説明

画像処理装置及び方法、並びにプログラム

【課題】画像を、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で表示させる。
【解決手段】フォトフレーム1は、画像の画像データを記憶する原フレーム記憶部111と、画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する絵画変換内容記憶部113と、原フレーム記憶部111に記憶された画像の画像データから複数の特徴領域の画像データを抽出して表示画像の画像データを生成する表示データ生成部105と、表示部41を制御して、表示データ生成部105によって抽出されて生成された複数の特徴領域の画像データに基づいて、絵画変換内容記憶部113に記憶された優先度に従って画像を特徴領域ごとに徐々に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、画像の表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複数の画像を画面を切り替えて表示するスライドショー形式の表示方式が知られている。従来、スライドショー形式で複数の画像を逐次切り替え表示する技術として、例えば、複数の画像をそのタイトル別にソートしてスライドショー形式で画像表示を行う画像再生装置が知られている(特許文献1参照)。また、複数の画像を類似度に応じてソートしてスライドショー形式で表示を行う画像データ逐次表示装置も知られている(特許文献2参照)。さらに、表示する画像と画像の区切りにおいて、フェード効果、ワイプ効果、オーバーラップ効果などの特殊効果を実行して、画像と画像の区切りを識別可能とした表示方法も提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−344771号公報
【特許文献2】特開2000−067057号公報
【特許文献3】特開2005−167689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1、2の技術にあっては、複数の画像を逐次切り替え表示する際に、画像表示する順序を決定するものであり、表示順に応じたスライドショーの効果しか得ることができない。
【0005】
一方で、図9に示すように、写真画像Aに続いて、絵画変換画像B2を表示する場合ように、例えば、観賞価値の高い画像を切り替えて表示する場合、特許文献3に記載の技術のようにフェード効果、ワイプ効果、オーバーラップ効果などの特殊効果を用いて表示することは、鑑賞時間を引き立てる意味で一定の効果がある。しかし、画像が表示される迄の時間を延ばしても、画像を観賞するユーザに画像に時間を浪費させてしまい、ユーザを退屈させることにもなりかねない。そこで、画像を表示する際に、ユーザを楽しませることができる効果的で趣向を凝らした画像の表示方式が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした画像の表示方式を実行することができる画像処理装置及び方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によると、画像を表示させる画像処理装置であって、画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶部と、画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出部と、画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶部に記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御部と、を備える、画像処理装置を提供する。
【0008】
本発明の第2の観点によると、画像を表示させる画像処理方法であって、画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶ステップと、画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出ステップと、画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出ステップによって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶ステップに記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御ステップと、を備える、画像処理方法を提供する。
【0009】
本発明の第3の観点によると、コンピュータに画像表示部を制御させて画像を表示させる画像処理画像処理プログラムであって、該コンピュータを、画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶部と、画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出部と、画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶部に記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御部と、して機能させるための、画像処理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るフォトフレームのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のフォトフレームのデータ処理部の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2のデータ処理部によって実行されるスライドショー形式の画像表示の概要を示す図である。
【図4】図2のデータ処理部によって実行されるスライドショー形式の表示方式の一例を示す図である。
【図5】図2のデータ処理部によって実行される絵画変換処理を含むスライドショー処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
【図6】図2のデータ処理部の各構成部の機能とスライドショー形式の画像生成との関係を示す図である。
【図7】図2のデータ処理部によって実行されるスライドショー形式の他の表示方式の一例を示す図である。
【図8】図2のデータ処理部の絵画変換内容記憶部に記憶される絵画変換処理内容テーブルの一例を示す図である。
【図9】従来のスライドショー形式の画像表示の各種表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置を、図面を参照して説明する。なお、以下では、画像処理装置の一例としてフォトフレームを用いて説明するが、画像処理装置は、表示装置を制御して画像を表示させる機能を備えた装置であればよい。
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
[フォトフレームの構成]
図1乃至図4を参照して、本発明の一実施形態に係るフォトフレーム1について説明する。なお、図1は、フォトフレーム1の内部のハードウェア構成を示すブロック図である。また、図2は、フォトフレーム1のデータ処理部12の機能的構成を示す機能ブロック図である。また、図3は、データ処理部12によって実行されるスライドショー形式の画像の表示方式の概要を示す図である。図4は、データ処理部12によって実行されるスライドショー形式の表示方式の一例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、フォトフレーム1は、データ処理部12と、ユーザインタフェース部13と、を備える。
【0016】
データ処理部12は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、メモリ34と、表示制御部35と、画像処理部36と、を備えている。
【0017】
CPU31は、ROM32に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。本実施形態のフォトフレーム1は、後述する、複数の画像に逐次切り替えて表示するスライドショーモードとスライドショー設定モードとを動作形態として有する。スライドショー設定モードにおいて本実施形態のフォトフレーム1は、スライドショーモードで実行される各種処理の設定をユーザが指定することができる。ROM32には、例えば、後述する顔検出処理、絵画変換処理を含む、スライドショーモード及びスライドショー設定モード時の各種処理、及び、表示制御部35、画像処理部36、表示部41、操作部43、通信部44、ドライブ45を含む各種機能を実行するための各種プログラムが記憶されている。CPU31が、ROM32に記憶されているプログラムに従って処理を行うことで、表示制御部35、画像処理部36、表示部41、操作部43、通信部44、ドライブ45を含む各種機能、及び、スライドショー設定モード、スライドショーモード、後述する顔検出処理、絵画変換処理を含む各種処理が実現される。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0018】
メモリ34は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などで構成される。DRAMは、イメージセンサ22から出力された画像データが一時的に記憶される表示バッファを構成するとともに、CPU31の作業領域を構成する。ROMには、絵画変換内容等を含む、各種画像処理に必要な画像データ、パラメータ、各種フラグの値、閾値などが記憶される。メモリ34には、画像表示用の画像データ(以下、「表示画像データ」と呼ぶ)の保存と読み出しを行うための表示メモリ領域も含まれている。
【0019】
表示制御部35は、メモリ34の表示メモリ領域に格納された表示画像データを読み出し、表示画像データにより表現される画像(以下、「表示画像」と呼ぶ)を、ユーザインタフェース部13の表示部41に表示させる制御を実行する。例えば、表示制御部35は、当該表示画像データに基づいてRGB信号を生成し、当該RGB信号を表示部41に供給することにより、表示画像を表示部41に表示させる。
【0020】
画像処理部36は、DSP(Digital Signal Processor)などで構成され、メモリ34に記憶された画像データに対して、ホワイトバランス補正処理やγ補正処理などの各種画像処理を実行する。本実施形態では、図2を参照して後述する顔検出部103及び絵画変換部104が実行する各種画像処理のうち少なくとも一部が、画像処理部36において実行され、残りの一部がCPU31において実行される。即ち、本実施形態では、後述する顔検出部103及び絵画変換部104は、CPU31及び画像処理部36というハードウェアと、ROM32に記憶されたプログラム(ソフトウェア)との組み合わせとして構成されている。
【0021】
ユーザインタフェース部13は、フォトフレーム1の筐体に設けられたディスプレイなどで構成される表示部41と、ユーザの指示操作を受け付ける操作部43と、外部機器との間での通信を制御する通信部44と、画像データを記憶するリムーバブル記憶媒体51に対するデータの読み書きを行うドライブ45と、を備えている。なお、リムーバブル記憶媒体51は、データ処理部12により生成された画像データを記憶する。リムーバブル記憶媒体51は、例えば、メモリカードなどにより実現され、記憶手段を構成する。
【0022】
なお、表示制御部35により生成されたRGB信号は、ユーザインタフェース部13の通信部44、又は、ドライブ45により制御されるリムーバブル記憶媒体51を介して、図示せぬ外部機器に出力させることもできる。これにより、外部機器、例えば、テレビジョン受像機、パソコン、プロジェクタなどでも、表示画像の表示が可能になる。
【0023】
また、操作部43は、図示は省略するが、電源ボタン、ズームキー、及びモード切替キーなどを含み、各操作に基づき操作信号を発生してデータ処理部12へ送出する。例えば、操作者によりモード切替キーが操作されて、スライドショーモードが指定されると、操作信号がデータ処理部12に送られ、CPU31は、モードを指定されたスライドショーモードに切り替える。同様に、操作者によりモード切替キーが操作されて、スライドショー設定モードが指定されると、CPU31は、モードを指定されたスライドショー設定モードに切り替える。この他にも操作者による操作部43の操作に伴い、各種操作信号がデータ処理部12に送られ、CPU31は、操作信号に応じて処理を行う。
【0024】
次に、図2を参照して、データ処理部12の機能的構成について説明する。
【0025】
データ処理部12は、メモリ34と、表示制御部35と、顔検出部103と、絵画変換部104と、表示データ生成部105を備えている。また、データ処理部12のメモリ34内には、原フレーム記憶部111と、絵画変換内容記憶部113と、絵画変換画像記憶部114と、表示データ記憶部115と、が構成されている。本発明に係わる画像処理装置はデータ処理部12のみで構成することもできる。
【0026】
なお、原フレーム記憶部111には、リムーバブル記憶媒体51から読み出されたフレーム画像の画像データ、又は、通信部44から取得されたフレーム画像の画像データも、原フレーム画像の画像データとして記憶される。
【0027】
絵画変換内容記憶部113には様々な絵画変換処理内容が記憶されている。それぞれの絵画変換処理内容には、図示は省略するが、スライドショーモード時に画像を特徴領域ごとに順に表示する順序、即ち、特徴領域ごとの優先度を規定する表示様式、及び絵画変換処理で用いる詳細なパラメータをさらに設定することができる。絵画変換内容記憶部113は、優先度記憶部を構成する。
【0028】
顔検出部103は、原フレーム記憶部111に記憶された画像データから特徴点を抽出して被写体の顔領域、顔の大きさ等を検出する。例えば、顔検出部103は、特開2001−16573号公報などに記載された特徴点抽出処理によって、最初に、眉、目、鼻、口の各端点、顔の輪郭点、頭頂点や顎の下端点などの顔の特徴点を抽出する。顔検出部103は、このようにして検出した特徴点から周辺のエッジ情報を得ることで、眉、目、鼻、口の各領域を特徴領域として画定し、眉、目、鼻、口の各領域、及びそれらの境界を輪郭として決定し、それらの位置情報を取得することができる。
【0029】
顔検出部103が顔を検出し、特徴領域を決定する方法として、この他にも、輝度画像データに基づいて、画像データから顔画像領域を検出し、検出した顔画像領域内の画像情報を顔枠情報として生成する方法など、様々な方法が可能である。顔検出処理については、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。顔検出部103が顔を検出し、特徴領域及び輪郭を決定する方法は、上述の方法に限定されず、妥当であれば、如何なる手法を用いてもよい。
【0030】
絵画変換部104は、原フレーム記憶部111に記憶された画像データに対して絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容のうち指定された絵画変換処理内容に従って絵画変換処理を実行する。かかる絵画変換処理は、例えば、アドビシステム社のソフトウェアであるフォトショップ(登録商標)等の市販のソフトウェアを用いて行うこともできる。
【0031】
本実施形態では、絵画変換部104が実行する絵画変換処理内容は、スライドショー設定モードにおいて、ユーザが操作部43を操作して絵画変換内容記憶部113の絵画変換処理内容を指定することによって設定可能である。さらに、かかる絵画変換処理で用いる詳細なパラメータも、スライドショー設定モードにおいて、ユーザが操作部43を操作して絵画変換内容記憶部113のパラメータを指定することによって調整可能である。絵画変換部104は、こうして指定された絵画変換処理内容、及び詳細なパラメータに従って絵画変換処理を実行する。
【0032】
具体的には、絵画変換部104は絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容から指定された絵画変換処理内容とパラメータに従って、原フレーム記憶部111に記憶された画像データを特定の絵画調の画像データに変換する。絵画変換部104は画像データを絵画調の画像データに変換する際、画像データの全体を一括して変換してもよいし、必要に応じて、特徴領域ごと部分的に変換してもよい。
【0033】
ここで、絵画調とは、画像から感じることができる印象に基づいて規定されるもので、「日本絵画調」、「西洋絵画調」、「水彩絵画調」、「水墨絵画調」、「ペン絵画調」、「ゴッホ調」など、様々な分類がある。絵画変換処理する際のパラメータとして、一例をあげると、例えば、コントラスト、明るさ、色の濃さ、色合い、シャープネス、必要に応じて、ノイズ低減フィルタの効果設定、色温度、γ補正のγ値などがあり、これらパラメータの何れか、あるいは組み合わせを指定することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、上述の絵画調を表現するために妥当であれば、如何なるパラメータを含んでもよい。
本実施形態では、各種絵画調ごとに、上述のパラメータの最適な組み合わせが予め設定されており、絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容に含まれているものとする。
【0034】
絵画変換内容記憶部113に設定された絵画調は、コントラスト、明るさ、色の濃さ、色合い、シャープネスなどの複数のパラメータの組み合わせにより規定することができる。例えば、「日本絵画調」に対しては、陰影がなく色調が単調となるようなパラメータを設定してもよく、一方、「西洋絵画調」に対しては、陰影が強調され色調が濃厚となるパラメータを設定してもよい。
【0035】
このようにして、原フレーム画像の画像データに対して絵画変換部104が絵画変換処理を実行することによって得られたフレーム画像の画像データは、一旦、絵画変換画像記憶部114に記憶される。絵画変換部104が絵画変換処理を実行することによって得られたフレーム画像を以下、「絵画変換画像」と呼び、絵画変換部104が「絵画変換画像」を得るために絵画変換処理を実行した原フレーム画像を「元画像」と呼ぶ。
【0036】
絵画変換画像記憶部114は、絵画変換部104が実行する絵画変換処理によって得られた絵画変換画像の画像データを記憶する。原フレーム記憶部111と絵画変換画像記憶部114とが画像記憶部を構成する。
【0037】
表示データ生成部105は、データ生成順序制御部105Aを含む。
データ生成順序制御部105Aは、絵画変換内容記憶部113に記憶された表示様式に従って、特徴領域ごとに表示する優先度、即ち、順序を決定する。表示様式は、スライドショー設定モードにおいて、ユーザが操作部43を操作して絵画変換内容記憶部113の絵画変換処理内容を指定することによって設定してもよい。本実施形態では、まず、顔の輪郭のみを表示する。次に、目の領域を追加して表示する。続いて、口の領域を追加して表示する。最後に、背景を含めた全体図を表示する。即ち、絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容には、顔の輪郭が最大の優先度を有する特徴領域として指定されており、続いて、特徴領域として目、鼻、口、背景を含めた全体が優先度の高い順に指定されている。しかし、これは一例にすぎず、絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容を指定することによって、任意に設定可能である。
【0038】
表示データ生成部105は、絵画変換画像記憶部114に記憶された、絵画変換画像の画像データから特徴領域ごとに画像データを抽出し、表示部41に表示させる画像の画像データ(以下、「表示データ」と呼ぶ)を生成する。
【0039】
具体的には、表示データ生成部105は、顔検出部103が検出した、目、鼻、口などの各領域、及び輪郭の位置情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像から、目、鼻、口などの各領域、及び輪郭に対応する画像データを、特徴領域の画像データとして取得する。表示データ生成部105は、こうして取得した取得した絵画変換画像の特徴領域ごとの画像データから、表示部41に表示させる画像の画像データを生成する。絵画変換画像を特徴領域ごとに表示する順序は、データ生成順序制御部105Aが決定する順序に従う。顔検出部103と表示データ生成部105とが画像データ抽出部を構成する。
【0040】
表示データ記憶部115は、表示データ生成部105が生成した表示データを逐次記憶する。即ち、表示データ記憶部115に記憶される表示データは、表示データ生成部105が、顔の輪郭、目、鼻、口、背景を含めた全体の画像と、新たに表示データを生成する都度、随時、更新されていく。
【0041】
表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された表示データが更新される都度、更新された表示データに基づいて、表示部41に表示させる画像を切り替える。このため、表示部41に表示される画像は、表示データ生成部105によって新たな表示データが生成される都度、更新されていく。表示部41が画像表示部を構成する。
【0042】
図3に、データ処理部12によって実行されるスライドショー形式の画像表示の概要を示す。ここでは、表示部41には写真Aが現在の画像として表示されている。写真Aに変わって表示される画像を、元画像B1に絵画変換処理をして生成した絵画変換画像B2とする。図3に示すように、写真Aに替えて画像として絵画変換画像B2を表示する際、一度に全てを表示するのではなく、まず、絵画変換画像B2の顔の輪郭P1が表示部41に表示される。
【0043】
具体的には、図3において、表示データ記憶部115には、現在の画像として写真Aの画像データが記憶されている。表示制御部35は、表示部41を制御して、写真Aの画像の画像データに基づいて、表示部41に写真Aを表示させている。
【0044】
次に、表示制御部35は表示部41に、写真Aの画像データに替えて、絵画変換処理をした画像、即ち、絵画変換画像B2の画像データの顔の輪郭P1のみに対応する画像データを表示させる。具体的には、表示データ生成部105は、元画像B1に対して顔検出部103が取得した位置情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114から顔の輪郭P1に対応する絵画変換画像の画像データを取得し、表示データとして、表示データ記憶部115に記憶する。表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像B2の画像データの顔の輪郭P1のみの画像を表示部41に表示させる。輪郭を表示することによって、ユーザにこれから表示する画像に関する概要を提示できる。
【0045】
図4に、データ処理部12によって続いて実行される画像の表示方式の一例を示す。図3の絵画変換画像B2の顔の輪郭P1から引き続き、目P2、次に鼻P3と口P4、最後に、背景を含めた全体図P5が表示部41に表示されていく。
【0046】
具体的には、表示データ生成部105は、絵画変換画像B2の顔の輪郭P1に続いて、顔検出部103が取得した位置情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114から目P2の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして、既に取得した顔の輪郭P1の画像データとともに表示データ記憶部115に記憶する。あるいは、顔の輪郭P1に対応する画像データに目P2の領域の画像データを重ね合わせる代わりに、絵画変換画像記憶部114から顔の輪郭P1と目P2の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして表示データ記憶部115に記憶してもよい。表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像B2の画像データに基づいて顔の輪郭P1と目P2の領域の画像を表示部41に表示させる。
【0047】
さらに、表示データ生成部105は、絵画変換画像B2の顔の輪郭P1と目P2の領域に続いて、顔検出部103が取得した位置情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114から鼻P3の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして、既に取得した顔の輪郭P1と目P2の画像データとともに表示データ記憶部115に記憶する。あるいは、鼻P3の領域に対応する画像データに顔の輪郭P1と目P2の領域に対応する画像データを重ね合わせる代わりに、絵画変換画像記憶部114からの顔の輪郭P1と目P2と鼻P3の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして表示データ記憶部115に記憶してもよい。表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像B2の画像データに基づいて、顔の輪郭P1と目P2と鼻P3の領域の画像を表示部41に表示させる。
【0048】
続いて、表示データ生成部105は、絵画変換画像B2の顔の輪郭P1と目P2と鼻P3の領域に続いて、顔検出部103が取得した位置情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114から口P4の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして、既に取得した顔の輪郭P1と目P2と鼻P3の画像データとともに表示データ記憶部115に記憶する。あるいは、口P4の領域に対応する画像データを顔の輪郭P1と目P2と鼻P3の領域に対応する画像データに重ね合わせる代わりに、絵画変換画像記憶部114から顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4に対応する画像データを取得し、表示データとして表示データ記憶部115に記憶してもよい。表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像B2の画像データに基づいて、顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4の領域の画像を表示部41に表示させる。
【0049】
最後に、表示データ生成部105は、絵画変換画像B2の顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4に続いて、絵画変換画像記憶部114から、残りの背景を含めた全体図P5の領域に対応する画像データを取得し、表示データとして、既に取得した顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4の画像データとともに表示データ記憶部115に記憶する。あるいは、顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4に対応する画像データに、残りの背景を含めた全体図P5に対応する画像データを重ね合わせる代わりに、絵画変換画像記憶部114から顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4と背景を含めた全体図P5に対応する画像データを取得し、表示データとして表示データ記憶部115に記憶してもよい。表示制御部35は表示部41を制御して、表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像B2の画像データに基づいて、顔の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4と背景も含めた全体図P5の画像を表示部41に表示させる。このように、このように、画像の全体を表示する迄の間に画像の腰部が、顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4、全体図P5など特徴領域ごとに徐々に表示することができるので、ユーザにこれから表示する画像に対する関心と興味、情報を有効に提供することができる。さらに、これから表示する絵画変換画像B2、即ち、画像に対する興味を引き立てることができる。したがって、本実施形態のフォトフレーム1によると、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示することができる。
【0050】
なお、表示データ生成部105が生成する都度、表示データとして表示データ記憶部115に記憶された絵画変換画像の画像データを、リムーバブル記憶媒体51に時系列に従って記憶させるようにしてもよい。これによって、他の表示装置であっても同様の方式で画像の表示を行うことができる。
【0051】
[スライドショー処理のフロー]
モード切替キーの操作に伴いスライドショーモードに切り替えられると、CPU31がROM32に記憶されたスライドショーモード用のプログラムに従って、データ処理部12を含む各種機能を制御する。以下、スライドショーモードで実行される処理を、画像を表示する際の処理を中心に説明する。
ここでは、スライドショーモードを例に説明するが、画像を表示する際、前後に画像が表示されか否かは重要ではない。表示する画像が、切り替えて表示される複数の画像の中の最初の画像であってもよく、その一つであってもよく、あるいは、最後の画像であってもよい。あるいは、表示する画像は、表示される唯一の画像であってもよい。
【0052】
図5及び図6、さらに図4を参照して、絵画変換処理を含む画像を表示する処理の流れを説明する。図5は、絵画変換処理を含むスライドショー処理の流れの一例を説明するフローチャートである。図6は、データ処理部12の各構成部の機能とスライドショー形式の画像生成との関係を示す図である。
【0053】
以下に示す処理は、操作者が操作部43のモード切替キーを操作して、スライドショーモードに切り替えられると、まず、表示制御部35は、メモリ34の表示データ記憶部115に格納された表示画像データを読み出し、表示画像データにより表現される表示画像を、表示部41に表示させて開始する。
【0054】
具体的には、顔検出部103が原フレーム記憶部111に記憶された画像データから絵画変換処理する元画像B1の画像データを読み出し(ステップS11)、顔検出を実行し(ステップS12)、顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4などの特徴領域の情報を画像データから抽出する。図6の例では、顔検出部103は、原フレーム記憶部111に記憶された少女の写真を元画像B1として、顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4などの特徴領域の情報を抽出する。
【0055】
絵画変換部104は、読み出された画像データに絵画変換処理を実行し、得られた絵画変換画像の画像データを絵画変換画像記憶部114に保存する(ステップS14)。図6の例では、絵画変換部104は、顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4、全体図P5に含まれる背景などに特徴をもたせた絵画変換画像を生成して絵画変換画像記憶部114に保存する。
【0056】
表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4、全体図P5などの特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の画像データから顔の輪郭P1、目P2、鼻P3、口P4、全体図P5などの特徴領域の画像データを抽出する。また、表示データ生成部105のデータ生成順序制御部105Aは、特徴領域ごと表示する順序を決定する(ステップS15)。本実施形態では、データ生成順序制御部105Aは、絵画変換内容記憶部113に記憶された表示様式に従って、特徴領域ごとに、絵画変換画像を表示する順序を決定する。本実施形態で、データ生成順序制御部105Aが決定する表示順序は次の通りである。最初に顔の輪郭P1のみを表示する。次に、目P2の領域を追加して表示する。続いて、鼻P3、口P4の領域を追加して表示する。最後に、背景を含めた全体図を表示する。
【0057】
表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の輪郭P1の画像データを抽出して表示データを生成し、表示データ記憶部115に記憶する。表示制御部35は、こうして表示データ記憶部115に記憶された最新の表示データを表示部41に送出して、表示部41に絵画変換画像の輪郭P1の画像を表示させる(ステップS16)。図6の例では、表示データ生成部105は、まず、輪郭P1の領域の表示データを生成し、表示データ記憶部115に記憶させる。表示制御部35は表示データに基づいて、表示部41に図3の絵画変換画像の輪郭P1の画像を表示させる。
【0058】
続いて、表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の目P2の領域に対応する画像データを抽出して、表示データ記憶部115に記憶された表示データに追加し、表示データを更新する。表示制御部35は、こうして表示データ記憶部115で更新された最新の表示データを表示部41に送出して、表示部41に絵画変換画像の輪郭P1と目P2の画像を表示させる(ステップS17)。こうして表示制御部35は表示データに基づいて、表示部41に図4の絵画変換画像の輪郭P1と目P2の画像を表示させる。
【0059】
続いて、表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の鼻P3の領域に対応する画像データを抽出して、表示データ記憶部115に記憶された表示データに追加し、表示データを更新する。表示制御部35は、こうして表示データ記憶部115で更新された最新の表示データを表示部41に送出して、表示部41に絵画変換画像の輪郭P1と目P2と鼻P3との画像を表示させる(ステップS18)。
【0060】
続いて、表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の口P4の領域に対応する画像データを抽出して、表示データ記憶部115に記憶された表示データに追加し、表示データを更新する。表示制御部35は、こうして表示データ記憶部115で更新された最新の表示データを表示部41に送出して、表示部41に絵画変換画像の輪郭P1と目P2と鼻P3と口P4の画像を表示させる(ステップS19)。こうして表示制御部35は表示データに基づいて、表示部41に図4の絵画変換画像の鼻P3と口P4を追加した画像を表示させる。
【0061】
続いて、表示データ生成部105は、顔検出部103で得られた特徴領域の情報に基づいて、絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の背景を含めた全体図P5に対応する画像データを抽出して、表示データ記憶部115に記憶された表示データに追加し、表示データを更新する。表示制御部35は、こうして表示データ記憶部115で更新された最新の表示データを表示部41に送出して、表示部41に絵画変換画像の背景を含む全体P5の画像を表示させる(ステップS20)。こうして表示制御部35は表示データに基づいて、表示部41に図4の絵画変換画像の背景を含めた全体P5の画像を表示させる。
【0062】
このように、本実施形態のフォトフレーム1は、絵画変換画像を新たな画像として表示させる際に、該画像を特徴領域ごとに徐々に表示させることができる。したがって、本実施の形態のフォトフレーム1は、絵画変換画像の全体を表示する迄の間にユーザに表示する絵画変換画像に対する関心と興味、情報を有効に提供することができる。さらに、これから表示する絵画変換画像に対する興味を引き立てることができるので、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示することができる。
【0063】
また、本実施形態において、図4を参照して絵画変換処理を施した画像を特徴領域ごとに徐々に表示する表示方式について説明したが、本発明はこれに限定されず、様々な表示方式を採用することができる。
【0064】
例えば、絵画変換処理されていない画像を表示する場合にも、同様の表示方式で特徴領域ごとに徐々に表示してもよい。
【0065】
具体的には、絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容を「元画像のみ表示」として指定する。表示データ生成部105は、顔検出部103によって検出された特徴領域の位置情報に基づいて、原フレーム記憶部111に記憶された絵画変換されていない原フレーム画像、即ち、元画像の画像データから、特徴領域の画像データを抽出する。表示データ生成部105はこうして抽出した元画像の特徴領域ごとの画像データを表示データとして表示データ記憶部115に記憶する。表示制御部35は、表示データ記憶部115に記憶された表示データに基づいて表示部41を制御して、元画像を特徴領域ごとに徐々に表示する。このように、本実施形態によれば、絵画変換処理されていない画像であっても、画像の全体を表示する迄の間に画像の腰部を特徴領域ごとに徐々に表示することができるので、これから表示する画像に対する関心と興味、情報を有効に提供することができる。さらに、これから表示する画像に対する興味を引き立てることができるので、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示することができる。
【0066】
また、絵画変換処理を施した画像を表示する場合についても、図4を参照して説明した表示方式の他にも様々な表示形式が可能である。図7に他の表示方式の例を表示方式2、表示方式3として示す。また、図8に、絵画変換内容記憶部113に記憶された絵画変換処理内容テーブル114Aの一例を示す。
【0067】
例えば、図7の表示方式2では、最初に、絵画変換処理を施していない元画像を特徴領域ごとに表示部41に表示させた後、最後に絵画変換画像を表示部41に表示させる。即ち、図7の表示方式2によると、元画像が1.輪郭、2.目と輪郭、3.目と鼻と輪郭、4.目と鼻と口と輪郭、5.全体と表示部41に表示された後、6.絵画変換画像の全体が表示部41に表示される。
【0068】
具体的には、表示データ生成部105は、顔検出部103によって検出された特徴領域の位置情報に基づいて、原フレーム記憶部111に記憶された原フレーム画像データから、元画像の特徴領域の画像データを抽出し、データ生成順序制御部105Aで決定された順序、この場合、1.輪郭、2.目と輪郭、3.目と鼻と輪郭、4.目と鼻と口と輪郭、5.全体の順に表示データを生成する。表示データ生成部105は生成した表示データで随時、表示データ記憶部115に記憶された表示データを更新する。表示データ生成部105は最後に、絵画変換画像記憶部114に記憶された6.絵画変換画像の全体の画像データを表示データとして生成し、表示データ記憶部115に記憶された表示データを更新する。
【0069】
表示制御部35は、表示データ記憶部115に格納された表示画像データに基づいて表示部41を制御し、表示部41に画像を表示させる。この結果、表示部41には、図7の表示方式2の順、即ち、1.元画像の輪郭、2.元画像の目と輪郭、3.元画像の目と鼻と輪郭、4.元画像の目と鼻と口と輪郭、5.元画像の全体、6.絵画変換画像の全体の順番に画像が表示される。
【0070】
また、絵画変換内容記憶部113にはこの一連の絵画変換処理内容を「表示方式2」として記録しておけばよい。これによって、ユーザは操作部43を操作して、絵画変換内容記憶部113の「表示方式2」という設定を選択すれば、元画像を特徴領域ごとに表示した後に絵画変換画像の全体図を表示する方式による画像の表示が可能となる。
【0071】
このように表示方式2では、表示制御部35は、画像データ抽出部によって抽出された元画像の複数の特徴領域の画像データと元画像を絵画変換処理して得られた絵画変換画像の画像データに基づいて、元画像を優先度に従って特徴領域ごとに順に徐々に表示させた後、最後に絵画変換画像の全体を表示させることができる。このように、絵画変換画像の全体を表示する迄の間に元画像を用いて画像の腰部を特徴領域ごとに徐々に表示することができるので、これから表示する画像に対する関心と興味、情報を有効に提供することができる。さらに、これから表示する絵画変換画像、即ち、画像に対する興味を引き立てることができるので、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示することができる。
【0072】
ここで、絵画変換部104が原フレーム記憶部111に記憶された元画像の原フレーム画像データに絵画変換処理を実行して絵画変換画像を生成するタイミングは、表示制御部35が元画像の背景を含めた全体画像を表示した直後に、表示部41に絵画変換画像の全体画像を適切に表示できるタイミングであれば、いつでもよい。例えば、絵画変換部104は事前に元画像の原フレーム画像データに絵画変換処理を実行して、生成した絵画変換画像を絵画変換画像記憶部114に記憶しておいてもよい。また、表示制御部35が、元画像の背景を含めた全体画像を表示した直後に、表示部41に絵画変換画像を適切に表示できるタイミングであれば、例えば、表示制御部35が元画像の背景を含めた全体画像を表示する直前、又は表示した直後であっても可能である。
【0073】
図7の表示方式3では、特徴領域ごとに元画像と絵画変換画像とを交互に表示し、最後に絵画変換画像の全体を表示する。即ち、図7の表示方式2によると、1.元画像の輪郭、2.絵画変換画像の輪郭、3.元画像の目と輪郭、4.絵画変換画像の目と輪郭、5.元画像の目と鼻と輪郭、6.絵画変換画像の目と鼻と輪郭、7.元画像の目と鼻と口と輪郭、8.絵画変換画像の目と鼻と口と輪郭、9.元画像の全体、8.絵画変換画像の全体という順で表示部41に表示される。
【0074】
具体的には、まず、絵画変換部104は、原フレーム画像データから元画像に絵画変換処理を実行して、生成した絵画変換画像を絵画変換画像記憶部114に記憶しておく。
【0075】
具体的には、表示データ生成部105は、顔検出部103によって検出された特徴領域の位置情報に基づいて、原フレーム記憶部111に記憶された元画像の画像データと絵画変換画像記憶部114に記憶された絵画変換画像の画像データから、特徴領域の画像データをそれぞれ抽出し、データ生成順序制御部105Aで決定された順序、この場合、1.元画像の輪郭、2.絵画変換画像の輪郭、3.元画像の目と輪郭、4.絵画変換画像の目と輪郭、5.元画像の目と鼻と輪郭、6.絵画変換画像の目と鼻と輪郭、7.元画像の目と鼻と口と輪郭、8.絵画変換画像の目と鼻と口と輪郭、9.元画像の全体、8.絵画変換画像の全体という順に表示データを生成する。表示データ生成部105は生成した表示データで随時、表示データ記憶部115に記憶された表示データを更新する。
【0076】
表示制御部35は、表示データ記憶部115に格納された表示画像データに基づいて表示部41を制御し、表示部41に画像を表示させる。この結果、表示部41には、図7の表示方式3の順、即ち、1.元画像の輪郭、2.絵画変換画像の輪郭、3.元画像の目と輪郭、4.絵画変換画像の目と輪郭、5.元画像の目と鼻と輪郭、6.絵画変換画像の目と鼻と輪郭、7.元画像の目と鼻と口と輪郭、8.絵画変換画像の目と鼻と口と輪郭、9.元画像の全体、8.絵画変換画像の全体の順番に画像が表示される。
【0077】
また、絵画変換内容記憶部113にはこの一連の絵画変換処理内容を「表示方式3」として記録しておけばよい。これによって、ユーザは操作部43を操作して、絵画変換内容記憶部113の「表示方式3」という設定を選択すれば、元画像を特徴領域ごとに表示した後に絵画変換画像の全体図を表示する方式による画像の表示が可能となる。
【0078】
このように表示方式3では、表示制御部35は、画像データ抽出部によって抽出された元画像と絵画変換画像のそれぞれの複数の特徴領域の画像データに基づいて、優先度に従って元画像と絵画変換画像の特徴領域を交互に表示させた後、最後に絵画変換画像の絵画変換画像を表示させることができる。このように、絵画変換画像の全体を表示する迄の間に元画像と絵画変換画像を用いて画像の腰部を特徴領域ごとに徐々に表示することができるので、これから表示する画像に対する関心と興味、情報を有効に提供することができる。さらに、これから表示する絵画変換画像、即ち、画像に対する興味を引き立てることができるので、ユーザを楽しませることができる趣向を凝らした方式で画像を表示することができる。
【0079】
ここで、絵画変換部104は事前に原フレーム記憶部111に記憶された元画像の画像データに絵画変換処理を実行して、生成した絵画変換画像を絵画変換画像記憶部114に記憶しておくものとして説明したが、絵画変換部104が元画像の画像データに絵画変換を実行するタイミングは、表示制御部35が特徴領域ごとに、特徴領域ごとの元画像と絵画変換画像を徐々に適切に表示できるタイミングであればいつでもよい。また、絵画変換部104は、元画像の画像データ全体に絵画変換を実行する代わりに、元画像の画像データに特徴領域ごとに絵画変換を実行してもよい。この場合でも、絵画変換部104が元画像の画像データの全体に絵画変換を実行するタイミング、又は、元画像の画像データに特徴領域ごとに絵画変換を実行するタイミングは、表示制御部35が特徴領域ごとに、特徴領域ごとの元画像と絵画変換画像を徐々に適切に表示できるのであれば、表示制御部35が元画像の当該特徴領域を表示する直前、又は表示した直後であっても可能である。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0081】
例えば、上述した実施形態では、一例として、特徴領域を顔の輪郭、目、鼻、口とし、顔検出部103を用いて特徴領域を検出する構成として説明した。しかしながら、表示する画像に応じて、顔の領域の代わりに、例えば、構造、色彩などに基づいて識別可能であれば、建築物、風景などを特徴領域として用いることも可能である。その場合は、顔検出部103に代えて、当該特徴領域を検出するために好適な検出部を採用することができる。
【0082】
また、上述した実施形態では、本発明が適用される画像処理装置は、スライドショー機能を有するフォトフレームとして構成される例として説明した。しかしながら、本発明は、スライドショー機能を有するフォトフレームに特に限定されず、電子機器一般に適用することができる。具体的には例えば、本発明は、デジタルカメラ、携帯型ナビゲーション装置、ポータブルゲーム機、プロジェクタ、テレビジョン受像器、あるいは、デジタルカメラから外部供給された撮像画像を再生表示する情報処理装置など、画像を表示する装置などに適用可能である。
【0083】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0084】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパソコンであってもよい。
【0085】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図示はしないが、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体などで構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスクなどにより構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)などにより構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)などにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM32や、図示せぬハードディスクなどで構成される。
【0086】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0087】
1・・・フォトフレーム、12・・・データ処理部(画像処理装置)、13・・・ユーザインタフェース部、31・・・CPU、32・・・ROM(プログラム)、33・・・RAM、34・・・メモリ、35・・・表示制御部(画像表示制御部)、36・・・画像処理部、41・・・表示部(画像表示部)、43・・・操作部、43・・・通信部、45・・・ドライブ、51・・・リムーバブル記憶媒体、111・・・原フレーム記憶部(画像記憶部)、103・・・顔検出部(画像データ抽出部)、104・・・絵画変換部、105・・・表示データ生成部(画像データ抽出部)、105A・・・データ生成順序制御部、顔検出部113・・・絵画変換内容記憶部(優先度記憶部)、114・・・絵画変換画像記憶部(画像記憶部)、115・・・表示データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示させる画像処理装置であって、
画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶部と、
画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出部と、
画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶部に記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御部と、を備える、
画像処理装置。
【請求項2】
前記優先度記憶部は、前記複数の特徴領域として、顔を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶し、
前記画像データ抽出部は顔検出処理を実行して、特徴領域の画像データとして、前記顔を構成する複数の特徴領域の画像データを抽出し、
前記画像表示制御部は、前記画像を表示させる際、画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記顔を構成する複数の特徴領域に基づいて、前記顔を構成する複数の特徴領域ごとに徐々に表示させることを特徴とする、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像データ抽出部は顔検出処理を実行して、特徴領域の画像データとして、少なくとも顔の輪郭の画像データを抽出し、
前記優先度記憶部は、前記顔の輪郭を最大の優先度を有する特徴領域として記憶し、
前記画像表示制御部は、前記画像を表示させる際、画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記顔の輪郭の画像データに基づいて、前記顔の輪郭を最初に表示させることを特徴とする、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像データ抽出部は、顔検出処理を実行して、特徴領域の画像データとして、少なくとも目、鼻、口の領域の画像データをさらに抽出し、
前記優先度記憶部は、少なくとも目、鼻、口を特徴領域として優先度の高い順に記憶し、
前記画像表示制御部は、前記画像を表示させる際、前記画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記目、鼻、口の画像データに基づいて、前記画像を目、鼻、口の順に徐々に表示させることを特徴とする、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像に絵画変換処理を実行して絵画変換画像を生成する絵画変換部をさらに備え、
前記絵画変換部は前記画像の画像データに絵画変換処理を実行して、絵画変換画像の画像データを生成し、
前記画像表示制御部は、前記画像を徐々に表示させる際、前記画像表示部を制御して、前記絵画変換部によって生成された前記絵画変換画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記優先度記憶部に記憶された優先度に従って前記絵画変換画像を特徴領域ごとに徐々に表示させることを特徴とする、
請求項1から4迄の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像の画像データを記憶する画像記憶部をさらに備え、
前記画像記憶部は、
前記絵画変換部が前記画像の画像データに絵画変換処理を実行して生成した絵画変換画像の画像データと、
前記絵画変換部が前記絵画変換画像を生成するために絵画変換処理を実行した前記画像を元画像として、該元画像の画像データと、を記憶し、
前記画像データ抽出部は、前記画像記憶部に記憶された前記元画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出し、さらに、前記絵画変換画像の画像データを抽出し、
前記画像表示制御部は、前記画像を徐々に表示させる際、
前記画像データ抽出部によって抽出された前記元画像の画像データの前記複数の特徴領域の画像データと、前記絵画変換画像の画像データとに基づいて、
前元画像を特徴領域ごとに順に表示させた後に、前記絵画変換画像を表示させることを特徴とする、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像の画像データを記憶する画像記憶部をさらに備え、
前記画像記憶部は、
前記絵画変換部が前記画像の画像データに絵画変換処理を実行して生成した絵画変換画像の画像データと、
前記絵画変換部が前記絵画変換画像を生成するために絵画変換処理を実行した前記画像を元画像として、該元画像の画像データと、を記憶し、
前記画像データ抽出部は、前記画像記憶部に記憶された前記元画像の画像データと前記絵画変換画像の画像データからそれぞれ前記複数の特徴領域の画像データを抽出し、
前記画像表示制御部は、前記画像を徐々に表示させる際、
前記画像データ抽出部によって抽出された前記元画像の画像データと前記絵画変換画像の画像データのそれぞれの前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、
前記元画像の特徴領域を一つ表示させるたびに、前記絵画変換画像の対応する特徴領域を表示させることを特徴とする、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像を表示させる画像処理方法であって、
画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶ステップと、
画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出ステップと、
画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出ステップによって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶ステップに記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御ステップと、を備える、
画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータに画像表示部を制御させて画像を表示させる画像処理画像処理プログラムであって、
該コンピュータを、
画像を構成する複数の特徴領域の優先度を記憶する優先度記憶部と、
画像の画像データから前記複数の特徴領域の画像データを抽出する画像データ抽出部と、
画像表示部を制御して、前記画像の画像データから前記画像データ抽出部によって抽出された前記複数の特徴領域の画像データに基づいて、前記画像を、前記優先度記憶部に記憶された優先度に従って特徴領域ごとに徐々に表示させる画像表示制御部と、して機能させるための、
画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate