説明

画像形成システム及び画像形成装置

【課題】連続紙の表裏両面の各々に、測定した連続紙の幅に基づく基準位置に基づいて画像を形成する場合と比較して、連続紙の表裏両面において形成される画像の位置ずれを低減することができるようにする。
【解決手段】上流側の画像形成装置及び下流側の画像形成装置における搬送基準面に突き当てられる連続紙の幅方向の片側端辺が、上流側の画像形成装置及び下流側の画像形成装置において異なる。上流側の画像形成装置では、連続紙について測定された幅情報に基づいて、連続紙の幅方向の一方の片側端辺に対する画像形成基準位置を決定し、搬送方向下流側の画像形成装置では、連続紙について予め定められた幅情報に基づいて、連続紙の幅方向の他方の片側端辺に対する画像形成基準位置を決定する。これによって、連続紙の幅情報の誤差分が、連続紙の幅方向の同じ片側端辺側に割り当てられて、連続紙の第1面及び第2面の両面に、画像が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷する頁の大きさについて任意の横幅、縦幅を指定するコマンドと印刷方向の種類を指定するコマンドとを受信し、物理用紙上に定めた原点と印刷方向とを基準にして当該コマンドで指定された横幅、縦長さの大きさの論理頁を物理頁上に配置し、片面印刷が指定されている条件でその論理頁上の用紙片面に印刷する印刷装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、印字用連続紙の用紙幅を測定する用紙幅測定手段と、用紙幅測定手段による測定結果に基づき印字開始位置を算出する印字開始位置制御手段と、今回の用紙幅を測定する直前まで設定されていた用紙幅の測定値を記憶する記憶手段とを有する両面プリンタ装置が知られている(特許文献2)。この両面プリンタ装置の印字開始位置制御手段では、用紙幅測定手段による測定した測定値と記憶手段に記憶されている測定値とを比較して印字開始位置を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−343017号公報
【特許文献2】特開2006−7668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
連続紙の表裏両面の各々に、測定した連続紙の幅に基づく基準位置に基づいて画像を形成する場合と比較して、連続紙の表裏両面において形成される画像の位置ずれを低減することができる画像形成システム及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る画像形成システムは、連続紙を表裏反転させる反転機構と、前記連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記連続紙を用紙連続方向に搬送する第1搬送手段、及び前記片側端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか一方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の一方の面に、画像を形成する第1画像形成手段を含む前記反転機構の搬送方向上流側に配置された上流側画像形成装置と、前記連続紙の前記片側端辺と反対側の端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記反転機構によって表裏反転した連続紙を、用紙連続方向に搬送する第2搬送手段、及び前記反対側の端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか他方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の他方の面に、画像を形成する第2画像形成手段を含む前記反転機構の搬送方向下流側に配置された下流側画像形成装置と、を含んで構成されている。
【0007】
請求項2記載の発明に係る画像形成装置は、連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記連続紙を用紙連続方向に搬送する第1搬送手段と、前記片側端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか一方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の一方の面に、画像を形成する第1画像形成手段と、前記第2画像形成手段によって画像が形成された連続紙を表裏反転させる反転機構と、前記連続紙の前記片側端辺と反対側の端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記反転機構によって表裏反転した連続紙を、用紙連続方向に搬送する第2搬送手段と、前記反対側の端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか他方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の他方の面に、画像を形成する第2画像形成手段と、を含んで構成されている。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、請求項1記載の画像形成システムによれば、連続紙の表裏両面の各々に、測定した連続紙の幅に基づく基準位置に基づいて画像を形成する場合と比較して、連続紙の表裏両面において形成される画像の位置ずれを低減することができる、という効果が得られる。
【0009】
請求項2記載の画像形成装置によれば、連続紙の表裏両面の各々に、測定した連続紙の幅に基づく基準位置に基づいて画像を形成する場合と比較して、連続紙の表裏両面において形成される画像の位置ずれを低減することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。
【図2】反転装置のターンバー機構によって連続紙を反転させる様子を示す図である。
【図3】後処理装置において、連続紙をカットする様子を示す図である。
【図4】連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送基準面に突き当てて、連続紙を搬送する様子を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの上流側システムのシステムコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図7】第1面用印字データが表わす画像、カラー調整用マーク、及びページ調整用マークを、連続紙の第1面に形成する様子を示すイメージ図である。
【図8】(A)測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する方法を説明するための図、及び(B)予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する方法を説明するための図である。
【図9】(A)測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置としてのDot位置を決定する方法を説明するための図、及び(B)予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置としてのDot位置を決定する方法を説明するための図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの下流側システムのシステムコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図11】連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送基準面に突き当てて、連続紙を搬送する様子を示す図である。
【図12】(A)測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する方法を説明するための図、及び(B)予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する方法を説明するための図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システム10は、搬送方向上流側の上流側システム12、及び搬送方向下流側の下流側システム14を備えている。
【0013】
上流側システム12は、前処理装置16、バッファ装置18、画像形成装置20、及び反転装置22を備えており、前処理装置16に装着された、一方向に連続した用紙である連続紙21を、バッファ装置18を介して画像形成装置20へ供給し、画像形成装置20によって連続紙21の一方の面(第1面)に対して画像形成を行った後に、反転装置22を介して連続紙21を反転させて、下流側システム14に搬送する。前処理装置16は、連続紙21に画像形成を行う前の種々の前処理(例えば、パンチや切り取り線等の作成)を行う。反転装置22は、ターンバー機構22Aを備え、連続紙21の第1面と第2面とを入れ替える(反転させる)。図2に示すように、ターンバー機構22Aにより連続紙21の第1面と第2面とが反転されると、連続紙21の幅方向の端辺も反転される。なお、本実施の形態では、上流側システム12、下流側システム14が、画像を形成するための材料としてトナーを用いて、連続紙21に画像を形成する場合について説明する。
【0014】
また、バッファ装置18及び反転装置22は、連続紙21を予め定めた量まで蓄積するように構成され、バッファ装置18は、前処理装置16の処理速度と画像形成装置20の処理速度の差を吸収し、反転装置22は、画像形成装置20の処理速度と、下流側システム14の処理速度の差を吸収する。
【0015】
前処理装置16は、用紙幅測定センサ19を備え、用紙幅測定センサ19によって、前処理装置16に装着された連続紙21の用紙幅を測定する。
【0016】
画像形成装置20は、前処理装置16によって供給された連続紙21を、ニップ圧により用紙連続方向に搬送する複数の搬送ローラ23を備え、搬送路上に連続紙21を搬送させる。画像形成装置20は、画像形成機構24を備えており、連続紙21に画像を形成する。画像形成機構24は、電子写真方式によって連続紙21に画像を形成する構成とされている。具体的には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対応する感光体ドラム26の周囲に、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び除電装置等が順番に配置され、定着装置28が連続紙搬送方向下流側に配置されている。
【0017】
すなわち、感光体ドラム26が回転され、帯電装置によって感光体ドラム26の表面が均一に帯電され、これによって感光体ドラム26の表面に露光装置によって潜像が形成される。そして、感光体ドラム26の表面に形成された潜像が現像装置によって現像されてトナー像が形成され、このトナー像が転写装置によって連続紙21に転写される。また、連続紙21に転写されたトナー像は定着装置28によって定着が行われる。また、転写装置によって連続紙21に転写されずに残存した感光体ドラム26の表面のトナーは、クリーニング装置によって除去され、除電装置によって除電された後に、再び、帯電装置による帯電から上述した処理が繰り返されることによって画像形成が行われる。なお、図1では、カラー画像形成を行う画像形成装置として示すが、これに限るものではなく、感光体ドラム26を1つ備えて白黒画像形成を行う画像形成装置を用いてもよい。
【0018】
画像形成装置20は、感光体ドラム26より下流の搬送路上に、カラー調整用マーク読取装置29を備えている。カラー調整用マーク読取装置29は、例えば、スポット型の光学センサで構成され、搬送されている連続紙21の第1面上に画像形成されたカラー調整用マークを、1次元に読み取る。
【0019】
搬送方向下流側の下流側システム14は、画像形成装置32、バッファ装置34、及び後処理装置36を備えており、反転装置22から搬送された連続紙21を、バッファ装置34を介して画像形成装置32に供給する。画像形成装置32によって連続紙21の他方の面(第2面)に対して画像形成を行った後に、バッファ装置34を介して、後処理装置36に搬送する。後処理装置36は、連続紙21を巻き取ると共に、画像形成装置20及び画像形成装置32によって両面に画像が形成された連続紙21に対して、種々の後処理を行う。例えば、後処理装置36は、図3に示すように、画像が形成された部分のサイズに連続紙21をカットする。
【0020】
また、バッファ装置34は、連続紙21を予め定めた量だけ蓄積するように構成されており、バッファ装置34は、画像形成装置32の処理速度と後処理装置36の処理速度の差を吸収する。
【0021】
画像形成装置32は、画像形成装置20の画像形成機構24と同様の搬送ローラ23及び画像形成機構30を備えており、連続紙21を搬送路上に搬送させると共に、連続紙21の他方の面(第2面)に画像を形成する。画像形成機構30は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対応する感光体ドラム26の周囲に、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び除電装置等が順番に配置され、定着装置28が連続紙搬送方向下流側に配置されている。また、画像形成装置32は、感光体ドラム26より下流の搬送路上に、カラー調整用マーク読取装置29を備えている。
【0022】
画像形成装置32は、画像形成機構30より上流の搬送路上に、ページ調整用マーク読取装置38を備えている。ページ調整用マーク読取装置38は、例えば、スポット型の光学センサで構成され、搬送されている連続紙21の第1面上に画像形成されたページ調整用マークを、1次元に読み取る。
【0023】
画像形成装置20では、図4に示すように、連続紙21の幅方向の一方の片側端辺を、搬送方向に沿って搬送路に設けられた搬送基準面に突き当てて、搬送される。また、反転装置22によって、連続紙21の幅方向の端辺が、反転するように、表裏反転されるため、画像形成装置32では、連続紙21の幅方向の他方の片側端辺を、搬送方向に沿って搬送路に設けられた搬送基準面に突き当てて、搬送される。なお、本実施の形態では、画像形成装置20、32における搬送基準面が、搬送路における、搬送方向と直交する方向の同じ一端側に配置されており、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の幅方向の片側端辺が、画像形成装置20、32において異なる場合を例に説明する。
【0024】
また、図5に示すように、上流側システム12の画像形成装置20は、システムコントローラ40、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)44、NVM(Non Volatile Memory)46、及び通信インタフェース48を含んで構成されている。システムコントローラ40には、ROM42、RAM44、NVM46、通信インタフェース48、画像形成機構24、及びカラー調整用マーク読取装置29が接続されている。
【0025】
ROM42は、画像形成処理プログラムや各種パラメータ、制御に必要な各種データ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM44は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM46は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0026】
システムコントローラ40は、CPU(中央演算処理装置)及びその周辺回路等から構成され、予め定められたプログラムに従って搬送方向上流側の上流側システム12の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ40は、画像形成機構24の作動を制御すると共に、ROM42、RAM44、及びNVM46の読み書き制御等を行う。
【0027】
また、下流側システム14の画像形成装置32は、システムコントローラ50、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)54、NVM(Non Volatile Memory)56、及び通信インタフェース58を含んで構成されている。システムコントローラ50には、ROM52、RAM54、NVM56、通信インタフェース58、カラー調整用マーク読取装置29、ページ調整用マーク読取装置38、及び画像形成機構30が接続されている。
【0028】
ROM52は、画像形成処理プログラムや各種パラメータ、制御に必要な各種データ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM54は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM56は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。
【0029】
システムコントローラ50は、CPU(中央演算処理装置)及びその周辺回路等から構成され、予め定められたプログラムに従って下流側システム14の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ50は、画像形成機構30の作動を制御すると共に、ROM52、RAM54、及びNVM56の読み書き制御等を行う。
【0030】
また、画像形成システム10は、コントローラ60、及び画像形成指示(印刷指示)をコントローラ60に出力するプリントサーバ62を備えている。画像形成装置20、32及び用紙幅測定センサ19と、コントローラ60とは、互いにデータやコマンドを授受するように通信手段64で接続されている。なお、画像形成システム10に、プリントサーバ62が含まれない構成としてもよい。プリントサーバ62は、一般的なサーバで構成され、コントローラ60は、一般的なパーソナルコンピュータで構成される。
【0031】
プリントサーバ62は、画像形成指示として、両面印字データをコントローラ60に出力する。
【0032】
コントローラ60は、連続紙21の第1面に画像形成するための第1面用印字データ、及び用紙幅測定センサ19によって測定された連続紙21の幅情報を含む画像形成指示を画像形成装置20に出力する。コントローラ60は、連続紙21の第2面に画像形成するための第2面用印字データ、並びに第1面用印字データ及び第2面用印字データに対して予め設定された連続紙21の幅情報を含む画像形成指示を画像形成装置32に出力する。
【0033】
画像形成装置20のシステムコントローラ40を、機能ブロックで表すと、図6に示すように、システムコントローラ40は、印字バッファ70、測定幅バッファ72、カラー調整用マーク検出部73、及び印字制御部74を備えている。
【0034】
印字バッファ70は、コントローラ60から入力された印字データを一時的に記憶する。測定幅バッファ72は、コントローラ60から入力された、連続紙21について測定された幅情報を一時的に記憶する。
【0035】
カラー調整用マーク検出部73は、カラー調整用マーク読取装置29によって読み取られた画像から、カラー調整用マークを検出する。
【0036】
印字制御部74は、第1面用印字データ、カラー調整用マークの画像データ、及びページ調整用マークの画像データに基づいて、図7に示すように、第1面用印字データが表わす画像21A、カラー調整用マーク21B、及びページ調整用マーク21Cを、連続紙21の第1面に形成するように、画像形成機構24を制御する。また、印字制御部74は、カラー調整用マーク検出部73による検出結果に基づいて、各感光体ドラム26によって形成される各色の画像の、搬送方向の位置ずれを低減するように、画像形成機構24を制御する。
【0037】
また、印字制御部74では、図8(A)に示すように、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の一方の片側端辺から、測定された幅だけ離れた位置に基づいて、画像形成基準位置(書き出し位置)が決定され、連続紙21の第1面に、第1面用印字データが表わす画像21A、カラー調整用マーク21B、及びページ調整用マーク21Cが形成される。例えば、図9(A)に示すように、画像形成基準位置が決定される。ここでは、LEDアレイによる露光系での画像形成基準位置の決定方法を例に説明する。画像形成装置20では、画像形成基準位置を、測定された実際の用紙幅を用いて算出する。LEDアレイと連続紙21上には取り付け誤差が生じるため、連続紙21の片側端辺位置と、LEDアレイ上のDot位置を合わせるための調整値LxUを予め設定しておく。
【0038】
このとき、画像形成装置20における、連続紙21の片側端辺位置に対する画像形成基準位置(LEDアレイ上のDot位置)PsUは、連続紙21の測定幅をLPwRとした場合、以下の(1)式で算出される。
sU = LPwR + LxU ・・・(1)
【0039】
なお、ページ調整用マーク21Cは、上記図7に示すように、各ページの固定位置に形成され、連続紙21の第1面に、ページの用紙連続方向の大きさに応じた間隔で、ページ調整用マーク21Cが形成される。
【0040】
画像形成装置32のシステムコントローラ50を、機能ブロックで表すと、図10に示すように、システムコントローラ50は、印字バッファ80、設定幅バッファ82、ページ調整用マーク検出部84、カラー調整用マーク検出部86、及び印字制御部88を備えている。
【0041】
印字バッファ80は、コントローラ60から入力された印字データを一時的に記憶する。設定幅バッファ82は、コントローラ60から入力された、印字データに対して予め設定された連続紙21の幅情報を一時的に記憶する。
【0042】
ページ調整用マーク検出部84は、ページ調整用マーク読取装置38によって読み取られた画像から、ページ調整用マークを検出する。カラー調整用マーク検出部86は、カラー調整用マーク読取装置29によって読み取られた画像から、カラー調整用マークを検出する。
【0043】
印字制御部88は、ページ調整用マーク検出部84によるページ調整用マークの検出タイミングに応じて、第2面用印字データ、及びカラー調整用マークの画像データに基づいて、第2面用印字データが表わす画像、及びカラー調整用マークを、連続紙21の第2面に形成するように、画像形成機構30を制御する。また、印字制御部88は、カラー調整用マーク検出部86による検出結果に基づいて、各感光体ドラム26によって形成される各色の画像の、搬送方向の位置ずれを低減するように、画像形成機構30を制御する。
【0044】
また、印字制御部88では、図8(B)に示すように、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の他方の片側端辺から、予め設定された幅だけ離れた位置に基づいて、画像形成基準位置(書き出し位置)が決定され、連続紙21の第2面に、第2面用印字データが表わす画像21A、及びカラー調整用マーク21Bが形成される。例えば、図9(B)に示すように、画像形成基準位置が決定される。画像形成装置32では、画像形成基準位置を、予め設定された用紙幅を用いて算出する。LEDアレイと連続紙21上には取り付け誤差が生じるため、連続紙21の片側端辺位置と、LEDアレイ上のDot位置を合わせるための調整値LxDを予め設定しておく。
【0045】
このとき、画像形成装置32における、連続紙21の片側端辺位置に対する画像形成基準位置(LEDアレイ上のDot位置)PsDは、連続紙21の設定幅をLPwDとした場合、以下の(2)式に従って算出される。
sD = LPwD + LxD ・・・(2)
【0046】
次に、第1の実施の形態に係る画像形成システム10の作用について説明する。
【0047】
まず、コントローラ60がプリントサーバ62から画像形成指示を受信した場合に、コントローラ60のCPUにおいて、用紙幅測定センサ19から連続紙21の幅情報が取得され、そして、画像形成制御処理が実行される。ここで、画像形成指示には、連続紙21の両面(第1面及び第2面)に画像を形成する指示を含む画像形成指示が含まれると共に、連続紙21に形成するための画像を表す第1面用印字データ及び第2面用印字データ、並びに第1面用印字データ及び第2面用印字データについて予め設定された連続紙21の幅情報が含まれる。
【0048】
コントローラ60は、画像形成指示に含まれている、用紙幅測定センサ19から取得した幅情報と、画像形成指示に含まれている、予め設定された連続紙21の幅情報とを比較して、幅情報の差分が、予め定められた値以上であるか否かを判定する。幅情報の差分が、予め定められた値以上である場合には、設定不良又は連続紙21の不良であると判断し、画像形成制御処理が中止される。
【0049】
また、コントローラ60は、画像形成指示に含まれている、第1面に形成するための画像を表す第1面用印字データ及び用紙幅測定センサ19から取得した幅情報を画像形成装置20に入力すると共に、画像形成指示に含まれている、第2面に形成するための画像を表す第2面用印字データ及び予め設定された連続紙21の幅情報を画像形成装置32に入力する。
【0050】
画像形成装置20のシステムコントローラ40は、入力された、連続紙21について測定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定し、第1面用印字データに基づいた画像21A、カラー調整用マーク21B、及びページ調整用マーク21Cを連続紙21の第1面に形成するように画像形成機構24を制御する。これによって、連続紙21の第1面に、第1面用印字データに基づく画像21A、カラー調整用マーク21B、及びページ調整用マーク21Cがページ毎に形成される。また、システムコントローラ40は、カラー調整用マーク読取装置29から読み取られた画像から、カラー調整用マークを検出し、検出結果に基づいて、各感光体ドラム26によって形成される各色の画像の、搬送方向の位置ずれを低減するように画像形成機構24を制御する。
【0051】
画像形成装置32のシステムコントローラ50では、入力された連続紙21について予め設定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定する。そして、システムコントローラ50は、ページ調整用マーク読取装置38によって読み取られた画像から、ページ調整用マークを検出し、ページ調整用マークの検出タイミングに応じて、第2面用印字データに基づいた画像21A、及びカラー調整用マーク21Bを連続紙21の第2面に形成するように画像形成機構30を制御する。これによって、連続紙21の第2面に、第2面用印字データに基づく画像21A、及びカラー調整用マーク21Bがページ毎に形成される。また、システムコントローラ50は、カラー調整用マーク読取装置29から読み取られた画像から、カラー調整用マークを検出し、検出結果に基づいて、各感光体ドラム26によって形成される各色の画像の、搬送方向の位置ずれを低減するように画像形成機構30を制御する。
【0052】
上記のように、搬送方向上流側の画像形成装置20では、連続紙21について測定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定し、搬送方向下流側の画像形成装置32では、連続紙21について予め定められた幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定する。これによって、連続紙21の幅情報の誤差分が、連続紙21の幅方向の同じ片側端辺側に割り当てられ、連続紙21の第1面及び第2面の両面に、画像が形成される。
【0053】
そして、後処理装置36では、連続紙21の第1面及び第2面の両面に形成された画像のサイズに合わせて、連続紙21をカットする。
【0054】
次に第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して、構成に関する説明を省略する。
【0055】
第2の実施の形態では、反転装置によって、連続紙21の第1面と第2面とが反転されても、連続紙21の幅方向の端辺は反転されない点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0056】
第2の実施の形態に係る画像形成システムの反転装置22では、連続紙21の幅方向の端辺を反転させずに、連続紙21の第1面と第2面とを入れ替える(反転させる)。
【0057】
また、図11に示すように、画像形成装置20における搬送基準面が、搬送路における、搬送方向と直交する方向の一端辺側に配置され、画像形成装置32における搬送基準面が、搬送路における、搬送方向と直交する方向の他端辺側に配置される。また、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の幅方向の片側端辺が、画像形成装置20、32において異なる。
【0058】
画像形成装置20では、図12(A)に示すように、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の一方の片側端辺から、測定された幅だけ離れた位置に基づいて、画像形成基準位置(書き出し位置)が決定され、連続紙21の第1面に、第1面用印字データが表わす画像21A、カラー調整用マーク21B、及びページ調整用マーク21Cが形成される。
【0059】
また、画像形成装置32では、図12(B)に示すように、搬送基準面に突き当てられる連続紙21の他方の片側端辺から、予め設定された幅だけ離れた位置に基づいて、画像形成基準位置(書き終わり位置)が決定され、連続紙21の第2面に、第2面用印字データが表わす画像21A、及びカラー調整用マーク21Bが形成される。
【0060】
上記のように、搬送方向上流側の画像形成装置20では、連続紙21について測定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定し、搬送方向下流側の画像形成装置32では、連続紙21について予め設定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定する。これによって、連続紙21の幅情報の誤差分が、連続紙21の幅方向の同じ片側端辺側に割り当てられ、連続紙21の第1面及び第2面の両面に、画像が形成される。
【0061】
第2の実施の形態に係る画像形成システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
なお、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、搬送方向上流側の画像形成装置では、測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定し、搬送方向下流側の画像形成装置では、予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、搬送方向上流側の画像形成装置において、予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定すると共に、搬送方向下流側の画像形成装置において、測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定するようにしてもよい。
【0063】
また、搬送方向上流側の画像形成装置と、搬送方向下流側の画像形成装置とによって、連続紙の両面に画像を形成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成指示に応じて、連続紙の片面だけに画像を形成するようにしてもよい。その場合には、搬送方向上流側の画像形成装置において、測定された幅情報を用いて画像形成基準位置を決定して、連続紙の片面に画像を形成し、搬送方向下流側の画像形成装置では、画像を形成せずに、連続紙を搬送する処理を行えばよい。
【0064】
また、前処理装置において、用紙幅測定センサによって、連続紙の幅を測定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、搬送方向上流側の画像形成装置内に、用紙幅測定センサを設けて、連続紙の幅を測定するようにしてもよい。また、搬送方向上流側の画像形成装置及び搬送方向下流側の画像形成装置の各々に、用紙幅測定センサを設けて、連続紙の幅を各々測定するようにしてもよい。この場合には、搬送方向上流側の画像形成装置及び搬送方向下流側の画像形成装置の各々で、測定された幅情報と予め設定された幅情報の誤差分が、予め定められた値以上であるか否かを各々判定し、少なくとも一方の画像形成装置において、誤差分が、予め定められた値以上であると判定された場合に、画像形成処理を中止するようにしてもよい。
【0065】
次に第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については同一符号を付して、説明を省略する。
【0066】
第3の実施の形態では、1台の画像形成装置によって、連続紙の両面に画像が形成されている点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0067】
図13に示すように、第3の実施の形態に係る画像形成システム310は、前処理装置16、画像形成装置314、及び後処理装置36を備えている。
【0068】
画像形成装置314は、バッファ部318、上流側画像形成部320、反転装置22、下流側画像形成部332、及びバッファ部334を備えている。バッファ部318、上流側画像形成部320、下流側画像形成部332、及びバッファ部324は、上記第1の実施の形態で説明したバッファ装置18、画像形成装置20、画像形成装置32、及びバッファ装置34と同様に構成となっているため、構成に関する説明を省略する。
【0069】
上流側画像形成部320では、連続紙21について測定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定し、下流側画像形成部332では、連続紙21について予め設定された幅情報に基づいて、画像形成基準位置を決定する。上流側画像形成部320及び下流側画像形成部332によって、連続紙21の幅情報の誤差分が、連続紙21の幅方向の同じ片側端辺側に割り当てられて、連続紙21の第1面及び第2面の両面に、画像が形成される。
【0070】
第3の実施の形態に係る画像形成システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
なお、上記の実施の形態では、搬送方向上流側の画像形成部で、測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定し、搬送方向下流側の画像形成部で、予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、搬送方向上流側の画像形成部で、予め設定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定すると共に、搬送方向下流側の画像形成部で、測定された幅情報を用いて、画像形成基準位置を決定するようにしてもよい。
【0072】
また、搬送方向上流側の画像形成部と、搬送方向下流側の画像形成部とによって、連続紙の両面に画像を形成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成指示に応じて、連続紙の片面だけに画像を形成するようにしてもよい。この場合には、搬送方向上流側の画像形成部において、測定された幅情報を用いて画像形成基準位置を決定して、連続紙の片面に画像を形成し、搬送方向下流側の画像形成部では、画像を形成せずに、連続紙を搬送する処理を行うようにすればよい。
【0073】
また、前処理装置において、用紙幅測定センサによって、連続紙の幅を測定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、搬送方向上流側の画像形成部内に、用紙幅測定センサを設けて、連続紙の幅を測定するようにしてもよい。また、搬送方向上流側の画像形成部及び搬送方向下流側の画像形成部の各々に、用紙幅測定センサを設けて、連続紙の幅を各々測定するようにしてもよい。この場合には、搬送方向上流側の画像形成部及び搬送方向下流側の画像形成部の各々で、測定された幅情報と予め設定された幅情報の誤差分が、予め定められた値以上であるか否かを各々判定し、少なくとも一方の画像形成分において、誤差分が、予め定められた値以上であると判定された場合に、画像形成処理を中止するようにしてもよい。
【0074】
また、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、画像形成装置が、画像を形成するための材料としてトナーを用いて、連続紙に画像を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置が、画像を形成するための材料としてインクを用いて、連続紙に画像を形成するようにしてもよい。また、この画像を形成するための材料は、トナー、インクに限られず、他の材料であってもよい。
【0075】
また、プリントサーバからの画像形成指示をコントローラが受信したときに、測定した幅情報を取得する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、前処理装置に連続紙がセットされたときに、用紙幅測定センサから、測定した幅情報を取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10、310 画像形成システム
12 上流側システム
14 下流側システム
16 前処理装置
19 用紙幅測定センサ
20、32、314 画像形成装置
21 連続紙
22A ターンバー機構
22 反転装置
23 搬送ローラ
24、30 画像形成機構
36 後処理装置
40、50 システムコントローラ
74、88 印字制御部
320 上流側画像形成部
332 下流側画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙を表裏反転させる反転機構と、
前記連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記連続紙を用紙連続方向に搬送する第1搬送手段、及び
前記片側端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか一方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の一方の面に、画像を形成する第1画像形成手段
を含む前記反転機構の搬送方向上流側に配置された上流側画像形成装置と、
前記連続紙の前記片側端辺と反対側の端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記反転機構によって表裏反転した連続紙を、用紙連続方向に搬送する第2搬送手段、及び
前記反対側の端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか他方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の他方の面に、画像を形成する第2画像形成手段
を含む前記反転機構の搬送方向下流側に配置された下流側画像形成装置と、
を含む画像形成システム。
【請求項2】
連続紙の幅方向の片側端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記連続紙を用紙連続方向に搬送する第1搬送手段と、
前記片側端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか一方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の一方の面に、画像を形成する第1画像形成手段と、
前記第2画像形成手段によって画像が形成された連続紙を表裏反転させる反転機構と、
前記連続紙の前記片側端辺と反対側の端辺を、搬送方向に沿って設けられた基準面に合わせて、前記反転機構によって表裏反転した連続紙を、用紙連続方向に搬送する第2搬送手段と、
前記反対側の端辺から、測定された前記連続紙の幅及び予め設定された前記連続紙の幅の何れか他方だけ離れた位置に基づく画像を形成するときの基準位置に基づいて、前記搬送手段によって搬送される連続紙の他方の面に、画像を形成する第2画像形成手段と、
を含む画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−59600(P2011−59600A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212138(P2009−212138)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】