現像剤収納容器及び現像剤補給装置
【目的】 内部機構が簡単なトナ−カ−トリッジを用いトナ−クランプによる故障が無く、装置の信頼性を向上し、且つ装置の小型軽量化、低価格化を図る。
【構成】 円筒状のトナ−カ−トリッジ80の内部機構は、トナ−83を撹拌搬送するためのスパイラル87のみとする。又トナ−カ−トリッジ80を開口83を上面にした状態で現像剤補給装置70に挿脱可能とし、装着後は現像剤補給装置70側に設けられる定量スパイラル72にトナ−を供給し、更に定量スパイラル72より現像装置23にトナ−83を定量的に補給する。
【構成】 円筒状のトナ−カ−トリッジ80の内部機構は、トナ−83を撹拌搬送するためのスパイラル87のみとする。又トナ−カ−トリッジ80を開口83を上面にした状態で現像剤補給装置70に挿脱可能とし、装着後は現像剤補給装置70側に設けられる定量スパイラル72にトナ−を供給し、更に定量スパイラル72より現像装置23にトナ−83を定量的に補給する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば電子写真複写機等において、現像剤補給装置に着脱可能に設けられ必要に応じて現像剤補給装置に現像剤を供給する現像剤収納容器及び、この現像剤収納容器からの現像剤の供給を受け、現像装置に定量的に現像剤の補給を行なう現像剤補給装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機等の現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置としては、トナ−ホッパを有しトナ−ホッパ内のトナ−が空になると、作業者がトナ−ボトル等より直接トナ−ホッパにトナ−を注入したり、あるいはボックスタイプのカ−トリッジによりトナ−をトナ−ホッパに一時に開けたりするタイプの装置あるいは、現像剤収納容器内に定量補給機構を有し、トナ−が空になると定量補給機構を含め現像剤収納容器ごと交換するカ−トリッジタイプの装置等が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置は、トナ−の消費に伴いトナ−ボトルあるいはカ−トリッジよりトナ−ホッパに一時にトナ−を供給したり、あるいは、定量補給機構を有するカ−トリッジタイプとしトナ−が無くなると定量補給機構ごと新しく交換する等していた。
【0004】しかしながら前者の様にトナ−ホッパ内に一時にトナ−を供給する装置にあっては、トナ−ホッパ内全体へのトナ−の均等な補給が難しく、供給するトナ−量に比し、ホッパ容量を大きくしなければならず、更には、トナ−供給時に生じる飛散トナ−の洩れを防止するためにもホッパ容量を大きくする必要があり、設置スペ−スが増大され、装置の小型軽量化が妨げられるという問題を生じていた。一方、後者の様に定量補給機構を有するカ−トリッジタイプとした場合は、トナ−カ−トリッジ内にトナ−を撹拌搬送する搬送装置と共にトナ−を定量補給する定量補給装置が設けられ更にこれ等の駆動を連結する駆動伝達機構も有する事から、その機構が複雑となりトナ−カ−トリッジの高価格化を招く一方、駆動伝達機構内にトナ−が入り込みその駆動を妨げるトナ−クランプを引き起こし易く、トナ−の補給不良を生じるという問題も有していた。
【0005】そこで本発明は上記問題を除去するもので、トナ−ホッパを不要としひいては現像剤補給装置の設置スペ−スの縮小化を目的とする。
【0006】更に、本発明はトナ−を現像装置に定量的に補給するための定量補給装置を本体側に設け、トナ−カ−トリッジ内には、トナ−の撹拌及び搬送を行なう搬送装置のみを設ける様にすることにより、トナ−カ−トリッジの機構の簡素化を図りトナ−クランプの発生を防止し、安定したトナ−補給を行なう事により装置の信頼性向上を図ると共に、低価格のトナ−カ−トリッジを提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、装置本体に着脱自在とされ現像剤を収納する筐体と、この筐体に形成される開口と、前記筐体内部に設けられ前記筐体内の前記現像剤を必要に応じて前記開口方向に撹拌搬送する搬送手段と、前記筐体外部に設けられ前記装置本体側の駆動源による駆動を前記搬送手段に伝達する伝達手段とを設けるものである。
【0008】又本発明は、上記課題を解決するために、現像剤を収納する筐体に開口が形成され、前記筐体外部に設けられる伝達手段を介して駆動され前記開口方向に前記現像剤を撹拌搬送する搬送手段を有する現像剤収納容器と、この現像剤収納容器を前記開口が上面に位置する状態で挿通された後前記開口が底面に達するまで回動可能に支持し固定する筐体支持手段とこの筐体支持手段底面に形成され前記開口と重合する供給口と、前記筐体支持手段内周の前記現像剤収納容器の回動による前記開口の移動範囲に対向する位置に設けられ前記筐体外周に摺接する清掃手段と、前記供給口下方に設けられ、前記供給口より供給される前記現像剤を現像装置に定量的に搬送する定量搬送手段と、この定量搬送手段を駆動する駆動源と、この駆動源に係合し前記搬送手段駆動のため前記駆動源による駆動を前記伝達手段に伝達するリンク手段とを設けるものである。
【0009】
【作用】本発明は上記のように構成され、現像装置への現像剤の補給は、トナ−を定量的に補給するための定量補給手段を有する現像剤補給装置に、搬送手段を有する円筒形状の筐体を交換可能に装着し、現像装置内のトナ−の減少に応じて筐体より定量補給手段側に徐々にトナ−を供給することに因り行われるので、トナ−収納量に比し容量が大きくされるトナ−ホッパが不要となり、現像剤補給装置の設置スペ−スの縮小化を図れ、しかも筐体の形状が円筒状であるので小スペ−スでありながら収納容量の増大を図れ多量のトナ−を供給出来、より効率的な省スペ−ス化及びメンテナンス頻度の低減を図れる。
【0010】更に従来の自己補給タイプのトナ−カ−トリッジに比し筐体の機構が簡単であり、筐体内には、搬送手段のみで駆動連結手段が無いので、トナ−クランプにより装置が駆動不能になることが無く装置の信頼性向上を図れる。しかも筐体の搬送手段にはリンク手段を介し定量搬送手段を駆動するための駆動源からの駆動が伝達されるので、搬送手段を駆動するための駆動装置を設ける必要もない。
【0011】
【実施例】以下本発明を図1乃至図14に示す実施例を参照して説明する。図1は、電子写真装置全体の内部構成を示すもので、装置本体1の上面には原稿Dを載置する原稿台3が設けられている。
【0012】この装置本体1内にはドラム状の感光体20が配置され、感光体20の周囲にはその回転方向に沿って従来より周知の帯電チャ−ジャ21、露光装置22の露光部22a,現像装置23、転写チャ−ジャ25、剥離チャ−ジャ26、清掃装置27、除電装置28が順次配置されている。
【0013】次に現像装置23及びこの現像装置23に固定的に取着され、現像剤であるトナ−を補給する現像剤補給装置70並びにこの現像剤補給装置70にトナ−を供給する現像剤収納容器であるトナ−カ−トリッジ80について詳述する。現像装置23は、トナ−及びキャリアからなる二成分現像剤を用いて現像を行う従来より周知の磁気ブラシ式の現像装置であり、現像モ−タ24により回転されるマグネットロ−ラ23a、トナ−搬送オ−ガ23b、撹拌オ−ガ23cを有している。そして撹拌オ−ガ23cの下方には、現像剤中のトナ−濃度を測定するトナ−濃度センサ23dが設けられている。
【0014】一方現像装置23のフロント側端部上方にはトナ−カ−トリッジ80を着脱可能に支持する現像剤補給装置70が設けられている。
【0015】トナ−カ−トリッジ80の筐体81はほぼ円筒形状をしており、装着部81aには、トナ−82供給用の開口83が形成されると共に、現像剤補給装置70に固定するためのガイド部84が突設されている。更に86は現像剤補給装置70への装着時に、後述するカ−トリッジ受け部の入口端部に当接固定される鍔部である。尚開口83は、使用前は粘着性テ−プにより塞がれている。
【0016】又筐体81内部にはトナ−82を撹拌し開口83方向に搬送するための搬送手段であるスパイラル87が回転可能に設けられ、その駆動側端部は、筐体81周囲に設けられる伝達手段であるカップリング88に接続されている。このカップリング88には、駆動を伝達するための回転バネ88a、88bが形成され、その中心にはシャフト挿通孔88cが形成されている。尚90は、トナ−カ−トリッジ80の製造時にトナ−82充填後に嵌め込む栓である。
【0017】次に現像剤補給装置70は、トナ−カ−トリッジ80の装着部81aを回動可能に支持するための筐体支持手段であるほぼ円筒状のカ−トリッジ受け部71を有している。カ−トリッジ受け部71にはトナ−カ−トリッジ80のガイド部84を固定するための弾性を有するストッパ71aが一体的に形成され、又その底面にはトナ−カ−トリッジ80の開口83と重合する供給口71bが形成されている。更にカ−トリッジ受け部71において、トナ−カ−トリッジ80をトナ−供給位置に固定する際に、トナ−カ−トリッジ80の開口83が移動する範囲と対向する位置には、清掃手段である帯状のスポンジ71cが取着されている。
【0018】又カ−トリッジ受け部71の入口端部には、トナ−カ−トリッジ80の鍔部86が当接され、トナ−カ−トリッジ80の挿入方向への位置決めを行なう挿入止め部71d及びこの挿入止め部と共に鍔部86を挾持しトナ−カ−トリッジ80の抜けを防止するカ−トリッジ固定部73a、73b、73cが設けられている。尚71eはトナ−カ−トリッジ80のガイド部84を挿通するための切り欠き部である。
【0019】そしてカ−トリッジ受け部71の側壁71f中央にはリンク手段であり、トナ−カ−トリッジ80のカップリング88の回転バネ88a、88bにカップリングする駆動バネ74a、74bを有するカップリングギア74が固定シャフト76に対し、揺動可能となる様設けられている。但しカップリングギア74は、圧縮スプリング77により常時トナ−カ−トリッジ側に付勢されている。
【0020】尚、71g及び81gは、カ−トリッジ受け部71及びトナ−カ−トリッジ80に表示される、位置合わせのためのマ−クである。
【0021】次に、カ−トリッジ受け部71の供給口71bの下方には、供給口71bより供給されたトナ−82を、必要に応じて補給口72aを介して現像装置23に定量的に補給する定量搬送手段である定量スパイラル72が設けられ、ピニオン91a及びラック91b並びにこのラック91bと同軸の伝達ギア9cからなるギア機構91更にはスパイラルギア72bを介し駆動源であるトナ−モ−タ78により回転される様になっている。更にトナ−モ−タ78は、定量スパイラル72の回転と同時に、ギア機構91を介しカップリングギア74を回転する様になっている。
【0022】一方、装置本体1の下方部には、感光体20の転写位置25aに供給される用紙Pを収納する給紙カセット装置10が装着され、ここから感光体20に達する間には、用紙Pの先端を揃え、感光体20との同期を取りつつ用紙を搬送するレジストロ−ラ対32が配設され、更に感光体20から排紙トレイ11に達する間には、搬送ガイド36、定着ロ−ラ33、排紙ロ−ラ対34が配置されている。又、37は給紙カセット装置10から用紙Pを一枚ずつ取り出し分離装置38に供給するピックアップロ−ラである。
【0023】次に図10は装置本体1の制御系を示すブロック図であり、制御装置100の入力側には入力インタフェ−ス回路101を介し操作パネル(図示せず)上の各入力キー102、トナ−濃度センサ23dや用紙搬送路上の用紙検知スイッチ(図示せず)等その他各種スイッチ・センサ類103等が接続されている。
【0024】一方、制御装置100の出力側には出力インタフェ−ス106を介し、現像モ−タ24、トナ−モ−タ78その他感光体20や各種ロ−ラ97等を駆動するモ−タ(図示せず)の各種ドライバ93、各種チャ−ジャ95の高圧電源部94、操作パネル(図示せず)上の表示部96等が接続されている。
【0025】次に作用について述べる。コピ−開始時、現像剤補給装置70にあってはトナ−カ−トリッジ80の鍔部86が、カ−トリッジ受け部71の挿入止め部71d及びカ−トリッジ固定部73a〜73cの間に嵌まり、トナ−カ−トリッジ80はカ−トリッジ受け部71にトナ−82を供給可能な状態で固定装着される。
【0026】即ち、現像剤補給装置70において、トナ−カ−トリッジ80の開口83が供給口71bに重合されると共に、カップリング88にあっては、カップリング88が圧縮スプリング77に抗してカップリングギア74を側壁71f方向に付勢した状態で、挿通孔88cに固定シャフト76が挿通され、回転バネ88a、88bと駆動バネ74a、74bとが掛かり合い、トナ−モ−タ76により駆動バネ74a、74bが回転されると、これに掛かる回転バネ88a、88bが連動され、スパイラル87が回転される様に設定されている。
【0027】この様な状態で原稿Dを原稿台3上に載置し、先ずコピ−枚数、コピ−倍率、用紙サイズ、画像濃度等のコピ−条件を図示しない操作パネル上のテンキ−等によりセットし、コピ−キ−(図示せず)をオンする。これにより制御装置100によりコピ−が開始され、感光体20はその回転に従い順次帯電、露光、現像の各工程を実施され、現像画像を形成される。
【0028】即ち、感光体20は、帯電チャ−ジャ21により一様に帯電された後、露光位置22aにて原稿画像を露光され静電潜像を形成され、更に現像装置23に達し、マグネットロ−ラ23aの駆動によりその周囲に形成される磁気ブラシにより、静電潜像を現像される。そして現像中にトナ−濃度センサ23dによりトナ−濃度の低下が検知されると、制御装置100により、トナ−モ−タ76が駆動され、ギア機構91、スパイラルギア72bを介し定量スパイラル72が回転され、補給口72aより現像装置23の撹拌オ−ガ23c上方にトナ−82が定量補給される。又これと同時に、ギア機構91、カップリングギア74を介し駆動バネ74a、74bが回転され、これにより回転バネ88a、88b及びスパイラル87が回転され、筐体81内のトナ−82が撹拌されつつ矢印r方向の開口83側に搬送され、供給口71bより、回転中の定量スパイラル72上に供給される。
【0029】このようにしてトナ−カ−トリッジ80よりトナ−83を供給しながら、現像装置23にトナ−23を補給する間に、トナ−濃度センサ23dにより現像装置23内のトナ−濃度が所定濃度に達した旨が検知されると、トナ−モ−タ78が停止され、定量スパイラル72及びスパイラル87が停止され、トナ−補給操作が終了される。
【0030】尚このトナ−補給操作時、トナ−が凝縮し、スパイラル87の回転が不能となった場合に、カップリングギア74に掛かる負荷が増大されると、圧縮スプリング77により揺動可能に支持されるカップリングギア74は、トナ−カ−トリッジ80から離間する方向に逃げる事が出来るので、無理に回転しようとして回転バネ88a、88bや駆動バネ74a、74bの破損等を招く事も無い。
【0031】一方、給紙カセット装置10にあっては、コピ−キ−(図示せず)のオンによりピックアップロ−ラ37が駆動され、給紙カセット装置10から用紙Pが取り出される。そしてこの取り出された用紙Pは分離装置38により分離され、レジストロ−ラ対32位置で一旦停止され、感光体20上に形成される現像剤像に同期して転写位置25aに送られ現像剤像を転写される。
【0032】この後現像剤像を転写された用紙Pは剥離チャ−ジャ26により、感光体20から剥離され、搬送ガイド36を経て、定着ロ−ラ33に送られて画像を定着され、排紙トレイ11方向に排出される。尚、転写終了後感光体20は、清掃装置27、除電装置28を経て次のコピ−可能とされる。そして上述の画像形成手段2によるコピ−操作及び用紙Pの搬送操作を繰り返し、必要枚数のコピ−を得た後、全てのコピ−操作を終了する。
【0033】この様にしてコピ−を行なう間、現像剤補給装置70にあっては、トナ−濃度センサ23dにより現像装置23内のトナ−濃度の低下が検出されると、トナ−モ−タ78を回転しトナ−83を補給するが、補給に従いトナ−カ−トリッジ80内のトナ−83が消費されてしまうと、現像装置23へのトナ−補給が不能となり、現像装置23内のトナ−濃度は改善される事無く低下したままとなる。そこで現像装置23内の濃度低下が所定時間継続されると、制御装置100はトナ−カ−トリッジ80が空である旨を判断し、表示部96にトナ−カ−トリッジ80の交換を表示することとなる。
【0034】そこでオペレ−タは装置本体1のフロントカバ−(図示せず)を開け、次の様にしてトナ−カ−トリッジ80の交換を行なう。
【0035】即ち、開口83が上面に来る様トナ−カ−トリッジ80を図13の矢印s方向に回動した状態で鍔部86をカ−トリッジ固定部73a〜73cから外す。これによりトナ−カ−トリッジ80は圧縮スプリング77により図4の矢印t方向に付勢されるので、挿入止め部71dの切り欠き部71eにてガイド部84をよけつつ、空になったトナ−カ−トリッジ80をカ−トリッジ受け部71から取り外す。尚この時、トナ−供給による供給口71b周囲の付着トナ−は、トナ−カ−トリッジ80が回動される間にスポンジ71cにより拭き取られており、周囲に飛散される虞が無い。
【0036】そして次に未使用のトナ−カ−トリッジ80の開口83を上面にし、開口83を封鎖する粘着性テ−プを剥がし、この開口83を上面にした状態でカ−トリッジ受け部71にトナ−カ−トリッジ80を挿通する。即ち、トナ−カ−トリッジ80に表示されるマ−ク81gとカ−トリッジ受け部71に表示されるマ−ク81gとを合わせる事により、開口83を上面にし且つ、切り欠き部71eを通り、ガイド部84が挿入止め部71dを通過出来るようにしてカ−トリッジ受け部71にトナ−カ−トリッジ80を挿通する。
【0037】次いで開口83をカ−トリッジ受け部71底面の供給口71bに重合させると共にトナ−カ−トリッジ80を固定させるために、トナ−カ−トリッジ80を圧縮スプリング77に抗して側壁71f方向に押圧し、挿入止め部71dに鍔部86を摺接させながら図12R>2の矢印u方向に回動する。そしてガイド84をストッパ71aに嵌め込むと、鍔部86がカ−トリッジ固定部73a〜73cに入り込み、トナ−カ−トリッジ80は、回動方向及び挿入方向の位置を固定される。
【0038】このトナ−カ−トリッジ80の回動時、開口83は、下方に達するまでスポンジ71cに摺接され、開口83からのトナ−82の飛散が防止される。
【0039】この様にしてカ−トリッジ受け部71に新たなトナ−カ−トリッジ80を取着し、トナ−の供給を可能としコピ−操作を再開する事となる。
【0040】この様に構成すれば、現像剤補給装置70に交換可能に取着されるトナ−カ−トリッジ80より定量スパイラル上に、必要に応じて徐々にトナ−82を補給出来るので、トナ−の収納量に比し大きい容積を必要とするトナ−ホッパが不要となり、装置の小型軽量化が図られる。しかもトナ−カ−トリッジ80が円柱状である事から、トナ−をより効率的に収納出来、装置のより一掃の小型化が可能となる。
【0041】又トナ−カ−トリッジ80を支持する現像剤補給装置70側に定量スパイラル72が設けられており、トナ−カ−トリッジ80内にはトナ−を撹拌搬送するためのスパイラル87が設けられているのみであるので、駆動の連結機構等が無くその内部の機構が簡素化され、トナ−クランプによるスパイラル87の回転不良等が防止されるので、トナ−カ−トリッジ80あるいは回転バネ88a、88bや駆動バネ74a、74bの損傷を生じる事も無い。しかも機構が簡素化される事からトナ−カ−トリッジ80の価格の低減も可能となる。
【0042】更にトナ−カ−トリッジ80の挿脱は、常にその開口83を上面にした状態で行われ、その後トナ−カ−トリッジ80が回動される間は、スポンジ71cにより開口83が塞がれるのでシャッタ機構を設けなくとも、その着脱時に開口83よりトナ−が洩れる事がなく、トナ−カ−トリッジ80のより一層の機構の簡素化及び低価格化が図られる。尚スポンジ71cは、開口83周囲のトナ−の拭き取りを行なうので、使用後のトナ−カ−トリッジ80を取り外す際もトナ−カ−トリッジ80がほとんど汚れておらず、オペレ−タや周囲を汚損する事もなく、操作性も向上される。
【0043】尚、本発明は、上記一実施例に限られるものでは無く、その趣旨を変えない範囲での変更は可能であって、例えば清掃手段としてスポンジではなく、クリ−ニングブラシを設ける等しても良いし、リンク手段の構成等も任意である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、搬送手段を有するカ−トリッジタイプの現像剤収納容器を用い現像剤補給を行なうことにより装置の小型軽量化が可能になる。
【0045】しかも現像剤収納容器は、常に開口を上面にした状態で現像剤補給装置に挿脱されるので、挿脱操作中に現像剤飛散を生じオペレ−タや周囲を汚損する事が無く、現像剤の飛散防止のためのシャッタ機構が不要となるし、現像剤収納容器内部も搬送手段のみが設けられるだけなのでその機構が著しく簡素化され、現像剤収納容器の低価格化による経済性向上が図られる。更に現像剤収納容器内部にてトナ−クランプが発生する事も無く、トナ−クランプによる搬送手段の動作不良を防止出来、装置の信頼性も向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置本体を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジの開口を下面にした状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す正面から見た構成図である。
【図5】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す上面から見た構成図である。
【図6】本発明の一実施例の現像剤補給装置を示す右側面図である。
【図7】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す正面から見た構成図である。
【図8】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す正面図である。
【図9】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す右側面図である。
【図10】本発明の一実施例の制御系を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施例の現像剤補給装置を示す左側面図である。
【図12】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを挿入した状態を示す左側面図である。
【図13】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを補給可能に装着した状態を示す左側面図である。
【図14】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを補給可能に装着した状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…装置本体
20…感光体
23…現像装置
23d…濃度センサ
70…現像剤補給装置
71…カ−トリッジ受け部
71c…スポンジ
72…定量スパイラル
74…カップリングギア
78…トナ−モ−タ
80…トナ−カ−トリッジ
81…筐体
83…開口
87…スパイラル
88…カップリング
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば電子写真複写機等において、現像剤補給装置に着脱可能に設けられ必要に応じて現像剤補給装置に現像剤を供給する現像剤収納容器及び、この現像剤収納容器からの現像剤の供給を受け、現像装置に定量的に現像剤の補給を行なう現像剤補給装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機等の現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置としては、トナ−ホッパを有しトナ−ホッパ内のトナ−が空になると、作業者がトナ−ボトル等より直接トナ−ホッパにトナ−を注入したり、あるいはボックスタイプのカ−トリッジによりトナ−をトナ−ホッパに一時に開けたりするタイプの装置あるいは、現像剤収納容器内に定量補給機構を有し、トナ−が空になると定量補給機構を含め現像剤収納容器ごと交換するカ−トリッジタイプの装置等が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置は、トナ−の消費に伴いトナ−ボトルあるいはカ−トリッジよりトナ−ホッパに一時にトナ−を供給したり、あるいは、定量補給機構を有するカ−トリッジタイプとしトナ−が無くなると定量補給機構ごと新しく交換する等していた。
【0004】しかしながら前者の様にトナ−ホッパ内に一時にトナ−を供給する装置にあっては、トナ−ホッパ内全体へのトナ−の均等な補給が難しく、供給するトナ−量に比し、ホッパ容量を大きくしなければならず、更には、トナ−供給時に生じる飛散トナ−の洩れを防止するためにもホッパ容量を大きくする必要があり、設置スペ−スが増大され、装置の小型軽量化が妨げられるという問題を生じていた。一方、後者の様に定量補給機構を有するカ−トリッジタイプとした場合は、トナ−カ−トリッジ内にトナ−を撹拌搬送する搬送装置と共にトナ−を定量補給する定量補給装置が設けられ更にこれ等の駆動を連結する駆動伝達機構も有する事から、その機構が複雑となりトナ−カ−トリッジの高価格化を招く一方、駆動伝達機構内にトナ−が入り込みその駆動を妨げるトナ−クランプを引き起こし易く、トナ−の補給不良を生じるという問題も有していた。
【0005】そこで本発明は上記問題を除去するもので、トナ−ホッパを不要としひいては現像剤補給装置の設置スペ−スの縮小化を目的とする。
【0006】更に、本発明はトナ−を現像装置に定量的に補給するための定量補給装置を本体側に設け、トナ−カ−トリッジ内には、トナ−の撹拌及び搬送を行なう搬送装置のみを設ける様にすることにより、トナ−カ−トリッジの機構の簡素化を図りトナ−クランプの発生を防止し、安定したトナ−補給を行なう事により装置の信頼性向上を図ると共に、低価格のトナ−カ−トリッジを提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、装置本体に着脱自在とされ現像剤を収納する筐体と、この筐体に形成される開口と、前記筐体内部に設けられ前記筐体内の前記現像剤を必要に応じて前記開口方向に撹拌搬送する搬送手段と、前記筐体外部に設けられ前記装置本体側の駆動源による駆動を前記搬送手段に伝達する伝達手段とを設けるものである。
【0008】又本発明は、上記課題を解決するために、現像剤を収納する筐体に開口が形成され、前記筐体外部に設けられる伝達手段を介して駆動され前記開口方向に前記現像剤を撹拌搬送する搬送手段を有する現像剤収納容器と、この現像剤収納容器を前記開口が上面に位置する状態で挿通された後前記開口が底面に達するまで回動可能に支持し固定する筐体支持手段とこの筐体支持手段底面に形成され前記開口と重合する供給口と、前記筐体支持手段内周の前記現像剤収納容器の回動による前記開口の移動範囲に対向する位置に設けられ前記筐体外周に摺接する清掃手段と、前記供給口下方に設けられ、前記供給口より供給される前記現像剤を現像装置に定量的に搬送する定量搬送手段と、この定量搬送手段を駆動する駆動源と、この駆動源に係合し前記搬送手段駆動のため前記駆動源による駆動を前記伝達手段に伝達するリンク手段とを設けるものである。
【0009】
【作用】本発明は上記のように構成され、現像装置への現像剤の補給は、トナ−を定量的に補給するための定量補給手段を有する現像剤補給装置に、搬送手段を有する円筒形状の筐体を交換可能に装着し、現像装置内のトナ−の減少に応じて筐体より定量補給手段側に徐々にトナ−を供給することに因り行われるので、トナ−収納量に比し容量が大きくされるトナ−ホッパが不要となり、現像剤補給装置の設置スペ−スの縮小化を図れ、しかも筐体の形状が円筒状であるので小スペ−スでありながら収納容量の増大を図れ多量のトナ−を供給出来、より効率的な省スペ−ス化及びメンテナンス頻度の低減を図れる。
【0010】更に従来の自己補給タイプのトナ−カ−トリッジに比し筐体の機構が簡単であり、筐体内には、搬送手段のみで駆動連結手段が無いので、トナ−クランプにより装置が駆動不能になることが無く装置の信頼性向上を図れる。しかも筐体の搬送手段にはリンク手段を介し定量搬送手段を駆動するための駆動源からの駆動が伝達されるので、搬送手段を駆動するための駆動装置を設ける必要もない。
【0011】
【実施例】以下本発明を図1乃至図14に示す実施例を参照して説明する。図1は、電子写真装置全体の内部構成を示すもので、装置本体1の上面には原稿Dを載置する原稿台3が設けられている。
【0012】この装置本体1内にはドラム状の感光体20が配置され、感光体20の周囲にはその回転方向に沿って従来より周知の帯電チャ−ジャ21、露光装置22の露光部22a,現像装置23、転写チャ−ジャ25、剥離チャ−ジャ26、清掃装置27、除電装置28が順次配置されている。
【0013】次に現像装置23及びこの現像装置23に固定的に取着され、現像剤であるトナ−を補給する現像剤補給装置70並びにこの現像剤補給装置70にトナ−を供給する現像剤収納容器であるトナ−カ−トリッジ80について詳述する。現像装置23は、トナ−及びキャリアからなる二成分現像剤を用いて現像を行う従来より周知の磁気ブラシ式の現像装置であり、現像モ−タ24により回転されるマグネットロ−ラ23a、トナ−搬送オ−ガ23b、撹拌オ−ガ23cを有している。そして撹拌オ−ガ23cの下方には、現像剤中のトナ−濃度を測定するトナ−濃度センサ23dが設けられている。
【0014】一方現像装置23のフロント側端部上方にはトナ−カ−トリッジ80を着脱可能に支持する現像剤補給装置70が設けられている。
【0015】トナ−カ−トリッジ80の筐体81はほぼ円筒形状をしており、装着部81aには、トナ−82供給用の開口83が形成されると共に、現像剤補給装置70に固定するためのガイド部84が突設されている。更に86は現像剤補給装置70への装着時に、後述するカ−トリッジ受け部の入口端部に当接固定される鍔部である。尚開口83は、使用前は粘着性テ−プにより塞がれている。
【0016】又筐体81内部にはトナ−82を撹拌し開口83方向に搬送するための搬送手段であるスパイラル87が回転可能に設けられ、その駆動側端部は、筐体81周囲に設けられる伝達手段であるカップリング88に接続されている。このカップリング88には、駆動を伝達するための回転バネ88a、88bが形成され、その中心にはシャフト挿通孔88cが形成されている。尚90は、トナ−カ−トリッジ80の製造時にトナ−82充填後に嵌め込む栓である。
【0017】次に現像剤補給装置70は、トナ−カ−トリッジ80の装着部81aを回動可能に支持するための筐体支持手段であるほぼ円筒状のカ−トリッジ受け部71を有している。カ−トリッジ受け部71にはトナ−カ−トリッジ80のガイド部84を固定するための弾性を有するストッパ71aが一体的に形成され、又その底面にはトナ−カ−トリッジ80の開口83と重合する供給口71bが形成されている。更にカ−トリッジ受け部71において、トナ−カ−トリッジ80をトナ−供給位置に固定する際に、トナ−カ−トリッジ80の開口83が移動する範囲と対向する位置には、清掃手段である帯状のスポンジ71cが取着されている。
【0018】又カ−トリッジ受け部71の入口端部には、トナ−カ−トリッジ80の鍔部86が当接され、トナ−カ−トリッジ80の挿入方向への位置決めを行なう挿入止め部71d及びこの挿入止め部と共に鍔部86を挾持しトナ−カ−トリッジ80の抜けを防止するカ−トリッジ固定部73a、73b、73cが設けられている。尚71eはトナ−カ−トリッジ80のガイド部84を挿通するための切り欠き部である。
【0019】そしてカ−トリッジ受け部71の側壁71f中央にはリンク手段であり、トナ−カ−トリッジ80のカップリング88の回転バネ88a、88bにカップリングする駆動バネ74a、74bを有するカップリングギア74が固定シャフト76に対し、揺動可能となる様設けられている。但しカップリングギア74は、圧縮スプリング77により常時トナ−カ−トリッジ側に付勢されている。
【0020】尚、71g及び81gは、カ−トリッジ受け部71及びトナ−カ−トリッジ80に表示される、位置合わせのためのマ−クである。
【0021】次に、カ−トリッジ受け部71の供給口71bの下方には、供給口71bより供給されたトナ−82を、必要に応じて補給口72aを介して現像装置23に定量的に補給する定量搬送手段である定量スパイラル72が設けられ、ピニオン91a及びラック91b並びにこのラック91bと同軸の伝達ギア9cからなるギア機構91更にはスパイラルギア72bを介し駆動源であるトナ−モ−タ78により回転される様になっている。更にトナ−モ−タ78は、定量スパイラル72の回転と同時に、ギア機構91を介しカップリングギア74を回転する様になっている。
【0022】一方、装置本体1の下方部には、感光体20の転写位置25aに供給される用紙Pを収納する給紙カセット装置10が装着され、ここから感光体20に達する間には、用紙Pの先端を揃え、感光体20との同期を取りつつ用紙を搬送するレジストロ−ラ対32が配設され、更に感光体20から排紙トレイ11に達する間には、搬送ガイド36、定着ロ−ラ33、排紙ロ−ラ対34が配置されている。又、37は給紙カセット装置10から用紙Pを一枚ずつ取り出し分離装置38に供給するピックアップロ−ラである。
【0023】次に図10は装置本体1の制御系を示すブロック図であり、制御装置100の入力側には入力インタフェ−ス回路101を介し操作パネル(図示せず)上の各入力キー102、トナ−濃度センサ23dや用紙搬送路上の用紙検知スイッチ(図示せず)等その他各種スイッチ・センサ類103等が接続されている。
【0024】一方、制御装置100の出力側には出力インタフェ−ス106を介し、現像モ−タ24、トナ−モ−タ78その他感光体20や各種ロ−ラ97等を駆動するモ−タ(図示せず)の各種ドライバ93、各種チャ−ジャ95の高圧電源部94、操作パネル(図示せず)上の表示部96等が接続されている。
【0025】次に作用について述べる。コピ−開始時、現像剤補給装置70にあってはトナ−カ−トリッジ80の鍔部86が、カ−トリッジ受け部71の挿入止め部71d及びカ−トリッジ固定部73a〜73cの間に嵌まり、トナ−カ−トリッジ80はカ−トリッジ受け部71にトナ−82を供給可能な状態で固定装着される。
【0026】即ち、現像剤補給装置70において、トナ−カ−トリッジ80の開口83が供給口71bに重合されると共に、カップリング88にあっては、カップリング88が圧縮スプリング77に抗してカップリングギア74を側壁71f方向に付勢した状態で、挿通孔88cに固定シャフト76が挿通され、回転バネ88a、88bと駆動バネ74a、74bとが掛かり合い、トナ−モ−タ76により駆動バネ74a、74bが回転されると、これに掛かる回転バネ88a、88bが連動され、スパイラル87が回転される様に設定されている。
【0027】この様な状態で原稿Dを原稿台3上に載置し、先ずコピ−枚数、コピ−倍率、用紙サイズ、画像濃度等のコピ−条件を図示しない操作パネル上のテンキ−等によりセットし、コピ−キ−(図示せず)をオンする。これにより制御装置100によりコピ−が開始され、感光体20はその回転に従い順次帯電、露光、現像の各工程を実施され、現像画像を形成される。
【0028】即ち、感光体20は、帯電チャ−ジャ21により一様に帯電された後、露光位置22aにて原稿画像を露光され静電潜像を形成され、更に現像装置23に達し、マグネットロ−ラ23aの駆動によりその周囲に形成される磁気ブラシにより、静電潜像を現像される。そして現像中にトナ−濃度センサ23dによりトナ−濃度の低下が検知されると、制御装置100により、トナ−モ−タ76が駆動され、ギア機構91、スパイラルギア72bを介し定量スパイラル72が回転され、補給口72aより現像装置23の撹拌オ−ガ23c上方にトナ−82が定量補給される。又これと同時に、ギア機構91、カップリングギア74を介し駆動バネ74a、74bが回転され、これにより回転バネ88a、88b及びスパイラル87が回転され、筐体81内のトナ−82が撹拌されつつ矢印r方向の開口83側に搬送され、供給口71bより、回転中の定量スパイラル72上に供給される。
【0029】このようにしてトナ−カ−トリッジ80よりトナ−83を供給しながら、現像装置23にトナ−23を補給する間に、トナ−濃度センサ23dにより現像装置23内のトナ−濃度が所定濃度に達した旨が検知されると、トナ−モ−タ78が停止され、定量スパイラル72及びスパイラル87が停止され、トナ−補給操作が終了される。
【0030】尚このトナ−補給操作時、トナ−が凝縮し、スパイラル87の回転が不能となった場合に、カップリングギア74に掛かる負荷が増大されると、圧縮スプリング77により揺動可能に支持されるカップリングギア74は、トナ−カ−トリッジ80から離間する方向に逃げる事が出来るので、無理に回転しようとして回転バネ88a、88bや駆動バネ74a、74bの破損等を招く事も無い。
【0031】一方、給紙カセット装置10にあっては、コピ−キ−(図示せず)のオンによりピックアップロ−ラ37が駆動され、給紙カセット装置10から用紙Pが取り出される。そしてこの取り出された用紙Pは分離装置38により分離され、レジストロ−ラ対32位置で一旦停止され、感光体20上に形成される現像剤像に同期して転写位置25aに送られ現像剤像を転写される。
【0032】この後現像剤像を転写された用紙Pは剥離チャ−ジャ26により、感光体20から剥離され、搬送ガイド36を経て、定着ロ−ラ33に送られて画像を定着され、排紙トレイ11方向に排出される。尚、転写終了後感光体20は、清掃装置27、除電装置28を経て次のコピ−可能とされる。そして上述の画像形成手段2によるコピ−操作及び用紙Pの搬送操作を繰り返し、必要枚数のコピ−を得た後、全てのコピ−操作を終了する。
【0033】この様にしてコピ−を行なう間、現像剤補給装置70にあっては、トナ−濃度センサ23dにより現像装置23内のトナ−濃度の低下が検出されると、トナ−モ−タ78を回転しトナ−83を補給するが、補給に従いトナ−カ−トリッジ80内のトナ−83が消費されてしまうと、現像装置23へのトナ−補給が不能となり、現像装置23内のトナ−濃度は改善される事無く低下したままとなる。そこで現像装置23内の濃度低下が所定時間継続されると、制御装置100はトナ−カ−トリッジ80が空である旨を判断し、表示部96にトナ−カ−トリッジ80の交換を表示することとなる。
【0034】そこでオペレ−タは装置本体1のフロントカバ−(図示せず)を開け、次の様にしてトナ−カ−トリッジ80の交換を行なう。
【0035】即ち、開口83が上面に来る様トナ−カ−トリッジ80を図13の矢印s方向に回動した状態で鍔部86をカ−トリッジ固定部73a〜73cから外す。これによりトナ−カ−トリッジ80は圧縮スプリング77により図4の矢印t方向に付勢されるので、挿入止め部71dの切り欠き部71eにてガイド部84をよけつつ、空になったトナ−カ−トリッジ80をカ−トリッジ受け部71から取り外す。尚この時、トナ−供給による供給口71b周囲の付着トナ−は、トナ−カ−トリッジ80が回動される間にスポンジ71cにより拭き取られており、周囲に飛散される虞が無い。
【0036】そして次に未使用のトナ−カ−トリッジ80の開口83を上面にし、開口83を封鎖する粘着性テ−プを剥がし、この開口83を上面にした状態でカ−トリッジ受け部71にトナ−カ−トリッジ80を挿通する。即ち、トナ−カ−トリッジ80に表示されるマ−ク81gとカ−トリッジ受け部71に表示されるマ−ク81gとを合わせる事により、開口83を上面にし且つ、切り欠き部71eを通り、ガイド部84が挿入止め部71dを通過出来るようにしてカ−トリッジ受け部71にトナ−カ−トリッジ80を挿通する。
【0037】次いで開口83をカ−トリッジ受け部71底面の供給口71bに重合させると共にトナ−カ−トリッジ80を固定させるために、トナ−カ−トリッジ80を圧縮スプリング77に抗して側壁71f方向に押圧し、挿入止め部71dに鍔部86を摺接させながら図12R>2の矢印u方向に回動する。そしてガイド84をストッパ71aに嵌め込むと、鍔部86がカ−トリッジ固定部73a〜73cに入り込み、トナ−カ−トリッジ80は、回動方向及び挿入方向の位置を固定される。
【0038】このトナ−カ−トリッジ80の回動時、開口83は、下方に達するまでスポンジ71cに摺接され、開口83からのトナ−82の飛散が防止される。
【0039】この様にしてカ−トリッジ受け部71に新たなトナ−カ−トリッジ80を取着し、トナ−の供給を可能としコピ−操作を再開する事となる。
【0040】この様に構成すれば、現像剤補給装置70に交換可能に取着されるトナ−カ−トリッジ80より定量スパイラル上に、必要に応じて徐々にトナ−82を補給出来るので、トナ−の収納量に比し大きい容積を必要とするトナ−ホッパが不要となり、装置の小型軽量化が図られる。しかもトナ−カ−トリッジ80が円柱状である事から、トナ−をより効率的に収納出来、装置のより一掃の小型化が可能となる。
【0041】又トナ−カ−トリッジ80を支持する現像剤補給装置70側に定量スパイラル72が設けられており、トナ−カ−トリッジ80内にはトナ−を撹拌搬送するためのスパイラル87が設けられているのみであるので、駆動の連結機構等が無くその内部の機構が簡素化され、トナ−クランプによるスパイラル87の回転不良等が防止されるので、トナ−カ−トリッジ80あるいは回転バネ88a、88bや駆動バネ74a、74bの損傷を生じる事も無い。しかも機構が簡素化される事からトナ−カ−トリッジ80の価格の低減も可能となる。
【0042】更にトナ−カ−トリッジ80の挿脱は、常にその開口83を上面にした状態で行われ、その後トナ−カ−トリッジ80が回動される間は、スポンジ71cにより開口83が塞がれるのでシャッタ機構を設けなくとも、その着脱時に開口83よりトナ−が洩れる事がなく、トナ−カ−トリッジ80のより一層の機構の簡素化及び低価格化が図られる。尚スポンジ71cは、開口83周囲のトナ−の拭き取りを行なうので、使用後のトナ−カ−トリッジ80を取り外す際もトナ−カ−トリッジ80がほとんど汚れておらず、オペレ−タや周囲を汚損する事もなく、操作性も向上される。
【0043】尚、本発明は、上記一実施例に限られるものでは無く、その趣旨を変えない範囲での変更は可能であって、例えば清掃手段としてスポンジではなく、クリ−ニングブラシを設ける等しても良いし、リンク手段の構成等も任意である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、搬送手段を有するカ−トリッジタイプの現像剤収納容器を用い現像剤補給を行なうことにより装置の小型軽量化が可能になる。
【0045】しかも現像剤収納容器は、常に開口を上面にした状態で現像剤補給装置に挿脱されるので、挿脱操作中に現像剤飛散を生じオペレ−タや周囲を汚損する事が無く、現像剤の飛散防止のためのシャッタ機構が不要となるし、現像剤収納容器内部も搬送手段のみが設けられるだけなのでその機構が著しく簡素化され、現像剤収納容器の低価格化による経済性向上が図られる。更に現像剤収納容器内部にてトナ−クランプが発生する事も無く、トナ−クランプによる搬送手段の動作不良を防止出来、装置の信頼性も向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の装置本体を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジの開口を下面にした状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す正面から見た構成図である。
【図5】本発明の一実施例の現像剤補給装置及びトナ−カ−トリッジを示す上面から見た構成図である。
【図6】本発明の一実施例の現像剤補給装置を示す右側面図である。
【図7】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す正面から見た構成図である。
【図8】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す正面図である。
【図9】本発明の一実施例のトナ−カ−トリッジを示す右側面図である。
【図10】本発明の一実施例の制御系を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施例の現像剤補給装置を示す左側面図である。
【図12】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを挿入した状態を示す左側面図である。
【図13】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを補給可能に装着した状態を示す左側面図である。
【図14】本発明の一実施例の現像剤補給装置にトナ−カ−トリッジを補給可能に装着した状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…装置本体
20…感光体
23…現像装置
23d…濃度センサ
70…現像剤補給装置
71…カ−トリッジ受け部
71c…スポンジ
72…定量スパイラル
74…カップリングギア
78…トナ−モ−タ
80…トナ−カ−トリッジ
81…筐体
83…開口
87…スパイラル
88…カップリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体に着脱自在とされ現像剤を収納する筐体と、この筐体に形成される開口と、前記筐体内部に設けられ前記筐体内の前記現像剤を必要に応じて前記開口方向に撹拌搬送する搬送手段と、前記筐体外部に設けられ前記装置本体側の駆動源による駆動を前記搬送手段に伝達する伝達手段とを具備する事を特徴とする現像剤収納容器。
【請求項2】 現像剤を収納する筐体に開口が形成され、前記筐体外部に設けられる伝達手段を介して駆動され前記開口方向に前記現像剤を撹拌搬送する搬送手段を有する現像剤収納容器と、この現像剤収納容器を前記開口が上面に位置する状態で挿通された後前記開口が底面に達するまで回動可能に支持し固定する筐体支持手段と、この筐体支持手段底面に形成され前記開口と重合する供給口と、前記筐体支持手段内周の前記現像剤収納容器の回動による前記開口の移動範囲に対向する位置に設けられ前記筐体外周に摺接する清掃手段と、前記供給口下方に設けられ、前記供給口より供給される前記現像剤を現像装置に定量的に搬送する定量搬送手段と、この定量搬送手段を駆動する駆動源と、この駆動源に係合し前記搬送手段駆動のため前記駆動源による駆動を前記伝達手段に伝達するリンク手段とを具備する事を特徴とする現像剤補給装置。
【請求項1】 装置本体に着脱自在とされ現像剤を収納する筐体と、この筐体に形成される開口と、前記筐体内部に設けられ前記筐体内の前記現像剤を必要に応じて前記開口方向に撹拌搬送する搬送手段と、前記筐体外部に設けられ前記装置本体側の駆動源による駆動を前記搬送手段に伝達する伝達手段とを具備する事を特徴とする現像剤収納容器。
【請求項2】 現像剤を収納する筐体に開口が形成され、前記筐体外部に設けられる伝達手段を介して駆動され前記開口方向に前記現像剤を撹拌搬送する搬送手段を有する現像剤収納容器と、この現像剤収納容器を前記開口が上面に位置する状態で挿通された後前記開口が底面に達するまで回動可能に支持し固定する筐体支持手段と、この筐体支持手段底面に形成され前記開口と重合する供給口と、前記筐体支持手段内周の前記現像剤収納容器の回動による前記開口の移動範囲に対向する位置に設けられ前記筐体外周に摺接する清掃手段と、前記供給口下方に設けられ、前記供給口より供給される前記現像剤を現像装置に定量的に搬送する定量搬送手段と、この定量搬送手段を駆動する駆動源と、この駆動源に係合し前記搬送手段駆動のため前記駆動源による駆動を前記伝達手段に伝達するリンク手段とを具備する事を特徴とする現像剤補給装置。
【図1】
【図9】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図13】
【図14】
【図9】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開平6−186844
【公開日】平成6年(1994)7月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−337720
【出願日】平成4年(1992)12月18日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【公開日】平成6年(1994)7月8日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)12月18日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
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