説明

特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システム

【課題】新しい発明技術と最も近い先行技術文献とを比べて技術的差異を明確に整理した技術対比一覧表を作成し、半自動的に[技術分野]、[背景技術]から、[発明の実施の形態]、[発明の効果]までの文書を出力することにより、的確で簡潔な特許明細書作成を支援するシステムの提供を行う。
【解決手段】A欄:先行技術の書誌事項表示欄、B欄:先行技術の概要表示欄、C欄:先行技術の効果表示欄、D欄:先行技術の問題点表示欄、E欄:発明技術の特徴表示欄およびF欄:発明技術の効果表示欄を有する技術対比一覧表を格納する記憶手段と、明細書定形文を格納する手段を備えた特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システムであり、少なくとも前記A欄、B欄およびF欄に入力した文言と、前記明細書定形文とをそれぞれの欄毎に対応結合させてテキスト出力させることを特徴とする特許出願明細書又は実用新案登録出願明細書作成支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許出願明細書または実用新案登録出願明細書の作成に関し、研究開発の中からどのように発明を把握し、どのような発明について特許を受けようとするのか、具体的な技術に特許的な配慮を加え発明思想として拡張し、実効性のある明細書を作成することは重要である。本発明は、特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システムに関し、更に詳しくは、発明(以下考案を含む)した技術の全体を確認して、発明を構築し、明細書を作成する要件を纏めるにあたり、先行技術と発明技術を対比して表示する機能を設けて、出願明細書の作成を支援するシステムである。
【背景技術】
【0002】
多くの企業において、技術系社員により発明がなされた場合、特許明細書は発明者が作成することも多い。発明に関わる技術は先行技術なども含めて発明者がよく理解しているものではあるが、いざそれを特許出願明細書(以下実用新案登録出願明細書を含む)に仕上げるとなると、明細書作成の実務経験を踏まねばならず、完成度の高い明細書の作成にはほど遠いことが多かった。
【0003】
これらを補うために、以下に示すような数々の特許明細書作成支援の方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−306754号公報
【特許文献2】特開2003−242142号公報
【特許文献3】特開2002−207720号公報
【特許文献4】特開2002−99525号公報
【特許文献5】特開2007−257668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、初期に全体的作業手順が表示され、明細書作成作業時には明細書作成ガイドおよび明細書原稿が同時に表示されるので、明細書作成を進める場合明細書の作成が不慣れなものでもガイドに従い文書を作成することができるという技術が記載されている。しかし、かかる従来技術は発明技術に照らして内容を説明し切れておらず、発明思想を明確に掴むことができないので、齟齬を見逃しやすいという問題点があった。
【0006】
特許文献2によれば、明細書作成者の経験レベルを確認し、あらかじめ設定した記載項目を段階的に、加筆しながら特許明細書作成を進め、ネットワークを介して操作、基本文型および参考公報についてのガイドを提示し、問い合わせ事項に対してアドバイスを与えることにより明細書作成のレベルに合わせ効率よく文書を作成することができる技術が記載されている。しかし、かかる従来技術は発明技術を充分説明し切れておらず、全体を掴むことができないので、齟齬を見逃しやすいという問題点があった。
【0007】
特許文献3によれば、特許明細書の各項目を作成する作成プログラムにより学術論文から特許明細書を容易に作成することができるという技術が記載されている。しかし、かかる従来技術は請求項の広い範囲からより好ましい狭い範囲に絞り込んでいく特許特有の表現をカバーしきれないという問題点があった。
【0008】
特許文献4及び5によれば、明細書の各項目を作成するにあたり、予め抽出された情報の中から類似した技術をもとにして、文書を作成する上で、参照または編集利用するのに適切な文章を呼び出し、それに編集を加えていく方法が開示されている。この方法は、明細書作成に不慣れなものであっても、ひな形となるべき文書に修正を加えることで容易に明細書文書を作成することが記載されている。しかし、これらの従来技術は発明技術の説明が不十分であり、従って発明の全体を掴むことができない。さらに齟齬を見逃しやすい、またひな形の編集漏れがあった場合には明細書文章中で重大な齟齬が生じるという問題点があった。
【0009】
一方、発明した技術を特許出願するまでには、技術的に近い先行技術を抽出し、発明技術との違いを整理して、特許発明により奏する効果の違いを見出す作業が重要である。これらの作業を経て発明の新規性・進歩性の確保できる特許請求の範囲を決めていくことが肝要である。
【0010】
しかしながら、従来の明細書作成支援システムは、文書の作成のサポートに重点が置かれているので、特許性のある出願内容を構築するためにはシステム外で別個に先行技術との違いの整理ならびにその把握が必要となっており、これらを加味して文書の作成をサポートすることについては考慮されていなかった。
このように従来のシステムでは、前記の如く、新しい発明と先行技術との対比整理をすること無しにシステムを利用すると、特許性が見出されないままの文書になり、背景技術で記載する内容と発明技術とは関係が見出されず、単に技術の歴史の紹介になると同時に、的はずれな内容になってしまう問題点を有していることが考えられる。また、発明と先行技術との対比を行った場合でも、抜けなく明細書に反映させる手作業が常に必要とされていた。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景としてなされたものであり、新しい発明技術と最も近い先行技術文献とを比べて技術的差異を明確に整理した技術対比一覧表を作成し、該技術対比一覧表の記載に基づいて明細書の作成を支援することを目的としており、技術対比一覧表を作成することで、後は自動的に[技術分野]、[背景技術]、[発明の開示]、[発明が解決しようとする課題]、「課題を解決するための手段」、[発明の実施の形態]、[発明の効果]までの文書を出力することにより、的確で簡潔な特許明細書の作成を支援することが出来るシステムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。すなわち本発明は、下記A〜F欄を有する技術対比一覧表を格納する記憶手段と、明細書定形文を格納する手段を備えた特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システムであり、
A欄:先行技術文献の書誌事項を表示する欄、
B欄:先行技術文献の技術の概要を表示する欄、
C欄:先行技術文献の効果を表示する欄、
D欄:先行技術文献の問題点を表示する欄、
E欄:発明技術の特徴を表示する欄、
F欄:発明技術の効果を表示する欄、
少なくとも前記A欄、B欄およびF欄に入力した文言と、前記明細書定形文とをそれぞれの欄毎に対応結合させてテキスト出力させることを特徴とする特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システムである。
【0013】
前記技術対比一覧表に、発明の対象となる技術分野を表示する欄(G欄)を設けて、G欄に入力された文言と、予めシステムに雛形定型文として記憶させた文章とを結合させて技術対比一覧表に出力するのが好ましい。
【0014】
前記技術対比一覧表のC欄および/またはD欄に入力された文言と予めシステムに定型文として記憶させた文章とを結合して出力する手段を保有するのが好ましい。
【0015】
前記技術対比一覧表に、特許請求の範囲案を表示する欄(H欄)を設けて、H欄に入力された文言と、予めシステムに定型文として記憶させた文章とを結合させて技術対比一覧表に出力させるのが好ましい。
【0016】
前記技術対比一覧表に、特許請求の範囲案を要件毎に表示する欄(I欄)を設け、さらに、前記特許請求の範囲の要件毎に対応する先行技術文献の記載事項を表示する欄(J欄)を設けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発明技術とそれに近い先行技術文献を対比し、技術的差異の詳細を一覧表に整理してディスプレイ等に表示することができる。
さらに、これら一覧表の記載事項と予め用意された定型文書とを各項目と対応連結して自動的に文書としてテキスト出力することができる。そのため、発明技術と先行技術との違いを一目で把握することができ、しかも、これを抜けなく明細書に反映させることができる。
【0018】
従って、発明者同士や発明者上司、知的財産部員等が技術内容をヒアリングしながらディスカッションをして表(技術対比一覧表)にまとめることができ、すぐに活用できるので、技術者が苦手とする出願明細書に用いられる発明文書を半自動的に作成することができる。後は勿論必要に応じて修正、加筆を行わなければならないが、発明の整理から特許明細書作成の業務を効率よく進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例においてディスプレイされた技術対比一覧表の全体を示す図である。
【図2】実施例においてディスプレイされた定型文と結合させた文章を示す図である。
【図3】図2を拡大した図である。
【図4】図1を2分割拡大した左部分を示す図である。
【図5】図1を2分割拡大した右部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の特許出願明細書を作成するシステムは先行技術文献と発明技術を比較するための技術対比一覧表を表示することができる。なお、以下では、特許出願明細書を作成するシステムを単に本システム、技術対比一覧表を単に対比表と表すことがある。
【0021】
技術対比一覧表は、少なくとも従来技術である先行技術文献の書誌事項を表示する欄(A欄)、先行技術文献の技術の概要を表示する欄(B欄)、先行技術文献の効果を表示する欄(C欄)、先行技術文献の問題点を表示する欄(D欄)、発明技術の技術的特徴を表示する欄(E欄)、発明技術の効果を表示する欄(F欄)、を備えている。さらに、対比表は発明の対象となる技術分野を表示する欄(G欄)を備えていることが好ましい。
【0022】
A欄は先行技術文献の書誌事項を表示する欄である。先行文献の書誌事項とは、先行文献が特許や実用新案などである場合は、公開番号、登録番号、公開日、登録日、出願人、名称などである。学術文献、雑誌などの場合は、文献名、巻、ページなどである。なお、先行技術文献が複数存在する場合には、個々の先行技術文献に対応して、A1欄、A2欄等とする。
【0023】
B欄は先行技術文献の技術的特徴を表示する欄である。先行技術文献に記載された発明の請求項要件に類似する事項を中心に入力する。なお、先行技術文献が複数存在する場合には、個々の先行技術文献に対応して、B1欄、B2欄等とする。
【0024】
C欄は先行技術文献の技術要件によってもたらされる効果の欄である。D欄は先行技術文献の技術から読み取れる問題点および解決しきれなかったりする問題点を表示する欄である。なお、先行技術文献が複数件存在する場合には、個々の先行技術文献に対応して、C1欄、C2欄等、およびD1欄、D2欄等とする。
【0025】
一方、E欄は発明技術の特徴を示す技術の概要の欄であり、F欄はそれによってもたらされる効果を示す欄である。
【0026】
G欄は、発明の対象となる技術分野の欄であり、さらにG欄はその中でも特に好ましい技術分野の欄を段階的に備えていても良い。なお、このように段階的に発明の対象となる技術分野の欄を設けた場合は順にG1欄、G2欄等とする。
【0027】
H欄は特許請求の範囲の欄である。さらに、特許請求の範囲を要件毎に分けた欄(I欄)を設けることが好ましい。通常は請求項の要件は複数存在するため、それぞれI1欄,I2欄等とする。
【0028】
さらには、I欄がある場合には、I欄の各要件に対応する先行技術文献の記載事項の欄(J欄)を設けることが好ましい。J欄もI欄に対応して、J1欄、J2欄等とするのがよい。
【0029】
出願に際しては、本システム利用者は発明の技術を把握し、先行文献調査終了後に出願する特許の概要(技術分野、請求項)を決め、技術対比一覧表に入力していく。
この際に、本システムでは発明技術を先行文献と一覧表にして表示させるため、その違いを明確に把握し、先行技術文献に対して何が新しい技術であるかを容易に把握することができる。
【0030】
さらに、発明技術を基に特許請求の範囲を決定していく過程においては、I欄、J欄により、特許請求の範囲の案の要件毎に先行技術文献に記載されている内容を正確に比較することができ、特許請求の範囲の候補案が先行技術文献に対して新規性、進歩性を有するものかの検討が容易に可能となる。先行技術文献と比較検討の結果、新規性、進歩性が無いと考えられた場合には、さらに発明技術から特許性が出せる次の要件を抽出検討することが容易になる。
【0031】
この技術対比一覧表はディスプレイに表形式で表示される。また、表の形式として印刷出来ることが好ましい。
また、各欄の入力は手動にてキーボード等で行っても良いし、先行技術文献の記載の場合には、先行技術文献の該当箇所からコピーして貼り付けても良い。先行技術文献のテキストファイル等の該当部分を選択することで、自動的に入力できるようプログラムされていても良い。
【0032】
本システムは、少なくともA欄、B欄、F欄に入力された文書と予めシステムに記憶された各欄に対応する雛形定型文書とを結合して出力する手段を備えている。
さらには、本システムはC欄、D欄、G欄、H欄に入力された文書とシステムに記憶された各欄に対応する定型文書とを結合して出力する手段を備えていることが好ましい。
【0033】
これらの各欄に対応する定型文書と結合して出力する方法に関して、特許出願明細書の項分け記載順に合わせて事例をもって説明する。
まず、[技術分野]部分では、例えば、「[技術分野] [0001] 本発明は、」、「に関する。更に詳しくは、」、「に関する。」との定型文書を準備する。さらに、G1欄、G2欄の入力値と結合する操作を自動で行う命令文を作成することで作成、出力することができる。具体的には、表計算ソフトなどに備えられているセルの入力値を結合させる関数などを利用することができる。例えば、「[技術分野] [0001] 本発明は、(G1欄入力値)に関する。更に詳しくは、(G2欄入力値)に関する。」と文書をつなげ、セルに表示するよう設定する。なお、定型文書には適宜改行の命令を入れても良い。
【0034】
[背景技術]の部分では、例えば、定型文書として、「[背景技術] [0002] 従来、」、「により」、「するという技術が知られていた(例えば特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術は」、「という問題点があった。」、といった文書を準備しておき。B欄、C欄、D欄の入力値と結合する操作を自動で行う命令文を作成することで作成、出力することができる。具体的には、例えば、「[背景技術] [0002] 従来、(B1欄入力値)により、(C1欄入力値)するという技術が知られていた(例えば特許文献1参照)。しかしかかる従来技術は、(D1欄入力値)という問題があった。」と文書をつなげ、セルに表示するよう設定する。なお、B2以後の先行文献に関しては、「[背景技術] [0002] 従来、」の文書ではなく、この部分を省略するか、「さらに、」という文書に置き換える。
【0035】
さらに、[先行技術文献]の部分では、「[先行技術文献] [特許文献] [0003] [特許文献1]」、「号公報○○[特許文献2]」、「号公報○○[特許文献3]」、「号公報○○」との文書を用意しておき、A欄の入力値と結合させて出力するように設定する。
【0036】
なお、対比表に別途先行文献を特許文献、非特許文献に分けて整理番号を付与し、上記の「特許文献1○○」の番号部分にこの整理番号を入力することも可能である。このようにすることにより、背景技術の部分の技術の変遷などを記載する場合に、対比表での先行文献に任意の先行文献番号を付けて、明細書の体裁を整えることができる。
【0037】
[発明の概要]の部分では、例えば、「[発明の概要] [発明が解決しようとする課題] [0004] 本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、」、「に優れた」、「を提供することにある。」といった定型文書を用意しておき、G1欄とF欄の入力値と結合させる。具体的には、「[発明の概要] [発明が解決しようとする課題] [0000] 本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、(F欄入力値)に優れた(G1欄入力値)を提供することにある。」といった文書を出力させる。
【0038】
以下同様に、[課題を解決するための手段]の部分では、例えば「[課題を解決するた
めの手段] [0005] 本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。すなわち本発明は、(H欄入力値)である。」
[発明の効果]の部分では、例えば、「[発明の効果] [0006] 本発明により、(G1欄入力値)において、(F欄入力値)ことができる。」との文書を出力するよう設定する。なお、この後には、明細書の[発明を実施するための形態]につなげるため、「[発明を実施するための形態] [0007]」といった定型文書をつなげていても良い。
【0039】
表計算ソフトを用いた場合にはこのような文書を出力、表示させるセルは、一列に並べて配置されることが好ましい。
このようにして明細書の各部分に対応した文書が作成される。作成された各部分の文書は、出願明細書を仕上げる際には、文書作成ソフトにまとめて出力されることが好ましい。そのようなプログラムを組むか、マクロを利用するか、手動で行う場合にはコピーし、テキスト形式などで文書作成ソフトに貼り付けることで、行うことができる。
さらに、文書作成ソフトで書式を整えたり、文書の不自然な部分の修正をする、必要によっては背景技術の定型的な内容説明を付け加える程度などを行い、明細書文書を完成させることができる。なお、これらの最終的作業は技術に対する理解や明細書作製に関する熟練も要求されないため、技術内容や特許明細書作製に特別の教育を受けていないものであっても明細書を完成させることができる。
【0040】
このように、本システムでは、発明の技術と従来の技術(先行文献)とを比較してまとめ、請求項案を作成していくことによるのみで、後は自動的に明細書の[技術分野]から[発明を実施するための形態]までの文書の作成を行うことができる。
【0041】
本システムは、上記機能を達成するために、データを入力するためのキーボード等の入力手段、定型文書や表形式、処理プログラムを記憶するための記録媒体、演算処理を行うCPU、対比表などを表示するディスプレイを必要とする。
【実施例】
【0042】
本発明の特許出願明細書作成システムを用いた具体的な実施例として、ボールペンのグリップの開発をモデル事例として詳細に記述する。
【0043】
ボールペングリップの開発の経緯はつぎのとおりである。
従来技術の前提として、グリップ部に滑り止めのゴムチューブを巻いた程度の物(弾性率100MPa程度)しか知られていなかった。
【0044】
まず、グリップ部に柔軟な樹脂A(弾性率20MPa)を巻いてみたところ書き心地が良く、長時間文字を書いても疲れなかった。しかし、試作品を10本まとめて箱に入れておいたところ、次の日にグリップ部がお互い貼り付いてしまった(ブロッキング)。
【0045】
そこで樹脂Aに架橋剤Xを導入したところ、架橋剤Xが多すぎると書き心地は悪くなるが、適正な架橋を導入することで、書き心地を確保して(15%以下であれば弾性率50MPa以下)かつ、上記ブロッキング問題を解決することができた。
しかし、さらに長期の使用テストを行ったところ、1年後には樹脂に皮脂が染み込んでグリップがべとべとになってしましまった(耐油性)。
架橋剤Y、Zなど他添加剤などを工夫したがどうしても解決できなかった。
【0046】
樹脂D+架橋剤Yに変えたところ、書き心地、ブロッキング、耐油性、他すべての問題をクリアし、いよいよ上市することになった。
なお、樹脂Cのみでもすべての問題をクリアしたが、樹脂Cの価格が非常に高いので断念した。
【0047】
その後のサンプルの分析で以下のことがわかった。
クリップ材を切り開いたサンプル同士を重ね、0.5MPa加圧、30℃1day保存後の剥離強度で1N/15mm程度以下であれば問題は起きない。
剥離強度は、架橋を多くする、架橋剤を用いない場合は結晶部融点120℃以上の熱可
塑性エラストマーを用いることでコントロールできる。
べとつきは、同上サンプルをオレイン酸油50℃24hr浸漬後の質量増加量(%)で10%以下程度であれば問題が起きない。
オレイン酸油吸油量は、架橋剤を多く用いる、SP値が10以上の樹脂を用いることで
コントロールできる。但し、SP値20以上は汗や水で膨潤して良くないことが予測され
る。
【0048】
知財部門と検討をして決定したクレームは、以下のようになった。
(請求項1)
硬質素材からなる軸部、軟質素材からなるグリップ部を有し、グリップ材の圧縮弾性率が5〜50MPa、グリップ材の長さが軸部長さに対して20%〜70%、である筆記用具。
(請求項2)
グリップ部のブロッキング性が1N/15mmである請求項1記載の筆記用具。
(請求項3)
グリップ部の吸油性が0.1〜10%である請求項1または2に記載の筆記用具。
【0049】
なお、試作のペンは軸がポリカーボネート製で直径12mm、長さ150mm。先端から20〜65mmの部分にグリップ材が巻かれている。
【0050】
発明技術と最も近い先行技術文献とを比べて、技術対比一覧表にデータを入力してディスプレイした。
【0051】
この技術対比一覧表のデータはシステム内に保存された定型文章との結合が行われて、特許出願明細書の文章としてテキスト出力される。図1に実施例に基づいてディスプレイされた技術対比一覧表を示す。図2に実施例に基づいてディスプレイされた定型文を結合させた文章を示す。図3に図2を拡大して示す。図4に図1の左部分を拡大して示す。図5に図1の右部分を拡大して示す。
【0052】
以下に、本実施例により、得られた特許出願明細書を示す。尚、以下に示す特許出願明細書全文は、前記するボールペングリップの開発に基づく技術対比の詳細を本発明のシステムを用いて入力し、自動的にテキスト出力した文章に、更に人力で加筆修正を加えた特許出願明細書であり、アンダーラインの部分は加筆部分を示す。
【0053】
[技術分野]
[0001]
本発明は、筆記用具に関する。更に詳しくは、ボールペンに関する。
[背景技術]
[0002]
従来、筆記用具のグリップ部に溝を設けることにより滑り止めするという技術が知られていた(例えば特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術は指が痛くなるという問題点があった。
筆記用具のグリップ部にゴムを装着することにより滑り止めするという技術が知られていた(例えば、特許文献2参照)。しかし、かかる従来技術の長時間使用すると疲れるという問題点があった。
ボールペンなどの筆記用具に柔軟樹脂からなる人形を装着することにより、踏んだりしても痛くない、さわり心地良い、キャラクター付き筆記用具とするという技術が知られていた(例えば、特許文献3参照)。しかし、かかる従来技術はデザイン性重視であり、書き心地など考慮されていないという問題点があった。
金槌のグリップ部にゴムを装着することにより振動が手に伝わらず、疲れにくいものとするという技術が知られていた(例えば、特許文献4参照)。しかし、かかる従来技術は金槌を筆記用具には展開できない。疲れる部位、機構が異なる。という問題点があった。
[先行技術文献]
[特許文献]
[0003]
[特許文献1]特開平10−111×××号公報
[特許文献2]特開2000−222○○○号公報
[特許文献3]実開平08−123×××号公報
[特許文献4]特開2008−456○△□号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
[0004]
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、樹脂が指の形状に変形、フィットし、圧力が分散するため、全体で支えるため力が不要であり、長時間書いても疲れないという優れた筆記用具を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
[0005]
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。すなわち本発明は、
(1)硬質素材からなる軸部、軟質素材からなるグリップ部を有し、
グリップ材の圧縮弾性率が5〜50MPa、
グリップ材の長さが軸部長さの20%〜70%、
である筆記用具。
(2)上記においてグリップ部のブロッキング性が1N/15mmである筆記用具。
(3)上記においてグリップ部の吸油性が0.1〜10%である筆記用具である。
[発明の効果]
[0006]
本発明により、筆記用具において文字を書くなどの使用のために握った際にグリップ部の樹脂が指の形状に変形、フィットし、指先の圧力が分散するため、全体で支えるため力が不要となり、長時間書いても疲れない筆記用具とすることができる。
[発明を実施するための形態]
[0007]
(グリップ部樹脂)
[0008]
本発明は、硬質素材からなる軸部と軟質素材からなるグリップ部を有する筆記用具である。
なお、ここで言うグリップ部とは筆記用具を使用する時に指先付近が触れる部分である。
グリップ部素材としては軟質樹脂が好ましく、樹脂A、C、Dがより好ましく、樹脂C、Dがさらに好ましい。樹脂C、Dにすることにより、長期間使用した場合にグリップ部の皮脂の染み込みによるべとつきを抑えることができる。
[0009]
樹脂Aとしてはa1、a2、a3が好ましい。
[0010]
樹脂Cとしてはc1、c2、c3が好ましい。
[0011]
樹脂Dとしてはd1、d2、d3が好ましい。これらの樹脂は架橋がなくても本発明に用いるグリップ材として効果を発揮することができ、さらに、成形時に樹脂の軸部とグリップ部の2色射出成形ができるため、簡便に製造することができる
[0012]
(架橋剤)
本発明において、グリップ部の樹脂は架橋剤を用いて架橋することができる。
架橋剤種類としてはエポキシ系、イソシアネート系が好ましく、イソシアネート系がより好ましい。これらにより筆記用具を束ねて保管した際のグリップ部同士のブロッキングを抑えるとすることができる。
[0013]
エポキシ系としてはEP1、EP2が好ましい。これらにより とすることができる。
[0014]
イソシアネート系としてはX、Y、Zが好ましい。これらにより とすることができる。
[0015]
架橋剤量(対樹脂組成物中)の下限は好ましくは1%であり、より好ましくは3%であり、さらに好ましくは5%である。上記未満であると架橋不足、ブロッキング、べとつき発生となることがある。
架橋剤量(対樹脂組成物中)の上限は好ましくは15%であり、より好ましくは13%であり、さらに好ましくは10%である。上記を越えると弾性率がオーバー、書き心地悪化となることがある。
[0016]
(グリップ部物性)
グリップ部素材圧縮弾性率の下限は好ましくは5MPaであり、より好ましくは8MPaであり、さらに好ましくは10MPaである。上記未満であると柔らかすぎて扱いにくくなることがある。
グリップ部素材圧縮弾性率の上限は好ましくは50MPaであり、より好ましくは45MPaであり、さらに好ましくは40MPaである。上記を越えると長時間使用すると疲れることがある。グリップ部素材圧縮弾性率は適正な樹脂の選択、架橋剤量の調整により、範囲内とすることが出来る。
[0017]
本発明者らは、柔軟なグリップ部は場合により、束ねて保管した際にグリップ部がお互い固着してしまうことがあり、このような現象はグリップ部の素材を、実施例に記載する方法によるブロッキング性評価で特定値以下にすることにより解決できることを見出した。
グリップ材のブロッキング性の上限は好ましくは1N/15mmであり、より好ましくは0.5N/15mmであり、さらに好ましくは0.3N/15mmであり、特に好ましくは0.2N/15mmである。上記を越えると束ねて保管時にお互いが融着することがある。グリップ材ブロッキング性は架橋を導入するか、架橋剤を用いない場合は、結晶部融点120℃以上の熱可塑性エラストマーを用いることにより、範囲内とすることが出来る。
[0018]
また、本発明者らは柔軟なグリップ材は長期間使用した際に皮脂を吸収し、べとついてくる場合があり、このような現象はグリップ部の素材を、実施例に記載する方法によるグリップ材の吸油量評価で特定値範囲にすることにより解決できることを見出した。
グリップ材耐油性(吸油量)の下限は好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.5%であり、さらに好ましくは1%である。上記未満は現実的困難である
グリップ材耐油性(吸油量)の上限は好ましくは10%であり、より好ましくは8%であり、さらに好ましくは5%である。上記を越えると上期間使用時に皮脂でベトベトすることがある。グリップ材耐油性(吸油量)はSP値10以上の樹脂を用いる、架橋剤量調整により、範囲内とすることが出来る。
[0019]
グリップ部素材のSP値の下限は好ましくは10であり、より好ましくは10.5であり、さらに好ましくは11であり、特に好ましくは であり、最も好ましくは である。上記未満であると給油量増加、上期間使用時に皮脂でベトベトすることがある。
グリップ部素材のSP値の上限は好ましくは20であり、より好ましくは18であり、さらに好ましくは17である。上記を越えると水、汗に溶解、膨潤することがある。
[0020]
(グリップ材の装着位置)
本発明においては、グリップ材は筆記具全体を覆うのではなく、筆記時に指が触れる範囲を中心に用いる。
グリップ部長さ(対軸部比)の下限は好ましくは20%であり、より好ましくは23%であり、さらに好ましくは25%である。上記未満であると小さく、万人に適応し難いことがある。
グリップ部長さ(対軸部比)の上限は好ましくは70%であり、より好ましくは60%であり、さらに好ましくは50%であり、特に好ましくは45%である。
[0021]
グリップ部長さの下限は好ましくは20mmであり、より好ましくは25mmであり、さらに好ましくは30mmである。上記未満であると小さく、万人に適応し難いことがある。
グリップ部長さの上限は好ましくは70mmであり、より好ましくは60mmであり、さらに好ましくは50mmである。
[0022]
グリップ材がカバーする位置は先端からの長さ 25〜40mmをカバーしていることが好ましく、22〜45mmをカバーしていることがより好ましい。
[0023]
(軸部)
軸部素材としては硬質材料が好ましく、金属、樹脂、木材など従来通常に用いられているものを用いることができる。中でも各種樹脂が好ましく、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステルが特に好ましい。
[0024]
軸部弾性率の下限は好ましくは1000MPaであり、より好ましくは1500MPaであり、さらに好ましくは MPaであり、特に好ましくは MPaであり、最も好ましくは MPaである。上記未満であると柔らかすぎとなることがある。
軸部弾性率の上限は好ましくは10000MPaである。上記を越えると現実的入手性が困難となることがある。
[0025]
(筆記用具の形状)
本発明の筆記用具は主に勉学、事務に用いるものであり、略円柱形、多角柱形であることが好ましい。
筆記用具の最大径の下限は好ましくは5mmであり、より好ましくは7mmである。上記未満であると書きにくく疲れやすいとなることがある。
筆記用具の最大径の上限は好ましくは20mmであり、より好ましくは18mmである。上記を越えるとバランス悪く持ちにくなることがある。
なお、ここで言う最大径とは、筆記用具を長さ方向に投影した場合、その影を円内に納めることができる最小の真円の直径である。
[0026]
筆記用具の長さの下限は好ましくは50mmであり、より好ましくは70mmであり、さらに好ましくは90mmである。上記未満であると書きにくくなることがある。
筆記用具の長さの上限は好ましくは200mmであり、より好ましくは180mmであり、さらに好ましくは170mmである。上記を越えるとバランス悪く持ちにくなることがある。
なお、ここで言う長さは通常の使用時における長さであり、ペン先から逆の先端部までの長さであり、使用時に取り外すキャップは含まない。
[0027]
(適応できる筆記用具)
本発明の筆記用具種類としてはボールペン、万年筆、サインペン、シャープペンシルが好ましく、ボールペン、シャープペンシルがより好ましく、ボールペンがさらに好ましい。
[0028]
ボールペン種類としては油性インキ、水性インキ、ゲルインキなど様々な物に適用できる。
(筆記用具の製造方法)
本発明の筆記用具は、通常の製造方法で作ることができる。
[0029]
グリップ部の装着法としては別途成形しかぶせる、2色成形などが好ましい。
別途成形する場合は、射出成形、押し出し成形、など用いることができる。
架橋させる場合は、成形後もしくは装着後に加熱架橋させることができる。
[0030]
架橋温度の下限は好ましくは70℃であり、より好ましくは80℃である。上記未満であると架橋不足ブロッキング発生となることがある。
架橋温度の上限は好ましくは120℃であり、より好ましくは110℃である。上記を越えると装着後に加熱架橋する場合に軸部が軟化変形することがある。
[0031]
架橋時間の下限は好ましくは1hrであり、より好ましくは2hrであり、さらに好ましくは3hrであり、特に好ましくは hrであり、最も好ましくは hrである。上記未満であると架橋不足でブロッキング発生となることがある。
架橋時間の上限は好ましくは24hrであり、より好ましくは20hrであり、さらに好ましくは15hrである。上記を越えると装着後に加熱架橋する場合に軸部が軟化変形することがある。
[0032]
グリップ成形時の射出温度の下限は好ましくは200℃であり、より好ましくは210℃である。上記未満であると溶け残り、異物となることがある。
グリップ成形時の射出温度の上限は好ましくは280℃であり、より好ましくは270℃である。上記を越えると樹脂劣化、変色となることがある。
[実施例]
[0033]
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性値や評価は以下の方法に従った。
[0034]
(1)グリップ部素材圧縮弾性率:JIS Kに従った。
[0035]
(2)グリップ材ブロッキング性:
クリップ材を切り開いたサンプル同士を重ね、0.5MPa加圧、30℃1day後の剥離強度をテンシロン××−200(東洋ボールドウイン社製)で測定した。速度20cm/分で行った。
[0036]
(3)グリップ材耐油性(吸油量):
同上サンプルをオレイン酸油に50℃24hr浸漬し、その後の重量増加量(%)とした
[0037]
(4)グリップ部素材のSP値:
××法による計算で算出した。
[0038]
(5)書きやすさ、疲れにくさ:
10人のテスターによる評価。A4で10枚分の文書を書いてもらい、書きやすい、疲れにくいと感じた人の数で評価した。
×:2人以下
△:3から5人
○:6〜9人
◎:全員
(6)保管時の融着:
10本をゴムで束ね、40℃1日保管したのち、融着の状態を調べた。
(7)長期間使用時のベタつき:
10人のテスター評価。6ヶ月使用してもらい、6ヶ月後のベタつきを評価した。全員がベタつきないと感じた物を「なし」、1人でもベタつきを感じた場合は「あり」とした。
[0039]
実施例1
(架橋剤を使用しない樹脂a1の例)
[0040]
実施例2
(架橋剤を使用した例)
[0041]
実施例3〜7、比較例1,2
樹脂、架橋剤、架橋条件を表1にする以外は実施例2と同様に作製した。結果を表1に示す。
[0042]
実施例8
(2色成形での例)
[0043]
[表1]
[産業上の利用可能性]
[0044]
本発明により、筆記用具において文字を書くなどの使用のために握った際にグリップ部の樹脂が指の形状に変形、フィットし、指先の圧力が分散するため、全体で支えるため力が不要となり、長時間書いても疲れない筆記用具とすることができ、産業界に寄与すること大である。
【0054】
かくして得られた特許出願明細書は、発明技術とそれに近い先行技術文献を対比し、技術的差異が整理されているので、技術の全体像が把握されており、一覧表の記載事項と予め用意された定型文書と各項目とが対応連結して半自動的に明細書文章が出力されており、発明技術と先行技術の違いが抜けなく明細書に反映されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記A〜F欄を有する技術対比一覧表を格納する記憶手段と、明細書定形文を格納する手段を備えた特許出願明細書又は実用新案登録出願明細書作成支援システムであり、
A欄:先行技術文献の書誌事項を表示する欄、
B欄:先行技術文献の技術の概要を表示する欄、
C欄:先行技術文献の効果を表示する欄、
D欄:先行技術文献の問題点を表示する欄、
E欄:発明技術の特徴を表示する欄、
F欄:発明技術の効果を表示する欄、
少なくとも前記A欄、B欄およびF欄に入力した文言と、前記明細書定形文とをそれぞれの欄毎に対応結合させてテキスト出力させることを特徴とする特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システム。
【請求項2】
前記技術対比一覧表に、発明の対象となる技術分野を表示する欄(G欄)を設けて、G欄に入力された文言と、予めシステムに定型文として記憶させた文章とを結合させて前記技術対比一覧表に出力させる請求項1に記載の特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システム。
【請求項3】
前記技術対比一覧表のC欄および/またはD欄に入力された文言と予めシステムに定型文として記憶させた文章とを結合して出力する手段を有する請求項1または2に記載の特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システム。
【請求項4】
前記技術対比一覧表に、特許請求の範囲を表示する欄(H欄)を設けて、H欄に入力された文言と、予めシステムに定型文として記憶させた文章とを結合させて前記技術対比一覧表に出力させる請求項1乃至3のいずれかに記載の特許出願明細書又は実用新案登録出願明細書作成支援システム。
【請求項5】
前記技術対比一覧表に、特許請求の範囲を要件毎に表示する欄(I欄)を設け、さらに、前記特許請求の範囲の要件毎に対応する先行技術文献の記載事項を表示する欄(J欄)を設けた請求項1乃至4のいずれかに記載の特許出願明細書または実用新案登録出願明細書作成支援システム。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−80278(P2013−80278A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218552(P2011−218552)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003160)東洋紡株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】