画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及び、プログラム
【課題】撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置を提供する。
【解決手段】撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする。
【解決手段】撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムに係り、特に撮像光学系による画像の劣化を高解像度かつ高品位に補正するものに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像光学系を介して撮影された被写体は、撮像光学系で発生する回折や収差等の影響により、1点から発生した光を1点に収束させることができず、微小な広がりを持つ。このような微小な広がりを持った分布を、点像強度分布関数(PSF)と呼ぶ。このような撮像光学系の影響により、撮影画像は、被写体像にPSFが畳み込まれて形成されることになり、画像がぼけて解像度が劣化する。
【0003】
近年、撮影画像を電子データとして保持することが一般的になり、画像処理によって光学系による画像劣化を補正する技術が提案されている。特許文献1には、画像劣化を補正するためのフィルタ係数を保持して画像処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−56992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像回復フィルタを用いたフィルタ処理による画像の劣化補正を行う場合、画像回復フィルタを作成するための光学伝達関数の情報(OTF情報)を画素ごとに装置に保持しておく必要がある。しかしながら、OTF情報は、撮像素子と撮像光学系のそれぞれの情報によって算出されるため、非常に膨大な量となり、装置の内部にそれらの全てを保持することは困難である。
【0006】
そこで本発明は、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての画像処理装置は、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有する。
【0008】
本発明の他の側面としての撮像装置は、撮像光学系を介した被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有する。
【0009】
本発明の他の側面としての画像処理方法は、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理方法であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを有する。
【0010】
本発明の他の側面としてのプログラムは、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理プログラムであって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを情報処理装置に実行させる。
【0011】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における画像処理装置の構成図である。
【図2】実施例1における係数算出装置による係数算出方法を示す図である。
【図3】実施例1における係数算出装置の出力データを示す図である。
【図4】実施例1において、PSFとタップ数の関係を示す図である(タップ数が多い場合)。
【図5】実施例1において、PSFとタップ数の関係を示す図である(タップ数が少ない場合)。
【図6】実施例1におけるOTF再構成部による再構成OTFの作成方法を示す図である。
【図7】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFパラメータを示す図である。
【図8A】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFデータを示す図である。
【図8B】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFデータを示す図である。
【図9】実施例1において、タップ数とPSFデータの関係を示す図である。
【図10】実施例1における画像回復フィルタの概念図である。
【図11】実施例1における画像回復フィルタにより補正された被写体画像を示す図である。
【図12】実施例2における画像処理装置を備えた撮像装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、一般的な画像回復処理方法について説明する。
【0015】
実空間(x,y)上で、光学系による劣化を受ける前の画像をf(x,y)、PSF(点像強度分布関数)をh(x,y)、劣化した画像をg(x,y)とすると、これらは以下の式(1)のように表される。
【0016】
g(x,y)=∫∫f(X,Y)*h(x−X,y−Y)dXdY… (1)
ここで、f(x,y)は劣化を受ける前の画像、g(x,y)は劣化した画像、h(x,y)は点像強度分布関数(PSF)である。前記の式(1)にフーリエ変換を施し、実空間(x,y)から周波数空間(u,v)への変換を行うと、以下の式(2)の関係が成立する。
【0017】
G(u,v)=F(u,v)*H(u,v) … (2)
ここで、F(u,v)はf(x,y)のフーリエ変換、G(u,v)はg(x,y)のフーリエ変換、H(u,v)はh(x,y)のフーリエ変換である。このため、以下の式(3)が成立する。
【0018】
F(u,v)=G(u,v)/H(u,v) … (3)
式(3)は、周波数空間上で、劣化画像g(x,y)のフーリエ変換G(u,v)を点像強度分布関数h(x,y)のフーリエ変換H(u,v)で割ると、劣化を受ける前の画像f(x,y)のフーリエ変換F(u,v)が得られることを意味している。従って、F(u,v)にフーリエ逆変換を施せば、劣化をうける前の画像f(x,y)を得ることができる。
【0019】
しかしながら実際に、このような処理を行って劣化を受ける前の画像を得ようとすると、撮像素子によって生じたノイズが増幅し、良好な画像を得ることはできない。
【0020】
そこで、ノイズ増幅を抑制するための画像回復手法として、以下の式(4)で表されるウィーナーフィルタを用いることが知られている。
【0021】
1/H(u,v)*|H(u,v)|^2/(|H(u,v)|^2+Γ) … (4)
ここで、H(u,v)は光学伝達関数(OTF)であり、Γはノイズの増幅量を低減するための定数である。
【0022】
上記の式(4)を、撮像光学系の周波数と位相情報を持つOTFに積算すれば、光学系の回折や収差によって発生したPSFの位相を0にし、周波数特性を増幅することで、高解像度かつ良好な画像を得ることができる。式(4)を効果的に用いるには、撮像光学系の正確なOTF情報を得る必要がある。OTF情報を得る方法として、例えば撮像光学系の設計値情報があれば、その情報から計算によって求めることが可能である。また、点光源を撮影し、その強度分布にフーリエ変換を施すことで求めることもできる。一般に、カメラに用いられる撮像光学系は、その光学性能(F値、収差等)が像高間で大きく変動する。このため、被写体画像の劣化を補正するには、上記の式(4)をそのままの形で周波数空間上での一括計算はできず、像高ごとに式(4)を実空間上のフィルタに変換して、劣化を補正する処理を行う。
【0023】
撮像光学系により結像された光学像は、撮像素子により電気的にサンプリングされる。本来連続量である光学像が離散的な値に変換されるため、光学像は、周波数空間において、サンプリング周波数を周期にもつ周波数信号となる。この周期性により、周波数信号がサンプリング周波数の2分の1を超えて分布している場合、周波数信号が重なるため、正確な信号が再現できない。このサンプリング周波数の2分の1の値をナイキスト周波数という。ナイキスト周波数は、fn=1/(2*b)(ただし、bは撮像素子の画素ピッチ)で表される。
【0024】
撮像素子の直前における光学像の空間周波数特性は、撮像光学系のOTFで表される。画像回復処理を行う場合、画像回復フィルタの1タップの大きさと撮像素子の1画素の大きさを一致させる必要があり、また、撮像素子の開口特性も反映させることが好ましい。前者はOTFを撮像素子のナイキスト周波数を最大値とする空間周波数で切り出すことに相当し、後者は撮像素子によってOTFにローパスフィルタがかかることに相当する。このため、画像回復フィルタの作成に用いられるOTF情報は、撮像光学系のみでは一意に決定されず、撮像素子に依存する。
【実施例1】
【0025】
まず、本発明の実施例1における画像処理装置について説明する。図1は、本実施例における画像処理装置の一例としての構成図である。本実施例の画像処理装置は、劣化した画像を補正する機能を有し、例えばコンピュータにインストールされ、以下の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム(ソフトウエア)として構成される。
【0026】
図1において、画像処理装置は、光学伝達関数(以下、「OTF」ともいう。)を再構成するための係数を算出する係数算出装置100(係数算出部)を有する。係数算出装置100は、撮像光学系(撮像レンズ112)の設計値又は測定値からOTFを算出する。また係数算出装置100(次数決定部)は、OTFを係数(係数データ)に変換し、その精度(フィッティング処理の精度)に応じて後にOTFの再構成に用いられる係数の次数を決定する。更に係数算出装置100は、点像強度分布関数(以下、「PSF」ともいう。)の空間的な分布の大きさから、後にOTFを再現する際に必要なタップ数を決定する。係数算出装置100は、種々の撮像光学系(撮像レンズ112)と撮像素子111の組み合わせについて、決定された次数までの係数とOTFのタップ数とを算出し、画像回復処理装置120へ出力する。
【0027】
カメラ110は、撮像素子111及び撮像レンズ112を有する。カメラ110は、撮像レンズ112で撮像された被写体画像に、撮像レンズ112を特定するID番号(レンズID)、撮影条件(絞り、ズーム、被写体距離等)、及び、撮像素子111による表現が可能な空間周波数のナイキスト周波数の値を付加して出力する。
【0028】
画像回復処理装置120は、係数算出装置100及びカメラ110から出力された種々の情報を保持し、これらの情報を用いて撮像レンズ112を介して得られた被写体画像(劣化画像)を補正する。以下、画像回復処理装置120の内部構成について詳述する。画像回復情報保持部121は、係数算出装置100により算出された種々の撮像レンズ112と撮像素子111との組み合わせのそれぞれについて、係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数を記録して保持する。このように、画像回復情報保持部121は、撮像レンズ112の種類及び撮影条件などに応じて、撮像レンズ112のOTFを再構成するための係数データなどを保持するデータ保持部である。
【0029】
OTF再構成部122(再構成部)は、カメラ110から撮像レンズ112のレンズID、撮影条件、及び、撮像素子111のナイキスト周波数を取得する。またOTF再構成部122は、撮影者が被写体画像の撮影に用いたカメラ110のレンズID及び撮影条件から、画像回復情報保持部121に保持されている係数及びタップ数のうち特定の係数及びタップ数を選択する。このようにOTF再構成部122は、各像高のPSFの大きさ及び撮像素子111の画素ピッチに応じて、係数を用いて再構成されるOTFのタップ数を決定するタップ数決定部である。なお、各像高のPSFの大きさに応じていなくても、関数でフィッティングした係数を有することで、本実施例の効果を得ることができるが、各像高のPSFの大きさに応じてタップ数を決定すると、余分な値を持たなくて良いためより好ましい。
【0030】
またOTF再構成部122は、周波数空間において、撮像素子111のナイキスト周波数までをサンプリングし、選択された係数及びタップ数を用いてフィルタ処理部123で使用されるOTFを再構成する。このようにOTF再構成部122は、撮像素子111のナイキスト周波数とタップ数とに応じて、OTFを再構成する。以下、OTF再構成部122で作成されたOTFを再構成OTFと称する場合がある。フィルタ処理部123は、OTF再構成部122で作成された再構成OTFを用いて、撮影された被写体画像の劣化を補正するための画像回復フィルタを作成する。そして、この画像回復フィルタを用いて実空間上で被写体画像に対するフィルタ処理を行い、被写体画像を補正する。
【0031】
次に、本実施例における係数算出方法について詳述する。本実施例では、撮像光学系(撮像レンズ112)のOTF(設計値又は測定値)を所定の関数へのフィッティング処理により近似することで、係数を作成する。フィッティング処理の際に用いられる関数として、本実施例ではLegendre多項式が用いられる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えばChebuyshev多項式などの他の式を用いてもよい。Legendre多項式は、以下の式(5)のように表される。ここで、[x]はxを超えない最大の整数である。
【0032】
【数1】
【0033】
OTFはz=f(x,y)の形で表されるため、本実施例では以下の式(6)中の係数aijを算出する必要がある。
【0034】
【数2】
【0035】
上記の式(6)は直交関数であり、係数aijの値はフィッティング処理の際の次数に依存しないで決定される。このように、撮像光学系のOTFを所定の関数へのフィッティング処理により近似し、係数を作成することで、必要なデータの記憶量を低減させることができる。式(6)の直交関数の性質を利用することにより、OTFのフィッティング処理が低次数でも十分高精度に実行可能な場合、この次数で打ち切ることができ、装置内に保持すべき係数の情報量をより抑えることが可能となる。
【0036】
図2は、係数算出装置100による係数算出方法を示す図であり、上記の式(5)、(6)を用いて光学伝達関数(OTF)のフィッティング処理を行う具体的な方法を示している。図2において、fum、fvmはそれぞれ、OTFのmeridional、sagittal方向のナイキスト周波数である。また、Nx、Nyはそれぞれ、OTFのmeridional、sagittal方向の奇数のタップ数である。係数算出装置100では、OTFの実部及び虚部のそれぞれに対して、フィッティング処理により係数を算出する。
【0037】
OTFの実部は、meridional方向とsagittal方向のそれぞれにおいて対称である。OTFの虚部は、meridional方向において正負逆ではあるが対称であり、sagittal方向において対称である。このような対称性により、フィッティング対象のOTFのデータとしては、定義域全体の少なくとも1/4の領域などの対称性を有する領域の情報があれば十分である。本実施例では、このような理由により、OTFから実部及び虚部ともに定義域全体の1/4の領域を対象として、DC成分が含まれるように切り出してOTFの高精度なフィッティング処理を行う。
本実施例では、OTFデータがNx(行)×Ny(列)タップの場合の例を示しており、このOTFデータから、1〜[Nx/2]+1行、1〜[Ny/2]+1列のデータを切り出しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0038】
図3は、係数算出装置100の出力データの一例であり、上記の係数算出方法で算出された係数を示している。図3に示されるように、本実施例では、像高(像高1〜10)ごとに、OTFの実部及び虚部の係数をxyともに10次まで算出している。像高ごとの係数を一まとめにし、更にレンズID、絞り、ズーム、及び、被写体距離の情報を付加することで、1つの係数データが完成する。本実施例では一例として、レンズID:No123、絞り:F2.8、ズーム:WIDE、被写体距離:至近、の各条件における10像高分の係数が示されている。また、このように作成した係数を次数別に像高ごとに関数化してもよい。係数算出装置100は、このような情報を全てのレンズID、絞り、ズーム、及び、被写体距離の組み合わせに対して作成して出力する。
【0039】
続いて、本実施例における再構成OTFのタップ数決定方法について詳述する。画像にフィルタ処理を行う際、処理時間はそのフィルタのタップ数に大きく依存する。このため、フィルタ処理を行う際に所望の画像劣化補正効果が得られ、リンギング等の弊害が生じなければ、フィルタタップ数は小さいほうがより好ましい。
【0040】
劣化画像の補正に用いられる画像回復フィルタは、実空間上のフィルタである。従って、実空間上でフィルタに必要なタップ数を決定すればよい。画像回復フィルタは、点像強度分布関数(PSF)による画像の劣化を補正するフィルタであるから、PSFが実空間上で分布している領域と同程度の領域を確保できればよい。すなわち、画像回復フィルタに必要なタップ数は、実空間上におけるPSF分布領域のタップ数である。実空間と周波数空間は互いに逆数の関係にあるため、実空間で決定されたタップ数を周波数空間で用いることができる。
【0041】
これについて、図4及び図5を参照して詳述する。図4は、タップ数をPSFの空間分布に比べて十分大きい領域でとった場合を示している。図5は、図4と同じPSFに対して、タップ数をPSFの空間分布と略同一の領域でとった場合を示している。図4において、実空間でのタップ数は周波数空間での最小周波数ピッチに対応している。一方、図5のように実空間のタップ数を小さくすることは、周波数空間を粗くサンプリングすることを意味し、最小周波数ピッチが大きくなることを示している。このとき、周波数空間でのナイキスト周波数の値は変化しない。このため、実空間上でPSFの空間分布を削ってしまうほどタップ数を少なくすると、画像回復処理の際にリンキング等の上記弊害が発生しやすくなる。従って、フィルタタップ数は、PSFの空間分布と略同一の領域サイズに決定することが望ましい。
【0042】
画像回復情報保持部121には、係数算出装置100から出力された係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数が記憶される。OTF再構成部122は、カメラ110からレンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数を取得する。続いて、OTF再構成部122は、画像回復情報保持部121から、選択されたタップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数の各情報を読み出し、これらの情報を用いて画像回復フィルタの作成に用いられる再構成OTFを作成する。
【0043】
次に、図6を参照して、OTF再構成部122による再構成OTFの作成方法について詳述する。再構成OTFの作成に必要なmeridional、sagittal方向のナイキスト周波数を、それぞれfuc_rm、fvc_imとする。また、meridional、sagittal方向のタップ数を、それぞれMx、Myとする。ここで、ナイキスト周波数fum,fvmに対して、0<fum_n≦fum、0<fvm_n≦fvm、0<Mx≦Nx、0<My≦Nyが成立し、タップ数Mx、Myは奇数である。
【0044】
ここで、前記の式(1)、(2)中のx、yをu、mに置き換え、−fum_n/fum≦u≦1、−fvm_n/fvm≦v≦1の領域を[Mx/2]+1、[My/2]+1タップでサンプリングする。そして前記係数を式(2)に代入すると、再構成OTFの1/4の領域が作成される。このような手順は、再構成OTFの実部(122−1−1)及び虚部(122−2−1)の両方について同様に行われる。本実施例では、実部及び虚部ともに、定義域全体の1/4の領域の再構成OTFから、定義域−fum_n/fum≦u≦fum_n/fum、−fvm_n/fvm≦v≦fvm_n/fvm、タップ数Mx、Myである再構成OTFの作成方法について説明する。
【0045】
まず、再構成OTFの実部の作成方法について説明する。再構成OTFの実部(122−1−1)を用いて、1〜[Mx/2]+1行、1〜[My/2]列の領域と、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+1列の領域に分離する。続いて、1〜[Mx/2]+1行、1〜[My/2]列の領域の数値データを、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+1列の領域に対して線対称になるように、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+2〜My列の領域に代入する(実部(122−1−2))。
更に、実部(122−1−2)で作成された1/2領域の再構成OTFを、1〜[Mx/2]行、1〜My列の領域と、[Mx/2]+1行、1〜My列の領域に分離する(実部(122−1−3))。前記1〜[Mx/2]行、1〜My列の領域の数値データを、[Mx/2]+1行、1〜My列の領域に対して線対称になるように[Mx/2]+2行、1〜My列の領域に代入する。
【0046】
次に、再構成OTFの虚部の作成方法について説明する。虚部(122−2−2)については実部(122−1−2)と同様の方法で作成することができる。また、虚部(122−2−3)については、正負を入れ替えて代入する必要がある。上述のような作成方法が可能なのは、OTFの特徴によるものである。
【0047】
図7は、OTF再構成部122の再構成OTFパラメータを示しており、再構成OTFのナイキスト周波数とタップ数の関係図(再構成OTFの断面図)である。前述のように、ナイキスト周波数は、撮像素子111の空間分解能から決定されるカメラボディ(カメラ110)に依存したパラメータである。またタップ数は、撮像レンズ112のPSFに依存したパラメータである。これら2つのパラメータと前記係数より、所望の再構成OTFが作成される。図7において、ナイキスト周波数についてはf_nyq1>f_nyq2が成立し、タップ数についてはN>M1>M2が成立する。本実施例では、図7に示されるように、ナイキスト周波数とタップ数とを所望の値に制御することが可能である。
【0048】
以上の方法により、被写体画像の劣化を補正するための画像処理を行った場合の一例を以下に示す。図8Aは、OTF再構成部122の再構成OTFデータの実部を示し、図8Bは再構成OTFデータの虚部を示す図である。図8A、図8Bにおいて、201はナイキスト周波数238lines/mm、一辺のタップ数193において、撮像光学系の設計値情報から計算したOTFを用いて、Legendre多項式の10次係数から作成した再構成OTFである。202、203は、ナイキスト周波数を変化させずタップ数のみを変化させた場合の再構成OTFである。204は、ナイキスト周波数とタップ数を同時に変化させた再構成OTFである。このように本実施例では、ナイキスト周波数やタップ数を制御可能である。このため、撮像レンズ112とカメラボディとの組み合わせが変わった場合でも、保持データを増加させることなく対応可能である。
【0049】
図9は、本実施例において、タップ数とPSFデータの関係を示す図である。図9は、図8A、図8Bに対応するPSFであり、図8A、図8Bに対応してナイキスト周波数とタップ数が変化する。また、タップ数はPSFの空間分布を削り取っていないため、後の画像回復フィルタによる被写体画像の劣化補正処理で所望の効果を得ることができる。
【0050】
図10は、本実施例における画像回復フィルタの概念図である。画像回復フィルタは、図10の上段に示される形式の実空間の2次元データであり、そのタップ数は空間周波数上の情報であるOTFのタップ数と等しい。図11は、画像回復フィルタにより補正された被写体画像を示す。図11は、図8A、図8Bに示される係数再現OTFから作成した画像回復フィルタにより補正された被写体画像の一例である。図11からわかるように、撮像レンズ112により劣化した被写体画像が高解像度かつ高品位に補正されている。
【0051】
本実施例によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置を提供することができる。
【実施例2】
【0052】
次に、図12を参照して、本発明の実施例2について説明する。図12は、本実施例における撮像装置の構成図である。実施例1では、画像処理装置は撮像装置とは別の装置(例えばパソコン)に画像処理方法を実行するためのプログラムをインストールして用いられるが、本実施例では、画像処理装置が撮像装置に含まれている。
【0053】
撮像装置400には、絞り401a及びフォーカスレンズ401bを備えた撮像光学系401(レンズ)が交換可能に装着される。ただし本実施例はこれに限定さえるものではなく、撮像光学系が一体化された撮像装置にも適用可能である。撮像光学系401を介して得られた被写体画像は、撮像素子402により光電変換が行われてアナログ信号に変換され、A/D変換器403によりデジタル信号に変換される。画像処理部404は、このデジタル信号に対して、状態検知部407及び記憶部408の各情報を用いて所定の画像処理を行う。システムコントローラ410は、画像処理部404、表示部405、撮像光学系制御部406、状態検知部407、及び、画像記録媒体409の各部を制御する。撮像光学系制御部406は撮像光学系401の動作を制御し、状態検知部407は撮像光学系制御部406の情報から撮像光学系401の状態を検知する。
【0054】
画像処理部404は、本実施例における画像処理装置を備えており、撮像光学系401の光学伝達関数(OTF)を再構成して被写体画像を補正する機能を有する。記憶部408は、係数算出装置で算出された再構成OTFを作成するための係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数に関する情報を保持している。画像処理部404は、撮像光学系401と撮像素子402から得られた情報を記憶部408に記憶された情報と照合して、画像回復フィルタの作成に必要な情報を読み出し、画像回復フィルタを作成する。また画像処理部404は、作成された画像回復フィルタを用いて、画像記録媒体409に記録されている被写体画像を補正する。補正された被写体画像は、表示部405において表示される。本実施例における画像処理方法の詳細は、実施例1と同様であるため省略する。本実施例によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた撮像装置(画像処理装置)を提供することができる。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
111 撮像素子
112 撮像レンズ
121 画像回復情報保持部
122 OTF再構成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムに係り、特に撮像光学系による画像の劣化を高解像度かつ高品位に補正するものに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像光学系を介して撮影された被写体は、撮像光学系で発生する回折や収差等の影響により、1点から発生した光を1点に収束させることができず、微小な広がりを持つ。このような微小な広がりを持った分布を、点像強度分布関数(PSF)と呼ぶ。このような撮像光学系の影響により、撮影画像は、被写体像にPSFが畳み込まれて形成されることになり、画像がぼけて解像度が劣化する。
【0003】
近年、撮影画像を電子データとして保持することが一般的になり、画像処理によって光学系による画像劣化を補正する技術が提案されている。特許文献1には、画像劣化を補正するためのフィルタ係数を保持して画像処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−56992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像回復フィルタを用いたフィルタ処理による画像の劣化補正を行う場合、画像回復フィルタを作成するための光学伝達関数の情報(OTF情報)を画素ごとに装置に保持しておく必要がある。しかしながら、OTF情報は、撮像素子と撮像光学系のそれぞれの情報によって算出されるため、非常に膨大な量となり、装置の内部にそれらの全てを保持することは困難である。
【0006】
そこで本発明は、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての画像処理装置は、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有する。
【0008】
本発明の他の側面としての撮像装置は、撮像光学系を介した被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有する。
【0009】
本発明の他の側面としての画像処理方法は、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理方法であって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを有する。
【0010】
本発明の他の側面としてのプログラムは、撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理プログラムであって、前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを情報処理装置に実行させる。
【0011】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における画像処理装置の構成図である。
【図2】実施例1における係数算出装置による係数算出方法を示す図である。
【図3】実施例1における係数算出装置の出力データを示す図である。
【図4】実施例1において、PSFとタップ数の関係を示す図である(タップ数が多い場合)。
【図5】実施例1において、PSFとタップ数の関係を示す図である(タップ数が少ない場合)。
【図6】実施例1におけるOTF再構成部による再構成OTFの作成方法を示す図である。
【図7】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFパラメータを示す図である。
【図8A】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFデータを示す図である。
【図8B】実施例1におけるOTF再構成部の再構成OTFデータを示す図である。
【図9】実施例1において、タップ数とPSFデータの関係を示す図である。
【図10】実施例1における画像回復フィルタの概念図である。
【図11】実施例1における画像回復フィルタにより補正された被写体画像を示す図である。
【図12】実施例2における画像処理装置を備えた撮像装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、一般的な画像回復処理方法について説明する。
【0015】
実空間(x,y)上で、光学系による劣化を受ける前の画像をf(x,y)、PSF(点像強度分布関数)をh(x,y)、劣化した画像をg(x,y)とすると、これらは以下の式(1)のように表される。
【0016】
g(x,y)=∫∫f(X,Y)*h(x−X,y−Y)dXdY… (1)
ここで、f(x,y)は劣化を受ける前の画像、g(x,y)は劣化した画像、h(x,y)は点像強度分布関数(PSF)である。前記の式(1)にフーリエ変換を施し、実空間(x,y)から周波数空間(u,v)への変換を行うと、以下の式(2)の関係が成立する。
【0017】
G(u,v)=F(u,v)*H(u,v) … (2)
ここで、F(u,v)はf(x,y)のフーリエ変換、G(u,v)はg(x,y)のフーリエ変換、H(u,v)はh(x,y)のフーリエ変換である。このため、以下の式(3)が成立する。
【0018】
F(u,v)=G(u,v)/H(u,v) … (3)
式(3)は、周波数空間上で、劣化画像g(x,y)のフーリエ変換G(u,v)を点像強度分布関数h(x,y)のフーリエ変換H(u,v)で割ると、劣化を受ける前の画像f(x,y)のフーリエ変換F(u,v)が得られることを意味している。従って、F(u,v)にフーリエ逆変換を施せば、劣化をうける前の画像f(x,y)を得ることができる。
【0019】
しかしながら実際に、このような処理を行って劣化を受ける前の画像を得ようとすると、撮像素子によって生じたノイズが増幅し、良好な画像を得ることはできない。
【0020】
そこで、ノイズ増幅を抑制するための画像回復手法として、以下の式(4)で表されるウィーナーフィルタを用いることが知られている。
【0021】
1/H(u,v)*|H(u,v)|^2/(|H(u,v)|^2+Γ) … (4)
ここで、H(u,v)は光学伝達関数(OTF)であり、Γはノイズの増幅量を低減するための定数である。
【0022】
上記の式(4)を、撮像光学系の周波数と位相情報を持つOTFに積算すれば、光学系の回折や収差によって発生したPSFの位相を0にし、周波数特性を増幅することで、高解像度かつ良好な画像を得ることができる。式(4)を効果的に用いるには、撮像光学系の正確なOTF情報を得る必要がある。OTF情報を得る方法として、例えば撮像光学系の設計値情報があれば、その情報から計算によって求めることが可能である。また、点光源を撮影し、その強度分布にフーリエ変換を施すことで求めることもできる。一般に、カメラに用いられる撮像光学系は、その光学性能(F値、収差等)が像高間で大きく変動する。このため、被写体画像の劣化を補正するには、上記の式(4)をそのままの形で周波数空間上での一括計算はできず、像高ごとに式(4)を実空間上のフィルタに変換して、劣化を補正する処理を行う。
【0023】
撮像光学系により結像された光学像は、撮像素子により電気的にサンプリングされる。本来連続量である光学像が離散的な値に変換されるため、光学像は、周波数空間において、サンプリング周波数を周期にもつ周波数信号となる。この周期性により、周波数信号がサンプリング周波数の2分の1を超えて分布している場合、周波数信号が重なるため、正確な信号が再現できない。このサンプリング周波数の2分の1の値をナイキスト周波数という。ナイキスト周波数は、fn=1/(2*b)(ただし、bは撮像素子の画素ピッチ)で表される。
【0024】
撮像素子の直前における光学像の空間周波数特性は、撮像光学系のOTFで表される。画像回復処理を行う場合、画像回復フィルタの1タップの大きさと撮像素子の1画素の大きさを一致させる必要があり、また、撮像素子の開口特性も反映させることが好ましい。前者はOTFを撮像素子のナイキスト周波数を最大値とする空間周波数で切り出すことに相当し、後者は撮像素子によってOTFにローパスフィルタがかかることに相当する。このため、画像回復フィルタの作成に用いられるOTF情報は、撮像光学系のみでは一意に決定されず、撮像素子に依存する。
【実施例1】
【0025】
まず、本発明の実施例1における画像処理装置について説明する。図1は、本実施例における画像処理装置の一例としての構成図である。本実施例の画像処理装置は、劣化した画像を補正する機能を有し、例えばコンピュータにインストールされ、以下の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム(ソフトウエア)として構成される。
【0026】
図1において、画像処理装置は、光学伝達関数(以下、「OTF」ともいう。)を再構成するための係数を算出する係数算出装置100(係数算出部)を有する。係数算出装置100は、撮像光学系(撮像レンズ112)の設計値又は測定値からOTFを算出する。また係数算出装置100(次数決定部)は、OTFを係数(係数データ)に変換し、その精度(フィッティング処理の精度)に応じて後にOTFの再構成に用いられる係数の次数を決定する。更に係数算出装置100は、点像強度分布関数(以下、「PSF」ともいう。)の空間的な分布の大きさから、後にOTFを再現する際に必要なタップ数を決定する。係数算出装置100は、種々の撮像光学系(撮像レンズ112)と撮像素子111の組み合わせについて、決定された次数までの係数とOTFのタップ数とを算出し、画像回復処理装置120へ出力する。
【0027】
カメラ110は、撮像素子111及び撮像レンズ112を有する。カメラ110は、撮像レンズ112で撮像された被写体画像に、撮像レンズ112を特定するID番号(レンズID)、撮影条件(絞り、ズーム、被写体距離等)、及び、撮像素子111による表現が可能な空間周波数のナイキスト周波数の値を付加して出力する。
【0028】
画像回復処理装置120は、係数算出装置100及びカメラ110から出力された種々の情報を保持し、これらの情報を用いて撮像レンズ112を介して得られた被写体画像(劣化画像)を補正する。以下、画像回復処理装置120の内部構成について詳述する。画像回復情報保持部121は、係数算出装置100により算出された種々の撮像レンズ112と撮像素子111との組み合わせのそれぞれについて、係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数を記録して保持する。このように、画像回復情報保持部121は、撮像レンズ112の種類及び撮影条件などに応じて、撮像レンズ112のOTFを再構成するための係数データなどを保持するデータ保持部である。
【0029】
OTF再構成部122(再構成部)は、カメラ110から撮像レンズ112のレンズID、撮影条件、及び、撮像素子111のナイキスト周波数を取得する。またOTF再構成部122は、撮影者が被写体画像の撮影に用いたカメラ110のレンズID及び撮影条件から、画像回復情報保持部121に保持されている係数及びタップ数のうち特定の係数及びタップ数を選択する。このようにOTF再構成部122は、各像高のPSFの大きさ及び撮像素子111の画素ピッチに応じて、係数を用いて再構成されるOTFのタップ数を決定するタップ数決定部である。なお、各像高のPSFの大きさに応じていなくても、関数でフィッティングした係数を有することで、本実施例の効果を得ることができるが、各像高のPSFの大きさに応じてタップ数を決定すると、余分な値を持たなくて良いためより好ましい。
【0030】
またOTF再構成部122は、周波数空間において、撮像素子111のナイキスト周波数までをサンプリングし、選択された係数及びタップ数を用いてフィルタ処理部123で使用されるOTFを再構成する。このようにOTF再構成部122は、撮像素子111のナイキスト周波数とタップ数とに応じて、OTFを再構成する。以下、OTF再構成部122で作成されたOTFを再構成OTFと称する場合がある。フィルタ処理部123は、OTF再構成部122で作成された再構成OTFを用いて、撮影された被写体画像の劣化を補正するための画像回復フィルタを作成する。そして、この画像回復フィルタを用いて実空間上で被写体画像に対するフィルタ処理を行い、被写体画像を補正する。
【0031】
次に、本実施例における係数算出方法について詳述する。本実施例では、撮像光学系(撮像レンズ112)のOTF(設計値又は測定値)を所定の関数へのフィッティング処理により近似することで、係数を作成する。フィッティング処理の際に用いられる関数として、本実施例ではLegendre多項式が用いられる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えばChebuyshev多項式などの他の式を用いてもよい。Legendre多項式は、以下の式(5)のように表される。ここで、[x]はxを超えない最大の整数である。
【0032】
【数1】
【0033】
OTFはz=f(x,y)の形で表されるため、本実施例では以下の式(6)中の係数aijを算出する必要がある。
【0034】
【数2】
【0035】
上記の式(6)は直交関数であり、係数aijの値はフィッティング処理の際の次数に依存しないで決定される。このように、撮像光学系のOTFを所定の関数へのフィッティング処理により近似し、係数を作成することで、必要なデータの記憶量を低減させることができる。式(6)の直交関数の性質を利用することにより、OTFのフィッティング処理が低次数でも十分高精度に実行可能な場合、この次数で打ち切ることができ、装置内に保持すべき係数の情報量をより抑えることが可能となる。
【0036】
図2は、係数算出装置100による係数算出方法を示す図であり、上記の式(5)、(6)を用いて光学伝達関数(OTF)のフィッティング処理を行う具体的な方法を示している。図2において、fum、fvmはそれぞれ、OTFのmeridional、sagittal方向のナイキスト周波数である。また、Nx、Nyはそれぞれ、OTFのmeridional、sagittal方向の奇数のタップ数である。係数算出装置100では、OTFの実部及び虚部のそれぞれに対して、フィッティング処理により係数を算出する。
【0037】
OTFの実部は、meridional方向とsagittal方向のそれぞれにおいて対称である。OTFの虚部は、meridional方向において正負逆ではあるが対称であり、sagittal方向において対称である。このような対称性により、フィッティング対象のOTFのデータとしては、定義域全体の少なくとも1/4の領域などの対称性を有する領域の情報があれば十分である。本実施例では、このような理由により、OTFから実部及び虚部ともに定義域全体の1/4の領域を対象として、DC成分が含まれるように切り出してOTFの高精度なフィッティング処理を行う。
本実施例では、OTFデータがNx(行)×Ny(列)タップの場合の例を示しており、このOTFデータから、1〜[Nx/2]+1行、1〜[Ny/2]+1列のデータを切り出しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0038】
図3は、係数算出装置100の出力データの一例であり、上記の係数算出方法で算出された係数を示している。図3に示されるように、本実施例では、像高(像高1〜10)ごとに、OTFの実部及び虚部の係数をxyともに10次まで算出している。像高ごとの係数を一まとめにし、更にレンズID、絞り、ズーム、及び、被写体距離の情報を付加することで、1つの係数データが完成する。本実施例では一例として、レンズID:No123、絞り:F2.8、ズーム:WIDE、被写体距離:至近、の各条件における10像高分の係数が示されている。また、このように作成した係数を次数別に像高ごとに関数化してもよい。係数算出装置100は、このような情報を全てのレンズID、絞り、ズーム、及び、被写体距離の組み合わせに対して作成して出力する。
【0039】
続いて、本実施例における再構成OTFのタップ数決定方法について詳述する。画像にフィルタ処理を行う際、処理時間はそのフィルタのタップ数に大きく依存する。このため、フィルタ処理を行う際に所望の画像劣化補正効果が得られ、リンギング等の弊害が生じなければ、フィルタタップ数は小さいほうがより好ましい。
【0040】
劣化画像の補正に用いられる画像回復フィルタは、実空間上のフィルタである。従って、実空間上でフィルタに必要なタップ数を決定すればよい。画像回復フィルタは、点像強度分布関数(PSF)による画像の劣化を補正するフィルタであるから、PSFが実空間上で分布している領域と同程度の領域を確保できればよい。すなわち、画像回復フィルタに必要なタップ数は、実空間上におけるPSF分布領域のタップ数である。実空間と周波数空間は互いに逆数の関係にあるため、実空間で決定されたタップ数を周波数空間で用いることができる。
【0041】
これについて、図4及び図5を参照して詳述する。図4は、タップ数をPSFの空間分布に比べて十分大きい領域でとった場合を示している。図5は、図4と同じPSFに対して、タップ数をPSFの空間分布と略同一の領域でとった場合を示している。図4において、実空間でのタップ数は周波数空間での最小周波数ピッチに対応している。一方、図5のように実空間のタップ数を小さくすることは、周波数空間を粗くサンプリングすることを意味し、最小周波数ピッチが大きくなることを示している。このとき、周波数空間でのナイキスト周波数の値は変化しない。このため、実空間上でPSFの空間分布を削ってしまうほどタップ数を少なくすると、画像回復処理の際にリンキング等の上記弊害が発生しやすくなる。従って、フィルタタップ数は、PSFの空間分布と略同一の領域サイズに決定することが望ましい。
【0042】
画像回復情報保持部121には、係数算出装置100から出力された係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数が記憶される。OTF再構成部122は、カメラ110からレンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数を取得する。続いて、OTF再構成部122は、画像回復情報保持部121から、選択されたタップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数の各情報を読み出し、これらの情報を用いて画像回復フィルタの作成に用いられる再構成OTFを作成する。
【0043】
次に、図6を参照して、OTF再構成部122による再構成OTFの作成方法について詳述する。再構成OTFの作成に必要なmeridional、sagittal方向のナイキスト周波数を、それぞれfuc_rm、fvc_imとする。また、meridional、sagittal方向のタップ数を、それぞれMx、Myとする。ここで、ナイキスト周波数fum,fvmに対して、0<fum_n≦fum、0<fvm_n≦fvm、0<Mx≦Nx、0<My≦Nyが成立し、タップ数Mx、Myは奇数である。
【0044】
ここで、前記の式(1)、(2)中のx、yをu、mに置き換え、−fum_n/fum≦u≦1、−fvm_n/fvm≦v≦1の領域を[Mx/2]+1、[My/2]+1タップでサンプリングする。そして前記係数を式(2)に代入すると、再構成OTFの1/4の領域が作成される。このような手順は、再構成OTFの実部(122−1−1)及び虚部(122−2−1)の両方について同様に行われる。本実施例では、実部及び虚部ともに、定義域全体の1/4の領域の再構成OTFから、定義域−fum_n/fum≦u≦fum_n/fum、−fvm_n/fvm≦v≦fvm_n/fvm、タップ数Mx、Myである再構成OTFの作成方法について説明する。
【0045】
まず、再構成OTFの実部の作成方法について説明する。再構成OTFの実部(122−1−1)を用いて、1〜[Mx/2]+1行、1〜[My/2]列の領域と、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+1列の領域に分離する。続いて、1〜[Mx/2]+1行、1〜[My/2]列の領域の数値データを、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+1列の領域に対して線対称になるように、1〜[Mx/2]+1行、[My/2]+2〜My列の領域に代入する(実部(122−1−2))。
更に、実部(122−1−2)で作成された1/2領域の再構成OTFを、1〜[Mx/2]行、1〜My列の領域と、[Mx/2]+1行、1〜My列の領域に分離する(実部(122−1−3))。前記1〜[Mx/2]行、1〜My列の領域の数値データを、[Mx/2]+1行、1〜My列の領域に対して線対称になるように[Mx/2]+2行、1〜My列の領域に代入する。
【0046】
次に、再構成OTFの虚部の作成方法について説明する。虚部(122−2−2)については実部(122−1−2)と同様の方法で作成することができる。また、虚部(122−2−3)については、正負を入れ替えて代入する必要がある。上述のような作成方法が可能なのは、OTFの特徴によるものである。
【0047】
図7は、OTF再構成部122の再構成OTFパラメータを示しており、再構成OTFのナイキスト周波数とタップ数の関係図(再構成OTFの断面図)である。前述のように、ナイキスト周波数は、撮像素子111の空間分解能から決定されるカメラボディ(カメラ110)に依存したパラメータである。またタップ数は、撮像レンズ112のPSFに依存したパラメータである。これら2つのパラメータと前記係数より、所望の再構成OTFが作成される。図7において、ナイキスト周波数についてはf_nyq1>f_nyq2が成立し、タップ数についてはN>M1>M2が成立する。本実施例では、図7に示されるように、ナイキスト周波数とタップ数とを所望の値に制御することが可能である。
【0048】
以上の方法により、被写体画像の劣化を補正するための画像処理を行った場合の一例を以下に示す。図8Aは、OTF再構成部122の再構成OTFデータの実部を示し、図8Bは再構成OTFデータの虚部を示す図である。図8A、図8Bにおいて、201はナイキスト周波数238lines/mm、一辺のタップ数193において、撮像光学系の設計値情報から計算したOTFを用いて、Legendre多項式の10次係数から作成した再構成OTFである。202、203は、ナイキスト周波数を変化させずタップ数のみを変化させた場合の再構成OTFである。204は、ナイキスト周波数とタップ数を同時に変化させた再構成OTFである。このように本実施例では、ナイキスト周波数やタップ数を制御可能である。このため、撮像レンズ112とカメラボディとの組み合わせが変わった場合でも、保持データを増加させることなく対応可能である。
【0049】
図9は、本実施例において、タップ数とPSFデータの関係を示す図である。図9は、図8A、図8Bに対応するPSFであり、図8A、図8Bに対応してナイキスト周波数とタップ数が変化する。また、タップ数はPSFの空間分布を削り取っていないため、後の画像回復フィルタによる被写体画像の劣化補正処理で所望の効果を得ることができる。
【0050】
図10は、本実施例における画像回復フィルタの概念図である。画像回復フィルタは、図10の上段に示される形式の実空間の2次元データであり、そのタップ数は空間周波数上の情報であるOTFのタップ数と等しい。図11は、画像回復フィルタにより補正された被写体画像を示す。図11は、図8A、図8Bに示される係数再現OTFから作成した画像回復フィルタにより補正された被写体画像の一例である。図11からわかるように、撮像レンズ112により劣化した被写体画像が高解像度かつ高品位に補正されている。
【0051】
本実施例によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた画像処理装置を提供することができる。
【実施例2】
【0052】
次に、図12を参照して、本発明の実施例2について説明する。図12は、本実施例における撮像装置の構成図である。実施例1では、画像処理装置は撮像装置とは別の装置(例えばパソコン)に画像処理方法を実行するためのプログラムをインストールして用いられるが、本実施例では、画像処理装置が撮像装置に含まれている。
【0053】
撮像装置400には、絞り401a及びフォーカスレンズ401bを備えた撮像光学系401(レンズ)が交換可能に装着される。ただし本実施例はこれに限定さえるものではなく、撮像光学系が一体化された撮像装置にも適用可能である。撮像光学系401を介して得られた被写体画像は、撮像素子402により光電変換が行われてアナログ信号に変換され、A/D変換器403によりデジタル信号に変換される。画像処理部404は、このデジタル信号に対して、状態検知部407及び記憶部408の各情報を用いて所定の画像処理を行う。システムコントローラ410は、画像処理部404、表示部405、撮像光学系制御部406、状態検知部407、及び、画像記録媒体409の各部を制御する。撮像光学系制御部406は撮像光学系401の動作を制御し、状態検知部407は撮像光学系制御部406の情報から撮像光学系401の状態を検知する。
【0054】
画像処理部404は、本実施例における画像処理装置を備えており、撮像光学系401の光学伝達関数(OTF)を再構成して被写体画像を補正する機能を有する。記憶部408は、係数算出装置で算出された再構成OTFを作成するための係数(係数データ)、タップ数、レンズID、撮影条件、及び、ナイキスト周波数に関する情報を保持している。画像処理部404は、撮像光学系401と撮像素子402から得られた情報を記憶部408に記憶された情報と照合して、画像回復フィルタの作成に必要な情報を読み出し、画像回復フィルタを作成する。また画像処理部404は、作成された画像回復フィルタを用いて、画像記録媒体409に記録されている被写体画像を補正する。補正された被写体画像は、表示部405において表示される。本実施例における画像処理方法の詳細は、実施例1と同様であるため省略する。本実施例によれば、撮像光学系の光学伝達関数の再構成に必要なデータの記憶量を低減させた撮像装置(画像処理装置)を提供することができる。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
111 撮像素子
112 撮像レンズ
121 画像回復情報保持部
122 OTF再構成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記再構成部は、前記係数を、前記撮像光学系の種類及び撮影条件に応じて取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再構成部は、前記撮像素子のサンプリング周波数を用いて前記光学伝達関数を再構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像回復処理部は、前記再構成された光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタを用いて画像を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像回復フィルタのタップ数は、前記撮像光学系の点像強度分布関数の大きさに応じたタップ数であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像回復フィルタのタップ数は、前記撮像素子の画素ピッチに応じたタップ数であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像回復フィルタのタップ数を決定するタップ数決定部を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより、係数を生成する係数算出部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
撮像光学系を介した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理方法であって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理プログラムであって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを情報処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理装置であって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記再構成部は、前記係数を、前記撮像光学系の種類及び撮影条件に応じて取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再構成部は、前記撮像素子のサンプリング周波数を用いて前記光学伝達関数を再構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像回復処理部は、前記再構成された光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタを用いて画像を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像回復フィルタのタップ数は、前記撮像光学系の点像強度分布関数の大きさに応じたタップ数であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像回復フィルタのタップ数は、前記撮像素子の画素ピッチに応じたタップ数であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像回復フィルタのタップ数を決定するタップ数決定部を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより、係数を生成する係数算出部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
撮像光学系を介した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成部と、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理方法であって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
撮像光学系と撮像素子とを介して取得された画像を補正する画像処理プログラムであって、
前記撮像光学系の光学伝達関数を所定の関数に近似することにより得られた係数を用いて光学伝達関数を再構成する再構成ステップと、
前記再構成された光学伝達関数を用いて画像を補正する画像回復処理ステップを情報処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【図7】
【図10】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−33496(P2013−33496A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223839(P2012−223839)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2010−216320(P2010−216320)の分割
【原出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2010−216320(P2010−216320)の分割
【原出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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