説明

状態診断装置

【課題】異常の兆候を検知すること。
【解決手段】断対象の機器についての複数の監視項目が、主監視項目と該主監視項目の状態に応じて挙動が変化する従監視項目とに区分けして格納されている記憶部11と、該診断対象の各監視項目における計測データを逐次収集し、蓄積する計測データ収集部12と、各従監視項目の計測データを、該計測データが取得されたときの該主監視項目の状態に応じて区分するデータ区分部13と、各区分における該従監視項目の計測データを用いて、該区分毎に従監視項目の正常範囲を設定する正常範囲設定部14と、各区分における従監視項目の正常範囲を用いて該機器の状態を評価する評価部15とを備える。正常範囲設定部14は、計測データ収集部12に逐次蓄積される計測データのうち、現在から過去所定期間において蓄積された計測データを用いて正常範囲を随時更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、機器の異常状態を判定する方法として、機器の仕様等から異常発生と判断する閾値を設定し、この閾値を超えた場合に、異常を通知する方法が一般的に知られている。例えば、船舶用主機タービンの異常検知においては、主機タービンの状態を判断するための軸受温度や振動値、各部圧力、各部温度等の各種因子に対して、異常と判断する閾値を予めそれぞれ設定しておき、各因子がそれぞれの閾値を超えた場合に、異常発生と判断して、作業員にその旨を通知する方法が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−220278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来の異常検知方法では、閾値と各計測値との比較しか行っていないため、正常状態から異常状態へ変化する途中の状態変化を把握することができなかった。このため、異常の兆候を事前に察知して、異常が発生する前に対策を講じるということができなかった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、異常の兆候を検知することのできる状態診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、診断対象の機器についての複数の監視項目が、主監視項目と該主監視項目の状態に応じて挙動が変化する従監視項目とに区分けして格納されている記憶手段と、該診断対象の各監視項目における計測データを逐次収集し、蓄積する計測データ収集手段と、前記計測データ収集手段によって収集された各従監視項目の計測データを、該計測データが取得されたときの該主監視項目の状態に応じて区分するデータ区分手段と、各区分における該従監視項目の計測データを用いて、該区分毎に従監視項目の正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、該正常判定設定手段によって設定された各区分における従監視項目の正常範囲を用いて該機器の状態を評価する評価手段とを備え、前記正常範囲設定手段は、前記計測データ収集手段に逐次蓄積される計測データのうち、現在から過去所定期間において蓄積された計測データを用いて前記正常範囲を随時更新する状態診断装置を提供する。
【0007】
本発明において、計測データ収集手段には、診断対象機器の各主監視項目および各従監視項目に関する計測データが逐次収集され、蓄積される。収集された計測データのうち、従監視項目の計測データは、データ区分手段によって、主監視項目の状態に応じて区分され、この区分毎に従監視項目の正常範囲が正常範囲設定手段によって設定される。そして、この正常範囲設定手段によって設定された正常範囲を用いて、評価手段により機器の状態評価が行われる。この場合において、正常判定設定手段によって設定される正常範囲は、常に新しい計測データを加味した形で随時更新されるので、その時々の機器の運転状態、換言すると、経年劣化等を加味した正常範囲を設定することが可能となる。これにより、診断対象の機器の状態に応じた適切な正常範囲を用いて機器の診断を行うことができる。また、診断対象である機器から実際に取得した測定データを用いて正常範囲を設定するので、その機器により適した正常範囲を設定することができる。
このように、本発明によれば、時系列で動的に変化する正常範囲を用いて機器の診断を行うので、機器の状態の変化を追うことができ、正常状態から異常状態へ変化するその途中経過を把握することができる。これにより、異常の兆候を検知することができ、異常が発生する前に的確な措置を講じることが可能となる。
また、本発明によれば、主監視項目の状態に応じて従監視項目の計測データを区分し、区分毎に正常範囲を設定するので、機器の診断をより詳細に行うことが可能となる。これにより、機器の状態をより的確に評価することが可能となる。
【0008】
上記状態診断装置において、前記正常範囲設定手段は、各区分における計測データの平均値と標準偏差から正常範囲を設定することとしてもよい。
【0009】
上記状態診断装置において、前記評価手段は、現在の従監視項目の計測データと、該計測データが該当する区分の正常範囲とを比較し、該計測データが該正常範囲外であった場合に異常の兆候ありと判定することとしてもよい。
【0010】
上記状態診断装置において、前記評価手段は、前記正常範囲設定手段によって随時更新される正常範囲の推移に基づいて該機器の状態を評価することとしてもよい。
【0011】
正常範囲の推移状態に基づいても、機器の状態を評価するので、より詳細に診断対象の機器の状態を把握することができる。
【0012】
上記状態診断装置において、前記診断対象は舶用の主機タービンである場合においては、前記複数の監視項目は、例えば、主軸回転数、主機出力、軸受温度、振動、蒸気温度、圧力であり、前記主監視項目は、例えば、主軸回転数および主機出力であり、前記従監視項目は、例えば、軸受温度、タービン振動、タービン軸位置、蒸気温度、圧力である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、異常の兆候を検知するので、異常発生を未然に防ぐことができるとともに、異常が発生する前に異常回避のための有効な対策を講じることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る状態診断装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る状態診断装置の動作内容を示したフローチャートである。
【図3】主監視項目を主軸回転数とした場合の軸受温度の正常範囲の一例を示した図である。
【図4】主監視項目を主機出力とした場合の軸受温度の正常範囲の一例を示した図である。
【図5】正常範囲の変化に基づいて異常の兆候を判定する場合の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の状態診断装置に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明の状態診断装置を舶用主機タービンの状態診断に適用した場合について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る状態診断装置の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、状態診断装置1は、記憶部(記憶手段)11と、計測データ収集部(計測データ収集手段)12と、データ区分部(データ区分手段)13と、正常範囲設定部(正常範囲設定手段)14と、評価部(評価手段)15とを備えている。
【0017】
記憶部11には、診断対象である舶用主機タービンについての複数の監視項目が、主監視項目と該主監視項目の状態に応じて挙動が変化する従監視項目とに区分けして格納されている。本実施形態では、監視項目として、主軸回転数、主機出力、軸受温度、タービン振動、タービン軸位置、蒸気温度、及び圧力が登録されており、主監視項目として、主軸回転数および主機出力が、従監視項目として、軸受温度、振動、蒸気温度、圧力が登録されている。
【0018】
計測データ収集部12には、舶用主機タービンの各部に取り付けられたセンサから計測データがリアルタイムで送信される。これにより、計測データ収集部12には、各監視項目における計測データ、つまり、主軸回転数、主機出力、軸受温度、タービン振動、タービン軸位置、蒸気温度、圧力の計測データが逐次蓄積される。
【0019】
データ区分部13は、記憶部11に格納されている主監視項目、従監視項目についての情報を参照し、計測データ収集部12に蓄積されている各従監視項目の計測データを、該計測データが取得されたときの該主監視項目の状態に応じて区分する。例えば、主監視項目として主軸回転数を想定した場合には、正常時における主軸回転数の範囲、例えば、最低回転数から最高回転数までを所定回転数刻みで区分し、この区分に基づいて従監視項目の計測データを区分する。本実施形態では、20rmpから最高回転数×1.05までの回転数範囲を1rmp刻みで区分する。
【0020】
また、主監視項目として主機出力を想定した場合には、正常時における主機出力の範囲、例えば、最低出力から最高出力までを所定出力刻みで区分し、この区分に基づいて従監視項目の計測データを区分する。本実施形態では、500kWから最高出力×1.1までの出力範囲を250kW刻みで区分する。
【0021】
正常範囲設定部14は、各区分における従監視項目の計測データを用いて、該区分毎に従監視項目の正常範囲を設定する。具体的には、正常範囲設定部14は、各区分における計測データの平均値と標準偏差から正常範囲を設定する。例えば、正常範囲設定部14は、各従監視項目に対応する係数αを有しており、係数αに標準偏差σを乗じた値を平均値μから減算した値を正常範囲の下限値に、係数αに標準偏差σを乗じた値を平均値μに加算した値を正常範囲の上限値に設定する。
【0022】
上記正常範囲を式で表わすと以下の通りである。
下限値:μ−α*σ
上限値:μ+α*σ
ここで、平均値μ、標準偏差σは、それぞれ以下の(1)式、(2)式で表される。
【0023】
【数1】

【0024】
上記(1)式、(2)式において、Tk(k=1,2,・・・,n)は、ある区分における計測データ、nは、ある区分における計測データの個数である。
【0025】
また、正常範囲設定部14は、計測データ収集部12によって収集された現在から過去所定期間における計測データを用いて、所定の時間間隔で正常範囲を更新する。これにより、正常範囲は、新しい計測データを常に取り入れた形で随時更新されることとなる。
【0026】
評価部15は、正常範囲設定部14によって設定された各区分における従監視項目の正常範囲を用いて、機器の状態評価を行う。具体的には、評価部15は、現在の従監視項目の計測データと、該計測データが該当する区分の正常範囲とを比較し、現在の計測データが正常範囲外であった場合に異常の兆候を検知したとして、その旨を作業員に報知する。
【0027】
次に、上記構成を備える本実施形態に係る状態診断装置1の作用について図2を参照して説明する。
まず、主機または主機の周辺に取り付けられた各種センサによって検出された計測データが計測データ収集部12に収集される(図2のステップSA1)。このようにして収集された各計測データは、計測データ収集部12において、その計測データが計測された時間情報が対応付けられて監視項目毎に格納される。
【0028】
続いて、データ区分部13において、計測データ収集部12に収集された監視項目毎の計測データが読み出され、その中の従監視項目の計測データが主監視項目の状態に応じて区分される(図2のステップSA2)。
例えば、主監視項目として主軸回転数を想定した場合には、20rmpから最高回転数×1.05までの回転数範囲を1rmp刻みで区分し、この区分に基づいて各従監視項目の計測データを区分する。これにより、例えば、軸受温度であれば、主軸回転数20rmpのときに計測された軸受温度の測定データ群、主軸回転数21rmpのときに計測された軸受温度の測定データ群といったように、従監視項目の計測データが区分される。
【0029】
また、主監視項目として主機出力を想定した場合には、500kWから最高出力×1.1までの出力範囲を250kW刻みで区分し、この区分に基づいて各従監視項目の計測データを区分する。これにより、例えば、軸受温度であれば、主機出力500kW以上750kW未満のときに計測された軸受温度の測定データ群、主機出力750kW以上1000kW未満のときに計測された軸受温度の測定データ群といったように、従監視項目の計測データが区分される。
なお、計測データ収集部12に格納されている各測定データには、その測定データが測定された時刻情報が対応付けられているので、この時刻情報をキーとして、各従監視項目の測定データが取得されたときの主監視項目の状態を把握することができる。
【0030】
続いて、正常範囲設定部14において、区分毎の計測データの平均値、標準偏差が算出され、これらの値を用いて区分毎に正常範囲が設定される(図2のステップSA3)。これにより、各従監視項目について、正常範囲が区分毎に設定される。
図3に、主軸回転数に対する軸受温度の正常範囲の一例を、図4に主機出力に対する軸受温度の正常範囲の一例を示す。図3において、横軸は主軸回転数、縦軸は軸受温度を示しており、図4において、横軸は主機出力、縦軸は軸受温度を示している。図3および図4では、係数αを1.5に設定した場合を示している。また、図4では、250kW刻みで算出した正常範囲を滑らかな曲線となるように繋ぎ合わせることで、正常範囲を連続的に設定している。更に、図3及び図4において、従来から異常判定に用いられているアラーム設定値を示している。軸受温度がこのアラーム設定値を超えた場合には、異常が実際に発生していると判定される。
【0031】
評価部15は、計測データ収集部12に収集される各従監視項目の計測データを正常範囲設定部14によって設定された正常範囲と比較することにより、機器の状態を評価する(図2のステップSA4)。例えば、現在の軸受温度T´が取得されたときの主監視項目の状態が、主軸回転数N、主機出力Qであった場合には、評価部15は、主軸回転数Nに対応する正常範囲と軸受温度T´とを比較するとともに、主機出力Qに対応する正常範囲と軸受温度T´とを比較する。そして、軸受温度T´が少なくともいずれかの正常範囲を逸脱していた場合に、異常の兆候ありと判断して、その旨を報知する。
【0032】
そして、上記ステップSA1からステップSA4の処理が繰り返し行われることにより、正常範囲が正常範囲設定部14によって随時更新されるとともに、更新される正常範囲に基づく機器の状態評価が評価部15によって行われる。
【0033】
なお、正常範囲設定部14による正常範囲の更新の時間間隔は、評価部15による状態評価の時間間隔と異なっていてもよいし、同じであってもよい。ただし、正常な状態において、各監視項目における計測データが急激に変化することは通常考えにくいため、正常範囲の更新の時間間隔を、状態評価の時間間隔に比べて、十分長く設定することが好ましい。このようにすることで、正常範囲の更新を頻繁に行わなくてもよいので、処理負担を軽減することができる(例えば、初期設定は30秒間隔のサンプリングで3年間分のデータを保持)。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る状態診断装置1によれば、正常範囲設定部14が、計測データ収集部12によって収集された現在から過去所定期間における計測データを用いて正常範囲を随時更新するので、その時々の診断対象機器の運転状態、換言すると、経年劣化等を加味した正常範囲を設定することができる。これにより、診断対象機器の状態に応じた適切な正常範囲を用いて機器の診断を行うことができる。
また、診断対象機器から実際に取得した測定データを用いて正常範囲を設定するので、その機器により適した正常範囲を設定することができる。
このように、本発明によれば、時系列で動的に変化する正常範囲を用いて機器の診断を行うので、機器の状態の変化を追うことができ、正常状態から異常状態へ変化するその途中経過を把握することができる。これにより、異常の兆候を検知することができ、異常が発生する前に的確な措置を講じることが可能となる。
更に、主監視項目の状態に応じて従監視項目の計測データを区分し、区分毎に正常範囲を設定するので、機器の診断をより詳細に行うことが可能となる。これにより、機器の状態をより的確に評価することが可能となる。
【0035】
なお、評価部15は、上述した本実施形態で説明した評価方法に代えて、または、加えて、正常範囲設定部14によって随時更新される正常範囲の変化に基づいて異常の兆候を判定することとしてもよい。
例えば、正常範囲設定部14により随時更新される正常範囲を時系列で比較していき、今まで設定されてきた正常範囲の傾向と今回設定された正常範囲の傾向とが著しく異なっていた場合に異常の兆候を検知することとしてもよい。
【0036】
より具体的には、種々の主監視項目(例えば、主機回転数、主機出力等)のうち、少なくとも1つの主監視項目における最新の正常範囲が、過去に採取された正常範囲と比較して上方或いは下方に所定量以上シフトしている場合、換言すると、最新の正常範囲と過去に採取された正常範囲との間に発散的な所定量以上のズレが生じていた場合には、中長期的な機器挙動の変化が発生していると判断し、異状の兆候を検知することとしてもよい(図5参照)。
上記発散的な所定量以上のズレとは、例えば、回転数が上昇するにつれてズレの度合いが大きくなる場合や、主機出力が上昇するにつれてズレの度合いが大きくなるような場合をいう。
なお、複数の主監視項目(例えば、互いに関連する主監視項目)における最新の正常範囲が、過去に採取された正常範囲と比較して所定量以上ずれた場合に、異状の兆候を検知することとしてもよい。
【0037】
このように、正常範囲と現在の計測データとを比較して異常の兆候をつかむだけではなく、正常範囲の推移状態に基づいて異常の兆候を判断することで、より詳細に診断対象の機器の状態を把握することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、状態診断装置1としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、状態診断装置1は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、CPUが上記記憶媒体に記録されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の状態診断装置と同様の処理を実現させる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。
【0039】
また、上述した実施形態では、舶用主機タービンに本発明の状態診断装置を適用した場合について説明したが、本発明の状態診断装置は、舶用主機タービンに限定されることなく、TV等の一般電気製品や自動車等における部品に広く適用可能であり、これら部品の余寿命予測や異常発生の事前抽出に有効に活用される。
【符号の説明】
【0040】
1 状態診断装置
11 記憶部
12 計測データ収集部
13 データ区分部
14 正常範囲設定部
15 評価部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象の機器についての複数の監視項目が、主監視項目と該主監視項目の状態に応じて挙動が変化する従監視項目とに区分けして格納されている記憶手段と、
該診断対象の各監視項目における計測データを逐次収集し、蓄積する計測データ収集手段と、
前記計測データ収集手段によって収集された各従監視項目の計測データを、該計測データが取得されたときの該主監視項目の状態に応じて区分するデータ区分手段と、
各区分における該従監視項目の計測データを用いて、該区分毎に従監視項目の正常範囲を設定する正常範囲設定手段と、
該正常判定設定手段によって設定された各区分における従監視項目の正常範囲を用いて該機器の状態を評価する評価手段と
を備え、
前記正常範囲設定手段は、前記計測データ収集手段に逐次蓄積される計測データのうち、現在から過去所定期間において蓄積された計測データを用いて前記正常範囲を随時更新する状態診断装置。
【請求項2】
前記正常範囲設定手段は、各区分における計測データの平均値と標準偏差から正常範囲を設定する請求項1に記載の状態診断装置。
【請求項3】
前記評価手段は、現在の従監視項目の計測データと、該計測データが該当する区分の正常範囲とを比較し、該計測データが該正常範囲外であった場合に異常の兆候ありと判定する請求項1または請求項2に記載の状態診断装置。
【請求項4】
前記評価手段は、前記正常範囲設定手段によって随時更新される正常範囲の推移に基づいて該機器の状態を評価する請求項1から請求項3のいずれかに記載の状態診断装置。
【請求項5】
前記診断対象は舶用の主機タービンである場合において、
前記複数の監視項目は、主軸回転数、主機出力、軸受温度、振動、蒸気温度、圧力であり、
前記主監視項目は、主軸回転数および主機出力、前記従監視項目は、軸受温度、振動、蒸気温度、圧力である請求項1から請求項4のいずれかに記載の状態診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−175446(P2010−175446A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19799(P2009−19799)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】