男性用失禁パッド
【課題】携帯性に優れ、立体形状に形成可能な男性用失禁パッドを提供する。
【解決手段】長手方向yと幅方向xを有するアウター部材2と、アウター部材2の肌面側に設けられた吸収体11とを有する男性用失禁パッド1であって、アウター部材2は、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有し、プリーツ部3は幅方向xの両端が固定されている。
【解決手段】長手方向yと幅方向xを有するアウター部材2と、アウター部材2の肌面側に設けられた吸収体11とを有する男性用失禁パッド1であって、アウター部材2は、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有し、プリーツ部3は幅方向xの両端が固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性用失禁パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、男性用の失禁パッドが知られており、男性用失禁パッドは男性器に宛がって用いられる。例えば特許文献1には、襞状に折り曲げられた襞状部を有し、襞状部の折り曲げ状態を2箇所以上の位置で固定する接合部を設けることにより、外面側が突出するように湾曲して形成された男性用失禁パッドが開示されている。この男性用失禁パッドは、接合部における固定部位を段階的に解除することにより、襞状部の折り曲げ状態を解除され、男性用失禁パッドの立体形状の深さを調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−207504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に男性用失禁パッドは、男性器に宛がって用いられるため、使用時には立体形状を有することが好ましい。一方、立体形状の男性用失禁パッドは嵩張ったりして、携帯性に課題がある。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯性に優れ、立体形状に形成可能な男性用失禁パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の男性用失禁パッドとは、長手方向と幅方向を有するアウター部材と、アウター部材の肌面側に設けられた吸収体とを有する男性用失禁パッドであって、アウター部材は、長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、プリーツ部は幅方向の両端が固定されているところに特徴を有する。本発明の男性用失禁パッドは、アウター部材がプリーツ部を有しているため、使用前はプリーツ部が折り畳まれてアウター部材がコンパクトな平面状に形成され、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッドの使用の際には、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、アウター部材が吸収体を内側に収めたカップ状に形成することができるため、男性器を好適に収容できるようになる。また、プリーツ部の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じてカップ形状を調節することが可能となり、男性器へのフィット性を高めることができる。
【0006】
吸収体は、長手方向の端縁に切欠きが形成されていることが好ましい。吸収体の長手方向の端縁に切欠きが形成されていれば、吸収体をカップ状に形成しやすくなる。そのため、カップ状に形成されたアウター部材の肌側面に沿うように吸収体を形成することが容易となる。
【0007】
吸収体は、アウター部材のプリーツ部以外の部分に固定され、プリーツ部には固定されていないことが好ましい。吸収体がアウター部材に固定されていれば、男性用失禁パッドは吸収体とアウター部材を一体化して取り扱うことができる。そして、吸収体がアウター部材のプリーツ部に固定されていなければ、男性用失禁パッドの着用の際、プリーツ部の折り畳みを展開しやすくなる。
【0008】
アウター部材は、吸収体が固定された部分の長手方向の両側に、プリーツ部が各々設けられていることが好ましい。このようにアウター部材にプリーツ部が設けられていれば、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、アウター部材を、男性器を好適に収容できるようなカップ状に形成しやすくなる。
【0009】
吸収体はアウター部材に固定されていなくてもよい。吸収体がアウター部材に固定されていなければ、男性用失禁パッドは、着用者が失禁した際、吸収体のみを交換してアウター部材をそのまま使い続けるような使用方法が可能となる。従って、着用者にとっては経済的に男性用失禁パッドを使用することができる。
【0010】
吸収体がアウター部材に固定されていない場合、吸収体の外面側および/またはアウター部材の肌面側に接合手段が設けられ、吸収体が接合手段によりアウター部材に着脱可能に形成されていることが好ましい。吸収体の外面側および/またはアウター部材の肌面側に接合手段が設けられていれば、接合手段により吸収体をアウター部材に好適に固定でき、男性用失禁パッドの着用の際に吸収体がずれたり外れたりしにくくなる。また、着用者が失禁した際は、吸収体をアウター部材から取り外すことが容易になる。
【0011】
吸収体は、プリーツ部が折り畳まれた状態で、長手方向に対しアウター部材と同じかそれよりも長く形成され、プリーツ部が展開した状態で、長手方向に対しアウター部材よりも短く形成されていることが好ましい。吸収体がアウター部材に対しこのような関係で形成されていれば、カップ状に形成されたアウター部材の内側に吸収体が好適に保持されやすくなる。また、吸収体の大きさが十分確保され、吸収体によって着用者から排泄された尿が好適に吸収されるようになる。
【0012】
男性用失禁パッドは、アウター部材の長手方向の端部の肌面側に、幅方向に対する端部がアウター部材に固定された第1押さえ部材が設けられ、アウター部材がカップ状に形成された状態で、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第1押さえ部材との間に保持されるものであることが好ましい。このようにアウター部材に第1押さえ部材が設けられていれば、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に保持されるようになる。
【0013】
男性用失禁パッドは、アウター部材の長手方向の端部の外面側に、幅方向に対する端部がアウター部材に固定された第2押さえ部材が設けられ、第2押さえ部材の表裏を反転させて第2押さえ部材をアウター部材の肌面側に移動させることにより、アウター部材がカップ状に形成された状態で、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第2押さえ部材との間に保持されるものであることも好ましい。アウター部材に第2押さえ部材が設けられていれば、第2押さえ部材の表裏を反転させながらアウター部材をカップ状に形成することが容易になる。従って、アウター部材をカップ状に形成した際、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第2押さえ部材との間に自然に保持されやすくなり、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に収められるようになる。
【0014】
男性用失禁パッドは、アウター部材の幅方向の両側の肌面側に、幅方向の外方がアウター部材に固定された第3押さえ部材が設けられていることが好ましい。アウター部材に第3押さえ部材が設けられていれば、アウター部材をカップ状に形成した際、第3押さえ部材がカップ形状の側壁の一部を形成し、男性用失禁パッドが底の深いカップ形状に形成されるようになる。従って、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に収められるようになるとともに、男性用失禁パッドが男性器を好適に収容できるようになる。
【0015】
アウター部材の外面側には、プリーツ部の谷折りの一方側に粘着部が設けられ、他方側に粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられていることが好ましい。このようにアウター部材の外側に粘着部と剥離部が設けられていれば、プリーツ部の折り畳みを展開することで粘着部が露出するようになる。そのため、一般に粘着剤や粘着テープを使用する際に行われる剥離シートを剥がす作業が省かれ、簡単に粘着部を露出することができ、男性用失禁パッドを着用者のパンツの内側に簡単に固定できるようになる。
【0016】
吸収体は、長手方向および/または幅方向の端縁に切欠きが形成され、吸収体の肌面側に、切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられていてもよい。吸収体の肌面側に切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられていれば、第2接合手段により吸収体をカップ形状に保持しやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の男性用失禁パッドは、アウター部材がプリーツ部を有しているため、使用前はプリーツ部が折り畳まれてアウター部材がコンパクトな平面状に形成され、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッドの使用の際には、プリーツ部の折り畳みを展開することによりアウター部材をカップ状に形成することができるため、男性器を好適に収容できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の男性用失禁パッド(第1実施態様)を外面側から見た平面図を表す。
【図2】図1に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表す。
【図3】図1に示した男性用失禁パッドのA−A断面図を表す。
【図4】図1に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成し、外面側から見た斜視図を表す。
【図5】図4に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た斜視図を表す。
【図6】本発明の男性用失禁パッド(第2実施態様)を外面側から見た平面図を表す。
【図7】図6に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表す。
【図8】図6に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成し、外面側から見た斜視図を表す。
【図9】図8に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た斜視図を表す。
【図10】図6に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成する際に、第2押さえ部材の表裏を反転させて、第2押さえ部材をアウター部材の外面側から肌面側に移動させる方法を表す。
【図11】接合手段が備えられた吸収体の一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の男性用失禁パッドについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0020】
図1〜図5には、本発明の男性用失禁パッドの第1実施態様を示す。図1は第1実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た平面図を表し、図2は図1に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表し、図3は図1のA−A断面図を表し、図4はカップ状に形成した第1実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た斜視図を表し、図5は図4に示したカップ状に形成された男性用失禁パッドを肌側面から見た斜視図を表す。なお、本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
【0021】
本発明の男性用失禁パッド1は、長手方向yと幅方向xを有するアウター部材2と、アウター部材2の肌面側に設けられた吸収体11とを有する。男性用失禁パッド1を使用する際、吸収体11は着用者の肌に面するように位置し、アウター部材2は着用者とは反対側すなわち外側に位置する。
【0022】
本発明において、長手方向とは、男性用失禁パッドを着用の際、着用者の股間の前後方向(上下方向)に延びる方向に相当し、幅方向とは、着用者の左右方向に延びる方向に相当する。肌面側とは、男性用失禁パッドを着用する際に着用者の肌に向く側を意味し、外面側とは、着用者とは反対に向く側を意味する。
【0023】
本発明の男性用失禁パッド1は、使用前は、図1や図2に示すようにアウター部材2が平面状に形成される。すなわち、アウターシート2のプリーツ部3が折り畳まれた状態に形成される。なお男性用失禁パッド1は、使用前の状態は図1や図2に示す態様に限定されず、例えば、幅方向xまたは長手方向yにさらに折り畳まれていてもよい。
【0024】
男性用失禁パッド1は、使用時には、図4や図5に示すようにアウター部材2が吸収体11を内側に収めたカップ状に形成される。男性用失禁パッド1は、使用の際、カップ形状の内部に男性器を収容して着用される。なお、カップ形状とは一方側に膨らんだ形状を意味し、例えば、カップ形状の開口が同一平面に形成される必要はない。
【0025】
男性用失禁パッド1は、カップ状に形成されることにより、通常は、陰茎と陰嚢の両方を覆うように使用される。つまり、男性用失禁パッド1は、陰茎と、陰嚢の一部または全部を覆うものであることが好ましい。
【0026】
アウター部材2は、図1や図3に示すように、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有している。そして、プリーツ部3は幅方向xの両端が接合部6で固定されている。具体的には、アウター部材2は、幅方向xの両端で、山折り4を挟んだ両側および谷折り5を挟んだ両側が接合されている。そのため、プリーツ部3の折り畳みを展開すると、図4および図5に示されるように、アウター部材2がカップ状に形成される。接合部6は、接着剤、熱融着、超音波融着等の公知の接合手段により形成されればよい。
【0027】
本発明において、山折り4と谷折り5はアウター部材2の外面側から見て定められるものとする。また、プリーツ部3とは、図1や図2に示すようにアウター部材2が平面状に形成された状態で、アウター部材2のうち、接合部6で接合された山折り4から谷折り5に至る部分およびそれと重なる部分を意味する。
【0028】
図1では、プリーツ部3が長手方向yの両側に2つずつ設けられている。各プリーツ部3は、アウター部材2が長手方向yに折り畳まれて形成される。この際、各プリーツ部3は、少なくとも1つずつ形成された山折り4と谷折り5で折られることにより形成される。各プリーツ部3は、例えば図3に示すように、山折り4と谷折り5が1つずつ形成されてもよいし、図には示されていないが、山折り4と谷折り5が2つ以上ずつ形成されて、山折り4(あるいは谷折り5)により形成される2つ以上のひだが重なり合うように形成されてもよい。
【0029】
山折り4と谷折り5は、長手方向yに並んで配される限りその延在方向は特に限定されないが、好ましくは、山折り4と谷折り5は幅方向xに対し略平行に形成される。また、山折り4と谷折り5は互いに同じ数だけ形成されることが好ましく、山折り4と谷折り5がそれぞれ複数形成される場合は、山折り4と谷折り5は交互に形成されることが好ましい。
【0030】
アウター部材2が、男性器を好適に収容できるようなカップ状に形成されるためには、図1に示すように、アウター部材2の長手方向yの中心の両側に、プリーツ部3が各々設けられていることが好ましい。このようにプリーツ部3が設けられることにより、陰茎と陰嚢の両方を好適に収容しやすくなる。
【0031】
プリーツ部3は、図1に示すように、アウター部材2の長手方向yの中心の両側に2つずつ設けられていることがより好ましい。このようにプリーツ部3が設けられていれば、プリーツ部3でアウター部材2が適度に屈曲し、底の深いカップ形状を形成しやすくなる。そのため、カップ状に形成されたアウター部材2に男性器を好適に収容できるようになる。
【0032】
各プリーツ部3は、長手方向yの中心側にまず山折り4が設けられるように形成されることが好ましい。具体的には、プリーツ部3を展開した状態で、各プリーツ部3には、長手方向yの中心側にまず山折り4が形成されることが好ましい。図1では、長手方向yの中心側にまず山折り4が設けられ、次いで、長手方向yの外方に谷折り5が設けられている。このようにプリーツ部3が形成されていれば、男性用失禁パッド1を男性器を収容してパンツの内側に固定した際、パンツの外側から見てプリーツ部3の折り目が分かりにくくなり、男性用失禁パッド1を装着することの心理的負荷が低減する。
【0033】
アウター部材2の形状は特に限定されない。アウター部材2の形状は、図1や図2に示すように長方形であってもよく、また円形、楕円形、多角形(角の丸まった多角形を含む)等であってもよい。好ましくは、アウター部材2は幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる中心線に対し)線対称に形成される。さらに、アウター部材2は長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる中心線に対し)線対称に形成されることも好ましく、このようにアウター部材2が形成されていれば、着用者は、アウター部材2の前後方向(上下方向)を気にせずに着用しやすくなる。
【0034】
アウター部材2には、長手方向yの端部の肌面側に、幅方向xに対する端部がアウター部材2に固定された第1押さえ部材8が設けられることが好ましい。そして、アウター部材2がカップ状に形成された状態で、図5に示すように、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第1押さえ部材8との間に保持されることが好ましい。このようにアウター部材2に第1押さえ部材8が設けられることにより、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に保持されるようになる。第1押さえ部材8は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、図3に示すように、アウター部材2の長手方向yの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0035】
なお、図には示されていないが、アウター部材2の外面側には、粘着剤やフック・ループ・ファスナー等の固定手段が設けられていてもよい。アウター部材2の外面側に固定手段が設けられていれば、固定手段により男性用失禁パッド1を着用者のパンツの内側に好適に固定できるようになる。
【0036】
好ましくは、アウター部材2の外面側に設けられる固定手段として、粘着部がプリーツ部3の谷折り5の一方側に設けられ、他方側に粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられる。このとき、粘着部は、プリーツ部3が折り畳まれた状態で、アウター部材2の外面側に露出していないことが好ましい。粘着部は、アウター部材2に粘着剤が塗布されたり、粘着テープが貼り付けられることにより形成されればよい。剥離部は、例えば、アウター部材2にプラスチックフィルムが取り付けられて形成されたり、あるいはアウター部材2をプラスチックフィルムで構成することにより形成されてもよい。プリーツ部3の谷折り5の一方側に粘着部が設けられ、他方側に剥離部が設けられていれば、プリーツ部3の折り畳みを展開することで粘着部が露出するようになる。そのため、一般に粘着剤や粘着テープを使用する際に行われる剥離シートを剥がす作業が省かれ、簡単に粘着部を露出することができ、男性用失禁パッド1を着用者のパンツの内側に簡単に固定できるようになる。
【0037】
吸収体11は、着用者から排泄された尿を吸収するものであり、アウター部材2の肌面側に設けられる。男性用失禁パッド1の使用の際、アウター部材2がカップ状に形成されると、図5に示すように、吸収体11はカップ形状の内側に収められる。
【0038】
図1および図2では、吸収体11はアウター部材2に固定部7で固定されている。つまり、吸収体11は、男性用失禁パッド1の使用前からアウター部材2に固定されている。吸収体11は、接着剤等の固定手段によりアウター部材2に固定されればよい。
【0039】
固定部7はプリーツ部3以外の場所に設けられることが好ましい。従って、吸収体11は、アウター部材2のプリーツ部3以外の部分に固定され、プリーツ部3には固定されていないことが好ましい。さらに、吸収体11は、プリーツ部3を跨いでアウター部材2に固定されていないことが好ましい。このように吸収体11がアウター部材2に固定されていれば、男性用失禁パッド1の着用の際、プリーツ部3の折り畳みを展開しやすくなる。
【0040】
固定部7は、アウター部材2の長手方向yの中心付近に設けられることが好ましい。また、アウター部材2には、固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が各々設けられていることが好ましく、固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が2つずつ設けられていることがより好ましい。このように男性用失禁パッド1が形成されていれば、アウター部材2のプリーツ部3の折り畳みを展開することにより、男性用失禁パッド1を、吸収体11が内側に収めたカップ状に形成しやすくなる。またこの際、各プリーツ部3は、固定部7側にまず山折り4が設けられるように形成されることが好ましい。
【0041】
なお、図には示されていないが、吸収体11は、アウター部材2に固定されていなくてもよい。例えば、男性用失禁パッド1の使用の際に、アウター部材2の肌面側に吸収体11を重ね、アウター部材2のプリーツ部3の折り畳みを展開することにより、アウター部材2を吸収体11を内側に収めたカップ状に形成し、男性用失禁パッド1を装着してもよい。吸収体11がアウター部材2に固定されていなければ、男性用失禁パッド1は、着用者が失禁した際、吸収体11のみを交換してアウター部材2をそのまま使い続けるような使用方法が可能となる。従って、着用者にとっては経済的に男性用失禁パッド1を使用することができる。
【0042】
吸収体11がアウター部材2に固定されていない場合、吸収体11の外面側および/またはアウター部材2の肌面側には接合手段が設けられ、吸収体11が接合手段によりアウター部材2に着脱可能に形成されていることが好ましい。接合手段は、固定部7と同じような位置に設けられればよい。すなわち、接合手段がアウター部材2に設けられる場合は、プリーツ部3以外の部分に設けられることが好ましく、接合手段が吸収体11に設けられる場合は、接合手段がプリーツ部3と接合しないような位置に設けられることが好ましい。吸収体11の外面側および/またはアウター部材2の肌面側に接合手段が設けられていれば、接合手段により吸収体11をアウター部材2に好適に固定でき、男性用失禁パッド1の着用の際に吸収体11がずれたり外れたりしにくくなる。また、着用者が失禁した際は、吸収体11をアウター部材2から取り外すことが容易になる。
【0043】
接合手段としては、フック・ループ・ファスナーや粘着剤等が挙げられる。具体的には、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方にフック・ループ・ファスナーのフック部材が設けられ、他方にフック・ループ・ファスナーのループ部材が設けられる態様、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方に粘着剤が設けられ、他方にプラスチックフィルムが設けられる態様等が示される。ループ部材としては不織布を用いてもよく、この場合、吸収体11の外面側またはアウター部材2の肌面側を不織布で構成してもよい。また、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方にプラスチックフィルムを設ける場合は、吸収体11の外面側またはアウター部材2の肌面側をプラスチックフィルムで構成してもよい。
【0044】
吸収体11の形状は特に限定されない。吸収体11の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形(角の丸まった多角形を含む)、砂時計形等が挙げられる。好ましくは、吸収体11は幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる中心線に対し)線対称に形成される。さらに、吸収体11は、長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる中心線に対し)線対称に形成されることも好ましい。
【0045】
吸収体11は、アウター部材2に対し、次のように形成されていることが好ましい。すなわち、吸収体11は、アウター部材2のプリーツ部3が折り畳まれた状態で、長手方向yに対しアウター部材2と同じかそれよりも長く形成され、アウター部材2のプリーツ部3が展開した状態で、長手方向yに対しアウター部材2よりも短く形成されていることが好ましい。なお、プリーツ部3が折り畳まれた状態とは、プリーツ部3が複数ある場合は、全てのプリーツ部が折り畳まれた状態を意味し、プリーツ部3が展開した状態とは、全てのプリーツ部が展開した状態を意味する。プリーツ部3が展開した状態でのアウター部材2の長手方向yの長さは、プリーツ部3の接合部6の接合を解いた状態で測定する。吸収体11がアウター部材2に対しこのような関係で形成されていれば、カップ状に形成されたアウター部材2の内側に吸収体11が好適に保持されやすくなる。また、吸収体11の大きさが十分確保され、吸収体11により着用者から排泄された尿が好適に吸収されるようになる。なお、吸収体11は、幅方向xに対しては、アウター部材2と同じかそれよりも短く形成されていることが好ましい。
【0046】
吸収体11は、図2に示されるように、長手方向yの端縁に切欠き12が形成されていることが好ましい。より好ましくは、切欠き12は、吸収体11の長手方向yの両端縁に形成される。吸収体11の長手方向yの端縁に切欠き12が形成されていれば、吸収体11をカップ状に形成しやすくなる。すなわち、吸収体11を幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる折り目で)折り曲げことで、カップ状に形成されたアウター部材2の肌側面に沿うように吸収体11を形成することが容易となる。そのため、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになる。
【0047】
吸収体11がカップ状に好適に形成されるために、切欠き12は次のように形成されることが好ましい。すなわち、切欠き12は吸収体11の幅方向xの中心線(すなわち、長手方向yに延びる中心線)を跨ぐように形成されることが好ましく、さらに、幅方向xの中心線に対し線対称に形成されることがより好ましい。切欠き12の形状としては、切欠き12は略V字状に形成されていることが好ましい。すなわち、切欠き12は、吸収体11の長手方向yの端縁から内方に向かって幅方向xの長さが漸減するように形成されていることが好ましい。
【0048】
以上のように、本発明の男性用失禁パッド1は、アウター部材2がプリーツ部3を有しているため、使用前はアウター部材2が平面状に折り畳まれ、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッド1の使用の際には、プリーツ部3の折り畳みを展開することによりアウター部材2がカップ状に形成され、男性器を好適に収容できるようになる。また、カップ状に形成されたアウター部材2の内側に収められた吸収体により、尿が好適に吸収されるようになる。さらに、プリーツ部3の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じてカップ形状を調節することが可能となり、男性器へのフィット性を高めることができる。
【0049】
次に本発明の男性用失禁パッドの別の実施態様について説明する。図6〜図9には、本発明の男性用失禁パッドの第2実施態様を示す。図6は第2実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た平面図を表し、図7は図6に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表し、図8はカップ状に形成した第2実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た斜視図を表し、図9は図8に示したカップ状に形成された男性用失禁パッドを肌側面から見た斜視図を表す。なお下記の説明において、図1〜図5に示した第1実施態様と重複する部分の説明は省略する。
【0050】
第2実施態様に係る男性用失禁パッド1では、図6に示すように、アウター部材2が、角の丸まった八角形の形状に形成されている。このようにアウター部材2が長手方向yの外方に向かって幅方向xの長さが漸減するように形成されていれば、男性用失禁パッド1が着用者の股間でコンパクトに収まりやすくなる。
【0051】
図6では、男性用失禁パッド1は、アウター部材2の長手方向yの端部の外面側に、幅方向xに対する端部がアウター部材2に固定された第2押さえ部材9が設けられている。このように、男性用失禁パッド1には第2押さえ部材9が備わっていることも好ましく、その結果、図10に示されるように、アウター部材2をカップ状に形成する際に、第2押さえ部材9の表裏を反転させて第2押さえ部材9をアウター部材2の肌面側に移動させることにより(図10(a)参照)、アウター部材2がカップ状に形成された状態で、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第2押さえ部材9との間に保持されるようになる(図10(b)参照)。このようにアウター部材2に第2押さえ部材9が設けられていれば、第2押さえ部材9の表裏を反転させながらアウター部材2をカップ状に形成することが容易になる。従って、アウター部材2をカップ状に形成した際、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第2押さえ部材9との間に自然に保持されやすくなり、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになる。第2押さえ部材9は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、アウター部材2の長手方向yの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0052】
図6では、男性用失禁パッド1は、アウター部材2の幅方向xの両側の肌面側に、幅方向xの外方がアウター部材2に固定された第3押さえ部材10が設けられている。このように、男性用失禁パッド1には第3押さえ部材10が備わっていることも好ましい。第3押さえ部材10が設けられていれば、図8および図9に示すように、アウター部材2をカップ状に形成した際、第3押さえ部材10がカップ形状の側壁の一部を形成し、男性用失禁パッド1が底の深いカップ形状に形成されるようになる。従って、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになるとともに、男性用失禁パッド1が男性器を好適に収容できるようになる。第3押さえ部材10は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、アウター部材2の幅方向xの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0053】
第2実施態様に係る男性用失禁パッド1では、図7に示すように、吸収体11の長手方向yの端縁に切欠き12が形成されているとともに、幅方向xの端縁にも切欠き13が形成されている。吸収体11の幅方向xの端縁に切欠き13が形成されていれば、図9に示すように、吸収体11を長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる折り目で)折り曲げやすくなる。従って、吸収体11の男性器へのフィットが向上し、男性器が吸収体11によって好適に覆われるようになり、着用者から排泄された尿を吸収体11がより確実に受けることができるようになる。好ましくは、切欠き13は、吸収体11の幅方向xの両端縁に形成される。
【0054】
切欠き13は吸収体11の長手方向yの中心線(すなわち、幅方向xに延びる中心線)を跨ぐように形成されることが好ましい。切欠き13の形状としては、切欠き13は略V字状に形成されていることが好ましい。すなわち、切欠き13は、吸収体11の幅方向xの端縁から内方に向かって長手方向yの長さが漸減するように形成されていることが好ましい。
【0055】
なお、図には示されていないが、吸収体11は、長手方向yの端縁に切欠き12が形成されずに、幅方向xの端縁のみに切欠き13が形成されていてもよい。
【0056】
図11には、図6に示した男性用失禁パッド1に備えられる吸収体11を肌面側から見た平面図を示すが、吸収体11の肌面側には、長手方向yの端縁に形成された切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられてもよく、幅方向xの端縁に形成された切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられてもよい。切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられていれば、吸収体11を切欠き12で幅方向xに折り、切欠き12を通る折り目を挟んだ両側で吸収体11どうしを第2接合手段14により接合することにより、吸収体11をカップ形状に保持しやすくなる。同様に、切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられていれば、吸収体11を切欠き13で長手方向yに折り、切欠き13を通る折り目を挟んだ両側で吸収体11どうしを第2接合手段15により接合することにより、吸収体11をカップ形状に保持しやすくなる。第2接合手段14は切欠き12の長手方向yに対する最内方部の両側または一方側の縁に沿って設けられることが好ましく(図11では14a,14bで示されている)、第2接合手段15は切欠き13の幅方向xに対する最内方部の両側または一方側の縁に沿って設けられることが好ましい(図11では15a,15bで示されている)。
【0057】
図11に示すように、吸収体11の長手方向yの端縁と幅方向xの端縁の両方に切欠き12,13が形成される場合は、切欠き12と切欠き13のそれぞれの縁に沿って第2接合手段14と第2接合手段15が設けられてもよく、切欠き12と切欠き13のいずれかの縁に沿って第2接合手段14または第2接合手段15が設けられてもよい。また、図には示されていないが、吸収体11の長手方向yの端縁のみに切欠き12が形成される場合は、切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられてもよく、吸収体11の幅方向xの端縁のみに切欠き13が形成される場合は、切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられてもよい。
【0058】
第2接合手段14,15としては、粘着剤等が挙げられる。第2接合手段14として粘着剤を採用する場合は、第2接合手段14aと第2接合手段14bの一方に粘着剤を設ければよい。この場合、男性用失禁パッド1の使用の際に、第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしを接合してもよいし、男性用失禁パッド1の使用前から第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしが接合されていてもよい。第2接合手段15として粘着剤が採用される場合も同様である。
【0059】
第2接合手段14,15としては、熱融着(ヒートシール)を採用してもよい。この場合は、男性用失禁パッド1の使用前から第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしが接合されていることとなる。第2接合手段15として熱融着が採用される場合も同様である。
【0060】
以上、本発明の男性用失禁パッドについて、図面を参照して説明したが、本発明の男性用失禁パッドは図面に示された実施態様に限定されるものではない。アウター部材2と吸収体11の組み合わせは第1実施態様と第2実施態様に限定されず、例えば、第1実施態様のアウター部材2に第2実施態様の吸収体11を組み合わせてもよく、第2実施態様のアウター部材2に第1実施態様の吸収体11を組み合わせてもよく、吸収体11として切欠き12,13が形成されないものを用いてもよい。また、アウター部材2の形状も特に限定されない。いずれの態様においても、アウター部材2は吸収体11に対し固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。また、第1押さえ部材8、第2押さえ部材9、第3押さえ部材10は任意に設けられる部材であり、例えば、第1実施態様のアウター部材2に第2押さえ部材9および/または第3押さえ部材10が設けられてもよく、第2実施態様のアウター部材2に第1押さえ部材8が設けられてもよい。
【0061】
次に、男性用失禁パッドを構成する材料について説明する。アウター部材を構成する材料としては、不織布、織布、編布、プラスチックフィルム、およびこれらの積層体等を使用できる。アウター部材の材料として不織布、織布、編布等の布材料を用いる場合、布材料を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成繊維、セルロース、レーヨン、コットン等の天然繊維を用いればよい。アウター部材の材料として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法、エアレイド法やそれらの製法の組み合わせ等により製造されるものが好ましい。また、スパンボンド法とメルトブロー法を組み合わせたSMS法により製造された不織布を用いてもよい。アウター部材の材料としてプラスチックフィルムを用いる場合は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成樹脂を用いればよい。アウター部材は、親水性であっても液不透過性であってもよいが、液不透過性であることが好ましい。なお、液不透過性とは撥水性の意味も含まれる。
【0062】
アウター部材は水解性であってもよい。水解性とは、水洗トイレ等で水に流した際に分散あるいは溶解してその原形が失われる性質を意味する。従って、アウター部材が水解性であれば、アウター部材を通常の水洗トイレ等に流して廃棄することが可能となる。
【0063】
アウター部材が水解性を有するためには、アウター部材が水解性材料から構成されていることが好ましい。水解性材料としては、木材パルプ繊維、非木材系植物繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等が挙げられる。さらに水解性材料に、澱粉、ポリアクリル酸水溶液、ポリエチレンオキサイド、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性バインダーが加えられていてもよい。
【0064】
アウター部材は生分解性であってもよい。生分解性とは、微生物等の生物によって分解可能であることを意味する。アウター部材が生分解性であれば、アウター部材を水洗トイレに流して廃棄した際、下水処理場等で活性汚泥処理等が施されて、アウター部材が好適に二酸化炭素や汚泥等に分解され得る。
【0065】
第1押さえ部材、第2押さえ部材、第3押さえ部材は、アウター部材として使用可能な材料を用いればよい。
【0066】
吸収体は、尿を吸収できる材料から構成されていればよい。吸収体としては、例えば、(i)吸収性材料をシート部材で覆ったもの、(ii)シート状の吸収性材料を所望形状に形成したもの、等を用いることができる。吸収性材料としては、前記(i)の場合、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維;ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等を用いることができ、前記(ii)の場合、例えば、発泡ポリマー;ケミカルボンド不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等の液保持性の高い不織布等を用いることができる。前記(i)の場合、シート部材の少なくとも一部は液透過性であり、液透過性のシート部材としては、紙(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や親水性不織布等を用いることができる。液透過性のシート部材は吸収体の肌面側に設けられ、吸収体の外面側にも設けられてもよい。また、吸収体の外面側には、液不透過性不織布やプラスチックフィルム等の液不透過性のシート部材が設けられてもよい。前記(ii)の場合も、シート状の吸収性材料がシート部材により覆われてもよい。
【0067】
吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないシート状吸収体を有していてもよい。シート状吸収体は不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができるとともに、柔軟に形成することができる。
【0068】
シート状吸収体に用いられる不織布は液透過性であり、そのような不織布としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維を界面活性剤で親水化したものを用いればよい。シート状吸収体に用いられる不織布としては、比較的薄くて柔軟性の高い不織布が好ましく、例えば、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、またはSMS不織布を用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0069】
1: 男性用失禁パッド
2: アウター部材
3: プリーツ部
4: 山折り
5: 谷折り
8: 第1押さえ部材
9: 第2押さえ部材
10: 第3押さえ部材
11: 吸収体
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性用失禁パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、男性用の失禁パッドが知られており、男性用失禁パッドは男性器に宛がって用いられる。例えば特許文献1には、襞状に折り曲げられた襞状部を有し、襞状部の折り曲げ状態を2箇所以上の位置で固定する接合部を設けることにより、外面側が突出するように湾曲して形成された男性用失禁パッドが開示されている。この男性用失禁パッドは、接合部における固定部位を段階的に解除することにより、襞状部の折り曲げ状態を解除され、男性用失禁パッドの立体形状の深さを調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−207504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に男性用失禁パッドは、男性器に宛がって用いられるため、使用時には立体形状を有することが好ましい。一方、立体形状の男性用失禁パッドは嵩張ったりして、携帯性に課題がある。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯性に優れ、立体形状に形成可能な男性用失禁パッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の男性用失禁パッドとは、長手方向と幅方向を有するアウター部材と、アウター部材の肌面側に設けられた吸収体とを有する男性用失禁パッドであって、アウター部材は、長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、プリーツ部は幅方向の両端が固定されているところに特徴を有する。本発明の男性用失禁パッドは、アウター部材がプリーツ部を有しているため、使用前はプリーツ部が折り畳まれてアウター部材がコンパクトな平面状に形成され、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッドの使用の際には、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、アウター部材が吸収体を内側に収めたカップ状に形成することができるため、男性器を好適に収容できるようになる。また、プリーツ部の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じてカップ形状を調節することが可能となり、男性器へのフィット性を高めることができる。
【0006】
吸収体は、長手方向の端縁に切欠きが形成されていることが好ましい。吸収体の長手方向の端縁に切欠きが形成されていれば、吸収体をカップ状に形成しやすくなる。そのため、カップ状に形成されたアウター部材の肌側面に沿うように吸収体を形成することが容易となる。
【0007】
吸収体は、アウター部材のプリーツ部以外の部分に固定され、プリーツ部には固定されていないことが好ましい。吸収体がアウター部材に固定されていれば、男性用失禁パッドは吸収体とアウター部材を一体化して取り扱うことができる。そして、吸収体がアウター部材のプリーツ部に固定されていなければ、男性用失禁パッドの着用の際、プリーツ部の折り畳みを展開しやすくなる。
【0008】
アウター部材は、吸収体が固定された部分の長手方向の両側に、プリーツ部が各々設けられていることが好ましい。このようにアウター部材にプリーツ部が設けられていれば、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、アウター部材を、男性器を好適に収容できるようなカップ状に形成しやすくなる。
【0009】
吸収体はアウター部材に固定されていなくてもよい。吸収体がアウター部材に固定されていなければ、男性用失禁パッドは、着用者が失禁した際、吸収体のみを交換してアウター部材をそのまま使い続けるような使用方法が可能となる。従って、着用者にとっては経済的に男性用失禁パッドを使用することができる。
【0010】
吸収体がアウター部材に固定されていない場合、吸収体の外面側および/またはアウター部材の肌面側に接合手段が設けられ、吸収体が接合手段によりアウター部材に着脱可能に形成されていることが好ましい。吸収体の外面側および/またはアウター部材の肌面側に接合手段が設けられていれば、接合手段により吸収体をアウター部材に好適に固定でき、男性用失禁パッドの着用の際に吸収体がずれたり外れたりしにくくなる。また、着用者が失禁した際は、吸収体をアウター部材から取り外すことが容易になる。
【0011】
吸収体は、プリーツ部が折り畳まれた状態で、長手方向に対しアウター部材と同じかそれよりも長く形成され、プリーツ部が展開した状態で、長手方向に対しアウター部材よりも短く形成されていることが好ましい。吸収体がアウター部材に対しこのような関係で形成されていれば、カップ状に形成されたアウター部材の内側に吸収体が好適に保持されやすくなる。また、吸収体の大きさが十分確保され、吸収体によって着用者から排泄された尿が好適に吸収されるようになる。
【0012】
男性用失禁パッドは、アウター部材の長手方向の端部の肌面側に、幅方向に対する端部がアウター部材に固定された第1押さえ部材が設けられ、アウター部材がカップ状に形成された状態で、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第1押さえ部材との間に保持されるものであることが好ましい。このようにアウター部材に第1押さえ部材が設けられていれば、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に保持されるようになる。
【0013】
男性用失禁パッドは、アウター部材の長手方向の端部の外面側に、幅方向に対する端部がアウター部材に固定された第2押さえ部材が設けられ、第2押さえ部材の表裏を反転させて第2押さえ部材をアウター部材の肌面側に移動させることにより、アウター部材がカップ状に形成された状態で、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第2押さえ部材との間に保持されるものであることも好ましい。アウター部材に第2押さえ部材が設けられていれば、第2押さえ部材の表裏を反転させながらアウター部材をカップ状に形成することが容易になる。従って、アウター部材をカップ状に形成した際、吸収体の長手方向の端部がアウター部材と第2押さえ部材との間に自然に保持されやすくなり、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に収められるようになる。
【0014】
男性用失禁パッドは、アウター部材の幅方向の両側の肌面側に、幅方向の外方がアウター部材に固定された第3押さえ部材が設けられていることが好ましい。アウター部材に第3押さえ部材が設けられていれば、アウター部材をカップ状に形成した際、第3押さえ部材がカップ形状の側壁の一部を形成し、男性用失禁パッドが底の深いカップ形状に形成されるようになる。従って、吸収体がカップ状に形成されたアウター部材の内側に好適に収められるようになるとともに、男性用失禁パッドが男性器を好適に収容できるようになる。
【0015】
アウター部材の外面側には、プリーツ部の谷折りの一方側に粘着部が設けられ、他方側に粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられていることが好ましい。このようにアウター部材の外側に粘着部と剥離部が設けられていれば、プリーツ部の折り畳みを展開することで粘着部が露出するようになる。そのため、一般に粘着剤や粘着テープを使用する際に行われる剥離シートを剥がす作業が省かれ、簡単に粘着部を露出することができ、男性用失禁パッドを着用者のパンツの内側に簡単に固定できるようになる。
【0016】
吸収体は、長手方向および/または幅方向の端縁に切欠きが形成され、吸収体の肌面側に、切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられていてもよい。吸収体の肌面側に切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられていれば、第2接合手段により吸収体をカップ形状に保持しやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の男性用失禁パッドは、アウター部材がプリーツ部を有しているため、使用前はプリーツ部が折り畳まれてアウター部材がコンパクトな平面状に形成され、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッドの使用の際には、プリーツ部の折り畳みを展開することによりアウター部材をカップ状に形成することができるため、男性器を好適に収容できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の男性用失禁パッド(第1実施態様)を外面側から見た平面図を表す。
【図2】図1に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表す。
【図3】図1に示した男性用失禁パッドのA−A断面図を表す。
【図4】図1に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成し、外面側から見た斜視図を表す。
【図5】図4に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た斜視図を表す。
【図6】本発明の男性用失禁パッド(第2実施態様)を外面側から見た平面図を表す。
【図7】図6に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表す。
【図8】図6に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成し、外面側から見た斜視図を表す。
【図9】図8に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た斜視図を表す。
【図10】図6に示した男性用失禁パッドをカップ状に形成する際に、第2押さえ部材の表裏を反転させて、第2押さえ部材をアウター部材の外面側から肌面側に移動させる方法を表す。
【図11】接合手段が備えられた吸収体の一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の男性用失禁パッドについて、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0020】
図1〜図5には、本発明の男性用失禁パッドの第1実施態様を示す。図1は第1実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た平面図を表し、図2は図1に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表し、図3は図1のA−A断面図を表し、図4はカップ状に形成した第1実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た斜視図を表し、図5は図4に示したカップ状に形成された男性用失禁パッドを肌側面から見た斜視図を表す。なお、本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
【0021】
本発明の男性用失禁パッド1は、長手方向yと幅方向xを有するアウター部材2と、アウター部材2の肌面側に設けられた吸収体11とを有する。男性用失禁パッド1を使用する際、吸収体11は着用者の肌に面するように位置し、アウター部材2は着用者とは反対側すなわち外側に位置する。
【0022】
本発明において、長手方向とは、男性用失禁パッドを着用の際、着用者の股間の前後方向(上下方向)に延びる方向に相当し、幅方向とは、着用者の左右方向に延びる方向に相当する。肌面側とは、男性用失禁パッドを着用する際に着用者の肌に向く側を意味し、外面側とは、着用者とは反対に向く側を意味する。
【0023】
本発明の男性用失禁パッド1は、使用前は、図1や図2に示すようにアウター部材2が平面状に形成される。すなわち、アウターシート2のプリーツ部3が折り畳まれた状態に形成される。なお男性用失禁パッド1は、使用前の状態は図1や図2に示す態様に限定されず、例えば、幅方向xまたは長手方向yにさらに折り畳まれていてもよい。
【0024】
男性用失禁パッド1は、使用時には、図4や図5に示すようにアウター部材2が吸収体11を内側に収めたカップ状に形成される。男性用失禁パッド1は、使用の際、カップ形状の内部に男性器を収容して着用される。なお、カップ形状とは一方側に膨らんだ形状を意味し、例えば、カップ形状の開口が同一平面に形成される必要はない。
【0025】
男性用失禁パッド1は、カップ状に形成されることにより、通常は、陰茎と陰嚢の両方を覆うように使用される。つまり、男性用失禁パッド1は、陰茎と、陰嚢の一部または全部を覆うものであることが好ましい。
【0026】
アウター部材2は、図1や図3に示すように、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有している。そして、プリーツ部3は幅方向xの両端が接合部6で固定されている。具体的には、アウター部材2は、幅方向xの両端で、山折り4を挟んだ両側および谷折り5を挟んだ両側が接合されている。そのため、プリーツ部3の折り畳みを展開すると、図4および図5に示されるように、アウター部材2がカップ状に形成される。接合部6は、接着剤、熱融着、超音波融着等の公知の接合手段により形成されればよい。
【0027】
本発明において、山折り4と谷折り5はアウター部材2の外面側から見て定められるものとする。また、プリーツ部3とは、図1や図2に示すようにアウター部材2が平面状に形成された状態で、アウター部材2のうち、接合部6で接合された山折り4から谷折り5に至る部分およびそれと重なる部分を意味する。
【0028】
図1では、プリーツ部3が長手方向yの両側に2つずつ設けられている。各プリーツ部3は、アウター部材2が長手方向yに折り畳まれて形成される。この際、各プリーツ部3は、少なくとも1つずつ形成された山折り4と谷折り5で折られることにより形成される。各プリーツ部3は、例えば図3に示すように、山折り4と谷折り5が1つずつ形成されてもよいし、図には示されていないが、山折り4と谷折り5が2つ以上ずつ形成されて、山折り4(あるいは谷折り5)により形成される2つ以上のひだが重なり合うように形成されてもよい。
【0029】
山折り4と谷折り5は、長手方向yに並んで配される限りその延在方向は特に限定されないが、好ましくは、山折り4と谷折り5は幅方向xに対し略平行に形成される。また、山折り4と谷折り5は互いに同じ数だけ形成されることが好ましく、山折り4と谷折り5がそれぞれ複数形成される場合は、山折り4と谷折り5は交互に形成されることが好ましい。
【0030】
アウター部材2が、男性器を好適に収容できるようなカップ状に形成されるためには、図1に示すように、アウター部材2の長手方向yの中心の両側に、プリーツ部3が各々設けられていることが好ましい。このようにプリーツ部3が設けられることにより、陰茎と陰嚢の両方を好適に収容しやすくなる。
【0031】
プリーツ部3は、図1に示すように、アウター部材2の長手方向yの中心の両側に2つずつ設けられていることがより好ましい。このようにプリーツ部3が設けられていれば、プリーツ部3でアウター部材2が適度に屈曲し、底の深いカップ形状を形成しやすくなる。そのため、カップ状に形成されたアウター部材2に男性器を好適に収容できるようになる。
【0032】
各プリーツ部3は、長手方向yの中心側にまず山折り4が設けられるように形成されることが好ましい。具体的には、プリーツ部3を展開した状態で、各プリーツ部3には、長手方向yの中心側にまず山折り4が形成されることが好ましい。図1では、長手方向yの中心側にまず山折り4が設けられ、次いで、長手方向yの外方に谷折り5が設けられている。このようにプリーツ部3が形成されていれば、男性用失禁パッド1を男性器を収容してパンツの内側に固定した際、パンツの外側から見てプリーツ部3の折り目が分かりにくくなり、男性用失禁パッド1を装着することの心理的負荷が低減する。
【0033】
アウター部材2の形状は特に限定されない。アウター部材2の形状は、図1や図2に示すように長方形であってもよく、また円形、楕円形、多角形(角の丸まった多角形を含む)等であってもよい。好ましくは、アウター部材2は幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる中心線に対し)線対称に形成される。さらに、アウター部材2は長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる中心線に対し)線対称に形成されることも好ましく、このようにアウター部材2が形成されていれば、着用者は、アウター部材2の前後方向(上下方向)を気にせずに着用しやすくなる。
【0034】
アウター部材2には、長手方向yの端部の肌面側に、幅方向xに対する端部がアウター部材2に固定された第1押さえ部材8が設けられることが好ましい。そして、アウター部材2がカップ状に形成された状態で、図5に示すように、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第1押さえ部材8との間に保持されることが好ましい。このようにアウター部材2に第1押さえ部材8が設けられることにより、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に保持されるようになる。第1押さえ部材8は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、図3に示すように、アウター部材2の長手方向yの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0035】
なお、図には示されていないが、アウター部材2の外面側には、粘着剤やフック・ループ・ファスナー等の固定手段が設けられていてもよい。アウター部材2の外面側に固定手段が設けられていれば、固定手段により男性用失禁パッド1を着用者のパンツの内側に好適に固定できるようになる。
【0036】
好ましくは、アウター部材2の外面側に設けられる固定手段として、粘着部がプリーツ部3の谷折り5の一方側に設けられ、他方側に粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられる。このとき、粘着部は、プリーツ部3が折り畳まれた状態で、アウター部材2の外面側に露出していないことが好ましい。粘着部は、アウター部材2に粘着剤が塗布されたり、粘着テープが貼り付けられることにより形成されればよい。剥離部は、例えば、アウター部材2にプラスチックフィルムが取り付けられて形成されたり、あるいはアウター部材2をプラスチックフィルムで構成することにより形成されてもよい。プリーツ部3の谷折り5の一方側に粘着部が設けられ、他方側に剥離部が設けられていれば、プリーツ部3の折り畳みを展開することで粘着部が露出するようになる。そのため、一般に粘着剤や粘着テープを使用する際に行われる剥離シートを剥がす作業が省かれ、簡単に粘着部を露出することができ、男性用失禁パッド1を着用者のパンツの内側に簡単に固定できるようになる。
【0037】
吸収体11は、着用者から排泄された尿を吸収するものであり、アウター部材2の肌面側に設けられる。男性用失禁パッド1の使用の際、アウター部材2がカップ状に形成されると、図5に示すように、吸収体11はカップ形状の内側に収められる。
【0038】
図1および図2では、吸収体11はアウター部材2に固定部7で固定されている。つまり、吸収体11は、男性用失禁パッド1の使用前からアウター部材2に固定されている。吸収体11は、接着剤等の固定手段によりアウター部材2に固定されればよい。
【0039】
固定部7はプリーツ部3以外の場所に設けられることが好ましい。従って、吸収体11は、アウター部材2のプリーツ部3以外の部分に固定され、プリーツ部3には固定されていないことが好ましい。さらに、吸収体11は、プリーツ部3を跨いでアウター部材2に固定されていないことが好ましい。このように吸収体11がアウター部材2に固定されていれば、男性用失禁パッド1の着用の際、プリーツ部3の折り畳みを展開しやすくなる。
【0040】
固定部7は、アウター部材2の長手方向yの中心付近に設けられることが好ましい。また、アウター部材2には、固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が各々設けられていることが好ましく、固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が2つずつ設けられていることがより好ましい。このように男性用失禁パッド1が形成されていれば、アウター部材2のプリーツ部3の折り畳みを展開することにより、男性用失禁パッド1を、吸収体11が内側に収めたカップ状に形成しやすくなる。またこの際、各プリーツ部3は、固定部7側にまず山折り4が設けられるように形成されることが好ましい。
【0041】
なお、図には示されていないが、吸収体11は、アウター部材2に固定されていなくてもよい。例えば、男性用失禁パッド1の使用の際に、アウター部材2の肌面側に吸収体11を重ね、アウター部材2のプリーツ部3の折り畳みを展開することにより、アウター部材2を吸収体11を内側に収めたカップ状に形成し、男性用失禁パッド1を装着してもよい。吸収体11がアウター部材2に固定されていなければ、男性用失禁パッド1は、着用者が失禁した際、吸収体11のみを交換してアウター部材2をそのまま使い続けるような使用方法が可能となる。従って、着用者にとっては経済的に男性用失禁パッド1を使用することができる。
【0042】
吸収体11がアウター部材2に固定されていない場合、吸収体11の外面側および/またはアウター部材2の肌面側には接合手段が設けられ、吸収体11が接合手段によりアウター部材2に着脱可能に形成されていることが好ましい。接合手段は、固定部7と同じような位置に設けられればよい。すなわち、接合手段がアウター部材2に設けられる場合は、プリーツ部3以外の部分に設けられることが好ましく、接合手段が吸収体11に設けられる場合は、接合手段がプリーツ部3と接合しないような位置に設けられることが好ましい。吸収体11の外面側および/またはアウター部材2の肌面側に接合手段が設けられていれば、接合手段により吸収体11をアウター部材2に好適に固定でき、男性用失禁パッド1の着用の際に吸収体11がずれたり外れたりしにくくなる。また、着用者が失禁した際は、吸収体11をアウター部材2から取り外すことが容易になる。
【0043】
接合手段としては、フック・ループ・ファスナーや粘着剤等が挙げられる。具体的には、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方にフック・ループ・ファスナーのフック部材が設けられ、他方にフック・ループ・ファスナーのループ部材が設けられる態様、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方に粘着剤が設けられ、他方にプラスチックフィルムが設けられる態様等が示される。ループ部材としては不織布を用いてもよく、この場合、吸収体11の外面側またはアウター部材2の肌面側を不織布で構成してもよい。また、吸収体11の外面側とアウター部材2の肌面側の一方にプラスチックフィルムを設ける場合は、吸収体11の外面側またはアウター部材2の肌面側をプラスチックフィルムで構成してもよい。
【0044】
吸収体11の形状は特に限定されない。吸収体11の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形(角の丸まった多角形を含む)、砂時計形等が挙げられる。好ましくは、吸収体11は幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる中心線に対し)線対称に形成される。さらに、吸収体11は、長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる中心線に対し)線対称に形成されることも好ましい。
【0045】
吸収体11は、アウター部材2に対し、次のように形成されていることが好ましい。すなわち、吸収体11は、アウター部材2のプリーツ部3が折り畳まれた状態で、長手方向yに対しアウター部材2と同じかそれよりも長く形成され、アウター部材2のプリーツ部3が展開した状態で、長手方向yに対しアウター部材2よりも短く形成されていることが好ましい。なお、プリーツ部3が折り畳まれた状態とは、プリーツ部3が複数ある場合は、全てのプリーツ部が折り畳まれた状態を意味し、プリーツ部3が展開した状態とは、全てのプリーツ部が展開した状態を意味する。プリーツ部3が展開した状態でのアウター部材2の長手方向yの長さは、プリーツ部3の接合部6の接合を解いた状態で測定する。吸収体11がアウター部材2に対しこのような関係で形成されていれば、カップ状に形成されたアウター部材2の内側に吸収体11が好適に保持されやすくなる。また、吸収体11の大きさが十分確保され、吸収体11により着用者から排泄された尿が好適に吸収されるようになる。なお、吸収体11は、幅方向xに対しては、アウター部材2と同じかそれよりも短く形成されていることが好ましい。
【0046】
吸収体11は、図2に示されるように、長手方向yの端縁に切欠き12が形成されていることが好ましい。より好ましくは、切欠き12は、吸収体11の長手方向yの両端縁に形成される。吸収体11の長手方向yの端縁に切欠き12が形成されていれば、吸収体11をカップ状に形成しやすくなる。すなわち、吸収体11を幅方向xに(すなわち、長手方向yに延びる折り目で)折り曲げことで、カップ状に形成されたアウター部材2の肌側面に沿うように吸収体11を形成することが容易となる。そのため、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになる。
【0047】
吸収体11がカップ状に好適に形成されるために、切欠き12は次のように形成されることが好ましい。すなわち、切欠き12は吸収体11の幅方向xの中心線(すなわち、長手方向yに延びる中心線)を跨ぐように形成されることが好ましく、さらに、幅方向xの中心線に対し線対称に形成されることがより好ましい。切欠き12の形状としては、切欠き12は略V字状に形成されていることが好ましい。すなわち、切欠き12は、吸収体11の長手方向yの端縁から内方に向かって幅方向xの長さが漸減するように形成されていることが好ましい。
【0048】
以上のように、本発明の男性用失禁パッド1は、アウター部材2がプリーツ部3を有しているため、使用前はアウター部材2が平面状に折り畳まれ、携帯性に優れるものとなる。男性用失禁パッド1の使用の際には、プリーツ部3の折り畳みを展開することによりアウター部材2がカップ状に形成され、男性器を好適に収容できるようになる。また、カップ状に形成されたアウター部材2の内側に収められた吸収体により、尿が好適に吸収されるようになる。さらに、プリーツ部3の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じてカップ形状を調節することが可能となり、男性器へのフィット性を高めることができる。
【0049】
次に本発明の男性用失禁パッドの別の実施態様について説明する。図6〜図9には、本発明の男性用失禁パッドの第2実施態様を示す。図6は第2実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た平面図を表し、図7は図6に示した男性用失禁パッドを肌面側から見た平面図を表し、図8はカップ状に形成した第2実施態様にかかる男性用失禁パッドを外面側から見た斜視図を表し、図9は図8に示したカップ状に形成された男性用失禁パッドを肌側面から見た斜視図を表す。なお下記の説明において、図1〜図5に示した第1実施態様と重複する部分の説明は省略する。
【0050】
第2実施態様に係る男性用失禁パッド1では、図6に示すように、アウター部材2が、角の丸まった八角形の形状に形成されている。このようにアウター部材2が長手方向yの外方に向かって幅方向xの長さが漸減するように形成されていれば、男性用失禁パッド1が着用者の股間でコンパクトに収まりやすくなる。
【0051】
図6では、男性用失禁パッド1は、アウター部材2の長手方向yの端部の外面側に、幅方向xに対する端部がアウター部材2に固定された第2押さえ部材9が設けられている。このように、男性用失禁パッド1には第2押さえ部材9が備わっていることも好ましく、その結果、図10に示されるように、アウター部材2をカップ状に形成する際に、第2押さえ部材9の表裏を反転させて第2押さえ部材9をアウター部材2の肌面側に移動させることにより(図10(a)参照)、アウター部材2がカップ状に形成された状態で、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第2押さえ部材9との間に保持されるようになる(図10(b)参照)。このようにアウター部材2に第2押さえ部材9が設けられていれば、第2押さえ部材9の表裏を反転させながらアウター部材2をカップ状に形成することが容易になる。従って、アウター部材2をカップ状に形成した際、吸収体11の長手方向yの端部がアウター部材2と第2押さえ部材9との間に自然に保持されやすくなり、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになる。第2押さえ部材9は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、アウター部材2の長手方向yの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0052】
図6では、男性用失禁パッド1は、アウター部材2の幅方向xの両側の肌面側に、幅方向xの外方がアウター部材2に固定された第3押さえ部材10が設けられている。このように、男性用失禁パッド1には第3押さえ部材10が備わっていることも好ましい。第3押さえ部材10が設けられていれば、図8および図9に示すように、アウター部材2をカップ状に形成した際、第3押さえ部材10がカップ形状の側壁の一部を形成し、男性用失禁パッド1が底の深いカップ形状に形成されるようになる。従って、吸収体11がカップ状に形成されたアウター部材2の内側に好適に収められるようになるとともに、男性用失禁パッド1が男性器を好適に収容できるようになる。第3押さえ部材10は、アウター部材2とは別部材として設けられてもよく、アウター部材2の幅方向xの端部が折り返されることにより形成されてもよい。
【0053】
第2実施態様に係る男性用失禁パッド1では、図7に示すように、吸収体11の長手方向yの端縁に切欠き12が形成されているとともに、幅方向xの端縁にも切欠き13が形成されている。吸収体11の幅方向xの端縁に切欠き13が形成されていれば、図9に示すように、吸収体11を長手方向yに(すなわち、幅方向xに延びる折り目で)折り曲げやすくなる。従って、吸収体11の男性器へのフィットが向上し、男性器が吸収体11によって好適に覆われるようになり、着用者から排泄された尿を吸収体11がより確実に受けることができるようになる。好ましくは、切欠き13は、吸収体11の幅方向xの両端縁に形成される。
【0054】
切欠き13は吸収体11の長手方向yの中心線(すなわち、幅方向xに延びる中心線)を跨ぐように形成されることが好ましい。切欠き13の形状としては、切欠き13は略V字状に形成されていることが好ましい。すなわち、切欠き13は、吸収体11の幅方向xの端縁から内方に向かって長手方向yの長さが漸減するように形成されていることが好ましい。
【0055】
なお、図には示されていないが、吸収体11は、長手方向yの端縁に切欠き12が形成されずに、幅方向xの端縁のみに切欠き13が形成されていてもよい。
【0056】
図11には、図6に示した男性用失禁パッド1に備えられる吸収体11を肌面側から見た平面図を示すが、吸収体11の肌面側には、長手方向yの端縁に形成された切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられてもよく、幅方向xの端縁に形成された切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられてもよい。切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられていれば、吸収体11を切欠き12で幅方向xに折り、切欠き12を通る折り目を挟んだ両側で吸収体11どうしを第2接合手段14により接合することにより、吸収体11をカップ形状に保持しやすくなる。同様に、切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられていれば、吸収体11を切欠き13で長手方向yに折り、切欠き13を通る折り目を挟んだ両側で吸収体11どうしを第2接合手段15により接合することにより、吸収体11をカップ形状に保持しやすくなる。第2接合手段14は切欠き12の長手方向yに対する最内方部の両側または一方側の縁に沿って設けられることが好ましく(図11では14a,14bで示されている)、第2接合手段15は切欠き13の幅方向xに対する最内方部の両側または一方側の縁に沿って設けられることが好ましい(図11では15a,15bで示されている)。
【0057】
図11に示すように、吸収体11の長手方向yの端縁と幅方向xの端縁の両方に切欠き12,13が形成される場合は、切欠き12と切欠き13のそれぞれの縁に沿って第2接合手段14と第2接合手段15が設けられてもよく、切欠き12と切欠き13のいずれかの縁に沿って第2接合手段14または第2接合手段15が設けられてもよい。また、図には示されていないが、吸収体11の長手方向yの端縁のみに切欠き12が形成される場合は、切欠き12の縁に沿って第2接合手段14が設けられてもよく、吸収体11の幅方向xの端縁のみに切欠き13が形成される場合は、切欠き13の縁に沿って第2接合手段15が設けられてもよい。
【0058】
第2接合手段14,15としては、粘着剤等が挙げられる。第2接合手段14として粘着剤を採用する場合は、第2接合手段14aと第2接合手段14bの一方に粘着剤を設ければよい。この場合、男性用失禁パッド1の使用の際に、第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしを接合してもよいし、男性用失禁パッド1の使用前から第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしが接合されていてもよい。第2接合手段15として粘着剤が採用される場合も同様である。
【0059】
第2接合手段14,15としては、熱融着(ヒートシール)を採用してもよい。この場合は、男性用失禁パッド1の使用前から第2接合手段14により切欠き12で吸収体11どうしが接合されていることとなる。第2接合手段15として熱融着が採用される場合も同様である。
【0060】
以上、本発明の男性用失禁パッドについて、図面を参照して説明したが、本発明の男性用失禁パッドは図面に示された実施態様に限定されるものではない。アウター部材2と吸収体11の組み合わせは第1実施態様と第2実施態様に限定されず、例えば、第1実施態様のアウター部材2に第2実施態様の吸収体11を組み合わせてもよく、第2実施態様のアウター部材2に第1実施態様の吸収体11を組み合わせてもよく、吸収体11として切欠き12,13が形成されないものを用いてもよい。また、アウター部材2の形状も特に限定されない。いずれの態様においても、アウター部材2は吸収体11に対し固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。また、第1押さえ部材8、第2押さえ部材9、第3押さえ部材10は任意に設けられる部材であり、例えば、第1実施態様のアウター部材2に第2押さえ部材9および/または第3押さえ部材10が設けられてもよく、第2実施態様のアウター部材2に第1押さえ部材8が設けられてもよい。
【0061】
次に、男性用失禁パッドを構成する材料について説明する。アウター部材を構成する材料としては、不織布、織布、編布、プラスチックフィルム、およびこれらの積層体等を使用できる。アウター部材の材料として不織布、織布、編布等の布材料を用いる場合、布材料を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成繊維、セルロース、レーヨン、コットン等の天然繊維を用いればよい。アウター部材の材料として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法、エアレイド法やそれらの製法の組み合わせ等により製造されるものが好ましい。また、スパンボンド法とメルトブロー法を組み合わせたSMS法により製造された不織布を用いてもよい。アウター部材の材料としてプラスチックフィルムを用いる場合は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成樹脂を用いればよい。アウター部材は、親水性であっても液不透過性であってもよいが、液不透過性であることが好ましい。なお、液不透過性とは撥水性の意味も含まれる。
【0062】
アウター部材は水解性であってもよい。水解性とは、水洗トイレ等で水に流した際に分散あるいは溶解してその原形が失われる性質を意味する。従って、アウター部材が水解性であれば、アウター部材を通常の水洗トイレ等に流して廃棄することが可能となる。
【0063】
アウター部材が水解性を有するためには、アウター部材が水解性材料から構成されていることが好ましい。水解性材料としては、木材パルプ繊維、非木材系植物繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等が挙げられる。さらに水解性材料に、澱粉、ポリアクリル酸水溶液、ポリエチレンオキサイド、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性バインダーが加えられていてもよい。
【0064】
アウター部材は生分解性であってもよい。生分解性とは、微生物等の生物によって分解可能であることを意味する。アウター部材が生分解性であれば、アウター部材を水洗トイレに流して廃棄した際、下水処理場等で活性汚泥処理等が施されて、アウター部材が好適に二酸化炭素や汚泥等に分解され得る。
【0065】
第1押さえ部材、第2押さえ部材、第3押さえ部材は、アウター部材として使用可能な材料を用いればよい。
【0066】
吸収体は、尿を吸収できる材料から構成されていればよい。吸収体としては、例えば、(i)吸収性材料をシート部材で覆ったもの、(ii)シート状の吸収性材料を所望形状に形成したもの、等を用いることができる。吸収性材料としては、前記(i)の場合、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維;ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等を用いることができ、前記(ii)の場合、例えば、発泡ポリマー;ケミカルボンド不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等の液保持性の高い不織布等を用いることができる。前記(i)の場合、シート部材の少なくとも一部は液透過性であり、液透過性のシート部材としては、紙(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や親水性不織布等を用いることができる。液透過性のシート部材は吸収体の肌面側に設けられ、吸収体の外面側にも設けられてもよい。また、吸収体の外面側には、液不透過性不織布やプラスチックフィルム等の液不透過性のシート部材が設けられてもよい。前記(ii)の場合も、シート状の吸収性材料がシート部材により覆われてもよい。
【0067】
吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないシート状吸収体を有していてもよい。シート状吸収体は不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができるとともに、柔軟に形成することができる。
【0068】
シート状吸収体に用いられる不織布は液透過性であり、そのような不織布としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維を界面活性剤で親水化したものを用いればよい。シート状吸収体に用いられる不織布としては、比較的薄くて柔軟性の高い不織布が好ましく、例えば、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、またはSMS不織布を用いることが好ましい。
【符号の説明】
【0069】
1: 男性用失禁パッド
2: アウター部材
3: プリーツ部
4: 山折り
5: 谷折り
8: 第1押さえ部材
9: 第2押さえ部材
10: 第3押さえ部材
11: 吸収体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と幅方向を有するアウター部材と、前記アウター部材の肌面側に設けられた吸収体とを有する男性用失禁パッドであって、
前記アウター部材は、前記長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、前記プリーツ部は前記幅方向の両端が固定されていることを特徴とする男性用失禁パッド。
【請求項2】
前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成される請求項1に記載の男性用失禁パッド。
【請求項3】
前記吸収体は、前記長手方向の端縁に切欠きが形成されている請求項1または2に記載の男性用失禁パッド。
【請求項4】
前記吸収体は、前記アウター部材の前記プリーツ部以外の部分に固定され、前記プリーツ部には固定されていない請求項1〜3のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項5】
前記アウター部材は、前記吸収体が固定された部分の前記長手方向の両側に、前記プリーツ部が各々設けられている請求項4に記載の男性用失禁パッド。
【請求項6】
前記吸収体は前記アウター部材に固定されていない請求項1〜3のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項7】
前記吸収体の外面側および/または前記アウター部材の肌面側に接合手段が設けられ、前記吸収体が前記接合手段により前記アウター部材に着脱可能に形成されている請求項6に記載の男性用失禁パッド。
【請求項8】
前記吸収体は、前記プリーツ部が折り畳まれた状態で、前記長手方向に対し前記アウター部材と同じかそれよりも長く形成され、前記プリーツ部が展開した状態で、前記長手方向に対し前記アウター部材よりも短く形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項9】
前記アウター部材の前記長手方向の端部の肌面側に、前記幅方向に対する端部が前記アウター部材に固定された第1押さえ部材が設けられ、
前記男性用失禁パッドは、前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成され、
前記アウター部材がカップ状に形成された状態で、前記吸収体の前記長手方向の端部が前記アウター部材と前記第1押さえ部材との間に保持される請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項10】
前記アウター部材の前記長手方向の端部の外面側に、前記幅方向に対する端部が前記アウター部材に固定された第2押さえ部材が設けられ、
前記男性用失禁パッドは、前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成され、
前記第2押さえ部材の表裏を反転させて前記第2押さえ部材を前記アウター部材の肌面側に移動させることにより、前記アウター部材がカップ状に形成された状態で、前記吸収体の前記長手方向の端部が前記アウター部材と前記第2押さえ部材との間に保持される請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項11】
前記アウター部材の前記幅方向の両側の肌面側に、前記幅方向の外方が前記アウター部材に固定された第3押さえ部材が設けられている請求項1〜10のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項12】
前記アウター部材の外面側には、前記プリーツ部の谷折りの一方側に粘着部が設けられ、他方側に前記粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられている請求項1〜11のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項13】
前記吸収体は、前記長手方向および/または前記幅方向の端縁に切欠きが形成され、
前記吸収体の肌面側に、前記切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられている請求項1〜12のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項1】
長手方向と幅方向を有するアウター部材と、前記アウター部材の肌面側に設けられた吸収体とを有する男性用失禁パッドであって、
前記アウター部材は、前記長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、前記プリーツ部は前記幅方向の両端が固定されていることを特徴とする男性用失禁パッド。
【請求項2】
前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成される請求項1に記載の男性用失禁パッド。
【請求項3】
前記吸収体は、前記長手方向の端縁に切欠きが形成されている請求項1または2に記載の男性用失禁パッド。
【請求項4】
前記吸収体は、前記アウター部材の前記プリーツ部以外の部分に固定され、前記プリーツ部には固定されていない請求項1〜3のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項5】
前記アウター部材は、前記吸収体が固定された部分の前記長手方向の両側に、前記プリーツ部が各々設けられている請求項4に記載の男性用失禁パッド。
【請求項6】
前記吸収体は前記アウター部材に固定されていない請求項1〜3のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項7】
前記吸収体の外面側および/または前記アウター部材の肌面側に接合手段が設けられ、前記吸収体が前記接合手段により前記アウター部材に着脱可能に形成されている請求項6に記載の男性用失禁パッド。
【請求項8】
前記吸収体は、前記プリーツ部が折り畳まれた状態で、前記長手方向に対し前記アウター部材と同じかそれよりも長く形成され、前記プリーツ部が展開した状態で、前記長手方向に対し前記アウター部材よりも短く形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項9】
前記アウター部材の前記長手方向の端部の肌面側に、前記幅方向に対する端部が前記アウター部材に固定された第1押さえ部材が設けられ、
前記男性用失禁パッドは、前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成され、
前記アウター部材がカップ状に形成された状態で、前記吸収体の前記長手方向の端部が前記アウター部材と前記第1押さえ部材との間に保持される請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項10】
前記アウター部材の前記長手方向の端部の外面側に、前記幅方向に対する端部が前記アウター部材に固定された第2押さえ部材が設けられ、
前記男性用失禁パッドは、前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記アウター部材が前記吸収体を内側に収めたカップ状に形成され、
前記第2押さえ部材の表裏を反転させて前記第2押さえ部材を前記アウター部材の肌面側に移動させることにより、前記アウター部材がカップ状に形成された状態で、前記吸収体の前記長手方向の端部が前記アウター部材と前記第2押さえ部材との間に保持される請求項1〜8のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項11】
前記アウター部材の前記幅方向の両側の肌面側に、前記幅方向の外方が前記アウター部材に固定された第3押さえ部材が設けられている請求項1〜10のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項12】
前記アウター部材の外面側には、前記プリーツ部の谷折りの一方側に粘着部が設けられ、他方側に前記粘着部と剥離可能に貼着された剥離部が設けられている請求項1〜11のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【請求項13】
前記吸収体は、前記長手方向および/または前記幅方向の端縁に切欠きが形成され、
前記吸収体の肌面側に、前記切欠きの縁に沿って第2接合手段が設けられている請求項1〜12のいずれか一項に記載の男性用失禁パッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−90755(P2013−90755A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234289(P2011−234289)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】
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