説明

画像処理装置、および、画像処理装置におけるメモリー制御方法

【課題】データを列単位で読み出すモジュールと行単位で読み出すモジュールを有する画像処理装置について、メモリーの設置に基づく回路規模の増大化を防ぐための技術を提供する。
【解決手段】行アクセスする第1のモジュール(行アクセス処理部107)と、列アクセスする第2のモジュール(列アクセス処理部108)と、で共用されるラインメモリー106を備える画像処理装置100における画像読み出し方法である。ラインメモリー106は、複数のバンク(1061A〜H)を有しており、第1のモジュールは、別々のバンクの同アドレス位置に格納されているデータをそれぞれ読み出し、第2のモジュールは、同一バンク内において同行に格納されている複数のデータを読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリー、画像処理装置、および、画像読み出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置では、メインメモリーに格納されている元の画像データを部分的に抽出して、サブメモリー(例えば、ラインメモリー)に順次格納し、所定の画像処理モジュールがサブメモリーからデータを取得しながら加工処理を施す。
【0003】
例えば、フィルタリング処理などを行う画像処理モジュールでは、フィルタリング対象の画像データを列単位で取得したい場合がある。一方、他の処理時において、画像データを行単位で取得したい場合もある。
【0004】
画像データを列単位で読み出す処理と行単位で読み出す処理では、動作が大きく異なる。そのため、従来の画像処理装置では、画像データを列単位で読み出すモジュールと、行単位で読み出すモジュールと、にそれぞれ異なるサブメモリーを用意している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−72867号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、画像データを列単位で読み出すモジュールと行単位で読み出すモジュールに、異なるサブメモリーを用意することは、回路規模の増大化をまねき、好ましくない。
【0007】
本発明は、データを列単位で読み出すモジュールと行単位で読み出すモジュールを有する画像処理装置について、メモリーの設置に基づく回路規模の増大化を防ぐための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本願発明は、行アクセスする第1のモジュールと、列アクセスする第2のモジュールと、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとで共用されるメモリーと、前記メモリーにデータを書き込む書込制御部と、を備え、前記書き込み制御部は、前記メモリーの書き込み処理において、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは共通の処理でデータを書き込み、前記第1のモジュールは、前記メモリーの読み出し処理において、行アクセスによって前記データを読み出し、前記第2のモジュールは、前記メモリーの読み出し処理において、列アクセスによって前記データを読み出す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の画像処理装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】(A)メインメモリー102に格納される概略データ構成、及び、メインメモリー102に行アクセスする場合の処理を説明するための図である。(B)メインメモリー102に列アクセスする場合の処理を説明するための図である。
【図3】ラインメモリー106の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ラインメモリー106に格納される概略データ構成、及び、行アクセス時のラインメモリー106における入出力について説明するための図である。
【図5】(A)行アクセス時において、各バンク(1061A〜H)からそれぞれ入力されたデータのうち、セレクター1062が選択して転送するデータを示す図である。(B)列アクセス時においてラインメモリー106から出力されるデータ構成について説明するための図である。
【図6】列アクセス時においてラインメモリー106から画像データを出力する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像処理装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
画像処理装置100は、フィルタリング処理等の各種画像処理を行う装置である。本実施形態の画像処理装置100には、例えば、スキャナー、プリンター、複合機、複写機、デジタルカメラ、パーソナルコンピューター等の一般的な情報処理装置、等が適用できる。
【0013】
画像処理装置100は、図示するように、CPU(Central Processing Unit)101と、メインメモリー102と、メインメモリーアクセス制御部103と、入力データ制御部104と、出力データ制御部105と、ラインメモリー106と、行アクセス処理部107と、列アクセス処理部108と、を備える。
【0014】
行アクセス処理部107は、メインメモリー102に格納されている画像データに対して、行アクセスを必要とする画像処理を施す。例えば、行アクセス処理部107は、フィルタリング処理、シェーディング補正等の画像処理を行う。なお、行アクセスとは、メインメモリー102に格納されているデータの配置を基準として、行アクセス処理部107が行単位でデータを取得することを指す。
【0015】
また、列アクセス処理部108は、メインメモリー102に格納されている画像データに対して、列アクセスを必要とする画像処理を施す。例えば、列アクセス処理部108は、フィルタリング処理等の画像処理を行う。なお、列アクセスとは、メインメモリー102に格納されているデータの配置を基準として、列アクセス処理部108が列単位でデータを取得することを指す。
【0016】
ところで、メインメモリー102に格納されているデータは、行アクセスでも列アクセスでも共通の方法で一旦ラインメモリー106に転送される。そして、行アクセス処理部107がラインメモリー106からデータを取得する場合と、列アクセス処理部108がラインメモリー106からデータを取得する場合と、に応じて、データの取得方法を変更することで、行単位のデータ取得と列単位のデータ取得を可能にする。
【0017】
CPU101は、バスを介して他のユニット(102〜106)と接続されており、各ユニット(102〜106)を制御する。CPU101は、メインメモリー102に格納されている各種プログラムを読み出し、読み出したプログラムに従って各種制御を行う。
【0018】
例えば、CPU101は、行アクセス処理部107がメインメモリー102内の画像データに対して画像処理を行う場合には、メインメモリー102から行アクセスによって画像データを読み出す制御を行う。一方、CPU101は、列アクセス処理部108がメインメモリー102内の画像データに対して画像処理を行う場合には、メインメモリー102から列アクセスによって画像データを読み出す制御を行う。
【0019】
メインメモリー102は、CPU101が実行する各種プログラム、各種画像データ、等を格納する。メインメモリー102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリー等で構成される。
【0020】
図2(A)は、メインメモリー102に格納される概略データ構成、及び、メインメモリー102に行アクセスする場合の処理を説明するための図である。
【0021】
図示する例では、メインメモリー102には、128行×128列のバイト単位の格納領域がある。そして、図示するように、行アクセス時には、行アクセス処理部107が、同行に格納されていたデータ(図示する太線)をまとめて取得できる。なお、行アクセスといっても、同行に格納されている全てのデータをまとめて取得する必要はなく、例えば、フィルタリング処理等の画像処理を32ビット単位で行う場合には、同行に格納されているデータのうち、一部のデータ(図示する楕円で囲まれたデータ)をまとめて取得するようにしてもよい。
【0022】
一方、図2(B)は、メインメモリー102に列アクセスする場合の処理を説明するための図である。図示するように、列アクセス時には、列アクセス処理部108が、同列に格納されていたデータ(図示する太線)をまとめて取得できる。なお、列アクセスといっても、同列に格納されている全てのデータをまとめて取得する必要はなく、例えば、フィルタリング処理等の画像処理を32ビット単位で行う場合には、同列に格納されているデータのうち、一部のデータ(図示する楕円で囲まれたデータ)をまとめて取得するようにしてもよい。
【0023】
図1に戻り、メインメモリーアクセス制御部103は、行アクセス処理部107からメインメモリー102へのアクセスと、列アクセス処理部108からメインメモリー102へのアクセスと、を制御する。具体的には、メインメモリーアクセス制御部103は、メインメモリー102に格納されている画像データを、行アクセス処理部107或いは列アクセス処理部108へ読み出す場合に、入力データ制御部104に対して、データ読み出しの指示を行う。一方、メインメモリーアクセス制御部103は、行アクセス処理部107或いは列アクセス処理部108で各種画像処理が施されたデータを、メインメモリー102に格納する場合に、出力データ制御部105に対して、データ書き込みの指示を行う。
【0024】
入力データ制御部104は、メインメモリー102に格納されている画像データを、ラインメモリー106へ入力する制御を行う。なお、ラインメモリー106へ画像データを入力する場合には、入力先の格納領域を指定(後述するバンクの選択、アドレス位置の指定)して行う。
【0025】
出力データ制御部105は、行アクセス処理部107で処理されたデータや、列アクセス処理部108で処理されたデータを、メインメモリー102へ書き込む制御を行う。
【0026】
なお、CPU101、メインメモリー102、メインメモリーアクセス制御部103、入力データ制御部104、出力データ制御部105を相互に接続するバスのバス幅Nは、例えば、64ビットとする。
【0027】
ラインメモリー106は、画像処理用に設けられるサブメモリーであり、行アクセス処理部107と、列アクセス処理部108と、で共用されるメモリーである。ラインメモリー106には、行アクセス処理部107および列アクセス処理部108による画像処理対象の画像データがメインメモリー102から読み出されて格納される。
【0028】
図3は、ラインメモリー106の概略構成の一例を示すブロック図である。図示するように、ラインメモリー106は、複数のバンクを有している。各バンクは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)で構成される。
【0029】
なお、図示する例では、ラインメモリー106は、8個のバンク(第1のバンク1061A、第2のバンク1061B、第3のバンク1061C、第4のバンク1061D、第5のバンク1061E、第6のバンク1061F、第7のバンク1061G、第8のバンク1061H)を有している。そして、メインメモリー102から転送された画像データは、入力データ制御部104によって選択(CS0〜7)されたバンクに格納される。
【0030】
ここで、各バンク(1061A〜H)は、それぞれ、例えば、16行×4列の記憶領域を有しており、64バイトの記憶容量を有する。なお、各バンク(1061A〜H)は、例えば、1バイト単位で画像データを格納可能に設計されている。具体的には、各バンク(1061A〜H)は、入力データ制御部104によってアドレス位置(行アドレスA[3:0]、列アドレスB[3:0])が指定されると、指定されたアドレス位置に1バイト分の画像データを格納する。
【0031】
なお、各バンク(1061A〜H)のアドレス位置(行アドレスA[3:0]、列アドレスB[3:0])の指定には、共通の信号が用いられる。そのため、アドレス位置を1回指定するだけで、全バンク(1061A〜H)の同アドレス位置を一斉に指定できる。そして、メインメモリー102から入力されたNビット(例えば、64ビット)の画像データは、各バンク(1061A〜H)の同アドレス位置に、1バイトずつ格納される。
【0032】
また、各バンク(1061A〜H)は、行アクセス処理部107或いは列アクセス処理部108からの要求に応じて、バンク内に格納されている画像データを出力する。具体的には、各バンク(1061A〜H)は、行アクセス処理部107或いは列アクセス処理部108から行アドレス位置(行アドレスA[3:0])が指定されると、指定された行アドレス位置の画像データ(1ライン分)を出力する。
【0033】
このとき、各バンク(1061A〜H)の行アドレス位置(行アドレスA[3:0])の指定には、共通の信号が用いられているため、指定された行アドレス位置の画像データ(1ライン分)が各バンク(1061A〜H)から一斉に出力される。
【0034】
また、ラインメモリー106は、図3に示すように、セレクター1062を備える。セレクター1062は、各バンク(1061A〜H)とMビット(例えば、32ビット)幅のバスを介して接続されており、各バンク(1061A〜H)から転送された画像データを選択的に行アクセス処理部107、或いは、列アクセス処理部108へ転送する。
【0035】
ここで、セレクター1062は、行アクセス処理部107へ画像データを転送する場合には、別々のバンクの同アドレス位置に格納されているデータを選択して転送する。具体的には、セレクター1062は、図示するMode信号を参照して行アクセスモードか列アクセスモードか決定し、行アクセスモードに決定した場合には、各バンク(1061A〜H)からそれぞれMビット単位(1ライン分)で転送された画像データのうち、同アドレス位置の1バイト分の画像データを選択(抽出)して転送する。
【0036】
一方、セレクター1062は、列アクセス処理部107へ画像データを出力する場合には、同一バンク内において同行(同ライン)に格納されているデータを選択して転送する。具体的には、セレクター1062は、図示するMode信号を参照して行アクセスモードか列アクセスモードか決定し、列アクセスモードに決定した場合には、1つのバンクを選択して、選択したバンクから転送されたMビット単位(1ライン分)の画像データを転送する。
【0037】
本実施形態が適用された画像処理装置100は、以上のような構成からなる。ただし、この構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な画像処理装置が備える他の構成を排除するものではない。
【0038】
また、上記した各構成要素は、画像処理装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。画像処理装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0039】
次に、上記構成からなる画像処理装置100の特徴的な動作について説明する。
【0040】
<行アクセスモード>
まず、行アクセス処理部107がメインメモリー102へ行アクセスする場合の動作について説明する。
【0041】
行アクセス処理部107は、メインメモリー102から画像データを読み出す場合には、画像処理を開始することをCPU101に通知する、これとともに、行アクセス処理部107は、ラインメモリー106のセレクター1062に行アクセスモードを指定する信号(Mode信号)を供給する。
【0042】
このとき、CPU101は、メインメモリーアクセス制御部103に対して、メインメモリー102から画像データを読み出す指示を通知する。そして、この通知を受けたメインメモリーアクセス制御部103は、入力データ制御部104に対して、データ読み出しの指示を行う。
【0043】
それから、入力データ制御部104は、メインメモリー102に格納されている画像データをラインメモリー106へ転送する。具体的には、入力データ制御部104は、メインメモリー102内において同列に格納されているデータを、ラインメモリー106の各バンク(1061A〜H)内で同行(同ライン)となるように格納する。
【0044】
図4は、ラインメモリー106に格納される概略データ構成、及び、行アクセス時のラインメモリー106における入出力について説明するための図である。
【0045】
図示する例では、図2(A)に示す画像データをラインメモリー106に格納している。すなわち、入力データ制御部104は、メインメモリー102内の1、9、17、・・・、8n+1列目(ただし、nは0以上の整数)の画像データを、4バイト単位で第1のバンク1061Aの同行(同ライン)に格納する。同様に、入力データ制御部104は、メインメモリー102内の8n+2列目の画像データを、4バイト単位で第2のバンク1061Bの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+3列目の画像データを、4バイト単位で第3のバンク1061Cの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+4列目の画像データを、4バイト単位で第4のバンク1061Dの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+5列目の画像データを、4バイト単位で第5のバンク1061Eの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+6列目の画像データを、4バイト単位で第6のバンク1061Fの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+7列目の画像データを、4バイト単位で第7のバンク1061Gの同行に格納し、メインメモリー102内の8n+8列目の画像データを、4バイト単位で第8のバンク1061Hの同行に格納する。
【0046】
なお、入力データ制御部104は、メインメモリー102内の画像データをラインメモリー106に格納するとき、上述した通りに、格納先となるバンクに信号(CS0〜7)を供給し、それから、アドレス位置(行アドレスA[3:0]、列アドレスB[3:0])を指定して画像データをラインメモリー106に格納していく。
【0047】
こうして、メインメモリー102内において行方向に連続したデータは、ラインメモリー106内の別々のバンク(1061A〜H)の同アドレス位置に格納される。また、メインメモリー102内において列方向に連続したデータは、ラインメモリー106の同一バンク(1061A〜H)内の同行(同ライン)に格納されることになる。
【0048】
そして、行アクセス処理部107は、以上のようにラインメモリー106に格納された画像データを、ラインメモリー106から読み出す。具体的には、行アクセス処理部107は、ラインメモリー106の各バンク(1061A〜H)に対して行アドレス位置(行アドレスA[3:0])を指定して、1行(1ライン)ずつ画像データを出力させる。
【0049】
そして、各バンク(1061A〜H)から出力された画像データは、セレクター1062に入力される。
【0050】
セレクター1062は、行アクセス処理部107から供給されたMode信号を参照して、行アクセスモードか列アクセスモードか決定する。セレクター1062は、行アクセス処理部107からMode信号が供給されている場合には、行アクセスモードと決定する。
【0051】
行アクセスモードと決定されると、セレクター1062は、各バンク(1061A〜H)からそれぞれ入力された画像データ(1ライン分)のうち、同アドレス位置の1バイト分の画像データを選択(抽出)し、まとめて行アクセス処理部107へ転送する。
【0052】
ここで、本実施形態ではバンクの個数を8個としているため、セレクター1062が行アクセス処理部107へ転送する画像データは8バイトとなる。もちろん、8バイト分の画像データをまとめて行アクセス処理部107へ転送できない場合には、複数回にわけて行アクセス処理部107へ転送するようにしてもよい。
【0053】
図5(A)は、行アクセスモードにおいて、各バンク(1061A〜H)からそれぞれ入力された画像データのうち、セレクター1062が選択して転送するデータを示す図である。
【0054】
図示するように、セレクター1062は、各バンク(1061A〜H)から入力されたそれぞれの画像データについて、同アドレス位置(例えば、0ビット目から7ビット目)の画像データ(Dout0[7:0]、Dout1[7:0]、 Dout2[7:0] 、Dout3[7:0]、 Dout4[7:0]、Dout5[7:0]、Dout6[7:0]、 Dout7[7:0])を選択して、行アクセス処理部107へ転送する。2回にわけて転送する場合には、図示するように、セレクター1062は、同アドレス位置の画像データを、第1〜第4のバンク(1061A〜D)から選択したデータ(Dout3[7:0]、Dout2[7:0]、 Dout1[7:0] 、Dout0[7:0])と、第5〜第8のバンク(1061E〜H)から選択したデータ(Dout7[7:0]、Dout6[7:0]、 Dout5[7:0] 、Dout4[7:0])と、にわけて転送すればよい。
【0055】
以上の転送を、各バンク(1061A〜H)とセレクター1062は、各バンク(1061A〜h)内の全データについて転送し終えるまで繰り返し実行する。こうして、ラインメモリー106から、図4の太線で囲まれているようなデータ、すなわち、別々のバンク(1061A〜H)の同アドレス位置に格納されているデータを、まとめて行アクセス処理部107へ転送できる。
【0056】
その後、行アクセス処理部107は、ラインメモリー106から転送された画像データに対して画像処理(例えば、シェーディング補正等)の画像処理を施す。
【0057】
それから、行アクセス処理部107は、画像処理済みの画像データを出力データ制御部105に転送し、出力データ制御部107は、転送された画像データをメインメモリー102へ書き込む。
【0058】
以上のように、行アクセス処理部107は、ラインメモリー106を用いてメインメモリー102から画像データを読み出し、画像処理を行う。
【0059】
<列アクセスモード>
次に、列アクセス処理部108がメインメモリー102へ列アクセスする場合の動作について説明する。
【0060】
列アクセス処理部108は、メインメモリー102から画像データを読み出す場合には、画像処理を開始することをCPU101に通知する、これとともに、列アクセス処理部108は、ラインメモリー106のセレクター1062に列アクセスモードを指定する信号(Mode信号)を供給する。
【0061】
このとき、CPU101は、メインメモリーアクセス制御部103に対して、メインメモリー102から画像データを読み出す指示を通知する。そして、この通知を受けたメインメモリーアクセス制御部103は、入力データ制御部104に対して、データ読み出しの指示を行う。
【0062】
すなわち、入力データ制御部104は、メインメモリー102に格納されている画像データをラインメモリー106へ転送して格納する。具体的な転送方法については、行アクセス時の転送方法と同様なので省略する。
【0063】
そして、列アクセス処理部108は、ラインメモリー106に格納された画像データを、ラインメモリー106から読み出す。具体的には、列アクセス処理部108は、ラインメモリー106の各バンク(1061A〜H)に対して行アドレス位置(行アドレスA[3:0])を指定して、1行(1ライン)ずつ画像データを出力させる。
【0064】
なお、図6は、列アクセス時においてラインメモリー106から画像データを出力する例を示す図である。
【0065】
図示するように各バンク(1061A〜H)から出力された画像データは、セレクター1062に入力される。
【0066】
セレクター1062は、列アクセス処理部108から供給されたMode信号を参照して、行アクセスモードか列アクセスモードか決定する。セレクター1062は、列アクセス処理部108からMode信号が供給されている場合には、列アクセスモードと決定する。
【0067】
列アクセスモードと決定されると、セレクター1062は、各バンク(1061A〜H)からそれぞれ入力された画像データ(1ライン分)のうち、1つのバンクから入力された1ライン分の画像データを選択して、列アクセス処理部108へ転送する。
【0068】
図5(B)は、列アクセスモードにおいて、各バンク(1061A〜H)からそれぞれ入力された画像データのうち、セレクター1062が選択して転送するデータを示す図である。
【0069】
図示するように、セレクター1062は、各バンク(1061A〜H)から入力されたそれぞれの画像データのうち、1つのバンクから入力された1ライン分(例えば、0ビット目から31ビット目)の画像データ(Dout0[31:0])を選択して、列アクセス処理部108へ転送する。
【0070】
以上の転送を、ラインメモリー106の各バンク(1061A〜H)とセレクター1062は、ラインメモリー106内の全データについて転送し終えるまで繰り返し実行する。こうして、ラインメモリー106は、図6の太線で囲まれているようなデータ、すなわち、同一バンク内において同行(同ライン)に格納されているデータを、まとめて列アクセス処理部108へ転送できる。
【0071】
そして、列アクセス処理部108は、ラインメモリー106から転送された画像データに対して画像処理(例えば、フィルタリング処理等)の画像処理を施す。
【0072】
それから、列アクセス処理部108は、画像処理済みの画像データを出力データ制御部105に転送し、出力データ制御部105は、転送された画像データをメインメモリー102へ書き込む。
【0073】
以上のように、列アクセス処理部108は、行アクセス処理部107と共用のラインメモリー106を用いて、メインメモリー102から画像データを読み出し、画像処理を行う。
【0074】
従って、本実施形態の画像処理装置100では、行アクセス処理部107と列アクセス処理部108に、異なるラインメモリー106を用意する必要がなく、ラインメモリー106の設置に基づく回路規模の増大化を防ぐことができる。
【0075】
なお、上記の実施形態は、本発明の要旨を例示することを意図し、本発明を限定するものではない。多くの代替物、修正、変形例は当業者にとって明らかである。
【0076】
例えば、上記の実施形態では、ラインメモリー106に画像データを格納する処理と、ラインメモリー106から行アクセス処理部107へ転送する処理を、連続して行うものとして説明している。同様に、ラインメモリー106に画像データを格納する処理と、ラインメモリー106から列アクセス処理部108へ転送する処理も、連続して行うものとして説明している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、ラインメモリー106に画像データが格納された後、画像データを行アクセス処理部107や列アクセス処理部108に転送するのは任意のタイミングでよい。
【0077】
また、画像処理装置100内のバス幅や、各バンク(1061A〜H)の記憶容量について、上記の実施形態のように限定する必要はない。
【符号の説明】
【0078】
100・・・画像処理装置、101・・・CPU、102・・・メインメモリー、103・・・メインメモリーアクセス制御部、104・・・入力データ制御部、105・・・出力データ制御部、106・・・ラインメモリー、107・・・行アクセス処理部、108・・・列アクセス処理部、1061A・・・第1のバンク、1061B・・・第2のバンク、1061C・・・第3のバンク、1061D・・・第4のバンク、1061E・・・第5のバンク、1061F・・・第6のバンク、1061G・・・第7のバンク、1061H・・・第8のバンク、1062・・・セレクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行アクセスする第1のモジュールと、
列アクセスする第2のモジュールと、
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとで共用されるメモリーと、
前記メモリーにデータを書き込む書込制御部と、を備え
前記書き込み制御部は、前記メモリーの書き込み処理において、前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは共通の処理でデータを書き込み、
前記第1のモジュールは、前記メモリーの読み出し処理において、行アクセスによって前記データを読み出し、
前記第2のモジュールは、前記メモリーの読み出し処理において、列アクセスによって前記データを読み出すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記メモリーは、複数のバンクを有しており、
前記第1のモジュールは、別々のバンクの同アドレス位置に格納されているデータをそれぞれ読み出し、
前記第2のモジュールは、同一バンク内において同行に格納されている複数のデータを読み出す、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、
前記書込制御部は、
処理単位の行方向に連続したデータを、別々のバンクの同アドレス位置に格納し、
処理単位の列方向に連続したデータを、同一バンク内の同行に格納する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
モード決定部をさらに備え、
当該モード決定部は、
データに施す処理内容に応じて、行アクセスするか列アクセスするか決定する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
行アクセスする第1のモジュールと、列アクセスする第2のモジュールと、で共用されるメモリーを備える画像処理装置におけるメモリー制御方法であって、
前記メモリーは、複数のバンクを有しており、
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとは共通の処理で前記複数のバンクにデータを書き込み、
前記第1のモジュールは、別々のバンクの同アドレス位置に格納されているデータをそれぞれ読み出し、
前記第2のモジュールは、同一バンク内において同行に格納されている複数のデータを読み出す、
ことを特徴とする画像処理装置におけるメモリー制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−43126(P2012−43126A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183019(P2010−183019)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】