説明

物理/機械的性質及び高い光沢を最適なバランスで有するゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマー

70cP未満の溶液粘度を有する線状ジエン系ゴム(i)、70cP未満の溶液粘度を有する部分放射状ジエン系ゴム(ii)、70cP未満の溶液粘度を有する三本鎖ジエン系ゴム(iii)及び線状ジエン系ゴム(i)と放射状ジエン系ゴム(iv)との、最大比(i):(iv)が99.5:0.5〜85:15のブレンド物から選択されるゴムで強化されたビニル芳香族(コ)ポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理/機械的性質及び高い光沢を最適なバランスで有するゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
より具体的には、本発明は、最適な物理/機械的特性(耐衝撃性、引張係数、降伏強度、極限引張応力等)と高い光沢を併せ持つ、ジエン系ゴムで強化されたビニル芳香族(コ)ポリマーに関する。
【0003】
本明細書及び請求項において、用語「ゴム(rubber)」及び「エラストマー(elastomer)」は同義語と見なされるべきである。本明細書に含まれる全ての情報は、明記されていない場合であっても好ましいものであると見なされるべきである。
【0004】
ゴム、特にはジエン系ゴム(例えば、ポリブタジエン)で強化されたビニル芳香族(コ)ポリマーは、市場で知られ且つ文献に広く記載されている周知のエンジニアリングポリマー群を代表するものである。これらの(コ)ポリマーの具体的な例は、例えば、ポリマーマトリクスに分散させたポリブタジエン粒子を含有する、一般にはABS樹脂として知られるスチレン/アクリロニトリルコポリマー及び一般にはHIPSとして知られる、ゴム粒子(例えば、ポリブタジエン粒子)を分散させたポリスチレンの連続相を含む耐衝撃性ポリスチレンである。
【0005】
ゴム粒子で強化されたビニル芳香族(コ)ポリマーの表面光沢は、ゴム粒子の寸法を1μm未満の値にまで低下させることによって改善可能であることが知られている。この状態は、重合反応中のせん断応力を上昇させることによって得られる。せん断応力とは単に、混合物の撹拌によってかかる摩擦力を意味する。この力が大きければ大きいほど、ゴム粒子の直径は小さくなる。せん断応力は重合反応器の撹拌機の回転数に関係していることから、この特徴を利用して、モータ力によって決定される特定の限度内でせん断応力を調節可能である。
【0006】
マトリクス中に分散させるゴム粒子の寸法の調節に使用可能な別のパラメータは、ビニル芳香族(コ)ポリマーの製造に使用するジエン系ゴムの溶液の粘度を低下させることである。しかしながら、ジエン系ゴム(ポリブタジエン等)は、例えば取扱い及び包装のために、「コールドフロー(cold flow)」現象を回避するのに十分な粘度を有していなくてはならないため、高い表面光沢を有する強化ビニル芳香族(コ)ポリマーを線状低粘度ポリブタジエンホモポリマーだけをゴムとして使用して製造するのは実際には不可能であるとこれまで考えられていた。
【0007】
文献には、改善された審美的な性質(光沢)を有するABSの製造例が記載されており、この例ではジエン系ゴム(ポリブタジエン等)が使用され、例えばこのジエン系ゴムは、溶液での粘度が低下するように変性されており、またより優れた審美的性質を有するABSコポリマーの製造に適している。
【0008】
例えば、米国特許第4421895号明細書には、ABSの製造における、スチレンの5質量%、25℃で80mPa*s以下の溶液粘度を有するジエン系ゴムの使用が記載されている。特に、この特許において提案されているジエン系ゴムは、線状スチレン/ブタジエンブロックコポリマーである。このタイプのゴムを使用してマトリクス中に分散させるゴム粒子を得て、この粒子は、0.7μm未満の寸法を有し、また高い審美的性質(光沢)を有するABSが結果的に得られる。
【0009】
しかしながら、スチレン/ブタジエン線状ブロックコポリマーを使用して表面光沢を改善しても、他の物理/機械的特性、特には耐衝撃性が失われてしまう。表面光沢を実質的に変化させることなく維持しながら物理/機械的性質を改善するために、米国特許第4524180号明細書には、ジエン系ゴム(ポリブタジエン)とスチレン/ブタジエン線状ブロックコポリマーとの低粘度(スチレンの5質量%、25℃の溶液状で測定)を有する混合物を使用したABSの製造が記載されている。
【0010】
米国特許第4587294号、第4639494号及び欧州特許第277687号の明細書には、より優れた表面光沢を有するABSを製造するための、低粘度(スチレンの5質量%、25℃の溶液状で測定)を有する星形又は放射状ゴムの使用について記載している。放射状又は星形ゴムは、周知の合成技法によってリチウム−アルコールをブタジエンのアニオン重合の開始剤として使用して製造され、まず負の電荷及び対イオンとしてLi+を有する活性鎖末端を有する線状ポリマーを製造し、続いて例えばその鎖末端と反応し、また様々なポリマー鎖をケイ素原子に結合可能なカップリング剤(四塩化ケイ素等)を添加する。放射状又は星形ゴムによって、コポリマーを、その他の公知のジエン系ゴムより優れた光沢及び同じ物理/機械的特性を伴って得ることができるものの、その製造により複雑なプロセスを必要とする欠点がある。
【0011】
ここで出願者は驚くべきことに、強化エラストマーとしてジエン系ゴムを使用して、より優れた光沢及び同じ物理/機械的特性を有するビニル芳香族(コ)ポリマーを製造することが可能なことを発見した。ブロックポリブタジエン/ポリスチレンコポリマー又は放射状ゴムの粘度に等しい(又はそれよりも高くさえある)粘度(スチレンの5質量%の溶液状で測定)を有する線状ジエン系ゴムを使用することによって(すなわち、以下に記載されるような構造のジエン系ゴム)、分散させるゴム粒子が実際により小さい寸法で得られ、したがってより優れた審美的性質及び同じ機械的性質を有するポリマーが最終的に得られる。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明の目的は、ポリマーマトリクスと、このポリマーマトリクスに分散させた及び/又はグラフトさせたジエン系ゴムから成るゴム相とを含むゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマーに関し、このゴム相は、以下:
(i)70cP未満、好ましくは40〜60cPの溶液粘度を有する線状ジエン系ゴム、
(ii)70cP未満、好ましくは40〜60cPの溶液粘度を有し、ポリマー鎖の最高15質量%、好ましくは1〜12%が、線状ジエン系ゴムの鎖を末端放射状構造に形成するようなある量の四官能性カップリング剤(非限定的な例は、四塩化ケイ素)で終端されている部分放射状ジエン系ゴム、
(iii)70cP未満、好ましくは40〜60cPの溶液粘度を有する三本鎖ジエン系ゴム、すなわち三官能性剤(非限定的な例は、Si:Li比が1:3のメチルトリクロロシラン)でカップリングされた線状ジエン系ゴム、
(iv)(i):(v)の最大比が99.5:0.5〜85:15の線状ジエン系ゴム(i)と放射状ジエン系ゴム(v)との混合物
の少なくとも1つから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
放射状ジエン系ゴム(v)は、市販の放射状ポリブタジエンゴムであり得る。
【0014】
本発明の目的であるビニル芳香族(コ)ポリマーに使用されるジエン系ゴム(i)、(ii)、(iii)又は(iv)は、天然又は合成であり得る。適切な合成ゴムは、4〜6個の炭素原子を含む1,3−共役ジエンのポリマー(特には、ポリブタジエン、高及び中cis−ポリブタジエン、ポリイソプレン)から成るものである。
【0015】
特に好ましいのは、
40〜70cP、好ましくは40〜60cPの溶液粘度(スチレンの5質量%、25℃の溶液状で測定)と、
5〜35質量%、好ましくは7〜14質量%の1,2−ビニル含有量と、
20〜85質量%、好ましくは25〜45質量%の1,4−cis含有量と、
(i)、(ii)、(iii)又は(iv)に記載の分子構造と、
を有するポリブタジエンである。
【0016】
このタイプのポリブタジエンは、リチウム−アルキル開始剤を使用した、脂肪族又は脂環式の溶媒又はその混合物の溶液におけるブタジエンのアニオン重合によって得られる。この重合は、バッチ反応器又は連続反応器において実行可能である。バッチ反応器の場合、通常は一級又は二級ブチルリチウムから成る開始剤を、重合終了時の全固形分の量が20質量%を超えない量で装入される溶媒及びモノマーから成る反応混合物に添加する。この反応を、ポリマー鎖に存在することになるビニル又は1,2単位の含有量に応じた多い又は少ない量のルイス塩基の存在下で実行可能であることが当業者に知られている。最も広く使用されているルイス塩基にはエーテルがあり、特にテトロヒドロフラン(既に溶媒に対して100ppmの量)は、反応を大幅に加速し、ビニル単位の含有量を<12%のレベルで維持可能である。テトロヒドロフランの量が増えるとミクロ構造は少しずつ変化し、テトロヒドロフランが5000ppmの場合、ビニル単位含有量は40%より高くなる。しかしながら、プラスチック材料変性分野におけるポリブタジエンの使用に高ビニル単位量は有害でないとしても不要である。グラフト効率を高めるために1,2単位の含有量がより高いポリブタジエンを使用可能であったとしても、これらの単位の含有量が15%を超えないことが好ましい。エーテル又は三級アミンの不在下で行われる反応が、1時間以内でのモノマーの完全重合を保証するのに十分に速く、最終温度が120℃を超えず、またいかなる場合でも反応混合物の初期温度(速さが不十分な開始反応を回避するために35〜40℃未満には、また通常の製造サイクルに不適合にはなり得ない)によって制御可能であることも、当業者に知られている。反応器は冷却ジャケットを装備可能である。しかしながら、容量が決して20m3未満にはならない工業用反応器に典型的な好ましくない表面:体積比により、冷却ジャケットはそれほど効率的ではない。より効率的な温度制御が、凝縮され続いて反応器に供給される溶媒の部分蒸発によって得られる。「沸騰水炉」と称されるこのタイプの反応器は反応温度の制御が極めて効率的であり、最新技術において、ブタジエン重合の熱に起因する自然な熱上昇を効率的に制限するための最良の手段である。バッチ反応器で重合を行うと、考えられるカップリング剤の添加前に、単峰性の分子量分布を有するポリマーの生成が引き起こされ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比は極めて1に近く、通常1〜1.2である。重合をCSTRタイプの連続反応器又は連続して直列に配置されたCSTRタイプの様々な反応器において行うと、反対に、Mw/Mn比が1.8〜2.5の単峰性の分子量分布のポリマーの生成が引き起こされ、両方のケースにおいて、重合終了時に得られるポリマーは線状であり、また依然として活性である鎖末端を有する。これらの鎖末端は、ポリブタジエン−リチウム種から成る。考えられ得る始原遺伝子剤(protogene agent)(例えば、アルコール)又はハロゲンとケイ素との比が1のケイ素−ハロゲン誘導体(非限定的な例はトリメチルクロロシラン:TMCS)の添加は、ブタジエン−リチウム鎖末端の終端を引き起こし、また分子の線状マクロ構造を維持する。反対に、活性鎖末端と反応可能な多官能性物質の添加は、使用した多官能性物質と同じ官能性を有する、多数の鎖が分岐する結節点を有することを特徴とする分岐マクロ構造の形成を引き起こす。非限定的な例として、四塩化ケイ素の使用が当業者に知られており、四塩化ケイ素をSi:Li比=1:4で反応環境に加えると、放射状ポリマーの形成が引き起こされ、このポリマーは、バッチ反応器で調製すると同じ長さの4本の分岐鎖を有するが、連続反応器で調製するとこの4本の分岐鎖が異なるものになる。一方、Si:Li比が1:4より低いと、部分放射状構造(ii)が得られる。三官能性ケイ素化合物をカップリング剤として使用すると(非限定的な例は、メチルトリクロロシラン)、三本鎖ゴム(iii)が得られる。ポリブタジエンの通常の製造プロセスは続いて、フェノールタイプの一次酸化防止剤と典型的には三価リンの有機化合物である二次酸化防止剤とから成る一対の酸化防止剤を添加した後、溶媒の除去を含み、この除去は、撹拌が行われる容器における水と蒸気の複合作用によって行われる。これによってゴム顆粒の水性懸濁液が生成され、網上で水気を切った後、ゴムは、2台の機械押出成形機から成る乾燥セクションに送られる。第1押出成形機(エキスペラ)において圧搾作業が行われ、この作業によって殆どの水が除去され、水は押出成形機の側部にあるスリットから排出される。完全な乾燥は第2押出成形機(エキスパンダ)で行われ、機械的な作用に供されたゴムは160〜180℃に加熱される。蒸気の一部は押出成形機の端部に位置する開口部(ベント)から除去され、一部はヘッドの排出口から除去される。次に、ゴム顆粒はベルト又はその他の搬送手段によって包装機に送られ、そこで梱包される。ポリブタジエン(不飽和ゴム)の性質上、仕上げ条件の厳格な制御が必要とされる。当業者は、仕上げ領域、特にはエキスパンダで通常生成される不溶性物質(ゲル)の塊の形成に起因する弊害を承知しているからである。これらのゲルは、重大な表面欠陥を形成することによって、プラスチック材料の変性分野で使用するゴムの質の低下を引き起こす。したがって、ポリブタジエンの仕上げ条件を決定するにあたっては細心の注意を払わなくてはならず、これに伴ってプロセス及び生成物を制御するための多数の分析を行う必要がある。
【0017】
本発明のゴム強化(コ)ポリマーの高分子マトリクスは、1種以上のビニル芳香族モノマー由来の(コ)ポリマー又は1種以上のビニル芳香族モノマー及び1種以上のコモノマー(例えば、アクリルコモノマー)由来の(コ)ポリマーになり得る。本明細書及び請求項で使用の用語「ビニル芳香族モノマー(vinyl aromatic monomer)」は、一般式:
【化1】

(式中、Rは水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルを表し、nはゼロ又は1〜5の整数であり、Yはハロゲン又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルを表す)を有するエチレン性不飽和化合物を含む。上記の一般式を有するビニル芳香族モノマーの例は、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ジメチルスチレン、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及びペンタ−クロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレンその他である。好ましいビニル芳香族モノマーはスチレン及び/又はα−メチルスチレンである。
【0018】
一般式(I)を有するビニル芳香族モノマーは、単体又は共重合可能なその他のモノマーとの最高50質量%の混合物中で使用可能である。これらのモノマーの例は、(メタ)クリル酸、(メタ)クリル酸のC1〜C4アルキルエステル、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、(メタ)クリル酸のアミド及びニトリル、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、エチレン、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸その他である。好ましい共重合可能なモノマーは、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等のアクリルモノマーである。コポリマーの製造に使用するビニル芳香族モノマー及びアクリルモノマーの量は、最終的なゴムで強化されたビニル芳香族コポリマーの望ましい物理/機械的性質に応じて異なる。ビニル芳香族モノマー/アクリルモノマーコポリマーの総質量に対して、アクリルモノマーの量は一般に5〜45質量%、好ましくは15〜35質量%であり、これに対応してビニル芳香族モノマーの量は95〜55質量%、好ましくは85〜65質量%である。ゴム強化(コ)ポリマーにおけるジエン系ゴム(i)、(ii)、(iii)又は(iv)の量は一般に、(コ)ポリマーの質量に対して4〜30質量%、好ましくは6〜25質量%である。
【0019】
本発明の目的であるゴム強化(コ)ポリマーは、架橋された耐衝撃性コポリマーの製造に使用されるいずれの慣用の技法(塊状重合、溶液重合、エマルション重合、塊状−懸濁重合等)によっても調製可能である。本発明の目的である(コ)ポリマーから得られる試験片は、60°で85より高い光沢を有する。
【0020】
本発明をより良く理解し具体化するために例示的な実施例を挙げるが、この実施例は決して限定的であると解釈されるべきではない。
【0021】
合成ポリマーの特性決定
1. スチレン溶液における粘度の測定
この方法は、スチレン中の5質量%のポリブタジエンの溶液の調製及びそれに続くキャノン・フェンスケ毛管を使用した25℃での粘度測定を含む。キャノン・フェンスケ毛管の寸法を、毛管を流れる溶離時間(elusion time)が短く又は長くなり過ぎないように選択しなくてはならない。調査するポリマーの場合、50〜250cPの範囲内で妥当なモデル300を使用する。
【0022】
2.SANマトリクスの平均分子量の測定
SANマトリクスの平均分子量の測定を、脱気システム、ポンプ、インゼクタ(Waters Alliance 2695)、5ミクロン、空隙率106、105、104、103オングストロームのPhenogelカラムセット(300x7.6mm)、Waters 410示差屈折率検出器、Waters 2487紫外線検出器、クロマトグラフ分析用ソフトウェア(Millenium 32 バージョン3.2。Waters社)から成るクロマトグラフ機器で行われた。
【0023】
3. ABS中に分散したゴム相のモルホロジーの決定
SANマトリクス中に分散したゴム相の寸法の測定及びモルホロジー決定を、TEM(透過型電子顕微鏡分析)(F.Lenz、A.WissのMikroscopie 63(1956),p56)で行った。ゴム粒子のモルホロジーは、顕微鏡写真の目視検査によって決定され、様々な構造の特性決定は、Adolf Echteの「Teilchenbildung bei der Herstellung von Kautschukmodifiziertem Polystyrol」(58/89(1977),p175〜198)及び欧州特許第716664号明細書に記載の分類に従って行われた。統計パラメータである粒子の平均体積径DVの計算に関しては、以下の式:
〔式1〕

(式中、Diはi個目の粒子の直径を表す)を応用し、「コア/シェル」タイプ又は「混合」構造(ラビリンス又はブレインタイプの構造)を有する粒子の割合の計算に関しては、C.Maestriniらが記載の立体解析法を利用した(Journal of Material Science,vol.27,1992,p.5994)。TEM分析は、透過型電子顕微鏡Philips CM120で行われた。
【0024】
4.その他の特性決定
残留スチレンモノマー及びアクリロニトリル並びにその他の揮発性有機物質の濃度は、ガスクロマトグラフィによって測定された。
【0025】
ABSにおけるポリブタジエンの濃度は、Wijsの方法(Berichte,1898,vol.31,p.750)に従ってヨウ素滴定によって測定された。
【0026】
ゲル相含有量(ゴムの熱架橋後)及び膨潤指数(ゴムの熱架橋なし)は、米国特許第4214056号明細書に記載のラフィング(Ruffing)試験によって測定された。
【0027】
メルトフローインデックス(MFI)は、ASTM D 1238の標準法に従って200℃、5kgの加重下で測定された。
【0028】
ノッチ付きアイゾッド衝撃試験値(射出成形された試験片について)は、ISO 180/1A〜ISO 179の標準法に従って測定された(値はkJ/m2で表された)。材料の耐衝撃性に関する別のパラメータはボール落下試験によって示され、厚さの異なる2枚の試験片(2mm、3mm)についてISO 6603/2の標準法に従って測定された。
【0029】
引張強度(降伏強度、降伏伸び、破断応力、破断伸び、引張係数)及び曲げ強度特性(最大応力、弾性係数)は、ISO 527、ISO 178の標準法に従って射出成形された試験片について測定され、MPaで表された。ただし、降伏伸び及び破断伸びは割合で表された。
【0030】
材料の光沢は、Dr.Lange光沢計を使用して、2つの読み取り角度(20°、60°)でASTM D 523の標準法に従って測定された。測定は、射出成形によって得られた、読み取り領域95mmx75mmx3mmの測定値の三段階試験片について行われた。試料の成形条件は以下の通りであった。溶融温度:220℃、成形温度:35℃。
【実施例】
【0031】
実施例1
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=44CPを有する3.6kgの線状ポリブタジエン(i)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0032】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0033】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0034】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置(devolatizer)に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0035】
実施例2
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=45CPを有する3.6kgの部分放射状ポリブタジエン(ii)(10質量%の分岐末端基含有量を有する)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0036】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0037】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0038】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0039】
実施例3
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=42CPを有する3.6kgの3本鎖ポリブタジエン(iii)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0040】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0041】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0042】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0043】
実施例4
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=59CPを有する混合物(iv)を生成する、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=44CPを有する3.4kgの線状ポリブタジエン(i)と、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=209CPを有する0.2kgの放射状ポリブタジエン、及び、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18、7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0044】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0045】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0046】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0047】
実施例5
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=65CPを有する混合物(iv)を生成する、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=44CPを有する3.2kgの線状ポリブタジエン(i)と、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=209CPを有する0.4kgの放射状ポリブタジエン、及び、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18、7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0048】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0049】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0050】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0051】
参考実施例6
3.6kgのポリブタジエンSOL B 183(10質量%のスチレンを含有する変性ポリブタジエン。Polimeri Europa製)(スチレン(SM)において5%で溶液粘度=30CP)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0052】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0053】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0054】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0055】
実施例7(比較)
3.6kgのポリブタジエンINTENE P30(四本鎖星形ポリブタジエン。Polimeri Europa製)(スチレン(SM)において5%で溶液粘度=45CPを有する)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0056】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0057】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0058】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0059】
実施例8(比較)
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=65CPを有する3.6kgの部分放射状ポリブタジエン(II)(25質量%の分岐末端基含有量を有する)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0060】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0061】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0062】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0063】
実施例9(比較)
スチレン(SM)において5%で溶液粘度=85CPを有する混合物(IV)を生成する、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=44CPを有する2.7kgの線状ポリブタジエン(i)、スチレン(SM)において5%で溶液粘度=209CPを有する0.9kgの放射状ポリブタジエン、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0064】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0065】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0066】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0067】
実施例10(比較)
3.6kgのポリブタジエンINTENE 40(線状ポリブタジエン。Polimeri Europa製)(スチレン(SM)において5%で溶液粘度=95CP)、21.8kgのスチレンモノマー中の20gの酸化防止剤ANOX PP 18及び7.6kgのエチルベンゼンを、温度調節装置及び攪拌システムを備えた60リットルバッチ型オートクレーブ内で溶解させ、5時間に亘って85℃で撹拌する。次に、12.4gの開始剤1,1−ジ(ターブチルペルオキシ)シクロヘキサン(Tx22E50)を添加する。
【0068】
このようにして得られた溶液を、アクリロニトリルを供給しながら加熱(60℃)下で混合した後(溶液:アクリロニトリル質量比は82.5:17.5)、攪拌器及び温度調節システムを備えた第1PFR反応器に送ると(反応器の熱プロファイルは112℃から120℃に上昇)、そこで予備重合がグラフト及び転相を伴って行われる。
【0069】
48gの連鎖移動剤n−ドデシルメルカプタン(NDM)を、第1反応器を後にした混合物に添加し、次にこの混合物を、同じく攪拌器及び温度調節システムを備えた第2PFR反応器に移す(反応器の熱プロファイルは150℃から165℃に上昇)。
【0070】
得られた混合物を、真空下、235℃で動作する脱蔵装置に送ってゴムを架橋し、またポリマーから未反応モノマー及び溶媒を除去する。このようにして得られた溶融ポリマーを顆粒化することによって最終生成物を得る。その特性を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマーであって、ポリマーマトリクスと、前記ポリマーマトリクスに分散させた及び/又はグラフトさせたジエン系ゴムのゴム相とを含み、前記ゴム相が、
(i)70cP未満の溶液粘度を有する線状ジエン系ゴム、
(ii)70cP未満の溶液粘度を有し、ポリマー鎖の最高15質量%、好ましくは1〜12%が、線状ジエン系ゴム鎖の放射状末端構造を形成するような量の四官能性カップリング剤で終端する部分放射状ジエン系ゴム、
(iii)三官能性剤でカップリングされた線状ジエン系ゴムである、70cP未満の溶液粘度を有する三分岐鎖ジエン系ゴム、
(iv)70cP未満の溶液粘度を有する、(i):(v)の最大比が99.5:0.5〜85:15の線状ジエン系ゴム(i)と放射状ジエン系ゴム(v)との混合物
の少なくとも1つの間で選択されることを特徴とするゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマー。
【請求項2】
前記ジエン系ゴムが、4〜6個の炭素原子を含む1,3−共役ジエンのポリマーから形成される、請求項1に記載のビニル芳香族(コ)ポリマー。
【請求項3】
前記ジエン系ゴムが、
25℃のスチレン中における5質量%溶液で測定された40〜70cP、好ましくは40〜60cPの溶液粘度と、
5〜35質量%、好ましくは7〜14質量%の1,2−ビニル含有量と、
20〜85質量%、好ましくは25〜45質量%の1,4−cis含有量と、
(i)、(ii)、(iii)又は(iv)に記載の分子構造と、
を有するポリブタジエンである、請求項2に記載のビニル芳香族(コ)ポリマー。
【請求項4】
5〜45質量%のアクリルコモノマーを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のビニル芳香族コポリマー。
【請求項5】
前記ジエン系ゴム(i)、(ii)、(iii)又は(iv)の量が4〜30質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載のビニル芳香族(コ)ポリマー。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマーを調製するための方法であって、少なくとも1種のビニル芳香族モノマーを、(i)〜(iv)の群から選択される少なくとも1種のゴムの存在下、バルク重合、溶液重合、エマルション重合及びバルク懸濁重合で重合することを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項7】
60°で85より高い光沢を有する物体を調製するための、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマーの使用。

【公表番号】特表2012−512288(P2012−512288A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541172(P2011−541172)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008861
【国際公開番号】WO2010/069515
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(508128303)ポリメーリ エウローパ ソシエタ ペル アチオニ (24)
【Fターム(参考)】