説明

画像形成装置

【目的】 両面印字モードや,ページ連写モードの場合に,印字される各記録紙の表裏のページあるいは左右のページの画像データを確認できるようにし,容易かつ確実に所望のページ配列に編集可能とする。
【構成】 RAM105に記憶されている複数ページ分の原稿画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される原稿画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時にLCD部102aで表示することにより,各記録紙に印字される原稿画像データを確認可能とし,また,LCD部102aに表示された任意のページをタッチパネル102bで指定することにより,容易かつ確実に追加ページの位置を指定可能とし,さらに,タッチパネル102bで指定されたページに基づいて,白紙ページを追加することにより,容易かつ確実に所望の編集が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,プリンタ,複写機等の画像形成装置に関し,より詳細には,印字する画像データのページ編集を行える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に,プリンタ,複写機等の画像形成装置では,ホスト装置から入力した画像データを入力したページ順に記録紙に印字して出力するか,あるいは,スキャナで読み取った画像データを読み取ったページ順に記録紙に印字して出力している。
【0003】ところが,上記の画像形成装置では,1ページ分の画像データを記録紙の片面に印字する場合には,特に支障なく印字することができるものの,画像データを記録紙の表裏の両面に印字する両面印字モードの場合や,1枚の記録紙を左右に2分割して,それぞれに1ページ分の画像データを印字するページ連写モードの場合には,実際に記録紙に印字するまで,画像データが記録紙上の表裏の面あるいは左右のページにどのように配置されているか分からないため,必ずしも所望の印字が得られないことがあった。具体的には,見開きで参照したい連続したページの画像データが,1枚の記録紙の表面と裏面とに印字されたり,あるいは,異なる記録紙に分けて印字されるという不都合があった。
【0004】このため,これを解決するものとして,特開昭60−200348号公報の「ページ編集方式」に示されるように,複数ページ分の画像データをページ単位で記憶し,かつ,各ページのアドレスをページ管理テーブルで管理することにより,各ページのデータ自体を移動することなく,ページ単位の削除・追加を行えるようした装置が開発されている。
【0005】また,入力した画像データを印字前に編集することにより,利便性を向上させる技術として,例えば,特開昭62−122375号公報の「複写機」に示されるように,見開き原稿のページを入れ換えることによって,原稿と同じページ順で製本を行えるようにした装置や,特開昭62−291263号公報の「イメージ出力装置」に示されるように,印字する前にページメモリの内容を表示し,確認・編集を行えるようにした装置が提供されている。ただし,これらの技術は,原稿と同じページ順での製本あるいは記録紙の1ページにおける画像データのレイアウトを調整するためのものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の特開昭60−200348号公報の「ページ編集方式」によれば,ページ管理テーブルの各ページのアドレスを,ページ単位の削除・追加を行えるものの,削除するページの画像データあるいは追加するページの前後のページの画像データを確認することができないため,操作パネルを介して複数のページの削除・追加を指定する場合に,指定ミスをしても気付かず,結果的に所望の印字が行えない恐れがあるという問題点があった。
【0007】また,両面印字モードや,ページ連写モードの場合に,操作パネルを介して複数のページの削除・追加を指定するとその度に他のページがシフトするため,常に記録紙のページと画像データとの対応を意識する必要があり,操作が煩わしいという問題点もあった。
【0008】本発明は上記に鑑みてなされたものであって,両面印字モードや,ページ連写モードの場合に,印字される各記録紙の表裏のページあるいは左右のページの画像データを確認できるようにし,容易かつ確実に所望のページ配列に編集可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために,印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,白紙ページを追加するページ追加手段とを備えた画像形成装置を提供するものである。
【0010】なお,前記表示手段は,前記ページ指定手段によってページが指定された場合に,指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置を所定の白紙状態として,再表示するものである。
【0011】また,本発明は上記の目的を達成するために,印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,あらかじめ作成された追加ページ用のプリントパターンを記憶したプリントパターン記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,前記プリントパターン記憶手段に記憶されているプリントパターンを追加ページとして追加するページ追加手段とを備えた画像形成装置を提供するものである。
【0012】なお,前記表示手段は,前記ページ指定手段によってページが指定された場合に,指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置に前記プリントパターンを配置して,再表示するものである。
【0013】
【作用】本発明の画像形成装置は,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示手段で表示することにより,各記録紙に印字される画像データを確認可能とし,また,表示手段に表示された任意のページをページ指定手段で指定することにより,容易かつ確実に追加ページの位置を指定可能とし,さらに,ページ追加手段で指定されたページに基づいて,白紙ページを追加することにより,容易かつ確実に所望の編集が可能になる。
【0014】また,上記の白紙ページに代えて,プリントパターン記憶手段に記憶されているプリントパターンを追加ページとして追加することにより,容易かつ確実に所望の編集が可能になる。
【0015】
【実施例】以下,本発明の画像形成装置をレーザープリンタに適用した場合を例として,〔実施例1〕,〔実施例2〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
【0016】〔実施例1〕図1は,実施例1のレーザープリンタのブロック構成図を示し,100はレーザープリンタ全体を制御するコントローラ,101は実際に印字を行うエンジン,102はオペレータに現在のレーザープリンタの状態を知らせる表示を行うと共に,オペレータがモード指示を行うための入力部となる操作パネル,103はレーザープリンタの上位装置であるホスト装置,104はフォントデータ,プログラム,印字用画像データ等の様々なデータを記憶しておくためのディスク装置であり,例えば,フロッピーディスク装置や,ハードディスク装置等である。
【0017】ここで,上記のコントローラ100は,制御動作用のワークメモリ,入力データのインプットバッファ,複数ページ分の画像データを記憶するためのページバッファ,ダウンロードフォント用のメモリ等に使用するRAM105と,フォントのパターンデータ等を記憶するフォントROM106と,コントローラ100の制御プログラムを記憶しているプログラムROM107と,操作パネル102からのモード指示の内容等を記憶しておくための不揮発性メモリであるNVRAM108と,フォントデータのパターンデータや,プログラムを外部から供給するためのICカード109と,エンジン101との間においてコマンド,ステータスおよび画像データの通信を行うエンジンI/F(インターフェース)110と,操作パネル102との間においてコマンドおよびステータスの通信を行う操作パネルI/F111と,ホスト装置103との間において通信を行う,セントロI/FあるいはRS232Cを用いたホストI/F112と,ディスク装置104との間の通信を行うためのディスクI/F113と,プログラムROM107の制御プログラムを実行し,操作パネル102およびホスト装置102からのコマンドに基づいて,上記各部を制御するCPU114とから構成される。
【0018】また,操作パネル102は,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示するためのLCD(液晶表示装置)部102aと,LCD部102aを覆うように配置され,LCD部102aに表示された任意のページを指定するための複数のタッチパネル102bとを備えている。
【0019】図2(a),(b)は,LCD部102aおよびタッチパネル102bの構成例を示し,横長のLCD部102a上に同一形状のタッチパネル102bを載置した構成であり,同図(a)は,ページ連写モードが指定されている場合のLCD部102aの表示画面を示し,同図(b)は両面印字モードが指定されている場合のLCD部102aの表示画面を示す。本実施例では,図示の如く,原稿となる画像データ(以下,原稿画像データと記載する)の10ページ分に相当する10個の表示枠201〜210を有しており,かつ,表示枠201から順番に2個の表示枠が1枚の記録紙に相当する構成である。
【0020】従って,同図(a)のページ連写モードでは,表示枠201が1枚目の記録紙の左ページ部分を示し,表示枠202が1枚目の記録紙の右ページ部分を示し,以下,同様に表示枠203,205,207,209が対応する記録紙の左ページ部分を示し,表示枠204,206,208,210が対応する記録紙の右ページ部分を示している。
【0021】また,同図(b)の両面印字モードでは,表示枠201が1枚目の記録紙の表面部分を示し,表示枠202が1枚目の記録紙の裏面部分を示し,以下,同様に表示枠203,205,207,209が対応する記録紙の表面部分を示し,表示枠204,206,208,210が対応する記録紙の裏面部分を示している。
【0022】さらに,本実施例では,上記の対応が明確になるように,ページ連写モードと両面印字モードとで,LCD部102aに表示されるページ番号を変えている。具体的には,同図(a)のページ連写モードの場合には,表示枠201〜210をページとして扱って,それぞれの表示枠の下に『ページ1〜10』を表示し,同図(b)の両面印字モードの場合には,表示枠201〜210をそれぞれ記録紙の表面と裏面とに対応させて,『表』,『裏』を表示し,かつ,1枚の記録紙を1ページとして『ページ1〜5』を表示している。
【0023】なお,実施例1では,記録紙の5枚分(すなわち,原稿画像データの10ページ分)だけを表示する構成とするが,特にこれに限定するものではなく,画像データを記憶するページバッファであるRAM105のメモリ容量およびLCD部102aの表示サイズに余裕があれば,さらに表示するページ数を増やすことも可能である。
【0024】以上の構成において,■LCD部102aによる原稿画像データの記録紙上への配置表示,■LCD部102aを用いた白紙ページ追加操作,■白紙ページ追加制御,■制御フローチャートの順にその動作を説明する。
【0025】■LCD部102aによる原稿画像データの記録紙上への配置表示コントローラ100は,ホスト装置103から原稿画像データの印字要求を受けると,ホストI/F112を介してホスト装置103から10ページ分の原稿画像データを入力し,RAM105上のページバッファにビットイメージのプリントデータとして一時的に記憶する。なお,詳細は後述するが,このRAM105上のページバッファは,RAM105上に設けれたページバッファ・アドレス・テーブルによって識別・管理されている。
【0026】また,指定されている印字モードに従って操作パネル102のLCD部102aに原稿画像データの記録紙上の配置を表示する。この印字モードの指定方法は,例えば,操作パネル102上のキースイッチ(図示せず)を用いて指定する方法でも良く,ホスト装置113からモード指定コマンドとして入力する方法でも良い。
【0027】ここで,印字モードが両面印字モードの場合に,印字する画像データとして,図3(a)に示すような9ページ分の原稿画像データがホスト装置103から転送されきて,RAM105に記憶されたとすると,図3(b)に示すように,LCD部102a上の対応する9ページ分の表示枠201〜209に原稿画像データが表示される。このとき,各表示枠201〜209に表示される画像は,原稿画像データそのものを表示しても良く,あるいは簡略化して表示しても良い。なお,10ページ分の表示枠201〜210に対して,原稿画像データが9ページであり,10ページ目の表示枠210に表示する原稿画像データが存在しないので,表示枠210が白紙(画像表示なし)となっているが,この白紙表示に代えて,以降に原稿画像データが存在しないことを示すあらかじめ定めたエンドマークを表示するようにしても良い。
【0028】■LCD部102aを用いた白紙ページ追加操作図3(b)に示したLCD部102aの表示画面で確認した記録紙上の配置が所望のページ配列でない場合,オペレータは,白紙ページを追加することにより所望のページ配列に変更することができる。例えば,同図において,記録紙の裏面に配置された画像から新しい章が始まる場合には,該当する画像を記録紙の表面になるように変更することにより,各章を独立した形式で編集することができる。また,見開きで参照したい連続した内容の画像が,1枚の記録紙の表面と裏面とに配置されている場合には,それぞれ異なる記録紙の裏面と表面になるように変更することにより,見開きで参照することができる。
【0029】具体的には,表示枠206に表示されている画像『か』の原稿画像データを表示枠207の位置(記録紙の表面)に配置したい場合には,図4(a)に示すように,表示枠206の画像『か』に触れることにより,LCD部102aの表面に配置されたタッチパネル102bを介して,該当するページの指定が入力され,図4(b)に示すように,表示枠206のページが白紙ページとして追加される。換言すれば,指定したページ以降のページが,一つずつ後ろにシフトして再表示される。
【0030】■白紙ページ追加制御次に,上記の白紙ページ追加操作によって,指定されたページに基づく,白紙ページの追加制御について説明する。白紙ページの追加は,RAM105上に設けられたページバッファ・アドレス・テーブル上の指定されたページの位置以降の設定値(アドレス情報)をシフトし,指定されたページの位置に白紙ページである旨の情報(本実施例では,−1)を書き込むことによって行われる。
【0031】図5は,RAM105上に設けられたページバッファ・アドレス・テーブル501およびページバッファ502の構成を示し,ページバッファ・アドレス・テーブル501には,ページバッファ502に記憶された各ページの原稿画像データの先頭アドレスが格納されている。なお,ページバッファ・アドレス・テーブル501は,PAGE・ADRS(1)〜PAGE・ADRS(20)の20ページ分のアドレス・テーブルを持っているものとする。また,PAGE・ADRS(1)〜PAGE・ADRS(20)の初期値をそれぞれ「0」とする。
【0032】例えば,ホスト装置103から原稿画像データを受信し,最大10ページ分の原稿画像データがページバッファ502に格納されたとすると,ページバッファ・アドレス・テーブル501は,以下のように設定される。
【0033】PAGE・ADRS(1)=(1ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(2)=(2ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(3)=(3ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(4)=(4ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(5)=(5ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(6)=(6ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(7)=(7ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(8)=(8ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(9)=(9ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(10)=(10ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
【0034】その後,例えば,6ページ目(表示枠206)が白紙ページに指定されると,以下に示すように,6ページ目以降の設定値を下に一つずつシフトし,PAGE・ADRS(6)=−1に設定する。
【0035】PAGE・ADRS(1)=(1ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(2)=(2ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(3)=(3ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(4)=(4ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(5)=(5ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(6)=−1PAGE・ADRS(7)=(6ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(8)=(7ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(9)=(8ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(10)=(9ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
PAGE・ADRS(11)=(10ページ目の原稿画像データが格納されたページバッファ502の先頭アドレス)
【0036】その後,更新したページバッファ・アドレス・テーブル501に基づいて,PAGE・ADRS(1)〜PAGE・ADRS(10)に格納されている先頭アドレスに対応するページバッファ502の原稿画像データを順番に読み出し,LCD部102aの該当する表示枠(201〜210)に表示する。このとき,設定値が「−1」あるいは「0」であれば,該当する表示枠のページを白紙として表示する。
【0037】次に,操作パネル102上の印字スタートキー(図示せず)を押下して,印字スタートを指示すると,コントローラ100は,ページバッファ・アドレス・テーブル501のPAGE・ADRS(1)〜PAGE・ADRS(10)の値を順番に読み出し,設定値が「−1」あるいは「0」でなければ,その先頭アドレスが示すページバッファ502の原稿画像データをエンジンI/F110を介してエンジン101に転送する。また,設定値が「−1」であれば,白紙ページ指定コマンドをエンジン101に転送し,エンジン101において画像形成を行わずに記録紙の搬送のみを行って白紙ページを形成する。さらに,設定値が「0」であれば,印字すべき原稿画像データがないので,印字処理を終了する。その後,ホスト装置103からさらに原稿画像データを受信した場合には,上記の動作を繰り返し実行する。
【0038】■制御フローチャート図6は,実施例1の制御フローチャートを示す。コントローラ100のCPU114は,ホスト装置103から原稿画像データの印字要求を入力すると,プログラムROM107に記憶されている図6の制御プログラムを実行する。
【0039】先ず,原稿画像データの表示指示と,ホスト装置103あるいは操作パネル102を介して指定された印字モードとを操作パネル102へ送信し,LCD部102aに10ページ分の原稿画像データを表示させる(S601)。
【0040】次に,操作パネル102の印字スタートキーが押下されたか否かを判定し(S602),印字スタートキーが押下されたならば,ステップS605へ進み,印字スタートキーが押下されていなければ,タッチパネル102bを介して白紙ページの指定ページがあるか否かを判定する(S603)。ここで,指定ページがあれば,指定ページを白紙ページとして,ページバッファ・アドレス・テーブル501を更新し(S604),ステップS601へ戻ってLCD部102aに10ページ分の原稿画像データを再表示させる。一方,指定ページがなければ,ステップS602へ戻る。
【0041】ステップS602において,印字スタートキーが押下されたと判定された場合には,ページバッファ・アドレス・テーブル501に格納されている設定値に基づいて,RAM105上のページバッファ502の原稿画像データをエンジン101に転送し,印字モードに従って記録紙に印字し(S605),ページバッファ502内に原稿画像データが残っているか否かを判定し(S606),原稿画像データが残っていれば,ステップS602へ戻り,原稿画像データが残っていなければ,処理を終了する。
【0042】前述したように実施例1によれば,1枚の記録紙に印字される原稿画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時にLCD部102aで表示することにより,各記録紙に印字される原稿画像データを確認可能とし,また,LCD部102aに表示された任意のページをタッチパネル102bで指定することにより,容易かつ確実に追加ページの位置を指定可能とし,さらに,タッチパネル102bで指定されたページに基づいて,白紙ページを追加することにより,容易かつ確実に所望の編集が可能になる。
【0043】換言すれば,タッチパネル102bに触れるだけで容易に所望のページ配置を指定することができ,かつ,LCD部102a上に変更前・後のページ配置が常に表示されるので,間違いなく,所望のページ配置を指定することができる。
【0044】従って,両面モードの印字おいて,見開きで参照したい連続した内容の画像が,1枚の記録紙の表面と裏面とに配置されている場合には,それぞれ異なる記録紙の裏面と表面になるように変更することにより,容易に見開きで参照することができる。
【0045】また,ページ連写モードの場合でも,見開きで参照したい連続した内容の画像が,1枚の記録紙の左右のページに配置されている場合には,図7に示すように出力した記録紙を袋綴じにした場合に,両面モードと同様の問題が発生するが,タッチパネル102bで白紙ページを指定して,それぞれ異なる記録紙の左ページおよび右ページになるように変更することにより,容易に見開きで参照することができるようになる。
【0046】なお,実施例1では,レーザープリンタを例として説明したが,複写機においても同様に実施可能であることは明らかである。例えば,デジタル複写機の場合にはホスト装置103およびホストI/F112の代わりに,それぞれスキャナ装置,スキャナI/Fを用いることにより実現できる。
【0047】〔実施例2〕実施例2は,LCD部102aおよびタッチパネル102bを用いた指定したページに基づいて,あらかじめICカード(プリントパターン記憶手段)109に記憶されているプリントパターンを追加ページとして追加するようにしたものである。なお,実施例2の構成および動作は,基本的に実施例1と共通であるため,ここでは,異なる部分のみについて説明する。
【0048】実施例2では,図1に示すICカード109を,あらかじめ作成された追加ページ用のプリントパターンを記憶したプリントパターン記憶手段として用いる。プリントパターンとしては,例えば,図8(a)〜(d)に示すように,社内メッセージや,メモ用ページ,新製品の紹介,参考資料等の添付資料の表題等をあらかじめICカード109に登録しておく。なお,プリントパターンとして白紙を登録しても良いのは勿論である。
【0049】以上の構成において,図9(a)に示すようにLCD部102aおよびタッチパネル102bを用いて,プリントパターンの追加ページを指定すると,図9R>9(b)に示すように,指定されたページ以降がシフトして,指定されたページの位置にICカード109に登録されているプリントパターンが表示される。
【0050】なお,ICカード109の表示は,ページバッファ・アドレス・テーブル501の指定されたページのPAGE・ADRS(n)(nは指定されたページ数)の位置に,ICカード109のプリントパターンの先頭アドレスを設定することで実現できる。また,ICカード109に複数のプリントパターンが記憶されている場合には,例えば,タッチパネル102bでページを指定した後,操作パネル102のテンキー(図示せず)を用いてプリントパターンの登録番号を入力して,選択できるようにしても良い。
【0051】図10に実施例2の制御フローチャートを示す。コントローラ100のCPU114は,ホスト装置103から原稿画像データの印字要求を入力すると,プログラムROM107に記憶されている図10の制御プログラムを実行する。
【0052】先ず,原稿画像データの表示指示と,ホスト装置103あるいは操作パネル102を介して指定された印字モードとを操作パネル102へ送信し,LCD部102aに10ページ分の原稿画像データを表示させる(S1001)。
【0053】次に,操作パネル102の印字スタートキーが押下されたか否かを判定し(S1002),印字スタートキーが押下されたならば,ステップS1005へ進み,印字スタートキーが押下されていなければ,タッチパネル102bを介してプリントパターンの指定ページがあるか否かを判定する(S1003)。ここで,指定ページがあれば,指定ページをプリントパターンの追加ページとして,ページバッファ・アドレス・テーブル501を更新し(S1004),ステップS1001へ戻ってLCD部102aに10ページ分の原稿画像データを再表示させる。一方,指定ページがなければ,ステップS1002へ戻る。
【0054】ステップS1002において,印字スタートキーが押下されたと判定された場合には,ページバッファ・アドレス・テーブル501に格納されている設定値に基づいて,RAM105上のページバッファ502の原稿画像データあるいはICカード109上のプリントパターンをエンジン101に転送し,印字モードに従って記録紙に印字し(S1005),ページバッファ502内に原稿画像データが残っているか否かを判定し(S1006),原稿画像データが残っていれば,ステップS1002へ戻り,原稿画像データが残っていなければ,処理を終了する。
【0055】実施例2では,実施例1の効果に加えて,両面モード,ページ連写モード以外の通常の印字モード(1ページの原稿画像データを1枚の記録紙の片面のみに印字するモード)でも,必要に応じてプリントパターンのページを追加することにより,あらたな使用方法を提供することができるという効果を奏する。また,無駄に白紙ページを形成することなく,記録紙を有効に活用することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の画像形成装置は,印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,白紙ページを追加するページ追加手段とを備えたため,両面印字モードや,ページ連写モードの場合に,印字される各記録紙の表裏のページあるいは左右のページの画像データを確認できるようにし,容易かつ確実に所望のページ配列に編集可能である。また,指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置を所定の白紙状態として,再表示するため,白紙ページ追加後のページ配列を容易に確認でき,間違いのなく指定を行うことができる。
【0057】また,本発明の画像形成装置は,印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,あらかじめ作成された追加ページ用のプリントパターンを記憶したプリントパターン記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,前記プリントパターン記憶手段に記憶されているプリントパターンを追加ページとして追加するページ追加手段とを備えたため,両面印字モードや,ページ連写モードの場合に,印字される各記録紙の表裏のページあるいは左右のページの画像データを確認できるようにし,容易かつ確実に所望のページ配列に編集可能である。また,無駄に白紙ページを形成することなく,記録紙を有効に活用することができる。
【0058】さらに指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置に前記プリントパターンを配置して,再表示するため,プリントパターンのページを追加後のページ配列を容易に確認でき,間違いのなく指定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のレーザープリンタのブロック構成図である。
【図2】LCD部およびタッチパネルの構成例を示す説明図である。
【図3】LCD部の表示枠における画像の表示例を示す説明図である。
【図4】実施例1のLCD部およびタッチパネルを用いた白紙ページ追加操作を示す説明図である。
【図5】RAM上に設けられたページバッファ・アドレス・テーブルおよびページバッファの構成を示す説明図である。
【図6】実施例1の制御フローチャートである。
【図7】ページ連写モードにおける問題点を示す説明図である。
【図8】実施例2のICカードに記憶したプリントパターンの例を示す説明図である。
【図9】実施例2のLCD部およびタッチパネルを用いたプリントパターンの追加操作を示す説明図である。
【図10】実施例2の制御フローチャートである。
【符号の説明】
100 コントローラ
101 エンジン
102 操作パネル
102a LCD部
102b タッチパネル
105 RAM(画像データ記憶手段)
109 ICカード(プリントパターン記憶手段)
114 CPU
201〜210 表示枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】 印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,白紙ページを追加するページ追加手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記表示手段は,前記ページ指定手段によってページが指定された場合に,指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置を所定の白紙状態として,再表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】 印字する原稿の複数ページ分の画像データを記憶する画像データ記憶手段と,あらかじめ作成された追加ページ用のプリントパターンを記憶したプリントパターン記憶手段と,前記画像データ記憶手段に記憶されている複数ページ分の画像データに基づいて,1枚の記録紙に印字される画像データを左右のページあるいは表裏のページに分けて,かつ,複数枚の記録紙分を同時に表示する表示手段と,前記表示手段に表示された任意のページを指定するページ指定手段と,前記ページ指定手段で指定されたページに基づいて,前記プリントパターン記憶手段に記憶されているプリントパターンを追加ページとして追加するページ追加手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 前記表示手段は,前記ページ指定手段によってページが指定された場合に,指定されたページを含む以降のページを1ページ分ずらし,かつ,指定されたページの位置に前記プリントパターンを配置して,再表示することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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