説明

物干具用グリップ及びこれを用いた物干具

【課題】
小物干具をグリップ型のフックにより、物干し竿、ロープなどに掛合する時、グリップが一旦閉じたならば、これがみだりに開かない物を市場に提供するものである。
【解決手段】
グリップ型の吊り下げフック本体10に一体に連なる棒状柄部13は握り枠体30がこれらの軸方向に摺動自在であり、押さえアーム棒20と握り枠体30の一部は短いリンク60を介して連結してある。握り枠体30の下端に物干具が連結可能としてある物干具用グリップにおいて、前記棒状柄部13の片面にそれぞれ下向きの掛合歯を持つラチエットラック14が設けてある。押さえアーム棒20と前記吊り下げフック本体10の先端は相互に当たらない。
他方握り枠体30にはラチエットラック14の任意の掛合歯に掛合可能なラチエット爪51を持つロックハンドル50が前記握り枠体30の外面から外方に突出するように弾発的に付勢して設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は物干具に関するものであり、物干具全体を吊り下げるフックがみだりにこの干し竿やロープから外れなくしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の物干具は特許文献1に示すように、吊り下げフックの開口部を開閉する押さえアーム棒の中間が前記吊り下げフックの基部に枢軸によって枢着してあり、吊り下げフックの基部に一体に連なる棒状柄部には握り枠体がこれらの軸方向に摺動自在に嵌合させてあり、前記押さえアーム棒の前記枢軸より反対側に伸びる操作端と前記握り枠体の一部は短いリンクを介して連結してあり、前記握り枠体の下端にピンチを多数備えた物干環が更に吊り下げてある物干具が知られている。
前記公知文献のものにおいては、物干具及び洗濯物の重みで、前記押さえアーム棒は閉じてはいるが、思いがけない風や、洗濯物に人が触れ、前記洗濯物などが持ち上げられた状態となると、前記の押さえアーム棒が開いて、物干竿に対して物干用グリップが軸方向に移動し、隣の洗濯物と接触し,乾燥が悪くなったり、他物に接触して洗濯物が汚れるおそれがあった。また、押さえアーム棒を開閉が極軽い力で操作できる。
【特許文献1】昭和49年実用新案公開第57237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明のものを用い洗濯物を干し、握り枠体をロックハンドルの握り操作部と共に握り、押さえアームを開いて、物干竿に掛合し、これらから手をはなせば前記握り枠体は洗濯物などの重みで下降し、前記押さえアームが閉じ、物干竿の太さに係わらず、確実に閉じ、またロープに対しても確実にこれを挟持し、一旦閉じたならば、押さえアーム棒に直接これを開く力が作用しても、これが開くことなく、物干竿を握る状態を維持し、物干竿に対してその場を維持して、隣の洗濯物と密着したりすることなく、他物に接触して汚れたりするおそれが殆どない物干具を市場に提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を解決するために、この特定発明は吊り下げフック本体のフック部のフック開口部を開閉する弧状の押さえアーム棒の中間が前記吊り下げフック本体のフック基部に主枢軸によって枢着してあり、前記フック基部に一体に連なる棒状柄部には握り枠体がこれらの軸方向に摺動自在に嵌合させてあり、前記押さえアーム棒の前記主枢軸及び棒状柄部より反対側に伸びるアーム操作端と前記握り枠体の一部は短いリンクを介して連結してあり、前記握り枠体の下端に物干具が連結可能としてある物干具用グリップにおいて、
前記棒状柄部13の少なくとも片面にそれぞれ下向きの掛合歯を複数個持つラチエットラック14が設けてあり、前記押さえアーム棒と前記吊り下げフック本体の先端は相互に可動範囲内において、相互に当たらない形状としてあり、
他方前記握り枠体30には前記ラチエットラック14の任意の掛合歯14aに選択的に掛合可能なラチエット爪51を持つロックハンドル50が設けてあり、前記ロックハンドル50の他端に握り操作部54を備えた、中間部の支点部は揺動可能抜去不能に前記握り枠体30に掛合支持させてあり、かつ常時前記ラチエット爪51がラチエットラック14の任意の一つの掛合歯14aに掛合し、前記ロックハンドル50の握り操作部54が前記握り枠体30の外面から外方に突出するように弾発的に付勢してあることを特徴とする物干具用グリップとする。この弾発的に付勢する手段は、握り枠体30自体の一部又は別個の部材のバネであってもこの発明としては同一である。
【0005】
また前記の課題を解決するために、この発明の物干具用グリップの前記吊り下げフック本体10のフック部11の内側頂き部にはロープ掛合窪み16が設けてあり、前記押さえアーム棒20が最も閉じた時、このアーム先端23が前記ロープ掛合窪み16のロープ窪み開口部17を塞ぐ乃至狭くする位置となるものであることを特徴とする請求項1または2記載の物干具用グリップとする。
【0006】
また前記の課題を解決するために、この発明の物干具用の前記押さえアーム棒20と前記吊り下げフック本体10の先端同士は相互に可動範囲内において、制限を受けない形状及び寸法としてあることを特徴とする。
【0007】
また前記の課題を解決するために、この発明の物干具用の前記ロックハンドル50のラチエット爪51が常時ラチエットラック14に掛合する方向に弾発的に掛合する構成は、前記握り枠体30を若干弾性を有する硬質合成樹脂成形品によって形成し、その一部である筒形状部分の一部によって上向きの舌片バネ部33を形成し、この舌片バネ部33がラチエット爪51近傍の前記ロックハンドル50の一部に掛合して形成してあり、ロックハンドル50の腹側であって、前記ハンドル支点脚53近傍の一部は前記握り枠体30の外周面に接触させてあることを特徴とする。
【0008】
またこの出願の関連発明としては前記請求項1乃至3記載のうちの一種の物干具用グリップGには前記握り枠体30の下端43に、ピンチ66を多数装備した環状枠65、放射状に多数の物干棒をパラソル型折り畳み式に設けた物干体、細い物干棒を平行に設けた小物干具部Hのうちの一種が旋回傾動自在に連結してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この特定発明においては、請求項4記載の洗濯物干具Hを握り枠体30の下端42に旋回筒体42及び吊下げ連結体44を介して連結して、使用すると、握り枠体30をロックハンドル50の握り操作部54と共に握れば、ラチエット爪51はラチエットラック14から外れ、吊り下げフック本体10の重みで、下部の棒状柄部13は前記握り枠体30の中に滑りこみ、この移動に伴って、押さえアーム棒20は主枢軸21を回転中心として、大きく開き、フック開口部15から物干竿が出し入れできる。つまり、握力の弱い人でも押さえアーム棒20を容易に開くことができる。
この状態で、フック部11を物干竿若しくは水平方向に張設してあるロープに掛合し、握り枠体30から手を離反すれば、握り枠体30及びこれに連結されている洗濯物干具H並びに洗濯物全体の重みで、吊り下げフック本体10に対して握り枠体30は下方に摺動し、押さえアーム棒20の操作端27はリンク60を介して下方に引っ張られ、押さえアーム棒20は主枢軸21を回転中心として、フック開口部15を閉じる方向に回動する(図1、図2及び図7参照)。
【0010】
このときラチエット爪51は舌片バネ部33の弾性復元力に抗してラチエットラック14面をカチカチと滑りながら、棒状柄部13はラチエット爪51に対して上方に移動する。
而して,遂には押さえアーム棒20が掛合した物干竿に当たりその位置でとまり、その位置においてラチエット爪51はラチエットラック14の歯の一つの下側に掛合する。
従って、この物干具全体が風などで揺れても、前記ラチエット爪51とラチエットラック14の掛合は外れず、この物干具全体が物干竿の軸方向に移動することは殆どない。
【0011】
従って、物干竿の太さが異なるものでも、これに対応して、押さえアーム棒20の回動角が変化しても、フック本体10と押さえアーム棒20の先端部同士は接触しない形状乃至寸法であるから(図2参照)、押さえアーム棒20は確実に物干竿外周面に当接し、これとフック主体10によって。物干竿を確実に掴み、その場に対応した所において、ラチエットラック14とラチエット爪51が掛合し、物干竿の径の大小に関係なく確実に掴め、かつ押さえアーム棒20はフック本体10に対し、その場に固定される効果を奏する。
【0012】
請求項2記載の発明においては、特にロープにこの発明の物干具を吊るす場合であっても、ロープ上において、この長さ方向に滑動することなく、確りとロープ掛合窪み16位置においてロープを挟持し、その場に支持される効果を奏する。
【0013】
請求項3記載の発明においては、特にロックハンドル50の動作は殆ど握力を要せず警戒であり、ハンドル支点脚53が握り枠体30からみだりに外れず、また、ラチエット爪51を弾発的にラチエットラック14に掛合させる構造が、握り枠体30の一部で形成した舌片バネ部33によって形成してあるから、構造が簡単であり、舌片バネ部33が別部材ではないから、これが外れる虞はない。
【0014】
請求項4記載の効果としては前記の各請求項記載の発明の効果を奏する物干具用グリップGを備えた物干具であるから、これに吊るされた未乾燥の洗濯物がこれら物干具と共に物干竿やロープの軸方向乃至長さ方向にみだりに移動せず、洗濯物の乾燥を遅らせたり、汚したりするおそれは殆どない効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明のものはフック本体10、押さえアーム棒20、握り枠体30、ロックハンドル50及び短いリンク60全ての部品が硬質であって、若干弾性を有するポリエチレン、ポリプロピレンなどの硬質合成樹脂成形品によって形成してある。
図において吊り下げフック本体10の上端部に物干竿に掛合可能な大きなフック部11を有し、このフック基部12には縦方向に棒状柄部13が一体に成形してあり、棒状柄部13の片面にラチエットラック14が一体に形成してある。このラチエットラック14の個々の掛合歯14aはそれぞれ下面が掛合部としてある。
前記棒状柄部13の横断面形状はH型であり、一方の溝13a内に前記ラチエットラック14がこれらの縦(長さ)方向に形成され、他の面の溝13bは中央に軸方向のリブ19が設けてある(図6A参照)。
このラチエットラック14は棒状柄部13の両面にあってもこの発明としては同じである。
【0016】
前記の棒状柄部13は前記握り枠体30の中に軸方向にのみ摺動可能であり,円周方向に回転不能に嵌合させてあり、図示において、握り枠体30は円筒型としてあり、この中の内周面であって、内向きに突出したリブ状の柄部ガイドレール31に摺合させてある(図3及び図6参照)。
前記の握り枠体30は円形筒または角筒が好ましいが、角C型、H型様など異型型材様であっても、この発明としては同じである(図6のA、B及びC参照)。
この場合は棒状柄部13と握り枠体30は双方共横断面角型であるから、特に柄部ガイドレール31を設ける必要はない。また角C型、H型様断面の型材状の握り枠体30を用いた実施例においては、ロックハンドル50を取り付け部分38だけは図6のB又はCに示すとおり角筒型としておくことが好ましい。
【0017】
握り枠体30の外周面であり前記ラッチエットラック14と相対する面には握り枠体30の肉厚を貫通し横倒しコ字乃至逆角U字状の切り込み32が穿設してあり、この切り込み32によって、囲まれた舌片が舌片バネ部33を形成している(図5参照)。この切り込み32と同一幅であり、これと僅かに離反したところに、ハンドル支点脚53を支持する支持スリット35が穿設してある(図3乃至5参照)。
【0018】
前記ロックハンドル50は前記横倒しコ字状の切り込み幅に相当する幅であり、断面はコ字状であり、その内側が前記握り枠体30に向き、先端は内側に屈曲してラチエット爪51が形成してあって、前記横倒しコ字状の切り込み32の連結切り込み部32aから前記握り枠体30内に挿入され、前記舌片バネ部33の先端がラチエット爪51の掛合角孔58に掛合して、このラチエット爪51が前記ラチエットラック14の掛合歯14aの一つと掛合するように弾発的に付勢してある(図5参照)。
前記握り枠体30が角C型、H型様の場合には、前記舌片バネ部33及びロックハンドル50を取り付ける部分だけは角筒に形成しておく(図6参照)。
前記ラチエットラック14が前記棒状柄部13の両面に設ける場合には、これに対応して、前記舌片バネ部33、支持スリット35及びロックハンドル50は握り枠体30の両側に対称的に設けることは当然である。
【0019】
ロックハンドル50の中間部の平行な側壁55と一体の支点脚53は前記握り枠体30の支持スリット35にロックハンドル50の持つ弾性に抗して挿入され、挿入後支点脚53の側面に設けた抜け止め突起57が前記支持スリット35の内縁に掛合しロックハンドル50は掛合した状態を維持する。前記側壁55の支点脚53寄りであるラチエット爪51側であって、腹側縁56は常時握り枠体30の外周面に当接させてあるから、この当接部分を支点として、ロックハンドルは揺動し、前記ラチエット爪51がラチエットラック14と掛合したり、外したりできる(図3及び図5参照)。
【0020】
このロックハンドル50の支点構造としては、これ自体の腹側、若しくはこれに対応する位置の握り枠体30の外周面のうちの少なくとも片方に突起34を設けて、これを支点部にしても、この発明の実施の形態に含まれる(図3参照)。
ロックハンドル50のラッチエット爪51と反対の他端である握り操作部54は前記握り枠体30から離反させてあり、この握り操作部54を握り枠体30周面に接近させるとラチエット爪51がラチエットラック14から離れ、これらのかみ合いが外れ、その動作は軽快であり、支点脚53が握り枠体30からみだりに外れず、また、ラチエット爪51を弾発的にラチエットラック14に掛合させる構造が、握り枠体30の一部で形成した舌片バネ部33によって形成してあるから、構造が簡単であり、舌片バネ部33が別部材ではなく、これが外れたり錆付くこともない。
【0021】
押さえア−ム棒20は前記フック本体10のフック基部12に主枢軸21によってその中間が枢着してあり、その押さえアーム先端部23は先端よりその逃げ溝24が形成してあって、前記押さえアーム先端23はフォーク形状にしてあり、フック本体10の開口部15を閉じるとき、フック本体10の先端部は前記逃げ溝24となり、押さえアーム棒20が当たらない。かつ押さえアーム棒20が最も閉じたときは。その押さえアーム先端部23はロープ掛合窪み16に達し、この窪み開口部17を狭くする位置まで達し、ロープ掛合窪み16の縁に設けた側方に突出するストッパ18に当たる(図2参照)。
前記主枢軸21より反対側に伸びる押さえアーム棒20のアーム操作端22は棒状柄部13の反対側に突出させてある(図2参照)。
【0022】
前記握り枠体30の下端は円筒形としてあり、外側には抜け止め縁37が設けてあり、また、前記握り枠体30の軸線周りであって、等角間隔に縦割りスリット36が下端43から上向きに4箇所形成してあり、内側に撓み外径が小さく変動可能にしてある。
【0023】
60はアーム操作端22と握り枠体30の上端部40を連結するリンクであり、上端は押さえアーム操作端22に設けた第2枢軸によって枢着してあり、リンク60下端はリンク60と一体にこれより両側に突出する短いリンク支持軸が形成してあり、握り枠体30の上端部40に設けた一対のリンク軸受け部39に嵌合させてある。これら第2枢軸とリンク60の枢軸部及びリンク支持軸と軸受け部39との嵌合は、これら構成部材の弾性を利用して、強制的に嵌合し、かつ嵌合後は円滑に回動する嵌め合い対偶をなしている(図示してない)。
【0024】
前記の握り枠体30の下端部外側に丁度嵌合する旋回筒体42が握り枠体30の軸線周りの旋回自在であり、前記の抜け止め縁37によって抜去不能に嵌合させてあり、この旋回筒体42の直径方向に軸孔が穿孔してあり、この軸孔に嵌合する短い軸を内向きに一対一体に備えたU字型吊り下げ連結体44の両壁面には一対2組の水平方向の長孔45が形成してあり、この長孔45に例えば環状枠65に多数のピンチ66を装備した小物干具部(図8参照))Hの吊り下げワイヤ(ストラップとも云う)若しくは鎖などの引っ張り部材67が挿通してある。前記洗濯物干具部Hの形状は例えばパラソル型、細い物干棒を百足型したものなど特に形状及び構造に限定はない。
前記握り枠体30は図8のように組み立てた時、U字型吊り下げ連結体44を貫通し、この下側に突出し、図8の全体を物干竿に掛合若しくは離反させるとき、この連結体44より下方に突出する握り枠体30の下半部を持って行えば、取扱者が小柄な人であっても、用意にこの種の作業が容易にできる。
或いは握り枠体30を下方に繰り出し式とし、この物干具全体物干竿の着脱するとき、握り枠体30を長くし、また商品流通時などは小さく縮めておく、若しくは握り枠体30を物干具部Hと平行に倒した時、物干具部の環状枠65より外部に食み出さないようにするなど、長くした握り枠体30が邪魔にならないようにする工夫を凝らす必要がある。
最もこの種の仕様の追加は発明の本質部分ではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】押さえアーム棒が開いている状態の物干具用グリップの正面図である。
【図2】物干竿をフック本体と押さえアーム棒とによって挟持した状態の一部斜視図である。
【図3】握り枠体のみの正面図である。
【図4】ロックハンドルの斜視図である
【図5】握り枠体部の一部を縦断した縦断側面図である。
【図6】それぞれ握り枠体の断面形状の異なる実施の形態の横断平面図である。
【図7】物干具と連結した状態の正面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 吊り下げフック本体
11 フック部
12 フック基部
13 棒状柄部
14 ラチエットラック
14a 掛合歯
15 フック開口部
16 ロープ掛合窪み
17 ロープ窪み
18 ストッパ
19 リブ
20 押さえアーム棒
21 主枢軸
22 アーム操作端
23 アーム先端部
24 逃げ溝
30 握り枠体
31 柄部ガイドレール
32 切り込み
33 舌片バネ部
34 突起
35 支持スリット
36 縦割スリット
37 抜け止め
38 取り付け部分
39 リンク軸受け
40 上端部
42 旋回筒体
43 下端
44 吊下げ連結体
45 長孔
50 ロックハンドル
51 ラチエット爪
52 ロックハンドル胴部
53 ハンドル支点脚
54 握り操作部
55 側壁
56 支点部
58 掛合角孔
60 リンク
65 環状枠
66 ピンチ
67 引っ張り部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げフック本体のフック部のフック開口部を開閉する弧状の押さえアーム棒の中間が前記吊り下げフック本体のフック基部に主枢軸によって枢着してあり、前記フック基部に一体に連なる棒状柄部には握り枠体がこれらの軸方向に摺動自在に嵌合させてあり、前記押さえアーム棒の前記主枢軸及び棒状柄部より反対側に伸びるアーム操作端と前記握り枠体の一部は短いリンクを介して連結してあり、前記握り枠体の下端に物干具が連結可能としてある物干具用グリップにおいて、
前記棒状柄部の少なくとも片面にそれぞれ下向きの掛合歯を複数個持つラチエットラックが設けてあり、
前記押さえアーム棒と前記吊り下げフック本体の先端は相互に可動範囲内において、相互に当たらない形状としてあり、
他方前記握り枠体には前記ラチエットラックの任意の掛合歯に選択的に掛合可能なラチエット爪を持つロックハンドルが設けてあり、前記ロックハンドルの他端に握り操作部を備え、中間部の支点部は揺動可能抜去不能に前記握り枠体に掛合支持させてあり、かつ常時前記ラチエット爪がラチエットラックの任意の一つの掛合歯に掛合し、前記ロックハンドルの握り操作部が前記握り枠体の外面から外方に突出するように弾発的に付勢してあることを特徴とする物干具用グリップ。
【請求項2】
前記吊り下げフック本体のフック部の内側頂き部にはロープ掛合窪みが設けてあり、前記押さえアーム棒が最も閉じた時、このアーム先端が前記ロープ掛合窪み開口部を塞ぐ乃至狭くする位置となるものであることを特徴とする請求項1または2記載の物干具用グリップ。
【請求項3】
前記ロックハンドルのラチエット爪が常時ラチエットラックに掛合する方向に弾発的に掛合する構成は、前記握り枠体が若干弾性を有する硬質合成樹脂成形品によって形成してあり、その一部の筒形状部分に上向きの舌片バネ部を形成し、この舌片バネ部がラチエット爪近傍の前記ロックハンドルの一部に掛合して形成してあり、ロックハンドルの腹側であって、前記ハンドル支点脚近傍の一部は前記握り枠体の外周面に接触させて支点部が形成してあることを特徴とする請求項1、または2記載の物干具グリップ。
【請求項4】
前記請求項1乃至3記載のうちの一種物干具用グリップには、前記握り枠体の下端に、ピンチを多数装備した環状物干体、放射状に多数の物干棒をパラソル型折り畳み式に設けた物干体、細い物干棒を平行に設けた小物干具部のうちの一種が旋回傾動自在に連結してあることを特徴とする物干具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−122468(P2006−122468A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316451(P2004−316451)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000108351)ソーコー株式会社 (11)