説明

画像形成装置及び印刷処理プログラム

【課題】利用者が印刷に必要な消費電力を抑制して印刷することを指示するのみで、自動的に低電力による印刷を実行できるものを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、紙サイズごとに、縦方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第1消費電力値と、横方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第2消費電力値と、を記憶する電力値記憶部147と、印刷時の用紙サイズと、印刷に必要な電力量を抑制して印刷することを示す低電力コードと、を受け付けるデータ受信部143と、低電力コードが受け付けられた場合、受付けられた用紙サイズにおける各消費電力値を比較し、第1消費電力値が小さい場合に給紙方向として縦方向を選択し、前記第2消費電力値が小さい場合に給紙方向として横方向を選択する方向制御部144と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷時の消費電力量を抑制することができる画像形成装置及び印刷処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境問題への関心の高まりから、多くの企業等で環境マネジメントシステム、例えばISO4000等の規格の認証取得への取り組みがなされている。かかる規格の認証取得においても、複写機、プリンタなどの画像形成装置の消費電力を抑制することが求められており、そのための技術が開発されてきた。例えば、特許文献1においては、印刷の実行条件ごとの消費電力量を計算し印刷時に利用者に対して表示させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術においては、利用者が表示された消費電力量を確認したうえで、どの実行条件による印刷が低電力であるかを利用者自ら判断し、実行条件を選択する必要があった。そのため、利用者に判断、及び選択のための手間を取らせてしまうという課題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者が印刷に必要な消費電力を抑制して印刷することを指示するのみで、自動的に低電力による印刷を実行できるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、用紙サイズごとに、縦方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第1消費電力値と、横方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第2消費電力値と、を記憶する電力記憶部と、印刷時の用紙サイズと、印刷に必要な電力量を抑制して印刷することを示す低電力情報と、を受け付ける受付部と、前記低電力情報が受け付けられた場合、受付けられた前記用紙サイズにおける前記第1消費電力値と前記第2消費電力値とを比較し、前記第1消費電力値が小さい場合に給紙方向として縦方向を選択し、前記第2消費電力値が小さい場合に給紙方向として横方向を選択する方向制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利用者が印刷に必要な消費電力量を抑制して印刷することを指示するのみで、自動的に低電力による印刷を実行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成装置のプリンタ制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3−1】図3−1は、画像形成装置の画像定着部の構成を概略的に示す概略図である。
【図3−2】図3−2は、画像形成装置の画像定着部の構成を概略的に示す概略図である。
【図4−1】図4−1は、画像形成装置の画像定着部の構成を概略的に示す概略図である。
【図4−2】図4−2は、画像形成装置の画像定着部の構成を概略的に示す概略図である。
【図5】図5は、用紙サイズごとの消費電力値を記憶したテーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図6】図6は、給紙トレイごとに設定された用紙サイズと給紙方向の設定を記憶したテーブルの一例を示すデータ構造図である。
【図7】図7は、給紙方向を決定する処理の流れを示すフロー図である。
【図8】図8は、給紙トレイを選択する処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置1は、パネル100と、コントローラ部110と、プリンタエンジン120と、印刷部130とを含んでいる。また、画像形成装置1は、ホスト端末2と回線を通じて接続されている。
【0009】
パネル100は、画像形成装置1の状態や利用者への通知などを表示し、タッチパネル等の入力手段を通じて利用者からの指示を受け付ける。コントローラ部110は、画像形成装置1の全体の制御を行い、プリンタエンジン120は、用紙に画像を印刷するための制御を行う。
【0010】
コントローラ部110は、パネルI/F111と、ネットワークI/F112と、エンジンI/F113と、プリンタ制御システム114と、メモリ115と、不揮発性メモリ116とを備えている。
【0011】
パネルI/F111はパネル100とコントローラ部110との間のデータの通信を行う。ネットワークI/F112はコントローラ部110とホスト端末2との間のデータの通信を行う。エンジンI/F113はコントローラ部110とプリンタエンジン120との間のデータの通信を行う。
【0012】
プリンタ制御システム114はコントローラ部110の中枢をなし、CPU(Central Processing Unit)や所定の動作を行うソフトウェアプログラムを組み込んだROMによって実装されている。プリンタ制御システム114の詳細な構成については後述する。
【0013】
メモリ115、及び不揮発性メモリ116は、メモリプログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリである。
【0014】
プリンタエンジン120は、コントローラI/F121と、エンジン制御システム122と、画像形成部123と、印刷部130とを備えている。コントローラI/F121はコントローラ部110とプリンタエンジン120との間のデータの通信を行う。エンジン制御システム122は、プリンタエンジン120の処理を制御し、主には受信した印刷データから画像データを生成する指示を画像形成部123へと送信する。また、エンジン制御システム122は、画像形成部123において形成された画像データを受理し、印刷部130へと送信する。印刷部130は、給紙トレイ131を含み、この給紙トレイ131から画像定着部132へと用紙を送り、プリンタエンジン120にて形成された画像データを用紙に定着させる処理を行う。
【0015】
続いて、図2を用いたプリンタ制御システム114の詳細な構成について説明する。図2に示されるように、プリンタ制御システム114は、消費電力値計算部141と、エンジン制御コード解析部142と、データ受信部143と、方向制御部144と、用紙検出部145と、給紙通知部146とを有している。また、メモリ115は、電力値記憶部147とトレイ記憶部148とを有している。
【0016】
消費電力値計算部141は、用紙サイズごとの縦方向、または横方向のそれぞれの消費電力値を計算する。消費電力値は、プリンタエンジン120の種類により異なるものであり、算出のための情報をプリンタエンジン120から受理して計算する。具体的な計算式について図3、及び図4を用いて説明する。
【0017】
図3−1においては、サイズAの用紙を横方向に加熱ローラ133へと送る場合の状態が示されている。図3−2においては、サイズAの用紙を縦方向に加熱ローラ133へと送る場合の状態が示されている。図4−1においては、サイズBの用紙を横方向に加熱ローラ133へと送る場合の状態が示されている。図4−2においては、サイズBの用紙を縦方向に加熱ローラ133へと送る場合の状態が示されている。
【0018】
画像定着部132は、トナーの潜像が形成された用紙やフィルムを加熱、及び加圧して画像を定着させる加熱ローラ133を備えている。加熱ローラ133は、その長手方向に配置された3つのヒータ133a〜133cによって加熱される。ヒータ133a〜133cはそれぞれ独立してスイッチのon/offの切り替えが可能である。
【0019】
プリンタエンジン120は、そのエンジンの特性を表すパラメータとして、単位時間t当たりの用紙を加熱ローラ133へと送る速度tlを有している。また、ヒータ133bの単位時間t当たりの消費電力量をe1とすると、ヒータ133a及びヒータ133cはそれぞれヒータ133bの1/2のサイズであることから、消費電力量はそれぞれ1/2e1である。したがって、3つのヒータの単位時間t当たりの消費電力量は2e1と表すことができる。
【0020】
ここで、図3−1において示されたように、サイズAの用紙の横方向に給紙した場合は、ヒータ133a〜133cの3つを加熱する必要がある。この送り方向における用紙の長さが5tlとすると、このプリンタエンジン120において、サイズAの用紙を横方向に給紙した場合の消費電力値EAyは、EAy=2e1×(5tl/tl)=10e1とあらわすことができる。
【0021】
一方、図3−2において示されたように、サイズAの用紙の縦方向に給紙した場合は、ヒータ133a〜133cの3つを加熱する必要がある。サイズAの用紙の縦方向に給紙した場合の送り方向における用紙の長さが8tlとすると、このプリンタエンジン120において、サイズAの用紙を縦方向に給紙した場合の消費電力値EAtは、EAt=2e1×(8tl/tl)=16e1とあらわすことができる。
【0022】
また、図4−1において示されたように、サイズBの用紙の横方向に給紙した場合は、ヒータ133a〜133cの3つを加熱する必要がある。この送り方向における用紙の長さが4tlとすると、このプリンタエンジン120において、サイズBの用紙を横方向に給紙した場合の消費電力値EByは、EBy=2e1×(4tl/tl)=8e1とあらわすことができる。
【0023】
一方、図4−2において示されたように、サイズBの用紙の縦方向に給紙した場合は、ヒータ133a〜133cのうち133bのみを加熱すればよい。これは、加熱ローラ133の用紙が触れる領域に、ヒータ133a、及びヒータ133cによって加熱される領域が含まれていないためである。この送り方向における用紙の長さが5tlとすると、このプリンタエンジン120において、サイズBの用紙を縦方向に給紙した場合の消費電力値EBtは、EBt=e1×(5tl/tl)=5e1とあらわすことができる。
【0024】
以上のように、消費電力値計算部141は、用紙サイズごとの縦方向における消費電力値EAt、及びEBtと、横方向における消費電力値EAy、及びEByとをそれぞれを計算する。
【0025】
図5は、この消費電力値を記憶する消費電力値テーブルの一例を示したものである。この消費電力値テーブルは、消費電力値計算部141が計算して、電力値記憶部147に記憶する。この消費電力値テーブルは、「用紙サイズ」と、「給紙方向」と、「消費電力値」とをデータとして含んでいる。サイズAからサイズXまでの用紙サイズそれぞれに対して、縦向きの給紙方向と横向きの給紙方向それぞれに消費電力値が対応付けられて記憶されている。例えば、サイズAの用紙を縦方向に給紙した場合の、消費電力値EAtは「16」である。なお、この消費電力値は、実際の消費電力値を表すものでなくともよく、互いの数値を相対的に比較可能な数値であればよい。
【0026】
図2におけるエンジン制御コード解析部142は、コントローラ部110から送信された制御コードが何かを解析し、制御の内容を変更する。制御コードは、例えばPJL(Printer Job Language)により記載されており、用紙サイズの指定や、カラー印刷の有無などの印刷条件の設定も含まれている。また、制御コードとしては、印刷に必要な消費電力量を抑制して印刷する低電力モードを指定する低電力コードが含まれている。
【0027】
この低電力コードをホスト端末2から送信する方法としては、ホスト端末2内にインストールされたプリンタドライバを通じて、そのプリンタドライバのユーザインタフェース上に消費電力値を低減する指示をだす選択肢やアイコンを表示させる。そして、これらがホスト端末2上で選択された際に、ホスト端末2のプリンタドライバは、低電力コードを含んだ印刷データを作成し、画像形成装置1に対して送信する。
【0028】
データ受信部143は、ホスト端末2から送信された印刷データや、制御コマンド等をコントローラ部110から受け取り、プリンタエンジン120内のデータごとに定められた所定の部位へ割り振ってデータを送信する。方向制御部144は、画像定着部132に給紙される用紙の給紙方向を制御する。具体的には、方向制御部144は、上述した低電力コードを受信した場合に、指定された用紙サイズのうちからもっとも消費電力が小さくなる給紙方向を選択して、その給紙方向が設定された給紙トレイ131から給紙を行うように指示する。
【0029】
用紙検出部145は、給紙トレイ131に方向制御部144によって選択された給紙方向にて所望の用紙サイズの用紙が積載されているか否かを検出する。本実施形態においては、図6で示すトレイ設定記憶テーブルにおいて、指定された用紙サイズと給紙方向との組み合わせの設定が存在するか否かから検出を行う。用紙検出部145は、用紙が検出されない場合は、給紙通知部146へとその旨の通知を送る。なお、指定された給紙トレイ131に実際に用紙が積載されているか否かを検出するようにすることもできる。
【0030】
給紙通知部146は、給紙トレイ131に用紙が積載されていない旨の通知を作成し、これを通知する。通知の手段としては、パネル100に表示したり、プリンタドライバを通じてホスト端末2上に表示させたりすることができる。
【0031】
トレイ記憶部148は、図6に示されるトレイ設定記憶テーブルを記憶している。トレイ設定記憶テーブルは、各給紙トレイ131にどのサイズの用紙が、どの給紙方向で積載されているかを対応付けて記憶する。用紙検出部145は、用紙が給紙トレイ131内に積載されるとその用紙サイズ、及び給紙方向を検出し、トレイ設定記憶テーブルを新たな対応関係に更新する。
【0032】
以上に示したプリンタ制御システム114における処理の流れを説明する。図7は、印刷データを受信した際にスタートし、用紙サイズと給紙方向とが選択される処理の流れを示したフロー図である。データ受信部143は印刷データを受信するとその印刷データをバッファに保存する。エンジン制御コード解析部142は、バッファから制御コードが含まれたデータの部分を取り出し、この解析を行う(ステップS2)。
【0033】
エンジン制御コード解析部142は、制御コードに低電力コードが含まれるか否かを判断する(ステップS3)。低電力コードが含まれる場合、すなわちホスト端末2から印刷にかかる消費電力を抑制する旨の指示があった場合(ステップS3:Yes)、エンジン制御コード解析部142は、消費電力優先フラグEMに1を設定してこれを保存する(ステップS4)。ステップS4の終了後、または低電力コードが含まれない場合(ステップS3:No)、エンジン制御コード解析部142は、制御コードに用紙サイズの設定情報(ここでは、サイズをXとする)が含まれるか否かを判断する(ステップS5)。制御コードに用紙サイズの設定情報が含まれない場合は(ステップS5:No)、エンジン制御コード解析部142は、印刷を実行するために印刷データそのものを解析して印刷に利用する用紙サイズを自動的に決定する(ステップS6)。
【0034】
次いで、方向制御部144は、消費電力優先フラグEMが1であるか否かを判断する(ステップS7)。消費電力優先フラグEM=1の場合(ステップS7:Yes)、方向制御部144は、図5で示した消費電力値テーブルから、指定された用紙サイズXの縦方向の消費電力値EXt、及び横方向の消費電力値EXyをそれぞれ取得しこれらを比較する(ステップS8)。比較の結果、EXt<EXyの場合、すなわち横方向に給紙した方が、縦方向に給紙した場合と比較して、消費電力値が大きい場合(ステップS9:Yes)、方向制御部144は印刷指示があったページはXのサイズで縦向きに給紙する旨を決定する(ステップS10)。一方、EXt>EXyの場合、すなわち横方向に給紙した方が、縦方向に給紙した場合と比較して、消費電力値が小さい場合(ステップS9:No)、方向制御部144は印刷指示があったページはXのサイズで横向きに給紙する旨を決定する(ステップS11)。なお、本実施形態においては、低電力コードが制御コードに含まれていない場合は、自動的に給紙方向として横向きが設定される。
【0035】
続いて、図8で示した処理を通じて給紙方向が設定されたあとに、その給紙方向と用紙サイズの組み合わせが設定されている給紙トレイ131を選択するための処理を説明する。図8に示されるように、プリンタ制御システム114は、方向制御部144を通じて設定された用紙サイズXと給紙方向の組み合わせがどの給紙トレイ131に設定されているかを図6で示したトレイ設定記憶テーブルから検索を開始する(ステップS21)。検索に当たってはトレイ設定記憶テーブルにおいて1番目(T=1)の給紙トレイ131から順番に検索がなされる。用紙検出部145は、T番目の給紙トレイ131において方向制御部144によって選択された用紙サイズと給紙方向との組み合わせが設定されているかを判断する(ステップS22)。選択された用紙サイズと給紙方向との組み合わせが設定されている場合(ステップS22:Yes)、プリンタ制御システム114は、給紙トレイ131としてTを選択し(ステップS23)、給紙トレイ131を選択する処理が完了する。
【0036】
選択された用紙サイズと給紙方向との組み合わせが設定されていない場合(ステップS22:No)、用紙検出部145は、T=n(トレイ設定記憶テーブル参照)、すなわちそのT番目の給紙トレイ131がトレイ設定記憶テーブルにおいて最後に設定されている給紙トレイ131であるか否か、を判断する(ステップS24)。T番目の給紙トレイ131がトレイ設定記憶テーブルにおいて最後に設定されている給紙トレイ131であると判断された場合(ステップS24:Yes)、指定の用紙サイズと、方向制御部144によって選択された給紙方向の組み合わせの給紙トレイ131が存在しないということになるため、給紙通知部146は、この組み合わせで用紙を給紙トレイ131に積載する旨の表示を行う(ステップS25)。そして、用紙検出部145は、給紙トレイ131に新たに用紙が積載されたことを検出すると、トレイ設定記憶テーブルを更新し、その選択された組み合わせにて用紙が積載された給紙トレイ131が印刷に使用される給紙トレイ131として選択される(ステップS26)。
【0037】
一方、T番目の給紙トレイ131がトレイ設定記憶テーブルにおいて最後に設定されている給紙トレイ131でないと判断された場合(ステップS24:No)、Tの値に1が加算されて次の給紙トレイ131の設定についての処理を再び繰りかえす(ステップS27)。
【0038】
以上に示した本実施形態の画像形成装置1においては、利用者は低電力モードを選択するのみで、プリンタ制御システム114が指定された用紙サイズにおいてもっとも消費電力が低い給紙方法を選択する。そのため、利用者は印刷に必要な消費電力を抑制して印刷することを指示するのみで、自動的に低電力による印刷を実行することができる。
【0039】
また、給紙トレイ131に指示された用紙サイズと選択された給紙方向の組み合わせの設定されたものがない場合、利用者に対してその組み合わせを通知することで、用紙の積載を促すことができる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、給紙トレイ131に所望の用紙サイズと給紙方向の組み合わせが設定されていない場合に、利用者に用紙の積載を促す旨を通知することとしたがこの構成を省略することもできる。
【0041】
また、コントローラ部110におけるプリンタ制御システム114において、給紙方向の選択や給紙トレイの選択を行うこととしたが、これをプリンタエンジン120側において行うようにしても良い。
【0042】
また、画像定着部132におけるヒータの本数や長さなどの組み合わせは適宜変更しても良い。用紙の給紙方向ごとにおける、加熱する必要のあるヒータを用紙と加熱ローラ133とが接触する面積に応じてこれらの長さ、及び組み合わせを調整すればよい。
【0043】
また、縦方向、及び横方向における消費電力値は、それぞれ相対的に比較可能なパラメータを便宜的に利用したが、これは例えば単位時間当たりのW(ワット)数など実数値を用いても良い。
【0044】
なお、本実施の形態のプリンタ制御システム114で実行される各種処理は、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0045】
本実施の形態のプリンタ制御システム114で実行される各種処理は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供するように構成してもよい。さらに、本実施の形態のプリンタ制御システム114で実行される各種処理を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のプリンタ制御システム114で実行される各種処理をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 画像形成装置
2 ホスト端末
100 パネル
110 コントローラ部
111 パネルI/F
112 ネットワークI/F
113 エンジンI/F
114 プリンタ制御システム
115 メモリ
116 不揮発性メモリ
120 プリンタエンジン
121 コントローラI/F
122 エンジン制御システム
123 画像形成部
130 印刷部
131 給紙トレイ
132 画像定着部
133a ヒータ
133b ヒータ
133c ヒータ
133 加熱ローラ
141 消費電力値計算部
142 エンジン制御コード解析部
143 データ受信部
144 方向制御部
145 用紙検出部
146 給紙通知部
147 電力値記憶部
148 トレイ記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2002−297715号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙サイズごとに、縦方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第1消費電力値と、横方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第2消費電力値と、を記憶する電力記憶部と、
印刷時の用紙サイズと、印刷に必要な電力量を抑制して印刷することを示す低電力情報と、を受け付ける受付部と、
前記低電力情報が受け付けられた場合、受付けられた前記用紙サイズにおける前記第1消費電力値と前記第2消費電力値とを比較し、前記第1消費電力値が小さい場合に給紙方向として縦方向を選択し、前記第2消費電力値が小さい場合に給紙方向として横方向を選択する方向制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
給紙トレイごとに、前記用紙サイズ、及び前記給紙方向のいずれの組み合わせが設定されているかを記憶する給紙トレイ記憶部と、
前記受付部において受け付けられた前記用紙サイズと、前記方向制御部によって選択された前記給紙方向との組み合わせが前記給紙トレイ記憶部において記憶されているか否かを検出する用紙検出部と、
前記組み合わせが前記給紙トレイ記憶部において記憶されていないことが検出された場合、前記方向制御部によって選択された前記給紙方向、及び前記用紙サイズの組み合わせで前記用紙を前記給紙トレイに積載することを通知する給紙通知部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
用紙サイズごとに、縦方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第1消費電力値と、横方向で印刷を実行した場合の画像定着に必要な第2消費電力値と、を記憶する電力記憶部を備えるコンピュータに実施させる印刷処理プログラムであって、
印刷時の用紙サイズと、印刷に必要な電力量を抑制して印刷することを示す低電力情報と、を受け付ける受付ステップと、
前記低電力情報が受け付けられた場合、受付けられた前記用紙サイズにおける前記第1消費電力値と前記第2消費電力値とを比較し、前記第1消費電力値が小さい場合に給紙方向として縦方向を選択し、前記第2消費電力値が小さい場合に給紙方向として横方向を選択する方向制御ステップと、
を前記コンピュータに実施させる印刷処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88625(P2013−88625A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229160(P2011−229160)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】