説明

画像形成装置

【課題】 情報の伝送を容易化し、かつ伝送コストを軽減できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 プリンタ106にネットワークを介してデータを入力するインターフェイス2と、インターフェイス2による入力データに対して所定の画像処理を行い、画像信号を生成するコントローラ3と、前記コントローラ3にて生成した画像信号から画像を形成出力するプリンタエンジン4を設け、インターフェイス2を介してメールが入力され、そのメール入力を確認するとともに、メールの内容を判断するとともに、そのメールの内容から画像信号を生成してプリント出力するようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信機能を有する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、ファクシミリやパーソナルコンピュータを通信ネットワークに接続した一般的なシステムの構成を示すブロック図である。
【0003】本図において、公衆電話回線101は、通常の電話サービスやISDN(Integrated Services Digital Network )サービス等が行われている。ファクシミリ(FAX)装置102は、前記電話回線101に接続することで、容易に高速に画像情報を送受信することが可能となる。この場合、通信料金が必要となる。
【0004】また、現在普及しているファクシミリ装置は、白黒対応のものが普通であるが、将来はカラー画像対応機の普及が予想される。
【0005】パソコン103は、汎用のパーソナルコンピュータであり、モデム104を介して電話回線101に接続することで、パソコン103と外部とのデータの送受信が可能となる。なお、パソコン103によってファクシミリ同等の機能を実現可能である。
【0006】ネットワーク105は、現在急速に普及しているEther−net規格を適用したローカルエリアネットワーク(LAN)であり、一般にはパソコン同士を接続することにより、データの共有化やパソコン間の情報交換等が行われる。
【0007】プリンタ106は、上記ネットワーク105に接続され、ネットワーク105を介してデータの送受信を行い、パソコン等からの画像データをプリント出力する。
【0008】また、以上のようなネットワークシステムをインターネットに接続することにより、全世界の各地域、会社、個人、大学、公的機関等のネットワークを相互に接続することができる。
【0009】また、現在は、インターネットを用いてのメールシステムが構築され、普及している。これは一般に、E−mailと呼ばれ、全世界的に送受信することができる。
【0010】E−mailで受信された文書は、パソコン103のモニタに表示し、それを読むことになる。また、この内容をプリントしたいときには、パソコンからプリンタに出力する操作をしなければならない。また、E−mailにはファイルを添付することも可能である。
【0011】画像データを送付したいときには、添付ファイルとして送受信し、パソコン上のアプリケーションにより処理され、モニタに表示される。この画像もプリントしたいときは、同様にパソコンからプリンタに出力する操作をしなければならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例では、上述のようにE−mailの文書や画像をプリント出力するためには、一旦パソコン等にメールを読込み、さらにプリント操作をしなければならない。また、当然ながらパソコンが必須である。
【0013】また、画像はファクシミリ等で送受信することが可能であるが、このとき電話回線を占有し、また高額な電話接続料金も必要である。また、公衆有料回線を用いるので、接続距離が増すにつれその料金は増加してしまう。また、カラー画像であれば、なおさら長時間の接続が必要となり、その分さらに高額の接続料金が必要となる。
【0014】そこで本発明は、情報の伝送を容易化し、かつ伝送コストを軽減できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ネットワークを介してデータを入力する入力手段と、前記入力手段による入力データに対して所定の画像処理を行い、画像信号を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段にて生成した画像信号から画像を形成出力する画像形成手段とを有する画像形成装置において、前記入力手段を介してメールが入力され、そのメールの入力を確認する入力確認手段と、メールの内容を判断するメール内容判断手段と、そのメールの内容から画像信号を生成する画像信号生成手段とを有することを特徴とする。
【0016】すなわち、本発明では、画像形成装置(プリンタ)に、例えばE−mail等のメールを受信できる機能を設け、メールを判断して、文書や画像等を自動的にプリントする機能を設けたことで、情報の伝達が容易になり、さらに経済的に大きく改善させることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明の実施例によるプリンタの構成を示すブロック図である。この実施例のプリンタは、例えば図5に示すネットワークシステムに設けられたプリンタ106に適用したものである。
【0018】本実施例のプリンタ106は、Ether−netに基づくLAN105に接続され、さらにLAN105は、前記インターネットに接続されている。
【0019】このようにプリンタ106は、Ether−netを介してインターネットにつながっていることから、E−mailを受信可能に構成することができる。
【0020】すなわち、図1において、信号線1は、Ether−netに基づくLAN105との接続線であり、インターフェイス2は、Ether−netとのインターフェイスをとるための回路である。また、コントローラ3は、受信した信号から画像を形成可能な信号に変換する画像信号処理回路と、それらを制御する回路である。プリンタエンジン4は、コントローラ3からの画像信号から画像を形成し、プリント出力5として出力するものである。
【0021】本発明により、プリンタ106にE−mailを送信することで、プリンタ106は、自動的にその内容をプリント出力することが可能となる。
【0022】図2は、プリンタ106がE−mailを受信し、その内容を判断し、プリントアウトする一連の動作を示すフローチャートである。
【0023】まず、ステップ01(S01)では、前記Ether−netを介してのインターネットからのE−mailの着信があるかどうかを判断する。ここで、着信がなければ、スタートに戻る。また、着信がある場合は、ステップ02(S02)に進む。
【0024】ステップ02(S02)では、その着信メールの内容を判断し、予め設定された条件を満たすか判断し、その条件を満たさないときは、スタートに戻る。また、条件を満たす場合は、ステップ03(S03)のラスタライザに進む。
【0025】ここで、着信メールの内容の判断は、データのフォーマット言語の種類等の判断である。また、条件とは、着信したメールが本装置に登録されているデータであるか否か、ラスタライズ可能なものであるか等である。
【0026】このラスタライザでは、受信した内容を画像処理し、プリント可能なように、ラスタ信号またはラスタデータに変換する。ステップ03(S03)の出力は、ステップ04(S04)に入力される。
【0027】ステップ04(S04)では、ステップ03(S03)によってラスタライザされた文書または画像の信号をプリント出力する。
【0028】以上の一連の動作により、インターネットから送られてきたE−mailをプリンタが自動的プリント出力することが可能となる。
【0029】次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0030】図3は、本発明の第2実施例における一連の動作を示すフローチャートである。なお、システムの構成は、上記第1実施例と共通であるものとする。また、図2のフローチャートと共通部分については、同一のステップ番号を用いて説明する。
【0031】まず、ステップ31(S31)は、上記ステップ02(S02)の判断がYesの場合に、その受信メールに添付ファイルが有るかどうかを判断し、ない場合はステップ03(S03)へ進む。また、ある場合はステップ32(S32)へ進み、ステップ32(S32)では、その添付されたファイルの形式を判断し、ステップ33(S33)へ進む。
【0032】ステップ33(S33)は、その添付ファイルのファイル形式に基づいてデコードし、ステップ03(S03)へ進む。ステップ03(S03)以降は、第1実施例と同様に処理され、プリント出力される。なお、添付ファイルのプリントは、該ファイルが着信したメールに添付されていたものであることを示す情報を付加してプリントする。
【0033】本実施例により、プリンタ106にE−mailを送信することで、プリンタ106は、自動的にその内容をプリント出力することが可能となる。さらに、そのメールに文章や図形のファイルを添付しても、その内容を自動的の判断し、デコードしてプリント出力することが可能となる。
【0034】次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0035】図4は、本発明の第3実施例における一連の動作を示すフローチャートである。なお、システムの構成は、上記第1実施例と共通であるものとする。また、図2のフローチャートと共通部分については、同一のステップ番号を用いて説明する。
【0036】ステップ02(S02)のメールの内容判断がYesの場合には、第1実施例と同様の処理がされる。また、N0の場合、またステップ04(S04)の処理後、ステップ41(S41)へ進む。
【0037】ステップ41(S41)では、プリンタ106の一連の処理動作のステータスを受信時とは反対にして、Ether−netを介してインターネットのE−mailへ返信を送信する。
【0038】この返信により、メール発信者にプリントの成否またはプリンタの状態を知らせることが可能となる。
【0039】また、返信を予め設定した別のアドレスや受信したE−mailに含まれる別のアドレスに送信することで、遠隔地からそのプリンタ106を管理することも可能となる。
【0040】なお、以上の実施例では、E−mailの着信からプリント出力までをソフトウエアによるフローチャートで説明したが、同様の機能をハードウエアで構成しても良く、同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置(プリンタ)にメールを送るだけで、自動的にその内容をプリント出力することが可能となることから、より経済的な回線を使用でき、安価な情報手段としてファクシミリ同様の機能を実現できる。また、メール着信を自動的に判断処理するため、その間、人の介在を必要とせず、容易に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】プリンタを含むネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…接続線、
2…インターフェイス、
3…コントローラ、
4…プリンタエンジン、
5…プリント出力、
105…LAN、
106…プリンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ネットワークを介してデータを入力する入力手段と、前記入力手段による入力データに対して所定の画像処理を行い、画像信号を生成する画像処理手段と、前記画像処理手段にて生成した画像信号から画像を形成出力する画像形成手段とを有する画像形成装置において、前記入力手段を介してメールが入力され、そのメールの入力を確認する入力確認手段と;メールの内容を判断するメール内容判断手段と;そのメールの内容から画像信号を生成する画像信号生成手段と;を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 請求項1において、前記メールにはファイルが添付可能であり、その添付ファイルの有無およびファイル形式を判定するファイル判定手段と、そのファイルをデコード処理するデコード手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 請求項1において、前記メールの着信後、その処理過程またはその結果を、前記ネットワークを介して前記メールの発信者、または予め設定されたアドレス、またはメールによって設定されたアドレスに、メールを返信する返信手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、前記メールは、インターネットによるE−mailであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate