説明

画像変倍装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル化された画像に対して変倍処理を行う画像変倍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル画像の変倍処理とは、原画像のサンプリング間隔とは異なる間隔を持った仮想サンプリング点による再サンプリングと考えることができる。図17は、簡単のため一次元データの場合の再サンプリングによる変倍処理を説明する図である。
【0003】この仮想サンプル点は、原画像のサンプル点とは異なる位置にあるので、原画像の画素データを補間して、変換画像サンプル点の画素データを決定することが変倍処理の中心課題となる。斯る変倍のための補間法としては、従来から線形補間法が良く知られているが、この方法では画像のボケが発生するという問題があった。
【0004】本出願人は、先に、画像の変倍処理に適用可能であるディジタル画像の非線形な濃度補間装置を提案した(特願平4−79976号)。この提案した非線形補間装置によってボケの少ない変倍処理が可能になった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原画像中に文字などの線画像の他に絵柄を含む場合には、前述したボケだけではなく、モアレやテキスチャの乱れなどの画質の劣化を生じる。これらの画質劣化は、前述した再サンプリングによる折り返し歪と考えることができる。
【0006】すなわち、網点で構成された印刷物の原稿をスキャナで読み取ったディジタル画像には多くの高周波成分が含まれている。また、ディザ法または誤差拡散法によって生成された擬似中間調画像は、局所的な白黒画素の画素数比で擬似的に中間調が表現されるので、それぞれ特有の高周波成分を含んでいる。それらが再サンプリングにより折り返えされて、周期性の強い組織的ディザ画像の場合はモアレが発生し、またランダム性の強い誤差拡散法の場合は、テキスチャの乱れとなって画質を劣化させることになる。
【0007】このように、これらの画質劣化は、原画像の高周波成分が原因であり、その改善のためには変倍処理の前に、高周波成分を除去する処理が必要となる(なお、ディジタル画像の変倍処理の前に平滑化を行う画像処理装置としては、特開平1−134577号公報に記載の技術がある)。
【0008】しかしながら、モアレ、テキスチャの乱れの原因となる周波数領域は、変倍率および画像の種類によっても異なる。つまり、変倍率が小さくなるほど再サンプリングのピッチが大きくなり、折り返しの中心周波数が低くなるので、より低周波成分までも除去する必要がある。
【0009】他方、文字などの擬似中間調でない2値画像では、モアレなどの画質劣化の問題が発生しないが、鮮明なエッジを表現するために、高周波成分が必要になる。本発明は、以上の点を考慮してなされたものである。
【0010】本発明の目的は、変倍率および画像の種類に応じた最適な周波数特性を有し、画質劣化の少ない画像変倍装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、ディジタル化された原画像に対して所定の変倍率で変倍処理を行う画像変倍装置において、前記原画像に対して複数の異なる特性のフィルタを用いてそれぞれ演算を行う複数の演算手段と、前記原画像からエッジ領域を検出するエッジ領域検出手段と、該エッジ領域検出手段によるエッジ領域の検出結果と前記所定の変倍率とを基に前記演算手段の一つを選択する選択手段と、該選択された演算手段による演算後の画像を変倍し、前記演算後の画像の画素格子間に位置する変倍後の変換画素の値を、前記演算後の画像の画素値を所定の補間処理法を用いて算出する補間処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明では、前記フィルタとして、平滑化の程度が異なる複数の平滑化フィルタを用い、前記選択手段は、前記所定の変倍率が大きい程、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記所定の変倍率が小さい程、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出したとき、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出しないとき、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択することを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明では、前記フィルタとして、平滑化を行わない無変換フィルタを用い、前記選択手段は、前記所定の変倍率が第の倍率以上のとき、または前記所定の変倍率が第の倍率以上でありかつ前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出したとき、前記無変換フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択することを特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明では、前記補間処理手段は、前記所定の変倍率、前記原画像の種類を指定する情報、または前記エッジ領域検出手段によるエッジ領域の検出結果に応じて、前記補間処理法を変更することを特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明では、前記補間処理手段は、前記変換画素の位置を非線形変換する非線形変換手段と、該非線形変換された位置の周囲にある前記演算後の画像の画素値を線形補間する線形補間手段からなることを特徴としている。
【0016】
【作用】平滑化部は、フィルタ係数が異なる複数のフィルタによって構成され、エッジ領域検出部におけるエッジ画素検出結果によって、エッジ領域に対しては、エッジの保存のために弱い平滑化処理を施し、非エッジ領域に対しては、モアレやテキスチャの乱れを防止するために強い平滑化処理を施す。また、指定された変倍率に応じてフィルタを切り替える。補間変倍部は、変倍率とエッジ検出結果に応じて、補間法を変える。すなわち、100%に近い変倍率とエッジ領域に対しては、非線形な補間処理を行い、非エッジ領域に対しては線形に補間処理する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明する。本発明は、平滑化処理と補間変倍処理の二段階構成を採り、エッジ検出結果と変倍率に応じて平滑化フィルタと補間法を切り替えることによって、前述した倍率および画像の種類に応じた最適な周波数特性を持つようにしたものである。
【0018】すなわち、まず原画像に対して、エッジの保存のために弱い平滑化の必要なエッジ領域と、モアレやテキスチャの乱れを防止するために強い平滑化処理の必要な非エッジ領域とを判別するためにエッジ検出を行う。
【0019】平滑化処理は、複数の特性のフィルタを用意し、上記エッジ検出の結果と変倍率によって、その内の一つを選択してフィルタリング処理を行う。次いで、変倍処理を補間によって実行する。このとき、100%に近い倍率およびエッジ部では非線形な補間処理を行い、ボケを防止する。そして、最後の処理として、出力画像データを所定の階調数に合わせるために、階調処理を施して変倍画像が得られる。
【0020】図1は、本実施例のブロック構成図であり、1は、入力画像からエッジ領域を検出するエッジ領域検出部、2は、特性が異なる複数のフィルタによって構成され、原画像の平滑化処理を行う平滑化部、3は、補間によって変倍処理を行う補間変倍部、4は、2値データあるいは多値データに階調処理する階調変換部、5は、プリンタ、6は、ディスプレイである。
【0021】原画像が2値画像である場合のエッジ領域の検出は次のようにして行う。すなわち、エッジ領域検出部1では、原画像の各画素に対して、予め準備した図2R>2に示すようなテンプレートとのマッチングによりエッジ画素を検出する。本実施例では、原画像の各画素を中心とする3×3画素の領域内の画素の配置が、図2に示すパターンの内の一つと一致すれば、その画素をエッジ画素として検出する。このテンプレートの構成としては、他の大きさ、配置であっても良い。このように、本発明では予め用意されたテンプレートとのマッチングによってエッジを検出しているので、小規模な回路構成でエッジ検出を行うことができる。
【0022】また、原画像が多値画像である場合のエッジ領域の検出は次のようにして行う。すなわち、エッジ領域検出部1では、原画像の各画素I(i,j)に対して、その左隣の画素I(i−1,j)とその上の画素I(i,j−1)を用い、それらの差分の絶対値の和、つまり、D=|I(i−1,j)−I(i,j)|+|I(i,j−1)−I(i,j)|を算出し、このDが所定の閾値(Dth)より大きいとき、つまりD>Dthのとき、エッジ領域として検出する。
【0023】平滑化部2は、原画像の高周波成分を除去するためにローパスフィルタによって平滑化処理を行う。図3は、平滑化部2のブロック構成図である。変倍率および画像の種類によって必要とする平滑化の程度が異なるので、複数のフィルタを設け(フィルタリング演算部1からN)、指定された変倍率および前述したエッジ検出の結果に応じて、選択部はフィルタを切り替える。さらに、利用者からの指示情報によってフィルタを切り替える方法もある。すなわち、利用者が例えばキー入力によって文字または絵柄の画像種を指示し、該指示に応じてフィルタを選択する。
【0024】図4(a)、(b)、(c)は、フィルタの一例を示す図である。すなわち、図4(a)は、入力画像を素通りして平滑化処理を行わないフィルタ、(b)は、弱い平滑化処理を施すローパスフィルタ、(c)は、強い平滑化処理を施すローパスフィルタの例である。
【0025】そして、図5に示すように、変倍率およびエッジ検出の結果に従って、使用するフィルタを決める。例えば、変倍率が90%以上でエッジと検出された画素に対しては、図4(a)のフィルタを用い、平滑化処理することなく補間変倍部3に出力する。変倍率が95%から90%で非エッジと検出された画素に対しては、図4(b)のフィルタを用いてフィルタリング処理、つまり弱い平滑化処理を施す。非エッジ領域に対しては、図4(c)のフィルタを用いて強い平滑化処理を施す。
【0026】すなわち、同じ変倍率では、「非エッジ」の方が「エッジ」よりも強い平滑化フィルタを使用し、同じエッジ状態では、変倍率が大きい程、弱い平滑化フィルタを使用し、変倍率が小さい程、強い平滑化フィルタを使用する。
【0027】このように平滑化された画像に対して、変倍処理される。変倍のための補間法としては、原画素4点を用いた線形補間法が良く知られている(例えば、特開昭64−51765号公報を参照)。
【0028】すなわち、この方法は、図6において、変換画素Q(i,j)の画素値として、変換画素を取り囲む4つの平滑化画素F(k,l),F(k+1,l),F(k,l+1),F(k+1,l+1)と、相対位置Δx,Δy(変換画素位置を原画像上に写像したときの位置)とから、 Q(i,j)=((1−Δx)(1−Δy))F(k,l)+(Δx(1−Δy))F(k+1,l)+((1−Δx)Δy)F(k,l+1)+(ΔxΔy)F(k+1,l+1) 式(1)
とする方法である。
【0029】ここで、原画像の格子間隔を1とし、また変倍率をmagとする。従って、原画像上に写像した変換画像の格子間隔は、1/magとなる。そして、式(1)のi,j,Δx,Δyは、k=〔i/mag〕 式(2)
l=〔j/mag〕 式(3)
Δx=i/mag−k 式(4)
Δy=j/mag−l 式(5)
となる。ただし、〔 〕は、ガウスの階段関数である。また、k,lを変換画素i,jの絶対座標、Δx,Δyを相対座標という。
【0030】上記した線形補間方法は、文字など濃度変化の激しい画像や2値画像に対しては、エッジ部分で濃度変化が緩やかになり、画像のボケが発生する。すなわち、図7に示すように、原画像上で最大濃度と最低濃度の画素が隣合っていても、仮想サンプリング点が原画像格子点の中間部分にあれば、中間濃度の画素が発生し、この結果画像のボケが生じる。
【0031】このような、図8(a)に示す線形補間法に対して、間引き法は、図8(b)に示すような補間の一種と考えることもできる。そこで、本発明では、線形補間と間引き法の中間を狙い、図8(c)に示すような非線形な補間を行う。
【0032】このような本発明の非線形補間によって、図9に示すように文字の如き濃度変化の激しい画像に対しても、補間処理のために不要な中間濃度画素の発生が少なくなり、ボケの少ない変倍処理が可能となる。
【0033】図10は、本実施例の補間変倍部3のブロック構成図である。図10において、位置演算部は、変換画素の原画像上での対応位置を演算によって求めるもので、上記した式(2)から(5)の絶対座標k,lと、相対座標Δx,Δyを算出する。絶対座標位置とは、補間を行うために参照する入力画素の位置であり、相対座標位置とは、1つの入力画像格子内での変換画素の位置を示すものである。
【0034】本実施例では、原画像の画素間隔の256分の1を単位として、変換画像の格子間隔を表現する。つまり、変倍率をmagとすると、変換画像の仮想画素間隔stepは〔256/mag〕となる。
【0035】このとき、変換画素i,jに対する絶対座標k,lおよび相対座標Δx,Δyは、以下のようにして算出される。
【0036】
k=〔(i×step)/256〕 式(6)
l=〔(j×step)/256〕 式(7)
Δx=(i×step)mod256 式(8)
Δy=(j×step)mod256 式(9)
ただし、modは剰余演算子である。
【0037】非線形変換部は、位置演算部で計算された絶対位置および相対位置を、後述する線形補間部で使用する前に非線形な変換を施す。つまり、式(1)における相対座標Δx,Δyの代わりに、Δx,Δyを図11に示すように非線形変換したΔx’,Δy’を使用する。
【0038】本実施例では、相対座標の上位5ビット、32段階を使い、図12のようなルックアップテーブルを参照することによって、2ビット、4段階に変換する。
【0039】線形補間部は、非線形変換部で非線形変換された位置データk’,l’,Δx’,Δy’を用いて、式(1)のように線形補間を行う。このように、本実施例では、非線形変換部と線形補間部との組み合わせにより、非線形補間が実行可能となる。また、非線形変換はS字型の特性を持つので、ボケの発生が少ない補間処理が可能となる。さらに、非線形変換の手段としてルックアップテーブルを用いているので、安価にかつ柔軟に非線形変換を行うことが可能となる。
【0040】なお、線形補間部では、本出願人が既に提案した周囲3画素を用いて線形補間することもできる(特願平3−108728号)。この3点補間を用いることによって、4点の線形補間よりも更に小規模な回路によって構成することが可能となる。
【0041】他の実施例の補間変倍部3では、変倍率によって補間法を変更する。すなわち、100%に近い変倍率ではボケが目立ち、細線の抜けが起こりにくいので、より間引き法に近い補間法を採り、他方小さく縮小する場合は、逆に細線の抜けが起こり易く、ボケが目立たないので、線形に近い補間法を採る。具体的には、図1010のブロック構成図において、非線形変換用のルックアップテーブルをRAMで構成し、変倍率に応じてその内容を書き換えることにより実現される。本実施例では、倍率を50%未満、50%以上90%未満、90%以上に分け、それぞれの場合について、図13、図14R>4、図15に示す内容のテーブルを用いる。ただし、先の実施例と異なり変換後のΔx’,Δy’は32段階となっている。
【0042】補間方法を決定する他の方法としては、利用者からの指示情報を用いる方法がある。すなわち、利用者が例えばキー入力によって文字または絵柄の画像種を指示し、該指示に応じて最適な補間方法を採用する。すなわち、文字が指示されたときは間引き法により補間処理を行い、絵柄が指示されたときは線形補間によって補間処理を行う。
【0043】さらに他の方法としては、エッジ領域検出部の検出結果を用いる方法がある。すなわち、エッジ領域であるならば間引き法により補間処理を行い、非エッジ領域ならば線形補間によって補間処理を行う。このように、非エッジ領域に対してはエッジ領域よりも線形に近い補間を行っているので、ボケの少ない文字画像が得られ、またモアレのない絵柄画像が得られる。
【0044】平滑化処理後、補間変倍処理によって生成された画像は、原画像とそれに対する処理方法によって決まる階調数の多階調データとなっている。例えば、原画像が0または1の2値画像である場合、図4(c)のローパスフィルタで平滑化すると、0から9までのデータとなり、さらに、図11の非線形変換を使った4点補間を行うと、0から144までの範囲のデータとなる。そこで、階調変換部4では、これを必要に応じて所望の階調数に変換する。例えば、2値のプリンタに出力するためには多値データを2値データに変換する。
【0045】すなわち、階調変換部は、2値データに変換する場合、中間調を再現するために、また2値化を行う際に新たなモアレの発生を防ぐために、誤差拡散法によって2値化する。また、階調数が2値に限らず、多値の誤差拡散法によって、例えば16階調のディスプレイ装置に表示する場合には、16階調に変換することもでき、同様に多値プリントアウトも可能である。
【0046】さらに、階調変換部では、テーブル変換によって所定の階調数に変換することもできる。例えば、145階調を256階調に変換するには、図16に示すテーブルを使用すればよい。
【0047】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の発明によれば、エッジ領域の検出結果、変倍率に応じてフィルタを選択しているので、画像種と変倍率に応じた最適な平滑化処理を施すことができる。
【0048】請求項2記載の発明によれば、選択手段は、前記所定の変倍率が大きい程、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記所定の変倍率が小さい程、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出したとき、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出しないとき、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択しているので、モアレやボケの少ない変倍処理が可能となる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、変倍率が第の倍率以上のとき、または変倍率が第の倍率以上でありかつエッジ領域に対しては平滑化処理を施さないので、モアレやボケの少ない変倍処理が可能となる。
【0050】請求項4記載の発明によれば、変倍率、画像種の指定情報、または画像の特徴量のいずれかの情報に応じて補間処理を変更しているので、それぞれの条件に最適な線形補間または非線形補間を選択することができる。
【0051】請求項5記載の発明によれば、補間処理として位置情報を非線形変換した後、線形補間を行うので非線形補間を小規模な回路によって構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック構成図である。
【図2】エッジ検出のためのテンプレートを示す図である。
【図3】平滑化部のブロック構成図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、特性が異なる3種類のフィルタ例である。
【図5】変倍率とエッジ検出結果によってフィルタが選択される図である。
【図6】原画素4点を用いた従来の線形補間法を説明する図である。
【図7】線形補間による画像のボケを説明する図である。
【図8】(a)は、線形補間を説明する図である。
(b)は、補間による間引き法を説明する図である。
(c)は、本実施例の非線形補間を説明する図である。
【図9】非線形補間によるボケの少ない変倍処理を説明する図である。
【図10】補間変倍部のブロック構成図である。
【図11】非線形変換部の構成を示す図である。
【図12】非線形変換部をルックアップテーブルで構成した図である。
【図13】倍率が50%未満の場合のルックアップテーブルの内容を示す図である。
【図14】倍率が50%以上90%未満の場合のルックアップテーブルの内容を示す図である。
【図15】倍率が90%以上の場合のルックアップテーブルの内容を示す図である。
【図16】145階調を256階調へ変換する変換テーブルである。
【図17】再サンプリングによる変倍を説明する図である。
【符号の説明】
1 エッジ領域検出部
2 平滑化部
3 補間変倍部
4 階調変換部
5 プリンタ
6 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディジタル化された原画像に対して所定の変倍率で変倍処理を行う画像変倍装置において、前記原画像に対して複数の異なる特性のフィルタを用いてそれぞれ演算を行う複数の演算手段と、前記原画像からエッジ領域を検出するエッジ領域検出手段と、該エッジ領域検出手段によるエッジ領域の検出結果と前記所定の変倍率とを基に前記演算手段の一つを選択する選択手段と、該選択された演算手段による演算後の画像を変倍し、前記演算後の画像の画素格子間に位置する変倍後の変換画素の値を、前記演算後の画像の画素値を所定の補間処理法を用いて算出する補間処理手段とを備えたことを特徴とする画像変倍装置。
【請求項2】 前記フィルタとして、平滑化の程度が異なる複数の平滑化フィルタを用い、前記選択手段は、記所定の変倍率が大きい程、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記所定の変倍率が小さい程、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出したとき、弱い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択し、前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出しないとき、強い平滑化フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択することを特徴とする請求項1記載の画像変倍装置。
【請求項3】 前記フィルタとして、平滑化を行わない無変換フィルタを用い、前記選択手段は、前記所定の変倍率が第の倍率以上のとき、または前記所定の変倍率が第の倍率以上でありかつ前記エッジ領域検出手段がエッジ領域を検出したとき、前記無変換フィルタを用いて演算を行う演算手段を選択することを特徴とする請求項1記載の画像変倍装置。
【請求項4】 前記補間処理手段は、前記所定の変倍率、前記原画像の種類を指定する情報、または前記エッジ領域検出手段によるエッジ領域の検出結果に応じて、前記補間処理法を変更することを特徴とする請求項1記載の画像変倍装置。
【請求項5】 前記補間処理手段は、前記変換画素の位置を非線形変換する非線形変換手段と、該非線形変換された位置の周囲にある前記演算後の画像の画素値を線形補間する線形補間手段からなることを特徴とする請求項1記載の画像変倍装置。

【図1】
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【図16】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図13】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【特許番号】特許第3143209号(P3143209)
【登録日】平成12年12月22日(2000.12.22)
【発行日】平成13年3月7日(2001.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−132415
【出願日】平成4年5月25日(1992.5.25)
【公開番号】特開平5−328106
【公開日】平成5年12月10日(1993.12.10)
【審査請求日】平成9年5月13日(1997.5.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【参考文献】
【文献】特開 平2−109465(JP,A)
【文献】特開 平3−171972(JP,A)