説明

物干し装置

【課題】屋外で洗濯物を干すことが環境的に難しい場合に適用するに好適な物干し装置を提供する。
【解決手段】引違いサッシAの内障子2の相対する縦框の、ガラスパネル4より突出する屋内部側に、基部材と、該基部材6bに前記ガラスパネル4に対して自在に起伏する方向に組付けた、ハンガー用ポール10の支持部片6bとで成る移動ブラケット6の案内路5を縦設する。該案内路5上に移動ブラケット6の前記基部材を支持させる受支部7を設ける。また、前記ハンガー用ポール10と、該ハンガー用ポール10を前記起立時にかけ渡す前記支持部片6bの収納用の蓋付格納室9を、前記内障子2の下框に前記案内路5に連通させて設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を干すために適用する物干し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な生活環境の中、屋外で洗濯物を干すことが状況的に困難で、屋(室)内干し(簡易的に吊るす)する場合は、ハンガーを窓際に存するカーテンレールに掛けたり、別途用意したハンガーホルダーを窓枠に止着してこれにハンガーを掛けるようにしたりしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−71196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来中、カーテンレールを利用するものは、そもそもが使用目的の異なるカーテンレールにハンガーを掛けようとするため見栄えが良好とはいえず、当該カーテンレール自体ハンガーを掛止できる構造を要し、従って、カーテンレールを利用した屋内干しが不可能な場合がある。
【0005】
また、後者の場合は、ハンガーホルダーを窓枠や、窓枠でないとしても壁面に止着する必要があり、従って、窓枠等に損傷を与えなければならないし、当該ハンガーホルダーは屋内に露出した状態のままであるので外観体裁が良好とはいえない。
【0006】
本発明は、屋外で洗濯物を干すことが環境的に難しい場合に提供するに好適な物干し装置を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
スライディングサッシの障子の相対する縦框の、ガラスパネルより突出する屋内部側に、基部材と、該基部材に前記ガラスパネルに対して自在に起伏する方向に組付けた、ハンガー用ポールの支持部片とで成る移動ブラケットの案内路を縦設し、該案内路上に移動ブラケットの前記基部材を支持させる受支部を設けると共に、前記ハンガー用ポールと、該ハンガー用ポールを前記起立時にかけ渡す前記支持部片の収納用の蓋付格納室を、前記障子の下框に前記案内路に連通させて設けた構成としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、いわば、物干し場を採光或いは換気のために用いるスライディングサッシを利用して屋内に得ることができ、スライディングサッシの障子のみを利用するものであるから、サッシとしての本来の機能である採光が損われることもない。また、洗濯物はガラスパネルと屋内外方向に重なり合う位置に配置されることになるから、陽光を浴びるに好適で、従って、洗濯物を効率的に乾燥させることができる。
【実施例】
【0009】
図面は、本発明に係る物干し装置の一実施例を示し、図1は一部欠截正面図、図2は拡大縦断面図、図3は拡大横断面図である。
【0010】
図中、Aは本発明の物干し装置を適用した、スライディングサッシの一つである引き違いサッシで、引き違いサッシAは、窓枠1に内外の障子2,2´を引違い自在に組付けて構成したもので、この引違いサッシAを構成する前記内障子2の相対する縦框3A,3Bの障子ガラスパネル4より屋内側に突出する屋内部3A´,3B´にたて溝より成る案内路5,5を相対して縦設し、該案内路5,5のそれぞれに、基部材6aと該基部材6aに前記ガラスパネル4に対して起伏自在に組付けた支持部片6bより成る移動ブラケット6の前記基部材6aを上下移動自在に摺嵌し、案内路5の奥壁部5aに上下に並べて段階的に設けた受支部7,…の適宜のものに自在に受支させられるようにしてある。
【0011】
前記案内路5は、前記内障子2を構成する下框8に設けた、屋内面側開口の格納室9と連通し、基部材6aに起伏自在に組付けた支持部片6bを、ガラスパネル4に対して倒伏する(重なり合う)方向にしたとき、この格納室9内に収納できるようにしてある。
【0012】
格納室9は、前記支持部片6bの収納部9aと該支持部片6b,6b間にわたして受支させるハンガー用ポール10の収納部9bを備え、該格納室9内に前記支持部片6bとポール10を収納した状態で屋内面側の開口部を蓋枠11で閉塞できるようにしてあり、蓋枠11によって支持部片6b等の収納状態を被うため外観体裁が良好となる。
【0013】
前記移動ブラケット6は、前記基部材6aに対して支持部片6bをほぼ直角方向に方向変換可能に組付けて構成し、支持部片6bの先端側上縁には前記ハンガー用ポール10を受支する半円状の凹入縁12を設けてある。
【0014】
しかして、蓋枠11を下框8より取外して基部材6aに備えた操作摘み13を操作しながら基部材6a(移動ブラケット6)を案内路5に沿って上昇させ、適度の高さ位置に存する受支部7位置で摘み13から指先を離すと、基部材6aに内蔵した復帰ばねによって基部材6aに備えた係止材が当該受支部7に嵌入係止し、移動ブラケット6は所望の高さ位置で定置することになる。
【0015】
このようにして案内路5,5の移動ブラケット6,6を同じ高さ位置に配した後、各移動ブラケット6の支持部片6bを基部材6aを中心に回動させるようにして前記ガラスパネル4に対して起立方向に、すなわち、屋内に向けて突出する方向に配し、収納部9bからハンガー用ポール10を取り出して支持部片6b,6b間に凹入縁12を利用してかけ渡すことにより洗濯物を干せる状態を得られ、物干し作業をしないときは、各部材を原状位置に戻すことにより通常の引違いサッシ状態を得られるのである。
【0016】
尚、本発明に係る物干し装置は、内障子ばかりでなく外障子や、内外障子両方を利用するものであっても良く、内動・外動の片引きサッシの障子を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一部欠截正面図。
【図2】拡大縦断面図。
【図3】拡大横断面図。
【符号の説明】
【0018】
A 引違いサッシ
2 内障子
3A,3B 縦框
4 ガラスパネル
5 案内路
6 移動ブラケット
6a 基部材
6b 支持部片
7 受支部
8 下框
9 格納室
10 ハンガー用ポール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライディングサッシの障子の相対する縦框の、ガラスパネルより突出する屋内部側に、基部材と、該基部材に前記ガラスパネルに対して自在に起伏する方向に組付けた、ハンガー用ポールの支持部片とで成る移動ブラケットの案内路を縦設し、該案内路上に移動ブラケットの前記基部材を支持させる受支部を設けると共に、前記ハンガー用ポールと、該ハンガー用ポールを前記起立時にかけ渡す前記支持部片の収納用の蓋付格納室を、前記障子の下框に前記案内路に連通させて設けた、物干し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−23151(P2008−23151A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200492(P2006−200492)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)