説明

画像形成装置

【課題】自動でクリーニング部に付着した異物を除去する。
【解決手段】画像形成装置は、記録媒体を搬送するローラ対38a,38bと、ローラ対に付着した異物をローラに摺接して除去する除去部50と、ローラ対が正転方向に回転後に逆方向へ回転し、逆方向へ回転後に正転方向へ回転する動作を繰り返し、正転方向への回転距離を逆方向への回転距離以上に制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラに付着した異物を除去ブラシやブレードの除去部で、異物除去する画像形成装置が知られている。しかしながら、除去部自体に付着した異物はサービスマンが除去する必要があり、手間がかかるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−263395公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、自動で除去部に付着した異物を除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における画像形成装置は、記録媒体を搬送するローラ対と、前記ローラ対に付着した異物を前記ローラに摺接して除去する除去部と、前記ローラ対が正転方向に回転後に逆方向へ回転し、逆方向へ回転後に正転方向へ回転する動作を繰り返し、正転方向への回転距離を逆方向への回転距離以上に制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第一の実施形態における画像形成装置を示す構成図である。
【図2】第一の実施形態における画像形成装置の内部構造の拡大図である。
【図3】第一の実施形態におけるレジストローラの拡大図である。
【図4】第一の実施形態における画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】第一の実施形態におけるレジストローラの動作を示すフローチャートである。
【図6】第一の実施形態におけるレジストローラの動作を示すタイミングチャートである。
【図7】第二の実施形態におけるレジストローラの動作を示すフローチャートである。
【図8】第二の実施形態におけるレジストローラの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】第三の実施形態におけるレジストローラの動作を示すフローチャートである。
【図10】第三の実施形態におけるレジストローラの動作を示すタイミングチャートである。
【図11】第四の実施形態におけるレジストローラの動作を示すフローチャートである。
【図12】第四の実施形態におけるレジストローラの動作を示すタイミングチャートである。
【図13】第五の実施形態におけるクリーニングの動作を示すフローチャートである。
【図14】第六の実施形態におけるクリーニングの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、画像形成装置の実施の形態を説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
第一の実施形態は、クリーニング時、正転、逆転を繰り返すローラを有する画像形成装置であり、正転方向への回転距離は逆転方向への回転距離以上である。
【0009】
図1は、第一の実施形態の画像形成装置10を示す構成図である。図1において、画像形成装置10は、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
【0010】
MFP10は、自動原稿搬送部(ADF)12と、操作パネル13と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、給紙カセット(給紙部)18と、排紙部40を有する。
【0011】
ADF12は、原稿台上に開閉自在に設けられ、原稿を自動で搬送する。操作パネル13は、各種のキーを有する操作部14と、タッチパネル式の表示部15を有する。
【0012】
スキャナ部16は、ADF12の下部に設けられ、ADF12によって送られる原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成する。スキャナ部16は、印刷原稿の入力部の一例であり、この他に、例えば、外部端末としてPC(Personal Computer)で作成した原稿をこの入力部で受け入れ、画像データとして印刷することも可能である。
【0013】
給紙カセット18は、各種サイズの用紙Sを収容する複数のカセットを有する。排紙部40は、画像形成され、排出された用紙Sを収容する。
【0014】
プリンタ部17は、後述する画像形成部とレーザ露光装置等を含み、スキャナ部16で読み取った画像データやPC等で作成された画像データを処理して用紙Sに画像を形成する。プリンタ部17によって画像が形成された用紙Sは、排紙部40に排出される。プリンタ部17は、例えば4連タンデム方式によるカラーレーザプリンタである、レーザ露光装置19からのレーザビームによって画像形成部の感光体を走査して画像を生成する。
【0015】
レーザ露光装置19は、ポリゴンミラー19a、結像レンズ系19b、ミラー19cを含み、半導体レーザ素子から出射された、画像データにより変調されたレーザビームを回転する感光体ドラム22の軸線方向に走査する。
【0016】
プリンタ部17は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部20Y、20M、20C、20Kを含む。画像形成部20Y、20M、20C、20Kは、中間転写ベルト21の下側に、上流側から下流側に沿って配置される。
【0017】
図2は、画像形成部20Y、20M、20C、20Kを含むプリンタ部17を拡大して示す図である。以下の説明において各画像形成部20Y、20M、20C、20Kは同様の構成であるため、画像形成部20Yを代表して説明する。
【0018】
画像形成部20Yは、像担持体である感光体ドラム22Yを有し、感光体ドラム22Yの周囲に、回転方向rに沿って帯電チャージャ23Y、現像器24Y、1次転写ローラ25Y、クリーナ26Y、ブレード27Yを配置している。感光体ドラム22Yの露光位置には、レーザ露光装置19からイエローに対応する画像データで変調されたレーザビームを照射し、感光体ドラム22Y上に静電潜像を形成する。
【0019】
画像形成部20Yの帯電チャージャ23Yは、感光体ドラム22Yの表面を一様に全面帯電する。この帯電した感光体ドラムの表面に前述のレーザビームを照射して静電潜像を形成する。現像器24Yは、現像バイアスが印加される現像ローラによりイエローのトナー及びキャリアにより構成される2成分現像剤を感光体ドラム22Yに供給する。供給される現像剤により感光体ドラム上の静電潜像が現像される。後述する転写工程を経て、クリーナ26Yは、ブレード27Yを用いて感光体ドラム22Yの表面の残留トナーを除去する。
【0020】
図1に示すように、画像形成部20Y、20M、20C、20Kの上部には、現像器24Y、24M、24C、24Kにトナーを供給するトナーカートリッジ2(現像剤収容部)を設けている。トナーカートリッジ2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーカートリッジ2Y、2M、2C、2Kが隣接している。各色のトナーカートリッジのうち、ブラック(K)のカートリッジ2Kのみ、その容量が大きくなっている。これは、通常の画像形成においては、ブラックのトナーの消費量が一番多いためである。上述では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの複数色の現像剤で画像形成する構成を示しているが、これに限らず、単色の現像剤で画像形成する構成でも良い。
【0021】
図1及び図2において、無端状の中間転写ベルト21は、循環的に移動し、耐熱性及び対磨耗性の点から例えば半導電性ポリイミドが用いられる。中間転写ベルト21は、駆動ローラ31及び従動ローラ32、33に張架され、感光体ドラム22Y、22M、22C、22Kに対向して接触する。中間転写ベルト21の感光体ドラム22Yに対向する位置には、1次転写ローラ25Yにより1次転写電圧が印加され、感光体ドラム22Y上のトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。
【0022】
中間転写ベルト21を張架する駆動ローラ31には、2次転写ローラ34を対向して配置している。中間転写ベルト21と2次転写ローラ34間を用紙Sが通過する際に、2次転写ローラ34により2次転写電圧が用紙Sに印加され、中間転写ベルト21上のトナー像を用紙Sに2次転写する。中間転写ベルト21の従動ローラ33付近には、2次転写工程で用紙Sに転写されなかった(残留トナー)をクリーニングするベルトクリーナー35を有する。
【0023】
また、図1に示すように、給紙カセット18から2次転写ローラ34に至る間には、給紙カセット18内の用紙Sを取り出す分離ローラ36、及び搬送ローラ37、レジストローラ38を有し、2次転写ローラ34の下流には定着装置39を有する。
【0024】
定着装置39の下流には排紙部40と反転搬送路41を有する。排紙部40には、定着装置39によりトナー像が定着された用紙Sが排出される。反転搬送路41は、用紙Sを反転させて2次転写ローラ34の方向に導くもので、両面印刷を行う際に使用する。
【0025】
図3はレジストローラ38の拡大図である。レジストローラ38は、搬送されてきた用紙Sの先端を整える。搬送ローラ37から搬送されてきた用紙Sが停止しているレジストローラ38に突き当てられ、先端を整える。その後、レジストローラ38が回転し、用紙Sを転写位置に搬送する。
【0026】
レジストローラ38は、第1のローラ38a及び第2のローラ38bを有する。第1のローラ38aは金属で構成され、第2のローラ38bはゴムで構成される。第1のローラ38aが駆動ローラで、第2のローラ38bは従動ローラであり、第2のローラ38bは第1のローラに従動して回転する。第1のローラ38aと第2のローラ38bの間に一定の幅のニップが形成される。第1のローラ38aは、レジストローラモータ108の駆動により正転及び逆転を可能とする。第1のローラ38aの正転時は矢印a方向に回転し、逆転時は矢印b方向に回転する。
【0027】
除去部50は、第1のローラ38aに摺接し、第1のローラ38aの表面に付着した異物を除去する。除去部50は、例えば弾性部材で構成され、薄い板状のプレートである。異物は例えば、紙粉である。除去部50は、図3に示すようなプレートに限らず、ブラシであっても良い。第1のローラ38aを正転、逆転の1セットを繰り返し行うことにより、レジストローラ38及び除去部50に付着した異物を除去することができる。
【0028】
異物受け部51は、第1のローラ38aの表面から除去部50により除去された異物、及び第1のローラ38aを正転、逆転することで、除去部50から除去された異物を受け、収容する。
【0029】
センサ52は、用紙Sの先端がレジストローラ38に到達したことを検知すると同時に、レジストローラ38の手前で用紙Sをたわませる量を制御する。また、用紙Sの後端がレジストローラ38を通過したことの検知も行う。
【0030】
図4は、MFP10のブロック図である。MFP10は、制御部であるCPU(Central Processing Unit)100と、各種プログラムなどを記憶しているROM(Read Only Memory)101と、各種の可変データや画像データなどを一時的に記録しているRAM(Random Access Memory)102と、外部からのデータを入力したり、外部へデータを出力したりするインターフェース(I/F)103を有する。
【0031】
また、MFP10は、操作部14を制御する操作部制御駆動回路104と、表示部15を制御する表示部制御駆動回路105と、搬送ローラ37と連結する搬送ローラモータ106を制御する搬送ローラモータ制御駆動回路107と、レジストローラ38の第1のローラ38aと連結するレジストローラモータ108を制御するレジストローラ制御駆動回路109と、センサ52を制御するセンサ制御駆動回路110と、画像形成部20Y、20M、20C、20Kを制御する画像形成部制御駆動回路111を有する。
【0032】
CPU100は、バスを介して、ROM101、RAM102、I/F103、操作部制御駆動回路104、表示部制御駆動回路105、搬送ローラモータ制御駆動回路107、レジストローラモータ制御駆動回路109、センサ制御駆動回路110、及び画像形成部制御駆動回路111と接続している。
【0033】
センサ52は、用紙Sの先端の到達、後端の通過を検知する。検知結果はセンサ制御駆動回路110を介して、CPU100に送信される。画像形成部20Y、20M、20C、20Kは、画像形成部制御駆動回路111からの信号に基づき、用紙Sに画像を形成する。
【0034】
次に、印刷後のレジストローラ38の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。図6は、印刷後のレジストローラ38の動作を示すタイミングチャートである。レジストローラ38のクリーニング時、第1のローラ38aは正転、逆転を繰り返し、ローラの正転方向への回転距離は逆転方向への回転距離以上である。回転距離とは、第1のローラ38aの回転角度を示す。
【0035】
200で印刷動作が終了したか否かを判断する。印刷動作が終了していなければ(200のNo)、200の判断を繰り返す。印刷動作が終了していれば(200のYes)、201において、レジストローラ38をt1秒間逆転させる。逆転後、202において、レジストローラ38をt2秒間正転させる。逆転時間t1と正転時間t2の関係は、t1≦t2である。逆転時間t1は、レジストローラ38aの1回転分未満とし、レジストローラ38が形成するニップより上流に異物が戻らないようにする。次に203において、逆転、正転の1セットを4回繰り返したか否かを判断する。逆転、正転の1セットを4回繰り返していなければ(203のNo)、201に戻り、処理を繰り返す。逆転、正転の1セットを4回繰り返したら(203のYes)、終了する。
【0036】
レジストローラ38の回転速度が一定で、回転時間が、t1≦t2の関係であれば、正転の回転距離は逆転の回転距離以上であるといえる。
【0037】
上記では、逆転、正転の1セットを4回繰り返して、レジスローラ38のクリーニングを行っているが、レジストローラ38及び、除去部50に付着した異物を除去することができれば、逆転、正転の繰り返し回数は4回に限らない。また、上記では、レジストローラ38の正転、逆転について記載しているが、これに限らず、レジストローラ38以外の用紙Sを搬送するローラを正転、逆転させるようにしても良い。
【0038】
上述のような画像形成装置10により、自動で除去部50に付着した異物を除去することができる。正転時間であるt2と逆転時間であるt1の関係が、t1>t2であると、逆転の回転距離が、正転の回転距離を上回ってしまい、レジストローラ38での用紙Sの搬送時の上流に、異物が徐々に移動してしまう。しかしながら、t1≦t2であれば、レジストローラ38での用紙Sの搬送時の上流に、異物が徐々に移動してしまうことを防止することができる。
【0039】
(第二の実施形態)
第二の実施形態は、クリーニング時の回転距離を可変する。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0040】
クリーニング時の回転距離を可変するレジストローラ38の動作について図7のフローチャートを用いて説明する。図8は、回転距離を可変するレジストローラ38の動作を示すタイミングチャートである。回転距離を可変するクリーニングをクリーニングモード1とする。クリーニングモード1のときの回転速度は一定であり、例えば、回転時間をt3秒間、t4秒間、t5秒間で変化させる。t3、t4、t5の関係は、t3<t4<t5である。
【0041】
クリーニングモード1のとき、300において、第1のローラ38aをt3秒間逆転させ、続いてt3秒間正転させる。301において、第1のローラ38aをt4秒間逆転させ、続いてt4秒間正転させる。302において、第1のローラ38aをt5秒間逆転させ、続いてt5秒間正転させる。303において、第1のローラ38aをt4秒間逆転させ、続いてt4秒間正転させる。304において、第1のローラ38aをt3秒間逆転させ、続いてt3秒間正転させる。
【0042】
305において、第1のローラ38aをt4秒間逆転させ、続いてt4秒間正転させる。306において、第1のローラ38aをt5秒間逆転させ、続いてt5秒間正転させる。307において、第1のローラ38aをt4秒間逆転させ、続いてt4秒間正転させる。308において、第1のローラ38aをt3秒間逆転させ、続いてt3秒間正転させる。
【0043】
上述では、t3、t4、t5で、徐々に回転時間を長くさせ、徐々に回転時間を遅くさせているが、これに限らず、交互に回転時間を長くしたり、短くしたりしても良い。例えば、t3秒間逆転、正転した後に、t4秒間逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。また、同じ回転時間での、正転、逆転の繰り返しを織り交ぜても良い。例えば、t3秒間逆転、正転した後に、再びt3秒間逆転、正転させ、その後、t4秒間逆転、正転した後に、再びt4で秒間逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。上記では、レジストローラ38の正転、逆転について記載しているが、これに限らず、レジストローラ38以外の用紙Sを搬送するローラを正転、逆転させるようにしても良い。また、第二の実施形態を第一の実施形態を組み合わせても良い。
【0044】
上述のような画像形成装置10により、自動で除去部50に付着した異物を除去することができる。また、クリーニング時の回転時間の可変により、クリーニングの効率を上げることができる。
【0045】
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、クリーニング時の回転速度を可変する。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0046】
クリーニング時の回転速度を可変するレジストローラ38の動作について図9のフローチャートを用いて説明する。図10は、回転速度を可変するレジストローラ38の動作を示すタイミングチャートである。回転速度を可変するクリーニングをクリーニングモード2とする。クリーニングモード2のとき、例えば、回転速度を400rpm、600rpm、800rpm、1000rpmで変化させる。
【0047】
クリーニングモード2のとき、400において、第1のローラ38aを400rpmで逆転させ、続いて400rpmで正転させる。401において、第1のローラ38aを600rpmで逆転させ、続いて600rpmで正転させる。402において、第1のローラ38aを800rpmで逆転させ、続いて800rpmで正転させる。403において、第1のローラ38aを1000rpmで逆転させ、続いて1000rpmで正転させる。404において、第1のローラ38aを800rpmで逆転させ、続いて800rpmで正転させる。405において、第1のローラ38aを600rpmで逆転させ、続いて600rpmで正転させる。406において、第1のローラ38aを400pmで逆転させ、続いて400rpmで正転させる。
【0048】
407において、第1のローラ38aを600rpmで逆転させ、続いて600rpmで正転させる。408において、第1のローラ38aを800rpmで逆転させ、続いて800rpmで正転させる。409において、第1のローラ38aを1000rpmで逆転させ、続いて1000rpmで正転させる。410において、第1のローラ38aを800rpmで逆転させ、続いて800rpmで正転させる。411において、第1のローラ38aを600rpmで逆転させ、続いて600rpmで正転させる。412において、第1のローラ38aを400pmで逆転させ、続いて400rpmで正転させる。
【0049】
上述では、400rpm、600rpm、800rpm、1000rpmで、徐々に回転速度を増加させ、その後徐々に回転速度を低下させているが、これに限らず、交互に回転速度を早くしたり、遅くしたりしても良い。例えば、400rpmで逆転、正転した後に、800rpmで逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。また、同じ回転速度での、正転、逆転の繰り返しを織り交ぜても良い。例えば、400rpmで逆転、正転した後に、再び400rpmで逆転、正転させ、その後、800rpmで逆転、正転した後に、再び800rpmで逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。上記では、レジストローラ38の正転、逆転について記載しているが、これに限らず、レジストローラ38以外の用紙Sを搬送するローラを正転、逆転させるようにしても良い。また、第三の実施形態を第一の実施形態を組み合わせても良い。
【0050】
上述のような画像形成装置により、自動で除去部に付着した異物を除去することができる。また、クリーニング時の回転速度の可変により、クリーニングの効率を上げることができる。
【0051】
(第四の実施形態)
第四の実施形態は、クリーニング時の回転距離及び回転速度を可変する。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0052】
クリーニング時の回転距離及び回転速度を可変するレジストローラ38の動作について図11のフローチャートを用いて説明する。図12は、回転距離及び回転速度を可変するレジストローラ38の動作を示すタイミングチャートである。回転距離及び回転速度を可変するクリーニングをクリーニングモード3とする。クリーニングモード3のとき、例えば、回転時間をt3秒間、t4秒間、t5秒間、t6秒間で変化させ、回転速度を400rpm、600rpm、800rpm、1000rpmで変化させる。t3、t4、t5、t6の関係は、t3<t4<t5<t6である。
【0053】
クリーニングモード3のとき、500において、第1のローラ38aを400rpmでt3秒間逆転させ、続いて400rpmでt3秒間正転させる。501において、第1のローラ38aを600rpmでt4秒間逆転させ、続いて600rpmでt4秒間正転させる。502において、第1のローラ38aを800rpmでt5秒間逆転させ、続いて800rpmでt5秒間正転させる。503において、第1のローラ38aを1000rpmでt6秒間逆転させ、続いて1000rpmでt6秒間正転させる。504において、第1のローラ38aを800rpmでt5秒間逆転させ、続いて800rpmでt5秒間正転させる。505において、第1のローラ38aを600rpmでt4秒間逆転させ、続いて600rpmでt4秒間正転させる。506において、第1のローラ38aを400rpmでt5秒間逆転させ、続いて400rpmでt3秒間正転させる。
【0054】
上述では、t3秒間で400rpm、t4秒間で600rpm、t5秒間で800rpm、t6秒間で1000rpmで徐々に回転時間及び回転速度を増加させ、徐々に回転時間及び回転速度を低下させているが、これに限らず、交互に回転時間を長くしたり、短くしたりしても良いし、回転速度を早くしたり、遅くしたりしても良い。例えば、400rpmでt3秒間逆転、正転した後に、600rpmでt4秒間逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。また、同じ回転時間での、正転、逆転の繰り返しを織り交ぜても良い。例えば、400rpmでt3秒間逆転、正転した後に、再び400rpmでt3秒間逆転、正転させ、その後、600rpmでt4秒間逆転、正転した後に、再び600rpmでt4秒間逆転、正転させ、この動作を繰り返すようにしても良い。上記では、レジストローラ38の正転、逆転について記載しているが、これに限らず、レジストローラ38以外の用紙Sを搬送するローラを正転、逆転させるようにしても良い。また、第四の実施形態を第一の実施形態を組み合わせても良い。
【0055】
上述のような画像形成装置10により、自動で除去部50に付着した異物を除去することができる。また、クリーニング時の回転時間及び回転速度の可変により、クリーニングの効率をより上げることができる。
【0056】
(第五の実施形態)
第五の実施形態は、ウォーミングアップ中に正転、逆転を繰り返すクリーニングを行う。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0057】
ウォーミングアップ中のクリーニング時のレジストローラ38の動作について図13のフローチャートを用いて説明する。
【0058】
電源がON又はスリープ復帰時に、600において、ウォーミングアップを開始させ、601において、定着装置39の定着ヒーターをONにし、602において、レジストローラ38のクリーニングを実施する。レジストローラ38のクリーニングは第一の実施形態、第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態で説明したレジストローラ38の動作の内のいずれか、もしくはこれらの実施形態を組み合わせた方法で行う。
【0059】
その後、603において、定着装置39の温度が基準値に達したか否かを判断する。定着温度が基準値に達していなければ(603のNo)、603の判断を繰り返す。定着温度が基準値に達していれば(603のYes)、604において、ウォーミングアップが完了したか否かを判断する。ウォーミングアップが完了していなければ(604のNo)、604の判断を繰り返す。ウォーミングアップが完了していれば(604のYes)、レディモードとなり、終了する。
【0060】
上述のような画像形成装置10により、自動で除去部50に付着した異物を除去することができる。また、印刷後と比較し、ウォーミングアップ中は時間を十分に確保できるため、より確実にクリーニングを行うことができる。
【0061】
(第六の実施形態)
第六の実施形態は、セルフチェックモード中に正転、逆転を繰り返すクリーニングを行う。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0062】
セルフチェックモード中のクリーニング時のレジストローラ38の動作について図14のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
セルフチェックモード中、700において、画像調整を実施させ、701において、位置合わせを実施させ、702において、レジストローラ38のクリーニングを実施する。レジストローラ38のクリーニングは第一の実施形態、第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態で説明したレジストローラ38の動作の内のいずれか、もしくは、これらの実施形態を組み合わせた方法で行う。
【0064】
その後、703において、セルフチェックが完了したか否かを判断する。セルフチェックが完了していなければ(703のNo)、703の判断を繰り返す。セルフチェックが完了していれば(703のYes)、終了する。
【0065】
上述のような画像形成装置10により、自動で除去部50に付着した異物を除去することができる。また、印刷後と比較し、セルフチェックモード中は時間を十分に確保できるため、より確実にクリーニングを行うことができる。
【0066】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 画像形成装置
12 自動原稿搬送部
13 操作パネル
14 操作部
15 表示部
16 スキャナ部
17 プリンタ部
18 給紙カセット
19 レーザ露光装置
20Y、20M、20C,20K 画像形成部
37 搬送ローラ
38 レジストローラ
38a 第1のローラ
38b 第2のローラ
50 除去部
51 異物受け部
52 センサ
100 CPU(制御部)
101 ROM
102 RAM
103 I/F
104 操作部制御駆動回路
105 表示部制御駆動回路
107 搬送ローラモータ制御駆動回路
109 レジストローラモータ制御駆動回路
110 センサ制御駆動回路
111 画像形成部制御駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送するローラ対と、
前記ローラ対に付着した異物を前記ローラに摺接して除去する除去部と、
前記ローラ対が正転方向に回転後に逆方向へ回転し、逆方向へ回転後に正転方向へ回転する動作を繰り返し、正転方向への回転距離を逆方向への回転距離以上に制御する制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記ローラ対の正転方向への回転距離と逆転方向への回転距離を可変することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ローラ対の正転方向への回転と逆方向への回転距離を徐々に増加し、その後、回転距離を収束する動作を繰り返すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ローラ対の正転方向への回転速度と逆転方向への回転速度を可変することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ローラ対の正転方向への回転と逆方向への回転速度を徐々に増加し、その後、回転速度を収束する動作を繰り返すことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ローラ対の正転方向への回転距離と逆転方向への回転距離及び回転速度を可変することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録媒体をローラ対が搬送し、
前記ローラ対に付着した異物を前記ローラに摺接して除去し、
前記ローラ対が正転方向に回転後に逆方向へ回転し、逆方向へ回転後に正転方向へ回転する動作を繰り返し、正転方向への回転距離を逆方向への回転距離以上に制御する、
画像形成装置。
【請求項8】
前記ローラ対の正転方向への回転距離と逆転方向への回転距離を可変することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ローラ対の正転方向への回転速度と逆転方向への回転速度を可変することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−36007(P2012−36007A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148788(P2011−148788)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】