説明

球技用心臓防護シャツ、及び、それに用いられる心臓防護パット

【課題】着用時のプレーへの影響を極力小さなものとしながらも、心臓震盪の発症を効果的に抑止できる球技用心臓防護シャツを提供する。
【解決手段】心臓部Aを被覆防護するための心臓防護パット1がシャツ心臓相当部2bに着脱自在に備えられている球技用心臓防護シャツ2において、心臓防護パット1を挿脱可能なポケット部3が、そのポケット内部の一部にシャツ心臓相当部2bを含む形状に形成されているとともに、ポケット内部において心臓防護パット1のシャツ心臓相当部2bからの移動を抑止する移動抑止手段4が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓震盪の発症を抑止する目的で球技時に着用される球技用心臓防護シャツ及びそれに用いられる心臓防護パットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、心臓への衝撃により心停止に至る心臓震盪という症状が注目されている。この症状は、衝撃により肋骨や胸骨が折れたり心臓の筋肉が損傷したりするなどの物理的障害により発症するのではなく、衝撃による心室細動という心臓の機能的障害により衝撃力の強弱にあまり関係なく発症することが知られている。
【0003】
そして、このような心臓震盪の発症が、野球やソフトボール、ラクロス、ホッケーなどの球技時での発症割合が高いことが報告されていることから、球技時での心臓震盪の発症を抑止する心臓防護具として、例えば、(1)着用者の胸中央部を覆う断面略球面状の硬質プレートの裏面に軟質の当て付け体を設けて構成した心臓防護パットに着用者の胸部に固定するための帯紐を設けたもの(下記特許文献1参照)、或いは、(2)軟質の衝撃吸収材からなる板状部材を衣服の心臓相当部に展着したもの(下記特許文献2参照)が開発されている。
【0004】
しかし、上記(1)の場合では、硬質プレートによる衝撃力の誘導作用と衝撃吸収材による衝撃力の吸収作用とによって心臓への衝撃を効果的に抑止することができるものの、着用者の胸部に固定するための帯紐をユニフォームやその下に着用するアンダーシャツなどの球技用シャツとは別に着用しなければならないために、その帯紐を着用する分だけ、球技時における着用者の運動負荷が増大してしまう問題がある。
【0005】
また、上記(2)の場合では、上記(1)のように球技時における着用者の運動負荷が増大することは抑止できるものの、軟質の衝撃吸収材による衝撃力の吸収効果だけでは心臓への衝撃を十分には抑止することができない問題があり、しかも、球技用シャツの洗濯によって板状部材に変形や変態又は損傷などの不具合が生じてしまう虞もある。
【0006】
これらの問題を解消するのに、例えば、上記(1)の技術に、上着の裏面に防護パットと同形状のポケット部を設けた防刃用又は防弾用上着(下記特許文献3参照)の技術を適用して、すなわち、球技用シャツに心臓防護パットと同形状のポケット部を形成して心臓防護パットが着脱自在な球技用心臓防護シャツを構成することが考えられる。
【特許文献1】実開平6−23569号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120254号公報
【特許文献3】特開平11−183093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、球技用シャツに心臓防護パットと同形状のポケット部を形成する上記の如き球技用心臓防護シャツでは、着用者に対して比較的硬質の心臓防護パットがポケット部により移動規制されることから、その移動規制された心臓防護パットが着用者の筋肉の伸縮動作に負荷を与えたり、さらには、心臓防護パットが筋肉の伸縮動作を規制したりするなど、着用者の球技時のプレーに重大な影響を及ぼしてしまう虞がある。
【0008】
これらの実情に鑑み、本発明の主たる課題は、着用時のプレーへの影響を極力小さなものとしながらも、衝撃による心臓震盪の発症を効果的に抑止することのできる球技用心臓防護シャツ及びそれに用いられる心臓防護パットを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は球技用心臓防護具に係り、その特徴は、
心臓部を被覆防護するための心臓防護パットがシャツ心臓相当部に着脱自在に備えられている球技用心臓防護シャツであって、
前記心臓防護パットを挿脱可能なポケット部が、そのポケット内部の一部にシャツ心臓相当部を含む形状に形成されているとともに、
前記ポケット内部において前記心臓防護パットのシャツ心臓相当部からの移動を抑止する移動抑止手段が設けられている点にある。
【0010】
つまり、上記第1特徴構成によれば、着用者の球技時の動作に対してポケット内部おける心臓防護パットの移動をある程度は許容して、着用時のプレーへの影響を極力小さなものとすることができながらも、移動抑止手段によって心臓防護パットのシャツ心臓相当部からの移動を抑止して球技中の着用者の心臓を効果的に防護することができて、心臓震盪の発症を効果的に抑止することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記ポケット内部において前記心臓防護パットをシャツ心臓相当部に案内する案内手段が設けられている点にある。
【0012】
つまり、上記第2特徴構成によれば、球技中の着用者の動作によりポケット内部において心臓防護パットがシャツ心臓相当部から外れてしまった場合、或いは、球技前にポケット内部に心臓防護パットを挿入する場合などにおいて、案内手段により心臓防護パットをシャツ心臓相当部に案内することができるから、これらの場合でも、心臓防護パットをシャツ心臓相当部に容易且つ確実に配置することができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記ポケット部の底部が凹形状に形成されているとともに、前記心臓防護パットの下部がポケット部の凹状底部の中央部に対し心臓防護パットがシャツ心臓相当部に位置する状態で係合する凸形状に形成されている点にある。
【0014】
つまり、上記第3特徴構成によれば、前記ポケット部の底部の凹形状に沿って前記心臓防護パットをポケット部の凹状底部の中央部に案内して、心臓防護パットをシャツ心臓相当部に案内することができるとともに、その案内された位置で心臓防護パットの凸状下部をポケット部の凹状底部の中央部に係合させて、心臓防護パットのシャツ心臓相当部からの移動を抑止することができる。
【0015】
すなわち、ポケット部の凹状底部と心臓防護パットの凸状下部とをもって前記案内手段と前記移動抑止手段とを兼用構成することができ、これにより、球技中の着用者の心臓を効果的且つ確実に防護する上記第2特徴構成の効果を一層効果的に得ることができる。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記ポケット部のパット挿脱口が拡形側に弾性変形可能に構成され、そのパット挿脱口の拡形側への弾性変形により前記心臓防護パットの挿脱が可能とされている点にある。
【0017】
つまり、上記第4特徴構成によれば、拡形側に弾性変形させたパット挿脱口を通じて心臓防護パットをポケット内部に挿入することができながらも、心臓防護パットがポケット部内部に挿入されたのちにはパット挿脱口が縮形側に弾性復元変形するから、ポケット内部に挿入された心臓防護パットがパット挿脱口から脱落するのを確実に防止することができて、球技中に着用者の動作による震動などのことで心臓防護パットが外れるなどの不具合を効果的に防止することができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記心臓防護パットには、前記パット挿脱口に挿入される過程でパット挿脱口を拡形側に押し広げる挿入ガイド部が形成されている点にある。
【0019】
つまり、上記第5特徴構成によれば、心臓防護パットに形成された挿入ガイド部によって心臓防護パットをパット挿脱口への挿入操作に伴いパット挿脱口を拡形側に弾性変形させることができて、例えば、心臓防護パットをパット挿脱口に挿入操作するのとは別にパット挿脱口を拡形操作する場合に比べ、その心臓防護パットをポケット部の内部に挿入するのに要する手間を低減することができる。
【0020】
本発明の第6特徴構成は、心臓防護パットに係り、その特徴は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の球技用心臓防護シャツに用いられる心臓防護パットであって、
着用者に対する当て付け部が、パット周方向に沿って間隔を空けた状態で分散形成されている点にある。
【0021】
つまり、上記第6特徴構成によれば、例えば、着用者に対する当て付け部が、パット周方向に沿って連続形成されている場合に比べ、前記ポケット部に挿入する際の変形抵抗を小さくすることができ、これにより、ポケット部に対する挿入操作を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図8は、着用者の心臓部Aを被覆防護するための発泡樹脂製の心臓防護パット1がシャツ心臓相当部2bに着脱自在に備えられている伸縮性素材製のメッシュ生地からなる野球用アンダーシャツ2(球技用心臓防護シャツの一例)を示し、このアンダーシャツ2には、着用者に対面する裏面(内面)のシャツ胸相当部に心臓防護パット1を挿脱可能なポケット部3が形成されているとともに、そのポケット内部(ポケット部3の内部)において心臓防護パット1のシャツ心臓相当部2b(すなわち、着用者の心臓部Aに対面する部位)からの移動を抑止する移動抑止手段4が設けられている。
【0023】
更に、アンダーシャツ2には、ポケット内部において心臓防護パット1をシャツ心臓相当部2bに案内する案内手段5が設けられている。
【0024】
前記ポケット部3は、ポケット内部の一部にシャツ心臓相当部2bを含むようにシャツ心臓相当部2bよりも大きな形状で形成されているとともに、前記心臓防護パット2は、ポケット部3よりも小さく、且つ、シャツ心臓相当部2bよりも若干大きな形状で形成されている。
【0025】
そのため、心臓防護パット1がポケット部3のポケット内部に挿入された状態において、着用者の球技に伴う筋肉の動きや姿勢変更に応じ心臓防護パット1のポケット内部での若干の移動を許容することができる。
【0026】
前記ポケット部3は、図3、図4に示すように、アンダーシャツ2を偏成する袖部形成布2A、前身ごろ形成布2B、後身ごろ形成布2Cのうちの前身ごろ形成布2Bの裏面に対し伸縮性素材製のポケット部形成布3Aを縫着して、アンダーシャツ2の袖部形成布2Aと前身ごろ形成布2Bとの継目に沿う略直線状の左腕側部3aと、アンダーシャツ2の首周り形状に沿う曲面状の天井部3bと、アンダーシャツ2のシャツ胸相当部の下方側に位置する凹形状の底部3cとからなる袋形状に構成され、その凹状底部3cの右端部と天井部3bの右端部との間に心臓防護パット1を挿脱するためのパット挿脱口3dが形成されている。
【0027】
前記ポケット部3の底部3cは、シャツ肩幅方向中央線Cよりも左腕側、詳しくは、シャツ心臓相当部2bの下方側に位置する中央部3eから肩幅方向左腕側に向かって斜め上方向きに延びる左腕側傾斜底部3fと、中央部3eから肩幅方向右腕側に向かって斜め上方向きに延びる右腕側傾斜底部3gとを備える凹形状に形成されており、前記案内手段5として、ポケット内部の心臓防護パット1を重力や操作によって各傾斜底部3f、3gに沿ってシャツ心臓相当部2bの下方側の中央部3eに案内する形態で心臓防護パット1をシャツ心臓相当部2bに案内する。
【0028】
また、ポケット部3の凹状底部3cは、それの中央部3eが心臓防護パット1をシャツ心臓相当部2bに位置させる状態で後述する心臓防護パット1の凸状下部1gに係合可能な略Vの字状に構成されており、ポケット内部における心臓防護パット1のシャツ心臓相当部2bからの移動をそれらポケット部3の凹状底部3cの中央部3eと心臓防護パット1の凸状下部1gとの係合により抑止する前記移動抑止手段4に兼用されている。
【0029】
そのため、着用者の球技に伴う筋肉の動きや姿勢変更に応じ心臓防護パット1のポケット内部での若干の移動を上述の如く許容して、着用時のプレーへの影響を極力小さなものとすることができながらも、移動抑止手段4によって心臓防護パット1のシャツ心臓相当部2bからの移動を上記係合により抑止して、心臓防護パット1がシャツ心臓相当部2bから外れるなどの不具合を効果的に抑止することができる。
【0030】
なお、前記ポケット部3の左腕側部3aは、アンダーシャツ2の袖部形成布2Aと前身ごろ形成布2Bとを継ぐのに併せて、これら袖部形成布2Aと前身ごろ形成布2Bとの共縫いによりアンダーシャツ2に縫着されている。
【0031】
図5〜図7は、前述のアンダーシャツ2に着脱自在に備えられる心臓防護パット1を示し、この心臓防護パット1は、弾性変形が可能な比較的硬質の合成樹脂からなるパット本体1Aの裏側(胸側)に、受止衝撃力(すなわち、球技時に外方からパット本体2に加わる衝撃力)を着用者の心臓部Aから外れた部位へ伝達するように、心臓部Aから外れた外側部位を当て付け対象とする軟質材料からなる複数の当て付け部1Bをパット本体1Aの周方向に沿う環状配置で突出形成して構成されている(図2参照)。
【0032】
前記パット本体1Aは、着用時に心臓部Aに対向配置される中央部位1aの裏側に空間Sが形成されるように、中央部位1aがそれの側方の外縁部位1bよりも表側に位置する略碗形状に形成されている。
【0033】
前記パット本体1Aの正面輪郭形状は、下端から肩幅方向左腕側に向かって斜め上方に曲面状に延びる左腕側傾斜曲辺部1cと、下端から肩幅方向右外側に向かって斜め上方に直線状に延びる右腕側傾斜辺部1dと、それら左腕側傾斜曲辺部1cと右腕側傾斜辺部1dの上端どうしを結ぶ円弧状辺部1eとからなる略木の葉状に構成されている。
【0034】
つまり、左腕側傾斜曲辺部1cと右腕側傾斜辺部1dの下方部分からなる下部1gが、ポケット部3の凹状底部3cの中央部3eに対し心臓防護パット1がシャツ心臓相当部2bに位置する状態で係合可能な略Vの字状に構成されているとともに、左腕側傾斜曲辺部1cと右腕側傾斜辺部1dを挿入ガイド部1fとして、心臓防護パット1をアンダーシャツ2のポケット部3のパット挿脱口3dに挿入する過程において、それら左腕側傾斜曲辺部1cと右腕側傾斜辺部1dに沿ってパット挿脱口3dを拡形側に押し広げることができるように構成されている。
【0035】
なお、パット本体1Aの外縁部位1bには、パット周方向に沿う環状配置で複数の凹部1hが形成されていて、パット本体1の強度の向上を図ってある。
【0036】
前記空間Sの胸側深さは、球技時の衝撃によるパット本体2の中央部位2Aの設定胸側変位深さよりも大なる深さで形成してあり、これにより、外方からの衝撃による中央部位2Aの変位によってパット本体1Aが心臓部Aに接触するのを防止する。
【0037】
次に、前記アンダーシャツ2に対する前記心臓防護パット1の取り付け手順について説明する。
【0038】
心臓防護パット1の両側部を内側に折り曲げた状態で保持して、心臓防護パット1を、それの凸状下部1g側からアンダーシャツ2のパット挿脱口3dに差し込み(図8(イ)の状態)、その状態から、心臓防護パット1の挿入ガイド部1fでパット挿脱口3dを徐々に拡形側に押し広げながら(図8(ロ)の状態)、心臓防護パット1をパット挿脱口3dに徐々に挿入し、心臓防護パット1をポケット内部に挿入する。このとき、パット挿脱口3dは弾性復元力によって縮形側に変形するから、心臓防護パット1がパット挿脱口3dから脱落することはない。
【0039】
そして、ポケット内部に挿入された心臓防護パット1は、重力や挿入者による操作によってポケット部3の左腕側傾斜底部3fに沿って凹状底部3cの中央部3eに向かって案内され、ポケット部3の凹状底部3cの中央部3eで心臓防護パット1の凸状下部1gが係合し、心臓防護パット1がシャツ心臓相当部2bに配置される状態で、アンダーシャツ2に取り付けられる(図4の状態)。
【0040】
なお、パット本体1Aを構成する比較的硬質の合成樹脂としては、例えば、ポリカーボネイド、ABS、AES、PP、PE、PET、PVCなどを採用しており、また、当て付け部1Bを構成する軟質材料としては、例えば、EVA、PE、ウレタン、発泡性ウレタン、オレフィン系エストラマーなどを採用している。
【0041】
[その他の実施形態]
(1)前記心臓防護パット1の具体的構成は、前述の実施形態に示した如き構成に限られるものではなく、種々の構成変更が可能である。
【0042】
(2)前述の実施形態では、球技用心臓防護シャツとして野球用のアンダーシャツ2を例に示したが、野球用に限らず種々の球技用であってもよく、また、アンダーシャツに限らずユニフォームなどであってもよい。
【0043】
(3)前述の実施形態では、球技用心臓防護シャツが伸縮性素材製である場合を例に示したが、非伸縮性素材製であってもよい。
【0044】
(4)前述の実施形態では、球技用心臓防護シャツをメッシュ生地から構成する場合を例に示したが、メッシュ生地に限らず、種々の生地から構成してもよい。
【0045】
(5)前述の実施形態では、心臓防護パット1を挿脱可能なポケット部3を、球技用心臓防護シャツの裏面(内面)に形成する場合を例に示したが、球技用心臓防護シャツの表面(外面)に形成してもよい。
【0046】
(6)前述の実施形態では、アンダーシャツ2におけるシャツ心臓相当部2bからの心臓防護パット1の移動を抑止する移動抑止手段4を構成するのに、ポケット部3の凹状底部3cの中央部3eを心臓防護パット1の下部1gに対し係合可能に構成する場合を例に示したが、例えば、ポケット部3の側部や天井部の一部を心臓防護パット1に対して係合可能に構成してもよく、或いは、ポケット部3を心臓防護パット1の一部に嵌合可能に構成したりしてもよく、要するに、シャツ心臓相当部2bからの心臓防護パット1の移動を抑止することができれば、どのような構成であってもよい。
【0047】
(7)前述の実施形態では、ポケット部3の底部3cを略Vの字状の凹形状に構成する場合を例に示したが、これに限らず、曲面状や部分曲面状の凹形状などであってもよい。
【0048】
(8)前述の実施形態では、心臓防護パット1の下部1gを略Vの字状の凸形状に構成する場合を例に示したが、これに限らず、曲面状や部分曲面状の凸形状などであってもよい。
【0049】
(9)前述の実施形態では、前記ポケット部3を伸縮性素材製のポケット部形成布3Aをもって構成する場合を例に示したが、これに限らず、非伸縮性素材製のポケット部形成布で構成してもよい。
【0050】
(10)前述の実施形態では、前記ポケット部が布製である場合を例に示したが、布製に限らずゴム製や柔軟性を備える合成樹脂製などであってもよく、種々の材料を適宜に選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の球技用心臓防護シャツの着用状態を示す正面図
【図2】本発明の球技用心臓防護シャツの着用状態を示す側面断面図
【図3】本発明の球技用心臓防護シャツを示す一部破断正面図
【図4】本発明の球技用心臓防護シャツを示す裏面(内面)側説明斜視図
【図5】心臓防護パットの正面図
【図6】心臓防護パットの背面図
【図7】図5のI−I線断面図
【図8】本発明の球技用心臓防護シャツに対する心臓防護パットの取り付け手順を示す裏面側説明斜視図
【符号の説明】
【0052】
A 心臓部
1 心臓防護パット
1B 当て付け部
1f 挿入ガイド部
1g 下部
2 アンダーシャツ(球技用心臓防護シャツ)
2b シャツ心臓相当部
3 ポケット部
3c 底部
3d パット挿脱口
3e 中央部
4 移動抑止手段
5 案内手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓部を被覆防護するための心臓防護パットがシャツ心臓相当部に着脱自在に備えられている球技用心臓防護シャツであって、
前記心臓防護パットを挿脱可能なポケット部が、そのポケット内部の一部にシャツ心臓相当部を含む形状に形成されているとともに、
前記ポケット内部において前記心臓防護パットのシャツ心臓相当部からの移動を抑止する移動抑止手段が設けられている球技用心臓防護シャツ。
【請求項2】
前記ポケット内部において前記心臓防護パットをシャツ心臓相当部に案内する案内手段が設けられている請求項1記載の球技用心臓防護シャツ。
【請求項3】
前記ポケット部の底部が凹形状に形成されているとともに、前記心臓防護パットの下部がポケット部の凹状底部の中央部に対し心臓防護パットがシャツ心臓相当部に位置する状態で係合する凸形状に形成されている請求項2記載の球技用心臓防護シャツ。
【請求項4】
前記ポケット部のパット挿脱口が拡形側に弾性変形可能に構成され、そのパット挿脱口の拡形側への弾性変形により前記心臓防護パットの挿脱が可能とされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の球技用心臓防護シャツ。
【請求項5】
前記心臓防護パットには、前記パット挿脱口に挿入される過程でパット挿脱口を拡形側に押し広げる挿入ガイド部が形成されている請求項4記載の球技用心臓防護シャツ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の球技用心臓防護シャツに用いられる心臓防護パットであって、
着用者に対する当て付け部が、パット周方向に沿って間隔を空けた状態で分散形成されている心臓防護パット。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate