説明

環境状態予測システム及び環境状態予測情報の表示方法、並びに発電予測システム

【課題】比較的広い領域における環境状態の予測に必要な計算負荷を軽減させながら、高い水平解像度で予測を行う。
【解決手段】環境状態予測システム1は、予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における環境状態予測情報を所定の環境関連データに基づいて演算により求める第1の演算部21と、予測対象領域内に設定されかつ第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における環境状態予測情報を、第1の特定地点における環境状態予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算部22と、第1及び第2の演算部21,22による計算結果を記憶する記憶部31と、予測対象領域を表示する表示部41と、表示部41に表示された予測対象領域上の任意の地点の指定を受け付ける指定受付部42と、指定受付部42によって指定された地点に最も近い第1の特定地点又は第2の特定地点における環境状態予測情報を表示部41に表示させる表示制御部43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境状態、例えば気温、風向・風速、降雨等の気象の状態や、波向、波高等の水象の状態について予測する環境状態予測システム及び環境状態予測情報の表示方法、並びに発電予測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、集中豪雨や暴風・強風等の気象の極端化が顕著となり、それによる災害も頻発している。このような災害を予防、軽減するためには、精度の高い気象予測情報の提供がより重要性を増している。
最近では、テレビだけでなくインターネット等の様々な情報伝達手段を介して気象予測情報の提供がなされており、例えば、インターネットを介して提供される気象予測情報として、気象庁の「降水短時間予報」<URL:http://www.jma.go.jp/jp/radame/>と「降水ナウキャスト」〈URL:http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/〉とがある。降水短時間予報は、6時間先までの各1時間雨量を予報するものであり、その予報には、観測された降水域の移動速度を元に地形による降雨強度の変化を取り入れて予測した雨量と、メソ数値予報モデルの予測雨量とが用いられている。降水ナウキャストは、1時間先までの各10分間雨量を予報するものであり、その予報には、レーダーによって10分間隔で観測された降水の強さの分布をアメダス等の雨量計データにより補正して作成した初期値と、降水短時間予報の中で解析された雨域の移動に関する情報とが用いられている。
【0003】
なお、気象庁の気象予報モデルや気象データを用いて気象予測を行う技術として、下記特許文献1等が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−285773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような気象庁の「降水短時間予報」や「降水ナウキャスト」は、1km格子の水平解像度で雨量を予測するものとなっている。しかし、局所的に発生する集中豪雨等による災害への対策には、特定の都道府県や市町村などの狭い領域に対してより高い水平解像度でピンポイントに気象(雨量、風向・風速、気温等)や水象(海や湖の波向・波高等)を予測することが望まれる。反面、水平解像度を高めれば高めるほど計算負荷が増大し、予測データの算出に長時間を要するという弊害が生じる。
一方、一般には、狭い領域の気象や水象の予測だけでなく地方単位や全国等の比較的広い領域における気象や水象の予測も必要とされる。このような広い領域に対する予測も狭い領域と同様に高い水平解像度で行ったとすると、より計算負荷が増大することになる。
【0006】
本発明は、広い領域における環境状態の予測に必要な計算負荷を軽減させながら、高い水平解像度で予測を行うことを主目的とする。また、広い領域及び狭い領域のいずれにおいても高い水平解像度で予測を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の環境状態予測システムは、
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における環境状態予測情報を所定の環境関連データを用いて演算により求める第1の演算部と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における環境状態予測情報を、前記第1の特定地点における環境状態予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算部と、
前記第1及び第2の演算部による計算結果を記憶する記憶部と、
前記予測対象領域を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記予測対象領域上の任意の地点の指定を受け付ける指定受付部と、
前記指定受付部によって指定された地点に最も近い前記第1の特定地点又は前記第2の特定地点における環境状態予測情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明の環境状態予測システムは、所定の予測対象領域内の特定地点における環境状態予測情報を演算により求め、指定受付部によって指定された地点における環境状態予測情報を表示部に表示する。ここで、演算により求められる環境状態予測情報には、2つの種類があり、一つは、予測対象領域内の第1の特定地点における環境状態予測情報であり、他は、予測対象領域内の第2の特定地点における環境状態予測状態である。第1の特定地点の環境状態予測情報は、予測に必要な所定の環境関連データ、例えば外部から提供される環境状態の予測データ(気象庁のメソ数値予報モデルによる数値予報等)や、予測に影響を及ぼす周辺データ(地形や海表面温度等)、実際の観測データ等に基づいて第1の演算部により求められる。これに対して第2の特定地点における環境状態予測情報は、第2の演算部により、第1の特定地点の環境状態予測情報を用いた補間計算により求められる。この補間計算は、逆距離加重補間法等の比較的簡単な方法で行うことができる。したがって、第2の演算部による計算負荷を第1の演算部による計算負荷よりも容易に軽減することができる。
【0009】
そして、所定の予測対象領域に対して第1の特定地点のみを細かい間隔で設定し水平解像度を高めるとすると、第1の演算部における計算負荷が著しく増大することになるが、本発明では、第1の特定地点を比較的広い間隔で設定し、その間を第2の特定地点で補間することによって、全体としての計算負荷の増大を抑制しながら、第1,第2の特定地点の双方によって高い水平解像度で環境状態の予測を行うことができる。
【0010】
前記予測対象領域は、第1の予測対象領域と、この第1の予測対象領域よりも狭い範囲の第2の予測対象領域とを含んでおり、
前記第2の予測対象領域における前記複数の第1の特定地点の相互間隔が、前記第1の予測対象領域における前記複数の第1の特定地点の相互間隔よりも狭く設定されていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、より広い領域である第1の予測対象領域においては、第1の特定地点が比較的広い間隔で設定されるため、計算負荷の増大が抑制される。一方、より狭い領域である第2の予測対象領域においては、第1の特定地点が比較的狭い間隔で設定されるが、計算の対象となる領域自体が狭いため、計算負荷の増大が抑制される。そして、第2の予測対象領域においては、より予測精度の高い第1の特定地点における環境状態予測情報が高い水平解像度で求められるため、ユーザーは局所的な環境状態予測情報をより正確に得ることができる。
【0012】
前記第1の特定地点は、前記予測対象領域に設定された第1の格子の交点位置に設定され、前記第2の特定地点は、前記第1の格子内を等分に区画する第2の格子の交点位置に設定されていてもよい。
【0013】
また、隣接する第2の特定地点同士及び隣接する第1,第2の特定地点同士の最小間隔が、第1の予測対象領域と第2の予測対象領域とで互いに同一とされていてもよい。
このような構成によって、第1の予測対象領域、第2の予測対象領域のいずれにおいても同じ高い水平解像度で環境情報を予測することができる。
【0014】
前記第1の演算部は、前記予測対象領域よりもさらに狭い範囲の第3の予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点の環境状態予測情報を演算により求め、
前記表示制御部は、前記指定受付部によって前記第3の予測対象領域上で指定された任意の地点に最も近い前記第1の特定地点における環境状態予測情報を表示部に表示させてもよい。
【0015】
この構成によれば、より狭い領域である第3の予測対象領域においては、第2の特定地点を設定せず、第1の特定地点のみが設定される。したがって、第3の予測対象領域においては、より精度の高い第1の特定地点における環境状態予測情報のみが求められ、この環境状態予測情報のみが表示されるため、ユーザーは局所的な環境状態予測情報をより正確に取得することができる。
【0016】
前記指定受付部は、複数の指定形態で任意の地点の指定を受付可能であり、
前記表示制御部は、前記指定受付部による指定形態に応じて異なる表示内容又は表示形態で環境状態予測情報を前記表示部に表示させてもよい。
このような構成によって、指定受付部に対する指定形態を変更するだけで、異なる表示形態(数値表示やグラフ表示)や異なる表示内容(降雨や風向)の環境状態予測情報を用途等に応じて表示させることができる。そのため、環境状態予測システムの利便性をより高めることができる。
【0017】
前記環境状態予測情報は、気象予測情報及び水象予測情報の少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
【0018】
前記表示制御部は、前記環境状態予測情報を数値データで前記表示部に表示させることが好ましい。
集中豪雨などの局所的な環境状態は、例えば、その状態を表す図形(例えば、傘マークに雨)で示すよりも具体的な数値を示す方が、災害等を想定しやすくなる場合が多い。そのため、本発明では、指定受付部によって指定された地点における環境状態予測情報を数値データで示すようにする。
【0019】
前記表示制御部は、前記指定受付部によって指定された地点における環境状態に起因する災害の予測情報を前記表示部に表示させるように構成されていてもよい。
このような情報を表示させることによって、ユーザーは、単なる環境状態予測情報だけでなく発生し得る災害(被害状況等)までも認識することができ、その災害に対する対策を早期に講じることができる。
【0020】
本発明に係る環境状態予測情報の表示方法は、
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における環境状態予測情報を所定の環境関連データを用いて演算により求める第1の演算工程と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における環境状態予測情報を、前記第1の特定地点における環境状態予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算工程と、
表示部に表示された前記予測対象領域上の任意の地点の指定を受け付ける指定受付工程と、
前記指定受付工程において指定された地点に最も近い前記特定地点における環境状態予測情報を前記表示部に表示させる表示工程と、
を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、気象又は水象状態を利用した発電装置についての発電予測システムであって、
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における気象又は水象情報を所定の気象又は水象関連データに基づいて演算により求める第1の演算部と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における気象又は水象予測情報を、前記第1の特定地点における気象又は水象予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算部と、
前記第1及び第2の演算部による計算結果を取得する取得部と、
を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、比較的広い領域における環境状態の予測に必要な計算負荷を軽減させながら、高い水平解像度で予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る環境状態予測システムの概略構成図である。
【図2】地図上に設定される予測対象領域を示す説明図である。
【図3】クライアント処理装置の表示部に表示される予測データの表示画面を示す図である。
【図4】クライアント処理装置の表示部に表示される予測データの表示画面を示す図である。
【図5】クライアント処理装置の表示部に表示される予測データの表示画面を示す図である。
【図6】気象予測情報の他の表示形態の表示画面を示す図である。
【図7】災害予測情報の表示画面を示す図である。
【図8】第1の予測対象領域に設定される格子を示す図である。
【図9】第2の予測対象領域に設定される格子を示す図である。
【図10】第3の予測対象領域に設定される格子を示す図である。
【図11】演算処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係る環境状態予測システムは、環境状態としての気象及び水象の状態、具体的には、雨量、気温、風速・風向等の気象の状態や、波向、波高等の水象の状態を予測し、これらの予測データをユーザーが使用する表示装置に表示させることによって災害対策等の種々の用途に役立てることができるものである。以下、環境状態予測システムの一例である気象及び水象予測システムの詳細について説明する。
本実施の形態の気象及び水象予測システム1は、図1に示されるように、演算処理装置2、サーバ処理装置3、クライアント処理装置4とから主に構成されている。ユーザーは、クライアント処理装置4を直接的に操作することによってその液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等からなる表示部41に気象及び水象の予測データを表示させることができる。クライアント処理装置4は、CPU、RAM,ROM,HDD等の記憶部、各種入出力インタフェース等を備えた一般的なパーソナルコンピュータを使用することができる。
【0025】
以下において、まず、クライアント処理装置4の表示部41に表示される予測データの概要について説明し、続いて、予測データを表示させるまでの処理について詳細に説明する。
図3〜図5は、クライアント処理装置4の表示部41に表示された予測データの表示画面を示す図である。クライアント処理装置4において、Webブラウザを立ち上げて所定のURLを指定すると、要求に応じた情報がサーバ処理装置3から送信され、図3〜図5に示されるようなウインドウ5が表示される。このウインドウ5は、地図表示部51と、条件設定部52と、予測値表示部53とを有している。地図表示部51には、例えば、日本の全体又は一部の地図が表示されている。
【0026】
図3〜図5に示す表示画面は、地図表示部51に表示されている地図の領域が互いに異なっている。一例として、図3には、西日本を中心とする領域(第1の予測対象領域)d1が表示され、図4には、近畿地方を中心とした領域(第2の予測対象領域)d2が表示され、図5には、大阪を中心とした領域(第3の予測対象領域)d3が表示されている。日本全体における各領域d1,d2,d3の位置づけを図2に示す。これらの各領域d1,d2,d3は、地図表示部51の全体を占めるのではなく地図表示部51の中でさらに区画された領域とされている。
【0027】
各領域d1,d2,d3には、気象及び水象の予測データの一つである等高線図55が地図の上に重ね合わせた状態で表示されている。この等高線図55は、同一の予測値を示す範囲を線で結んだ図であり、さらに、値の大きさに応じて色分けされている。図示例では、各領域d1,d2,d3における予測雨量が等高線図55で示されている。
【0028】
条件設定部52は、「地図表示コントロール」と標記されており、地図表示部51に表示させる内容を決定するための条件をマウスやキーボード等の入力デバイスを用いて設定することができる。具体的に、条件設定部52は、その設定項目として「ドメイン」、「気象要素」、「表示時刻」を備えている。「ドメイン」とは、地図表示部51に表示させる領域d1,d2,d3を意味しており、このドメインの設定部において、3つの領域d1,d2,d3のうちひとつを選択すると、その選択された領域の地図が地図表示部51に表示される。
【0029】
条件設定部52において「気象要素」とは、気象の予測データである「雨量」、「気温」、「風速(風向)」を意味しており、これらのうちのひとつを選択することができる。そして、選択された気象要素を示す画像が地図の上に重ね合わせて表示される。図3〜図5には、雨量を示す等高線図55が色分けされた状態で表示されている。地図表示部51の下側には、等高線図55の色分けの内容を説明するための凡例54が表示されている。
【0030】
条件設定部52において「表示時刻」は、予測する時刻を意味しており、この表示時刻の設定部において設定された時刻の環境状態の予測が、地図表示部51や予測値表示部53に表示される。なお、表示時刻の設定欄の下側には左右の矢印ボタンが設けられており、この矢印ボタンを操作することによって時刻を単位時間ごとに繰り上げ又は繰り下げることができる。
【0031】
予測値表示部53は、条件設定部52の「表示時刻」で設定された時刻における指定地点の「雨量」、「気温」、「風速」の予測データを数値で表示するものである。そして、本実施の形態では、予測値表示部53に予測データを表示させる地点を、マウスを用いて指定するように構成されている。具体的には、図3〜図5に示されるように地図表示部51に表示された地図上の所望の位置にマウスポインタPを位置づけることによって予測データを表示する地点を指定することができる。
【0032】
また、本実施の形態では、地図表示部51に表示された地図上の所望の位置にマウスポインタPを位置づけた状態でマウスをクリックすることによって、当該地点における予測データを他の表示形態で表示部41に表示することができる。具体的には、地図上の所望の地点をクリックにより指定すると、図6に示されるウインドウ6が表示される。このウインドウ6は、指定地点(図では三重県熊野市付近を例示)における風速と風向との時間の経過による変化の予測がグラフ61によって表示されている。すなわち、前述したマウスポインタPの位置づけによる指定では、特定の時刻における雨量、気温、風速の予測データしか表示されないが、クリックによる指定では、時間経過に伴う予測データの変化を表示することができる。図6の例では、予測データとして風速・風向が表示されているが、いずれの気象要素の予測データを表示するかは別途設定により変更することができる。
【0033】
また、図6に示されるウインドウ6には、「建物被害」、「波高、波向」、「降雨量」、「テキストデータ」のボタンが表示されている。「波高、波向」ボタンは、波浪や高潮等の「水象」の予測データを数値やグラフで表示するためのものである。「テキストデータ」ボタンは、グラフ表示されたデータをテキスト表示(数値表示)するためのものである。また、テキスト表示に代えて(又は、加えて)テキストデータをダウンロードできるように構成してもよい。
【0034】
「建物被害」ボタンを選択すると図7に示されるウインドウ7が新たに表示部41に表示される。このウインドウ7は、図6において示された「風速・風向」の予測データから想定される風災害による被害予想を示すものである。この被害予想は、マウスのクリックにより指定された地点の建物数やその構成比(木造、鉄筋、鉄骨建物の比率)等から予測された被害の状況をテキスト表示したものである。このような表示を行うことで、ユーザーは、風により発生すると想定される災害を容易に認識することができ、その対策を早期に講じることができる。
【0035】
次に、クライアント処理装置4の表示部41に表示させる予測データを求めるための処理について説明する。図1に示されるように、演算処理装置2は、気象及び水象の状態を予測計算するために用いられるものであり、例えば、複数ノードのコンピュータからなるクラスタ装置やスーパーコンピュータにより構成することができる。この演算処理装置2は、第1の演算部21と第2の演算部22とからなる2つの演算部の機能と、前述の等高線図55のように地図に重ね合わせるための画像を生成する画像生成部23の機能とを有している。
【0036】
図1に示される第1の演算部21は、気象や水象に関連する種々の外部データを用いて気象及び水象状態の予測データを演算により求めるものである。この第1の演算部21では、外部から入力された種々の外部データを使用して気象及び水象予測プログラムによって予測計算が実行される。本実施の形態では、例えば、米国国立大気研究センター(NCAR)が開発した次世代気象モデルであるWRF(Weather Research and Forecasting)モデルをベースにした予測プログラムが使用される。そして、外部からの入力データには、初期値・境界値としてGlobal Forecasting System(GFS)モデルや気象庁メソ数値予報モデル(MSM)による予報結果が用いられる。また、その他の外部入力データとして、地形に関するデータ(国土地理院の数値地図50mメッシュ標高地図データ:GSI50)、気温、降雨量、風速・風向等の観測データ(地域気象観測システム(AMeDAS)のデータ)、海面温度データ(Sea Surface Temperature:SST)等が用いられる。上述のメソ数値予報モデル(MSM)による予報は5kmの水平解像度で求められているが、本実施の形態では、予測プログラムを用いて以下のようにより高い水平解像度で予測データを求めるものとなっている。
【0037】
図11は、演算処理装置の処理手順を示すフローチャートである。第1の演算部21は、外部データを所定時間毎に自動的に取得し(図11のステップS1)、その外部データを用いて予測プログラムによって予測データの計算を実行する(図11のステップS2)。具体的に、第1の演算部21は、3つの予測対象領域d1,d2,d3のそれぞれについて、複数の特定地点における気温、雨量、風速・風向の予測データを予測プログラムによって求める。以下、予測データを求めるための特定地点について詳細に説明する。
【0038】
図8〜図10は、各予測対象領域d1,d2,d3に設定される気象データの予測地点を説明するための図である。第1の予測対象領域d1には、図8に太線で示されるような第1の格子8aが設定される。そして、第1の演算部21は、第1の格子8aの交点に位置する地点(●で示す第1の特定地点101a)における予測データを求めるように構成されている。第1の予測対象領域d1に設定される第1の格子8aの間隔は、2kmとされている。
【0039】
同様に、第2の予測対象領域d2には、図9に太線で示されるような第1の格子8bが設定され、第1の演算部21は、第1の格子8bの交点に位置する地点(●で示す第1の特定地点101b)における予測データを求めるように構成されている。第2の予測対象領域d2に設定される第1の格子8bの間隔は、1kmとされている。
【0040】
第3の予測対象領域d3には、図10に太線で示されるような第1の格子8cが設定され、第1の演算部21は、第1の格子8cの交点に位置する地点(●で示す第1の特定地点101c)について予測データを求めるように構成されている。第3の予測対象領域d3に設定される第1の格子8cの間隔は、500mとされている。
【0041】
したがって、予測対象領域d1,d2,d3の面積が狭くなるほど、第1の特定地点101a〜101cの間隔が狭くなり、第1の演算部21により求められる予測データの水平解像度が高められる。
【0042】
次に、第2の演算部22について説明する。
図1に示されるように、第2の演算部22は、第1の演算部21と同様に、予測データを演算によって求めるものであるが、その演算に用いるデータが第1の演算部21とは異なっている。すなわち、第1の演算部21は、前述のように、気象予報データや地形データ、観測データ等を用いた複雑な予測プログラムを用いて計算を行っているが、第2の演算部22は、そのような外部から入力される気象及び水象関連データを用いることなく、第1の演算部21による計算結果を用いて計算を行うように構成されている。
【0043】
まず、第1の予測対象領域d1について説明すると、第1の演算部21は、図8に示されるように第1の格子8aの内部により細かい間隔の第2の格子9aを設定する。そして、この第2の格子9aの交点に位置する地点(図8に○で示す地点)を第2の特定地点102aに設定する。この第2の格子9aの間隔は500mとされ、第2の格子9aは第1の格子8aの内部を縦横に16等分している。
【0044】
第2の演算部22は、各第2の特定地点102aについて、その近傍に位置する複数の第1の特定地点101aにおける予測データの間を補間する計算を行う。この計算には、一般的な補間法、例えば、逆距離加重補間法を用いることができる。この、逆距離加重補間法は、例えば図8にAで示す第2の特定地点102aの予測データを求める場合には、その周囲に位置する最近接の数カ所(例えば4箇所)の第1の特定地点101a(符号Bで示す)における予測データを用いる。そして、第2の特定地点102aからの距離が近い第1の特定地点101aほど、第2の特定地点aの予測データに対する影響が大きくなるように重みづけ(距離の累乗に反比例する重みづけ)を行い、4箇所の第1の特定地点101aの間を補間し、第2の特定地点102aの予測データを求める。
【0045】
全ての第2の特定地点102aについて補間計算を行うことによって、第1,第2の特定地点101a,102aの全予測データが、500mピッチの水平解像度で求められることになる。
【0046】
第2の予測対象領域d2についても同様の補間計算を行うことによって予測データが求められる。具体的には、図9に示されるように、第2の演算部22は、第1の格子8bの内部により細かい第2の格子9bを設定し、この第2の格子9bの交点に位置する地点(図9に○で示す地点)を第2の特定地点102bに設定する。この第2の格子9bの間隔は、第1の予測対象領域d1と同様に500mとされており、第2の格子9bは第1の格子8bの内部を縦横に4等分している。
【0047】
そして、第2の演算部22は、第2の予測対象領域d2についても、逆距離加重補間法等を用いて補間計算を行い、各第2の特定地点102bについて予測データを求める。これにより、第2の予測対象領域d2においても第1,第2の特定地点101b,102bの全予測データが、500mピッチの水平解像度で求められる。
【0048】
図10に示されるように、第3の予測対象領域d3については、第2の格子は設定されず、第2の演算部22による計算も行われない。第3の予測対象領域d3では、第2の演算部22による計算を行わなくても、第1,第2の予測対象領域d1,d2と同様に、全予測データが500mピッチの水平解像度で求められる。
【0049】
以上のように、第1〜第3の予測対象領域d1,d2,d3のいずれにおいても500mという非常に高い水平解像度で予測データが求められる。また、予測対象領域d1,d2,d3の広さに関わらず同一の水平解像度で予測データが求められる。したがって、例えば、集中豪雨のような局所的な気象の状態をいずれの予測対象領域d1,d2,d3においてもピンポイントで把握することができ、それによる災害の対策等を正確に行うことができる。
【0050】
また、第1の特定地点101a〜101cにおける予測データと、第2の特定地点102a,102bにおける予測データとを比較すると、前者の予測データは、実際の予報データや観測データ等を用いて計算したものであるため、より正確であると考えられる。一方、より狭い範囲の予測対象領域ほど、第1の特定地点101a〜101cの間隔が狭くなり、第1の特定地点101a〜101cに関しての水平解像度は高くなっている。したがって、より狭い範囲の予測対象領域ほど、局所的な予測データをより正確に得ることが可能となっている。
【0051】
以上のように、第1の特定地点101a〜101c及び第2の特定地点102a,102bにおける予測データ(数値データ)が計算によって求められると、その予測データは、図3〜5に示される地図に重ね合わせられる画像データ(等高線図55)の生成に利用される。図1に示されるように、演算処理装置2の画像生成部23は、各予測対象領域d1,d2,d3について、第1,第2の特定地点101a〜101c、102a,102bにおける予測データから等高線図55の画像データを生成する。
第1,第2の演算部21,22によって求められた予測データと特定地点とは、対応付けられた状態でファイル化され、等高線図55の画像データとともにサーバ処理装置3に送信される(図11のステップS3、S4)。
【0052】
サーバ処理装置3は、演算処理装置2から送信された予測データや画像データを記憶する記憶部31としての機能を有している。この記憶部31は、予測データをデータベース化して保持する機能を有している。また、サーバ処理装置3には、外部データとして、市町村に建てられている建物に関するデータ(建物数や建物構成比等)が入力される。この外部データは、図7に示されるようにクライアント処理装置4の表示部41に災害情報のウインドウ7を表示するために用いられる。建物に関するデータと想定される被害との関係は、外部から取り入れた情報(例えば、日本風工学会風災害研究会・風災害調査連絡委員会が公開しているデータ)を利用して求めることができる。
【0053】
サーバ処理装置3は、クライアント処理装置4や演算処理装置2とインターネット等の通信ネットワークを介して接続されており、演算処理装置2から予測データや画像データを受信するとともに、クライアント処理装置4にこれらのデータを送信するWebサーバとしての機能を有している。サーバ処理装置3は、クライアント処理装置4からの要求に応じてWebブラウザに表示させるデータを送信する。すなわち、図3〜図5に示されるように、クライアント処理装置4の表示部41において表示項目の選択や、予測データの表示地点の指定がなされると、サーバ処理装置3は、その内容に応じた数値データや画像データをクライアント処理装置4に送信する。
【0054】
クライアント処理装置4は、図1に示されるように、表示部41に加えて、指定受付部42、表示制御部43としての機能を備えている。前述したようにクライアント処理装置4の表示部41に表示された地図上の任意の地点にマウスポインタPが位置づけられると、クライアント処理装置4の指定受付部42は、その地点を予測データを表示させる地点として受け付ける。そして、表示制御部43は、指定された地点に最も近い特定地点(第1の特定地点101a〜101c又は第2の特定地点102a,102b)における予測データをサーバ処理装置3に要求する。サーバ処理装置3は、クライアント処理装置4からの要求に応じて所定の予測データをクライアント処理装置4に送信する。そして、クライアント処理装置4は、表示制御部43(図1参照)の機能によってサーバ処理装置3から送信された予測データを表示部41に表示させる。また、地図上の任意の地点にマウスポインタPが位置づけられた状態でクリックされると、指定受付部42はクリックされた地点の指定を受け付け、表示制御部43は、クリックされた地点に最も近い特定地点における予測データをサーバ処理装置3から受信して図6のように表示部41に表示させる。
【0055】
マウスによる指定地点と予測データとは、予め対応付けられた状態でサーバ処理装置3の記憶部31に記憶されている。例えば、地図表示部51に座標を設定しておき、特定地点の座標と予測データとを対応付けたかたちでデータベース化し、記憶部31に記憶しておく。これにより、指定受付部42によって指定された地点に最も近い特定地点の座標に対応する予測データを容易に取得することができる。
【0056】
図1に示されるように、本実施の形態では、クライアント処理装置4には、表示部41に表示させる地図情報も外部から入力される。この地図情報には、例えば、グーグル社が提供するGoogle(登録商標) Mapを利用することができる。このGoogle Mapには、Google Maps APIという地図情報サービスがあり、地図上に画像データをレイヤーとして動的に埋め込むことができる。このGoogle Map APIを利用する場合には、その仕様に合わせた画像データが演算処理装置2の画像生成部23において生成される。具体的に、画像生成部23は、地図に重ね合わせる画像データをタイル状に区画(分離)し、各タイルに地図上の座標(経度、緯度)を割り当てたデータを生成する。これにより、Google Map上に画像データを重ね合わせることができる。
【0057】
以上に説明したように、本実施の形態の気象及び水象予測システムは、第1〜第3の予測対象領域d1,d2,d3内の第1の特定地点101a〜101cを第1の演算部21により求め、第2の特定地点102a,102bにおける予測データを第2の演算部により求め、指定受付部42によって指定された地点における予測データを表示部41に表示している。第1の特定地点101a〜101cにおける予測データは、予測に必要な所定の外部データから求められるより正確な予測データであり、第2の特定地点102a,102bにおける予測データは、第1の特定地点101a〜101cの予測データを用いて容易に求められる予測データである。したがって、全ての特定地点を外部データから求める場合に比べて、計算負荷を軽減させながら高い水平解像度で予測データを求めることができる。
【0058】
上記実施の形態では、第1〜第3の予測対象領域d1,d2,d3を備えており、より狭い範囲の予測対象領域ほど、第1の特定地点101a〜101cの相互間隔が狭く、第1の特定地点101a〜101cに係る水平解像度が高くなっている。そのため、より狭い予測対象領域ほど、局所的な予測データをより正確に取得することができる。また、より狭い予測対象領域では、第1の特定地点の間隔が狭くなるものの、予測対象領域自体が狭いため、第1の特定地点の数が膨大となることはなく、計算負荷の増大も抑制される。
【0059】
また、上記実施の形態では、最も狭い第3の予測対象領域d3については、第1の特定地点101cのみが設定され、第2の特定地点は設定されない。そのため、第2の特定地点についての計算を省略することができ、全体として計算負荷を軽減させることができる。また、第3の予測対象領域d3を使用する場合には、どの地点を指定してもより正確な予測データを取得することができる。
また、マウスポインタPで指し示した特定地点の予測データは、数値データで表示されるため、図形等で表示される場合と比べて、局所的な気象の状態をより詳しく把握することができ、災害等をより正確に想定するために役立てることができる。
【0060】
指定受付部42は、表示部41に表示された地図上の地点をマウスポインタPで指し示す方法と、クリックする方法との2つの指定方法で特定地点の指定を受け付け、表示制御部43は、その指定方法に応じて異なる表示形態で予測データを表示させている。そのため、ユーザーの用途や好み等に応じていずれかの表示形態を選択することができ、利便性を高めることができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、マウスのクリックによって表示された予測データ画面から、災害(建物被害)の情報を表示することができる。そのため、ユーザーは想定される被害を自身で判断したり独自に調べたりしなくてもよく、表示された災害の情報を用いて災害の対策等を迅速に講じることが可能となる。
【0062】
第1の演算部21及び第2の演算部22によって求められる予測データは、クライアント処理装置4の表示部41に表示するだけでなく、他のシステムに受け渡すデータとして利用することができる。
例えば、上記実施の形態の予測データは、風力や波力等の気象又は水象状態を利用した発電装置についての発電予測システムに受け渡すことができる。例えば、風力発電は、その発電量等を予測するために風速や風向を把握することが重要であり、同様に、波力又は海流発電は、波向や波高を把握することが重要である。したがって、これらの発電装置についての発電予測システムに、風速、風向の予測データや波向、波高の予測データ等を送信し、発電予測システムの受信部(取得部)がこれら予測データを受信することによって、発電装置の稼働予測を行ったり稼働計画を立てたりするために予測データを活用することができる。
【0063】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
例えば、上記実施の形態の気象及び水象予測システムでは、3種類の予測対象領域d1,d2,d3が設けられているが、1、2種類、又は4種類以上の予測対象領域が設けられていてもよい。また、上記実施の形態では、第3の予測対象領域d3には第2の特定地点が設定されていなかったが、第1,第2の予測対象領域d1,d2と同様に、第3の予測対象領域d3にも第2の特定地点を設定し、当該地点における予測データを求めてもよい。また、上記実施の形態では、予測データを表示させる地点の指定がマウスを用いて行われていたが、他の入力デバイスを用いて指定が行われてもよい。
【0064】
クライアント処理装置4に表示させる地図の情報は、Webサーバとしてのサーバ処理装置3が予め保持しておいてもよいし、クライアント処理装置4側が保持しておいてもよい。また、上記実施の形態では、クライアント処理装置4の表示部41に予測データを表示させるためにWebブラウザを使用しているが、予測データを表示させるための専用のアプリケーションソフトを使用してもよい。
【0065】
上記実施の形態の環境状態予測システムは、気象(雨量、気温、風速(風向)等)及び水象(波高、波向等)の予測データを求めるものとされていたが、これに限定されるものではなく、気象や水象の一方、又は気象や水象以外の環境状態の予測データを求めるためにも本発明を適用することができる。
【0066】
第1の特定地点や第2の特定地点は、格子によって定める必要は必ずしもなく、ランダムに設定することも可能である。また、第1の特定地点や第2の特定地点は、地上と海上とで異なる配置や密度(解像度)で設定してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 気象及び水象予測システム(環境状態予測システム)
2 演算装置
3 サーバ処理装置
4 クライアント処理装置
8a 第1の格子
8b 第1の格子
8c 第1の格子
9a 第2の格子
9b 第2の格子
21 第1の演算部
22 第2の演算部
31 記憶部
41 表示部
42 指定受付部
43 表示制御部
101a 第1の特定地点
101b 第1の特定地点
101c 第1の特定地点
102a 第2の特定地点
102b 第2の特定地点
d1 第1の予測対象領域
d2 第2の予測対象領域
d3 第3の予測対象領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における環境状態予測情報を所定の環境関連データに基づいて演算により求める第1の演算部と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における環境状態予測情報を、前記第1の特定地点における環境状態予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算部と、
前記第1及び第2の演算部による計算結果を記憶する記憶部と、
前記予測対象領域を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記予測対象領域上の任意の地点の指定を受け付ける指定受付部と、
前記指定受付部によって指定された地点に最も近い前記第1の特定地点又は前記第2の特定地点における環境状態予測情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えている環境状態予測システム。
【請求項2】
前記予測対象領域が、第1の予測対象領域と、この第1の予測対象領域よりも狭い範囲の第2の予測対象領域とを含んでおり、
前記第2の予測対象領域における前記複数の第1の特定地点の相互間隔が、前記第1の予測対象領域における前記複数の第1の特定地点の相互間隔よりも小さく設定されている、請求項1に記載の環境状態予測システム。
【請求項3】
前記第1の特定地点が、前記予測対象領域に設定された第1の格子の交点位置に設定されており、
前記第2の特定地点が、前記第1の格子内を等分に区画する第2の格子の交点位置に設定されている、請求項1又は2に記載の環境状態予測システム。
【請求項4】
隣接する第2の特定地点同士及び隣接する第1,第2の特定地点同士の間隔が、第1の予測対象領域と第2の予測対象領域とで互いに同一とされている、請求項1〜3のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項5】
前記第1の演算部が、前記予測対象領域よりもさらに狭い範囲の第3の予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点の環境状態予測情報を演算により求め、
前記表示制御部が、前記指定受付部によって前記第3の予測対象領域上で指定された任意の地点に最も近い前記第1の特定地点における環境状態予測情報を表示部に表示させる、請求項1〜4のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項6】
前記指定受付部が、複数の指定形態で任意の地点の指定を受付可能であり、
前記表示制御部が、前記指定受付部による指定形態に応じて異なる表示内容又は表示形態で環境状態予測情報を前記表示部に表示させる、請求項1〜5のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項7】
前記環境状態予測情報が、気象予測情報及び水象予測情報の少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記環境状態予測情報を数値データで前記表示部に表示させる請求項1〜7のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記指定受付部により指定された地点の環境状態によって生じ得る災害の予測情報を前記表示部に表示させる、請求項1〜8のいずれかに記載の環境状態予測システム。
【請求項10】
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における環境状態予測情報を所定の環境関連データを用いて演算により求める第1の演算工程と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における環境状態予測情報を、前記第1の特定地点における環境状態予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算工程と、
表示部に表示された前記予測対象領域上の任意の地点の指定を受け付ける指定受付工程と、
前記指定受付工程において指定された地点に最も近い前記第1の特定地点又は前記第2の特定地点における環境状態予測情報を前記表示部に表示させる表示工程と、
を含む環境状態予測情報の表示方法。
【請求項11】
気象又は水象状態を利用した発電装置についての発電予測システムであって、
予測対象領域内に設定された複数の第1の特定地点における気象又は水象情報を所定の気象又は水象関連データに基づいて演算により求める第1の演算部と、
前記予測対象領域内に設定され、かつ前記第1の特定地点とは異なる第2の特定地点における気象又は水象予測情報を、前記第1の特定地点における気象又は水象予測情報の演算結果を用いて補間する第2の演算部と、
前記第1及び第2の演算部による計算結果を取得する取得部と、
を備えている発電予測システム。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−233714(P2012−233714A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100621(P2011−100621)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)