説明

画像処理装置、画像処理プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】利便性の高い名刺管理が行える画像処理装置、画像処理プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、読み取り面Cに配置された複数の名刺BCを一度に読み取り、画像取得部211により、読み取り画像Gを各名刺BCの画像に切り分けて、複数の名刺画像MGを取得する。画像処理装置100は、情報取得部212により、各名刺画像MGに対して情報読み取り処理を実行し、名刺画像MGに含まれる情報を名刺情報MIとして取得する。画像処理装置100は、データ生成部222/データ更新部223により、取得した複数の名刺画像MGと各名刺画像MGに対応する名刺情報MIとに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データMDを生成/更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナなどの画像読み取り機能を備えた画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、スキャナなどで読み取った名刺画像から、会社名や氏名といった識別情報を取得する技術が開示されている。
【0003】
従来、名刺を管理するソフトウェア(以下「名刺管理ソフト」と言う)が既に知られている。例えば、名刺管理ソフトは、上記技術を用いて、名刺画像から記載内容を取得し、予め設定しておいた項目ごとに、取得情報を管理する。これにより、利用者は、大量の名刺を電子データとして管理することができ、例えば、項目値をキーにデータ検索することで、所望する名刺の記載情報を閲覧することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、名刺を電子データ化するまでの作業や電子データの管理作業において、手間のかかる操作を必要とし、利用者にとって利便性(ユーザビリティ)のよいものではなかった。
【0005】
例えば、名刺を電子データ化するためには、利用者ごとに、所有する情報端末に名刺管理ソフト(専用ソフトウェア)を導入(インストール)しなければならない。また、電子データの管理作業では、新規名刺を受け取った場合や名刺の記載内容が変更された場合に、専用ソフトウェアを介して、該当項目の項目値を手作業で追加・更新しなければならない。これらの作業は、利用者にとって煩雑なものである。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利便性の高い名刺管理を行うことができる画像処理装置、画像処理プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、複数の名刺を1つの画像データとして読み取る読み取り手段と、読み取り画像を前記名刺ごとに切り分け、名刺画像を取得する名刺画像取得手段と、前記名刺画像から、前記名刺の記載内容を含む名刺情報を取得する名刺情報取得手段と、前記名刺画像と前記名刺情報とに基づき、ページ単位で前記名刺を管理する名刺管理データを生成する生成手段と、を有している。
【0008】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、複数の名刺を一度に読み取った読み取り画像から、名刺ごとの画像と情報を取得し、取得画像と取得情報とに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データを生成/更新する。
【0009】
これによって、利用者は、所有する情報端末に名刺管理ソフトを導入する必要がなく、画像処理装置で名刺を読み取ることで名刺管理データを自動生成/自動更新できる。その結果、本発明に係る画像処理装置では、利用者に対して、利便性の高い名刺管理サービスを提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の名刺を一度に読み取った読み取り画像から、名刺ごとの画像と情報を取得し、取得画像と取得情報とに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データを自動生成/自動更新することで、利便性の高い名刺管理が行える画像処理装置、画像処理プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理機能の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る複数の名刺を読み取る際の配置例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る読み取り画像から名刺管理データを生成・更新するまでの動作例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る名刺管理データの生成・更新に係る主な処理手順例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る名刺画像の取得処理手順例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る白画像の削除処理手順例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る名刺情報の取得処理手順例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る名刺画像・名刺情報の整合処理手順例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る名刺管理データの生成処理手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る名刺管理データの更新処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の変形例に係る画像処理システムの構成例を示す図である。
【図13】本発明の変形例に係る画像処理機能の構成例(その1)を示す図である。
【図14】本発明の変形例に係る画像処理機能の構成例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、図1には、画像処理装置100がMFP(Multifunction Peripheral)であった場合の例が示されている。
【0014】
図1に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0015】
操作パネル120は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0016】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部記憶I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0017】
CPU111は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0018】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路Nに接続するためのインタフェースである。これにより、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を介して、通信機能を有する他の機器とデータ通信を行うことができる。
【0019】
外部記憶I/F114は、外部記憶装置にあたる記録媒体114aを接続するためのインタフェースである。記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部記憶I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0020】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100では、上記ハードウェア構成により、各種画像処理サービス(画像処理機能)を提供することができる。
【0021】
<画像処理機能>
本実施形態に係る画像処理機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、読み取り面に配置された複数の名刺を一度に読み取り、読み取り画像を各名刺の画像に切り分けて、複数の名刺画像を取得する。画像処理装置は、各名刺画像に対して情報読み取り処理を実行し、名刺の記載内容を含む名刺情報を取得する。画像処理装置は、取得した複数の名刺画像と各名刺画像に対応する名刺情報とに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データを生成/更新する。本実施形態に係る画像処理装置100は、このような画像処理機能を有している。
【0022】
従来の名刺管理方法では、名刺を電子データ化するまでの作業(例えば「専用ソフトウェアの導入」)や電子データの管理作業(例えば「新規名刺に対応するデータ追加」や「内容変更に伴うデータ更新」など)において、手間のかかる操作を必要とし、利用者にとって利便性のよいものではなかった。
【0023】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100では、複数の名刺を一度に読み取った読み取り画像から、名刺ごとの画像と情報を取得し、取得画像と取得情報とに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データを自動生成/自動更新する仕組みとした。
【0024】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者に対して、利便性の高い名刺管理サービスを提供することができる。
【0025】
以下に、本実施形態に係る画像処理機能の構成とその動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像処理機能の構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る画像処理機能は、主に名刺読み取り部21及び名刺管理データ編集部22などを有している。
【0026】
名刺読み取り部21は、複数の名刺を一度に読み取った読み取り画像から、名刺ごとの画像と情報を取得する機能部である。よって、名刺読み取り部21は、画像取得部(名刺画像抽出部)211、情報取得部(名刺情報抽出部)212、及び読み取り名刺データ確認部(重複読み取り・同一人物判定部)213などの各機能部を有している。
【0027】
また、名刺管理データ編集部22は、名刺ごとに取得された取得画像と取得情報とに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データMDを自動生成/自動更新する機能部である。よって、名刺管理データ編集部22は、名刺管理データ確認部(データ生成/データ更新判定部)221、データ生成部(PDF:Portable Document Formatデータ生成部)222、及びデータ更新部(PDFデータ更新部)223などの各機能部を有している。
【0028】
これら各機能部について、図3,4を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る複数の名刺BCを読み取る際の配置例を示す図である。また、図4は、本実施形態に係る読み取り画像Gから名刺管理データMDを生成・更新するまでの動作例を示す図である。
【0029】
画像取得部(名刺画像抽出部)211は、読み取り画像Gに含まれる複数の名刺画像MGを取得する機能部である。
【0030】
まず、複数の名刺BCは、図3に示すように、スキャナ140の読み取り面C(例えば「コンタクトガラス上」)に、主走査方向及び副走査方向に従って、所定の位置に配置(整列)することで、一度に読み取ることができる。つまり、本実施形態では、1回のフラットベッドスキャンで、複数の名刺BCが1つの画像データとして読み取られる。
【0031】
画像取得部211は、このようにして得られた読み取り画像Gを各名刺BCの画像に切り分けて、複数の名刺画像MGを取得する。
【0032】
例えば、図3に示す読み取り方法で得られた読み取り画像Gからは、図4に示すように、読み取った名刺BDの数に対応して、19個の名刺画像(1)MG〜(19)MG19が取得される。
【0033】
画像取得部211は、名刺BCの大きさが略同一である(同じ大きさで統一されている)特徴から、名刺BCの大きさ(名刺の画像領域)を示す領域座標に基づき、読み取り画像Gを分割することで、各名刺BCの画像に切り分ける(画像切り分け処理を実行する)。これにより、画像取得部211は、読み取り画像Gに含まれる複数の名刺画像MGを取得する。また、画像取得部211は、取得画像のうち、白画像の名刺画像MGを削除する。
【0034】
情報取得部(名刺情報抽出部)212は、各名刺画像MGに対して情報読み取り処理を実行し、名刺BCの記載内容を含む名刺情報MIを取得する機能部である。
【0035】
情報取得部212は、名刺画像MGに対して、OCR(Optical Character Recognition)などの情報読み取り処理を実行する。これにより、情報取得部212は、名刺BCに記載された文字列データと文字列に係る属性データ(例えば「大きさ」、「領域座標(座標値)」、「文字色」、「背景色」など)とが文字列ごとに対応づけられた情報(以下「文字列情報」と言う)を、名刺情報MIとして取得する。つまり、情報取得部212は、名刺情報MIを名刺画像ごとに取得する。
【0036】
例えば、図4に示す名刺画像(1)MGからは、名刺(1)に記載された文字列に対応する文字列情報が、名刺情報(1)MIとして取得される。また、名刺画像(19)MG19からは、名刺(19)に記載された文字列に対応する文字列情報が、名刺情報(19)MI19として取得される。これにより、名刺画像(1)MGと名刺情報(1)MIとが、名刺(1)に対応する読み取り名刺データ(1)RDとして保存され、名刺画像(19)MG19と名刺情報(19)MI19とが、名刺(19)に対応する読み取り名刺データ(19)RD19として保存される。
【0037】
このように、本実施形態では、読み取り画像Gから取得した各名刺BCに対応する名刺画像MGと名刺情報MIとの組み合わせデータが、名刺ごとの読み取り名刺データRDとして、所定の記憶領域(例えば「RAM」)に保持される。なお、上記情報読み取り処理は、文字列情報が取得可能な方式であればよい。
【0038】
読み取り名刺データ確認部(重複読み取り・同一人物判定部)213は、読み取った名刺BCの整合性を確認する機能部である。
【0039】
読み取り名刺データ確認部213は、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報同士の比較結果に基づき、同一内容の名刺BCを重複して読み取っているかを判定する。読み取り名刺データ確認部213は、内容が一致する名刺情報MIが存在した場合、同一内容の名刺BCを重複して読み取ったとして、1つの読み取り名刺データRD(該当した名刺情報と対応する名刺画像との1組のデータ)を残し、他のデータ(該当した他の名刺情報と対応する名刺画像とのデータ)を削除することで整合をとる。
【0040】
また、読み取り名刺データ確認部213は、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの所定の文字列データ(以下「特定文字列データ」と言う)同士の比較結果に基づき、記載内容が異なるものの同一人物のものと思われる複数の名刺BCを読み取っているかを判定する。このとき、比較対象の特定文字列は、名刺BCの所有者を特定可能な氏名や電子メールアドレスなどを示す文字列とする。また、読み取り名刺データ確認部213は、文字列に'@'(アットマーク)が含まれているか否か、文字列の領域座標が名刺画像MGの中央に位置しているか否か、又は、文字列の大きさが最も大きいか否かなどの判定結果に基づき、比較対象の特定文字列データを決定する。
【0041】
読み取り名刺データ確認部213は、特定文字列が一致する名刺情報MIが存在した場合、同一人物のものと思われる複数の名刺BCを読み取ったとして、1つの読み取り名刺データRDを残し、他のデータを削除することで整合をとる。なお、データ削除の実行は、操作パネル120の画面上に該当した読み取り名刺データRDを表示し、内容を確認した利用者からのデータ選択及び実行指示に従って行うようにしてもよい。
【0042】
このように、本実施形態では、情報読み取り処理の実行後に、所定の記憶領域に保持された読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報同士の比較結果に基づき、読み取った名刺BCの整合性が確認される。これによって、本実施形態に係る画像処理機能では、名刺管理データMDの生成/更新において、同一内容である名刺BCの重複登録や、同一人物と思われる名刺BCの複数登録などが防止できる。
【0043】
名刺管理データ確認部(データ生成/データ更新判定部)221は、名刺BCを管理する名刺管理データMDが、画像処理装置100に正常に読み込まれたかを確認する機能部である。
【0044】
名刺管理データMDは、名刺管理データ保持部31に保持されており、画像処理装置100には、所定のI/Fを介して読み込まれる。名刺管理データ保持部31は、例えば、利用者が所有するSDカードやUSBメモリなどの記録媒体114aであり、この場合、画像処理装置100への読み込みは、外部記憶I/F114を介して行われる。
【0045】
名刺管理データ確認部221は、名刺管理データMDの読み込み状態に基づき、名刺管理データMDを新規に生成するのか、又は名刺管理データMDを更新するのかを判定する。名刺管理データ確認部221は、名刺管理データMDが読み込まれていると、所定の記憶領域に保持された読み取り名刺データRDに基づき、名刺管理データMDを更新すると判定する。一方、名刺管理データ確認部221は、名刺管理データMDが読み込まれていなければ、読み取り名刺データRDに基づき、名刺管理データMDを新規に生成すると判定する。
【0046】
データ生成部(PDFデータ生成部)222及びデータ更新部(PDFデータ更新部)223は、読み取り名刺データRD(複数の名刺画像と各名刺画像に対応する名刺情報)に基づき、名刺管理データMDを生成/更新する機能部である。
【0047】
名刺管理データMDは、ページ単位で名刺BCを管理する汎用データであり、図4に示すように、マルチページPDFデータなどである。
【0048】
名刺管理データMDとして、このような汎用データを用いる理由は、利用者環境(所有する情報端末)に専用ソフトウェアを導入することなく、一般的なビューアにより、名刺BCの閲覧や検索などが行えるからである。また、ページの概念を有するデータであることから、印刷範囲指定や集約印刷指定などの印刷機能との連携性に優れている。
【0049】
データ生成部222は、読み取り名刺データRDに基づき、ページ単位の管理データ(以下「ページデータ」と言う)を読み取った名刺BCの数だけ生成し、ページデータを結合することで、マルチページの名刺管理データMDを生成する。
【0050】
データ生成部222は、次のようにしてページデータを生成する。
まず、データ生成部222は、名刺情報MIに含まれる文字列の領域座標に基づき、名刺画像MGの文字列領域を特定し、同情報に含まれる文字列の背景色に従って、特定した領域を塗りつぶす。次に、データ生成部222は、名刺情報MIに含まれる文字列の大きさ及び文字列の文字色に従って、名刺画像MGの文字列領域に、同情報に含まれる文字列を重畳する。
【0051】
このように、本実施形態では、単に、名刺画像MGをページ単位で管理するデータを生成するのではなく、見た目が同じでありながら、テキスト検索可能なデータを生成する。
【0052】
また、データ更新部223は、読み取り名刺データRDに基づき、更新対象のページデータを生成し、生成したページデータで、名刺管理データMDに新規データを追加、又は名刺管理データMDの該当データを上書きすることで、名刺管理データMDを更新する。
【0053】
データ更新部223は、次のようにしてページデータを更新する。
まず、データ更新部223は、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの特定文字列データをキーにして、名刺管理データMDに含まれる文字列データ(名刺画像に重畳された文字列データ)を検索し、名刺管理データMDの中から更新対象のページデータを特定する。このとき、検索キーとして用いる特定文字列は、読み取り名刺データRDにおける同一人物判定時と同様の氏名や電子メールアドレスなどを示す文字列とする。
【0054】
このような文字列を検索キーとして用いる理由は、読み取り名刺データRDと名刺管理データMDとに共通して含まれている確率の高い文字列で、かつ、名刺上で変更されにくい文字列であるという特徴を有しているからである。この特徴は、名刺管理データMDの中から、読み取り名刺データRDに対応する更新対象のページデータを特定する上で、有効な特徴である。なお、データ更新部223は、読み取り名刺データRDにおける同一人物判定時と同様の方法により、検索キーに用いる特定文字列データを決定する。
【0055】
次に、データ更新部223は、特定文字列の一致により特定されたページデータ(更新対象のページデータ)に含まれる文字列データと、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの文字列データとの比較結果に基づき、ページデータの更新要否を判定する。このとき、比較する文字列データは、ページデータと読み取り名刺データRDとにおいて、一致した特定文字列データ以外の文字列データであり、両データで同じ領域座標に位置する文字列データである。
【0056】
データ更新部223は、異なる文字列データが存在した場合、ページデータの更新(名刺の内容変更に伴うデータ更新)が必要であるとして、読み取り名刺データRDに基づき、新しいページデータを生成し、生成したページデータと、名刺管理データMDのページデータとを入れ換える(生成したページデータで名刺管理データのページデータを上書きする)ことでデータ更新を行う。なお、データ更新は、読み取り名刺データRDの文字列データで、名刺管理データMDの該当文字列データを上書きする方法であってもよい。
【0057】
また、データ更新部223は、文字列データの検索により、名刺管理データMDの中から、更新対象のページデータを特定できなかった場合(検索キーの文字列データが名刺管理データに含まれていなかった場合)、ページデータの追加(新規名刺のデータ追加)が必要であるとして、読み取り名刺データRDに基づき、新しいページデータを生成し、生成したページデータを、名刺管理データMDに追加する。
【0058】
なお、データ更新やデータ追加の実行は、操作パネル120の画面上に更新/追加対象のページデータを表示し、内容を確認した利用者からの実行指示に従って行うようにしてもよい。
【0059】
このように、本実施形態では、整合性がとられた読み取り名刺データRDに基づき、ページ単位で名刺BCを管理する名刺管理データMDが自動生成/自動更新される。生成/更新されたデータは、名刺管理データ保持部31の所定の記憶領域に格納される(生成データは新規保存/更新データは上書き保存される)。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る画像処理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、本実施形態に係る画像処理機能は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(画像処理機能を実現するソフトウェア)が、処理装置(例えば「CPU」)により、記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)からメモリ(RAM)上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0061】
本実施形態に係る画像処理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0062】
《名刺管理データの生成・更新に係る主な処理》
図5は、本実施形態に係る名刺管理データMDの生成・更新に係る主な処理手順例を示すフローチャートである。
図5に示すように、画像処理装置100は、まず、スキャナ140により、複数の名刺BCを読み取る(ステップS101)。その結果、読み取り画像Gは、名刺読み取り部21へと渡される。
【0063】
画像処理装置100は、名刺読み取り部21により、次のような処理を行う。なお、以下に示す処理は、フラットベッドスキャンにより、読み取り面Cに配置された名刺BCを一度に読み取った際の読み取り画像Gに対して実行される処理である。
【0064】
画像取得部211は、画像切り分け処理を実行し、読み取り画像Gから、読み取った名刺BCの画像である名刺画像MGを取得する(ステップS102)。
【0065】
続いて、画像処理部211は、取得した名刺画像MGの中から、白画像の名刺画像MGを削除する(ステップS103)。
【0066】
次に、情報取得部212は、OCRなどの情報読み取り処理を実行し、取得された名刺画像MGから、名刺BCに記載された文字列データ及び文字列に係る属性データである名刺情報MIを取得する(ステップS104)。
【0067】
次に、読み取り名刺データ確認部213は、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報同士の比較結果に基づき、重複読み取り判定や同一人物判定などを行い、読み取り名刺データRDの整合をとる(ステップS105)。このとき、読み取り名刺データ確認部213は、重複して読み取られた名刺BCや同一人物のものと思われる名刺BCなどが確認されると、該当データのうち、1つのデータを残して、他のデータを削除することで、読み取り名刺データRDの整合をとる。
【0068】
続いて、画像処理装置100は、名刺管理データ編集部22により、次のような処理を行う。なお、以下に示す処理は、利用者が所有する記録媒体114aから読み込んだ名刺管理データMDに対して実行される処理である。
【0069】
名刺管理データ確認部221は、所定のI/Fを介して、画像処理装置100に接続された記録媒体114aから、名刺管理データMDを読み込む(ステップS106)。
【0070】
名刺管理データ確認部221は、画像処理装置100が備えるメモリなどの所定の記憶領域を参照し、名刺管理データMDが読み込まれたか否かを判定する(データ生成/更新判定処理)(ステップS107)。
【0071】
名刺管理データ確認部221は、名刺管理データMDが読み込まれなかった場合(ステップS107:NO)、新規の名刺管理データMDを生成する必要があるとして、データ生成部222に対し、名刺管理データMDのデータ生成(新規のデータ生成処理)を指示する。
【0072】
その結果、データ更新部223は、読み取り名刺データRDに基づき生成したページデータを結合し、新規の名刺管理データMDを生成する(ステップS108)。
【0073】
一方、名刺管理データ確認部221は、名刺管理データMDが読み込まれた場合(ステップS107:YES)、既存の名刺管理データMDのデータ更新(要否判定を含む)を行う必要があるとして、データ更新部223に対し、名刺管理データMDのデータ更新(既存のデータ更新処理)を指示する。
【0074】
その結果、データ更新部223は、読み取り名刺データRDに基づき、名刺管理データMDの中から、更新対象ページを特定後、該当ページデータを更新する(ステップS109)。
【0075】
本実施形態に係る画像処理装置100では、複数の名刺BCを一度に読み取った読み取り画像Gから、名刺ごとの画像(名刺画像)と情報(名刺情報)が取得され、取得画像と取得情報と(読み取り名刺データ)に基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データMDが自動生成/自動更新される。
【0076】
以降には、上述した主な処理の中で実行される「名刺画像取得」、「白画像削除」、「名刺情報取得」、「名刺管理データの読み取り・生成」、及び「名刺管理データの更新」などの詳細な処理について順に説明する。
【0077】
《名刺画像の取得処理》
図6は、本実施形態に係る名刺画像MGの取得処理手順例を示すフローチャートである。なお、図6に示す処理は、図5に示したステップS101,102に該当する。
【0078】
画像処理装置100は、操作パネル120のスタートボタン(スタートキー)が押下されたか否かを判定し(ステップS201)、スタートボタンが押下されるまで、読み取り待ちの状態となる(ステップS201:NO)。
【0079】
画像処理装置100は、スタートボタンが押下されると(ステップS201:YES)、操作パネル120の画面上に、読み取り開始(動作状態)を表示し(ステップS202)、スキャナ140により、読み取り面Cに配置された名刺BCを読み取る(ステップS203)。このとき、画像処理装置100は、操作パネル120のキャンセルボタン(ストップキー)が押下されたか否かを判定し(ステップS204)、キャンセルボタンが押下されると(ステップS204:YES)、読み取り動作を終了し、所定のエラー処理(情報通知)を実行し(ステップS205)、処理を終了する。
【0080】
画像処理装置100は、読み取り動作が完了すると、画像取得部211により、読み取り画像Gを名刺ごとに切り分ける(ステップS206)。このとき、画像取得部211は、名刺BCの大きさを示す領域座標に基づき、読み取り画像Gを切り分ける。その結果、画像取得部211は、読み取った名刺BCの数だけ、切り分け画像を取得する。画像取得部211は、取得した画像を名刺画像MGとして所定の記憶領域に保持する(ステップS207)。
【0081】
次に、画像処理装置100は、名刺画像MGの取得数に基づき、読み取った名刺BCの数が端数か否かを判定する(ステップS208)。
【0082】
画像処理装置100は、読み取った名刺BCの数が端数でない場合(ステップS208:NO)、操作パネル120の画面上に、新しい名刺BCの読み取り確認を表示し(ステップS209)、所定のGUI(Graphical User Interface)を介して、読み取り継続指示又は読み取り終了指示を受け付ける(ステップS210)。
【0083】
画像処理装置100は、読み取り継続指示を受け付けている間(ステップS210:[継続指示])、ステップS201〜S210の処理を繰り返し実行する。
【0084】
また、画像処理装置100は、読み取った名刺BCの数が端数である場合(ステップS208:YES)、又は、読み取り終了指示を受け付けた場合(ステップS210:[終了指示])、次の処理(図5に示すステップS103)へと移行する。
【0085】
《白画像の削除処理》
図7は、本実施形態に係る白画像の削除処理手順例を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、図5に示したステップS103に該当する。
【0086】
図7に示すように、画像処理装置100は、画像取得部211により、名刺画像MGが保持されている記憶領域にアクセスし、白画像判定処理が未処理の名刺画像MGがあるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、画像取得部211は、白画像判定処理が未処理か否かを、例えば、名刺画像MGに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[処理済み]/0:[未処理])により判定する。
【0087】
画像取得部211は、未処理の名刺画像MGが存在する場合(ステップS301:YES)、該当した名刺画像MGが白画像か否かを判定する(ステップS302)。このとき、画像取得部211は、白画像を、例えば、名刺画像MGのヒストグラム値により判定する。
【0088】
画像取得部211は、名刺画像MGが白画像であった場合(ステップS302:YES)、該当した名刺画像MGを削除する(該当データを記憶領域から消去する)(ステップS303)。
【0089】
一方、画像取得部211は、名刺画像MGが白画像でない場合(ステップS302:NO)、ステップS303をスキップする。
【0090】
その後、画像取得部211は、白画像でないと判定された名刺画像MGに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS301へと移行する。
【0091】
このように、画像取得部211は、全ての名刺画像MGに対して、白画像の判定処理が実行されるまで、ステップS301〜S303の処理を繰り返し実行する。
【0092】
また、画像取得部211は、名刺画像MGに対して、白画像判定処理が実行されると(未処理の名刺画像MGが存在しなくなると)(ステップS301:NO)、次の処理(図5に示すステップS104)へと移行する。
【0093】
本実施形態に係る画像処理装置100では、情報読み取りの処理対象である名刺画像MGの中から、読み取る情報のない白画像の名刺画像MGが間引かれる。その結果、画像処理装置100では、名刺画像MGに対して、無駄な情報読み取り処理が行われず、処理が最適化される。
【0094】
《名刺情報の取得処理》
図8は、本実施形態に係る名刺情報MIの取得処理手順例を示すフローチャートである。なお、図8に示す処理は、図5に示したステップS104に該当する。
【0095】
図8に示すように、画像処理装置100は、情報取得部212により、名刺画像MGが保持されている記憶領域にアクセスし、情報読み取り処理が未処理の名刺画像MGがあるか否かを判定する(ステップS401)。このとき、情報取得部212は、情報読み取り処理が未処理か否かを、例えば、名刺画像MGに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[処理済み]/0:[未処理])により判定する。
【0096】
情報取得部212は、未処理の名刺画像MGが存在する場合(ステップS401:YES)、該当した名刺画像MGに対して、情報読み取り処理であるOCRを実行する(ステップS402)。
【0097】
その結果、情報取得部212は、名刺BCに記載された文字列データとその文字列の属性データ(例えば、「大きさ」、「領域座標」、「文字色」、「背景色」などの属性値)とを取得する(ステップS403)。つまり、情報取得部212は、読み取った名刺BCの数だけ、文字列情報を取得する。
【0098】
続いて、情報取得部212は、取得した情報(文字列情報)を名刺情報MIとして所定の記憶領域に保持する(ステップS404)。このとき、情報取得部212は、情報取得先である名刺画像MGと、取得した名刺情報MIとを、対応づけて保持する。
【0099】
その後、情報取得部212は、文字列情報を取得した名刺画像MGに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS401へと移行する。
【0100】
このように、情報取得部212は、白画像削除後の全ての名刺画像MGに対して、情報読み取り処理が実行されるまで、ステップS401〜S404の処理を繰り返し実行する。
【0101】
また、画像取得部211は、名刺画像MGに対して、情報読み取り処理が実行されると(未処理の名刺画像が存在しなくなると)(ステップS401:NO)、次の処理(図5に示すステップS105)へと移行する。
【0102】
この時点で、画像処理装置100には、所定の記憶領域に、名刺画像MGと名刺情報MIとが対応づけられた読み取り名刺データRDが保持される。
【0103】
《名刺画像・名刺情報の整合処理》
図9は、本実施形態に係る名刺画像MG・名刺情報MIの整合処理手順例を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理は、図5に示したステップS105に該当する。
【0104】
図9に示すように、画像処理装置100は、読み取り名刺データ確認部213により、読み取り名刺データRDが保持されている記憶領域にアクセスし、整合処理が未処理の読み取り名刺データRDがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、読み取り名刺データ確認部213は、整合処理が未処理か否かを、例えば、読み取り名刺データRDに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[処理済み]/0:[未処理])により判定する。
【0105】
読み取り名刺データ確認部213は、未処理の読み取り名刺データRDが存在する場合(ステップS501:YES)、他の読み取り名刺データRDの中に、比較していない名刺情報MIがあるか否かを判定する(ステップS502)。このとき、読み取り名刺データ確認部213は、名刺情報MIを比較したか否かを、例えば、名刺情報MIに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[比較済み]/0:[比較していない])により判定する。
【0106】
読み取り名刺データ確認部213は、比較していない名刺情報MIが存在する場合(ステップS502:YES)、名刺情報同士を比較し(ステップS503)、比較結果が一致したか否かを判定する(重複読み取り判定処理)(ステップS504)。
【0107】
読み取り名刺データ確認部213は、名刺情報MIの比較結果が一致した場合(ステップS504:YES)、同一内容の名刺BCを重複して読み取ったとして、該当した読み取り名刺データRDのうち、1つのデータを残し、他のデータを削除する(該当した他の読み取り名刺データを記憶領域から消去し、データの整合をとる)(ステップS505)。
【0108】
一方、読み取り名刺データ確認部213は、名刺情報MIの比較結果が不一致だった場合(ステップS504:NO)、名刺情報MIに含まれる特定文字列データ同士を比較し(ステップS506)、比較結果が一致したか否かを判定する(同一人物判定処理)(ステップS507)。このとき、読み取り名刺データ確認部213は、特定文字列データとして、名刺情報MIに含まれる文字列データのうち、名刺BCの所有者を特定可能な氏名や電子メールを示す文字列データを用いる。また、読み取り名刺データ確認部213は、文字列における所定の特徴点(例えば「文字列内に@を含む」や「文字列領域が最も大きい」など)を基に、比較する特定文字列データを決定する。
【0109】
読み取り名刺データ確認部213は、特定文字列データの比較結果が一致した場合(ステップS507:YES)、記載内容が異なるものの同一人物のものと思われる複数の名刺BCを読み取ったとして、ステップS505へと移行し、データの整合をとる。
【0110】
一方、読み取り名刺データ確認部213は、特定文字列データの比較結果が不一致であった場合(ステップS507:NO)、比較対象の名刺BCが、記載内容も異なり、かつ同一人物のものでもないとして、ステップS505をスキップする。
【0111】
その後、読み取り名刺データ確認部213は、比較した名刺情報MIに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS502へと移行する。
【0112】
このように、読み取り名刺データ確認部213は、1つの読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIに対して、他の読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの数だけ、重複読み取り・同一人物判定処理が実行されるまで、ステップS502〜S505の処理を繰り返し実行する。
【0113】
その後、読み取り名刺データ確認部213は、他の読み取り名刺データRDの中に、比較していない名刺情報MIが存在しなくなると(ステップS502:NO)、比較元である読み取り名刺データRDに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS501へと移行する。
【0114】
また、読み取り名刺データ確認部213は、保持される全ての読み取り名刺データRDに対して、整合処理が実行されると(未処理の読み取り名刺データが存在しなくなると)(ステップS501:NO)、次の処理(図5に示すステップS106)へと移行する。
【0115】
このように、読み取り名刺データ確認部213は、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIを総当たりで比較し、全ての読み取り名刺データRDに対して整合処理が実行されるまで、ステップS501〜S505の処理を繰り返し実行する。
【0116】
本実施形態に係る画像処理装置100では、読み取り名刺データRDの中から、同一内容の名刺BC及び異なる記載内容であっても同一人物のものと思われる名刺BCに該当するデータが間引かれ、データの整合性がとられる。その結果、画像処理装置100では、名刺管理データMDの生成/更新処理において、同一内容の名刺BCを重複して登録/反映させたり、記載内容の異なる同一人物の名刺BCを複数登録/反映させたりするなどのデータ操作の誤りを未然に防ぐことができる。
【0117】
《名刺管理データの生成処理》
図10は、本実施形態に係る名刺管理データMDの生成処理手順例を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理は、図5に示したステップS108に該当する。
【0118】
図10に示すように、画像処理装置100では、データ生成部222により、所定の初期化処理を実行する(ステップS601)。このとき、データ生成部222は、例えば、ページ無しのPDFデータを生成し、名刺管理データMDを初期化する処理を実行する。
【0119】
続いて、データ生成部222は、読み取り名刺データRDが保持されている記憶領域にアクセスし、ページ生成処理が未処理の読み取り名刺データRDがあるか否かを判定する(ステップS602)。このとき、データ生成部222は、生成処理が未処理か否かを、例えば、読み取り名刺データRDに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[処理済み]/0:[未処理])により判定する。
【0120】
データ生成部222は、未処理の読み取り名刺データRDが存在する場合(ステップS602:YES)、該当した読み取り名刺データRDを参照し、名刺情報MIに含まれる文字列の属性データに基づき、名刺画像MGの文字列領域を背景色で塗りつぶす(ステップS603)。このとき、データ生成部222は、まず、名刺情報MIに含まれる文字列の領域座標に基づき、名刺画像MGの文字列領域を特定する。次に、データ生成部22は、名刺情報MIに含まれる文字列の背景色に基づき、名刺画像MGの特定領域を塗りつぶす。
【0121】
続いて、データ生成部222は、名刺情報MIに含まれる文字列の属性データに基づき、名刺画像MGの文字列領域(塗りつぶし後の領域)に文字列データを重畳する(ステップS604)。このとき、データ生成部222は、名刺情報MIに含まれる文字列データを、文字列の大きさや文字色に従って名刺画像MGの特定領域に重畳する。つまり、データ生成部222は、名刺BCの記載内容が文字列として重畳された名刺画像MGをPDF形式で埋め込んだデータを、読み取った各名刺BCに対応するページデータとして生成する。
【0122】
その後、データ生成部222は、生成元である読み取り名刺データRDに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS602へと移行する。
【0123】
このように、データ生成部222は、データ整合後の全ての読み取り名刺データRDに対して、ページ生成処理が実行されるまで、ステップS602〜S604の処理を繰り返し実行する。
【0124】
また、データ生成部222は、読み取り名刺データRDに対して、ページ生成処理が実行されると(未処理の読み取り名刺データが存在しなくなると)(ステップS601:NO)、初期化時のページ無しPDFデータにページデータを結合し、マルチページPDFデータを生成し、(ステップS605)、処理を終了する。
【0125】
本実施形態に係る画像処理装置100では、読み取り名刺データごとに生成したページデータを結合することで、マルチページの名刺管理データMDが生成される。
【0126】
《名刺管理データの更新処理》
図11は、本実施形態に係る名刺管理データMDの更新処理手順例を示すフローチャートである。なお、図11に示す処理は、図5に示したステップS109に該当する。
【0127】
図11に示すように、画像処理装置100は、データ更新部223により、読み取り名刺データRDが保持されている記憶領域にアクセスし、ページ更新時の比較処理が未処理の読み取り名刺データRDがあるか否かを判定する(ステップS701)。このとき、データ更新部223は、ページ更新処理が未処理か否かを、例えば、読み取り名刺データRDに対応づけてセットされたビットフラグ(1:[処理済み]/0:[未処理])により判定する。
【0128】
データ更新部223は、未処理の読み取り名刺データRDが存在する場合(ステップS701:YES)、該当した読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの特定文字列データに基づき、読み込まれた名刺管理データMDに含まれる文字列データを検索する(ステップS702)。このとき、データ更新部223は、検索キーとして、名刺情報MIに含まれる文字列データのうち、名刺BCの所有者を特定可能な氏名や電子メールを示す特定文字列データを用いる。
【0129】
データ更新部223は、検索結果に基づき、名刺管理データ内に更新対象ページが存在するか否かを判定する(ステップS703)。このとき、データ更新部223は、特定文字列データによる検索がヒットしたページデータ(特定文字列データを含むページデータ)を、マルチページの名刺管理データ内で、読み取り名刺データRDによる更新対象ページとして特定する。
【0130】
データ更新部223は、名刺管理データMDの中に更新対象ページが存在する場合(ステップS703:YES)、更新対象のページデータに含まれる文字列データと、読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIの文字列データとを比較し(ステップS704)、異なる文字列データが存在するか否かを判定する(ページ更新要否判定処理)(ステップS705)。このとき、データ更新部223は、比較する文字列データを、ページデータと読み取り名刺データRDとにおいて、一致した特定文字列データ以外の文字列データとし、両データで同じ領域座標に位置する文字列データとする。
【0131】
データ更新部223は、異なる文字列データが存在する場合(ステップS705:YES)、ページ更新が必要として、読み取り名刺データRDに基づき、新しいページデータを生成し、生成したページデータと、更新対象のページデータとを入れ換え(生成したページデータで更新対象のページデータを上書きし)、名刺管理データMDのページ内容を更新する(ステップS706)。
【0132】
一方、データ更新部223は、異なる文字列データが存在しない場合(ステップS705:NO)、内容一致により、ページ更新が必要ないとして、ステップS706をスキップする。
【0133】
また、データ更新部223は、名刺管理データMDの中に更新対象ページが存在しない場合(ステップS703:NO)、ページ追加が必要として、読み取り名刺データRDに基づき、新しいページデータを生成し(ステップS707)、生成したページデータを、名刺管理データMDに追加する(ステップS708)。
【0134】
その後、データ更新部223は、読み取り名刺データRDに対して、処理済みを示すビットフラグをセット(0から1に設定)し、ステップS701へと移行する。
【0135】
また、データ更新部223は、全ての読み取り名刺データRDに対して、ページ更新時の比較処理が実行されると(未処理の読み取り名刺データが存在しなくなると)(ステップS701:NO)、処理を終了する。
【0136】
このように、データ更新部223は、データ整合後の全ての読み取り名刺データRDに含まれる名刺情報MIに基づき、読み込まれた名刺管理データMDに対して、ページ更新(要否判定を含む)処理が実行されるまで、ステップS701〜S708の処理を繰り返し実行する。
【0137】
本実施形態に係る画像処理装置100では、読み取り名刺データRDと、更新対象として特定された名刺管理データMDのページデータとを比較し、内容の異なるページデータを、読み取り名刺データRDに基づき生成したページデータに差し替えることで、名刺管理データMDの内容が更新される。
【0138】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、まず、スキャナ140により、読み取り面Cに配置された複数の名刺BCを一度に読み取る。続いて、画像処理装置100は、名刺読み取り部21により、読み取り画像Gを各名刺BCの画像に切り分けて、複数の名刺画像MGを取得する。また、名刺読み取り部21は、各名刺画像MGに対して情報読み取り処理を実行し、名刺画像MGに含まれる情報を名刺情報MIとして取得する。これにより、画像処理装置100では、複数の名刺画像MGと各名刺画像MGに対応する名刺情報MIとを含む読み取り名刺データRDを取得する。続いて、画像処理装置100は、名刺管理データ編集部22により、取得した読み取り名刺データRDに基づき、ページ単位で名刺を管理する名刺管理データMD(マルチページPDFデータ)を生成/更新する。
【0139】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用者に対して、利便性の高い名刺管理サービスを提供することができる。
【0140】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「画像処理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100が備える処理装置(例えば「CPU」)により実行されることで実現される。
【0141】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、外部記憶I/F114を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0142】
<変形例>
上記実施形態では、複数の名刺BCを一度に読み取った読み取り画像Gから、名刺ごとの画像と情報を取得し、取得画像と取得情報とに基づき、ページ単位で名刺BCを管理する名刺管理データMDを自動生成/自動更新する画像処理機能を有する画像処理装置100について説明を行ったが、この限りでない。例えば、図12に示すように、画像処理装置100と情報処理装置300とを連携動作させることで、上記画像処理機能を実現する構成であってもよい。
【0143】
以下に、上記実施形態の変形例について説明する。
図12は、本変形例に係る画像処理システム1の構成例を示す図である。
図12(A)には、1台の画像処理装置100と1台の情報処理装置300とが、所定のデータ伝送路N(例えば「ネットワークケーブル」)を介して接続され、上記画像処理機能を実現するシステム構成例が示されている。また、(B)には、1台の情報処理装置300に対して、複数の画像処理装置100が接続され、上記画像処理機能を実現するシステム構成例が示されている。
【0144】
また、本変形例に係る画像処理システム1では、例えば、図13,14に示すような機能構成により、上記画像処理機能を実現される。
【0145】
図13,14は、本変形例に係る画像処理機能の構成例(その1,2)を示す図である。
図13には、画像処理装置100が名刺読み取り部21を有し、情報処理装置300が名刺管理データ編集部22を有する機能構成例が示されている。このような構成であれば、名刺BCからの読み取り名刺データRDの取得処理と名刺管理データMDの生成/更新処理とを、異なる装置で分散処理できる。これにより、画像処理システム1では、取得処理と生成/更新処理とを、非同期で実行可能な名刺管理サービスを提供することができる。つまり、利用者は、画像処理装置100に最新の読み取り名刺データRDを保持しておけば、情報処理装置300において、いつでも名刺管理データMDの生成/更新を行うことができる。
【0146】
また、図14には、名刺読み取り部21及び名刺管理データ編集部22を情報処理装置300が有する機能構成例が示されている。このような構成であれば、読み取り名刺データRDの取得処理と名刺管理データMDの生成/更新処理とを、画像処理装置100と異なる装置で集約処理できる。これにより、画像処理システム1では、搭載記憶装置112の容量が少ない低コストの画像処理装置100であっても名刺管理サービスを提供することができる。また、画像処理システム1では、複数の画像処理装置100を用いるシステム構成に容易に対応可能であることから、利用者の多い環境であっても効率的な名刺管理サービスを提供することができる。
【0147】
その他、上記実施形態では、記録媒体114aに保持される名刺管理データMDの更新について説明を行ったが、この限りでない。例えば、画像処理装置100が備える記憶装置112において、利用者ごとに保持される名刺管理データMDに対し、データ更新を行う構成であってもよい。上記実施形態では、名刺管理データMDが、利用者ごとに管理されるデータであることから、利用者が所有する記録媒体114aに保持されている場面を想定した。
【0148】
また、上記実施形態では、名刺情報同士や、名刺管理データMDと読み取り名刺データRDとの比較において、氏名や電子メールアドレスを示す特定文字列を用いる点について説明を行ったが、この限りでない。例えば、電話番号やFAX番号などの数字文字列と特定文字列とを複合的に用いて、データ比較を行ってもよい。なお、これらの文字列の決定方法は、例えば、文字列に'―'(ハイフン)と数字のみが含まれているかを判定すればよい。
【0149】
また、上記実施形態では、特定文字列である氏名を示す文字列の決定方法として、文字列の領域座標が名刺画像MGの中央に位置しているか否か、又は、文字列の大きさが最も大きいか否かなどを判定する点について説明を行ったが、この限りでない。例えば、文字列の領域が最も長いか否か、又は、文字列が全て黒文字か否かなどの判定結果から決定してもよい。
【0150】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0151】
1 画像処理システム
21 名刺読み取り部
211 画像取得部(名刺画像抽出部)
212 情報取得部(名刺情報抽出部)
213 読み取り名刺データ確認部(重複読み取り・同一人物判定部)
22 名刺管理データ編集部
221 名刺管理データ確認部(データ生成/更新判定部)
222 データ生成部(PDFデータ生成部)
223 データ更新部(PDFデータ更新部)
31 名刺管理データ保持部
100 画像処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 CPU(処理装置)
112 記憶装置(揮発性・不揮発性の半導体メモリ、大容量記憶装置など)
113 ネットワークI/F(NIC:Network I/F Card)
114 外部記憶I/F(a:記録媒体)
120 操作パネル(表示装置)
130 プロッタ
140 スキャナ
300 情報処理装置(端末)
B バス
BC 名刺
C 読み取り面
G 読み取り画像
N データ伝送路(ネットワーク)
MD 名刺管理データ(マルチページPDFデータ)
MG 名刺画像
MI 名刺情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0152】
【特許文献1】特開2009−164721号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の名刺を1つの画像データとして読み取る読み取り手段と、
読み取り画像を前記名刺ごとに切り分け、名刺画像を取得する名刺画像取得手段と、
前記名刺画像から、前記名刺の記載内容を含む名刺情報を取得する名刺情報取得手段と、
前記名刺画像と前記名刺情報とに基づき、ページ単位で前記名刺を管理する名刺管理データを生成する生成手段と、を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記名刺画像取得手段は、
前記名刺の大きさを示す領域座標に基づき、前記読み取り画像を前記名刺ごとに切り分けて、切り分け画像を前記名刺画像として取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記名刺画像取得手段は、
取得した名刺画像のうち、白画像の名刺画像を削除することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記名刺情報取得手段は、
前記名刺画像に対して、所定の情報読み取り処理を行い、前記名刺に記載された文字列データと文字列の属性を示す属性データとを含む文字列情報を前記名刺情報として取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
読み取った名刺の整合性を確認する確認手段を有し、
前記確認手段は、
前記名刺情報同士の比較結果に基づき、同一内容の名刺を重複して読み取ったか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記確認手段は、
前記名刺情報同士の比較結果が不一致であった場合、
前記名刺情報に含まれる所定の文字列データ同士の比較結果に基づき、記載内容が異なる同一人物の名刺を複数読み取ったか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記確認手段は、
比較結果が一致した場合、
該当する名刺情報と対応する名刺画像とを1組残し、該当する他の名刺情報と対応する名刺画像とを削除し、前記読み取った名刺の整合をとることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、
前記名刺画像と前記名刺情報とに基づき、前記名刺ごとのページデータを生成し、生成したページデータを結合し、マルチページの前記名刺管理データを生成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記生成手段は、
前記名刺情報に含まれる前記名刺に記載された文字列の属性を示す属性データに基づき、前記名刺画像上の文字列領域を特定し、特定した文字列領域を背景色で塗りつぶし、
前記文字列領域が塗りつぶされた名刺画像に対して、前記名刺情報に含まれる文字列データを重畳し、
前記名刺ごとのページデータを生成することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記名刺管理データを更新する更新手段を有し、
前記更新手段は、
前記名刺情報に含まれる文字列データと、前記名刺管理データのページデータに含まれる文字列データとの比較結果に基づき、前記名刺管理データを更新するか否かを判定し、
比較結果が不一致であった場合、
前記名刺画像と前記名刺情報とに基づき、前記名刺のページデータを生成し、生成したページデータで前記名刺管理データのページデータを上書きし、更新することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記更新手段は、
前記名刺情報に含まれる所定の文字列データに基づき、前記名刺管理データ内を検索し、検索で用いた文字列データを含むページデータを更新対象のページデータとして特定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記更新手段は、
検索結果が不一致であった場合、
前記名刺画像と前記名刺情報とに基づき、前記名刺のページデータを生成し、生成したページデータを前記名刺管理データに追加し、更新することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記所定の文字列データは、
前記名刺情報に含まれる文字列データのうち、前記名刺の所有者を特定する氏名又は電子メールアドレスを示す文字列データであることを特徴とする請求項6又は11に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記属性データは、
文字列の大きさ、文字列の領域座標、文字列の文字色、及び/又は文字列の背景色を含むデータであることを特徴とする請求項4又は9に記載の画像処理装置。
【請求項15】
コンピュータを、
複数の名刺を1つの画像データとして読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取った読み取り画像を前記名刺ごとに切り分け、名刺画像を取得する名刺画像取得手段と、
前記名刺画像取得手段により取得した名刺画像から、前記名刺の記載内容を含む名刺情報を取得する名刺情報取得手段と、
前記名刺画像取得手段により取得した名刺画像と前記名刺情報取得手段により取得した名刺情報とに基づき、ページ単位で前記名刺を管理する名刺管理データを生成する生成手段として機能させる画像処理プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−49906(P2012−49906A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191228(P2010−191228)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】