説明

球技用ゴール

【課題】支持枠を構成する中空形材と入口枠との接続部分、あるいは、中空形材同士の接続部分にズレやがたつきが生じ難い球技用ゴールを提供する。
【解決手段】門形の入口枠と、ゴールネットを支持する支持枠と、を備える球技用ゴールであって、入口枠は、その後方に突出する連結軸部32を具備しており、支持枠は、連結軸部32に接続される上サイドフレーム材(中空形材)5Aを具備しており、上サイドフレーム材5Aの内面は、内側平坦面5aと、内側平坦面5aに繋がる内側湾曲面5bとを有し、連結軸部32の外面は、内側平坦面5aに対向する外側平坦面3aと、内側湾曲面5bに対向する外側湾曲面3bとを有し、内側平坦面5aおよび外側平坦面3aを貫通するボルト8によって、上サイドフレーム材5Aが連結軸部32に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球技用ゴールに関する。
【背景技術】
【0002】
サッカーやハンドボールなどにおいて使用される球技用ゴールは、ゴールポストとクロスバーとで構成される門形の入口枠と、入口枠の後方に張設されるゴールネットと、ゴールネットを支持する支持枠と、を備えるものが一般的である(例えば、特許文献1,2参照。)。支持枠は、複数の中空形材を組み合わせて形成されていて、サイドフレームとなる中空形材は、入口枠に突設された連結軸部に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4084698号公報
【特許文献2】特開2002−126145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2の球技用ゴールでは、中空形材および連結軸部がいずれも円筒状を呈していて、中空形材の前端部は連結軸部の外側に嵌められている。このような接合形態を実現するためには、中空形材の内径を連結軸部の外径よりも僅かに大きくする必要があるが、このようにすると、中空形材が連結軸部を中心にして回転し易くなるため、ズレやがたつきの原因となる虞がある。とりわけ近年では、デザイン性や軽量化の観点から、中空形材の後端部を支持する部材を省略し、中空形材を「片持ち梁」にする場合があるが、このような場合には、前記したズレやがたつきの問題が顕著に現れるようになる。
【0005】
このような観点から、本発明は、支持枠を構成する中空形材と入口枠との接続部分、あるいは、中空形材同士の接続部分にズレやがたつきが生じ難い球技用ゴールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する第一の発明は、門形の入口枠と、ゴールネットを支持する支持枠と、を備える球技用ゴールであって、前記入口枠は、その後方に突出する連結軸部を具備しており、前記支持枠は、前記連結軸部に接続される中空形材を具備しており、前記中空形材の内面は、内側平坦面と、当該内側平坦面に繋がる内側湾曲面とを有し、前記連結軸部の外面は、前記内側平坦面に対向する外側平坦面と、前記内側湾曲面に対向する外側湾曲面とを有し、前記内側平坦面および前記外側平坦面は、いずれも平面からなり、前記内側湾曲面および前記外側湾曲面は、いずれも曲面からなり、前記内側平坦面および前記外側平坦面を貫通するボルトによって、前記中空形材が前記に固定される、ことを特徴とする。
【0007】
第一の発明では、中空形材の内周および連結軸部の外周が、いずれも、平面と曲面とを組み合わせた非円形となっている。第一の発明によれば、ボルトを締結したときに、中空形材の内側平坦面と連結軸部の外側平坦面との接触面積が大きくなるため、両平坦面に高い摩擦圧接力を生じさせることができ、さらには、ボルト締結時の応力が両平坦面に集中するようになるので、中空形材の内側湾曲面と連結軸部の外側湾曲面とに変形が生じ難くなり、その結果、内側湾曲面と外側湾曲面との間に大きな空隙が発生するのを抑制することが可能となる。このように、第一の発明によれば、中空形材と連結軸部との間の隙間を抑制しつつ、高い摩擦圧接力を確保することができるので、中空形材と入口枠との接続部分にズレやがたつきが生じ難くなる。
【0008】
前記課題を解決する第二の発明は、門形の入口枠と、ゴールネットを支持する支持枠と、を備える球技用ゴールであって、前記支持枠は、複数の中空形材と、前記中空形材同士を連結するジョイント部材とを具備しており、前記ジョイント部材は、前記中空形材に挿入される連結軸部を具備しており、前記中空形材の内面は、内側平坦面と、当該内側平坦面に繋がる内側湾曲面とを有し、前記連結軸部の外面は、前記内側平坦面に対向する外側平坦面と、前記内側湾曲面に対向する外側湾曲面とを有し、前記内側平坦面および前記外側平坦面は、いずれも平面からなり、前記内側湾曲面および前記外側湾曲面は、いずれも曲面からなり、前記内側平坦面および前記外側平坦面を貫通するボルトによって、前記中空形材が前記連結軸部に固定される、ことを特徴とする球技用ゴール。
【0009】
第二の発明においても、中空形材の内周および連結軸部の外周が、いずれも、平面と曲面とを組み合わせた非円形となっている。第二の発明によれば、ボルトを締結したときに、中空形材の内側平坦面と連結軸部の外側平坦面との接触面積が大きくなるため、両平坦面に高い摩擦圧接力を生じさせることができ、さらには、ボルト締結時の応力が両平坦面に集中するようになるので、中空形材の内側湾曲面と連結軸部の外側湾曲面とに変形が生じ難くなり、その結果、内側湾曲面と外側湾曲面との間に大きな空隙が発生するのを抑制することが可能となる。このように、第二の発明によれば、中空形材と連結軸部との間の隙間を抑制しつつ、高い摩擦圧接力を確保することができるので、中空形材同士の接続部分にズレやがたつきが生じ難くなる。
【0010】
前記連結軸部に、前記中空形材の内面に当接する肉盛部を形成してもよい。この場合、前記肉盛部は、前記外側平坦面と前記外側湾曲面との境界に沿って形成するとよい。このようにすると、ボルトを締め付けた際に肉盛部が変形し、その復元力によって、ボルトの緩み止め効果が発揮されるようになる。また、肉盛部を切削するだけで、連結軸部の外寸を調整することができるので、製作誤差等により連結軸部を中空形材に挿入できないような場合でも、容易に対応することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る球技用ゴールによれば、支持枠を構成する中空形材と入口枠との接続部分、あるいは、中空形材同士の接続部分にズレやがたつきが生じ難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る球技用ゴールの斜視図である。
【図2】入口枠と上サイドフレーム材(中空形材)との接続構造を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は連結軸部の断面図、(b)は中空形材の断面図である。
【図4】連結軸部を中空形材に挿入した状態を示す断面図である
【図5】支持枠の角部を示す分解斜視図である。
【図6】支持枠の角部を示す正面断面図である。
【図7】支持枠の直線部を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る球技用ゴールの変形例を示す図であって、(a)は連結軸部を中空形材に挿入した状態を示す部分拡大図、(b)はボルト締結した状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る球技用ゴールGは、図1に示すように、移動式のサッカー用ゴールであって、門形の入口枠Aと、ゴールネットNを支持する支持枠Bと、を備えている。
【0014】
入口枠Aは、ゴールポスト1と、クロスバー2と、コーナー部材3と、台座4とを備えている。支持枠Bは、上サイドフレーム材5Aと、下サイドフレーム材5Bと、バックフレーム材5Cと、曲りジョイント6と、直ジョイント7とを備えている。
【0015】
ゴールポスト1は、台座4上に立設される中空の柱材であり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の押出形材からなる。ゴールポスト1の上側の端部は、コーナー部材3に接続されており、ゴールポスト1の下側の端部は、台座4に接続されている。
【0016】
クロスバー2は、ゴールラインと平行に配置される中空の梁材であり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の押出形材からなる。クロスバー2の端部は、コーナー部材3に接続されている。
【0017】
コーナー部材3は、ゴールポスト1とクロスバー2とを連結する継手であり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の鋳造品からなる。コーナー部材3には、ゴールポスト1およびクロスバー2のほか、上サイドフレーム材5Aが接続される。なお、図示は省略するが、複数のアルミニウム合金製押出形材を溶接してコーナー部材3を形成してもよい。
【0018】
図2に示すように、本実施形態のコーナー部材3は、入口枠Aの角部となる角構成部31と、角構成部31の後面3eに突設された連結軸部32とを備えており、さらに、図示は省略するが、ゴールポスト1に挿入される縦スリーブと、クロスバー2に挿入される横スリーブとを備えている。
【0019】
連結軸部32は、筒状を呈する部位であり、入口枠Aの角部から後方に向って突出している。連結軸部32の外面(外周面)は、上下左右の外側平坦面3aと、隣り合う外側平坦面3a,3aを繋ぐ外側湾曲面3bとを備えている。すなわち、連結軸部32の外面は、平面からなる外側平坦面3aと曲面からなる外側湾曲面3bとを交互に連ねた形状(角丸四角形状)を呈している。外側平坦面3aおよび外側湾曲面3bは、いずれも連結軸部32の全長に亘って連続している。四箇所の外側平坦面3a,3a,…は、連結軸部32の上下の水平面および左右の鉛直面を構成している。外側湾曲面3bは、円筒面(円弧面である。
【0020】
連結軸部32には、雌ネジ3cが形成されている。雌ネジ3cには、ボルト8の軸部が螺着される。図3の(a)にも示すように、雌ネジ3cは、四つの外側平坦面3a,3a,…のうち、下側の外側平坦面3a(連結軸部32下側の水平面を構成する外側平坦面3a)と、クロスバー2側の外側平坦面3a(クロスバー2側の鉛直面を構成する外側平坦面3a)とに形成されている。なお、一つの外側平坦面3aにつき二つの雌ねじ3c,3cを形成しているが、雌ねじ3cの数を限定する趣旨ではない。また、本実施形態の雌ネジ3cは、連結軸部32の外皮と、外皮の内側に突設されたボス3dとを貫通するものであるが、有底のものであっても差し支えない。
【0021】
図1に示す台座4は、ゴールライン上に設置されるものであり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の鋳造品からなる。台座4には、ゴールポスト1および下サイドフレーム材5Bが接続される。なお、図示は省略するが、台座4も、コーナー部材3と同様の縦スリーブおよび連結軸部を備えている。また、図示は省略するが、複数のアルミニウム合金製押出形材を溶接して台座4を形成してもよい。
【0022】
上サイドフレーム材5Aは、入口枠Aの角部から後方に向って延出する棒状要素である。上サイドフレーム材5Aの前側の端部は、コーナー部材3に接続されている。本実施形態の上サイドフレーム材5Aは、いわゆる片持ち梁であり、前側の端部のみが支持されている。なお、図示は省略するが、上サイドフレーム材5Aと下サイドフレーム材5Bの後端部同士を繋ぐフレーム材を設け、上サイドフレーム材5Aを両持ち支持としてもよい。
【0023】
図2に示すように、上サイドフレーム材5Aは、アルミニウム合金製の中空形材からなり、入口枠Aの連結軸部32に外嵌される(図4参照)。なお、中空形材は、押出成形されたものである。図3の(b)にも示すように、上サイドフレーム材5A(中空形材)の外皮は、上下左右の平板部51と、隣り合う平板部51,51に繋がる曲板部52とを備えている。平板部51は、曲板部52よりも肉厚で、内外面ともに平坦面(平面)になっている。曲板部52は、内外面ともに円筒面(円弧面)になっている。
【0024】
上サイドフレーム材5Aの内面(内周面)は、内側平坦面5aと、内側平坦面5aに繋がる内側湾曲面5bとを備えていて、連結軸部32の外面に対応する形状(角丸四角形状)に成形されている。すなわち、図4に示すように、平板部51の内面である内側平坦面5aは、連結軸部32の外側平坦面3aに対応して平面に成形されており、曲板部52の内面である内側湾曲面5bは、連結軸部32の外側湾曲面3bに対応して曲面に成形されている。
【0025】
図2に示すように、上サイドフレーム材5Aには、貫通孔5cが形成されている。貫通孔5cには、ボルト8の軸部が挿通される。貫通孔5cは、四つの平板部51,51,…のうち、下側の平板部51(下側の水平面部を構成する平板部51)と、クロスバー2側の平板部51(クロスバー2側の鉛直面部を構成する平板部51)とに形成されている(図3の(b)参照)。すなわち、貫通孔5cは、連結軸部32の雌ネジ3cに対応する位置に形成されていて、上サイドフレーム材5Aの前端面をコーナー部材3の後面3eに突き当てたときに雌ネジ3cと連通する。
【0026】
図4に示すように、上サイドフレーム材5Aの前端部は、連結軸部32の外側に嵌められ、内側平坦面5aおよび外側平坦面3aを貫通するボルト8によって、連結軸部32に固定される。なお、連結軸部32を上サイドフレーム材5Aに挿入すると、外側平坦面3aが内側平坦面5aに対向し、外側湾曲面3bが内側湾曲面5bに対向する。図面には現れていないが、連結軸部32を上サイドフレーム材5Aに挿入できるよう、連結軸部32の外面と上サイドフレーム材5Aの内面との間には、僅かなクリアランスが存在する。なお、ボルト締結時においては、上サイドフレーム材5Aの内側平坦面5aと連結軸部32の外側平坦面3aとが面接触するようになる。
【0027】
図1に示す下サイドフレーム材5Bは、入口枠Aの下端部から後方に向って延出する棒状要素であり、地面上に配置される。下サイドフレーム材5Bの前側の端部は、台座4に接続されており、下サイドフレーム材5Bの後側の端部は、曲りジョイント6に接続されている。
【0028】
バックフレーム材5Cは、クロスバー2と平行に配置される棒状要素であり、地面上に配置される。バックフレーム材5Cの一方の端部は、曲りジョイント6に接続されており、バックフレーム材5Cの他方の端部は、直ジョイント7に接続されている。
【0029】
図5に示すように、下サイドフレーム材5Bおよびバックフレーム材5Cは、いずれも、アルミニウム合金製の中空形材からなる。下サイドフレーム材5Bおよびバックフレーム材5Cの断面形状は、上サイドフレーム材5Aと同一の断面形状である。なお、下サイドフレーム材5Bの貫通孔(図示略)は、バックフレーム材5C側の鉛直面部を構成する平板部51に形成されており、バックフレーム材5Cの貫通孔5c,5cは、前側の鉛直面部を構成する平板部51に形成されている。
【0030】
曲りジョイント6は、下サイドフレーム材5Bとバックフレーム材5Cとを連結するものであり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の鋳造品からなる。なお、図示は省略するが、複数のアルミニウム合金製押出形材を溶接して曲りジョイント6を形成してもよい。
【0031】
本実施形態の曲りジョイント6は、支持枠Bの角部となる円弧状の曲り部61と、曲り部61の両端面に突設された連結軸部62,62とを備えている。一方の連結軸部62は、曲り部61の前端面から前方に向って突出していて、下サイドフレーム材5Bに挿入される。他方の連結軸部62は、曲り部61の側端面から側方に向って突出していて、バックフレーム材5Cに挿入される。
【0032】
連結軸部62は、筒状を呈している。連結軸部62の外面は、上下左右の外側平坦面6aと、隣り合う外側平坦面6a,6aを繋ぐ外側湾曲面6bとを備えている。すなわち、連結軸部62の外面は、入口枠Aの連結軸部32(図2参照)と同様の形状(角丸四角形状)を呈している。
【0033】
連結軸部62には、雌ネジ6cが形成されている。雌ネジ6cには、ボルト8の軸部が螺着される。雌ネジ6cは、中空形材(下サイドフレーム材5Aまたはバックフレーム材5C)の貫通孔5cに対応する位置に形成されていて、中空形材の端面を曲り部61の端面に突き当てたときに貫通孔5cと連通する。
【0034】
図6に示すように、下サイドフレーム材5Bは、一方の連結軸部62の外側に嵌められ、内側平坦面5aおよび外側平坦面6aを貫通するボルト8によって、一方の連結軸部62に固定される。一方の連結軸部62を下サイドフレーム材5Bに挿入すると、外側平坦面6aが内側平坦面5aに対向し、外側湾曲面6bが内側湾曲面5bに対向する。図面には現れていないが、連結軸部62を下サイドフレーム材5Bに挿入できるよう、連結軸部62の外面と下サイドフレーム材5Bの内面との間には、僅かなクリアランスが存在する。なお、ボルト締結時においては、下サイドフレーム材5Bの内側平坦面5aと連結軸部62の外側平坦面6aとが面接触するようになる。
【0035】
また、バックサイドフレーム材5Cは、他方の連結軸部62の外側に嵌められ、内側平坦面5aおよび外側平坦面6a(図5参照)を貫通するボルト8によって、他方の連結軸部62に固定される。
【0036】
図7に示すように、直ジョイント7は、バックフレーム材5C,5Cを直線状に連結するものであり、本実施形態のものは、アルミニウム合金製の押出形材からなる。なお、直ジョイント7をアルミニウム合金製の鋳造品としてもよい。
【0037】
本実施形態の直ジョイント7は、連結軸部71のみからなる。連結軸部71の右半分が、右側のバックフレーム材5Cに挿入され、連結軸部71の左半分が左側のバックフレーム材5Cに挿入される。
【0038】
連結軸部71の外面は、上下左右の外側平坦面7aと、隣り合う外側平坦面7a,7aを繋ぐ外側湾曲面7bとを備えている。すなわち、連結軸部71の外面は、入口枠Aの連結軸部32(図2参照)と同様の形状(角丸四角形状)を呈している。
【0039】
連結軸部71には、雌ネジ7cが形成されている。雌ネジ7cには、ボルト8の軸部が螺着される。雌ネジ7cは、バックフレーム材5Cの貫通孔5cに対応する位置に形成されていて、連結軸部71の中央においてバックフレーム材5C,5Cを突き合わせたときに貫通孔5cと連通する。
【0040】
なお、バックフレーム材5Cは、連結軸部71の外側に嵌められ、内側平坦面5aおよび外側平坦面7aを貫通するボルト8によって、連結軸部71に固定される。図示は省略するが、連結軸部71をバックフレーム材5Cに挿入すると、外側平坦面7aが内側平坦面5aに対向し、外側湾曲面7bが内側湾曲面5bに対向する。
【0041】
以上のような構成の球技用ゴールGによれば、中空形材(上サイドフレーム材5A,下サイドフレーム材5Bおよびバックフレーム材5C)の内周および連結軸部32,62,71の外周が平面と曲面とを組み合わせた非円形となるため、中空形材の回転を抑制することが可能となる。また、ボルト8を締結したときには、中空形材の内側平坦面5aと連結軸部32,62,71の外側平坦面3a,6a,7aとの接触面積が大きくなるため、平坦面間に高い摩擦圧接力を生じさせることができ、さらには、ボルト締結時の応力が内側平坦面5aや外側平坦面3a,6a,7aに集中するようになるので、内側湾曲面5bおよび外側湾曲面3b,6b,7bに変形が生じ難くなり、その結果、内側湾曲面5bと外側湾曲面3b,6b,7bとの間に大きな空隙が発生するのを抑制することが可能となる。このように、球技用ゴールGによれば、中空形材と連結軸部32,62,71との間の隙間を抑制しつつ、高い摩擦圧接力を確保することができるので、中空形材と入口枠Aとの接続部分や中空形材同士の接続部分にズレやがたつきが生じ難くなる。また、本実施形態では、中空形材の平板部51の外面も平面に成形したので、ボルト8の頭部の座りが良い。
【0042】
なお、本実施形態では、ボルト8の締結位置において、中空形材の内側平坦面と連結軸部の外側平坦面とが面接触する場合を例示したが、図8の(a)に示すように、内側平坦面と外側平坦面との間に隙間が形成されるように構成してもよい。
【0043】
図8の(a)に示す連結軸部32は、入口枠の角部の後面に突設されたものであり、筒状を呈している。連結軸部32の外面は、外側平坦面3aと、外側平坦面3aに繋がる外側湾曲面3bと、外側平坦面3aと外側湾曲面3bとの境界に沿って形成された肉盛部3fと、を備えている。
【0044】
肉盛部3fは、外側平坦面3aおよび外側湾曲面3bの外周側に膨出していて、肉盛部3f,3f,…の頂部を通る外接円の直径は、外側湾曲面3b,3b,…を通る円の直径よりも大きくなっている。
【0045】
上サイドフレーム材5Aを連結軸部32に外嵌した後、ボルト8を雌ネジ3cに螺合していくと、ボルト8を挟んで対向する肉盛部3f,3fが内側平坦面5aに当接するようになり、さらにボルト8を締め付けると、ボルト8の両側の肉盛部3f,3fが圧縮変形し、その復元力によって、ボルト8の緩み止め効果が発揮されるようになる。図8の(b)に示すように、平板部51は、ボルト8の締付力によって内側に凸となるように湾曲し、外側平坦面3aに密着するようになる。
【0046】
なお、製作誤差等により連結軸部32を上サイドフレーム材5Aに挿入できないような場合には、少なくとも一つの肉盛部3fを切削すればよい。このようにすると、連結軸部32の本体部分の肉厚を減少させることなく、連結軸部32の外寸を調整することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、連結軸部32,62,71の外面および中空形材の内面を、四つの平面と四つの曲面とを組み合わせた角丸四角形状に形成した場合を例示したが、連結軸部および中空形材の形状を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、中空形材の内側平坦面および連結軸部の外側平坦面は、少なくともボルト締結の位置に対応して形成すればよい。
【符号の説明】
【0048】
G 球技用ゴール
A 入口枠
B 支持枠
N ゴールネット
1 ゴールポスト
2 クロスバー
3 コーナー部材
32 連結軸部
3a 外側平坦面
3b 外側湾曲面
3c 雌ネジ
3f 肉盛部
4 台座
5A 上サイドフレーム材(中空形材)
5B 下サイドフレーム材(中空形材)
5C バックフレーム材(中空形材)
51 平板部
52 曲板部
5a 内側平坦面
5b 内側湾曲面
5c 貫通孔
6 曲りジョイント(ジョイント部材)
61 曲り部
62 連結軸部
6a 外側平坦面
6b 外側湾曲面
6c 雌ネジ
7 直ジョイント(ジョイント部材)
71 連結軸部
7a 外側平坦面
7b 外側湾曲面
7c 雌ネジ
8 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
門形の入口枠と、
ゴールネットを支持する支持枠と、を備える球技用ゴールであって、
前記入口枠は、その後方に突出する連結軸部を具備しており、
前記支持枠は、前記連結軸部に接続される中空形材を具備しており、
前記中空形材の内面は、内側平坦面と、当該内側平坦面に繋がる内側湾曲面とを有し、
前記連結軸部の外面は、前記内側平坦面に対向する外側平坦面と、前記内側湾曲面に対向する外側湾曲面とを有し、
前記内側平坦面および前記外側平坦面は、いずれも平面からなり、
前記内側湾曲面および前記外側湾曲面は、いずれも曲面からなり、
前記内側平坦面および前記外側平坦面を貫通するボルトによって、前記中空形材が前記連結軸部に固定される、ことを特徴とする球技用ゴール。
【請求項2】
門形の入口枠と、
ゴールネットを支持する支持枠と、を備える球技用ゴールであって、
前記支持枠は、複数の中空形材と、前記中空形材同士を連結するジョイント部材とを具備しており、
前記ジョイント部材は、前記中空形材に挿入される連結軸部を具備しており、
前記中空形材の内面は、内側平坦面と、当該内側平坦面に繋がる内側湾曲面とを有し、
前記連結軸部の外面は、前記内側平坦面に対向する外側平坦面と、前記内側湾曲面に対向する外側湾曲面とを有し、
前記内側平坦面および前記外側平坦面は、いずれも平面からなり、
前記内側湾曲面および前記外側湾曲面は、いずれも曲面からなり、
前記内側平坦面および前記外側平坦面を貫通するボルトによって、前記中空形材が前記連結軸部に固定される、ことを特徴とする球技用ゴール。
【請求項3】
前記連結軸部は、前記中空形材の内面に当接する肉盛部を有し、
前記肉盛部は、前記外側平坦面と前記外側湾曲面との境界に沿って形成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の球技用ゴール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−217958(P2011−217958A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90586(P2010−90586)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)