説明

犬用カラーとリード及びその製造方法

【課題】従来の犬用カラーとリードの強度や耐候性を改善し、女性や高齢者でも安全に犬の散歩を行える犬用カラーとリードを提供すること。
【解決手段】両端部に小リングを備えた複数個のスリングロープを、各スリングロープの小リング同士を結ぶことによりロープ状に連結し、犬の首輪部分となるカラーと引紐部分となるリードをそれぞれ形成し、前記カラーには、カラーの径を調節可能にするストッパーを備えた調節ロープを取り付け、前記調節ロープと前記リードとを連結具により連結したことを特徴とする犬用カラーとリード及びその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬用カラーとリード及びその製造方法に関し、特に複数のスリングロープを連結形成した犬用カラーとリードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今までの犬用のカラーとリードには、ナイロン等の樹脂製の平型タイプや丸型タイプがあり、その素材として、革製のものや金属製のものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−175586
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の犬用カラーとリードには、以下のような欠点があった。
(イ)ナイロン製のカラーとリードは、家庭犬のしつけや運動、散歩用として使用する人は多いが、素材自体が柔らかくミシンで縫製されているため、強度の点で問題がある。
(ロ)また、革製のリードは水に弱く、雨に濡れると硬くなりひび割れて切れることがある。
(ハ)さらに、金属製のチェーン型カラーは、毛色が白色系の犬に長時間使用すると、犬の首の部分に黒い跡が残ってしまうことがある。
(ニ)今までのリードは1本の紐状の構成であるため、突然犬が強く引いた時に、リード途中をつかんでしまい、摩擦熱により手に火傷をしたり、引かれた衝撃により転倒して怪我をする場合がある。
(ホ)上記(ニ)の状況を回避するために、愛犬家の中には、わざとリードの途中に滑り止め用の結び目を作ることもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の犬用カラーとリードは、上記課題を解決するために、両端部に小リングを備えた複数個のスリングロープを、各スリングロープの小リング同士を結ぶことによりロープ状に連結し、犬の首輪部分となるカラーと引紐部分となるリードをそれぞれ形成し、前記カラーには、カラーの径を調節可能にするストッパーを備えた調節ロープを取り付け、前記調節ロープと前記リードとを連結具により連結したことを特徴とする。
また、本発明の犬用カラーとリードの製造方法は、樹脂製のロープの両端部を熱溶着によりリング状にした後、このリング状ロープの内周の一部を熱溶着することにより、両端部に小リングを備えたスリングロープを形成する工程と、前記スリングロープを複数個準備し、各スリングロープの小リング同士を結ぶことによりロープ状に連結して、犬の首輪部分となるカラーと引紐部分となるリードをそれぞれ形成する工程と、前記カラーとなるロープの両端部の小リングに、樹脂製のロープを通し、このロープの両端部を熱溶着によりリング状にするとともに、このリングの径を調節可能にするためのストッパーを備えた調節ロープを取り付けてカラーを形成する工程と、前記リードとなるロープの一端部の小リングに、樹脂製のロープを通し、このロープの両端部を熱溶着によりリング状にして持手部を形成してリードを形成する工程と、前記カラーと前記リードとを連結具により連結する工程とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記した本発明の犬用カラーとリードによれば、以下のような効果が得られる。
(イ)軽量であり形状もある程度維持されるため、犬の首に素早く装着できるとともに、調節ロープにより犬の首の大きさに合わせて容易にカラーの径の調節ができる。
(ロ)複数のスリングロープが連結された構造であるため、犬の大きさに合わせてカラーやリードの長さを容易に調整することができる。
(ハ)また、犬が噛んだりして一部のスリングロープが破損した場合でも、容易に交換可能である。
(ニ)また、スリングロープの連結部である結び目が、リードに一定間隔で形成されることにより、犬の突然の引っ張りにも、この結び目を握ることにより対応でき、手の力の弱い女性や高齢者でも安全に犬の散歩を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の犬用カラーとリードの概略図である。
【図2】本発明の犬用カラーとリードを形成するスリングロープの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明の犬用カラーとリードの概略図、図2は本発明の犬用カラーとリードを構成するスリングロープの概略図である。
図2に示すようなスリングロープ13を形成するには、まず樹脂製の1本のロープ14の両端部15を半田ゴテ等を使用して熱溶着し、リング状ロープを形成する。
その後、リング状ロープ内周の一部16を熱溶着し、両端部に小リング17を形成してスリングロープ13を形成する。
そして、複数のスリングロープ13の小リング17同士を結ぶことによりロープ状に連結して、図1に示すようなカラー1及びリード2を形成する。
本実施態様では、カラー1を構成するスリングロープ13の元の長さは20〜25cm、リード2を構成するスリングロープ13の元の長さは30〜35cmのものを使用した。
また、ロープの樹脂を熱溶着するための半田ゴテは、80Wのものを使用した。
コテの先端部は、グラインダーで薄くナイフ状にしたものと、槍状にしたものの2種類を用意し使い分けた。
溶着の仕方は、溶着する箇所に半田ゴテを入れ樹脂を溶かしながら、軽くロープを押圧して行った。
図1において、スリングロープ13が連結されたカラー1の両端部の小リング3には、樹脂で被覆されたロープ4を挿通し、このロープの両端部5を熱溶着によりリング状にするとともに、このリングの径を調節可能にするためのストッパー6を備えた調節ロープ7が取り付けられている。
同様にリード2も、スリングロープ13を連結して形成し、リードの一端部の小リング8に、樹脂で被覆されたロープ9を通し、このロープの両端部10を熱溶着によりリング状にして持手部11を形成している。
また、リード2の他端部には、カラー1に取り付けられた調節ロープ7と連結するナスカン12が取り付けられている。
以上のように本発明の犬用カラーとリードは形成される。
【符号の説明】
【0009】
1 カラー
2 リード
3 小リング
4 ロープ
5 両端部
6 ストッパー
7 調節ロープ
8 小リング
9 ロープ
10 両端部
11 持手部
12 ナスカン
13 スリングロープ
14 ロープ
15 両端部
16 リング状ロープ内周の一部
17 小リング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部に小リングを備えた複数個のスリングロープを、各スリングロープの小リング同士を結ぶことによりロープ状に連結し、犬の首輪部分となるカラーと引紐部分となるリードをそれぞれ形成し、前記カラーには、カラーの径を調節可能にするストッパーを備えた調節ロープを取り付け、前記調節ロープと前記リードとを連結具により連結したことを特徴とする犬用カラーとリード。
【請求項2】
樹脂製のロープの両端部を熱溶着によりリング状にした後、このリング状ロープの内周の一部を熱溶着することにより、両端部に小リングを備えたスリングロープを形成する工程と、前記スリングロープを複数個準備し、各スリングロープの小リング同士を結ぶことによりロープ状に連結して、犬の首輪部分となるカラーと引紐部分となるリードをそれぞれ形成する工程と、前記カラーとなるロープの両端部の小リングに、樹脂製のロープを通し、このロープの両端部を熱溶着によりリング状にするとともに、このリングの径を調節可能にするためのストッパーを備えた調節ロープを取り付けてカラーを形成する工程と、前記リードとなるロープの一端部の小リングに、樹脂製のロープを通し、このロープの両端部を熱溶着によりリング状にして持手部を形成してリードを形成する工程と、前記カラーと前記リードとを連結具により連結する工程とからなることを特徴とする犬用カラーとリードの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−74849(P2013−74849A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217280(P2011−217280)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(711008881)