説明

物干し器

【課題】折り畳んだときにピンチが外部に全く露出しない斬新な物干し器を提供する。
【解決手段】一対の略板状体3を一縁3aにて相互に回動自在に連結することにより開閉自在の支持ケース1を形成し、該支持ケースにおける各略板状体の内側面には多数のピンチ13を吊り下げ、該支持ケースを閉じたときに該ピンチが該支持ケース内に収納されるようになし、更に、該支持ケースにおける各略板状体の他縁3bにはそれぞれフック23を回動自在に取り付けたことを特徴とする物干し器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を吊り下げて干すための物干し器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物干し器としては、例えば、本出願人の出願に係る意匠登録第1146028号公報に示すように、物干し竿、物干し紐等の支持手段に係止するフックにはチェーン、紐等の吊り下げ手段を介して折畳自在のフレームを吊り下げ、該フレームの下面には多数のピンチ(洗濯ばさみ)を吊り下げてなるもの(以下「従来の物干し器」という。)が従来より広く知られている。
【特許文献1】意匠登録第1146028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、上記従来の物干し器においては次のような問題がある。
【0004】
(イ)フレームを折り畳んだときに、ピンチが当該物干し器のチェーン、紐等の吊り下げ手段或いは当該物干し器以外の物に絡むおそれがある。したがって、物干し器の保管、運搬等の際に不便である。
【0005】
(ロ)フレームを折り畳んだときでも、ピンチが露出しているため、物干し器の保管、運搬等の際に物干し器の外観上好ましくない。
【0006】
(ハ)物干し器の保管時に、フレームのみならずピンチにもホコリその他の汚れが付着するおそれがある。
【0007】
(ニ)フレームを広げて物干し器を使用しているときでも、チェーン、紐等の吊り下げ手段ないしピンチが当該物干し器以外の物に絡むおそれがある。
【0008】
本発明は、上記従来の物干し器における上述の如き問題を解決し、折り畳んだときにピンチが外部に全く露出しない斬新な物干し器を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は下記の物干し器を提供する。
【0010】
(1)一対の略板状体を一縁にて相互に回動自在に連結することにより開閉自在の支持ケースを形成し、該支持ケースにおける各略板状体の内側面には多数のピンチを吊り下げ、該支持ケースを閉じたときに該ピンチが該支持ケース内に収納されるようになし、更に、該支持ケースにおける各略板状体の他縁にはそれぞれフックを回動自在に取り付けたことを特徴とする物干し器(請求項1)。
【0011】
(2)前記各略板状体の他縁にそれぞれ切欠部を形成し、各切欠部に軸を架設し、各軸に前記各フックの基端を回動自在に取り付けることにより、前記支持ケースを閉じたときに各フックが該支持ケースの内外のいずれにも位置し得るようになす(請求項2)。
【0012】
(3)前記各略板状体の内側面には前記各ピンチを他のピンチから隔てる隔壁を形成する(請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1の発明]
支持ケースを閉じたときにはピンチが該支持ケース内に収納されるようにしたため、ピンチが当該物干し器以外の物に絡むおそれがない。したがって、物干し器の保管、運搬等の際に好都合である。
【0014】
支持ケースを閉じたときにはピンチが該支持ケース内に収納されるようにしたため、当該物干し器は、もはや物干し器の外観を有するものではなく、単なる収納ケースの如き外観を呈する。したがって、物干し器の保管、運搬等の際に外観上極めて好ましい。
【0015】
支持ケースを閉じたときにはピンチが該支持ケース内に収納されるようにしたため、物干し器の保管時に、支持ケースの内面のみならずピンチにもホコリその他の汚れが付着するおそれはない。
【0016】
支持ケースを開いて物干し器を使用しているときには、該支持ケース全体が板状になり、該支持ケース上にはフックのみが突出し、チェーン、紐等の吊り下げ手段が存在しないため、物干し器が他の物に絡むおそれはない。
【0017】
[請求項2の発明]
支持ケースを閉じたときには、各フックが該支持ケースの内外のいずれにも位置し得るようにしたため、(a)各フックを該支持ケースの内側に位置させた際にはピンチとフックとがすべて該支持ケース内に収納され、(b)各フックを該支持ケースの外側に位置させた際には物干し器の収納時に該フックを例えば壁等の突出物等に係止することにより該物干し器を吊り下げることができる。図6参照。
【0018】
[請求項3の発明]
各略板状体の内側面には各ピンチを他のピンチから隔てる隔壁を形成したため、支持ケースを閉じたときには各ピンチはそれぞれ独立した小室内に位置する。したがって、支持ケースを閉じたときでもピンチが相互に絡みつくおそれはない。図4、図6参照。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
符号1に示すものは開閉自在の支持ケースである。支持ケース1は、一対の略板状体3、3を一縁3a、3aにてヒンジ5を介して相互に回動自在に連結することにより形成する。
【0020】
各略板状体3は、一例として、略長方形部7の四辺に外壁部9を立ち上げてなる浅箱状体とする。図示の事例においては、略長方形部7の外面に化粧板11を取り付けている。略長方形部7の外面に化粧板11を取り付けるに当たっては、一例として、図11に示すように、略長方形部7に形成した支持孔10に化粧板11の爪部12を係止する。
【0021】
支持ケース1における各略板状体3の内側面には、多数のピンチ(洗濯ばさみ)13を吊り下げ、該支持ケース1を閉じたときに該ピンチ13が該支持ケース1内に収納されるようになす。
【0022】
ピンチ13を略板状体3の内側面に吊り下げるに当っては、一例として、略板状体3の略長方形部7に基部15を突設し、該基部15に支持杆17の一端を枢着し、該支持杆17の他端にピンチ13を取り付ける。
【0023】
図示の事例においては、各略板状体3の内側面には各ピンチ13を他のピンチ13から隔てる隔壁19を形成する。隔壁19を形成することにより、略板状体3の内側面にはピンチ13を他のピンチ13から隔てた状態で収納する小室21が形成される。
【0024】
支持ケース1における各略板状体3の他縁3bにはそれぞれフック23を回動自在に取り付ける。フック23は、物干し竿、物干し紐等の支持手段25に係止されるものである。
【0025】
図示の事例においては、各略板状体3の他縁3bにそれぞれ切欠部27を形成し、各切欠部27に軸29を架設し、各軸29に各フック23の基端31を回動自在に取り付けることにより、支持ケース1を閉じたときに各フック23が該支持ケース1の内外のいずれにも位置し得るようになす。図6参照。
【0026】
図4、図6に示す事例においては、支持ケース1を閉じたときに各フック23を該支持ケース1の内側に位置させた際に、該フック23を収納する小室33を形成している。
【0027】
なお、図11に示す事例においては、各略板状体3における略長方形部7に立ち上げた外壁部9の相対向する縁に相対応する凹凸部35、37を形成している。この事例においては、支持ケース1を閉じたときには、該凹凸部35、37が相互に嵌合し、各略板状体3の外壁部9間に隙間が生じないようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による物干し器の一例を示す断面図である。
【図2】同上物干し器の側面図である。
【図3】同上物干し器の平面図である。
【図4】同上物干し器の底面図である。
【図5】支持ケースを折り畳みつつある状態を示す正面図である。
【図6】支持ケースを折り畳んで立てた状態を示す側面図である。
【図7】支持ケースを折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図8】支持ケースを折り畳んだ状態を示す正面図である。
【図9】支持ケースを折り畳んだ状態を示す側面図である
【図10】支持ケースを折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図11】略長方形部に立ち上げた外壁部の縁に形成した凹凸部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 支持ケース
3 略板状体
3a 一縁
3b 他縁
5 ヒンジ
7 略長方形部
9 外壁部
10 支持孔
11 化粧板
12 爪部
13 ピンチ
15 基部
17 支持杆
19 隔壁
21 小室
23 フック
25 支持手段
27 切欠部
29 軸
31 基端
33 小室
35 凹凸部
37 凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の略板状体を一縁にて相互に回動自在に連結することにより開閉自在の支持ケースを形成し、該支持ケースにおける各略板状体の内側面には多数のピンチを吊り下げ、該支持ケースを閉じたときに該ピンチが該支持ケース内に収納されるようになし、更に、該支持ケースにおける各略板状体の他縁にはそれぞれフックを回動自在に取り付けたことを特徴とする物干し器。
【請求項2】
前記各略板状体の他縁にそれぞれ切欠部を形成し、各切欠部に軸を架設し、各軸に前記各フックの基端を回動自在に取り付けることにより、前記支持ケースを閉じたときに各フックが該支持ケースの内外のいずれにも位置し得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の物干し器。
【請求項3】
前記各略板状体の内側面には前記各ピンチを他のピンチから隔てる隔壁を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の物干し器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−124872(P2010−124872A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299474(P2008−299474)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000110756)ニシダ株式会社 (5)