説明

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】画像を迅速に送信することができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】出力対象の候補である複数の画像であって、出力対象の画像を選択する装置への送信対象である複数の画像を、1つの画像として結合し、その1つの画像を、出力対象の画像を選択する外部装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を外部装置に送信する画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のサムネイル画像が配置されているサムネイル画像一覧を表示装置に表示する際、記録媒体が保持しているサムネイル画像を、再生装置を介して、処理装置が1枚ずつ読み出して表示する。この一連の操作を、サムネイル画像一覧に含まれるサムネイル画像の枚数と同じ数の回数、実行する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3136213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、たとえばWebサーバが、ネットワークを介して、複数の画像をクライアント装置に送信し、クライアント装置において表示を行う場合、次の問題がある。つまり、複数の画像を1つずつ送るたびに、Webサーバとクライアント装置において、画像の要求等の通信を行わなくてはならない。そのため、クライアント装置において画像一覧を表示するまでに時間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、複数の画像を迅速に送信することができる画像処理装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理装置は、画像を送信する画像処理装置であって、出力対象の候補である複数の画像であって、出力対象の画像を選択する装置への送信対象である複数の画像を、1つの画像として結合する結合手段と、上記結合手段で上記複数の画像が結合された上記1つの画像を、出力対象の画像を選択する、上記画像処理装置の外部装置に送信する通信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の画像を迅速に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例であるプリンタ201のハードウェア構成図である。
【図2】プリンタ201と中継サーバ202との機能構成の一部を表す。
【図3】入力部104と表示部105との一例を示す図である。
【図4】プリンタ201等のデータ通信フローの一部を表す図である。
【図5】プリンタ201の動作を示すフローチャートである。
【図6】画像結合命令生成部2013で生成したサムネイル画像結合命令を示す。
【図7】中継サーバ202が実行するサムネイル画像取得・結合動作を示す。
【図8】中継サーバ202が実行する画像情報取得動作を示す。
【図9】Webサーバ203から取得する画像情報XMLの一例を示す図である。
【図10】画像情報管理部2025で保持する画像情報管理テーブルT1である。
【図11】表示枚数が3×3である場合のサムネイル画像結合動作を示す。
【図12】中継サーバ202がサムネイル画像を結合する動作を示す図である。
【図13】表示枚数3×3の複数のサムネイル画像の行・列番号の割当図。
【図14】位置情報管理テーブルT2の一例を示す図である。
【図15】中継サーバ202の画像サイズ変換動作を示すフローチャートである。
【図16】選択位置管理部2015が保持するテーブルT3の一例を示す図である。
【図17】画像取得命令生成部2016が生成した画像取得命令の一例の図である。
【図18】中継サーバ202が印刷用画像を取得する動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例として、写真共有サイト等のWebサーバ上の画像を印刷する場合を例に挙げて説明する。
【0010】
Webサーバ上の画像を印刷する方法として、PC(Personal Computer)から、Webブラウザを利用して画像を取得し、プリンタに印刷命令を送ることが一般的である。しかし、より容易にWebサーバ上の画像を印刷するために、PCを用いずに、プリンタがWebサーバから画像を取得し、印刷する方法も考えられる。
【0011】
まず、本実施例で用いる用語について、簡単に説明する。写真共有サイトは、Web上に写真をアップロードし、ネットワークを通じて他ユーザとオンラインで共有できるサービスである。Webサーバは、クライアントソフトウェアの要求に応じて、ネットワークを通じて、HTML文書や画像等の情報を送信する役割を果たすものである。Webサーバ上の画像を取得する際、WebAPI(Web Application Program Interface)を利用する。WebAPIは、ネットワーク経由で利用できる命令や関数の集合であり、ソフトウェア開発時に用いることができる。
【0012】
図1は、本発明の実施例であるプリンタ201のハードウェア構成の一部を表すブロック図である。
【0013】
図2は、プリンタ201と中継サーバ202との機能構成の一部を表すブロック図である。
【0014】
本実施例において、プリンタ201は、Webサーバ203のデータを取得する際、サムネイル画像一覧表示にかかる時間を短縮するために、Webサーバ203と直接通信するのではなく、プリンタ201に接続されている中継サーバ202を介して通信する。
【0015】
中継サーバ202は、プリンタ201からの命令をWebサーバ203へ送信する際、通信先のWebサーバ203のWebAPIに変換して送信する機能や、Webサーバ203から受信した画像をプリンタ201が要求する形に変換し、返却する機能等をもつ。WebAPIは、Webサーバ203ごとに異なる仕様で定義されているので、プリンタ201が複数のWebサーバ203の画像を取得するには、Webサーバ203ごとにWebAPIの呼び方を変えなければならない。
【0016】
しかし、中継サーバ202を経由することで、プリンタ201は通信先Webサーバ203の仕様の差分や、Webサーバ203の仕様変更等を意識せずに通信できるというメリットがある。
【0017】
CPU101は、ROM102に記憶されているプログラムをRAM103に読み込み、このプログラムに基づいて処理することによってプリンタ201を制御する。ROM102は、不揮発性のメモリであり、プリンタ201の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM103は、書き換え可能であり、プリンタ201の各処理に関わる一時的なデータを記憶する。入力部104は、ユーザがプリンタ201に対して各種指示を行う際に使用される。本実施例では、キー操作による入力を例に説明するが、タッチパネル等を使用するようにしてもよい。
【0018】
表示部105は、入力部104からの指示に応じて、画像やテキスト等を表示する表示画面であり、複数のサムネイル画像が配置されているサムネイル画像一覧画面を表示する。入力部104と表示部105とについては、図3を参照して後述する。インタフェース106は、中継サーバ202やメモリーカード等、外部との間でデータのやり取りを行う。システムバス107は、プリンタ201内のデータの流れを司る。
【0019】
図2において、プリンタ201と中継サーバ202とによって、画像生成システムが構成されている。この画像生成システムにおいて、プリンタ201と、中継サーバ202と、Webサーバ203とは、ネットワーク204を通じてデータをやり取りする。
【0020】
本実施例では、この画像生成システムにおいて、Webサーバに格納されている複数の画像を、中継サーバが受信し、中継サーバは、その受信した画像をプリンタに送信する。そして、中継サーバは、Webサーバから受信した複数の画像を、1つの画像として結合して、プリンタに送信する。
【0021】
これにより、中継サーバからプリンタへは1つの画像を送信することによって、Webサーバに記憶されている複数の画像をプリンタに送信することができる。よって、中継サーバとプリンタとにおける通信(サーバに対する画像の要求等)が、1つの画像を送るためのもので十分である。そのため、Webサーバに記憶されている複数の画像のそれぞれを1つずつプリンタに送信する場合に比べて、その複数の画像を迅速にプリンタに送信することができる。
【0022】
まず、プリンタ201の機能について説明する。表示枚数管理部2011は、表示部105が表示するサムネイル画像一覧に含まれるサムネイル画像の枚数である表示枚数を管理する。つまり、表示枚数管理部2011は、表示部105に設定されているサムネイル画像一覧の表示枚数m(縦)×n(横)を決定する。なお、この表示枚数は、所定の枚数であってもよいし、入力部104を介して入力したユーザの指示に応じて決定してもよい。また、表示枚数管理部2011は、表示画面の表示能力を管理する。
【0023】
表示画面サイズ管理部2012は、表示部105の表示画面サイズを特定する。特定されるサイズは、表示画面で全画面表示を行ったときの表示サイズであってもよいが、プリンタ201の現在のモードにおいて、画像を表示するために割り当てられた表示領域のサイズであってもよい。つまり、中継サーバ202から受信した画像を表示させる場合に、たとえば、ユーザが参照するメニューを表示させるか否かを選択できる場合がある。このときに、メニュー表示の有無に応じて、画像を表示する為に割り当てられる領域のサイズが異なる。よって、表示画面サイズ管理部2012は、プリンタのモードに応じて、表示画面における、中継サーバ202から受信した画像を表示させるための領域のサイズを特定する。
【0024】
画像結合命令生成部2013は、表示枚数管理部2011から取得した表示枚数m×nと表示画面サイズ管理部2012から取得した表示画面サイズとに応じて、サムネイル画像結合命令を生成する。このサムネイル画像結合命令は、複数のサムネイル画像を結合して1つの画像を形成させる命令である。そして、このサムネイル画像結合命令には、複数のサムネイル画像の一覧を表示するときに、表示画面におけるサムネイルのレイアウト(表示枚数m×n)と、表示画面サイズとが指定されている。
【0025】
送受信部a2014は、中継サーバ202等、外部との間でデータを送受信する。選択位置管理部2015は、複数のサムネイル画像が結合された結合画像を表示されているときに、入力部104を介してユーザにより選択されたサムネイル画像の位置情報を管理する。つまり、選択位置管理部2015は、複数のサムネイル画像が結合された結合画像において、入力部104を介してユーザにより指定された位置に配置されているサムネイル画像を特定する。このとき、選択位置管理部2015は、結合画像においてユーザにより指定された位置の座標と、結合画像に含まれる各サムネイル画像が配置されている領域の座標とを比較することにより、ユーザにより指定されたサムネイル画像を特定することができる。
【0026】
そして、画像取得命令生成部2016は、選択位置管理部2015により特定されたサムネイル画像を取得する命令である画像取得命令を生成する。
【0027】
印刷処理部2017は、プリンタ201の不図示の印刷部に画像を出力して、その画像を印刷部に印刷させる。
【0028】
次に、中継サーバ202の機能について説明する。
【0029】
送受信部b2021は、プリンタ201やWebサーバ203等、外部との間でデータを送受信する。画像結合部2022は、プリンタ201から受信したサムネイル画像結合命令に含まれる表示枚数m×nに応じて、Webサーバ203から受信したm×n枚の画像を結合し、1枚の画像を形成する。
【0030】
画像サイズ変換部2023は、プリンタ201からのサムネイル画像結合命令に含まれている表示画面サイズに応じて、画像結合部2022で複数のサムネイル画像を結合して1枚の結合画像を作成するときの結合画像のサイズを決定する。位置情報管理部2024は、変換前のm×n枚の各サムネイルの画像識別情報と、1枚に結合された結合画像(変換された画像)内の位置情報とを関連付けて保持する。画像情報管理部2025は、Webサーバ203から取得した画像情報を保持する。画面分割部2026は、複数のサムネイル画像が結合された1枚の画像に分割枠を合成する。つまり、画面分割部2026は、表示部105に表示する画像を複数の表示エリアに分割する。
【0031】
図3は、プリンタ201に設けられている入力部104と表示部105との一例を示す図である。
【0032】
カーソル枠301は、現在選択されている画像等の項目を囲む枠である。印刷枚数表示領域302は、各画像の印刷枚数を表示する領域である。電源キー303は、プリンタの電源をON・OFFするキーである。戻るキー304は、1つ前の画面に戻るキーである。方向キー305は、ユーザが、画像等複数の選択肢から選択する際に使用するキーである。決定キー306は、選択を確定し、次の画面への遷移や、印刷開始等に使用するキーである。増減キー307は、印刷枚数を増減するキーである。
【0033】
次に、プリンタ201、中継サーバ202、Webサーバ203の全体の動作の流れについて説明する。
【0034】
図4は、プリンタ201、中継サーバ202、Webサーバ203のデータ通信フローの一部を表す図である。
【0035】
ステップS401において、プリンタ201は、中継サーバ202に表示枚数m×nと表示画面サイズとを送信し、サムネイル画像取得を要求する。送信例の詳細は後述する。中継サーバ202は、ステップS402、S403において、Webサーバ203から、サムネイル画像を表示枚数m×n分取得する。ステップS404において、取得したサムネイル画像を結合し、つまり画像変換する。ステップS405において、結合したサムネイル画像をプリンタ201に返却する。このように、本実施例では、プリンタ201は、Webサーバ203と直接通信せず、中継サーバ202を介してデータを取得する。
【0036】
次に、全体の動作の流れを、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0037】
図5は、プリンタ201の動作を示すフローチャートである。
【0038】
ステップS501において、入力部104の方向キー305や決定キー306等を用いて、ユーザがアルバムを選択すると、ステップS502において、画像結合命令生成部2013は、中継サーバ202に送信するサムネイル画像結合命令を生成する。サムネイル画像結合命令は、表示枚数管理部2011から取得した表示枚数m×nと、表示画面サイズ管理部2012から取得した表示画面サイズを含む命令である。本実施例において、表示枚数m×nが3×3であり、表示画面サイズが縦×横=240×320である場合について説明する。
【0039】
図6は、画像結合命令生成部2013で生成したサムネイル画像結合命令の一例を示す図である。
【0040】
表示枚数m×nは、表示枚数601のように、表示画面サイズは、表示画面サイズ602のように引数で指定する。なお、引数の指定方法はこれに限定されるものではない。そして、送受信部a2014を介して、生成したサムネイル画像結合命令を中継サーバ202に送信する。
【0041】
図7は、中継サーバ202が実行するサムネイル画像取得・結合動作を示すフローチャートである。なお、中継サーバ202はCPU、ROM、RAMを備えており、この図7に示す処理は、CPUが、RAMをワークメモリとして、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより実現できる。
【0042】
ステップS701において、中継サーバ202は、送受信部b2021を介して、Webサーバ203から画像情報を取得する。このステップS701の処理の詳細について、図8を用いて説明する。
【0043】
図8は、中継サーバ202が実行する画像情報取得動作を示すフローチャートである。
【0044】
ステップS801において、中継サーバ202は、Webサーバ203から画像情報XML(Extensible Markup Language)を取得する。XMLは、文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の1つである。
【0045】
図9は、Webサーバ203から取得する画像情報XMLの一例を示す図である。
【0046】
印刷用画像URL901、サムネイル画像URL902等が含まれているので、ステップS802において、画像情報XMLを解析し、必要な情報を抽出する。ステップS803において、抽出した情報を画像情報管理部2025に格納する。
【0047】
図10は、画像情報管理部2025で保持する画像情報管理テーブルT1の一例を示す図である。1以上のIDを各画像に割り当てて管理し、各画像のサムネイル画像URL、印刷用画像URL等を保持する。画像情報管理部2025は、上記の画像情報管理テーブルT1を、中継サーバ202が有するROM等のメモリに記憶させる。
【0048】
図7に戻り、ステップS702〜S704において、中継サーバ202は、送受信部b2021を介して、表示枚数m×n回、Webサーバ203との間で通信を行い、サムネイル画像データをm×n枚取得する。ステップS703において、IDと一致するサムネイル画像URLを、画像情報管理部2025が保持する画像情報管理テーブルT1(図10参照)から取得し、そのURLを元に、Webサーバ203からサムネイル画像データを取得する。
【0049】
ステップS705において、表示枚数m×nが1よりも大きければ、ステップS706において、画像結合部2022は、m×n枚のサムネイル画像を1枚の画像に結合する。
【0050】
図11は、表示枚数が3×3である場合におけるサムネイル画像を結合する動作を示すイメージ図である。
【0051】
図12は、図7のステップS706において、中継サーバ202が複数のサムネイル画像を結合する動作を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS1201〜S1205において、表示枚数m×n回、結合動作を繰り返す。結合動作は、左から右へ向かって行う。すなわち、ステップS1202において、1から始まるIDに1を加えた数がnの倍数であれば、ステップS1203において、次の行の左端に、新たなサムネイル画像を配置する(結合する)。1から始まるIDに1を加えた数がnの倍数でなければ、ステップS1204において、現在の行の右端(1つ前に結合した画像の右隣)に結合する。つまり、現在の行の右端に位置するサムネイル画像の右端に、新たなサムネイル画像を結合する。図11(a)は、図12に示すフローチャートを実行する前の状態を示し、図11(b)は、実行後のイメージを示す図である。このように結合処理により、複数の画像が含まれている結合画像を、1枚の画像として扱うことができる。
【0053】
ステップS707で、結合前のm×n枚の各サムネイル画像の識別情報と、複数のサムネイル画像を結合することによって形成された1枚の結合画像における位置情報(サムネイル画像毎に位置情報が付与される)とを関連付け、位置情報管理部2024で保持する。これにより、結合画像における位置が指定されたときに、結合画像に含まれている複数のサムネイル画像のうちの、指定された位置に配置されているサムネイル画像を特定することができる。
【0054】
図13は、表示枚数が3×3であるときに、複数のサムネイル画像を結合することによって形成された1枚の画像(結合後の1枚の画像)における行・列番号の割当を示す図である。左上を起点(0,0)とし、行・列いずれも0から始まる整数を割り当て、上からa行目、左からb列目として管理する。
【0055】
図14は、表示枚数が3×3であるときに、位置情報管理部2024が保持する位置情報管理テーブルT2の一例を示す図である。サムネイル画像識別情報は、画像情報管理部2025で保持する画像情報管理テーブルT1(図10)のIDを用いる。
【0056】
図7に戻り、ステップS708において、画像サイズ変換部2023は、結合した画像をプリンタ201の表示部105に適した画像サイズに変換する。
【0057】
図15は、中継サーバ202の画像サイズ変換動作を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS1501、S1502において、縦横共に結合した画像のサイズが表示画面サイズよりも大きい場合、ステップS1503において、画像サイズを縮小する。図11(b)は、縮小処理を実行する前の状態を示す図であり、図11(c)は、縮小処理を実行した後の状態を示す図である。
【0059】
図7に戻り、ステップS709において、中継サーバ202は、画面分割部2026において、結合・変換した画像の上に、m×n分割の枠を合成する。図11(d)は、分割枠を合成した後のイメージを示す図である。なお、上記分割枠は、太線で表示されている。上記分割枠は、画像の境目をユーザに明示するための枠である。ステップS710において、中継サーバ202は、複数のサムネイル画像を結合・変換した1枚の画像を、プリンタ201に返却する。
【0060】
図5に戻り、ステップS503において、プリンタ201は、中継サーバ202から返却された1枚の結合画像であるサムネイル画像一覧を、表示部105に表示する。ステップS504において、ユーザによって1枚または複数枚のサムネイル画像印刷を要求されると、次のステップへ遷移する。画像印刷要求は、入力部104を操作して行われる。ユーザは、方向キー305を操作し、カーソル枠301を移動させる。カーソル枠301で選択されている画像の印刷枚数を、増減キー307を操作して設定すると、印刷枚数表示領域302の数値が増減する。印刷枚数として1枚または複数枚を設定した後に、決定キー306を押下すると、選択位置管理部2015は、選択された1枚または複数枚のサムネイル画像の位置情報を管理する。
【0061】
図16は、表示枚数が3×3であるときに、選択位置管理部2015が保持するテーブルT3の一例を示す図である。
【0062】
図16に示す例は、図3の表示部105を参照して、図11に示す画像2について、印刷枚数「3」が指定された場合の例である。ステップS505において、画像取得命令生成部2016は、選択位置管理部2015が保持するテーブルT3(図16)に応じて、中継サーバ202に送信する画像取得命令を生成する。つまり、ユーザが印刷対象として選択した画像の、結合画像における位置を示す情報と、その画像の印刷枚数を示す情報を画像取得命令に含ませる。
【0063】
図17は、画像取得命令生成部2016が生成した画像取得命令の一例の図である。
【0064】
位置情報は選択位置1701、印刷枚数は印刷枚数1702のように引数で指定する。図17に示す例は、行=0、列=1の位置の画像を、3枚印刷する場合の例である。なお、引数の指定方法は、これに限定されるものではない。
【0065】
そして、送受信部a2014を介して、生成した画像取得命令を中継サーバ202に送信する。複数枚のサムネイル画像について、印刷枚数が設定されている場合、画像取得命令を複数回送信するようにしてもよく、画像取得命令の引数を増やし、一度に送信するようにしてもよい。
【0066】
図18は、中継サーバ202が印刷用画像を取得する動作のフローチャートである。
【0067】
ステップS1801において、位置情報管理テーブルT2(図14)を探索し、プリンタ201から指定された位置情報に対応する画像情報管理テーブルT1(図10)のIDを特定する。行=0、列=1であるときに、図14に示す位置情報管理テーブルT2を参照すると、ID=2であることが分かる。ステップS1802において、画像情報管理テーブルT1(図10)から、特定したIDに対応する印刷用画像URLを取得する。
【0068】
ステップS1803において、取得した印刷用画像URLを元に、中継サーバ202は、送受信部b2021を介して、Webサーバ203から印刷用画像データを取得する。ステップS1804において、印刷用画像をプリンタ201に返却する。
【0069】
図5に戻り、ステップS506において、プリンタ201の印刷処理部2017は、中継サーバ202から返却された画像を印刷する。
【0070】
以上の実施例によれば、中継サーバ202は、Webサーバ203から複数のサムネイル画像を取得すると、取得された複数のサムネイル画像を結合して、プリンタ201に送信する。これにより、中継サーバ202は、複数のサムネイル画像を、1つの画像として送信することができる。よって、複数のサムネイル画像のそれぞれを1つずつ送信しなくてもよい。そのため、プリンタ201、中継サーバ202において、画像を送受信する為の通信(画像の要求等)を、複数の画像のそれぞれに対して行う必要がない。よって、複数の画像を、迅速に送信することができる。
【0071】
また、上記のように、中継サーバ202は、位置情報管理テーブルにより、複数のサムネイル画像が結合された結合画像における、複数のサムネイル画像のそれぞれに対応する領域と、その領域に配置されているサムネイル画像のIDを記憶しておく。そして、プリンタ201により、ユーザが選択した画像の結合画像における位置を示す情報を受信して、その情報が示す位置に対応するIDにより、ユーザが選択した画像を特定する。そして、特定した画像に対応する印刷用の画像を、プリンタ201に送信する。
【0072】
これにより、ユーザが複数のサムネイル画像から選択したサムネイル画像を適切に特定して、そのサムネイル画像に対応する印刷用画像を適切に送信することができる。
【0073】
なお、上記実施例は、中継サーバ202を介してプリンタ201がWebサーバ203のデータを取得する実施例であるが、プリンタ201がWebサーバ203から印刷用画像を直接取得するようにしてもよい。その際、印刷用画像取得要求によって、プリンタ201が中継サーバ202から印刷用画像URLを取得し、そのURLを元に、プリンタ201がWebサーバ203から印刷用画像を取得する。
【0074】
さらに、上記実施例は、中継サーバ202とWebサーバ203とを別個の装置とする例であるが、1つの装置として統合してもよい。この場合、1つのサーバが、プリンタからの画像要求を受け、その1つのサーバに格納されている画像をプリンタに送信する。
【0075】
また、上記実施例は、中継サーバ202が存在する実施例であるが、中継サーバ202の機能がWebサーバ203に含まれていれば、中継サーバ202を介さずに、プリンタ201がWebサーバ203と直接通信するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施例では、プリンタがサーバから画像を受信した、複数のサムネイル画像が結合された結合画像を、表示装置に表示する例について説明したが、印刷装置に印刷させる場合や、メモリに記憶させる場合等、各種の出力処理を行う場合であってもよい。さらに、プリンタが表示を行うときには、プリンタが備える表示部105に表示させる場合に限らず、プリンタの外部の表示装置に表示させる場合であってもよい。
【0077】
さらに、サーバから画像を受信して出力する装置は、プリンタに限らず、PCやカメラ、携帯電話等の各種の装置であってもよい。
【0078】
また、上記実施例では、ユーザにより操作される操作デバイスがキーであるが、タッチパネル等を使用するようにしてもよい。タッチパネルの場合、選択位置管理部2015は、選択されたサムネイル画像の座標を特定する。タッチパネルによって選択された座標がm×n枚の画像のどの部分に位置するのかを算出し、左上を起点(0,0)とした行・列番号に変換する。
【0079】
また、上記実施例は、画像結合(ステップS706)後に、画像サイズを変換(S708)する実施例であるが、画像結合前に画像サイズを変換するようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施例では、中継サーバ202が分割枠を合成(ステップS709)するが、プリンタ201が分割枠を合成するようにしてもよい。
【0081】
また、上記実施例では、表示枚数がm×n=3×3であるが、この枚数に限定する必要はない。
【0082】
また、上記実施例では、プリンタ201の表示画面の表示能力として、表示画面サイズを想定しているが、解像度や画素数等、プリンタ201の表示能力を表す値であれば何でも、プリンタ201の表示能力として考えてもよい。
【0083】
また、上記実施例では、位置情報管理テーブルT2(図14)のサムネイル画像識別情報に画像情報管理テーブルT1(図10)のIDを用いるが、印刷用画像URL等、各画像を識別できる情報であれば何でも、サムネイル画像識別情報として考えてもよい。
【0084】
また、上記実施例では、サムネイル画像一覧から選択されたサムネイル画像の位置情報を、左上を起点としてa行目、b列目として保持するが、これ以外の方法で上記位置情報を保持するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施例では、位置情報管理テーブルT2(図14)を中継サーバ202が保持するが、プリンタ201が位置情報管理テーブルT2(図14)を保持するようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施例では、中継サーバ202が画像情報XMLを解析・保持するが、プリンタ201が画像情報XMLを解析・保持するようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施例では、図10に示す画像情報管理テーブルT1でサムネイル画像URL、印刷用画像URLを保持するが、画像名、画像ID、日付、ファイルサイズ等の情報をも、画像情報管理テーブルT1が保持するようにしてもよい。なお、上記画像IDは、Webサーバ203側で割り振られた画像識別番号であり、実施例1で述べたIDとは異なる。
【0088】
また、上記実施例では、図10の画像情報管理テーブルT1でサムネイル画像URL、印刷用画像URLを保持するが、印刷用画像URLの代わりに画像IDを保持するようにしてもよい。その際、印刷用画像取得命令がきたときに、画像IDを元に、印刷用画像URLをWebサーバ203から取得する。
【0089】
なお、上記実施例において、プリンタ201の代わりに、他の外部装置(中継サーバ202から見た外部装置)を使用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0090】
201…プリンタ、
202…中継サーバ、
2011…表示枚数管理部、
2013…画像結合命令生成部、
2022…画像結合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を送信する画像処理装置であって、
出力対象の候補である複数の画像であって、出力対象の画像を選択する装置への送信対象である複数の画像を、1つの画像として結合する結合手段と;
上記結合手段で上記複数の画像が結合された上記1つの画像を、出力対象の画像を選択する、上記画像処理装置の外部装置に送信する通信手段と;
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1であって、
上記画像処理装置の外部装置による指定に応じて、上記1つの画像に含まれている上記複数の画像のうちの、上記外部装置により選択された出力対象の画像を特定し、特定した当該出力対象の画像を当該外部装置に送信する第2の通信手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2であって、
上記結合手段により複数の画像が結合された上記1つの画像における、当該複数の画像のそれぞれが対応する領域を特定するための情報をメモリに記憶させる記憶制御手段を有し、
上記第2の通信手段は、上記外部装置から指定された、上記1つの画像における位置情報と、上記記憶制御手段により上記メモリに記憶されている情報とに基づき、上記複数の画像から、当該外部装置により選択された出力対象の画像を特定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項であって、
上記通信手段は、上記外部装置により上記1つの画像が表示画面に表示されるときの表示領域のサイズを特定するための情報を取得し、当該情報が示すサイズに応じたサイズの、上記複数の画像が結合された上記1つの画像を、上記外部装置に送信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
画像を送信する画像処理方法であって、
出力対象の候補である複数の画像であって、出力対象の画像を選択する装置への送信対象である複数の画像を、1つの画像として結合する結合工程と;
上記結合工程において上記複数の画像が結合された上記1つの画像を、出力対象の画像を選択する、画像処理装置の外部装置に送信する通信工程と;
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−46191(P2013−46191A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182284(P2011−182284)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】