説明

状態変数を取得するためのセンサー・アレンジメント

【課題】状態変数を信頼性高く取得するデバイス。
【解決手段】部屋の内側の予め定められた状態変数を、取得するためのデバイスに係り、少なくとも一つの温度センサーと、湿度センサーと、を備え、このデバイスの、少なくとも幾つかの領域は、ハウジングにより周りを取り囲まれ、ここで、第一の温度センサーは、部屋の境界を成す周囲表面に対して接触するための少なくとも一つの接触表面を有し、また、少なくとも一つの第二の温度センサーは、室内温度を取得するためにハウジングの内側に設けられている。前記接触表面は、それにより、プリント回路基板のプリント回路基板部分の表面ピースであって、この表面ピースは、弾性的性質を有して、ここで、前記プリント回路基板部分は、複数の表面ピースの周りを取り囲み、これらの表面ピースは、互いに対して角度が付けられ、前記温度センサーは、異なる表面ピースに配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の内側の予め定められた状態変数を、特に自動車の内側の状態変数を取得するためのデバイスに係り、このデバイスは、少なくとも一つの温度センサーを備え、且つ湿度センサーを備え、その少なくとも幾つかの領域は、ハウジングにより周りを取り囲まれていて、ここで、第一の温度センサーは、部屋の境界を成す周囲表面に対して接触するための少なくとも一つの接触表面を有し、且つ、少なくとも一つの第二の温度センサーが、室内温度を取得するためにハウジングの内側に設けられている。
【背景技術】
【0002】
既知の汎用のデバイスは、特定のセンサー・アレンジメントの周りを取り囲み、状態変数を取得するために使用され、これらの状態変数を用いて、支配的な環境の条件に関する結論が、例えば、温室内のまたは自動車の内側に関する結論が、引き出されることが可能である。状態変数、例えば温度または空気湿度は、ここで、特に連続的なやり方で、前記センサー・アレンジメントにより部屋の内側で記録され、その後で、電気的な信号が、例えば、空調システムのコントロール・ユニットに、記録された状態変数の強度または強度の関数として送られる。空調システムが、そのとき、次に部屋の中の状態変数に影響を与えるために、使用されることが可能であり、その結果、モニターされた状態変数が、用途サイトで望まれる環境的条件に調整される。
【0003】
前面窓などのような、自動車の中の表面の内側の上の曇りを決定するためのデバイスが、例えば、EP 1 598 224 A1 から知られている。このデバイスは、窓ガラスの温度及び車両の内側の空気の相対湿度を測定するために使用される。これらの測定された値は、ここで、露点を決定するために使用され、ここで露点とは、室内空気が最早水を吸収することができず、そのために、特に表面の内側で凝縮が生ずる温度を意味している。主として、湿度センサーの熱的な連絡は、導電体により行われ、この導電体は、電気的な接触の目的のために同時に使用され、特に、表面の上に堆積された蒸気が分析される。
【0004】
湿度センサーに加えて、状態変数を決定するための既知のデバイスは、少なくとも一つの温度センサーを有していて、ここで、温度センサーの少なくとも幾つかの部分は、ハウジングにより周りを取り囲まれている。原則として、デバイスまたはセンサー・アレンジメントには温度センサーが設けられ、その内の温度検出器は、外側(ハウジングの外側を意味している)の方へ通されている。温度検出器は、そのとき、特に、部屋の境界を成す壁表面の上での温度を決定するために、例えば窓ガラスの内側の上の温度を決定するために、使用されることが可能である。これに対して、室内温度は、個々に配置された温度センサーを用いて、頻繁に取得され、それらの温度センサーは、いずれにせよ部屋の中の位置に配置され、データを伝送するように、別個に空調システムのコントロール・ユニットに接続されている。
【0005】
これに対して、温度測定デバイス及び湿度測定デバイスを有する、室内環境データを検出するための電子的なデバイスが、DE 10 2008 029 145 A1 から知られている。この温度測定デバイスは、壁温度を測定するための第一の温度センサー、及び室内温度を検出するための第二の温度センサーの周りを取り囲んでいる。温度センサーは、それぞれ、デバイスのハウジングの壁の上に配置され、それらのハウジングの壁は、可能な限り遠くに互いから遠く引き離されるように、互いに反対側に配置され、それは、デバイスの中に大量の配線をもたらすことになる。湿度測定デバイスは、それにより、湿度を測定するための湿度センサーの周りを取り囲み、その温度センサーもまた、部屋の壁から遠く引き離されるように配置されている。結果として、既知のデバイスの構造的な形態はかなり複雑であって、状態変数を記録するセンサーと出力信号を取得するコントロール・ユニットとの間の接続を実現することは、常に複雑なプロセスとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第 EP 1 598 224 A1 号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第 DE 10 2008 029 145 A1 号明細書
【発明の概要】
【0007】
それ故に、本発明の目的は、状態変数を取得するためのデバイスであって、関係のある状態変数のシンプルにされた且つ同時に信頼性の高い取得を可能にするデバイスを作り出すことにある。
【0008】
この目的は、本発明に基づき、請求項1の特徴を備えたデバイスにより実現される。本発明の好ましい更なる発展及び実施形態は、請求項2から11に示されている。
【0009】
部屋の内側の、特に自動車の内側の、予め定められた状態変数を取得するためのデバイスにおいて、当該デバイスは、少なくとも一つの温度センサー及び湿度センサーを備え、その少なくとも幾つかの部分は、ハウジングにより取り囲まれ、ここで、第一の温度センサーは、部屋の境界を成す周囲表面に対して接触するための少なくとも一つの接触表面を有し、また、少なくとも一つの第二の温度センサーが、室内温度を取得するために前記ハウジングの内側に設けられていて、本発明は、前記接触表面が、プリント回路基板のプリント回路基板部分の表面ピースであって、それが弾性的性質を有していること、及び、前記プリント回路基板部分が複数の表面ピースの周りを取り囲み、それらの表面ピースが互いに対して傾けられていること、ここで、前記温度センサーが前記プリント回路基板部分の異なる表面ピースに配置されていること、を規定する。
【0010】
そのような本発明に基づくデバイス、または、本発明に基づく、様々なセンサーの少なくとも幾つかの部分を含むハウジングの中の、そのようなセンサー・アレンジメントは、部屋の中の要求される状態変数を取得し、前記センサーにより出力された信号を伝送する好ましくも容易で且つ信頼性の高いやり方を確保する。そのようなコンパクトにデザインされたセンサー・アレンジメントは、常に、室内温度及び部屋の境界を成す壁表面温度の両方を、同時に部屋の中の空気湿度とともに取得するために、信頼性高く使用されることが可能であり、それによって、例えば、温室の空調システムのコントロール・ユニットが、単一の検出デバイスのみにより起動されるようになる。
【0011】
プリント回路基板部分にまたはその上に、それぞれ、前記センサーを配置することにより、好ましくも互いに対して小さな距離で、相対的に小さな寸法を有するハウジングが、その場合に使用されることが可能である。接触表面は、それにより、好ましくは、プリント回路基板のプリント回路基板部分の表面ピースであって、この表面ピースは、弾性的性質を有していて、その場合において、好ましくも、部屋のための境界表面(例えば、窓ガラスとして構成されている)の内側への前記接触温度センサーの接触表面の安全な取り付けが、確保されることが可能である。
【0012】
準備措置が、このようにして、前記接触温度センサーの接触表面と、移送手段のための境界表面(即ち前記プリント回路基板の表面ピース自体)の内側との間で、行われる、この表面ピースは、そのとき、好ましくは熱良導体材料で作られている。同様に、前記温度センサーの接触表面が窓ガラスの内側に直接的に接することもまた可能である。前記プリント回路基板部分の表面ピースは、それにより、互いに対して角度が付けられ、特に、それらは、互いに対して直角に配置され、それにより、室内温度を検出する第二の温度センサーは、第一の温度センサー対して相対的に小さな距離で、しかし十分な距離で、その周りを取り囲んでいる。検出されるその測定値に対する、第二の温度センサーへの影響は、これにより、予期されてはならない。互いに対して傾けられた表面のために、前記プリント回路基板部分は、好ましくも減少された寸法の周りを更に取り囲み、それによって、本発明に基づくデバイスは、相対的に小さい断面積を必要とするようになる。弾性的なまたはフレキシブルな性質を有するプリント回路基板部分は、ここで、好ましくは、平面の中に延びる少なくとも一つの部分セグメントを備えた環状のデザインであることが可能である。
【0013】
本発明の更なる発展は、第一の温度センサーの接触表面が、前記ハウジングの外側の輪郭の中の開口の上側に突出することを規定する。前記ハウジングの壁の予め定められた領域の中での開口またはリセスの形成は、前記接触温度センサーの少なくとも部分領域または部分を、特にその温度感受性接触表面を、部屋の境界を成す壁表面の内側と接触する状態にするための、構造的に容易なやり方を意味している。
【0014】
好ましくは、前記接触温度センサーの接触表面は、ここで、互いに接する二つのハウジング部分の領域の中で、前記温度センサーを搭載するハウジングの外側の輪郭の上に突出し、そして特に、空調される部屋の窓ガラスと接触する状態にされる。降雨または強い太陽光などのような、部屋の外側で支配的な環境的条件の変化は、常に、かなり容易に、それ故に信頼性高く、窓ガラスにより取得されることが可能であり、それによって、上記の関数として変化する空気湿度の量に関して結論が引き出されることが可能になる。これは、対応して空調システムを調整することにより、好ましくも、部屋の内側の空気湿度の量を一定に維持することを可能にする。
【0015】
それに加えて、前記ハウジングは、前記ハウジングの中を通過した空気の流れのための通過開口を有していて、この通過開口は、前記温度センサーの少なくとも一つを搭載している。特に、降雨の間には、通常、降雨が周囲の表面上で取得された温度をかなり迅速に低下させるとともに、空気湿度の量が同時に上昇するので、前記ハウジングの中に設けられた通過開口は、デバイスの中を通る方向付けられた(またはガイドされた)空気の流れを生成するために使用されることが可能である。結果として、室内温度を取得するために前記ハウジングの内側に配置された環境の温度センサーが、空調システムにより出力された新鮮な空気流れに直接的に露出されることが可能になり、それによって、結果としての温度変化が、相対的に早期に取得される。前記ハウジング内の温度上昇のために歪曲された測定された値が、それ故に、実際に存在する実際の値からの取得された値のずれが、好ましくも防止される。
【0016】
好ましくは、前記プリント回路基板部分は、前記ハウジングの中を通ってガイドされる空気の流れのチャネル・ピースとして構成され、それによって、室内空気が、室内温度を記録する温度センサーを少なくとも通って、直接的にガイドされることが確保される。これに関して、前記温度センサー及び前記湿度センサーは、表面ピースの内側に配置され、これらの表面ピースは、前記プリント回路基板部分を構成し、このプリント回路基板部分は、空気の流れとの接触を確保し、この空気の流れは、前記デバイスの中を通って信頼性の高いやり方でガイドされる。
【0017】
代替案またはオプションとして、本発明の更なる発展は、前記ハウジングの中を通ってガイドされる空気の流れのための通過開口を有するハウジングを規定し、このハウジングは、少なくとも湿度センサーを搭載している。前記ハウジングの中を通ってガイドされる空気の流れの内側に湿度センサーを配置することに対する優位性はまた、代表的な測定が、ここで、部屋の中に直接的に吹き込まれる空気の空気湿度の量に関して行われることが可能であると言うことである。これは、次に、部屋の中の空気湿度の量の調整を、空調システムにより、好ましくも僅かな遅れで、可能にする。前記ハウジングの中を通ってガイドされる空気の流れは、ここで、前記プリント回路基板の環状にデザインされ部分を介して、入口開口としてデザインされた経路から、出口開口としてデザインされたハウジングの中の第二の経路へ、導かれることが可能である。
【0018】
前記温度センサーの内の少なくとも一つは、好ましくは、NTC抵抗体(NTC resistor)であって、その使用は、例えば、室内温度または部屋の境界を成す壁表面の内側の温度を取得するために、好ましくも容易なやり方をもたらす。NTC抵抗体(NTC resistors)は、NTCサーミスタとも呼ばれていて、例えば、負の温度係数を有する(相対的に高い温度で、低い温度でと比較して、電流をより良く伝える)半導体材料または他の合金を使用して製造される。それ故に、取得された状態変数の変化は、常に、例えば、室内温度を取得するための環境の温度センサーにより、または前記接触温度センサーにより、出力される出力信号の直接の変化をもたらす。NTC抵抗体は、ここで、−80℃と250℃との間の測定範囲内で使用されることが可能であり、それは、常に、自然に確立された状態変数の円滑な取得を確実にする。
【0019】
もちろん、前記温度センサーの内の少なくとも一つが非接触温度測定のためのサーモパイル(thermopile)としてデザインされることも、本発明の枠内である。特に、規定された内側領域が、例えば、対象物の表面が、ここで、赤外線スペクトル範囲内で走査される。走査された領域により放射される熱的な照射は、環境の温度センサー(例えば、サーモパイルとしてデザインされている)により取得され、そして、好ましくは電気的な出力信号に変換される。それ故に、サーモパイルを使用することに対する優位性は、室内温度が、本発明に基づくデバイスのハウジングの外側で、好ましくも特別に取得することが可能であると言うことである。もし必要な場合には、室内温度の変化は、その後、遅れを有して取得される。その理由は、走査された対象物のボディ温度が、最初に、変化した空気温度に対して調整されなければならないからである。
【0020】
前記温度センサー及び前記湿度センサーに加えて、前記ハウジングは、好ましくは、少なくとも一つの太陽光センサーを収容していて、この太陽光センサーを用いて、太陽光が、好ましくも取得され、そして、部屋に対する太陽光負荷の入射または作用に関する結論、及びそれに関連する室内温度の増大に関する結論が、引き出されることが可能である。太陽光の強度を取得することにより、ここで、それが、特に、部屋の境界を成す壁表面の可視光に対して半透明の領域内で、特に窓ガラスで、取得されることにより、前記デバイスと結合された空調システムのコントロール・ユニットが、早い時点で、状態変数に対抗するために使用されることが可能であり、それらの状態変数は、増大した太陽光負荷のために、例えば内側温度のために、変化する。
【0021】
本発明のもう一つの更なる発展は、前記温度センサー及び前記湿度センサーに加えて、降雨センサーを提供し、この降雨センサーは、特に、前記接触温度センサー、好ましくは窓ガラスの内側の上に配置された温度センサーと結合されたときに、一方では早期に、そして、もう一方では信頼性高く、可能性のある降雨を検出することが可能である。
【0022】
予め定められた状態変数を取得するための少なくとも一つのデバイスを備えた自動車において、このデバイスは、車両の内側の空調のための空調システムの少なくとも一つのコントロール・ユニットと結合されていて、このデバイスに対して、独立した特許の保護が追求されていて、本発明は、デバイスが請求項1から9の内の一つに基づいてデザインされることを規定する。
【0023】
車両の内側での関係のある状態変数を取得するための、本発明に基づくそのようなデバイスは、車両の空調システムを好ましくもコントロールまたは調整するために使用されることが可能であり、それにより、快適な且つ気候的な条件が、車両個々の内側に対して、常に確立されることが可能になる。これは、対応して信頼性高く検出されることが可能な、潜在的に変化している影響に対処するために、適切な早期の対応を取ることを可能にし、それにより、自動車の内側の状態変数が、車両の外側環境的条件に関係無く、常に相対的に安定に維持されることが可能になる。
【0024】
このデバイスは、好ましくは、車両の前面窓に割り当てられ、特に、その内側に割り当てられ、それは、自動車の中に本発明に基づくデバイスを配置する最適なやり方を示している。車両の前面窓は、車両の上への降雨または太陽光入射などのような、特定の影響を容易に、それ故に信頼性高く、取得することまたは検出することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、周りを取り囲まれたハウジングを備えたセンサー・アレンジメントの斜視図である。
【図2】図2は、図1の本発明に基づくデバイスの上面図であって、このデバイスは、露出されたプリント回路基板を備えた開放された(即ち、カバーの無い)ハウジングを備えている。
【図3】図3は、図1及び図2のデバイスのプリント回路基板の斜視図であって、このプリント回路基板は、プリント回路基板の上に配置されたセンサーを備えている。
【図4】図4は、窓ガラス温度、室内温度、及び窓ガラスの相対湿度に対して取得された値を含む測定状況の図である。
【図5】図5は、図4の図を使用して計算された、室内空気湿度及び露点に対する値の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、更なる本発明の特徴に関係する、本発明の可能性のある典型的な一つの実施形態を示している。
【0027】
センサー・アレンジメント2のハウジング(図2)に、参照符号1が付されている。このハウジング1は、受入れ部分3及びカバー4を有していて、それらは、取り外し可能な状態で互いに接続されている。カバー4は、特に、円形であって、形成された円の中央領域は、開口5を有している。受入れ部分3は、第一の円形の受入れ領域3’、及び第二の長方形の接続領域3’’を有している。
【0028】
三つのスナップ・オン接続6,6’,6’’及び二つのプラグ・コネクター7,7’が、受入れ部分3とカバー4を接続するために設けられている。受入れ部分3は、スナップ・オン接続6,6’,6’’の三つのラッチング要素を有していて、それらの内で、スナップ・オン接続6,6’の二つのラッチング要素は、受入れ領域3’に接触する接続領域3’’の第一の端部で、長方形の接続領域3’’に配置され、また、スナップ・オン接続6’’の第三のラッチング要素は、長方形の接続領域3’’の反対側で、円形の受入れ領域3’に配置されている。それに加えて、二つのプラグ接続7,7’のためのレセプタクルは、円形の受入れ領域3’の外周の上に配置されている。従って、カバー4は、ラッチング要素及びレセプタクルに対応する移動止め及びプラグ要素を有している。
【0029】
受入れ部分3の長方形の接続領域3’’の自由第二の端部はまた、データを伝送するため及びセンサー・アレンジメント2に接続するためのプラグ・コネクター8を有している。
【0030】
ハウジング1の内側で、プリント回路基板9が、受入れ部分3の受入れ領域3’の上に配置され、プリント回路基板部分9’を受入れ部分3の長方形の接続領域3’’の中に入れて、伸びている。プリント回路基板部分9’は、部分領域をカバー4とプラグ・コネクター8との間にして、ハウジング1から突出している。プリント回路基板9を受入れ部分3の上の位置に保持するために、受入れ部分3は、プリント回路基板9の中のリセスに対応するピンを有している。
【0031】
図2及び図3は、センサー・アレンジメント2を備えたプリント回路基板9の構造を示している。プリント回路基板9は、円形のデザインであって、受入れ部分3の円形の受入れ領域3’の内径と比べて僅かに小さな直径を有している。円形のプリント回路基板9の中央領域は、プリント回路基板9に対して角度を付けて調整された全部で七つの表面を有している、これらの表面は、中央領域からほぼ同一の距離を有している。光学的要素が、これらの表面の上に配置されている。
【0032】
プリント回路基板9の調整された表面の上の七つの光学的要素の内の四つは、赤外線照射を受ける受入れダイオード10,10’,10’’,10’’’であって、ここで、受入れダイオード10,10’,10’’,10’’’は、プリント回路基板の中央領域の周りに配置され、特に互いに対して90度の角度でオフセットされて配置されている。プリント回路基板9の中央領域は、降雨センサーを有していて、この降雨センサーに対して、受入れダイオード10,10’,10’’,10’’’及び放射ユニット12が、機能的に割り当てられている。放射ユニット12は、赤外線照射を放射し、その赤外線照射は、例えば、窓ガラスの上で反射され、水による窓ガラスの濡れの関数として変化し、そしてその後に、受入れダイオード10,10’,10’’,10’’’から受けることになる。それぞれの太陽光センサー11,11’は、プリント回路基板9の、残りの二つの、反対向きに調整された表面の上に配置され、太陽光の方向を取得するために使用されることが可能である。
【0033】
また、プリント回路基板9の上には、放射ユニット12と受入れ部分3の接続領域3’’との間に、環境の光センサー13が配置されていて、この光センサーは、その検出範囲内の明るさを取得する。進行光センサー14は、調整された表面の上に配置され、この進行光センサーは、放射ユニット12及び環境の光センサー13と、一直線上に並んでいる。この進行光センサー14は、スイッチング可能なフォト・ダイオードとしてデザインされていて、それ故に、少なくとも二つの異なるスペクトル範囲内の照射を取得し、一方では、センサー・アレンジメント2に対して予め定められた距離の中にある明るさを、もう一方では、反射光信号を、検出することが可能である。センサーの有効視野の円錐域に対する開口角度は、特に、カバー4の中の開口5の寸法及び開口5に対するそれぞれの光センサー13,14の位置または配置により規定される。
【0034】
プリント回路基板部分9’は、それぞれの90度ずつ繰り返し角度が付けられ、接触表面15をカバー4とプラグ・コネクター8との間にして、開口を通って突出し、このプリント回路基板部分が、図1で見ることが可能なプリント回路基板9の部分領域を形成している。接触表面15に対して垂直な接続部分9’の二つの表面ピース15’、15’’及びプリント回路基板9は、接触表面15に接し、それらの内の、表面ピース15’は表面ピース15に接続し、この表面ピース15は、プリント回路基板を有する接触表面として構成されている。回路基板部分9’の形態は、特に図3から、見出すことが可能であり、ここで、二つの表面ピース15’、15’’は、受入れ部分3の長方形の接続領域3’’の内壁に対して平行に配置されている。
【0035】
プリント回路基板部分9’の表面の内側の上に配置されているのは、室内及び空気温度を取得するための温度センサー16、及び表面温度並びに室内または空気湿度を取得するための結合された湿度及び温度センサー17である。結合された温度及び湿度センサー17は、ここで、ハウジング1から突出する接触表面ピース15の上に配置され、これに対して、室内温度または空気温度を取得するための温度センサー16は、プリント回路基板に対して垂直に配置されたプリント回路基板部分9’の表面ピース15’の上に配置されている。
【0036】
センサー・アレンジメント2のこの実施形態は、車両の風防ガラスの内側の上に配置され、ここで、カバー4を有するサイドは、車両の風防ガラスに面していて、受入れ部分3の長方形の接続領域3’’は、移動方向に向けられている。それ故に、進行光センサー14の検出範囲は、特に車両の移動方向に向けられた取得円錐域(acquisition cone)を有していて、これに対して、環境の光センサー13は、特に上方向に向けられた有効視野の円錐域を備えた検出範囲を有している。環境の光センサー13及び進行光センサー14により取得されたデータは、車両のそれぞれのドライビング状況に対してヘッドライト・コントローラを調整するために使用されることが可能である。視界に影響を与える、霧、雪または他の環境の条件が、検出されることも可能である。
【0037】
図4及び5は、典型的な測定状況を示していて、ここで、図4は、温度及び湿度センサー16,17で取得された測定された変数を示し、図5は、それらから計算された特徴変数を示し、それらは、例えば、部屋の中の空調システムをコントロールするために要求される。主として、窓ガラス温度18、室内温度19及び窓ガラス20上での相対湿度が、ここで測定される。図4の図から見出すことができるように、窓ガラス温度及び室内温度は、測定された時間間隔に亘ってほぼ一定に留まり、これに対して、窓ガラス上での測定された相対湿度は、変化する。
【0038】
図5から明らかなように、取得された測定された変数から形算された部屋の内側21の相対空気湿度は、これに関係して変化する。これに関係して時間に亘って変化する露点22もまた、計算されたまたは決定された室内空気湿度21の関数として計算される。両方の曲線は、ここで、同様の展開を有していて、ここで、露点に対する曲線展開の、時系列に亘る変化は、計算された相対室内湿度の曲線展開に対するものほど強くは変化しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の内側の予め定められた状態変数を、特に自動車の内側の状態変数を、取得するためのデバイスであって、
少なくとも一つの温度センサーと、湿度センサーと、を備え、このデバイスの少なくとも幾つかの領域は、ハウジングにより周りを取り囲まれ、
第一の温度センサー(17)が、部屋の境界を成す周囲表面に対して接触するための少なくとも一つの接触表面(15)を有し、
少なくとも一つの第二の温度センサー(16)が、室内温度を取得するためにハウジングの内側に設けられている、
デバイスにおいて、
前記接触表面(15)は、プリント回路基板部分(9’)の表面ピースであって、この表面ピースは、弾性的性質を有していること、
前記プリント回路基板部分(9’)は、複数の表面ピース(15,15’,15’’)の周りを取り囲み、これらの表面ピースは、互いに対して傾けられていること、
前記温度センサーは、プリント回路基板部分(9’)の異なる表面ピース(15,15’)に配置されこと、
を特徴とするデバイス。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載のデバイス、
第一の温度センサー(17)の接触表面は、前記ハウジング(1)の外側の輪郭上の開口の上に突出している。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載のデバイス、
前記ハウジング(1)は、前記ハウジング(1)の中を通過した空気の流れのための通過開口を有していて、この通過開口は、前記温度センサー(16,17)の内の少なくとも一つを含んでいる。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1から3の何れか1項に記載のデバイス、
前記プリント回路基板部分(9’)は、空気の流れのチャネル・ピースとして構成され、このチャネル・ピースは、前記ハウジング(1)の中を通ってガイドされている。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項1から4の何れか1項に記載のデバイス、
前記ハウジング(1)は、前記ハウジングの中を通過した空気の流れのための通過開口を有していて、この通過開口は、少なくとも湿度センサー(17)を含んでいる。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項1から5の何れか1項に記載のデバイス、
前記温度センサー(16,17)の内の少なくとも一つは、NTC抵抗体である。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項1から6の何れか1項に記載のデバイス、
前記温度センサー(16,17)の内の少なくとも一つは、非接触温度測定のためのサーモパイルとしてデザインされている。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項1から7の何れか1項に記載のデバイス、
前記ハウジング(1)は、少なくとも一つの太陽光センサー(11,11’)を収容している。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項1から8の何れか1項に記載のデバイス、
少なくとも一つの降雨センサー(12)が、前記温度センサー(16,17)に割り当てられている。
【請求項10】
予め定められた状態変数を取得するための少なくとも一つのデバイスを備えた自動車であって、
このデバイスは、車両の内側の空調のために、空調システムの少なくとも一つのコントロール・ユニットと結合され、
このデバイスは、請求項1から9の何れか1項に基づいてデザインされていることを特徴とする自動車。
【請求項11】
下記特徴を有する請求項10に記載のデバイス、
前記デバイスは、車両の前面窓に割り当てられている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−66806(P2012−66806A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−151665(P2011−151665)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(505050441)ヘラ・カーゲーアーアー・ヒュック・ウント・コンパニー (7)
【Fターム(参考)】