説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】画像の再現性を損なうことなく画像データのコピーを行う画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数のグループにより構成される画像データを格納する格納手段と、複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存手段と、格納手段に格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピー手段と、を有し、コピー手段は、格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データのコピーを行う画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの発達により、あらゆる場所でネットワークに接続できる環境が整ってきている。このため、クライアント装置をあらゆる場所で使用できるように、機能を落とし、できる限り軽量化し、クライアント装置に入力された操作に対する処理は、ネットワークを介し接続したサーバ装置が行うようなクライアントサーバシステムが実用的になってきている。
【0003】
このようなクライアントサーバシステムにおいて、クライアント装置に入力された操作情報は、サーバ装置にネットワークを介し送信され、サーバ装置は、この操作情報を受信し、操作情報に基づき処理を行う。処理の結果の画面画像データなどは、サーバ装置からクライアント装置にネットワークを介し送信され、クライアント装置は、この画面画像データをクライアント装置に接続された映像出力装置により出力する。
【0004】
このとき、画面画像データのデータサイズやネットワークの混雑具合によっては、クライアント装置に操作情報が入力されてから、この操作情報を反映した画面が出力されるまでに、遅延が生じることがある。
【0005】
そこで、この遅延を小さくするためには、サーバ装置からクライアント装置に送信される画面画像データのデータサイズはできる限り小さい方が良い。そこで、送信される画面画像データのデータサイズを小さくする方法がいろいろ取り入れられてきている。例えば、前回生成された画面画像データから変化した部分だけを送信する、差分伝送などの方法が使われている。さらに、送信するデータを圧縮することでデータサイズを小さくすることも行われている。
【0006】
データサイズを小さくするために、例えば、サーバ装置において、RGB形式のデータをYUV422形式のデータに変換されてから送信する方法が用いられている。RGB形式のデータは、R、G、Bの各色が1画素あたり8ビットで表現されるため、1画素あたり合計8+8+8=24ビットのデータサイズが必要になる。これに対して、YUV422形式のデータは、色を輝度Yと2つの色差U、Vに分解し、輝度Yは1つの画素に1つのデータが用意され、色差U、Vは水平方向の2つの画素に1つのデータが用意される。このため、1画素あたりのデータサイズが8+4+4=16ビットになる。つまり、RGB形式のデータをYUV422形式のデータに変換することにより、データサイズは、16/24=2/3倍に圧縮されることになる。
【0007】
そこで、例えば、特許文献1では、RGB形式のデータをYUV形式のデータに変換してから表示装置に送信し、表示装置において、YUV形式のデータをRGB形式のデータに変換し直し、表示を行う方法が開示されている。このようにすることにより、画像データの転送速度を速くすることを可能にし、低消費電力の実現を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−361498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
差分伝送の方法では、通常、図1に示すような画面上でのウィンドウ部分の移動の場合、図2に示すように、画面の変化した領域、つまり、移動前のウィンドウ部分と移動後のウィンドウ部分を含む領域の差分データをサーバ装置からクライアント装置に送信することになる。しかし、移動するウィンドウ部分の画像が変化しない場合は、移動前のウィンドウ部分と移動後のウィンドウ部分を含む領域全体の差分データを送る必要はない。
【0010】
ウィンドウ部分の画像は変化しないのであれば、移動後のウィンドウ部分の画像として、すでにクライアント装置に格納されている、移動前のウィンドウ部分の画像を使用すれば良い。つまり、移動後のウィンドウ部分に対しては、クライアント装置に格納された画面画像データ上において、移動後のウィンドウ部分の格納位置に、移動前のウィンドウ部分の画像データをコピーすれば良い。そして、移動前のウィンドウ部分の差分データだけをサーバ装置から送信し、クライアント装置に格納された画面画像データ上において、移動前のウィンドウ部分をこの差分データに書き換えれば、ウィンドウ部分が移動した後の画像を生成することができる。図3に示すように、ウィンドウ部分の移動前の位置情報とウィンドウの移動先についての情報と、移動前のウィンドウ部分の位置における差分データを送信するだけで、ウィンドウ部分が移動した後の画面画像データをクライアント装置側で生成することができる。
【0011】
ここで、ウィンドウ部分の移動前の位置情報としては、ウィンドウ部分の左上端点の座標と右下端点の座標の組み合わせでも良いし、左上端点の座標とウィンドウ部分のサイズ(ウィンドウ部分の水平方向の長さと垂直方向の長さ)の組み合わせでも良い。つまり、ウィンドウ部分の移動前の情報としては、4つの数値データを送信するだけで良い。また、ウィンドウ部分の移動先の情報としては、例えば、移動前のウィンドウ部分の左上端点の座標と移動後のウィンドウ部分の左上端点の座標とを結ぶベクトル、つまり、移動ベクトルを送信すれば良い。つまり、ウィンドウ部分の移動先の情報としては、移動ベクトルの座標値である2つの数値データを送信するだけで良い。
【0012】
よって、移動後のウィンドウ部分の位置における差分データを送信する代わりに、6つの数値データを送信すれば良いことになり、送信するデータのデータサイズがかなり小さくすることができる。
【0013】
しかし、クライアント装置の格納されている画面画像データがYUV422形式であるときには、画面画像データのコピーを行う際に問題が生じる場合がある。YUV422形式のデータは、色差U、Vのデータが水平方向の2画素に対して1つだけである。このため、図4に示すように、YUV422形式の画像データは、水平方向の2画素で1つのグループを形成している。つまり、図4において、輝度Y1に対応する画素は、この輝度Y1と色差U12、V12により再現され、輝度Y2に対応する画素は、この輝度Y2と色差U12、V12により再現されるため、輝度Y1、Y2と色差U12、V12は1つのグループとして、図4に示すような並び順のままでコピーされないと、画像を再現することができない。ここで、図4は、YUV422形式のデータのある水平成分が格納されている様子の一例を示す図である。輝度Yと色差U、Vの格納の順番としては、図4に示すような順番以外にもいろいろと考えられる。
【0014】
データの構造が水平方向に2画素で1つのグループになっているため、データを水平方向に偶数画素分だけ離れた位置にコピーするときには問題がないが、データを水平方向に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときに問題が生じる。例えば、図5は、1画素だけ右の画素にコピーした場合を示す図である。このとき、図4に示したデータ構造の場合は、図5に示すように、それぞれのデータが2つとなりの格納領域に書き込まれることになる。Y3はY4が格納されていた箇所に、V34はU34が格納されていた箇所に、Y4はY5が格納されていた箇所に、U34はV56が格納されていた箇所に書き込まれる。
【0015】
格納された画像データを画面表示する際は、格納された画像データを読み出し、RGB形式に変換し直すが、図5のようにコピーされた場合、RGB形式に変換する際に、2つの問題がある。1つの問題は、色差Vが格納されるべき箇所に色差Uが格納され、色差Uが格納されるべき箇所に色差Vが格納されていることである。また、もう1つの問題は、1つのグループに属する色差Uと色差Vがそれぞれ違う画素の情報に基づいて生成されものであることである。よって、図5のようにコピーされた画像データを読み出した場合、再現される画像は、移動前の画像とはかなり異なる、かなり再現性の悪い画像になってしまう。
【0016】
図5は、コピー領域が偶数画素から始まる場合、つまり、グループの最初の画素から始まる場合を示している。しかし、図6に示すように、コピー領域が奇数画素から始まる場合もある。このときも、図6に示すように、奇数画素分だけ離れた位置にコピーする際に上記と同じ問題が生じる。問題が生じるケースを次の表にまとめる。
【0017】
【表1】

【0018】
奇数画素から始まるコピー領域を偶数画素分だけ離れた場所にコピーするときは、コピー領域の端のグループにおいて、上記とはまた別の問題が生じる。このときは、例えば、差分データなどで書き換えるようにすると良い。
【0019】
このように、ウィンドウ部分の位置情報と移動情報を送信し、移動後のウィンドウ部分の画像データとして、YUV422形式で格納されている移動前のウィンドウ部分の画像データを使用する場合、水平方向のウィンドウ部分の移動が奇数画素分であるときには問題が生じることになる。
【0020】
しかしながら、特許文献1では、このように、ウィンドウ部分の位置情報と移動情報を送信し、移動後のウィンドウ部分の画像データとして、移動前のウィンドウ部分の画像データを使用する方法に対しては考慮をしていない。
【0021】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、画像の再現性を損なうことなく画像データのコピーを行う画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、本発明における画像処理装置は、複数のグループにより構成される画像データを格納する格納手段と、前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存手段と、前記格納手段に格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピー手段と、を有し、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とする。
【0023】
また、本発明における画像処理方法は、複数のグループにより構成される画像データを格納する格納ステップと、前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存ステップと、前記格納ステップに格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピーステップと、を有し、前記コピーステップは、前記格納ステップにより格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とする。
【0024】
また、本発明におけるプログラムは、画像処理装置を、複数のグループにより構成される画像データを格納する格納手段と、前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存手段と、前記格納手段に格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピー手段として機能させ、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、画像の再現性を損なうことなく画像データのコピーを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ウィンドウ部分の移動を説明する図である。
【図2】ウィンドウ部分の移動の際の差分データの領域を示す図である。
【図3】ウィンドウ部分の移動において、移動ベクトルを使用する際の差分データの領域を示す図である。
【図4】YUV422形式のデータの水平方向の並び順を示す図である。
【図5】YUV422形式のデータを1画素だけとなりにコピーする処理を説明する図である。
【図6】YUV422形式のデータを1画素だけとなりにコピーする処理を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図14】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図17】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理動作を説明する図である。
【図18】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理を説明する図である。
【図19】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理を説明する図である。
【図20】本発明の実施形態に係る画像処理装置における処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図7は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。制御部1とフレームバッファ2とフラグメモリ3により構成される。上記のクライアントサーバシステムにおけるクライアント装置は、このような画像処理装置を備えているとする。
【0029】
フレームバッファ2は、画像データを格納している。つまり、フレームバッファ2は、画像データを格納する格納手段として機能する。例えば、図4に示すように、YUV422形式の画像データが格納している。上記のクライアントサーバシステムにおけるクライアント装置の場合は、サーバ装置から送信されてきた画像データをこのフレームバッファ2に格納している。
【0030】
制御部1は、このフレームバッファ2に格納された画像データのコピーなどの処理を実行する。つまり、制御部1は、画像データのコピーを行うコピー手段として機能する。フラグメモリ3は、制御部1が画像データのコピーの処理を行う際に、参照するフラグを保存している。つまり、フラグを保存するフラグ保存手段として機能する。このフラグは、フレームバッファ2に格納されたYUV422形式の画像データを構成する2画素のグループそれぞれに用意されている。制御部1は、フレームバッファ2に格納されたYUV422形式の画像データをコピーする際に、コピーを行うグループに対するフラグを確認し、確認されたフラグに対応したルールに従い、コピーの処理を行う。
【0031】
フラグメモリ3が保存するフラグの種類としては、いろいろと考えられるが、ここでは、まず、フラグは2種類である場合を考える。つまり、フラグメモリ3に保存されるフラグが1ビットである場合を考える。このとき、フラグメモリ3には、0bか1bかを示すフラグを保存される。
【0032】
ここで、図4に示すように、正しい順番で並んでいるグループに対するフラグは0bであるようにする。
【0033】
次に、フラグメモリ3に保存されたフラグが0bであるときに対応したルールを決める。ここでは、例えば、フラグメモリ3に保存されたフラグが0bであるグループのデータを奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。
【0034】
図8は、フラグが0bであるグループ、つまり、正しい順番に並んだグループを、右に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示しており、図9は、フラグが0bであるグループ、つまり、正しい順番に並んだデータを、左に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示している。
【0035】
例えば、図8では、フラグが0bであるグループ1〜4のデータが右に1画素だけとなりにコピーされている。このとき、各グループの左側の輝度Yは、各グループの右側の輝度Yの位置にコピーされる。つまり、右に1画素だけとなりにコピーする際は、グループの左側の輝度Yは、コピー後も属するグループが変わらない。このため、上記のルールに従い、コピーの処理を行う場合は、U、Vは特に書き換える必要はない。つまり、図7に示すように、色差V12の位置には、コピー後も、そのまま色差V12が格納される。
【0036】
図8に示すように、フラグが0bであるグループ1〜4のデータを右に1画素だけとなりにコピーすると、グループ1〜5において、データが正しい順番でなくなる。しかし、図5に示した場合と異なり、コピー後も、色差Uは色差Uの格納されるべき位置に格納され、色差Vは色差Vの格納されるべき位置に格納され、1つのグループに属する色差Uと色差Vが同じ画素の情報に基づいて生成されものになるようにコピーが行われている。このため、図5のようにコピーした場合に生じる2つの問題は解消している。
【0037】
コピー後のグループ2〜4では、左側の輝度Yに対応する画素と色差U、Vの関係する画素が異なるという問題は残る。しかし、YUV422形式では、画像を再現する際に、輝度Yが一番重要である。色差U、Vに関しては、色差Uと色差Vがそれぞれの格納されるべき位置に格納されており、1つのグループに属する色差Uと色差Vが同じ画素の情報に基づいて生成されものになっていれば、画像の再現の際にそれほど問題にはならない。このため、グループ2〜4に関しては、データの並び順が画像の再現性の高い並び順になっている。ただし、正しい順番にはなっていないことを示すために、グループ2〜4のフラグは0bから1bに書き換えることにする。
【0038】
コピー後のコピー領域の両端にあたるグループ1とグループ5では、輝度Yの順番が正しくなくなってしまっているため、元の画像とかなり異なったものになってしまう可能性が高い。このため、コピー領域の両端においては、例えば、両端に対する差分データをサーバ装置から送信するようにして、この差分データにより書き換えるようにする。図10は、コピー領域の両端のグループのデータを差分データにより書き換えたときのデータを示す図である。このとき、コピー領域の両端に関しては、書き換えられたデータは正しい順番で並んでいるため、フラグは0bのままにしておくことにする。
【0039】
図9では、フラグが0bであるグループ2〜5のデータが左に1画素だけとなりにコピーされている。このとき、グループ2の左側の輝度Y3は、グループ1の右側の輝度Y2の位置にコピーされる。つまり、左に1画素だけとなりにコピーする際は、グループの左側の輝度Yがコピーされるグループが変わる。このため、上記のルールに従い、コピーの処理を行う場合は、U、Vはそれぞれ一つ左のグループにコピーされることになる。
【0040】
図9においても、図8と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループは、データの並び順が画像の再現性の高い並び順になっている。そこで、図8と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは0bから1bに書き換える。また、図9においても、コピー領域の両端のグループはデータの並び順が再現性の悪い並び順になっているため、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを0bのままにしておくことにする。
【0041】
3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図8、9に示したように、1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、フラグが0bであるグループを3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループは、図8、9におけるグループ2〜3と同じ並び順になる。そして、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は、再現性の悪い並び順になる。そこで、図8、9の場合と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは0bから1bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを0bにすることにする。
【0042】
図8、9に示すように、フラグが1bに書き換えられたグループに属する色差U、Vは、右側の輝度Yに対応する画素に関係する色差である。この並び順であるグループが奇数画素分だけ離れた位置にコピーされると、グループの右側の輝度Yは、グループの左側の位置にコピーされる。よって、このコピーの際に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差が同じグループになるようにコピーすることにすると、正しい順番に戻るはずである。
【0043】
そこで、フラグメモリ3に保存されたフラグが1bであるグループのデータを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。
【0044】
例えば、図11は、図9の状態にあるデータを、右に1画素だけとなりにコピーした場合と、左に1画素だけとなりにコピーした場合を示している。図11に示すように、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループは、正しい順番でデータが並んでいる。また、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になっている。よって、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは、1bから0bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを0bにすることにする。
【0045】
図9の状態にあるデータの、3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図11に示したように、1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、図9の状態にあるデータを、3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが正しい並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。よって、このときも、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは、1bから0bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを0bにすることにする。
【0046】
このように、グループの並び順を示すフラグを2種類用意し、(1)フラグが0bであるグループのデータを奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを0bから1bに書き換え、(2)フラグが1bであるグループのデータを奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを1bから0bに書き換えることにより、正しい順番に並んだデータを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーしたときも、画像の再現性の高いまま、画像データのコピーを行うことができる。また、正しい順番に並んだデータを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーする処理を2回行うと、データが正しい並び順に戻るので、コピー処理を何度か繰り返しても画質が劣化することがなくなる。
【0047】
なお、(1)フラグが0bであるグループのデータを奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを0bから1bに書き換え、(2)フラグが1bであるグループのデータを奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを1bから0bに書き換えるようにしても良い。
【0048】
次に、フラグは3種類である場合を考える。つまり、フラグメモリ3に保存されるフラグが2ビットである場合を考える。このとき、フラグメモリ3には、例えば、00bか01bか10bかを示すフラグを保存されるようにすると良い。
【0049】
ここで、図4に示すように、正しい順番で並んでいるグループに対するフラグは00bであるようにする。
【0050】
フラグメモリ3に保存されたフラグが00bであるグループを、右に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。例えば、図12は、正しい順番に並んだデータを、右に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示している。図12では、フラグが2種類のときと同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが画像の再現性の良い並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。しかし、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータも正しい順番には並んでいなので、フラグを00bから01bに書き換えることにする。また、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bのままにしておくことにする。
【0051】
右に3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図12に示したように、右に1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、右に偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、フラグが00bであるグループを右に3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが画像の再現性の良い並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。よって、図12の場合と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのフラグを00bから01bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bにすることにする。
【0052】
フラグメモリ3に保存されたフラグが00bであるグループを、左に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。例えば、図13は、正しい順番に並んだデータを、左に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示している。図13でも、フラグが2種類のときと同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが画像の再現性の良い並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。しかし、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータも正しい順番には並んでいない。また、図12におけるコピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータの並び順とも違う。よって、このときは、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのフラグを00bから10bに書き換えることにする。また、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bのままにしておくことにする。
【0053】
左に3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図13に示したように、左に1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、左に偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、フラグが00bであるグループを左に3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが画像の再現性の良い並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。よって、図13の場合と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのフラグを00bから10bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bにすることにする。
【0054】
図12に示すように、フラグが01bに書き換えられたグループに属する色差U、Vは、左側の輝度Yに対応する画素に関係する色差である。この並び順であるグループが奇数画素分だけ離れた位置にコピーされると、グループの左側の輝度Yは、グループの右側の位置にコピーされる。そこで、このときに、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差が同じグループになるようにコピーすることにすると、正しい順番に戻るはずである。
【0055】
そこで、フラグメモリ3に保存されたフラグが01bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。
【0056】
例えば、図14は、フラグが01bであるグループを、右に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示しており、図15は、フラグが01bであるグループを、左に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示している。図14、15により示すように、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループは、正しい順番でデータが並んでいる。また、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になっている。よって、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは、01bから00bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bのままにしておくことにする。
【0057】
3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図14、15に示したように、1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、フラグが01bであるグループを3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが正しい並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。よって、図14、15の場合と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのフラグを01bから00bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bにすることにする。
【0058】
図13に示すように、フラグが10bに書き換えられたグループに属する色差U、Vは、右側の輝度Yに対応する画素に関係する色差である。この並び順であるグループが奇数画素分だけ離れた位置にコピーされると、グループの右側の輝度Yは、グループの左側の位置にコピーされる。そこで、このときに、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差が同じグループになるようにコピーすることにすると、正しい順番に戻るはずである。
【0059】
そこで、フラグメモリ3に保存されたフラグが10bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行うことにする。
【0060】
例えば、図16は、フラグが10bであるグループを、右に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示しており、図17は、フラグが10bであるグループを、左に1画素だけとなりにコピーを行った場合を示している。図16、17により示すように、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループは、正しい順番でデータが並んでいる。また、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は画像の再現性の悪い並び順になっている。よって、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループに対するフラグは、10bから00bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bのままにしておくことにする。
【0061】
3以上の奇数画素分だけ離れた位置へのコピーは、図16、17に示したように、1画素だけとなりの画素にコピーした後に、さらに、偶数画素分だけ離れた位置にコピーすることにより行うことができる。偶数画素分だけ離れた位置にコピーする際は、グループがそのままコピーされるため、グループ内でのデータの並び順はコピー前後で変化がしない。よって、フラグが10bであるグループを3以上の奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合も、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのデータが正しい並び順になり、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は再現性の悪い並び順になる。よって、図16、17の場合と同様に、コピー領域のうち、両端のグループ以外のグループのフラグを10bから00bに書き換え、コピー領域の両端のグループは、このときも、例えば、差分データなどで書き換えることにし、フラグを00bにすることにする。
【0062】
このように、グループの並び順を示すフラグを3種類用意し、(1)フラグが00bであるときに、右に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを00bから01bに書き換え、(2)フラグが00bであるときに、左に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを00bから10bに書き換え、(3)フラグが01bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを01bから00bに書き換え、(4)フラグが10bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを10bから00bに書き換えることにより、正しい順番に並んだデータを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーしたときも、画像の再現性の高いまま、画像データのコピーを行うことができる。また、正しい順番に並んだデータを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーする処理を2回行うと、データが正しい並び順に戻るので、コピー処理を何度か繰り返しても画質が劣化することがなくなる。
【0063】
なお、(1)フラグが00bであるときに、右に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを00bから01bに書き換え、(2)フラグが00bであるときに、左に奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを00bから10bに書き換え、(3)フラグが01bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの右側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを01bから00bに書き換え、(4)フラグが10bであるグループを、奇数画素分だけ離れた位置にコピーするときは、常に、グループの左側の輝度Yとこの輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにデータのコピーを行い、フラグを10bから00bに書き換えるようにしても良い。
【0064】
上述したように、奇数画素分だけ離れた位置へのコピーを行うと、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は画像の再現性の悪い並び順になってしまう。よって、コピー領域にはなるべく端となるグループのないようなデータの並び順になっているのが良い。つまり、フラグが同じであるグループがなるべく連続して分布するようになっていると良い。そこで、フラグが0bまたは00bでないグループ、つまり、データが正しい並び順になっていないグループを別の画像データで書き換える際に、次のように行うと良い。
【0065】
例えば、図18に示すように、グループ1、2、3、4、5のフラグが1bであったとする。このときに、図18のグループ3、4のデータを、図19に示すような、グループ3、4、5に対応する差分データにより置き換える。このとき、図20に示すように、差分データを1bのフラグに対応する並び順になるようにしてから置き換える。
【0066】
上記のように、差分データを並び換えることなく、対応するグループ3、4、5にそのまま書き込んだ場合は、グループ2とグループ3の間でフラグが1bから0bに変化する。このとき、このグループ1〜5を含む領域を奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合、グループ2、3もコピー領域の端と同様に画像の再現性の悪い並び順になってしまう。しかし、上記のようにすることにより、フラグが同じであるグループをなるべく連続させたまま、新たな差分データへの置き換えを行うことができ、コピーする際に問題になるコピー領域の端となるグループを増やすことを防ぐことができる。
【0067】
(この下は、図20の図として、図20のカッコ内の図にしたときのバージョンです。)
上述したように、奇数画素分だけ離れた位置へのコピーを行うと、コピー領域の両端のグループのデータの並び順は画像の再現性の悪い並び順になってしまう。よって、コピー領域にはなるべく端となるグループのないようなデータの並び順になっているのが良い。つまり、フラグが同じであるグループがなるべく連続して分布するようになっていると良い。そこで、フラグが0bまたは00bでないグループ、つまり、データが正しい並び順になっていないグループを別の画像データで書き換える際に、次のように行うと良い。
【0068】
例えば、図18に示すように、グループ1、2、3、4、5のフラグが1bであったとする。このときに、図18のグループ2、3、4、5のデータを、図19に示すような、グループ3、4、5に対応する差分データにより置き換える。このとき、図20に示すように、差分データを1bのフラグに対応する並び順になるようにしてから置き換える。
【0069】
上記のように、差分データを並び換えることなく、対応するグループ3、4、5にそのまま書き込んだ場合は、グループ2とグループ3の間でフラグが1bから0bに変化する。このとき、このグループ1〜5を含む領域を奇数画素分だけ離れた位置にコピーした場合、グループ2、3もコピー領域の端と同様に画像の再現性の悪い並び順になってしまう。しかし、上記のようにすることにより、フラグが同じであるグループをなるべく連続させたまま、新たな差分データへの置き換えを行うことができ、コピーする際に問題になるコピー領域の端となるグループを増やすことを防ぐことができる。
(図20の図として、図20のカッコ内の図にしたときのバージョンの終わりです。)
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0072】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0073】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。
【0074】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することが可能である。
【0075】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0076】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0077】
また、本発明における画像処理装置は、前記フラグ保存手段により保存されるフラグには、第1のフラグ状態と第2のフラグ状態の2種類のフラグ状態があるようにしても良い。
【0078】
また、本発明における画像処理装置は、前記格納手段により格納された画像データはYUV422形式のデータであり、前記複数のグループそれぞれは、それぞれの色差U、Vの関係する2画素により構成されており、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第2のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換えるようにしても良い。
【0079】
また、本発明における画像処理装置は、前記フラグ保存手段により保存されるフラグには、第1のフラグ状態と第2のフラグ状態と第3のフラグ状態の3種類のフラグ状態があるようにしても良い。
【0080】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像データはYUV422形式のデータであり、前記複数のグループそれぞれは、それぞれの色差U、Vの関係する2画素により構成されており、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を右に水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第2のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第3のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、前記格納手段により格納された画像データの一部分を左に水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第3のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第3のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換えるようにしても良い。
【0081】
また、本発明における画像処理装置は、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーした後、当該コピーされた画像データの水平方向の端のグループのデータを前記第1のフラグ状態に対応する並び順に並んだデータで書き換えるようにしても良い。
【0082】
また、本発明における画像処理装置は、前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を新たな画像データで書き換える際、前記画像データの一部分がフラグのフラグ状態が同じである領域の一部分であるときは、当該新たな画像データが当該フラグ状態に対応する並び順になるように書き換えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0083】
1 制御部
2 フレームバッファ
3 フラグメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループにより構成される画像データを格納する格納手段と、
前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存手段と、
前記格納手段に格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピー手段と、を有し、
前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記フラグ保存手段により保存されるフラグには、第1のフラグ状態と第2のフラグ状態の2種類のフラグ状態があることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記格納手段により格納された画像データはYUV422形式のデータであり、
前記複数のグループそれぞれは、それぞれの色差U、Vの関係する2画素により構成されており、
前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第2のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記フラグ保存手段により保存されるフラグには、第1のフラグ状態と第2のフラグ状態と第3のフラグ状態の3種類のフラグ状態があることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像データはYUV422形式のデータであり、
前記複数のグループそれぞれは、それぞれの色差U、Vの関係する2画素により構成されており、
前記コピー手段は、
前記格納手段により格納された画像データの一部分を右に水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第2のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第3のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、
前記格納手段により格納された画像データの一部分を左に水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第1のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第3のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第2のフラグ状態のときは、当該グループの左側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換え、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループに対するフラグが前記第3のフラグ状態のときは、当該グループの右側の輝度Yと当該輝度Yに対応する画素に関係する色差U、Vが同じグループになるようにコピーを行い、当該コピー後に当該輝度Yの属するグループに対するフラグを前記第1のフラグ状態に書き換えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーした後、当該コピーされた画像データの水平方向の端のグループのデータを前記第1のフラグ状態に対応する並び順に並んだデータで書き換えることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を新たな画像データで書き換える際、前記画像データの一部分がフラグのフラグ状態が同じである領域の一部分であるときは、当該新たな画像データが当該フラグ状態に対応する並び順になるように書き換えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
複数のグループにより構成される画像データを格納する格納ステップと、
前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存ステップと、
前記格納ステップに格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピーステップと、を有し、
前記コピーステップは、前記格納ステップにより格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
画像処理装置を、
複数のグループにより構成される画像データを格納する格納手段と、
前記複数のグループそれぞれに対するフラグを保存するフラグ保存手段と、
前記格納手段に格納された画像データの一部分を異なる格納位置にコピーするコピー手段として機能させ、
前記コピー手段は、前記格納手段により格納された画像データの一部分を水平方向に奇数画素だけ離れた格納位置にコピーする際に、当該コピーされる画像データの一部分に含まれるグループそれぞれに対するフラグに基づき、当該グループそれぞれのコピーを行うことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−40001(P2011−40001A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189473(P2009−189473)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】