説明

特に練篠フレームおよびカード機のスライバ巻取りデバイス用のコイラ・プレート

【課題】簡素な構成を有しかつ容易な製造および組立てを許容するコイラ・プレートを提供する。
【解決手段】特に練篠フレームおよびカード機のスライバ巻取りデバイス用のコイラ・プレートであって、スライバに対する取入口と吐出口とを備えたスライバ・チャネルを有すると共に回転プレートを有するコイラ・プレートにおいて、上記回転プレートの下側面上には貫通開口を有するカバーが存在する。簡素な様式によりコイラ・プレートを作成するために、上記カバーに対しては、貫通開口を有する接続片が変形により形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライバに対する取入口と吐出口とを備えたスライバ・チャネルを有すると共に回転プレートを有するコイラ・プレートであって、上記回転プレートの下側面上には貫通開口を有するカバーが存在するという特に練篠フレームおよびカード機のスライバ巻取りデバイス用のコイラ・プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のコイラ・プレート(EP−A−0670281)においては、開始材料としての円管が成形され、3次元的に湾曲されたスライバ・チャネルが形成されている。半完成品において、吐出口の屈曲部には直線状部分が追随しており、これはスライバ・チャネルが完成する間に分離される。上記スライバ・チャネルの吐出口は、該吐出口が上記回転プレートの基部と面一である様に構成される。上記回転プレートの上記基部は貫通開口を有し、その内径は上記スライバ・チャネルの上記吐出口の外径より大きいことから、間隙空間が形成される。該間隙空間および上記開口は、上記回転プレートが鋳造されるときに導入される。上記回転プレートの下側面上における該回転プレートのパネル形状カバーも同様に貫通開口を有し、該カバーの内径はスライバ管吐出口の外壁と面一に終端している。組立ての間において上記スライバ管吐出口の吐出口は、上記回転プレートの上記開口を介し、上記カバーの上記開口内へと挿入される。次に、鋳造材料が注入されることから上記スライバ・チャネルは該鋳造材料により吐出口にて固定され、注入部位は、上記スライバ・チャネルの自由断面のみが自由である様に上記パネル形状カバーにより覆われる。不都合な面は、製造および組立てに関して相当の作業が必要とされることである。特に、断面が略々長円形である上記間隙空間が上記回転プレートへと導入されねばならない。これに加えて、上記スライバ・チャネルを上記回転プレートに対して上記鋳造材料によりシールする際には、注意が払われねばならない。上記鋳造材料は高価である。更なる問題は、上記回転プレートと上記スライバ管吐出口との間の上記間隙空間を閉じる上で必要とされる相当量の時間である。縁部および移行部が鋭角的であると、面倒な研磨が必要とされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
故に本発明の基礎となる課題は、冒頭にて記述された形式のコイラ・プレートであって、言及された不都合を回避すると共に、特に簡素な構成を有しかつ容易な製造および組立てを許容するコイラ・プレートを提供するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
該課題は、請求項1の特徴部分の特徴により解決される。
すなわち、1番目の発明によれば、スライバに対する取入口と吐出口とを備えたスライバ・チャネルを有すると共に回転プレートを有するコイラ・プレートであって、上記回転プレートの下側面上には貫通開口を有するカバーが存在するという特に練篠フレームおよびカード機のスライバ巻取りデバイス用のコイラ・プレートにおいて、貫通開口(23a、23b)を有する接続片(23)が整形により前記カバー(22)と共に形成されることを特徴とする、コイラ・プレートが提供される。
【0005】
上記カバーに対しては貫通開口を有する接続片が成形により一体的に形成されることから、上記スライバ・チャネル吐出口に対する各開口および接続要素は上記カバーに対して一体化される。略々腎臓形状である上記開口は非切断の成形により上記シート形態カバーから好適に作製され、平坦なカバー表面と上記腎臓形状開口の輪郭部との間には凹凸のない移行部が形成されることから、引き続く加工作業は完全にまたは殆ど不要である。特に、繊維の付着などによる問題はない。
【0006】
請求項2乃至請求項56は、本発明の好適な発展例を包含する。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記接続片および前記開口は非切断の整形により形成される。
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記接続片および前記開口はプレス加工により形成される。
4番目の発明によれば、1番目から3番目のいずれかの発明において、前記接続片および前記開口は深絞り加工により形成される。
5番目の発明によれば、1番目から4番目のいずれかの発明において、前記深絞り加工は予備絞り加工および仕上げ絞り加工から成る。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、前記接続片および前記開口はスタンプ成形により形成される。
7番目の発明によれば、1番目から6番目のいずれかの発明において、前記接続片および前記開口はフロー・フォーミング(flow−forming)により形成される。
8番目の発明によれば、1番目から7番目のいずれかの発明において、前記接続片および前記開口はフロー・ドリリング(flow−drilling)により形成される。
9番目の発明によれば、1番目から8番目のいずれかの発明において、前記接続片および前記開口はトランスファ成形により形成される。
10番目の発明によれば、1番目から9番目のいずれかの発明において、前記カバーは事前穿孔される。
11番目の発明によれば、1番目から10番目のいずれかの発明において、前記カバーにおける前記事前穿孔された開口は、たとえばレーザ切断法などの切断法により形成される。
12番目の発明によれば、1番目から11番目のいずれかの発明において、前記事前穿孔された開口は略々腎臓形状である。
13番目の発明によれば、1番目から12番目のいずれかの発明において、前記事前穿孔された開口は円形状である。
14番目の発明によれば、1番目から13番目のいずれかの発明において、前記事前穿孔された開口は略々長円形状である。
15番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの発明において、前記カバーは前記整形の以前および/または以後に加熱される。
16番目の発明によれば、1番目から15番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルは特殊鋼から成る。
17番目の発明によれば、1番目から16番目のいずれかの発明において、前記回転プレートはたとえば鋳造アルミニウムなどの鋳造材料から成る。
18番目の発明によれば、1番目から17番目のいずれかの発明において、前記カバーは耐摩耗材料から形成される。
19番目の発明によれば、1番目から18番目のいずれかの発明において、前記カバーは低摩擦材料から形成される。
20番目の発明によれば、1番目から19番目のいずれかの発明において、前記カバーは金属から成る。
21番目の発明によれば、1番目から20番目のいずれかの発明において、前記カバーは特殊鋼から成る。
22番目の発明によれば、1番目から21番目のいずれかの発明において、前記カバーはシート形態である。
23番目の発明によれば、1番目から22番目のいずれかの発明において、前記カバーは変形可能なプラスチック材料から成る。
24番目の発明によれば、1番目から23番目のいずれかの発明において、前記プラスチック材料は耐摩耗性かつ低摩擦である。
25番目の発明によれば、1番目から24番目のいずれかの発明において、前記プラスチック材料は耐摩耗性のために補強されている。
26番目の発明によれば、1番目から25番目のいずれかの発明において、巻取られた繊維材料に接触する前記カバーの表面は耐摩耗性かつ低摩擦である。
27番目の発明によれば、1番目から26番目のいずれかの発明において、前記カバーにおける前記開口は略々腎臓形状である。
28番目の発明によれば、1番目から27番目のいずれかの発明において、前記カバーにおける前記開口は概ね長円形状である。
29番目の発明によれば、1番目から28番目のいずれかの発明において、前記接続片の断面は部分的に腎臓形状である。
30番目の発明によれば、1番目から29番目のいずれかの発明において、取入口の領域における前記接続片の断面は前記スライバ・チャネルの吐出口の断面に一致する。
31番目の発明によれば、1番目から30番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口の断面は概ね長円形状である。
32番目の発明によれば、1番目から31番目のいずれかの発明において、取入口の領域における前記接続片の断面は概ね長円形状である。
33番目の発明によれば、1番目から32番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの吐出口の断面および取入口の領域における前記接続片の断面は概ね円形状である。
34番目の発明によれば、1番目から33番目のいずれかの発明において、前記接続片は前記カバーに一体化される。
35番目の発明によれば、1番目から34番目のいずれかの発明において、前記腎臓形状もしくは長円形状の開口は前記カバーに一体化される。
36番目の発明によれば、1番目から35番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口に対する接続要素(接続片、通路)は前記カバーに一体化される。
37番目の発明によれば、1番目から36番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口は前記接続片の上側領域内へと導入可能である。
38番目の発明によれば、1番目から37番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口は前記接続片の上側領域内へと押込可能である。
39番目の発明によれば、1番目から38番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の取入口の領域との間には転送管、案内要素などが在る。
40番目の発明によれば、1番目から39番目のいずれかの発明において、前記接続片の取入口の断面は前記カバーに対して平行に配置される。
41番目の発明によれば、1番目から40番目のいずれかの発明において、前記接続片の取入口の断面と前記カバーとは互いに或る角度をなして配置される。
42番目の発明によれば、1番目から41番目のいずれかの発明において、前記スライバ吐出口と、前記転送管、案内要素などの取入口の領域とは相互に結合される。
43番目の発明によれば、1番目から42番目のいずれかの発明において、前記転送管、案内要素などの吐出口領域と前記接続片の取入口とは相互に結合される。
44番目の発明によれば、1番目から43番目のいずれかの発明において、前記転送管、案内要素などの前記吐出口と前記接続片の取入口との間には空間(間隙)が在る。
45番目の発明によれば、1番目から44番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片との間にはシールが在る。
46番目の発明によれば、1番目から45番目のいずれかの発明において、前記シールはシリコーンなどにより形成される。
47番目の発明によれば、1番目から46番目のいずれかの発明において、前記シールは接着剤などにより形成される。
48番目の発明によれば、1番目から47番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の上側内側領域とは相互に重なり合う。
49番目の発明によれば、1番目から48番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の前記上側内側領域との間にはスペーサ要素などが在る。
50番目の発明によれば、1番目から49番目のいずれかの発明において、異なる直径の吐出口を有する複数のスライバ・チャネルの各々が前記接続片に挿入可能である。
51番目の発明によれば、1番目から50番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルは前記接続片に結合される。
52番目の発明によれば、1番目から51番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルは前記接続片に対して直接的に結合される。
53番目の発明によれば、1番目から52番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルは、たとえば接続管、転送管、案内要素などの接続要素により前記接続片に結合される。
54番目の発明によれば、1番目から53番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口領域はスライバ分離デバイスと組み合わされる。
55番目の発明によれば、1番目から54番目のいずれかの発明において、前記接続管、転送管、案内要素などはスライバ分離デバイスと組み合わされる。
56番目の発明によれば、1番目から55番目のいずれかの発明において、前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の取入口との間にはスライバ分離デバイスが在る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、以下において実施例および図面を参照して相当に詳細に記述される。
図1は、送給ローラ1と、送給テーブル2と、テーカイン3a、3b、3cと、シリンダ4と、ドッファ5と、ストリッパ・ローラ6と、ニップ・ローラ7、8と、ウェブ案内要素9と、スライバ用ファネル10と、吐出ローラ11、12と、カード頂部案内ローラおよびカード頂部バーを備えたカード回転頂部13と、ケンス15と、ケンス用巻取器つまりカンコイラ(can coiler)16とを有する例えばTruetzschler TC 03カード機などのカード機を示している。上記各ローラの回転方向は湾曲矢印により夫々表される。参照符号Mはシリンダ4の中心点(軸心)を表している。参照番号4aは針布を表し、且つ、参照番号4bはシリンダ4の回転方向を表している。矢印Aは作用方向を表している。上記カード機の上流には、フロック送給デバイス17が配置される。コイラ・プレート用パネル18内には、コイラ・プレート19が回転可能に取付けられる。コイラ・プレート19は、スライバに対する取入口および吐出口を備えたスライバ・チャネル20(図3参照)と、当該回転プレートの下側面上にカバー22を有する回転プレート21(図3参照)とを備える。カバー22に対しては、一体的に接続片23が形成される(図3参照)。ケンス15の同時的な回転によりスライバ14は該ケンス15内にサイクロイド的に巻取られることから、ケンス15はスライバにより均一に充填され得る。
【0008】
図2に依れば、たとえばTruetzschler−Strecke TD 03などの練篠フレームは、牽伸(けんしん)システム取入口および牽伸システム吐出口を有する牽伸システム26を有する。(不図示の)複数のケンスから夫々到来する複数本のスライバ27はスライバ案内手段に進入し、吐出ローラにより引出され、且つ、測定要素を通過して移動される。牽伸システム26はフォー・オーバー・スリー牽伸システムとして構成され、すなわちそれは、3個の下側ローラI、II、III(Iは出力用下側ローラ、IIは中央下側ローラ、IIIは入力用下側ローラ)および4個の上側ローラ28、29、30、31から成る。牽伸システム26においては、数本のスライバから成る繊維束27の牽伸が実施される。牽伸作用は、予備牽伸作用および主要牽伸作用から成る。ローラ対6/IIIおよび5/IIは予備牽伸領域を構成し、且つ、ローラ対5/IIおよび3、4/Iは主要牽伸領域を構成する。上記牽伸システム吐出口において、牽伸された複数本のスライバ(繊維ウェブ32)は、ウェブ案内手段33に到達すると共に吐出ローラ34、35によりスライバ用ファネル36を通じて引出され、其処で各スライバは組み合わされて単一本のスライバ37を形成し、該スライバは次にカンコイラ16およびコイラ・プレート19によりスライバ・リング38をなしてケンス39内に巻取られる。ケンス39は矩形ケンスの形態であると共に、スライバの巻取りの間において上記コイラ・プレートの下側にて矢印CおよびDの方向に移動する。コイラ・プレート19は、スライバ37に対して3次元的に湾曲されたスライバ・チャネル20と、当該回転プレートの下側面上にカバー22を有する回転プレート21とを備える。カバー22に対しては、接続片23が一体的に形成される。参照符号Aは、牽伸システム26を通る繊維束27の進行方向を表す。コイラ・プレート19は、図1におけるコイラ・プレート用パネル18に概ね対応する(図2においては不図示の)コイラ・プレート用パネル18内に配置される。
【0009】
図3に依ると、スライバ37(図2参照)は3次元的に湾曲されたスライバ・チャネル20の取入口20aに進入し、スライバ・チャネル20を通過してから、吐出口20bにて再びスライバ・チャネル20から抜け出す。スライバ・チャネル20は、回転プレート21において中枢的に配置される。スライバの巻取りの間、回転プレート21は回転軸心21’の回りで矢印Dの方向に回転する。回転ケンス39を中心として回転プレート21が回転すると、ケンス39内においてスライバは円形(リング形状)に巻取られる。
【0010】
スライバ・チャネル20の取入口20aの領域において、鋳造材料40は該スライバ・チャネルをプレート・ホルダ21aに対して結合している。スライバ・チャネル20はその吐出口20bにおいて、接続片23を備えている。接続片23の取入口開口23aにおいては、たとえばシリコーン、接着剤などにより吐出口20bを固定および/またはシールすることが好適であり得る。回転プレート21の下側面は、たとえば特殊鋼製のカバー・シートなどのカバー22を備えている。特殊鋼は、耐摩耗性であると共に、ケンス39内に巻取られたスライバ38に対して低摩擦である。これに加え、好適には鋳造品の形態をなしていてアルミニウムまたはアルミニウム合金から成る回転プレート21の基部の機械的加工(やすりがけ、研磨)は回避される。カバー22は、回転タレット21の下側面に対して密着して位置すべく配置されると共に、例えば接着剤結合により固着される。カバー22の縁部22’、22”は、上方に屈曲されると共に、回転プレート21に対して着座する。カバー21に対しては、スライバが通過するように構成された貫通開口を有する接続片23が一体的に形成される。牽伸システム23の上記吐出口における移行部23’、23”は、丸み付けられる。
【0011】
図4に依ると接続片23は、取入口開口23aと、吐出口開口23bと、壁部23cとを有する。該好適実施例においては、カバー22の上記領域において、円形の取入口開口23aおよび略々腎臓形状(kidney−shaped)の吐出口開口23bとが存在する。接続片23は、たとえばプレス加工もしくは深絞り加工などの非切断整形により、シート形態(sheet−form)のカバー22と一体的に形成される。平坦なシート形態のカバー22から壁部23cへの上記移行部は好適には丸み付けられることから、繊維材料が付着することはない。スライバは接続片23の内側部を通過する。すなわち、接続片23は内側にて連続的に開放されている。
【0012】
図5に依ると、スライバ・チャネル20の吐出口20bと接続片23の取入口23aとの間には、概ね管エルボ(tube elbow)の形態である案内要素24などが在る。案内要素24はたとえば、好適には耐摩耗性の鋳造材から成り得ると共に、締着具25により回転プレート21に対して固着され得る。接続片23の取入口23aにおける上縁部および該接続片23の吐出口開口23bにおける平坦なカバー・パネルは、互いに平行に配置される。壁部23cの高さhは小さくされ得るが、このことは製造の観点から好適である。吐出口20bと取入口23aとの間には小寸間隙aが在るが、該間隙はスライバ対する(不図示の)分離壁と組み合わされ得る。図5に示された構成は、間隙aが存在しない代わりに吐出口24aが取入口開口23aに接続される様に改変され得る。この場合に案内要素24に対しては、たとえば機械的、空気的などのスライバ分離手段が組み合わされ得る。
【0013】
図6に係る実施例は概ね、図3に示された構成に対応する。スライバ・チャネル20の吐出口20bの領域は、スライバに対する(不図示の)スライバ分離手段と組み合わされ得る。スライバ分離作用はたとえば、吐出口20b(または図5に係る案内要素24)の壁面を通過する圧縮空気により空気的に実現され得る。
【0014】
図2に示された牽伸システム26は、たとえばTC 03などの練篠フレームに対しても、且つ、図1に係るカード機の吐出口にて吐出ローラ11、12とカンコイラ19との間にても使用され得る。牽伸システム26は、練篠フレームにおいては複数本のスライバから成るスライバ27の牽伸を行うことで単一本の牽伸システム・スライバ37を形成し、且つ、カード機においては、吐出ローラ11、12から抜け出してケンス15内に巻取られ得る単一本のカード・スライバ14の牽伸を行う。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るスライバ用のコイラ・プレートを備えたケンス用巻取器の概略的側面図である。
【図2】本発明に係るスライバ用のコイラ・プレートを有する練篠フレームの牽伸システムの概略的側面図である。
【図3】回転プレートのカバーと一体的に接続片が形成されると共にスライバ用ケンスが長手断面とされたコイラ・プレートを示す図である。
【図4】上記カバーと一体的に形成された上記接続片の斜視図である。
【図5】接続片とスライバ・チャネルとの間に案内要素が存在するという実施例を示す図である。
【図6】スライバ・チャネルが接続片と係合した更なる実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0016】
1 送給ローラ
2 送給テーブル
3a、3b、3c テーカイン
4 シリンダ
5 ドッファ
6 ローラ
7、8 ローラ
9 ウェブ案内要素
10 スライバ用ファネル
11、12 吐出ローラ
13 カード回転頂部
14 スライバ
15 ケンス
16 カンコイラ
17 フロック送給デバイス
18 プレート用パネル
19 プレート
20 チャネル
20a 取入口
20b 吐出口
21 回転プレート
21’ 回転軸心
21a ホルダ
22 カバー
22’、22” 縁部
23 接続片
23’、23” 移行部
23a 取入口開口
23b 吐出口開口
23c 壁部
24 案内要素
25 締着具
26 牽伸システム
27 スライバ
28、29、30、31 上側ローラ
33 ウェブ案内手段
34、35 吐出ローラ
36 スライバ用ファネル
38 リング
39 回転ケンス
40 鋳造材料
I、II、III 下側ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライバに対する取入口と吐出口とを備えたスライバ・チャネルを有すると共に回転プレートを有するコイラ・プレートであって、上記回転プレートの下側面上には貫通開口を有するカバーが存在するという特に練篠フレームおよびカード機のスライバ巻取りデバイス用のコイラ・プレートにおいて、
貫通開口(23a、23b)を有する接続片(23)が整形により前記カバー(22)と共に形成されることを特徴とする、コイラ・プレート。
【請求項2】
前記接続片および前記開口は非切断の整形により形成されることを特徴とする、請求項1記載のコイラ・プレート。
【請求項3】
前記接続片および前記開口はプレス加工により形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のコイラ・プレート。
【請求項4】
前記接続片および前記開口は深絞り加工により形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項5】
前記深絞り加工は予備絞り加工および仕上げ絞り加工から成ることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項6】
前記接続片および前記開口はスタンプ成形により形成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項7】
前記接続片および前記開口はフロー・フォーミング(flow−forming)により形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項8】
前記接続片および前記開口はフロー・ドリリング(flow−drilling)により形成されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項9】
前記接続片および前記開口はトランスファ成形により形成されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項10】
前記カバーは事前穿孔されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項11】
前記カバーにおける前記事前穿孔された開口は、たとえばレーザ切断法などの切断法により形成されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項12】
前記事前穿孔された開口は略々腎臓形状であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項13】
前記事前穿孔された開口は円形状であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項14】
前記事前穿孔された開口は略々長円形状であることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項15】
前記カバーは前記整形の以前および/または以後に加熱されることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項16】
前記スライバ・チャネルは特殊鋼から成ることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項17】
前記回転プレートはたとえば鋳造アルミニウムなどの鋳造材料から成ることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項18】
前記カバーは耐摩耗材料から形成されることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項19】
前記カバーは低摩擦材料から形成されることを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項20】
前記カバーは金属から成ることを特徴とする、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項21】
前記カバーは特殊鋼から成ることを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項22】
前記カバーはシート形態であることを特徴とする、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項23】
前記カバーは変形可能なプラスチック材料から成ることを特徴とする、請求項1乃至22のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項24】
前記プラスチック材料は耐摩耗性かつ低摩擦であることを特徴とする、請求項1乃至23のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項25】
前記プラスチック材料は耐摩耗性のために補強されていることを特徴とする、請求項1乃至24のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項26】
巻取られた繊維材料に接触する前記カバーの表面は耐摩耗性かつ低摩擦であることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項27】
前記カバーにおける前記開口は略々腎臓形状であることを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項28】
前記カバーにおける前記開口は概ね長円形状であることを特徴とする、請求項1乃至27のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項29】
前記接続片の断面は部分的に腎臓形状であることを特徴とする、請求項1乃至28のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項30】
取入口の領域における前記接続片の断面は前記スライバ・チャネルの吐出口の断面に一致することを特徴とする、請求項1乃至29のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項31】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口の断面は概ね長円形状であることを特徴とする、請求項1乃至30のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項32】
取入口の領域における前記接続片の断面は概ね長円形状であることを特徴とする、請求項1乃至31のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項33】
前記スライバ・チャネルの吐出口の断面および取入口の領域における前記接続片の断面は概ね円形状であることを特徴とする、請求項1乃至32のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項34】
前記接続片は前記カバーに一体化されることを特徴とする、請求項1乃至33のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項35】
前記腎臓形状もしくは長円形状の開口は前記カバーに一体化されることを特徴とする、請求項1乃至34のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項36】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口に対する接続要素(接続片、通路)は前記カバーに一体化されることを特徴とする、請求項1乃至35のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項37】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口は前記接続片の上側領域内へと導入可能であることを特徴とする、請求項1乃至36のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項38】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口は前記接続片の上側領域内へと押込可能であることを特徴とする、請求項1乃至37のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項39】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の取入口の領域との間には転送管、案内要素などが在ることを特徴とする、請求項1乃至38のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項40】
前記接続片の取入口の断面は前記カバーに対して平行に配置されることを特徴とする、請求項1乃至39のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項41】
前記接続片の取入口の断面と前記カバーとは互いに或る角度をなして配置されることを特徴とする、請求項1乃至40のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項42】
前記スライバ吐出口と、前記転送管、案内要素などの取入口の領域とは相互に結合されることを特徴とする、請求項1乃至41のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項43】
前記転送管、案内要素などの吐出口領域と前記接続片の取入口とは相互に結合されることを特徴とする、請求項1乃至42のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項44】
前記転送管、案内要素などの前記吐出口と前記接続片の取入口との間には空間(間隙)が在ることを特徴とする、請求項1乃至43のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項45】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片との間にはシールが在ることを特徴とする、請求項1乃至44のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項46】
前記シールはシリコーンなどにより形成されることを特徴とする、請求項1乃至45のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項47】
前記シールは接着剤などにより形成されることを特徴とする、請求項1乃至46のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項48】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の上側内側領域とは相互に重なり合うことを特徴とする、請求項1乃至47のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項49】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の前記上側内側領域との間にはスペーサ要素などが在ることを特徴とする、請求項1乃至48のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項50】
異なる直径の吐出口を有する複数のスライバ・チャネルの各々が前記接続片に挿入可能であることを特徴とする、請求項1乃至49のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項51】
前記スライバ・チャネルは前記接続片に結合されることを特徴とする、請求項1乃至50のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項52】
前記スライバ・チャネルは前記接続片に対して直接的に結合されることを特徴とする、請求項1乃至51のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項53】
前記スライバ・チャネルは、たとえば接続管、転送管、案内要素などの接続要素により前記接続片に結合されることを特徴とする、請求項1乃至52のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項54】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口領域はスライバ分離デバイスと組み合わされることを特徴とする、請求項1乃至53のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項55】
前記接続管、転送管、案内要素などはスライバ分離デバイスと組み合わされることを特徴とする、請求項1乃至54のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。
【請求項56】
前記スライバ・チャネルの前記吐出口と前記接続片の取入口との間にはスライバ分離デバイスが在ることを特徴とする、請求項1乃至55のいずれか一項に記載のコイラ・プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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