画像処理装置および画像処理方法
【課題】動画の一部を書き換える際に、圧縮効率を高めること。
【解決手段】複数の色違いムービー映像として、矢印A、B、C、D、Eのみが異なる動画像30からベースファイルを作成し、動画像30と動画像32との差分を差分抽出ムービ42として抽出し、同様に動画像30と動画像34、36、38との差分を示す差分抽出ムービー44、46、48を抽出し、親となる動画像30と子となる差分抽出ムービー42、44、46、48を圧縮してエンコードする。
【解決手段】複数の色違いムービー映像として、矢印A、B、C、D、Eのみが異なる動画像30からベースファイルを作成し、動画像30と動画像32との差分を差分抽出ムービ42として抽出し、同様に動画像30と動画像34、36、38との差分を示す差分抽出ムービー44、46、48を抽出し、親となる動画像30と子となる差分抽出ムービー42、44、46、48を圧縮してエンコードする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dゲーム装置やアクションパズルゲームなど、例えば、遊技機に適応される画像処理技術に係り、特に、動画の一部を書き換える技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2D/3DのリアルタイムCGで画面を構成する手法が一般的であったが、近年、動画圧縮技術の進歩に伴い、ムービー再生で画面を構成する手法が広がってきた。ムービー再生で画面を構成する手法は、全画面に適用するケースもあるし、画面の一部に適用して、リアルタイムCGと併用して両者を合成表示するケースもある。
【0003】
ムービー再生を利用する手法には次のようなメリットがある。
(1)プリレンダリングCGはリアルタイムCGより高画質で高度な映像表現がきる 。
(2)ライブ映像を表示できる。
(3)ムービー再生制御はリアルタイムCG制御よりプログラムが簡単である。
(4)プログラマーの負荷が軽減できる。
(5)プログラマーを介在させずデザイナーだけで画面を作り、画面調整を完結 できる。
(6)開発工数を削減できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ムービー再生で画面を構成する手法のデメリットとして、画面の一部の些細な違いであっても、違いがあるものを表現するには、個別の動画ファイルを準備しなければならない、ということがある。
【0005】
例えば、色鉛筆を1本購入するシーンの映像について、8色の色鉛筆に対応するためには、8本の動画ファイルを準備しなければならない。これらの動画ファイルは、鉛筆部分の色の情報が異なるだけで、その他の部分は完全に同一である。この例のように、画面の一部が異なるが、その他の部分は共通であるムービーが複数あった場合に、それらのムービーを色違いムービーと呼ぶ。
【0006】
相違が画面内の特定部分に限定されて、その他の部分が共通であるものは、色違いムービーとみなせる。上記の例で、色鉛筆の他にボールペンを購入するシーンがあっても、ボールペンが色鉛筆とほぼ重複する位置にあり、その他の部分が共通であれば、同じ色違いムービーとして扱うことができる。色違いムービーを個別に扱えば、圧縮したとしても、ムービーの本数に比例したデータサイズが必要となってしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、色違いムービーの冗長性を廃し、圧縮効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法は、画像の一部を書き換える際に、動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイル(親)と複数の差分ファイル(子差分)に変換し、当該変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮することを特徴とする。
【0009】
係る構成によれば、複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換することで、差分ファイルの情報量が少なくなり、ベースファイルと情報量の削減された各差分ファイルを圧縮することで、全体の圧縮効率を高めることができる。
【0010】
好ましくは、前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像のうちピクセルごとに各色成分の最小値を抽出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像のうち各色成分ごとに全ピクセルの平均値を算出して前記ベースファイルを作成したりしてなる。また、前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像のうちピクセルごとに各色成分の最大値を抽出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる。さらに、前記映像処理手段は、前記変換された各差分ファイルのうち有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとするとともに、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録してなる。
【0011】
また、本発明は、記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する画像処理方法であって、前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換する第1工程と、前記変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮する第2工程と、備えてなることを特徴とする。
【0012】
前記画像処理方法を採用するに際しては、好ましくは、前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを作成したりしてなる。また、前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる。さらに、前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとする第3工程と、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録する第4工程を備えてなる。
【0013】
また、本発明は、画像を再生する画像再生装置であって、ベースファイルと差分ファイルを含む動画像を格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する映像再生手段と、を備え、前記映像再生手段は、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成してなる、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記いずれかの画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納された機械読取り可能な記録媒体を構成した。
【0015】
ここで、記録媒体とは、何らかの物理的手段により情報、主にデジタルデータ、プログラムが記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサなどの処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【0016】
要するに、何らかの手段でもってコンピュータにプログラムをダウンロードし、所定の機能を実行させるものであればよい。例えば、フレキシブルディスク、固定ディスク、磁気テープ、光磁気ディスクCD、CD−ROM、CD−R、DVD−RAM、DVD−ROM、DVD−R、PD、MD、DCC、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付のRMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジなどを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画面の一部が異なり他の部分は共通であるムービーが複数あった場合に、圧縮効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態を示す画像処理装置のブロック構成図である。図1において、画像処理装置は、3D処理部301とムービ映像処理部303を備えている。ムービ映像処理部303ではCD−ROMのデータをデコーダ310によってムービ映像MVに変換する。3D処理部301はデコーダ311によりCD−ROMのデータをデコードし、3Dモデル(3DM)を得て、モデリング部312においてポリゴン生成などのモデリングを行う。なお、描画プロセッサ305は、ムービ映像MVの1枚ずつの画像を一旦テクスチャバッファ313に格納し、これを適宜読み出してキャラクタとともに描画することができる。
【0020】
ここで、動画(動画像)の一部を書き換える場合、色違いムービとして、例えば、図2に示すように、矢印A、B、C、D、Eの色のみが異なる動画像30、32、34、36、38をエンコードするに際しては、各動画像30〜38をそれぞれディスクに収納するには、そのままでは情報量が大きくなり、特定の容量のディスクには収めることができなくなり、圧縮効率を高めることができなくなる。
【0021】
そこで、図3に示すように、矢印Aを含む動画像30をベースファイル(親)とし、動画像30と各動画像32、34、36、38との差分(子差分)を抽出し、差分抽出ムービ(差分ファイル)42、44、46、48とすると、差分抽出ムービ42、44、46、48の情報量は動画像32、34、36、38よりも少なくなり、これらを圧縮した際にはその圧縮率は非常に高く、動画像30を圧縮した場合の1/5〜1/7となる。差分抽出ムービ42〜48を再生する場合には、ベース(親)となる動画像30と子差分である差分抽出ムービ42〜48をそれぞれ加算合成することで、元の動画像32、34、36、38を再現することができる。
【0022】
動画像30〜38をエンコード処理するに際しては、図4に示すように、動画像30のRGB形式の素材(A)を保存するファイルF1と、動画像32のRGB形式の素材(B)を保存するファイルF2からそれぞれ動画像30、32を差分器50に取り込み、差分器50で動画像30(A)と動画像32(B)との差分(B−A)を抽出し、抽出された差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をRGB形式のファイルF3に保存する。
【0023】
次に、ファイルF1から動画像30(A)を、ファイルF3からは差分抽出ムービ(子差分)(B−A)を変換器52に取り込み、変換機において、動画像30(A)の動画ファイルと差分抽出ムービ(子差分)(B−A)に対するRGB・YUV変換52を行い、変換された動画像30(A)をYUV形式のデータD1としてMPEG等のエンコーダ54に出力し、変換された差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をYUV形式のデータD2としてエンコーダ54に出力する。この後、エンコーダ54において、動画像30(A)と差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をそれぞれエンコードし、動画像30(A)をMPEG等の動画ファイルF4に保存し、差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をMPEG等の動画ファイルF5に保存する。また動画像30と各動画像34、36、38との差分も同様に抽出することができる。
【0024】
なお、一般的には、素材データの色空間がRGBで、エンコード処理直前の色空間がYUVである場合には、エンコード前にRGBからYUVに色変換を実施する。
【0025】
これに対して、本実施例における色違いムービをベースムービと差分ムービに変換する処理は、RGB−YUV変換の前でも、後でも実施することができる。
【0026】
但し、実機上では、ベースムービと差分ムービから色違いムービを再現する逆変換の処理(デコード処理)は、エンコードにおける変換処理で行った色空間と同一の色空間で実施する必要がある。これは、実機上の処理は、限られたハードウエアスペックでリアルタイム処理が求められるので、実機上の処理のしやすさを考慮して、本方式を適用する色空間や、ベースムービの作成方式を選択する。
【0027】
次に、デコード処理を行うに際しては、図5に示すように、MPEG等の動画ファイルF4に保存された動画像30と、MPEG等の動画ファイルF5に保存された、MPEG等の差分抽出ムービ(B−A、C−A、D−A、E−A)をデコーダ56に取り込んでデコードする。例えば、動画像30に関するデータ(A)と差分抽出ムービ(B−A、)をデコーダ56でデコードし、デコードで得られたデータ(A)とデータ(B−A)をそれぞれYUV形式のデータD3、D4として変換器58に出力する。このあと変換器58において、YUV形式のデータD3、D4に対するYUV−RGB変換処理を行い、変換されたデータ(A)とデータ(B−A)をそれぞれRGB形式のデータD5、D6として加算合成器60に出力する。加算合成器60は、RGB形式のデータ(A)D5とデータ(B−A)D6をそれぞれ加算合成し、RGB形式のデータ(B)D7として出力する。
【0028】
同様にして、動画像30に関するデータ(A)と差分抽出ムービ(C−A、D−A、E−A)をデコードし、デコードで得られたYUV形式のデータ(A)とデータ(C−A、D−A、E−A)をそれぞれYUVからRGB形式に変換し、変換されたRGB形式のデータ(A)とデータ(C−A、D−A、E−A)をそれぞれ加算合成し、加算合成されたデータをRGB形式の動画像34、36、38のデータ(C、D、E)として出力する。
【0029】
色違いの複数の動画像30〜38のうち動画像(ムービ)30をベースファイル(親)として、動画像42、44、46、48を子差分としてのサブファイル(差分ファイル)に変換するに際しては、エンコードの前後で処理を施すことで情報量が少なくなり、圧縮効率を高めることができる。特に、動画像として形は同じだが色だけが違うオブジェクトが含まれるものに対してはより圧縮効率を高めることができる。
【0030】
対象となる色違いムービからベースファイルを作成するに際しては、次の4通りがある。
【0031】
(a)最小値法
複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎に各色成分の最小値を抽出してベースファイルを作成する。
【0032】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に最小値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの最小値を計算する。
【0033】
(b)平均値法
複数の色違いムービのうち色成分毎に全ピクセルの平均値を算出してベースファイルを作成する。
【0034】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に平均値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの相加平均を計算する。
【0035】
(c)最大値法
複数の色違いムービのうちピクセル毎に各色成分の最大値を抽出してベースファイルを作成する。
【0036】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に最大値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの最大値を計算する。
【0037】
(d)選択法
複数の色違いムービの中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択してベースファイルとみなす。
【0038】
上記いずれかの方法を用いてベースファイルを作成するに際しては、RGBで計算する方法とYUVで計算する2つの方法のいずれかを用いることができる。
【0039】
次に、エンコード時の処理を図6のフローチャートにしたがって説明する。まず、ベースファイルを作成するに際しては、複数の色違いムービMV0〜MVn−1基にベースファイルを作成し親ビームとする(S1)。
【0040】
次に、ベースファイルと各色違いムービとの差分ムービ(子差分ファイル)を生成し(S2)、生成した差分ムービとベースファイルを基にMPEGなどによるエンコードを行い(S3)、このルーチンでの処理を終了する。
【0041】
次に、再生時の処理を図7のフローチャートにしたがって説明する。まず圧縮された親圧縮ムービと圧縮された子差分ムービを基にMPEGなどによるフレームのデコード処理を行い(S11)、この処理結果から色違いムービのフレームを復元し(S12)、全フレームを終了するまでステップS11とステップS12の処理を継続し、全てのフレームについて処理を終了したときには(S13)、このルーチンでの処理を終了する。
【0042】
次に、最小値法によってベースファイル(親)を作成するときの処理方法を図8のフローチャートにしたがって説明する。まず複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎の色成分として、例えばR、G、Bについてその最小値を選択し(S21)、この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S22)、全てのピクセルについて処理を終了したときにはこのルーチンでの処理を終了する。
【0043】
この最小値法によれば、差分の計算式がシンプルであり、グラフィックチップのレンダラーの加算合成機能を用いれば、CPUに負荷がかからない。
【0044】
次に、平均値法を基にベースファイルを作成するときの処理方法を図9のフローチャートにしたがって説明する。複数の色違いムービ映像に対して、各色成分毎、例えばR、G、Bについて全ピクセルの和を求めたあと、全ピクセルの数を示すnで割り算して、各色成分毎に全ピクセルの平均値を算出する(S31)、そのあと全ピクセルおよび各色成分についての処理を終了したか否かを判定し(S32)、全ピクセルについて処理を終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0045】
この平均値法によれば、差分ムービの色の値が小さめになるので、圧縮効率をより高くすることができる。
【0046】
次に、最大値法によってベースファイルを作成するときの処理方法を図10のフローチャートにしたがって説明する。まず、複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎に各色成分R、G、Bについてその最大値を選択し(S41)、この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S42)、全てのピクセルについて処理を終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0047】
この最大値法によれば、差分の計算式がシンプルであり、グラフィックチップのレンダラーの減算合成機能を用いれば、CPUに負荷がかからない。
【0048】
選択法を用いてベースファイルを作成するに際しては、素材となる色違いムービのどれか1つをそのまま用いてベースファイルを作成することができる。この際、任意に色違いムービを1つ選ぶこともできるが、平均値ムービに近いものを選べば、差分ムービの値が小さくなるため、より圧縮しやすくなる。例えば、全フレーム、全ピクセル、全色成分の2乗誤差が最小値となる色違いムービを採用する。
【0049】
また、選択法によれば、総ムービ数を1本節約でき、その分圧縮効率を高くすることができる。
【0050】
次に、平均値法または選択法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図11のフローチャートにしたがって説明する。ベースファイルとして平均値法または選択法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて色違いムービと親ムービとの差に256を加え、その総和を2で割り算する(S51)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S52)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S53)、このルーチンでの処理を終了する。
【0051】
次に、最小値法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図12のフローチャートに従って説明する。ベースファイルとして最小値法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて色違いムービと最小値ムービとの差を算出する(S61)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S62)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S63)、このルーチンでの処理を終了する。
【0052】
次に、最大値法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図13のフローチャートに従って説明する。ベースファイルとして最大値法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて最大値ムービと色違いムービとの差を算出する(S71)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S72)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S73)、このルーチンでの処理を終了する。
【0053】
次に、差分ムービの有効エリア切り出し処理を図14のフローチャートに従って説明する。図11〜図13の差分ムービ生成処理を基に差分ムービを生成したあと、差分データが0以外の値を持つエリアを調べる(S81)。差分エリアが有効エリアから外れたエリアに属する差分データを抽出し、この処理を全フレームについて終了したが否かの判定を行う(S82)。
【0054】
全フレームについて処理が終了したときには、差分データとして、外周に全フレームに渡って無効なエリアがあったときには、無効エリアに属する差分データを切り捨て、ムービの画面サイズを小さくするとともに、親ムービに対するこの差分ムービの相対位置x、yを記憶しておく(S83)。記録された情報は再生時に使用され、ムービの画面サイズを小さくすることで、このルーチンでの処理を終了する。
【0055】
なお、小さくされた画面サイズのデータは圧縮コーディックや再生プログラムの都合の良いように、その境界を調整しても良い。この場合MPEGなら16整数倍とすることもできる。
【0056】
また、ゼロデータを小さく圧縮できるので、圧縮効率を改善する効果は小さいが、再生時のデコード、合成処理では、負荷を軽減する効果がある。
【0057】
次に、平均値法または選択法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図15に従って説明する。まず、平均値法または選択法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、親ムービ+2×子差分ムービ−256についてクリップ演算を実行する(S91)。
【0058】
clip(x)では、例えば、[0、255]の飽和演算として、0以下なら0とし、255以上なら255とする演算を実行する。これは、圧縮によっては演算結果が範囲外となる場合があるので、飽和演算が必要なためである。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S92)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0059】
次に、最小値法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図16に従って説明する。まず、最小値法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、(親ムービ+子差分ムービ)についてクリップ演算を実行する(S101)。この処理を全ピクセルについて実行し、全ピクセルについて処理を終了したか否かを判定し(S102)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0060】
次に、最大値法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図17に従って説明する。まず、最大値法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、(親ムービ−子差分ムービ)についてクリップ演算を実行する(S111)。この処理を全ピクセルについて実行し、全ピクセルについて処理を終了したか否かを判定し(S112)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0061】
本実施形態においては、1.5秒のムービを512×160に成形し、色違いムービとして、たとえば、各動画像の矢印の色を変更し、全部で8種類の色違いムービを作成し、差分ファイルを作らないで8本エンコードした場合、全て親ファイル(ベースファイル)となるため、全体の容量は2880KBとなった。
【0062】
これに対して、1本をベースファイル(親)とし、7本を差分ムービ(差分ファイル)としたときには、親ファイル+7差分ファイル=748KBとなった。
【0063】
この場合、データ削減率は0.78/2.8=26%となり、元のサイズと比べて約1/4にデータを削減できることが分かった。
【0064】
本実施形態によれば、複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換することで、差分ファイルの情報量が少なくなり、ベースファイルと情報量の削減された各差分ファイルを圧縮することで、全体の圧縮効率を高めることができる。
【0065】
なお、図4,5において、動画コーディックとしてMPEGを用いた実施形態について説明したが、MPEGは一例であり他の動画コーディックに変更したり、任意の動画コーディックと組み合わせて、本発明を実現できることは勿論である。
【0066】
なお、本発明の画像処理装置は、上記実施形態で説明したゲーム装置のみならず、複数の色違いムービー映像に基づいて画像を表示する装置、例えば、パチンコ機(第一種パチンコ機、第二種パチンコ機を含む。)、回動式遊技機(スロットマシン)、じゃん球等の遊技機、画像を利用したシミュレーション装置等に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像処理装置のブロック図である。
【図2】ベースファイルのままエンコードするときの動画像の状態を説明するための図である。
【図3】1つのベースファイルと4つの差分ファイルを基にエンコードするときの動画像の状態を説明するための図である。
【図4】本実施形態に係るエンコード処理の機能ブロック図である。
【図5】本実施形態に係るデコード処理機能のブロック図である。
【図6】本実施形態に係るエンコード時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る再生時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る最小値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る平均値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る最大値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る平均値法または選択法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る最小値法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る最大値法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係る差分ムービの有効エリア切り出し法を説明するためのフローチャートである。
【図15】本実施形態に係る平均値法または選択法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係る最小値法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係る最大値法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
301 3D処理部、303 ムービ映像処理部、304 音声処理部、305 描画プロセッサ、306 同期制御部、400〜430 オブジェクト
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dゲーム装置やアクションパズルゲームなど、例えば、遊技機に適応される画像処理技術に係り、特に、動画の一部を書き換える技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2D/3DのリアルタイムCGで画面を構成する手法が一般的であったが、近年、動画圧縮技術の進歩に伴い、ムービー再生で画面を構成する手法が広がってきた。ムービー再生で画面を構成する手法は、全画面に適用するケースもあるし、画面の一部に適用して、リアルタイムCGと併用して両者を合成表示するケースもある。
【0003】
ムービー再生を利用する手法には次のようなメリットがある。
(1)プリレンダリングCGはリアルタイムCGより高画質で高度な映像表現がきる 。
(2)ライブ映像を表示できる。
(3)ムービー再生制御はリアルタイムCG制御よりプログラムが簡単である。
(4)プログラマーの負荷が軽減できる。
(5)プログラマーを介在させずデザイナーだけで画面を作り、画面調整を完結 できる。
(6)開発工数を削減できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ムービー再生で画面を構成する手法のデメリットとして、画面の一部の些細な違いであっても、違いがあるものを表現するには、個別の動画ファイルを準備しなければならない、ということがある。
【0005】
例えば、色鉛筆を1本購入するシーンの映像について、8色の色鉛筆に対応するためには、8本の動画ファイルを準備しなければならない。これらの動画ファイルは、鉛筆部分の色の情報が異なるだけで、その他の部分は完全に同一である。この例のように、画面の一部が異なるが、その他の部分は共通であるムービーが複数あった場合に、それらのムービーを色違いムービーと呼ぶ。
【0006】
相違が画面内の特定部分に限定されて、その他の部分が共通であるものは、色違いムービーとみなせる。上記の例で、色鉛筆の他にボールペンを購入するシーンがあっても、ボールペンが色鉛筆とほぼ重複する位置にあり、その他の部分が共通であれば、同じ色違いムービーとして扱うことができる。色違いムービーを個別に扱えば、圧縮したとしても、ムービーの本数に比例したデータサイズが必要となってしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、色違いムービーの冗長性を廃し、圧縮効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置および画像処理方法は、画像の一部を書き換える際に、動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイル(親)と複数の差分ファイル(子差分)に変換し、当該変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮することを特徴とする。
【0009】
係る構成によれば、複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換することで、差分ファイルの情報量が少なくなり、ベースファイルと情報量の削減された各差分ファイルを圧縮することで、全体の圧縮効率を高めることができる。
【0010】
好ましくは、前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像のうちピクセルごとに各色成分の最小値を抽出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像のうち各色成分ごとに全ピクセルの平均値を算出して前記ベースファイルを作成したりしてなる。また、前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像のうちピクセルごとに各色成分の最大値を抽出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる。さらに、前記映像処理手段は、前記変換された各差分ファイルのうち有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとするとともに、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録してなる。
【0011】
また、本発明は、記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する画像処理方法であって、前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換する第1工程と、前記変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮する第2工程と、備えてなることを特徴とする。
【0012】
前記画像処理方法を採用するに際しては、好ましくは、前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを作成したりしてなる。また、前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを作成したり、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる。さらに、前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとする第3工程と、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録する第4工程を備えてなる。
【0013】
また、本発明は、画像を再生する画像再生装置であって、ベースファイルと差分ファイルを含む動画像を格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する映像再生手段と、を備え、前記映像再生手段は、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成してなる、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記いずれかの画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納された機械読取り可能な記録媒体を構成した。
【0015】
ここで、記録媒体とは、何らかの物理的手段により情報、主にデジタルデータ、プログラムが記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサなどの処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【0016】
要するに、何らかの手段でもってコンピュータにプログラムをダウンロードし、所定の機能を実行させるものであればよい。例えば、フレキシブルディスク、固定ディスク、磁気テープ、光磁気ディスクCD、CD−ROM、CD−R、DVD−RAM、DVD−ROM、DVD−R、PD、MD、DCC、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付のRMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジなどを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画面の一部が異なり他の部分は共通であるムービーが複数あった場合に、圧縮効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態を示す画像処理装置のブロック構成図である。図1において、画像処理装置は、3D処理部301とムービ映像処理部303を備えている。ムービ映像処理部303ではCD−ROMのデータをデコーダ310によってムービ映像MVに変換する。3D処理部301はデコーダ311によりCD−ROMのデータをデコードし、3Dモデル(3DM)を得て、モデリング部312においてポリゴン生成などのモデリングを行う。なお、描画プロセッサ305は、ムービ映像MVの1枚ずつの画像を一旦テクスチャバッファ313に格納し、これを適宜読み出してキャラクタとともに描画することができる。
【0020】
ここで、動画(動画像)の一部を書き換える場合、色違いムービとして、例えば、図2に示すように、矢印A、B、C、D、Eの色のみが異なる動画像30、32、34、36、38をエンコードするに際しては、各動画像30〜38をそれぞれディスクに収納するには、そのままでは情報量が大きくなり、特定の容量のディスクには収めることができなくなり、圧縮効率を高めることができなくなる。
【0021】
そこで、図3に示すように、矢印Aを含む動画像30をベースファイル(親)とし、動画像30と各動画像32、34、36、38との差分(子差分)を抽出し、差分抽出ムービ(差分ファイル)42、44、46、48とすると、差分抽出ムービ42、44、46、48の情報量は動画像32、34、36、38よりも少なくなり、これらを圧縮した際にはその圧縮率は非常に高く、動画像30を圧縮した場合の1/5〜1/7となる。差分抽出ムービ42〜48を再生する場合には、ベース(親)となる動画像30と子差分である差分抽出ムービ42〜48をそれぞれ加算合成することで、元の動画像32、34、36、38を再現することができる。
【0022】
動画像30〜38をエンコード処理するに際しては、図4に示すように、動画像30のRGB形式の素材(A)を保存するファイルF1と、動画像32のRGB形式の素材(B)を保存するファイルF2からそれぞれ動画像30、32を差分器50に取り込み、差分器50で動画像30(A)と動画像32(B)との差分(B−A)を抽出し、抽出された差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をRGB形式のファイルF3に保存する。
【0023】
次に、ファイルF1から動画像30(A)を、ファイルF3からは差分抽出ムービ(子差分)(B−A)を変換器52に取り込み、変換機において、動画像30(A)の動画ファイルと差分抽出ムービ(子差分)(B−A)に対するRGB・YUV変換52を行い、変換された動画像30(A)をYUV形式のデータD1としてMPEG等のエンコーダ54に出力し、変換された差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をYUV形式のデータD2としてエンコーダ54に出力する。この後、エンコーダ54において、動画像30(A)と差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をそれぞれエンコードし、動画像30(A)をMPEG等の動画ファイルF4に保存し、差分抽出ムービ(子差分)(B−A)をMPEG等の動画ファイルF5に保存する。また動画像30と各動画像34、36、38との差分も同様に抽出することができる。
【0024】
なお、一般的には、素材データの色空間がRGBで、エンコード処理直前の色空間がYUVである場合には、エンコード前にRGBからYUVに色変換を実施する。
【0025】
これに対して、本実施例における色違いムービをベースムービと差分ムービに変換する処理は、RGB−YUV変換の前でも、後でも実施することができる。
【0026】
但し、実機上では、ベースムービと差分ムービから色違いムービを再現する逆変換の処理(デコード処理)は、エンコードにおける変換処理で行った色空間と同一の色空間で実施する必要がある。これは、実機上の処理は、限られたハードウエアスペックでリアルタイム処理が求められるので、実機上の処理のしやすさを考慮して、本方式を適用する色空間や、ベースムービの作成方式を選択する。
【0027】
次に、デコード処理を行うに際しては、図5に示すように、MPEG等の動画ファイルF4に保存された動画像30と、MPEG等の動画ファイルF5に保存された、MPEG等の差分抽出ムービ(B−A、C−A、D−A、E−A)をデコーダ56に取り込んでデコードする。例えば、動画像30に関するデータ(A)と差分抽出ムービ(B−A、)をデコーダ56でデコードし、デコードで得られたデータ(A)とデータ(B−A)をそれぞれYUV形式のデータD3、D4として変換器58に出力する。このあと変換器58において、YUV形式のデータD3、D4に対するYUV−RGB変換処理を行い、変換されたデータ(A)とデータ(B−A)をそれぞれRGB形式のデータD5、D6として加算合成器60に出力する。加算合成器60は、RGB形式のデータ(A)D5とデータ(B−A)D6をそれぞれ加算合成し、RGB形式のデータ(B)D7として出力する。
【0028】
同様にして、動画像30に関するデータ(A)と差分抽出ムービ(C−A、D−A、E−A)をデコードし、デコードで得られたYUV形式のデータ(A)とデータ(C−A、D−A、E−A)をそれぞれYUVからRGB形式に変換し、変換されたRGB形式のデータ(A)とデータ(C−A、D−A、E−A)をそれぞれ加算合成し、加算合成されたデータをRGB形式の動画像34、36、38のデータ(C、D、E)として出力する。
【0029】
色違いの複数の動画像30〜38のうち動画像(ムービ)30をベースファイル(親)として、動画像42、44、46、48を子差分としてのサブファイル(差分ファイル)に変換するに際しては、エンコードの前後で処理を施すことで情報量が少なくなり、圧縮効率を高めることができる。特に、動画像として形は同じだが色だけが違うオブジェクトが含まれるものに対してはより圧縮効率を高めることができる。
【0030】
対象となる色違いムービからベースファイルを作成するに際しては、次の4通りがある。
【0031】
(a)最小値法
複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎に各色成分の最小値を抽出してベースファイルを作成する。
【0032】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に最小値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの最小値を計算する。
【0033】
(b)平均値法
複数の色違いムービのうち色成分毎に全ピクセルの平均値を算出してベースファイルを作成する。
【0034】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に平均値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの相加平均を計算する。
【0035】
(c)最大値法
複数の色違いムービのうちピクセル毎に各色成分の最大値を抽出してベースファイルを作成する。
【0036】
具体的には、各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎それぞれ独立に最大値を計算する。このとき、複数(n)本の色違いムービがある場合、nサンプルの最大値を計算する。
【0037】
(d)選択法
複数の色違いムービの中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択してベースファイルとみなす。
【0038】
上記いずれかの方法を用いてベースファイルを作成するに際しては、RGBで計算する方法とYUVで計算する2つの方法のいずれかを用いることができる。
【0039】
次に、エンコード時の処理を図6のフローチャートにしたがって説明する。まず、ベースファイルを作成するに際しては、複数の色違いムービMV0〜MVn−1基にベースファイルを作成し親ビームとする(S1)。
【0040】
次に、ベースファイルと各色違いムービとの差分ムービ(子差分ファイル)を生成し(S2)、生成した差分ムービとベースファイルを基にMPEGなどによるエンコードを行い(S3)、このルーチンでの処理を終了する。
【0041】
次に、再生時の処理を図7のフローチャートにしたがって説明する。まず圧縮された親圧縮ムービと圧縮された子差分ムービを基にMPEGなどによるフレームのデコード処理を行い(S11)、この処理結果から色違いムービのフレームを復元し(S12)、全フレームを終了するまでステップS11とステップS12の処理を継続し、全てのフレームについて処理を終了したときには(S13)、このルーチンでの処理を終了する。
【0042】
次に、最小値法によってベースファイル(親)を作成するときの処理方法を図8のフローチャートにしたがって説明する。まず複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎の色成分として、例えばR、G、Bについてその最小値を選択し(S21)、この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S22)、全てのピクセルについて処理を終了したときにはこのルーチンでの処理を終了する。
【0043】
この最小値法によれば、差分の計算式がシンプルであり、グラフィックチップのレンダラーの加算合成機能を用いれば、CPUに負荷がかからない。
【0044】
次に、平均値法を基にベースファイルを作成するときの処理方法を図9のフローチャートにしたがって説明する。複数の色違いムービ映像に対して、各色成分毎、例えばR、G、Bについて全ピクセルの和を求めたあと、全ピクセルの数を示すnで割り算して、各色成分毎に全ピクセルの平均値を算出する(S31)、そのあと全ピクセルおよび各色成分についての処理を終了したか否かを判定し(S32)、全ピクセルについて処理を終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0045】
この平均値法によれば、差分ムービの色の値が小さめになるので、圧縮効率をより高くすることができる。
【0046】
次に、最大値法によってベースファイルを作成するときの処理方法を図10のフローチャートにしたがって説明する。まず、複数の色違いムービ映像のうちピクセル毎に各色成分R、G、Bについてその最大値を選択し(S41)、この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S42)、全てのピクセルについて処理を終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0047】
この最大値法によれば、差分の計算式がシンプルであり、グラフィックチップのレンダラーの減算合成機能を用いれば、CPUに負荷がかからない。
【0048】
選択法を用いてベースファイルを作成するに際しては、素材となる色違いムービのどれか1つをそのまま用いてベースファイルを作成することができる。この際、任意に色違いムービを1つ選ぶこともできるが、平均値ムービに近いものを選べば、差分ムービの値が小さくなるため、より圧縮しやすくなる。例えば、全フレーム、全ピクセル、全色成分の2乗誤差が最小値となる色違いムービを採用する。
【0049】
また、選択法によれば、総ムービ数を1本節約でき、その分圧縮効率を高くすることができる。
【0050】
次に、平均値法または選択法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図11のフローチャートにしたがって説明する。ベースファイルとして平均値法または選択法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて色違いムービと親ムービとの差に256を加え、その総和を2で割り算する(S51)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S52)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S53)、このルーチンでの処理を終了する。
【0051】
次に、最小値法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図12のフローチャートに従って説明する。ベースファイルとして最小値法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて色違いムービと最小値ムービとの差を算出する(S61)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S62)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S63)、このルーチンでの処理を終了する。
【0052】
次に、最大値法を適用した場合の差分ムービの生成方法を図13のフローチャートに従って説明する。ベースファイルとして最大値法によって得られたものを用い、各色成分、例えばR、G、Bについて最大値ムービと色違いムービとの差を算出する(S71)。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S72)、全ピクセルについて終了したときには、子差分ムービの有効エリア切り出し処理を実行し(S73)、このルーチンでの処理を終了する。
【0053】
次に、差分ムービの有効エリア切り出し処理を図14のフローチャートに従って説明する。図11〜図13の差分ムービ生成処理を基に差分ムービを生成したあと、差分データが0以外の値を持つエリアを調べる(S81)。差分エリアが有効エリアから外れたエリアに属する差分データを抽出し、この処理を全フレームについて終了したが否かの判定を行う(S82)。
【0054】
全フレームについて処理が終了したときには、差分データとして、外周に全フレームに渡って無効なエリアがあったときには、無効エリアに属する差分データを切り捨て、ムービの画面サイズを小さくするとともに、親ムービに対するこの差分ムービの相対位置x、yを記憶しておく(S83)。記録された情報は再生時に使用され、ムービの画面サイズを小さくすることで、このルーチンでの処理を終了する。
【0055】
なお、小さくされた画面サイズのデータは圧縮コーディックや再生プログラムの都合の良いように、その境界を調整しても良い。この場合MPEGなら16整数倍とすることもできる。
【0056】
また、ゼロデータを小さく圧縮できるので、圧縮効率を改善する効果は小さいが、再生時のデコード、合成処理では、負荷を軽減する効果がある。
【0057】
次に、平均値法または選択法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図15に従って説明する。まず、平均値法または選択法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、親ムービ+2×子差分ムービ−256についてクリップ演算を実行する(S91)。
【0058】
clip(x)では、例えば、[0、255]の飽和演算として、0以下なら0とし、255以上なら255とする演算を実行する。これは、圧縮によっては演算結果が範囲外となる場合があるので、飽和演算が必要なためである。この処理を全ピクセルについて終了したか否かを判定し(S92)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0059】
次に、最小値法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図16に従って説明する。まず、最小値法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、(親ムービ+子差分ムービ)についてクリップ演算を実行する(S101)。この処理を全ピクセルについて実行し、全ピクセルについて処理を終了したか否かを判定し(S102)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0060】
次に、最大値法を適用した場合の色違いムービのフレームの復元方法を図17に従って説明する。まず、最大値法を適用して色違いムービのフレームを復元するに際しては、各色成分、例えばR、G、B毎に、(親ムービ−子差分ムービ)についてクリップ演算を実行する(S111)。この処理を全ピクセルについて実行し、全ピクセルについて処理を終了したか否かを判定し(S112)、全ピクセルについて終了したときには、このルーチンでの処理を終了する。
【0061】
本実施形態においては、1.5秒のムービを512×160に成形し、色違いムービとして、たとえば、各動画像の矢印の色を変更し、全部で8種類の色違いムービを作成し、差分ファイルを作らないで8本エンコードした場合、全て親ファイル(ベースファイル)となるため、全体の容量は2880KBとなった。
【0062】
これに対して、1本をベースファイル(親)とし、7本を差分ムービ(差分ファイル)としたときには、親ファイル+7差分ファイル=748KBとなった。
【0063】
この場合、データ削減率は0.78/2.8=26%となり、元のサイズと比べて約1/4にデータを削減できることが分かった。
【0064】
本実施形態によれば、複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換することで、差分ファイルの情報量が少なくなり、ベースファイルと情報量の削減された各差分ファイルを圧縮することで、全体の圧縮効率を高めることができる。
【0065】
なお、図4,5において、動画コーディックとしてMPEGを用いた実施形態について説明したが、MPEGは一例であり他の動画コーディックに変更したり、任意の動画コーディックと組み合わせて、本発明を実現できることは勿論である。
【0066】
なお、本発明の画像処理装置は、上記実施形態で説明したゲーム装置のみならず、複数の色違いムービー映像に基づいて画像を表示する装置、例えば、パチンコ機(第一種パチンコ機、第二種パチンコ機を含む。)、回動式遊技機(スロットマシン)、じゃん球等の遊技機、画像を利用したシミュレーション装置等に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像処理装置のブロック図である。
【図2】ベースファイルのままエンコードするときの動画像の状態を説明するための図である。
【図3】1つのベースファイルと4つの差分ファイルを基にエンコードするときの動画像の状態を説明するための図である。
【図4】本実施形態に係るエンコード処理の機能ブロック図である。
【図5】本実施形態に係るデコード処理機能のブロック図である。
【図6】本実施形態に係るエンコード時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る再生時の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る最小値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る平均値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る最大値法によってベースファイルを作成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る平均値法または選択法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る最小値法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施形態に係る最大値法による差分ムービ生成法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係る差分ムービの有効エリア切り出し法を説明するためのフローチャートである。
【図15】本実施形態に係る平均値法または選択法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係る最小値法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係る最大値法による色違いムービのフレームの復元方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
301 3D処理部、303 ムービ映像処理部、304 音声処理部、305 描画プロセッサ、306 同期制御部、400〜430 オブジェクト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理する画像処理装置であって、
動画像を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する映像処理手段と、を備え、
前記映像処理手段は、前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換し、当該変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮してなる、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記映像処理手段は、前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとするとともに、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像を再生する画像再生装置であって、
ベースファイルと差分ファイルを含む動画像を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する映像再生手段と、を備え、
前記映像再生手段は、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成してなる、ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項8】
記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する画像処理方法であって、
前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換する第1工程と、
前記変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮する第2工程と、
備えてなる、ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとする第3工程と、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録する第4工程を備えてなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項14】
記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する画像再生方法であって、
前記記憶手段に格納された動画像のうちベースファイルと差分ファイルを取り出し、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成する、画像再生方法。
【請求項15】
請求項8乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムが格納されたことを特徴とする機械読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
画像を処理する画像処理装置であって、
動画像を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する映像処理手段と、を備え、
前記映像処理手段は、前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換し、当該変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮してなる、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記映像処理手段は、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記映像処理手段は、前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとするとともに、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録してなる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像を再生する画像再生装置であって、
ベースファイルと差分ファイルを含む動画像を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する映像再生手段と、を備え、
前記映像再生手段は、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成してなる、ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項8】
記憶手段に格納された動画像を取り出して処理する画像処理方法であって、
前記動画像のうちその一部が異なる複数の色違いムービ映像のデータをベースファイルと複数の差分ファイルに変換する第1工程と、
前記変換されたベースファイルと各差分ファイルを圧縮する第2工程と、
備えてなる、ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最小値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に平均値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の各フレーム毎、各ピクセル毎、各色成分毎にそれぞれ独立に最大値を算出して前記ベースファイルを生成してなる、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記第1工程では、前記複数の色違いムービ映像の中から対象となる1つの色違いムービ映像を選択して前記ベースファイルとみなしてなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記ベースファイルと前記差分ファイルとの差分情報が存在しない領域を無効エリアとし、それ以外の領域を有効エリアとしたときに、前記変換された各差分ファイルのうち前記有効エリアから外れたデータを切り捨て、前記有効エリア内のデータを前記各差分ファイルのデータとする第3工程と、当該各差分ファイルのデータと前記変換されたベースファイルのデータの相対位置を記録する第4工程を備えてなる、ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項14】
記憶手段に格納された動画像を取り出して再生する画像再生方法であって、
前記記憶手段に格納された動画像のうちベースファイルと差分ファイルを取り出し、前記ベースファイルのデータと前記差分ファイルのデータとを加算合成する、画像再生方法。
【請求項15】
請求項8乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムが格納されたことを特徴とする機械読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−238042(P2009−238042A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84999(P2008−84999)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(304012596)株式会社CRI・ミドルウェア (8)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(304012596)株式会社CRI・ミドルウェア (8)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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