説明

生成装置、生成方法およびプログラム

【課題】複数の表を列幅および行幅を維持した状態で1画面内に表示する。
【解決手段】複数のスプレッドシートを生成する生成部と、複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を利用者の操作に応じて設定する幅設定部と、生成部により生成された複数のスプレッドシートのうち、情報を入力する対象となるアクティブスプレッドシートを利用者の指示に応じて選択する選択部と、複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を維持した状態で、アクティブスプレッドシートのセル枠を有するシート画像上に、非アクティブなスプレッドシートのそれぞれのセル枠を有さないシート画像を重ねて表示する出力部と、を備える生成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレッドシートを生成する生成装置、生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
表形式のデータであるスプレッドシートが知られている。スプレッドシートは、格子状に配列された複数のセルを有し、これら複数のセルに各種の情報を格納する。スプレッドシートは、各セル内に、例えば文字、数値および計算式等の情報を格納することができる。また、スプレッドシートは、列幅および行幅を設定することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−328514号公報
【特許文献2】特開平8−147127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の表を1画面内に表示する場合、1個のスプレッドシートに複数の表のそれぞれを格納しなければならない。例えば、図1に示されるように、第1の表301および第2の表302を、1個のスプレッドシート内の異なる範囲に格納しなければならない。
【0005】
1個のスプレッドシートに格納された複数の表は、互いの一部の列または行の幅が共通となる場合がある。従って、スプレッドシートの列幅または行幅を、複数の表のうちの一の表に合わせて変更すると、他の表を適切に表示できない場合がある。例えば、図1に示されるスプレッドシートの列番号C〜Nおよび行番号10〜12の範囲には、第2の表302における各月の売上数量が格納される。従って、第2の表302を表示する上では、列番号C〜Nは、列幅が同一である方が好ましい。
【0006】
しかし、列番号C〜Dおよび行番号4〜6の範囲には、第1の表301における商品単価および説明が格納される。従って、列番号C〜Dの列幅を、第1の表301に合わせて設定すると、第2の表302の横方向のセル幅が統一されず、第2の表302を適切に表示できない。
【0007】
また、スプレッドシートは、例えば、図2に示されるスプレッドシートの列番号C〜Gおよび行番号3〜6の範囲に含まれる各セルのように、隣接セルを結合することもできる。スプレッドシートでは、このような結合機能を用いることにより、格納する複数の表のそれぞれを、適切に表示することができる。しかし、このような結合機能の操作は複雑である。さらに、複数の表を適切に表示するには、結合後のセルの幅を、結合されていない他のセルの幅の倍数に一致させなければならないので、列幅および行幅の調整が複雑となる。
【0008】
特許文献1には、スプレッドドシート内のセル幅とセル高とが最小である最小セルを設定し、最小セルを組み合わせて種別セルを設定し、種別セルを組み合わせて複数の表を表示する発明が記載されている。特許文献2には、スプレッドシートの行列仕様を再設定し、再設定後のスプレッドシートに行列変換後のブロック領域及び表を貼り付ける発明が記載されている。
【0009】
このような特許文献1に記載の発明および特許文献2に記載の発明のそれぞれは、異なる行幅または列幅を有する複数の表の最小のセルを求め、この最小セルを結合して、複数の表を1個のスプレッドシート内に混在させる。しかしながら、このよう発明では、最小セルを結合した後に、スプレッドシート内の一の表の列幅および行幅を調整すると、他の表の列幅および行幅も変更されてしまう。さらに、1個のスプレッドシートに混在させる表の数が多いと、セル構造が極めて細かくなるので、合成後のスプレッドシートの列幅および行幅を調整することが困難となる。
【0010】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるスプレッドシートを生成する生成装置、生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、第1および第2のスプレッドシートを生成する生成部と、前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する出力部と、を備える生成装置を提供する。さらに、情報処理装置をこのような生成装置として機能させる、生成方法およびプログラムを提供する。なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図3は、本実施形態に係る生成装置10の機能構成を示す。情報処理装置がプログラムを実行することにより、図3の機能構成を有する生成装置10が実現される。
【0014】
生成装置10は、複数のスプレッドシートを生成する。そして、生成装置10は、生成した複数のスプレッドシートをモニタの1画面内に同時に表示し、または、生成した複数のスプレッドシートをプリンタによって1枚の用紙に印刷する。生成装置10は、生成部20と、選択部22と、幅設定部24と、位置設定部26と、拡大縮小部28と、出力部30と、モード切替部32と、表示制御部34と、印刷設定部36とを備える。
【0015】
生成部20は、利用者が入力デバイスを用いて入力した情報に基づき、複数のスプレッドシートを生成する。本例においては、生成部20は、第1のシート生成部40−1と、第2のシート生成部40−1とを有し、第1および第2のスプレッドシートを生成する。
【0016】
選択部22は、生成部20により生成された複数のスプレッドシートのうち、情報を入力する対象となる一のアクティブスプレッドシートを利用者の指示に応じて選択する。本例においては、選択部22は、第1または第2のスプレッドシートの一方をアクティブスプレッドシートとして選択する。
【0017】
幅設定部24は、生成部20により生成される複数のスプレッドシート(本例では第1および第2のスプレッドシート)のそれぞれの列幅および行幅を、利用者の操作に応じて設定する。幅設定部24は、複数のスプレッドシート毎に互いに独立に、列幅および行幅を設定する。
【0018】
位置設定部26は、生成部20により生成される複数のスプレッドシート(本例では第1および第2のスプレッドシート)のそれぞれの表示位置を、利用者の操作に応じて設定する。位置設定部26は、複数のスプレッドシート毎に互いに独立に、表示位置を設定する。
【0019】
拡大縮小部28は、生成部20により生成される複数のスプレッドシート(本例では第1および第2のスプレッドシート)のそれぞれの表示の拡大率を、利用者の操作に応じて設定する。拡大縮小部28は、複数のスプレッドシート毎に互いに独立に、表示の拡大率を設定する。
【0020】
出力部30は、通常モードまたは合成モードのそれぞれで出力を切り替える。出力部30は、通常モードにおいて、生成部20により生成されたアクティブスプレッドシートの内容を出力する。出力部30は、合成モードにおいて、複数のスプレッドシートのそれぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、生成部20により生成されたアクティブスプレッドシートに、生成部20により生成された非アクティブなスプレッドシートの内容を重ねて出力する。本例においては、出力部30は、合成モードにおいて、第1および第2のスプレッドシートのそれぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、第1のスプレッドシート内に第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する。
【0021】
出力部30は、表示部42と、印刷部44とを有する。表示部42は、通常モードにおいて、アクティブスプレッドシートの内容をモニタに表示する。表示部42は、合成モードにおいて、アクティブスプレッドシートに非アクティブなスプレッドシートの内容を重ねて、モニタに表示する。
【0022】
印刷部44は、通常モードにおいて、アクティブスプレッドシートの内容をプリンタにより用紙に印刷する。印刷部44は、合成モードにおいて、アクティブスプレッドシートに非アクティブなスプレッドシートの内容を重ねて、プリンタにより用紙に印刷する。なお、合成モードにおける表示内容および印刷内容については、詳細を後述する。
【0023】
モード切替部32は、利用者の操作に応じて、通常モードまたは合成モードを切り替える。表示制御部34は、利用者の設定に応じて、出力部30によるスプレッドシートの表示を制御する。印刷設定部36は、利用者の操作に応じて、出力部30によるスプレッドシートの印刷範囲を設定する。
【0024】
図4は、モード切替またはアクティブスプレッドシートの切替が発生した場合の出力部30の処理フローの一例を示す。利用者の操作により、モード切替またはアクティブスプレッドシート切替が発生した場合、出力部30は、図4に示されるフローを実行する。
【0025】
まず、出力部30は、現在のモード(モード切替が発生した場合には切替後のモード)が、合成モードか否かを判断する(S11)。合成モードではない場合(即ち、通常モードの場合)、出力部30は、処理をステップS12に進める。合成モードの場合、出力部30は、処理をステップS13に進める。
【0026】
ステップS12において、出力部30は、アクティブスプレッドシートのシート画像をセル枠および見出しを付けて、モニタに表示する。なお、シート画像とは、スプレッドシートに格納された情報を示す画像をいう。
【0027】
一方、ステップS13において、出力部30は、アクティブスプレッドシートのシート画像を、セル枠および見出しを付けてモニタに表示する。続いて、ステップS14において、出力部30は、非アクティブなスプレッドシートのシート画像を、セル枠および見出しを付けずに、アクティブスプレッドシートのシート画像に重ねて、モニタに表示する。そして、ステップS12およびステップS14の処理を終えると、出力部30は、次にモード切替またはアクティブスプレッドシート切替が発生するまで処理を待機する。
【0028】
図5は、通常モードにおける、第1のスプレッドシートシート画像の表示例を示す。図6は、通常モードにおける、第2のスプレッドシートシート画像の表示例を示す。
【0029】
通常モードにおいて、第1のスプレッドシートがアクティブの場合、出力部30は、例えば、図5に示されるように、第1のスプレッドシートのシート画像101を、第1のスプレッドシートのセル枠111、列見出し112および行見出し113を付けて表示する。また、通常モードにおいて、第2のスプレッドシートがアクティブの場合、出力部30は、例えば、図6に示されるように、第2のスプレッドシートのシート画像102を、第2のスプレッドシートのセル枠121、列見出し122および行見出し123を付けて表示する。
【0030】
さらに、通常モードにおいて、出力部30は、生成部20により生成された複数のスプレッドシートのそれぞれうちから、アクティブスプレッドシートを選択するための選択画像を表示してよい。出力部30は、一例として、第1のスプレッドシートを選択するためのタグ131と、第2のスプレッドシートを選択するためのタグ132とを表示してよい。また、出力部30は、アクティブスプレッドシート内における利用者により指定されたセルの位置を示すカーソル140を更に表示してよい。
【0031】
図7は、合成モードにおける、複数のスプレッドシートのシート画像の表示例を示す。合成モードにおいて、出力部30は、セル枠および見出しを有するアクティブな第1のスプレッドシートのシート画像101に、セル枠および見出しを有さない非アクティブな第2のスプレッドシートのシート画像102を重ねて表示する。より詳しくは、出力部30は、第1のスプレッドシートのセル枠111、列見出し112および行見出し113が付けられた第1のスプレッドシートのシート画像101に、セル枠および見出しを有さない第2のスプレッドシートのシート画像102を重ねて表示する。
【0032】
更に、この場合において、出力部30は、第1および第2のスプレッドシートのそれぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、第1のスプレッドシートのシート画像101および第2のスプレッドシートのシート画像102のそれぞれを表示する。
【0033】
例えば、出力部30は、それぞれが独立に生成された複数のスプレッドシートのシート画像を合成して、合成画像を生成し、生成した合成画像をモニタにより表示してよい。例えば、シート画像の各ピクセルの値が、有効な輝度情報を有さない場合には0、有効な輝度情報を有する場合には1となる画像である場合、出力部30は、セル枠等を有する第1のスプレッドシートのシート画像と、セル枠等を有さない第2のスプレッドシートのシート画像との論理和画像を、合成画像として生成してよい。また、シート画像の各ピクセルの値が、有効な輝度情報を有さない場合には1、有効な輝度情報を有する場合には0となる画像である場合、出力部30は、セル枠等を有する第1のスプレッドシートのシート画像と、セル枠等を有さない第2のスプレッドシートのシート画像との論理積画像を、合成画像として生成してよい。
【0034】
また、出力部30は、一例として、αブレンディングを用いた合成を行ってもよい。例えば、出力部30は、アクティブスプレッドシートのセル枠及び見出し、アクティブスプレッドシートのブランクでないセル、および、非アクティブなスプレッドシートのブランクでないセルのそれぞれのα値を、完全不透明な値とする。更に、出力部30は、非アクティブなスプレッドシートのセル枠、アクティブスプレッドシートのブランクのセル、および、非アクティブなスプレッドシートのブランクのセルのそれぞれのα値を、完全透明な値とする。そして、出力部30は、このようなα値を持つアクティブスプレッドシートのシート画像を前側に、非アクティブなスプレッドシートのシート画像を後側に配置して表示する。
【0035】
αブレンディングでは、完全不透明の上側画像の背後に、完全不透明の下側画像がある場合、下側画像は表示されない。従って、出力部30は、このようにαブレンディングを用いた合成をすることにより、セル枠および見出しを有するアクティブスプレッドシートのシート画像に、セル枠および見出しを有さない非アクティブなスプレッドシートのシート画像を重ねた状態の表示をすることができる。なお、出力部30は、このような方法に限らず、いずれの方法により合成画像を生成してもよい。
【0036】
このような出力部30は、複雑な操作を行うことなく、それぞれの列幅、行幅、表示位置および表示拡大率を維持した状態で、複数のスプレッドシートを同時に表示することができる。これにより、生成装置10は、複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を、他のスプレッドシートの列幅および行幅に関わりなく、適切に設定して表示することができる。
【0037】
さらに、合成モードにおいて、出力部30は、アクティブスプレッドシートのセル枠および見出し、並びに、アクティブスプレッドシート内におけるセルの位置を指定するカーソル140を表示する。これにより、合成モードにおいて、生成装置10は、利用者に対して、アクティブスプレッドシートに対するセルの編集、および、列幅および行幅の変更、表示位置および表示拡大率の変更をさせることができる。
【0038】
さらに、合成モードにおいて、出力部30は、アクティブスプレッドシートを選択するための選択画像(本例においては、タグ131およびタグ132)を表示する。これにより、生成装置10は、合成モードを維持しながら、非アクティブなスプレッドシートを、アクティブスプレッドシートへと切り替えることができる。
【0039】
図8は、複数のスプレッドシートに対して設定された印刷範囲の一例を示す。図9は、複数のスプレッドシートのシート画像の印刷例を示す。
【0040】
合成モードにおいて、利用者により印刷操作がされた場合、出力部30は、印刷設定部36により印刷範囲141が設定されているか否かを判断する。印刷範囲141が設定されている場合、出力部30は、複数のスプレッドシートのシート画像のそれぞれについて、表示上において印刷範囲141に含まれる部分を抽出する。そして、出力部30は、複数のスプレッドシートのシート画像から抽出した各部分のそれぞれを、それぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、重ねて印刷する。
【0041】
本例においては、出力部30は、図8に示されるように、第1のスプレッドシートのシート画像101における表示上で印刷範囲141に含まれる部分、および、第2のスプレッドシートのシート画像102における表示上で印刷範囲141に含まれる部分を抽出する。そして、出力部30は、図9に示されるように、第1および第2のスプレッドシートのそれぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、第1のスプレッドシートのシート画像101から抽出した部分および第2のスプレッドシートのシート画像102から抽出した部分を重ねて、用紙151に印刷する。
【0042】
出力部30は、合成モードにおいて、このように印刷することにより、それぞれのスプレッドシートに対して複雑な操作を行うことなく、複数のスプレッドシートをそれぞれの列幅、行幅、表示位置および表示拡大率を維持した状態で、同時に利用者に印刷することができる。これにより、生成装置10は、複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を、他のスプレッドシートの列幅および行幅に関わりなく、適切に表示することができる。
【0043】
このような出力部30は、複雑な操作を行うことなく、それぞれの列幅、行幅、表示位置および表示拡大率を維持した状態で、複数のスプレッドシートを1枚の用紙に印刷することができる。これにより、生成装置10は、複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を、他のスプレッドシートの列幅および行幅に関わりなく、適切に設定して印刷することができる。
【0044】
なお、出力部30は、印刷範囲141が設定されていない場合には、複数のスプレッドシートのシート画像のそれぞれについて、予め定められた基準位置(例えば、列番号A,行番号1のセル)から、予め定められた範囲に含まれる部分を抽出する。そして、出力部30は、複数のスプレッドシートのシート画像から抽出した各部分のそれぞれを、それぞれの行幅、列幅、表示位置および拡大率を維持した状態で、重ねて印刷してよい。
【0045】
図10は、アクティブまたは非アクティブで輝度を変えた、スプレッドシートのシート画像の表示例を示す。合成モードにおいて、出力部30は、アクティブスプレッドシートのシート画像を、非アクティブなスプレッドシートのそれぞれのシート画像とは異なる輝度または色で表示してよい。
【0046】
例えば、第1のスプレッドシートがアクティブであり、第2および第3のスプレッドシートが非アクティブであるとする。このような場合、出力部30は、例えば、図10に示されるように、第1のスプレッドシートのシート画像101を濃く表示し、第2および第3のスプレッドシートのシート画像102およびシート画像103を薄く表示してよい。これにより、出力部30は、多数のスプレッドシートを同時に表示する場合であっても、利用者に対して、どのスプレッドシートがアクティブであるかを視覚的に認識させることができる。
【0047】
図11は、輝度をシート順に変化させた複数のスプレッドシートのシート画像の表示例を示す。合成モードにおいて、出力部30は、複数のスプレッドシートのそれぞれのシート画像を、複数のスプレッドシートのシート順においてアクティブスプレッドシートから離れるに従って輝度を変化させて表示してよい。
【0048】
出力部30は、一例として、シート順がアクティブスプレッドシートから離れるに従って、スプレッドシートのシート画像の輝度を所定値ずつ上げてよい。これに代えて、出力部30は、一例として、シート順がアクティブスプレッドシートから離れるに従って、スプレッドシートのシート画像の輝度を所定値ずつ下げてもよい。これにより、出力部30は、多数のスプレッドシートを同時に表示する場合であっても、利用者に対して、複数のスプレッドシートのそれぞれのシート順を視覚的に認識させることができる。
【0049】
また、合成モードにおいて、出力部30は、予め定められた操作がされたこと(例えば所定のボタンが押されたこと)を条件として、複数のスプレッドシートのそれぞれのシート画像を互いに異なる輝度または色で表示してよい。これとともに、出力部30は、複数のスプレッドシートのそれぞれの、アクティブスプレッドシートを利用者に選択させるための選択画像(例えば、タグ131〜タグ133)を、対応する輝度または色(例えば、対応するスプレッドシートと同一の輝度または色)で表示してよい。これにより、出力部30は、多数のスプレッドシートを同時に表示する場合であっても、利用者に対して、それぞれのスプレッドシートの選択画像とシート画像との対応関係を視覚的に認識させることができるので、アクティブスプレッドシートの切り替えを容易に行わせることができる。
【0050】
さらに、合成モードにおいて、選択部22は、複数のスプレッドシートのそれぞれのうちから、カーソル140の位置に対応するセルに情報を格納したスプレッドシートを検索し、検索したスプレッドシートをアクティブとしてもよい。例えば、選択部22は、所定の操作をしている状態(例えば所定のキーを押している状態)でカーソル140を移動させた場合、カーソル140の位置に対応するセルに情報を格納したスプレッドシートを検索し、検索したスプレッドシートをアクティブとしてもよい。これにより、選択部22は、複数のスプレッドシートのシート画像を同時に表示している状態で、非アクティブなスプレッドシートの内容(文字、数値、計算式等)をカーソル140により指定した場合、当該内容を含んだスプレッドシートを自動的にアクティブにすることができる。
【0051】
さらに、合成モードにおいて、選択部22は、複数のスプレッドシートのうちのアクティブスプレッドシートを、利用者により切替操作がされる毎に順次に切り替えてもよい。選択部22は、例えば、予め定められたボタンが利用者に押される毎に、アクティブスプレッドシートをシート順に切り替えてよい。これにより、選択部22は、多数のスプレッドシートを同時に表示する場合であっても、利用者に対して、アクティブスプレッドシートの切り替えを容易に行わせることができる。
【0052】
図12は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0053】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0054】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
【0055】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0056】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0057】
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を生成装置10として機能させるプログラムは、生成モジュールと、選択モジュールと、幅設定モジュールと、位置設定モジュールと、拡大縮小モジュールと、出力モジュールと、モード切替モジュールと、表示制御モジュールと、印刷設定モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、生成部20、選択部22、幅設定部24、位置設定部26、拡大縮小部28、出力部30、モード切替部32、表示制御部34および印刷設定部36としてそれぞれ機能させる。
【0058】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である生成部20、選択部22、幅設定部24、位置設定部26、拡大縮小部28、出力部30、モード切替部32、表示制御部34および印刷設定部36として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の生成装置10が構築される。
【0059】
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0060】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0061】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
【0062】
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0063】
また、本明細書中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。明細書中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0064】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】複数の表を格納したスプレッドシートの第1の表示例を示す。
【図2】複数の表を格納したスプレッドシートの第2の表示例を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る生成装置10の機能構成を示す。
【図4】モード切替またはアクティブスプレッドシートの切替が発生した場合の出力部30の処理フローの一例を示す。
【図5】通常モードにおける、第1のスプレッドシートシート画像の表示例を示す。
【図6】通常モードにおける、第2のスプレッドシートシート画像の表示例を示す。
【図7】合成モードにおける、複数のスプレッドシートのシート画像の表示例を示す。
【図8】複数のスプレッドシートに対して設定された印刷範囲の一例を示す。
【図9】複数のスプレッドシートのシート画像の印刷例を示す。
【図10】アクティブまたは非アクティブで輝度を変えた、スプレッドシートのシート画像の表示例を示す。
【図11】輝度をシート順に変化させた複数のスプレッドシートのシート画像の表示例を示す。
【図12】本発明の実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
【符号の説明】
【0067】
10 生成装置
20 生成部
22 選択部
24 幅設定部
26 位置設定部
28 拡大縮小部
30 出力部
32 モード切替部
34 表示制御部
36 印刷設定部
40 シート生成部
42 表示部
44 印刷部
101,102,103 シート画像
111,121 セル枠
112,122 列見出し
113,123 行見出し
131,132,133 タグ
140 カーソル
141 印刷範囲
151 用紙
301,302 表
1900 コンピュータ
2000 CPU
2010 ROM
2020 RAM
2030 通信インターフェイス
2040 ハードディスクドライブ
2050 フレキシブルディスク・ドライブ
2060 CD−ROMドライブ
2070 入出力チップ
2075 グラフィック・コントローラ
2080 表示装置
2082 ホスト・コントローラ
2084 入出力コントローラ
2090 フレキシブルディスク
2095 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のスプレッドシートを生成する生成部と、
前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する出力部と、
を備える生成装置。
【請求項2】
前記第1および第2のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を利用者の操作に応じて設定する幅設定部を更に備え、
前記出力部は、前記第1および第2のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を維持した状態で、前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する
請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記第1のスプレッドシートのシート画像と、前記第2のスプレッドシートのシート画像との論理和画像を出力する
請求項1から2の何れかに記載の生成装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて表示する
請求項1から3の何れかに記載の生成装置。
【請求項5】
前記出力部は、セル枠を有する前記第1のスプレッドシートのシート画像に、セル枠を有さない前記第1のスプレッドシートのシート画像を重ねて表示する
請求項4に記載の生成装置。
【請求項6】
前記生成部により生成された複数のスプレッドシートのうち、情報を入力する対象となるアクティブスプレッドシートを利用者の指示に応じて選択する選択部を更に備え、
前記出力部は、セル枠を有する前記アクティブスプレッドシートのシート画像に、セル枠を有さない非アクティブな前記スプレッドシートのそれぞれの前記シート画像を重ねて表示する
請求項1から5の何れかに記載の生成装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記アクティブスプレッドシートの前記シート画像を、非アクティブなスプレッドシートのそれぞれの前記シート画像とは異なる輝度または色で表示する
請求項6に記載の生成装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記複数のスプレッドシートのそれぞれのシート画像を、前記複数のスプレッドシートのシート順において前記アクティブスプレッドシートから離れるに従って輝度を変化させて表示する
請求項7に記載の生成装置。
【請求項9】
前記出力部は、予め定められた操作がされたことを条件として、前記複数のスプレッドシートのそれぞれのシート画像を互いに異なる輝度または色で表示するとともに、前記複数のスプレッドシートのそれぞれの、前記アクティブスプレッドシートを利用者に選択させるための選択画像を対応する輝度または色で表示する
請求項8に記載の生成装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記複数のスプレッドシートのそれぞれのうちから、カーソルの位置に対応するセルに情報を格納したスプレッドシートを検索し、検索したスプレッドシートをアクティブとする
請求項6から9の何れかに記載の生成装置。
【請求項11】
前記選択部は、前記複数のスプレッドシートのうちのアクティブスプレッドシートを、利用者により切替操作がされる毎に順次に切り替える
請求項6から10の何れかに記載の生成装置。
【請求項12】
利用者の操作に応じて印刷範囲を設定する印刷設定部を更に備え、
前記出力部は、前記複数のスプレッドシートのシート画像のそれぞれについて、表示上において前記印刷範囲に含まれる部分を抽出し、抽出したシート画像の部分のそれぞれを重ねて印刷する
請求項6から11の何れかに記載の生成装置。
【請求項13】
複数のスプレッドシートを生成する生成部と、
前記複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を利用者の操作に応じて設定する幅設定部と、
前記生成部により生成された複数のスプレッドシートのうち、情報を入力する対象となるアクティブスプレッドシートを利用者の指示に応じて選択する選択部と、
前記複数のスプレッドシートのそれぞれの列幅および行幅を維持した状態で、セル枠を有する前記アクティブスプレッドシートのシート画像に、セル枠を有さない非アクティブな前記スプレッドシートのそれぞれの前記シート画像を重ねて表示する出力部と、
を備える生成装置。
【請求項14】
情報処理装置により実現された生成部が、第1および第2のスプレッドシートを生成し、
前記情報処理装置が実現した出力部が、前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する
を備える生成方法。
【請求項15】
情報処理装置により実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置を、
第1および第2のスプレッドシートを生成する生成部と、
前記第1のスプレッドシート内に前記第2のスプレッドシートの内容を重ねて出力する出力部と
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−39553(P2010−39553A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198597(P2008−198597)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100143502
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 英也