説明

画像品質評価装置及び画像品質評価方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法

【課題】記録媒体上のトナー層の層状態を評価し、ドット再現性が良く、画像濃度ムラや縦筋などの無い、長期安定性に優れているトナーを評価できる画像品質評価装置及び画像品質評価方法を提供すること。
【解決手段】トナー層が表面に担持されてなる記録媒体の表面にレーザ光を照射する照射手段と、レーザ光の反射光を検出する測定手段と、記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段と、照射手段、測定手段及び吸引手段を駆動する駆動手段とを備え、駆動手段が、照射手段、測定手段及び吸引手段を記録媒体上の所定の位置に駆動した後、記録媒体上の所定の位置において照射手段がレーザ光を照射して、測定手段により吸引前反射光を検出し、次いで、所定の位置において吸引手段がトナーを吸引し、しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の所定の位置において照射手段がレーザ光を照射し、測定手段により吸引後反射光を検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1成分現像方法に用いる現像剤、2成分現像方法に用いるトナーを高精度に評価する画像品質評価装置及び画像品質評価方法、並びにこれを用いた画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真分野の発展は目覚しく、形成される画像の高画質化、高品質化が進んでいるが、市場からのさらなる高画質化、高品質化への要望、さらには高画質・高品質画像が安定的に得られる高耐久化への要望が強い。
そこでこれらを達成すべく、従来、電子写真分野におけるトナーの転写性について種々の検討が為されてきている。
【0003】
例えば特許文献1(特開2001−125389号公報)では、感光体と転写手段との対向間隔を可変として、転写性能を調整する画像形成装置に関するものである。
また、特許文献2(特開2002−311638号公報)では、二次転写手段を有する装置に用いるトナーの流動性(緩み見掛け密度0.35g/cc以上)を規定した発明が開示されている。
さらに、特許文献3(特許3058232号公報)では、転写工程を有する画像形成方法に用いるトナーの凝集度を30%以上に規定したもので、転写性の評価方法に関するものではない。
【0004】
しかしながら、特許文献1〜3のいずれにおいても転写性の評価については検討が為されていない。
【0005】
一方、特許文献4(特開平01−203941号公報)では、磁場が印加されたロートの狭部を通過して落下するのに要する時間を測定することにより、現像剤の流動性を正確に評価する方法が開示されている。
また、特許文献5(特開平04−116449号公報)では、傾斜可能な板の上にトナーを載せ、板を徐々に傾けていき、流れ始めるときと流れ終えたときの角度を測定する方法が開示されている。
さらに、特許文献6(特開2000−292967号公報)では、篩を何段かに重ねて、その上にトナーを投入して、篩部分に水平方向と垂直方向の振動を与え、一定時間後の各篩部に残ったトナー量に予め設定された係数を乗算して算出する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献4〜6に記載のいずれも、トナーまたは現像剤の流れを測定するもので、重要な転写性とトナー層や現像剤(1成分系現像剤)層の流動性との関連性を評価するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、記録媒体上のトナー層の層状態を評価し、ドット再現性が良く、画像濃度ムラや縦筋などの無い、長期安定性に優れているトナー(現像剤)を評価できる画像品質評価装置及び画像品質評価方法を提供することを目的とする。また、これにより、粒状性の良い高画質が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明に係る画像品質評価装置及び画像品質評価方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法は、具体的には下記(1)〜(18)に記載の技術的特徴を有する。
【0009】
(1):トナー層が表面に担持されてなる記録媒体の表面にレーザ光を照射する照射手段と、前記レーザ光の反射光を検出する測定手段と、前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段と、前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の任意の位置に駆動する駆動手段と、を備え、前記駆動手段が、前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の所定の位置に駆動した後、前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射して、前記測定手段により吸引前反射光を検出し、次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段により吸引後反射光を検出し、前記吸引手段によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定することを特徴とする画像品質評価装置である。
【0010】
(2):前記照射手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の表面にレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引前反射光の位置変化から当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを測定し、次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引後反射光の位置変化から当該記録媒体の表面の高さを測定し、前記記録媒体上の所定の位置でのトナー吸引前後の高さの違いにより当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを評価することを特徴とする上記(1)に記載の画像品質評価装置である。
【0011】
(3):前記照射手段は、レーザ光のレーザ照射パワーが0.1〜10mWであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の画像品質評価装置である。
【0012】
(4):前記照射手段は、レーザ光のレーザスポット径が10〜500μmであることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置である。
【0013】
(5):前記測定手段は、ワークディスタンスが5〜30mmであることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置である。
【0014】
(6):前記吸引手段は、吸引速度が10〜50〔l/min〕であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置である。
【0015】
(7):前記吸引手段は吸込み口よりトナーを吸引し、該吸込み口の面積が4〜20mmであることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置である。
【0016】
(8):前記駆動手段は、駆動精度が1〜20μmであることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置である。
【0017】
(9):記録媒体表面にトナー層を形成する画像形成部と、上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の画像品質評価装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0018】
(10):前記画像形成部は、感光体と、該感光体表面を一様帯電せしめる帯電手段と、前記感光体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着せしめる定着手段と、を備えることを特徴とする上記(9)に記載の画像形成装置である。
【0019】
(11):トナー層が表面に担持されてなる記録媒体の表面にレーザ光を照射する照射手段と、前記レーザ光の反射光を検出する測定手段と、前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段と、前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の任意の位置に駆動する駆動手段と、を備える画像品質評価装置により画像品質評価を行う画像品質評価方法であって、
(I)前記駆動手段により前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の所定の位置に駆動した後、
(II)前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射して、前記測定手段により吸引前反射光を検出し、
(III)次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、
(IV)しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段により吸引後反射光を検出し、
前記吸引手段によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定することを特徴とする画像品質評価方法である。
【0020】
(12):前記(I)は、前記照射手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の表面にレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引前反射光の位置変化から当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを測定し、前記(III)は、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引後反射光の位置変化から当該記録媒体の表面の高さを測定し、前記記録媒体上の所定の位置でのトナー吸引前後の高さの違いにより当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを評価することを特徴とする上記(11)に記載の画像品質評価方法である。
【0021】
(13):前記トナーは、重量平均粒径が4〜8μmであることを特徴とする上記(11)または(12)に記載の画像品質評価方法である。
【0022】
(14):前記(I)乃至(IV)を繰り返し、前記記録媒体上の所定の範囲内における当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層高さの分布を評価して転写性の評価を行なうことを特徴とする上記(11)乃至(13)のいずれか1項に記載の画像評価方法である。
【0023】
(15):記録媒体の表面にトナー層を形成する画像形成工程を備え、該画像形成工程により形成された記録媒体の表面に担持されたトナー層を、上記(11)乃至(14)のいずれか1項に記載の画像評価方法により評価することを特徴とする画像形成方法である。
【0024】
(16):感光体表面を一様帯電せしめる帯電工程と、前記感光体表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着せしめる定着工程と、を備え、前記転写工程の後、且つ、前記定着工程の前に、前記記録媒体の表面に担持されたトナー層を、上記(11)乃至(14)のいずれか1項に記載の画像評価方法により評価することを特徴とする画像形成方法である。
【0025】
(17):ランニング時の定着前の前記記録媒体の表面に担持されたトナー層高さ分布変化を評価し、画像品質の安定性を評価することを特徴とする上記(15)または(14)に記載の画像形成方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、記録媒体上のトナー層の層状態を評価し、ドット再現性が良く、画像濃度ムラや縦筋などの無い、長期安定性に優れているトナー評価できる画像品質評価装置及び画像品質評価方法を提供することができる。
また、本発明によれば、粒状性の良い高画質が安定して得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る画像品質評価装置の一実施の形態における構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における構成を示す概略図である。
【図3】実施例1のトナー層高さ及び記録媒体高さの測定結果を示すグラフである。
【図4】実施例5のトナー層高さ及び記録媒体高さの測定結果を示すグラフである。
【図5】実施例1のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【図6】実施例2のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例3のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【図8】実施例4のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【図9】実施例5のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明にかかる画像品質評価装置は、トナー層が表面に担持されてなる記録媒体3の表面にレーザ光を照射する照射手段1aと、前記レーザ光の反射光を検出する測定手段2aと、前記記録媒体3の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段11と、前記照射手段1a、前記測定手段2a及び前記吸引手段11を前記記録媒体上の任意の位置に駆動する駆動手段12と、を備え、前記駆動手段12が、前記照射手段1a、前記測定手段2a及び前記吸引手段11を前記記録媒体3上の所定の位置に駆動した後、前記記録媒体3上の所定の位置において前記照射手段1aがレーザ光を照射して、前記測定手段2aにより吸引前反射光を検出し、次いで、前記記録媒体3上の所定の位置において前記吸引手段11が前記記録媒体3の表面に担持されてなるトナーを吸引し、しかる後に、当該吸引手段11によりトナーが吸引された後の前記記録媒体3上の所定の位置において前記照射手段1aがレーザ光を照射し、前記測定手段2aにより吸引後反射光を検出し、前記吸引手段11によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定することを特徴とする。
【0029】
次に、本発明に係る画像品質評価装置及び画像品質評価方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法について図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】
〔画像品質評価装置〕
本発明の画像品質評評価方法は、図1に示すような半導体レーザ1a及び集光レンズ1bを有する照射手段1と、光位置検出用CCD(光位置検出素子)2a及び受光レンズ2bを有する測定手段2と、を少なくとも備える測定ユニット10により、記録媒体3の表面上に担持されたトナー層を測定・評価を行う。
なお、この測定ユニット10は、詳細については後述するが、吸引手段11と共に高精度移動ステージ12上に配設され高精度に移動制御されてなる。(図2参照。)
【0031】
<レーザ光照射手段1>
照射手段1が照射するレーザの波長は、光位置検出素子2aとしてのCCDなどの受光素子の感度領域との関係で測定が出来れば、如何なる波長域でも良いが、人間の目に見える波長であることが好ましく、コンパクト性から半導体レーザ(LD)が特に好ましい。
また、レーザ光の照射の際に、トナー層や現像剤(一成分系現像剤)層の表面状態が変化すれば問題になるので、レーザパワーが0.1〜10mWであることが好ましい。レーザパワーが10mWより大きくなれば、トナーが熱の影響を受け変質し、画像劣化を招く。レーザパワーが0.1mWより小さければ、反射光量が小さくなり、信号を検出できなくなる。
本発明はトナー層の層状態を適正に評価することを目的とするものであるので、レーザ光スポット径がトナー粒径より大きいことが必要になる。スポット径の好適な範囲は、10μm〜500μmである。10μmより小さくなると層状態を非常に部分的に観察していることになり、平均的なデータとしての採用が難しくなり、フィードバックの状況が適切でなくなる。500μmより大きくなると、光位置検出素子2aが大きくなり、コストやスペースの増大という問題が生じる。
【0032】
<測定手段2>
光位置検出素子2aとしてのCCDなどの受光素子は、レーザの波長に対応した素子を選択する必要がある。CCDのほかにはビジコン、MOS型イメージセンサなどがあるが、出来るだけコンパクトな素子が適している。また、光位置および光量の測定が出来るように集積化する必要がある。
レーザ波長と受光素子との関係は以下のようになる。
可視域ではSiフォトダイオード、GaAsPフォトダイオード、可視光導電素子、近赤外域ではSiフォトダイオード、Siフォトトランジスタ、InGaAsフォトダイオード、Geフォトダイオード、フォトIC、赤外域ではPbS素子、PbSe素子、MgCdTe素子などが好ましい一例としてそれぞれ例示される。
【0033】
照射手段1及び測定手段2を備える照明ユニット2からなる光学系としては、図1のような構成になり、測定対象物としての記録媒体3表面上に担持されたトナー層に対する受光素子2aの方向は、入射角度に対して正反射方向でなくても良い。現像部のレイアウトに応じて最適な位置を選択すべきである。
【0034】
<測定原理>
レーザ光を用いて変位量を測定する原理は、図1のように三角測量を用いるもので、詳細は次のようになる。
半導体レーザ1aから射出されたビーム光は集光レンズ1bを用いて集光され、測定対象物である記録媒体3の表面上に担持されてなるトナー層(以下、単に測定対象物3、対象物3とも称する。)に照射される。そして、対象物3から拡散反射されたビーム光は受光レンズ2bを通して光位置検出素子2a上にスポットを結ぶ。その際、測定対象物3の高さ方向の変位が変化するのに対応して、光位置検出素子2a上のスポット位置が変化する。つまり、そのスポット位置を検出することにより高さ変位を求めることが出来る。
また、このときの高さ変位の分解能は0.05μm位であり、トナー層の層状態制御には問題ない程度の高精度な分解能である。
【0035】
測定ユニット10において、ワークディスタンス(測定対象物(記録媒体)から測定ユニット10までの距離)は5〜30mmが好ましい。5mmより小さくなるとトナー層の極近傍に測定ユニット10が位置することになり、層状態の影響を強く受け、トナーが光学系に接触する可能性が強まり、光学系への汚染の原因となり測定には適していない。30mmより大きくなると、位置検出の精度が悪くなるという問題や、測定ユニット10が大きくなり無駄なスペースの問題が生じる。
【0036】
<記録媒体3>
上述した測定原理を採用する本発明では、記録媒体3としては、半導体レーザ1aから射出されたビーム光を反射可能なものであればよく、白色ないし有色の各種記録媒体をいずれも利用することができ、例えば、紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。
なお、以下においては記録媒体を紙として説明をする。
【0037】
〔画像形成装置〕
図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態の構成を示す概略図である。
図2に示すように、本実施の形態では、レーザ光学系を用いた照射手段1と測定手段とを備える測定ユニット10、吸引手段11、および高精度移動ステージ12を具備してなる上述した画像品質評価装置が設けられてなる。
また、本実施の形態では、上記画像品質評価装置が評価の対象とする画像を形成する画像形成部として、静電潜像担持体としてのドラム状の感光体(感光体ドラム)14と、該感光体に当接して設けられ、回転方向から順に、帯電手段としての帯電ブレード15、現像手段としての現像ローラ16、及び、転写手段を有し記録媒体としての転写紙3が巻き回されたドラム状の記録媒体ドラム(転写紙ドラム)13が配設されてなる。また、図示を省略したが、帯電手段15と現像ローラ16との間には非当接の露光手段が配設されてなる。
【0038】
ここで感光体14は等速回転駆動され、先ず、当接してなる帯電ブレード15との当接部において接触摩擦により表面が一様帯電されてなる。(帯電工程)
次いで、帯電手段15により一様に帯電された感光体14の表面を、露光手段が像様に露光し、静電荷像を形成する。(露光工程)
得られた静電荷像は、現像ローラ16がその表面に担持するトナーにより現像され、トナー像が形成される。(現像工程)
そして、感光体ドラム14上に担持された層状のトナー像は、記録媒体ドラム13との当接位置において、転写手段により感光体ドラム14上から記録媒体ドラム13上に転写され、記録媒体上にトナー層(画像)が形成される。(転写工程)
【0039】
尚、本発明に係る画像形成装置は言うまでもなく上述した態様に何ら限定されるものではなく、トナー層を記録媒体表面上に形成可能であれば如何なる帯電方式、露光方式、現像方式、転写方式をも採用し得るものであり、また、その他従来公知の工程、例えば、定着工程、クリーニング工程、除電工程、トナーリサイクル工程等を適宜加えることができる。
【0040】
そして本実施の形態では、画像品質評価装置を用いて、感光体ドラム14上の静電潜像をトナーを用いて現像した後、その現像したトナー像を転写工程で記録媒体としての転写紙3上に転写し、その転写紙3上のトナー層を評価する。また、中間転写体(中間転写ベルトなど)を用いる場合には、中間転写した後の転写紙3上のトナー層を評価する。
換言すると、(I)駆動手段12により照射手段1a、測定手段2a及び吸引手段11を記録媒体3上の所定の位置に駆動した後、(II)記録媒体3上の所定の位置において照射手段1aがレーザ光を照射して、測定手段2aにより吸引前反射光を検出し、(III)次いで、記録媒体3上の所定の位置において吸引手段11が記録媒体3の表面に担持されてなるトナーを吸引し、(IV)しかる後に、当該吸引手段11によりトナーが吸引された後の記録媒体3上の所定の位置において照射手段1aがレーザ光を照射し、測定手段2aにより吸引後反射光を検出し、吸引手段11によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定する。また、上記(I)は、照射手段1aが記録媒体3の表面に担持されてなるトナー層の表面にレーザ光を照射し、測定手段2aが検出した吸引前反射光の位置変化から当該記録媒体3の表面に担持されてなるトナー層の高さを測定し、上記(III)は、当該吸引手段11によりトナーが吸引された後の記録媒体3上の所定の位置において照射手段1aがレーザ光を照射し、測定手段2aが検出した吸引後反射光の位置変化から当該記録媒体3の表面の高さを測定し、記録媒体3上の所定の位置でのトナー吸引前後の高さの違いにより当該記録媒体3の表面に担持されてなるトナー層の高さを評価する。
【0041】
本発明では、転写紙3上に形成されるトナー層の表面にレーザ光を照射しその反射光を検出し、その後、レーザ光照射した場所のトナーを吸引し、さらに吸引後のレーザ照射した同じ場所の転写紙3表面に測定ユニット10を用いてレーザ光を照射してその反射光を検出し、現像ローラ16の同じ位置でのトナー層の吸引前後の反射光の違いにより転写紙3上のトナー層の評価を行なう。
【0042】
ここで、トナーを吸引する吸引手段11の吸引速度は10〜50〔l/min〕であることが好ましい。吸引速度が10〔l/min〕未満の場合には転写紙表面にトナーが残ってしまい正確な測定が出来ない。また、吸引速度が50〔l/min〕より大きい場合には他の場所の余分な場所のトナーを吸引してしまうので、正確な分布状態が評価出来ず問題となる。
さらに、トナーを吸引する吸引手段11の吸込み口の面積は4〜20mmが好ましい。吸込み口の面積が4mm未満の場合には吸引するトナーが少ないため、バラツキが大きくなり、正確な評価が難しくなる。吸込み口の面積が20mmより大きい場合には局所的な評価が難しくなり、問題となる。
【0043】
照射手段1及び測定手段2を備える測定ユニット10と吸引手段11とは、高精度移動ステージ12上に設置される。この高精度移動ステージ12は、ボールネジを用いた駆動方式で高精度に任意の転写紙3位置に駆動可能とし、吸引前反射光検出、トナー吸引、吸引後反射光検出を転写紙3上の所定の位置にいて(位置不変で)行うことができる。
本発明では、高精度移動ステージ12の駆動精度は1〜20μmであることが好ましい。駆動精度が1μm未満の場合、スキャン速度が遅くなり、測定時間がかかる問題が生じる。一方、駆動精度が20μmより大きい場合には、スキャン方向の位置精度が悪くなり、同じ位置での吸引前後の反射光の違いによるトナー層の評価の正確度が低下する。
【0044】
以上説明した画像品質評価装置は、トナー、現像剤および画像形成条件を評価する専用機として作製しても良い。
【0045】
また、画像品質評価装置を実際の複写機やプリンタ等の画像形成装置の内部に装着し、転写紙上のトナー層高さ分布を測定し、当該画像形成装置の状態を判断してフィードバックするようにしても良い。
例えば、トナー層高さが不足している場合には、現像工程において現像効率を上げる条件(劣化したトナーや現像剤のリフレッシュ化、現像ニップ幅の拡大、トナー濃度のアップ等)に変えるようにする。特に、高速機においては常に安定した印刷ライクな画質を出力する必要があるため、その装置状態を常にモニターするゾーンを装置内部に設けて、その情報を用いて各現像条件や転写条件等をコントロールするようにする。そのモニターゾーンに上述した画像品質評価装置を用いて転写紙上の(定着前の)トナー層の付着状態を正確に、定量的に評価することにより、その画像形成装置のその時点での画像形成能力を正確に評価し、その情報を各現像条件や転写条件にフィードバックする。その動作は、実際のプリント中(ランニング中)に並行して行なっても良いし、その日の最初の立上げ時に別途行なうなど単独に行なっても良い。
【0046】
トナーの現像性、転写性および流動性と受光素子(光位置検出素子)の出力との関係は以下のようになり、その関係からトナーの転写後(定着前)の画像形成品質を判断する。
トナーの現像性、転写性および流動性が優れている場合には、転写紙上のトナー層の高さ変位が大きくなり、高さ変位バラツキが小さくなる。また、トナーの現像性、転写性および流動性が劣っている場合には、転写紙上のトナー層の高さ変位が小さくなり、高さ変位バラツキが大きくなる。
【0047】
その受光素子の出力信号から、トナーの転写後の転写紙上の画像形成品質を判断した後、画像形成品質(未定着時)が劣っている場合には、トナーの処方や作製条件を変化させる必要がある。特に、トナーに関してはトナーの表面処理との関係で粉体特性が非常に敏感で、表面状態の変化に応じて粉体特性が大きく変化する。
また、トナーの転写紙上の画像形成品質の結果から、併せて現像条件や転写条件を変化させる必要がある。つまり、高画質の状態を維持するために、トナーや現像剤を安定して現像ローラ上に搬送させる必要がある。
【0048】
現像条件には色々な条件があるが、最もトナー層や現像剤層の状態を変化させることが出来るのが、現像ローラ上のトナー層の厚さを規制する規制板の条件である。
例えば、規制板の圧力を変化させたり、ギャップを変化させたりする。また、これらを変化させることが困難な場合には、トナーの供給条件を変化させる。トナー供給用のローラがある場合には、供給ローラの回転数を変化させたり、供給ローラと現像ローラとのギャップを狭めたりする。他には、攪拌ローラの回転数を変化させたり、2成分現像方式の場合にはトナー濃度を変化させたりすることも可能である。
現像条件は微妙であるので、どの条件を変化させるにしても、微細な制御が必要である。そのため、多数毎ランニング時でも変化が小さい安定した現像条件を求める必要がある。
【0049】
また、転写工程では忠実に感光体上トナー像を中間転写ベルト等を用いて転写して、最終的に転写紙上にトナー像を形成させる必要があり、微細な転写条件のマネージメントが重要となる。
転写条件では、転写電圧、転写圧、転写速度、転写速度比、転写ドラム表面硬度などがあり、それぞれを最適化する必要がある。特に、転写紙上へのトナー転写を100%に近づけるために、転写電圧を上げたり、転写圧を上げたりすることが必要となり、トナー転写性の評価が重要となる。そのときに、トナーが転写電界によりスムースに転写紙に移行できるように、トナー付着性があまり大きくないもの、つまり流動性の優れているものが転写工程では必要となり、トナー物性の最適化の検討を並行して行なう。
【0050】
また、転写紙上のトナー層の層状態をレーザ光を用いた照射手段及び測定手段並びに吸引手段を用いて評価するという方法は、転写紙上のトナー付着量の分布評価を行なう方法としても使用でき、高耐久時の画質評価装置として用いることができる。照射手段及び測定手段と吸引手段を高精度に任意の転写紙範囲を駆動し、転写紙上のトナー層高さの分布を評価して、複写機やプリンタのランニング時のトナー層高さ分布変化を高精度に定量的に評価し、画質の安定性を詳細に評価する。
【0051】
さらに本発明では、定着前の転写紙上のトナー付着状態を定量的に評価し、現像条件や転写条件の適正条件を調べ、ランニング時での画質劣化変化を高感度に検出することが出来る。
【0052】
本発明に用いるトナーは、高画質の現像を可能にするため、トナーの重量平均粒径が4〜8μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜7μmである。重量平均粒径4μm未満では長期間の使用でのトナー飛散による機内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、感光体クリーニング不良等という問題が生じやすく、人体への影響も懸念される。重量平均粒径が8μmを超える場合では100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなくまた、非画像部への飛び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
また、キャリアとトナーとを含有する2成分系現像剤の場合、キャリアの平均粒径が20〜65μmの範囲にあると、現像機内部のトナー濃度が2〜10重量%の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にすることができるため好ましい。20μmより小さくさるとキャリア粒子の感光体上への付着等が生じやすく、さらにトナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が65μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなり、高画質は得られない。
【0053】
次に、トナーおよび現像剤の詳細を以下に示す。
<トナー>
トナーは樹脂と着色剤(顔料)とを含み、その他、離型剤、電荷制御剤、添加剤(外添剤)などを含んでいてもよい。
【0054】
樹脂としては、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ポリオール樹脂等がある。
【0055】
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等がある。
【0056】
ポリエステル樹脂としては以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩からなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等。
【0057】
B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、またはこれらの酸無水物または低級アルコールのエステル等。
【0058】
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール、トリメリト酸、ピロメリト酸等の3価以上のカルボン酸等。
【0059】
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしくはそのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
【0060】
本発明で用いる顔料としては以下のものが用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
また、橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
これらは1種または2種以上を使用することができる。
【0061】
特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となり、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、環境等の問題があり、本発明では水を使用して分散させた。水を使用する場合、マスターバッチ中の残水分が問題にならないように、温度コントロールが重要になる。
【0062】
本発明においては、トナーには電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)して用いても良く、トナー粒子と混合(外添)して用いても良い。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に本発明では、粒度分布と電荷量とのバランスを更に安定したものとすることが可能である。
【0063】
トナーを正電荷性に制御するものとして、ニグロシンおよび四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、イミダゾール金属錯体や塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。また、トナーを負電荷性に制御するものとしてサリチル酸金属錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられる。
【0064】
また、本発明においては、オイルレス定着を実現し、定着時のオフセット防止のためにトナーに離型剤を内添することが好ましい。
離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキルリン酸エステル等がある。
これら離型剤の融点は65〜90℃であることが好ましい。この範囲より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、この範囲より高い場合には定着ローラ温度が低い領域でオフセット(コールドオフセット)が発生しやすくなる場合がある。
【0065】
添加剤としてはSi、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物が挙げられる。これらのうち二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン(チタニア)、アルミナの微粒子が好適に用いられる。
【0066】
本発明に係るトナーを作製する方法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらの作製法に限るものではない。
粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等を混合機により充分に混合した後、混練機により混練する。圧延冷却後、混練物を粗粉砕し、更に微粉砕機により微粉砕し、分級機により所定の粒度に分級する。その後、粒子表面を表面処理して、トナーを得る。
また、重合法の一例としては、モノマーに着色剤及び電荷制御剤等を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることでトナー粒子を得る。トナー粒子表面には、添加剤を付着または固着させる。また、カプセル化したトナーでも良い。
【0067】
二成分現像剤として使用する場合は、磁性キャリアと所定の混合比率で混合することによって二成分現像剤とする。キャリアとしては公知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、マグネタイト粉の如き磁性粒子あるいはこれら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等で処理したもの、あるいは磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子等が挙げられる。
【0068】
また、トナーは非磁性トナーであっても良く、磁性トナーであっても良い。
磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。
【0069】
本発明では、1成分系現像方式でも2成分系現像方式でも評価できるようにすることも可能である。現像部分をユニットごと交換できるようにすれば良い。
【0070】
1成分系現像方式では、接触または非接触現像方式が可能であり、色々な公知のものが使用される。例えば、アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、アルミ素管の表面にカーボンブラック等を含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法等がある。
また、1成分現像方式において、トナー供給部の出口にトナー層を均一にするためのローラ状の規制部材を設けた現像方式を用いても良い。この規制部材を設けた現像方式の場合には、薄くて均一なトナー層の形成が可能である。
さらに、1成分現像方式において、トナー供給部の中にトナーのくみ上げ量を安定化するための供給ローラを設けた現像方式を用いても良い。トナーの供給ローラを用いた現像方式の場合には、安定した画像出力が可能である。
【実施例】
【0071】
以下、実施例を説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。画像品質評価装置(転写性評価装置)における照射手段の光学条件、吸引手段の吸引条件及び駆動手段の駆動条件は以下のようになり、トナーの種類を変えて転写紙上のトナー層高さ分布を評価した。
【0072】
《光学条件》
・レーザ:LD(λ=780nm)
・レーザパワー:1mW
・レーザスポット径:20μm
・ワークディスタンス:10mm
【0073】
《吸引条件》
・吸引速度:30l/min
・吸込み口の形:3mmφ
【0074】
《駆動条件》
・駆動精度:10μm
・駆動範囲:2mm
・測定ステップ:10μm
【0075】
今回は以下の現像条件および転写条件で転写紙上にトナー層を形成し、トナー層高さ分布を評価した。
【0076】
《1成分系現像条件》
・現像ローラ材質:ゴム
・現像ローラ速度:100mm/s
・規制方式:ドクターローラ(ゴム材質、固定)
・供給方式:供給ローラ(スポンジ材質)
・供給ローラ速度:100mm/s
【0077】
《2成分系現像条件》
・現像スリーブ材質:アルミニウム
・主極磁束密度:1300G
・現像ローラ速度:100mm/s
・規制方式:ドクターブレード(ステンレス)
・撹拌方式:撹拌羽根(ステンレス)
・撹拌羽根速度:100mm/s
【0078】
《転写条件》
・転写電圧:1000V
・転写圧:2N
・転写速度:100mm/s
・転写方式:ドラム/ドラム方式
【0079】
次いで、トナーについて実施例1〜5を示すが、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0080】
―実施例1―
・樹脂 :ポリエステル樹脂 100部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル)
・着色剤 :銅フタロシアニンブルー顔料 5部
(C.I.ピグメントブルー15:3、Lionol Blue FG−7351;東洋インキ社製)
・帯電制御剤 :サルチル酸亜鉛塩 5部
(ボントロンE84、オリエント化学)
・離型剤 :低分子量ポリエチレン 5部
【0081】
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度100℃混練機回転数110rpmで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6.8μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0082】
添加剤 :シリカ微粉末 1.0部
(R972;日本アエロジル社製)
添加剤 :酸化チタン微粉末 0.3部
(MT−150A;テイカ社製)
【0083】
<混合条件>
混合回転数 2400rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0084】
以上のようにしてトナーを作製した後、1成分系現像方法で現像し、本発明に係る画像品質評価方法により上述した各種条件で転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果、図3のように部分的に急激にトナー高さが高くなり、その上、転写紙上の平均トナー高さが5.91μmと小さいというあまり良くない特性を示した。
【0085】
―実施例2―
実施例1と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が6.8μmの粒度分布に分級した。
さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0086】
添加剤 :シリカ微粉末 1.8部
(R972;日本アエロジル社製)
添加剤 :酸化チタン微粉末 0.3部
(MT−150A;テイカ社製)
【0087】
<混合条件>
混合回転数 2400rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0088】
以上のようにしてトナーを作製した後、1成分系現像方法で現像し、本発明に係る画像品質評価方法により上述した各種条件で転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果、図3のように部分的に急激にトナー高さが高くなる現象はあるが、転写紙上の平均トナー高さが8.60μmと高くなり並の特性を示した。
【0089】
―実施例3―
トナーバインダーの合成
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマーIを得た。
次いでプレポリマーI267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルIを得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルAを得た。
ウレア変性ポリエステルI200部と変性されていないポリエステルA800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダーIを単離した。分析の結果Tgは62℃であった。
【0090】
トナーの作製
<トナー原材料>
トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液 240部
ペンタエリスリトールテトラベヘネート(溶融粘度25cps) 20部
カーボンブラック 7部
(#44;三菱化学社製)
カルナウバワックス 10部
【0091】
上記原材料をビーカー内で、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させてトナー材料溶液を作製した。
【0092】
<水相処方>
イオン交換水 706部
ハイドロキシアパタイト10%懸濁液 294部
(日本化学工業(株)製スーパタイト10)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.2部
【0093】
ビーカー内に上記水相処方に記載の材料を入れ均一に溶解した。その後60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。次いでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。体積平均粒径は5.6μmであった。
【0094】
このトナー粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを得た。
【0095】
添加剤 シリカ微粉末 1.5部
(R972;日本アエロジル社製)
酸化チタン微粉末 0.3部
(MT−150A;テイカ社製)
【0096】
<混合条件>
混合回転数 2400rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0097】
以上のようにしてトナーを作製した後、得られたトナーとキャリアをキャリア93部に対し、トナー7部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。その現像剤を用いて2成分系現像方法で現像し、本発明に係る画像品質評価方法により上述した各種条件で転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果、図3のように部分的に急激にトナー高さが高くなる現象はなく、転写紙上の平均トナー高さが10.30μmと高くなり優れた特性を示した。
【0098】
―実施例4―
実施例3と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が5.6μmの粒度分布に分級した。
さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0099】
添加剤 :シリカ微粉末 1.8部
(R972;日本アエロジル社製)
添加剤 :酸化チタン微粉末 0.3部
(MT−150A;テイカ社製)
【0100】
<混合条件>
混合回転数 2400rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0101】
以上のようにしてトナーを作製した後、得られたトナーとキャリアをキャリア93部に対し、トナー7部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。その現像剤を用いて2成分系現像方法で現像し、本発明に係る画像品質評価方法により上述した各種条件で転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果、図3のように部分的に急激にトナー高さが高くなる現象はなく、転写紙上の平均トナー高さが10.68μmと高くなり優れた特性を示した。
【0102】
―実施例5―
実施例3と同様の原材料、作製方法で混練、粉砕、分級を行ない、平均粒径が5.6μmの粒度分布に分級した。
さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。
【0103】
添加剤 :シリカ微粉末 2.0部
(R972;日本アエロジル社製)
添加剤 :酸化チタン微粉末 0.3部
(MT−150A;テイカ社製)
【0104】
<混合条件>
混合回転数 2400rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0105】
以上のようにしてトナーを作製した後、得られたトナーとキャリアをキャリア93部に対し、7部の割合で混合し、2成分現像剤を作製した。その現像剤を用いて2成分系現像方法で現像し、本発明に係る画像品質評価方法により上述した各種条件で転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果、図3のように部分的に急激にトナー高さが高くなる現象はなく、転写紙上の平均トナー高さが10.61μmと高くなり優れた特性を示した。また、転写紙上トナー層の高さ分布を測定した結果を図4に示す。
【0106】
また、図5は実施例1のトナー高さの測定結果を示すグラフ、図6は実施例2のトナー高さの測定結果を示すグラフ、図7は実施例3のトナー高さの測定結果を示すグラフ、図8は実施例4のトナー高さの測定結果を示すグラフ、図9は実施例5のトナー高さの測定結果を示すグラフである。
【0107】
なお、画像品質と転写紙上トナー層高さとの間には密接な関係が存在する。
トナーの現像性および転写性が優れ、ドット再現性が良くて画像濃度ムラが無い場合には、転写紙上のトナー層高さの平均値が大きくなり、トナー層高さバラツキが小さくなる。一方、トナーの現像性および転写性が劣り、ドット再現性が悪く画像濃度ムラがある場合には、転写紙上のトナー層高さの平均値が小さくなり、トナー層高さバラツキが大きくなる。
以上の実施例おいても上述の画像品質と転写紙上トナー層高さとの関係が確認された。
【符号の説明】
【0108】
1 照射手段
1a 半導体レーザ
1b 集光レンズ
2 測定手段
2a 光位置検出素子
2b 受光レンズ
3 記録媒体(転写紙)
10 測定ユニット
11 吸引手段
12 高精度移動ステージ
13 記録媒体ドラム
14 感光体ドラム
15 帯電手段(帯電ブレード)
16 現像手段(現像ローラ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【特許文献1】特開2001−125389号公報
【特許文献2】特開2002−311638号公報
【特許文献3】特許3058232号公報
【特許文献4】特開平01−203941号公報
【特許文献5】特開平04−116449号公報
【特許文献6】特開2000−292967号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー層が表面に担持されてなる記録媒体の表面にレーザ光を照射する照射手段と、
前記レーザ光の反射光を検出する測定手段と、
前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段と、
前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の任意の位置に駆動する駆動手段と、を備え、
前記駆動手段が、前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の所定の位置に駆動した後、
前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射して、前記測定手段により吸引前反射光を検出し、
次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、
しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段により吸引後反射光を検出し、
前記吸引手段によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定することを特徴とする画像品質評価装置。
【請求項2】
前記照射手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の表面にレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引前反射光の位置変化から当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを測定し、
次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、
しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引後反射光の位置変化から当該記録媒体の表面の高さを測定し、
前記記録媒体上の所定の位置でのトナー吸引前後の高さの違いにより当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを評価することを特徴とする請求項1に記載の画像品質評価装置。
【請求項3】
前記照射手段は、レーザ光のレーザ照射パワーが0.1〜10mWであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像品質評価装置。
【請求項4】
前記照射手段は、レーザ光のレーザスポット径が10〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像品質評価装置。
【請求項5】
前記測定手段は、ワークディスタンスが5〜30mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像品質評価装置。
【請求項6】
前記吸引手段は、吸引速度が10〜50〔l/min〕であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像品質評価装置。
【請求項7】
前記吸引手段は吸込み口よりトナーを吸引し、該吸込み口の面積が4〜20mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像品質評価装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、駆動精度が1〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像品質評価装置。
【請求項9】
記録媒体表面にトナー層を形成する画像形成部と、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像品質評価装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成部は、感光体と、該感光体表面を一様帯電せしめる帯電手段と、前記感光体表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着せしめる定着手段と、を備えることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
トナー層が表面に担持されてなる記録媒体の表面にレーザ光を照射する照射手段と、
前記レーザ光の反射光を検出する測定手段と、
前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引する吸引手段と、
前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の任意の位置に駆動する駆動手段と、を備える画像品質評価装置により画像品質評価を行う画像品質評価方法であって、
(I)前記駆動手段により前記照射手段、前記測定手段及び前記吸引手段を前記記録媒体上の所定の位置に駆動した後、
(II)前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射して、前記測定手段により吸引前反射光を検出し、
(III)次いで、前記記録媒体上の所定の位置において前記吸引手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナーを吸引し、
(IV)しかる後に、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段により吸引後反射光を検出し、
前記吸引手段によるトナー吸引前後の反射光の違いを測定することを特徴とする画像品質評価方法。
【請求項12】
前記(I)は、前記照射手段が前記記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の表面にレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引前反射光の位置変化から当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを測定し、
前記(III)は、当該吸引手段によりトナーが吸引された後の前記記録媒体上の所定の位置において前記照射手段がレーザ光を照射し、前記測定手段が検出した前記吸引後反射光の位置変化から当該記録媒体の表面の高さを測定し、
前記記録媒体上の所定の位置でのトナー吸引前後の高さの違いにより当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層の高さを評価することを特徴とする請求項11に記載の画像品質評価方法。
【請求項13】
前記トナーは、重量平均粒径が4〜8μmであることを特徴とする請求項11または12に記載の画像品質評価方法。
【請求項14】
前記(I)乃至(IV)を繰り返し、前記記録媒体上の所定の範囲内における当該記録媒体の表面に担持されてなるトナー層高さの分布を評価して転写性の評価を行なうことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の画像評価方法。
【請求項15】
記録媒体の表面にトナー層を形成する画像形成工程を備え、
該画像形成工程により形成された記録媒体の表面に担持されたトナー層を、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像評価方法により評価することを特徴とする画像形成方法。
【請求項16】
感光体表面を一様帯電せしめる帯電工程と、
前記感光体表面に静電潜像を形成する露光工程と、
前記感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着せしめる定着工程と、を備え、
前記転写工程の後、且つ、前記定着工程の前に、前記記録媒体の表面に担持されたトナー層を、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の画像評価方法により評価することを特徴とする画像形成方法。
【請求項17】
ランニング時の定着前の前記記録媒体の表面に担持されたトナー層高さ分布変化を評価し、画像品質の安定性を評価することを特徴とする請求項15または16に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−83642(P2012−83642A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231397(P2010−231397)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】