサ15のうちアンテナ部15bとバッテリ15cを芯材13の一方の表面に配置し、本体部15aの先端にある温度センサ5を芯材13の他方の表面に配置した場合を示す断面図である。この場合、芯材13の一方の表面(図では上面)にアンテナ部15bとバッテリ15cを設置し、本体部15aの先端にある温度センサ5を芯材13の他方の表面(図では下面)まで伸ばして配置し、その後に外被材14を被せて減圧し、外被材14の開口部をヒートシールすることで、センサ付真空断熱パネル11を完成させる。なお本体部15aの先端にある温度センサ5は、芯材13に設けた貫通孔や貫通溝の中を通過させて反対側の表面まで伸ばすことができる。
【0051】
図5(e)は、無線センサ15のうちアンテナ部15bとバッテリ15cを芯材13の一方の表面に配置し、本体部15aの先端にある温度センサ5を芯材13の他方の表面に配置した場合を示す断面図である。この場合、芯材13の一方の表面(図では上面)付近にバッテリ15cを埋設するとともにアンテナ部15bを設置し、本体部15aの先端にある温度センサ5を芯材13の他方の表面(図では下面)まで伸ばして配置し、その後に外被材14を被せて減圧し、外被材14の開口部をヒートシールすることで、センサ付真空断熱パネル11を完成させる。なお本体部15aの先端にある温度センサ5は、芯材13に設けた貫通孔や貫通溝の中を通過させて反対側の表面まで伸ばすことができる。
【0052】
図5(d)及び図5(e)のセンサ付真空断熱パネル11は、アンテナ部15bが外被材14のみで覆われているので、通信という点で好適である。また、一方の芯材13表面(あるいは表面付近)にバッテリ15cが配置され、他方の芯材13表面に温度センサ5が配置されるので、例えばこのセンサ付真空断熱パネル11を、温度センサ5がある面(図では下面)を収容空間10の構成面側となるように配置して利用すると、温度検知という点で好適であるとともに、バッテリ15cを低温・高湿環境から守るという点においても好適である。
【0053】
温度センサ5による温度検知、及びアンテナ部15bによる通信を考えた場合、本体部15aの先端にある温度センサ5やアンテナ部15b付近に用いられる外被材14の素材の選択が重要になる。前記したように、アルミニウムをはじめとする金属製の素材は熱伝導性が高いという特性がある半面、シールド性(電波遮蔽性)があり、一方ナイロン系の素材は熱伝導性が低く、電波を透過しやすいという特性がある。従って図5(d)や図5(e)に示すセンサ付真空断熱パネル11の場合、アンテナ部15bが配置された面(図では上面)は電波透過性のナイロン系の素材を用い、温度センサ5が配置された面(図では下面)は熱伝導性の高い金属製の素材を用いた外被材14とすることが望ましい。
【0054】
図5(a)〜(c)に示すセンサ付真空断熱パネル11の場合、全体を熱伝導性の高い金属製の素材とし、アンテナ部15bを覆う範囲だけ部分的に電波透過性のナイロン系の素材を用いた外被材14とすることもできる。あるいは、全体を電波透過性のナイロン系の素材とし、温度センサ5を覆う範囲だけ部分的に熱伝導性の高い金属製の素材を用いた外被材14とすることもできる。部分的に異なる素材のものとする(全体が金属製素材で一部ナイロン系素材、又はその逆とする)場合、当該部分を含む孔状や溝状となるように異なる素材部分を設けることができる。
【0055】
センサ付真空断熱パネル11には、温度センサ5(あるいは無線センサ15)に加えて真空センサ17を備えることもできる。この真空センサ17は、外被材14の内側の真空状態を検知できるものであり、ピラニ真空計、隔膜真空計、静電容量型真空センサ、マイクロメカニカル真空センサなど各種のものがあり、これら各種の真空センサを使用できる。真空状態は減圧状態を意味するので、例えば圧力センサを使用することができる。芯材13内又は外被材14内に収容するため、できれば小型、薄型の真空センサ17を選ぶのが望ましい。
【0056】
図8では、バッテリから供給される電源で真空センサ17を作動させ、真空センサ17で外被材14の内側の圧力を検知し、検知した電流(電圧)を増幅器Aで増幅し、増幅器Aの出力電圧を、比較器Cにおいてセンサ付真空断熱パネル11が必要とする適正な真空状態Pa(外被材14内の適正圧力:基準圧力)と比較することにより、外被材14の内部が適正な真空状態に維持されているか否かを判別することができる。図8では検知した圧力をデジタルメータ18に表示して、外被材14の内部の真空状態を確認できるようにしてある。比較器Cの出力が前記基準圧力Paよりも高い場合は、リレー19により真空ポンプPの電磁弁を開いて、真空ポンプPで外被材14内を減圧することもできる。真空センサ17は全部を外被材14内に設けてもよいが、部分的に外被材14の外部に突出して取付けてもよい。いずれの場合も外被材14内の真空状態が損なわれないように取付ける。図8の真空センサ17の検知データは、センサ付真空断熱パネル11内に設けた通信部を介して増幅器Aに送信することもできる。
【0057】
真空センサ17、温度センサ5、通信部6、データロガーは、それぞれ個別に芯材13や外被材14の内部に設けることもできるが、一つにまとめてユニット化すると芯材13や外被材14内に収容し易い。
【0058】
(センサ付真空断熱パネルの配置)
前記したとおり、保冷容器4の収容空間10の構成面の全部又は一部は、センサ付真空断熱パネル11と真空断熱パネル12で構成される。例えば、図2及び図4に示すように、側壁8bの内面を無線センサ15が設置されたセンサ付真空断熱パネル11とし、正面壁8a、底面壁8c、及び蓋9の内面を無線センサ15のない真空断熱パネル12とすることができる。あるいは底面壁2cと蓋9の内面にセンサ付真空断熱パネル11を配置し、正面壁8aと側壁8bの内面に真空断熱パネル12を配置することもできる。要は、正面壁8aの2面、側壁8bの2面、底面壁8c、及び蓋9の内面の中から選ばれる少なくとも1面にセンサ付真空断熱パネル11を配置すればよく、センサ付真空断熱パネル11と真空断熱パネル12は任意の組み合わせとすることができる。なお、センサ付真空断熱パネル11を配置しない内面には、全て真空断熱パネル12を配置することが望ましいが、真空断熱パネル12の配置を一部省略することもできる。
【0059】
収容空間10の構成面にセンサ付真空断熱パネル11を配置する場合、図4に示すような配置とすることが望ましい。すなわち、無線センサ15の温度センサ5が収容空間10に近い位置となるように配置すると温度を検知する上で好適であり、収容空間10から見て側壁8b等の背面側となるように(収容空間10とバッテリ15cの間に芯材13が介在するように)バッテリ15cを配置すると、バッテリ15cが低温・高湿環境から守られるという点において好適である。なお、図4に示すように(図11や図12も同様)、センサ付真空断熱パネル11のアンテナ部15bは、芯材13に設けた貫通孔や貫通溝の中を通過させて反対側の表面(図4では収容空間10側)まで伸ばすこともできる。もちろん、アンテナ部15bを反対側まで伸ばさず、図5(a)〜(e)に示すようにアンテナ部15b全体を芯材13の同一面に配置することもできる。
【0060】
現在流通している既存の保冷容器には、図9のように蓋9内にドライアイスD等を収容するタイプのものもある。このようなタイプの既存の保冷容器にセンサ付真空断熱パネル11と真空断熱パネル12を配置することで、本願発明における保冷容器4を作成することもできる。この場合、蓋9の内面に配置されるセンサ付真空断熱パネル11は、バッテリ15cが収容空間10側となるように配置されることが望ましい。これによって、蓋9内にあるドライアイスDや蓄冷剤による低温・高湿環境から、バッテリ15cが保護されて好適である。
【0061】
(保冷容器の作成)
本願発明における保冷容器4は、現在利用されている保冷容器Bの内面に、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を配置して作成することができる。もちろん、既存の保冷容器Bに代えて新規に作成された容器本体8及び蓋9の内面に、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を配置して作成することもできる。あるいは、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12自体によって容器本体8を形成し、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12によって蓋9を形成して、本願発明における保冷容器4を作成することもできる。
【0062】
図10は、図9に示すセンサ付真空断熱パネル11(又は真空断熱パネル12)自体によって、容器本体8や蓋9を形成した保冷容器4を示す説明図である。この保冷容器4は、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12をそのまま正面壁8a、側壁8b、底面壁8cとし、蓋9としたものである。この場合、全てをセンサ付真空断熱パネル11とすることもできるし、一部のみをセンサ付真空断熱パネル11として他を真空断熱パネル12とすることも可能で、その配置・組合せは任意に設計できる。
【0063】
図9に示すセンサ付真空断熱パネル11(又は真空断熱パネル12)は、無線センサを芯材13内に設けた埋設凹部16に収容し、その芯材13の裏面に金属製板状の外被材14aを配置し、その芯材13の上に樹脂シート状の外被材14bを被せ、そのシート状の外被材14bを板状の外被材14aに密着し、板状の外被材14aとシート状の外被材14bの内側を減圧して真空状態にしたものである。又は、図示しないが、図9に示す樹脂シート状の外被材14bに代えて、芯材13上面に金属製板状の外被材14aを設置し、つまり芯材13を上下から板状の外被材14aで挟み、両外被材14aの間を密封した後に、その内側を減圧して真空状態とすることもできる。
【0064】
図11は、センサ付真空断熱パネル11に補強材20を組み合わせた保冷容器4を正面から見た断面図である。このように、保冷容器4としての強度を補強する目的で、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12で形成された容器本体8や蓋9の外面に補強材20を取り付けることもできる。
【0065】
図12は、断熱材にセンサ付真空断熱パネル11を内挿した壁材で構成された保冷容器4を正面から見た断面図である。このように、新規に作成される容器本体8及び蓋9の中にセンサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を埋設することによって形成することもできる。すなわち、正面壁8a、側壁8b、底面壁8c、蓋9、それぞれの部材内にセンサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を内挿して、保冷容器4を完成させる。この場合、どの部材にセンサ付真空断熱パネル11を内挿し、どの部材に真空断熱パネル12を内挿するかは、任意に設計できる。
【0066】
その他、発泡スチロールなどによって新規に保冷容器4を作成する際に、正面壁8a、側壁8b、底面壁8c、蓋9に同時にセンサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を組み込むこともできる。あるいは、正面壁8a、側壁8b、底面壁8c、蓋9に、センサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を嵌めこむことのできる嵌合部をあらかじめ設け、この嵌合部にセンサ付真空断熱パネル11又は真空断熱パネル12を設置して容器本体8や蓋9を作成することもできる。
【0067】
(物品の配送)
保冷物品を収容した保冷容器4は、配送元1で配送車2に載せられ、所定の配送先3まで搬送される。配送車2は通常利用される移動車であり、図1に示すトラック2aのような四輪の自動車や、同じく図2の示す自動三輪車2b(もちろん自動二輪車でもよい)などが、配送車2として使用できる。配送車2には、一度に複数の保冷容器4が積載されることもあるし、一つの保冷容器4が積載されることもある。
【0068】
(温度検知)
保冷容器4の温度センサ5による温度検知は、配送元1で配送車2に載せられる際に実施され、所定温度であることが確認されて出荷される。また、配送先3まで搬送される間にも温度検知は適宜実施される。さらに、配送先3に届けたときにも温度検知を行い、所定温度で引き渡しできたことを確認することもできる。温度センサ5で検知された温度の情報(温度データ)は、そのまま伝送(送信)されるか、前記したデータロガーに記憶される。温度センサ5に加えて湿度センサ、加速度センサ、真空センサ17を保冷容器4に設けた場合は、これらのセンサで検知されたデータ(以下、温度データを含めて「検知データ」という。)も送信され、若しくはデータロガーに記憶される。
【0069】
温度センサ5や各種のセンサで検知させるには、入力手段を設けて検知開始指令を入力する仕組みを採用してもよいし、連続的あるいは定期的に自動検知させる仕組みとしてもよい。同様に、検知データを保冷物品4の通信部6から管理センタ7へ送信するには、入力手段を設けて送信開始指令を入力する仕組みを採用してもよいし、検知したタイミングで自動的に送信する仕組みとしてもよい。また、通信部6から管理センタ7に直接的に送信することもできるし、中継設備を介して間接的に管理センタ7へ送信することもできる。この中継設備は、保冷容器4からの検知データを受信して管理センタ7に転送するものであり、例えば、配送車2と管理センタ7の距離が離れて直接通信が難しい場合など、中継設備を設けると効果的である。この中継設備は、配送時に高い頻度で通行する経路を考慮して要所に設置することもできるし、配送元1など所定の施設に設置することができる。
【0070】
管理センタ7への中継手段として、配送する者(以下、「配送者」という。)に携帯用の端末機21を所持させることもできる。この端末機21は、図13に示すように、保冷容器4の通信部6から送信される検知データを受信する受信手段21aと、この検知データを表示するモニタ21b(表示手段)と、管理センタ7に検知データを送信する通信手段21cを備えたもので、携帯電話や携帯型コンピュータなど公知のものを使用することができるし、専用のものを作成して配送車2に搭載させることもできる。また端末機21は、検知データを記憶する記憶手段を備えることもできる。
【0071】
配送者が端末機21を所持した場合、移動中も保冷容器4の通信部6と端末機21の受信手段21aの間で検知データが通信され、端末機21のモニタ21bで表示させることができる。従って、配送中あるいは配送先3での引き渡し時に、配送者や受領者が保冷容器4内の温度を確認することができる。
【0072】
端末機21で受信した検知データは、管理センタ7へ送信される。この場合、配送者が端末機21を操作することによって管理センタ7に送信することもできるし、自動的に端末機21から管理センタ7へ転送するしくみとしてもよい。自動的に端末機21から管理センタ7へ転送するには、端末機21が検知データを受信したタイミングで管理センタ7へ転送することも、端末機21の記憶手段に検知データを一旦記憶させて所定のタイミング(所定時間や所定検知回数など)で送信することもできる。
【0073】
(管理センタ)
管理センタ7は、受信した検知データを基に保冷容器4の状態(温度や真空度など)を監視するもので、監視手段22が設置されている。この監視手段22は、図13に示すように、検知データを受信する受信手段22aと、受信した検知データを記憶する記憶手段22bと、受信した検知データを表示するモニタ22c(表示手段)を備えている。
【0074】
図13は、検知データの送受信を示す説明図である。なおこの図において、破線で示す矢印は検知データが無線通信によって伝達されることを表し、実線で結ばれるものは有線の通信によって伝達されることを表す。保冷容器4の温度センサ5等で検知された検知データは、通信部6から監視手段22の受信手段22aへ送信されるか(矢印1)、通信部6から端末機21を介して受信手段22aへ送信される(矢印2、矢印3)。
【0075】
配送元1に、受信手段と記憶手段とモニタ(表示手段)を設置することもできる。この場合、保冷容器4が出荷される際に、通信部6から配送元1の受信手段に検知データが送られ(矢印4)、モニタで検知データを確認することができる。従って、所定の温度状態ではない保冷容器4は出荷させない、といった品質管理を行うことができる。配送元1の受信手段で受信した検知データは、インターネット回線などを利用して管理センタ7の受信手段22aに送信される(矢印5)。
【0076】
管理センタ7は、複数の保冷容器4の検知データを受信し、監視することができる。この場合、それぞれの保冷容器4に識別子(ID)を付し、その識別子と検知データを合わせて送信させるとよい。識別子は、他の保冷容器4と識別できるものであり(いわゆるユニークなIDとし)、つまり識別子をもってどの保冷容器4の検知データであるかを特定することができる。これによって、管理センタ7では、保冷容器4ごとに検知データを記憶手段22bに記憶し、保冷容器4ごとに検知データをモニタ22cで表示することができる。また、管理センタ7は、複数の配送車2から検知データを受信して監視することができるので、端末機21にも識別子を付して、配送車2ごとに検知データを記憶し、配送車2ごとに検知データをモニタ22cで表示することもできる。
【0077】
一つの保冷容器4につき、出荷から引き渡しまで複数回の検知データが取得され、管理センタ7に送られてくる。連続的あるいは定期的に検知することとすれば、配送中には多くの検知データが管理センタ7に送られてくる。この検知データと検知時間(あるいは送信時間)を合わせて送信させれば、管理センタ7では時系列で検知データを確認することができる。すなわち出荷から引き渡しまで、保冷容器4内の温度や真空度などの状態を履歴管理することができる。
【0078】
また、検知データにあらかじめ閾値を設けておけば、保冷容器4の状態の是非が客観的に判断できる。例えば、保冷容器4内の温度は所定温度(閾値温度)以下となるように定めておけば、この閾値温度を超えた場合その保冷容器4は配送を中止するなど、速やかに適切な判断を下すことができる。さらに監視手段22が、閾値と検知データを比較し是非を判断する比較手段22d(図13)と、検知データが閾値を超えている場合はその旨を配送者に報知する報知手段22eを備えることもできる。もちろん閾値は、温度センサ5による検知データ、真空センサ17による検知データ、加速度センサによる検知データ、それぞれで別に定められ、監視手段22の記憶手段22bに記憶される。また、報知手段22eによって報知される情報は、配送者が所持する端末機21に送る(矢印6)ことができる。
【0079】
(実施例)
本願発明の物品配送システムを実施する一例を図1に基づいて説明する。
(1)顧客からの要求に応じて保冷物品Fが用意され、保冷容器4内に収容される。
(2)配送車2には、複数の顧客(配送先3)の保冷容器4が積載される。
(3)出荷前には、保冷容器4の識別子とともに検知データが配送元1の受信手段に送信される。
(4)配送元1から管理センタ7に検知データが送信され、管理センタ7の比較手段22dで閾値と比較され、その比較結果が管理センタ7から配送元1に返される。
(5)比較結果に問題なければ配送車2は出発し、問題があればその保冷容器4は目視等によって内部が確認される。なお、配送元1が比較手段を備えて、配送元1で出荷の是非を判断することもできる。
(6)配送中は定期的に各種センサで検知され、その検知データは配送者の所持する端末機21に送信され、さらに端末機21からは管理センタ7へ転送される。このとき、保冷容器4の識別子と、配送車2(あるいは配送者)の識別子と、検知時間と、検知データが、セットになって送信される。
(7)管理センタ7では、保冷容器4ごと(あるいは配送車2ごと)の検知データを、時系列でモニタ22cに表示し監視(履歴管理)する。
(8)比較手段22dによって、あらかじめ定められた閾値と検知データが比較され、閾値を超えた場合は報知手段22eによって該当する端末機21に知らせる。この場合、その配送者は一旦配送元1に戻るか、それ以外の(閾値を超えていない)保冷容器4の配送を優先する。
(9)配送先3に到着した配送者は、端末機21のモニタ21bで容器内の状態(温度や真空度など)を最終確認し、問題がなければ顧客に手渡す。その際、顧客にもモニタ21bの表示を確認してもらうこともできる。また、端末機21の記憶手段に記憶させた検知データを別途出力手段(プリンタ)に伝送し、この出力手段(プリンタ)によって検知結果(到着時データや時系列データ)を印字出力して、顧客に手渡すこともできる。なお、この出力手段(プリンタ)は、配送先3のものを借用することもできるし、配送車2に搭載しておくこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本願発明の物品配送システムは、食材の宅配用のほか化粧品や薬品などの搬送用としても応用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 配送元
2 配送車
2a トラック(配送車)
2b 自動三輪車(配送車)
3 配送先
4 保冷容器
5 温度センサ
6 通信部
7 管理センタ
8 容器本体
8a (本体の)正面壁
8b (本体の)側壁
8c (本体の)底面壁
9 蓋
10 収容空間
11 センサ付真空断熱パネル
12 真空断熱パネル
13 芯材
14 外被材
14a (板状の)外被材
14b (シート状の)外被材
15 無線センサ
15a (無線センサの)本体部
15b (無線センサの)アンテナ部
15c (無線センサの)バッテリ
16 埋設凹部
17 真空センサ
18 デジタルメータ
19 リレー
20 補強材
21 端末機
21a (端末機の)受信手段
21b (端末機の)モニタ(表示手段)
21c (端末機の)通信手段
22 監視手段
22a (監視手段の)受信手段
22b (監視手段の)記憶手段
22c (監視手段の)モニタ(表示手段)
22d (監視手段の)比較手段
22e (監視手段の)報知手段
A 増幅器
B (既存の)保冷容器
C 比較器
D ドライアイス
F 保冷物品
P 真空ポンプ
Pa 基準圧力(基準値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷容器内に物品を収納し、配送車でこの保冷容器を配送するとともに、配送中の保冷容器内の温度を、監視手段によって監視可能な物品配送システムであって、
前記保冷容器は、容器本体と蓋を備え、
前記容器本体の内面と前記蓋の内面のうち、一部又は全面に、芯材にガスバリア性の外被材を被せた真空断熱パネルが配置され、
前記真空断熱パネルの一部又は全部は、外被材の内側に、周辺温度の検知が可能な温度センサと、温度センサによる検知結果を通信可能な通信部と、バッテリと、が設置されたセンサ付真空断熱パネルであり、
前記監視手段は、前記真空断熱パネルの通信部から前記温度センサによる検知結果を受信可能な受信手段と、この受信手段で受信した検知結果を記憶する記憶手段と、検知結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする物品配送システム。
【請求項2】
保冷容器内に物品を収納し、配送車でこの保冷容器を配送するとともに、配送中の保冷容器内の温度を、監視手段によって監視可能な物品配送システムであって、
前記保冷容器は、芯材にガスバリア性の外被材を被せた真空断熱パネルで形成された容器本体と、この真空断熱パネルで形成された蓋を備え、
前記真空断熱パネルの一部又は全部は、外被材の内側に、周辺温度の検知が可能な温度センサと、温度センサによる検知結果を通信可能な通信部と、バッテリと、が設置されたセンサ付真空断熱パネルであり、
前記監視手段は、前記真空断熱パネルの通信部から前記温度センサによる検知結果を受信可能な受信手段と、この受信手段で受信した検知結果を記憶する記憶手段と、検知結果を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする物品配送システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の物品配送システムにおいて、
センサ付真空断熱パネルの外被材が、熱伝導性素材と電波透過性素材を組み合わせて形成されたものであり、
前記外被材のうち、通信部を覆う範囲が電波透過性素材であることを特徴とする物品配送システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物品配送システムにおいて、
センサ付真空断熱パネルの外被材が、熱伝導性素材と電波透過性素材を組み合わせて形成されたものであり、
前記外被材のうち、温度センサを覆う範囲が熱伝導性素材であることを特徴とする物品配送システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の物品配送システムにおいて、
センサ付真空断熱パネルが、温度センサに加え、湿度センサ、加速度センサ、真空センサのうちいずれか1又は2以上のセンサを、外被材の内側に備えるとともに、
センサ付真空断熱パネルの通信手段は、前記1又は2以上のセンサの検知結果を通信可能であって、
監視手段の受信手段が、前記1又は2以上のセンサの検知結果を受信可能であることを特徴とする物品配送システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の物品配送システムにおいて、
配送車とともに移動する端末機を備え、
前記端末機は、センサ付真空断熱パネルの通信手段から、センサの検知結果を受信する受信手段と、該センサの検知結果を表示する表示手段と、該センサの検知結果を監視手段の受信手段に伝送する通信手段と、を備えたことを特徴とする物品配送システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の物品配送システムにおいて、
監視手段の受信手段は、センサの検知結果を物品配送中に2回以上受信し、
監視手段の記憶手段は、前記受信した検知結果を検知時間とともに記憶することで、監視手段によるセンサの検知結果の履歴管理が可能であることを特徴とする物品配送システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の物品配送システムにおいて、
保冷容器内の温度の閾値を設定し、
監視手段によって保冷容器内温度の閾値超過が確認されると、この閾値超過を端末機の受信手段に報知する報知手段を備えたことを特徴とする物品配送システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の物品配送システムにおいて、
監視手段の受信手段は、2以上の保冷容器からセンサの検知結果を受信可能であり、
監視手段の記憶手段は、前記保冷容器ごとに前記センサの検知結果を記憶可能であり、
監視手段の表示手段は、前記保冷容器ごとに前記センサの検知結果を表示可能であることを特徴とする物品配送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−171733(P2012−171733A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34459(P2011−34459)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000155045)株式会社本宏製作所 (41)