説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記憶媒体

【課題】デジタルコンテンツの品質を向上すること。
【解決手段】画像処理装置100は、1つの実施形態において、デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報をデジタルコンテンツから生成する。そして、画像処理装置100は、1つの実施形態において、生成した品質情報を電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツに埋め込む。例えば、デジタルコンテンツは画像であって、画像処理装置100は、不可逆圧縮処理が画像に実行される場合に、不可逆圧縮処理が実行されることで画像のうち第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所から、不可逆圧縮処理を実行することで欠落する欠落情報を品質情報として生成し、不可逆圧縮処理が実行された後の画像の第1の箇所に対して、品質情報として生成された欠落情報を電子透かし技術を用いて埋め込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、コンピュータが実行するための画像処理プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルコンテンツの高精細化の要求が高まっている。例えば、画像処理技術の進歩の結果、デジタルカメラにより撮影された画像に対する高精細化の要求が高まっている。また、デジタルカメラでは、高性能な電荷結合素子の低価格化が進んだ結果、普及価格帯のデジタルカメラにおいても、高性能な電荷結合素子が広く用いられるようになっている。
【0003】
また、電子透かしをデジタルコンテンツに埋め込む電子透かし技術がある。電子透かし技術により埋め込まれた電子透かしは、例えば、デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしを復元する過程で、著作権情報や改ざんの検出に用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した電子透かし技術では、電子透かしを埋め込むことでデジタルコンテンツが劣化するという問題がある。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するものであり、デジタルコンテンツの品質を向上可能な画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示する画像処理装置は、1つの態様においてデジタルコンテンツの品質に関わる品質情報を該デジタルコンテンツから生成する生成部と、前記生成部により生成された品質情報を前記デジタルコンテンツに電子透かし技術を用いて埋め込む埋込処理部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
開示する画像処理装置の1つの態様によれば、デジタルコンテンツの品質を向上可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態における画像処理装置による電子透かしの埋込処理の1例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、第1の実施形態における電子透かしの抽出処理の1例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、開示する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記憶媒体の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例により開示する発明が限定されるものではない。各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態における画像処理装置100は、以下に詳細に説明するように、デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報をデジタルコンテンツから生成する。そして、画像処理装置100は、生成した品質情報をデジタルコンテンツに電子透かし技術を用いて埋め込む。
【0011】
この結果、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツの品質を向上可能である。具体的には、電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツに埋め込まれた品質情報を抽出し、抽出した品質情報を用いてデジタルコンテンツの品質を補正することで、デジタルコンテンツの再生時に再生されるデジタルコンテンツの品質を向上可能となる。
【0012】
以下では、画像処理装置100が、デジタルコンテンツとして画像を処理対象とする場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、任意のデジタルコンテンツを処理対象として良い。例えば、画像処理装置100は、デジタルコンテンツとして、音声を処理対象としても良く、動画を処理対象としても良く、任意のデータを処理対象として良い。
【0013】
また、以下では、画像処理装置100が、画像に対して不可逆圧縮処理を実行する場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、任意の処理を実行して良い。例えば、画像処理装置100は、可逆圧縮処理を実行しても良く、圧縮処理とは別の任意の処理を実行しても良く、処理を実行しなくても良い。
【0014】
図1は、第1の実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す例では、画像処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)1と、ROM(Read Only Memory)2と、RAM(Random Access Memory)3と、時計回路4と、磁気ディスク装置5と、CRT画面表示装置6と、表示制御部7と、キーボード装置8と、画面指示装置9と、入力制御部10と、ネットワークI/F(インタフェース)11と、ネットワーク伝送制御部12と、圧縮部13と、画像詳細情報生成部14と、ソースデータ符号化部15と、処理箇所識別部16と、電子透かし埋込部17と、電子透かし抽出部18と、電子透かし抽出データ復号化部19と、補正部20とを備える。また、画像処理装置100は、バス21を有する。画像処理装置100の各部は、バス21を介して互いに接続される。
【0015】
CPU1は、画像処理装置100の全体の動作制御を行う。ROM2は、CPU1の起動時に実行されるプログラムや各種の処理に用いられるデータを記憶する。RAM3は、CPU1のワークエリアとして用いられる。時計回路4は、現在日時情報を出力する。
【0016】
磁気ディスク装置5は、種々のアプリケーションプログラムやワークデータ、ファイルデータ、画像データなどの種々のデータを記憶する。
【0017】
CRT(Cathode Ray Tube)画面表示装置6は、表示制御部7により制御されることで、種々の情報を表示画面に表示する。例えば、CRT画面表示装置6は、画像処理装置100を操作するための画面を表示する。表示制御部7は、CRT画面表示装置6の表示内容を制御する。なお、図1に示す例では、画像処理装置100が、CRT画面表示装置6を有する場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、画像処理装置100は、液晶ディスプレイを有しても良く、任意のディスプレイを有して良い。
【0018】
キーボード装置8は、画像処理装置100に対するユーザによる種々のキー操作を受け付ける。画面指示装置9は、CRT画面表示装置6の任意の点を指示するユーザによる指示操作を受け付ける。入力制御部10は、キーボード装置8及び画面指示装置9を制御することで、キーボード装置8又は画面指示装置9により受け付けられたキー操作や指示操作を取り込む。例えば、入力制御部10は、キー入力を受け付けると、受け付けたキー入力を磁気ディスク装置5に格納する。すなわち、電子透かしにして埋め込みたい情報をパスワードなどの秘密キーによって予め暗号化してから埋め込むことで、埋め込まれた情報の解読を困難にする場合に、入力制御部10は、秘密キーの入力を受け付け、磁気ディスク装置5に格納する。
【0019】
ネットワークI/F11は、画像処理装置100がネットワーク(図示略)と接続するためのインタフェースである。ネットワーク伝送制御部12は、ネットワークI/F11を介して、ネットワークと接続された他の端末との間における情報の送受信を制御する。
【0020】
ここで、CRT画面表示装置6、キーボード装置8及び画面指示装置9は、ユーザに対して、ユーザ・インタフェースを提供する。例えば、CRT画面表示装置6、キーボード装置8及び画面指示装置9は、各種操作指示や機能選択指令、編集データなどの入力や、電子透かし情報を画像ブロック単位に埋め込む時のブロックサイズの入力や、電子透かし情報を抽出する時のブロックサイズの入力に用いられる。また、例えば、CRT画面表示装置6、キーボード装置8及び画面指示装置9は、埋め込まれたデータ内容を隠蔽する目的で電子透かし情報を暗号化する場合や、暗号化された電子透かしを解読する場合に、秘密キーを入力する際に用いられる。また、CRT画面表示装置6、キーボード装置8及び画面指示装置9は、キー操作により、電子透かしの解読結果を入力イメージ画像データと重ね合わせて表示させたり、いずれか一方のみを選択して表示させたりするような表示操作機能を提供しても良い。
【0021】
圧縮部13は、画像に対して不可逆圧縮処理を実行する。例えば、圧縮部13は、画像を所定数又は所定のサイズの箇所各々に分割し、分割した箇所各々に対して不可逆圧縮処理を実行する。ここで、圧縮部13は、画像詳細情報生成部14により品質情報を抽出される箇所については、抽出された後に圧縮処理を実行し、電子透かし埋込部17により品質情報が埋め込まれる箇所については、品質情報が埋め込まれた後に圧縮処理を実行する。
【0022】
画像詳細情報生成部14は、電子透かしを埋め込む場合に、画像の画質に基づいて、電子透かしとして画像に埋め込む品質情報を生成する。例えば、画像詳細情報生成部14は、隣接する画素間の画素値の変化具合を調査したり、近傍同士の画素の画素値の変化具合を調査したり、画像内にある画素の色の数を調査したりすることで、圧縮部13により分割された箇所各々について、画像の画質内容を調査する。そして、画像詳細情報生成部14は、圧縮部13により分割された箇所各々のうち、不可逆圧縮処理が実行されることで画像のうち第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所から、不可逆圧縮を実行することで欠落する欠落情報を取得し、品質情報とする。例えば、画像詳細情報生成部14は、画素値が大きく変化している箇所について品質情報を生成する。すなわち、画像詳細情報生成部14は、画像の画質内容を調査し、圧縮部13により分割された箇所各々のうち、画素値が大きく変化している箇所から欠落情報を品質情報として生成する。
【0023】
また、画像詳細情報生成部14は、圧縮部13により不可逆圧縮処理を実行される前に、圧縮部13により分割された箇所各々のうち、画素値が大きく変化している箇所から欠落情報を生成する。
【0024】
また、画像詳細情報生成部14は、例えば、生成した品質情報を磁気ディスク装置5に格納する。その後、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報は、処理箇所識別部16や電子透かし埋込部17により用いられる。
【0025】
ここで、画像詳細情報生成部14により生成される品質情報の1例を示す。画像詳細情報生成部14は、品質情報として、直接情報や間接情報を生成する。直接情報とは、例えば、品質情報が生成された箇所を識別するための位置情報と、画素値とが該当する。画素値とは、例えば、RGB濃度値や、2値画像においては2値情報などである。なお、品質情報が生成された箇所と、電子透かしとして埋め込まれる箇所とが同一である場合には、位置情報を用いなくても良い。同様に、画素値が同一となる場合には、省略しても良い。間接情報とは、例えば、データ圧縮などによる符号化データである。より詳細な1例をあげて説明すると、間接情報とは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)の周波数量子係数値が該当する。
【0026】
例えば、画像詳細情報生成部14は、処理対象となる箇所について、画像の画質内容を調査する。例えば、画像詳細情報生成部14は、隣接する画素間の画素値の変化具合を調査したり、近傍同士の画素の画素値の変化具合を調査したり、画像内にある画素の色の数を調査したりすることで、画像の画質内容を調査する。そして、画像詳細情報生成部14は、大きく変化しているとの調査結果が得られると、つまり、例えば、不可逆圧縮処理が実行される場合に、画像詳細情報生成部14は、第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所であるとの調査結果が得られた場合に、品質情報を生成する。言い換えると、画像詳細情報生成部14は、電子透かし技術を用いて埋め込む品質情報を予め生成しておくことで、不可逆圧縮処理により失われる可能性のある品質情報を画像から退避させておく。
【0027】
画像詳細情報生成部14の説明に戻る。画像詳細情報生成部14は、後述する電子透かし埋込部17や電子透かし抽出部18などによって、電子透かしが埋め込まれたり、電子透かしが抽出されたりすると、埋め込まれた箇所や抽出された箇所をチェックしても良い。埋め込まれた箇所や抽出された箇所は、処理箇所識別部16により識別された箇所となる。この場合、画像詳細情報生成部14によるチェック結果は、例えば、磁気ディスク装置5に格納された後、電子透かし埋込部17や電子透かし抽出部18などによって、電子透かしの抽出や埋め込みが適切に行われたか否かの判断に用いられる。
【0028】
ソースデータ符号化部15は、外部から入力されたデータを暗号化又は符号化する。例えば、ソースデータ符号化部15は、ユーザにより電子透かしとして埋め込むデータが入力されると、入力されたデータを符号化する。
【0029】
また、ソースデータ符号化部15は、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報を暗号化又は符号化する。ただし、これに限定されるものではなく、ソースデータ符号化部15は、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報を暗号化又は符号化しなくても良い。
【0030】
また、ソースデータ符号化部15は、暗号化又は符号化されたデータである埋込データを磁気ディスク装置5に格納する。なお、ソースデータ符号化部15により磁気ディスク装置5に格納された出力データは、電子透かし埋込部17により用いられる。
【0031】
処理箇所識別部16は、画像の画質に基づいて、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報を埋め込む箇所を識別する。具体的には、処理箇所識別部16は、画像の画質内容を調査し、圧縮部13により分割された箇所各々のうち、不可逆圧縮処理が実行されることで第2の箇所よりも劣化しない第1の箇所を識別する。
【0032】
ここで、処理箇所識別部16により識別される第2の箇所について更に説明する。処理箇所識別部16は、電子透かし技術を用いて情報が埋め込まれても画質劣化が他の箇所と比較して目立たない箇所であって、画像圧縮率を下げ難い箇所を識別する。
【0033】
より詳細な例を3つあげて説明する。1つ目の例について説明する。処理箇所識別部16は、画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%以上となる場合に、画像のうち、画像のエッジ部、又は、エッジ部近傍を識別する。言い換えると、処理箇所識別部16は、16色以下などの少数色画像の場合に、画像エッジ部近傍又はエッジ部を識別する。
【0034】
2つ目の例について説明する。処理箇所識別部16は、画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%に満たない場合に、画像のうち、他の箇所と比較して濃度値が滑らかに変化するとともにランダムに変化している箇所を識別する。言い換えると、処理箇所識別部16は、256色以上などの多色画像の場合に滑らかかつ出来るだけランダムに、濃度値が変化している箇所を識別する。3つ目の例について説明する。処理箇所識別部16は、画像のうち、画質が近傍で微妙に変化している箇所を識別する。
【0035】
処理箇所識別部16は、同様に、電子透かしを抽出する場合に、画像の画質に基づいて、画像に埋め込まれた電子透かしを抽出する矩形領域を識別する。すなわち、処理箇所識別部16は、画像の画質を調査し、圧縮部13により分割された箇所各々のうち、品質情報が埋め込まれた箇所を識別する。ただし、これに限定されるものではなく、処理箇所識別部16は、任意の手法を用いて、画像に埋め込まれた電子透かしを抽出する領域を識別して良い。
【0036】
処理箇所識別部16は、識別した矩形領域と、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報との対応付けを行う。ここで、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報は、電子透かし技術を用いて埋め込まれる情報となる。このため、処理箇所識別部16は、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報について、画像のどこに埋め込むかを決定することになる。なお、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報がソースデータ符号化部15により暗号化又は符号化されていた場合には、処理箇所識別部16は、識別した矩形領域と、暗号化又は符号化された品質情報とを対応付ける。
【0037】
電子透かし埋込部17は、画像詳細情報生成部14により生成された品質情報や、ソースデータ符号化部15により生成された埋込データを、埋込対象となる画像データに対して、電子透かし技術を用いて埋め込む。具体的には、電子透かし埋込部17は、不可逆圧縮処理が実行された後の画像のうち、処理箇所識別部16により識別された第1の箇所に対して、画像詳細情報生成部14により品質情報として生成された欠落情報を、電子透かし技術を用いて埋め込む。ここで、電子透かし埋込部17により品質情報が埋め込まれた画像は、例えば、ネットワーク伝送制御部12によって他の装置に出力される。
【0038】
例えば、電子透かし埋込部17は、濃度値などの画素値を品質情報として埋め込む場合には、画像の濃度値を微量変化させることで、品質情報を埋め込む。より詳細な1例をあげて説明すると、電子透かし埋込部17は、偶奇性をビットの「ON」又は「OFF」と対応付けた上で、埋め込み先となる箇所の濃度値を変化させ、変化後の濃度値により示されるビットが品質情報となるようにすることで、品質情報を埋め込む。
【0039】
また、例えば、電子透かし埋込部17は、画像を符号化したデータを品質情報として埋め込む場合、言い換えると、例えば、JPEGの周波数量子係数を埋め込む場合には、偶奇性をビットの「ON」又は「OFF」と対応付けた上で、符号化したデータの意味する画素値や周波数量子係数値などを微小変化させることで、同様に品質情報を埋め込む。
【0040】
また電子透かし埋込部17は、ループ処理終了判定を行う。すなわち、例えば、電子透かし埋込部17は、全ブロックについて以下に示す1連の処理が終了したかを判定する。ここで、電子透かし埋込部17は、終了したと判定された場合に、電子透かし埋め込み後処理を実行する。例えば、電子透かし埋込部17は、埋込み状態を示す報告情報を出力する。
【0041】
ここで、圧縮効果を阻害する影響を回避する方法について補足する。一般的に、画質を優先し、すなわち、画像情報を増やして画像圧縮を実行しようとすると、画像圧縮率を高めることが困難となる。また、一般に、画質が近傍で微妙に変化している画像位置の画素値の絶対量を微小変更しても、圧縮率に影響が少ないことが分かっている。そこで、電子透かし埋込部17は、画質が近傍で微妙に変化している画像位置を選択し、その位置の画素値の絶対量を微小変更させることで、埋め込む情報を表現する。言い換えると、画質が近傍で微妙に変化している画像位置の画素値の絶対量を微少変更することでビットのON/OFFを表現する。また、電子透かし埋込部17は、画像を符号化したデータに埋め込む場合でも、画質が近傍で微妙に変化している画像位置を対象にした符号化データを選択し、その符号化データの絶対量を微小変更させることで、埋め込む情報を表現する。この結果、圧縮効果を阻害する影響を回避することが可能となる。
【0042】
また、JPEGの場合には、画像の場所によらず、高周波の係数値を粗くすることで、言い換えると、有効数字を減らし精度を下げることによることで、圧縮率を高めている。この方式に、今回の方法を適用するのは、効果が大きい。すなわち、第1に、画質が近傍で微妙に変化している画像位置の濃度値情報(周波数の量子係数)に、補充又は追加したい情報を、電子透かしとして埋め込むことで、画像圧縮率を悪くする影響を少なくすることが可能となる。第2に、画質劣化を補いたい又は解像度を上げるために増やすべき情報を必要とする画像の位置は、画質が近傍で大きく変化している画像位置であるので、情報を埋め込む場所とは異なる位置となり、識別が容易となる。
【0043】
なお、上述した説明では、画像処理装置100が、圧縮部13により分割された箇所を単位として、電子透かしを埋め込む箇所として識別したり、品質情報を生成したりする場合を用いて説明した。ただし、これに限定されるものではない。例えば、画像詳細情報生成部14や処理箇所識別部16が任意の手法を用いて画像を箇所各々に分割した上で、任意の手法により分割された箇所各々を単位として、電子透かしを埋め込む箇所として識別したり、品質情報を生成したりしても良い。
【0044】
電子透かし抽出部18は、品質情報が電子透かし技術を用いて埋め込まれた画像を受け付けると、受け付けた画像に埋め込まれた電子透かし情報を抽出する。つまり、電子透かし抽出部18は、処理箇所識別部16により識別された箇所から品質情報を抽出する。また、電子透かし抽出部18は、抽出した電子透かし情報を磁気ディスク装置5の記憶領域のうち、埋込データが格納された領域とは別の記憶領域に格納する。なお、電子透かし抽出部18が画像を受け付ける場合とは、例えば、画像を再生する場合などである。
【0045】
電子透かし抽出データ復号化部19は、電子透かし抽出部18によって抽出された電子透かし情報を復号化する。例えば、電子透かし抽出データ復号化部19は、磁気ディスク装置5に格納された電子透かし情報を暗号解読などにより復号化し、復号化により得られた品質情報を磁気ディスク装置5の別の領域に格納する。なお、品質情報が暗号化や符号化されていない場合には、電子透かし抽出データ復号化部19による処理は不要となる。
【0046】
補正部20は、電子透かし抽出部18によって抽出された品質情報を用いて画像を補正する。具体的には、補正部20は、電子透かし抽出部18によって抽出された後、電子透かし抽出データ復号化部19によって復号化された品質情報を用いて、画像のうち、品質情報が抽出された箇所の品質を向上する。例えば、補正部20は、画像を伸張し、伸張された後の画像に対して品質情報を用いた補正処理を実行することで、伸張後の画像の品質を向上する。ただし、これに限定されるものではなく、伸張前の画像に対して品質情報を用いた補正処理を実行することで、つまり、圧縮された画像に対して補正処理を実行することで、圧縮された状態における画像を再生する場合に、再生される画像の品質を向上しても良い。
【0047】
ここで、補正部20により補正された後の画像は、例えば、表示制御部7により表示面から表示されたり、ネットワーク伝送制御部12によって他の装置に出力されたりする。
【0048】
なお、CPU1、ROM2、RAM3、時計回路4、磁気ディスク装置5、表示制御部7、入力制御部10、及びネットワーク伝送制御部12、圧縮部13、画像詳細情報生成部14、ソースデータ符号化部15、処理箇所識別部16、電子透かし埋込部17、電子透かし抽出部18、電子透かし抽出データ復号化部19は、バス21に接続されており、これらの各要素間のデータの送受信は、主としてバス21を介して行われる。
【0049】
また、処理対象となる画像は、例えば、磁気ディスク装置5に予め保存されていたり、ネットワークを介して他の端末装置などから受信したりしたものを用いて良い。なお、更に、交換可能な記憶媒体を適用できる光学ディスク装置(例えば、CD−ROM駆動装置、DVD(Digital Versatile Disc)駆動装置など)や、デジタルスチルカメラ装置、スキャナ装置を備えて、処理画像データを入力するようにしても良い。
【0050】
図2は、第1の実施形態における画像処理装置による電子透かしの埋込み処理の1例を示すフローチャートである。図2に示す例では、256色以上の画素が用いられている画像であって、画素位置の移動に伴って細かい画素値変化を捉えることが可能な画像が処理対象である場合を用いて説明する。
【0051】
図2に示すように、画像処理装置100では、入力制御部10は、キー入力を受け付けると(ステップS101肯定)、受け付けたキー入力を磁気ディスク装置5に格納する(ステップS102)。例えば、電子透かしにして埋め込みたい情報を、パスワードなどの秘密キーによって予め暗号化してから埋め込むことで、埋め込まれた情報の解読を困難にする場合に、秘密キーの入力を受け付ける。
【0052】
そして、圧縮部13は、画像をブロック分割する(ステップS103)。すなわち、圧縮部13は、画像を所定数又は所定のサイズの箇所各々に分割する。なお、以下に説明する1連の処理は、ブロック単位でループ処理される。ステップS103において、各ブロックの位置やブロック数などが把握される。
【0053】
そして、例えば、画像処理装置100では、ループ処理終了判定を行う(ステップS104)。例えば、画像処理装置100の電子透かし埋込部17は、全ブロックについて以下に示す1連の処理が終了したかを判定する。ここで、終了したと判定された場合には(ステップS104肯定)、画像処理装置100では、電子透かし埋め込み後処理を実行する(ステップS105)。例えば、画像処理装置100は、埋込み状態を示す報告情報を出力する。
【0054】
ここで、図2に示すように、各ブロックについて、以下に説明する1連の処理が実行される。すなわち、図2に示す例では、画像処理装置100は、現在処理中のブロック内の画像の画質内容を調査する(ステップS106)。例えば、画像詳細情報生成部14や処理箇所識別部16は、隣接する画素間の画素値の変化具合を調査したり、近傍同士の画素の画素値の変化具合を調査したり、画像内にある画素の色の数を調査したりすることで、画像の画質内容を調査する。
【0055】
ここで、調査の結果、大きく変化しているとの調査結果が得られると(ステップS107肯定)、つまり、例えば、不可逆圧縮処理が実行される場合に、画像詳細情報生成部14は、第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所である場合に、品質情報を生成する(ステップS108)。言い換えると、画像詳細情報生成部14は、電子透かし技術を用いて埋め込む情報を予め生成して退避させる。そして、圧縮部13が、処理対象となる箇所を圧縮する(ステップS109)。
【0056】
また、調査の結果、滑らかに変化しているとの調査結果が得られると(ステップS107否定及びステップS110肯定)、つまり、例えば、画質が近傍で微妙に変化しているブロックについては、圧縮部13は、処理対象となる箇所を圧縮する(ステップS111)。そして、電子透かし埋込部17は、電子透かし技術を用いて品質情報を埋め込む(ステップS112)。例えば、処理箇所識別部16は、滑らかに変化しているとの調査結果が得られた箇所とステップS108にて生成された品質情報とを対応付ける。その後、電子透かし埋込部17が、電子透かし技術を用いて、ステップS108にて生成された品質情報を、対応付けられた箇所となる現在処理対象となっているブロックの周波数量子化係数に埋め込む。
【0057】
また、調査の結果、大きくも変化しておらず、滑らかにも変化していないとの調査結果が得られると(ステップS107否定及びステップS110否定)、圧縮部13は、処理対象となる箇所を圧縮する(ステップS113)。
【0058】
なお、上記の処理手順は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、図2に示す例では、キーを受け付けると、処理が開始される場合を示したが、これに限定されるものではなく、任意のタイミングにて処理を開始しても良い。また、図2に示す例では、キーを受け付ける場合を示したが、これに限定されるものではなく、キーを受け付けなくても良い。また、上述した説明では、電子透かし埋込部17が、ループ処理終了判定を行う場合を示したが、これに限定されるものではなく、任意の処理部が実行して良い。
【0059】
図3は、第1の実施形態における電子透かしの抽出処理の1例を示すフローチャートである。図3に示すように、画像処理装置100は、電子透かしが埋め込まれた画像を受け付けると(ステップS201肯定)、処理箇所識別部16は、電子透かし情報を抽出する箇所を識別する(ステップS202)。
【0060】
そして、電子透かし抽出部18は、処理箇所識別部16により識別された箇所から電子透かし情報を画像から抽出する(ステップS203)。つまり、電子透かし抽出部18は、電子透かし技術を用いて画像に埋め込まれた品質情報を抽出する。
【0061】
そして、電子透かし抽出データ復号化部19は、電子透かし抽出部18によって抽出された電子透かし情報を復号化する(ステップS204)。例えば、電子透かし抽出データ復号化部19は、磁気ディスク装置5に格納された電子透かし情報を暗号解読などにより復号化する。
【0062】
そして、補正部20は、抽出データ復号化部19によって復号化された品質情報を用いて、品質情報が抽出された箇所を補正することで、品質を向上する(ステップS205)。例えば、補正部20は、伸張された後の画像に対して、品質情報を用いた補正処理を実行することで、伸張後の画像の品質を向上する。
【0063】
なお、上記の処理手順は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲で適宜変更しても良い。例えば、品質情報が暗号化又は符号化されていない場合には、上述した1連の処理のうち、ステップS204を省略しても良い。
【0064】
上述したように、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報をデジタルコンテンツから生成する。そして、生成された品質情報を電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツに埋め込む。この結果、電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツの品質を向上可能である。具体的には、電子透かし技術を用いてデジタルコンテンツに埋め込まれた品質情報を抽出し、抽出した品質情報を用いてデジタルコンテンツの品質を向上可能となる。
【0065】
また、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、デジタルコンテンツは画像であって、不可逆圧縮処理が画像に実行される場合に、不可逆圧縮処理が実行されることで画像のうち第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所から、不可逆圧縮を実行することで欠落する欠落情報を品質情報として生成する。そして、不可逆圧縮処理が実行された後の画像の第1の箇所に対して、品質情報として生成された欠落情報を電子透かし技術を用いて埋め込む。この結果、画像の画質を向上可能となる。
【0066】
また、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%以上となる場合に、画像のうち、画像のエッジ部、又は、エッジ部近傍に画像情報を埋め込む。この結果、画質劣化が少ない箇所に補正情報を埋め込むことになり、画像再生時の画質劣化を食い止め、又は、画像拡大しても画質ボケの無い、画像を提供することが可能となる。
【0067】
また、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%に満たない場合に、画像のうち、他の箇所と比較して濃度値が滑らかに変化するとともにランダムに変化している箇所に画像情報を埋め込む。この結果、画質劣化が少ない箇所に補正情報を埋め込むことになり、画質劣化が少ない画像情報部に埋め込むことによって、画像再生時の画質劣化を食い止め、又は、画像拡大しても画質ボケの無い、画像を提供することが可能となる。
【0068】
また、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、画像のうち、画質が近傍で微妙に変化している箇所における濃度値情報に、画像情報を埋め込む。この結果、画像圧縮率を悪くする影響を少なくすることが可能となる。また、更に、画質劣化を補いたい又は解像度を上げるために増やすべき情報を必要とする画像の位置は、画質が近傍で大きく変化している画像位置となる。この結果、画質が近傍で微妙に変化している画像位置に埋め込む結果、補正情報の埋込み先と、補正対象となる位置とを異にすることを容易にすることが可能となる。
【0069】
また、第1の実施形態における画像処理装置100によれば、品質情報が埋め込まれたデジタルコンテンツを再生する場合に、デジタルコンテンツに埋め込まれた品質情報を抽出し、抽出した品質情報を用いてデジタルコンテンツを補正する。この結果、デジタルコンテンツを再生する場合に、デジタルコンテンツの品質を向上した上で再生することが可能となる。
【0070】
(第2の実施形態)
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、その他の実施形態にて実施されても良い。そこで、以下では、その他の実施形態を示す。
【0071】
例えば、上述した実施形態では、画像に対して不可逆圧縮処理を実行する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像処理装置は、可逆圧縮処理を画像に実行される場合に、画像のうち任意の箇所についての詳細を示す詳細情報を品質情報として生成し、品質情報として生成した詳細情報を電子透かし技術を用いて画像に埋め込んでも良い。ここで、任意の箇所とは、例えば、ユーザが解像度を上げたい箇所が該当する。この結果、画像の再生時に、任意の箇所について解像度を上げることが可能となる。
【0072】
なお、可逆圧縮処理が実行される画像に品質情報を埋め込む場合には、例えば、可逆圧縮後の画像に埋め込む。この場合、再生時に、可逆圧縮後の画像から品質情報を抽出することになる。ただし、これに限定されるものではなく、可逆圧縮前の画像に埋め込んでも良い。この場合、再生時に、可逆圧縮後の画像が伸張された後に品質情報を抽出することになる。
【0073】
また、詳細情報とは、例えば、解像度を上げたい任意の箇所に対して補充される詳細情報である。例えば、可逆圧縮後の画像の補正に用いられる場合には、可逆圧縮前における任意の箇所における画素の分布などについての詳細情報を用いて良い。また、例えば、可逆圧縮後の画像が伸張された後の画像を補正する際に用いられる場合には、例えば、可逆圧縮前における画像を高解像度化する画像処理を実行した上で、高解像度後の任意の箇所における画素の分布などについての詳細情報を用いて良い。
【0074】
また、例えば、任意のデジタルコンテンツのうち、任意の箇所について品質情報を生成した上で、デジタルコンテンツの他の箇所に品質情報を埋め込んでも良い。より詳細な一例をあげて説明すると、原画像の任意の箇所から品質情報を生成した上で、他の箇所に埋め込んでも良い。ここで、原画像の品質情報として用いる詳細情報は、例えば、原画像をアップスケーリングや高解像度化することで生成して用いても良い。この結果、デジタルコンテンツの再生時に、任意の箇所について解像度を上げることが可能となる。
【0075】
また、例えば、画像処理装置は、電子透かし埋め込み処理や抽出処理の有効性をチェックしても良い。詳細な1例をあげて説明すると、例えば、画像詳細情報生成部14は、電子透かし埋込部17により埋め込みが行われた後や、電子透かし抽出部18によって抽出が行われた後に、埋め込み箇所や抽出箇所をチェックしても良い。なお、埋め込み箇所や抽出箇所は、例えば、処理箇所識別部16により指定される。その上で、処理箇所識別部16が、画像詳細情報生成部14によるチェック結果に基づいて、有効性を判断しても良い。
【0076】
[システム構成]
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上述文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(図1〜図3)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0077】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示す例では、磁気ディスク装置を別装置とした上で、ネットワーク経由にて接続されるようにしても良い。
【0078】
[その他]
なお、本実施の形態の画像処理装置100で実行される画像処理プログラムは、ROMなどに予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態の画像処理装置100で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
【0079】
更に、本実施の形態の画像処理装置100で実行される画像処理プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0080】
本実施の形態の画像処理装置100で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(例えば、処理箇所識別部16、画像詳細情報生成部14、ソースデータ符号化部15、圧縮部13、電子透かし埋込部17、電子透かし抽出部18、電子透かし抽出データ復号化部19、補正部20)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像処理プログラムを読み出して実行することで、上記各部が主記憶装置上にロードされ、処理箇所識別部16、画像詳細情報生成部14、ソースデータ符号化部15、圧縮部13、電子透かし埋込部17、電子透かし抽出部18、電子透かし抽出データ復号化部19、補正部20が主記憶装置上に生成される。
【符号の説明】
【0081】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 時計回路
5 磁気ディスク装置
6 CRT画面表示装置
7 表示制御部
8 キーボード装置
9 画面指示装置
10 入力制御部
11 ネットワークI/F
12 ネットワーク伝送制御部
13 圧縮部
14 画像詳細情報生成部
15 ソースデータ符号化部
16 処理箇所識別部
17 電子透かし埋込部
18 電子透かし抽出部
19 電子透かし抽出データ復号化部
20 補正部
21 バス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2004−165778号公報
【特許文献2】特開2006−303690号公報
【特許文献3】特開2006−303689号公報
【特許文献4】特開2001−186356号公報
【特許文献5】特開2004−173072号公報
【特許文献6】特開2004−215069号公報
【特許文献7】特開2007−028402号公報
【特許文献8】特開2008−103918号公報
【特許文献9】特開2000−101822号公報
【特許文献10】特開2002−140177号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報を該デジタルコンテンツから生成する生成部と、
前記生成部により生成された品質情報を電子透かし技術を用いて前記デジタルコンテンツに埋め込む埋込処理部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記デジタルコンテンツは画像であって、
前記生成部は、不可逆圧縮処理が前記画像に実行される場合に、該不可逆圧縮処理が実行されることで前記画像のうち第1の箇所より画質が劣化する第2の箇所から、該不可逆圧縮処理を実行することで欠落する欠落情報を前記品質情報として生成し、
前記埋込処理部は、前記不可逆圧縮処理が実行された後の前記画像の前記第1の箇所に対して、前記生成部により前記品質情報として生成された前記欠落情報を前記電子透かし技術を用いて埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記デジタルコンテンツは画像であって、
前記生成部は、前記画像のうち任意の箇所についての詳細を示す詳細情報を前記品質情報として生成し、
前記埋込処理部は、前記画像に対して、前記生成部により前記品質情報として生成された前記詳細情報を前記電子透かし技術を用いて埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記埋込処理部は、前記画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%以上となる場合に、該画像のうち、該画像のエッジ部、又は、エッジ部近傍に前記品質情報を埋め込むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記埋込処理部は、前記画像が、濃淡表現上において、隣接する画素同士が同一色で連続する領域の発生率が50%に満たない場合に、該画像のうち、他の箇所と比較して濃度値が滑らかに変化するとともにランダムに変化している箇所に前記品質情報を埋め込むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記埋込処理部は、前記画像のうち、画質が近傍で微妙に変化している箇所における濃度値情報に、前記品質情報を埋め込むことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記埋込処理部により前記品質情報が埋め込まれた前記デジタルコンテンツを再生する場合に、該デジタルコンテンツに埋め込まれた該品質情報を抽出し、抽出した該品質情報を用いて該デジタルコンテンツを補正する補正部を更に備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置で実行される画像処理方法であって、
デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報を該デジタルコンテンツから生成する生成工程と、
前記生成工程により生成された品質情報を電子透かし技術を用いて前記デジタルコンテンツに埋め込む埋込処理工程と
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
デジタルコンテンツの品質に関わる品質情報を該デジタルコンテンツから生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された品質情報を電子透かし技術を用いて前記デジタルコンテンツに埋め込む埋込処理ステップと
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate