説明

画像形成装置

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次)
産業上の利用分野従来の技術(図6)
発明が解決しようとする課題課題を解決するための手段(図1)
作用実施例(a)画像形成装置の説明(図2乃至図3)
(b)一実施例の説明(図4乃至図5)
(c)他の実施例の説明発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、潜像担持体の残留トナ−を現像器で回収して、クリ−ナ−を不要にした画像形成装置に関する。
【0003】複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像記録装置では、普通紙記録の要請から電子写真装置等の潜像形成型装置が利用されている。
【0004】このような画像形成装置では、感光ドラム等に静電潜像を形成し、トナ−で現像し、可視像化し、このトナ−像をシ−トに転写した後、シ−トを分離し、トナ−像を定着するが、トナ−像のシ−トへの転写率は、100%でなく、いくらかのトナ−が感光ドラムに残留する。
【0005】このため、残留トナ−の除去のため、ファ−ブラシクリ−ナ−、ブレ−ドクリ−ナ−等が設けられ、感光ドラムより回収、廃棄しているが、近年の装置の小型化、低コスト化の要請に伴い、記録プロセスの一部を省略が望まれている。
【0006】このクリ−ニング動作は、トナ−を廃棄する機構が必要であり、廃棄トナ−を貯蔵するスペースが必要であり、回収したトナ−は印刷に寄与しない等のため、クリ−ナ−を除去したクリ−ナ−レスプロセスが望まれている。
【0007】また、廃トナーを出さない事によりゴミの量を軽減できるという、環境問題に対する考慮を払っている。
【0008】
【従来の技術】図6は従来技術の説明図である。例えば、電子写真プリンタ装置では、図6(A)に示すように、有機感光体、Se感光体、aーSi感光体等の感光ドラム10の周囲に、感光体10上を一様帯電するコロナ帯電器11と、画像露光を行うレ−ザ−光学系12と、二成分現像器、磁性一成分現像器、非磁性一成分現像器等の現像器13と、感光体10上のトナ−像を静電的に用紙Pに転写するコロナ放電器14と、ファ−ブラシクリ−ナ−、ブレ−ドクリ−ナ−等のクリ−ナ−15と、除電ランプ16とが配置され、さらに用紙Pを搬送する搬送路上に熱又は圧力でトナ−像を用紙Pに定着する定着器17が配置されている。
【0009】この動作は、感光ドラム10の表面をコロナ帯電器11で一様帯電し、レ−ザ−光学系12により画像に対応した光像を露光して、画像に応じた静電潜像を形成し、現像器13で帯電トナ−を供給して、トナ−現像する。
【0010】転写器であるコロナ放電器14は、用紙Pを挟んで感光ドラム10に近傍に配置され、搬送される用紙Pをトナ−電荷と反対極性に帯電させ、感光ドラム10のトナ−像を静電的に転写し、用紙Pは、定着器17を通過する間に、熱及び圧力によって用紙P上にトナー像が定着され、印刷が完了する。
【0011】一方、用紙Pにトナ−像を転写した後の感光ドラム10上の残留トナ−は、クリ−ナ−15により清掃され、除電ランプ16で、残留電荷を除去され、初期状態に戻され、印刷動作を繰り返す。
【0012】クリ−ナ−15によって、感光ドラム10上から回収された転写残りトナ−は、図示しないトナ−搬送機構によって、廃トナ−タンクに一次貯蔵され、所定量の廃トナ−がたまったら、ユ−ザ−によって装置外に廃棄される。
【0013】このような記録プロセスでは、■トナ−を廃棄する機構が必要なため、装置の小型化の障害となっている、■廃棄トナ−を貯蔵するスペースが必要である、■印刷に寄与しないトナ−であるため経済的でない、■トナ−の廃棄は、環境保護にそぐわない、■クリーナーで感光ドラム10のトナーを除去するには、クリーナーで感光ドラム10を削るため、感光ドラム10の寿命が短くなる等の問題がある。
【0014】これを解決するため、クリ−ナ−15を除去し、転写残りトナ−を現像器13で回収し、転写残りトナ−を再び印刷に使用するクリ−ナ−レスプロセスが提案されている(例えば、電子写真学会誌 第30巻 第3号 第293頁乃至第301頁 論文「一成分非磁性現像方式を用いたクリ−ナレスレ−ザプリンタ」等)。
【0015】図6(B)はかかる従来のクリ−ナ−レス画像形成装置の構成図であり、図6(A)で示したものと同一のものは、同一の記号で示してあり、図6(A)の構成と異なる点は、クリ−ナ−15が無く、導電性の均一化ブラシ18を設けたことである。
【0016】この記録プロセスでは、感光体10上の転写残りトナ−を、均一化ブラシ18によって分散し、この後、感光ドラム10上にトナ−が付着した状態で、コロナ帯電器11で一様帯電し、レ−ザ−光学系12で画像露光を行い、現像器13で転写残りトナ−の回収と同時に現像を行う。
【0017】この均一化ブラシ18によるトナ−分散は、一部に集中しているトナ−を分散することによって、単位面積当たりのトナ−量を小さくして、現像器13による回収を容易にし、更に、コロナ帯電器11におけるイオンシャワ−及び画像露光工程におけるフィルタ−効果を抑制する効果がある。
【0018】この記録プロセスのポイントは、現像工程と同時に、感光ドラム10上のトナ−を回収することであり、感光体10をマイナス帯電させ、トナ−もマイナス帯電させたもので説明する。
【0019】感光体10の表面電位は、帯電器11により、−500〜−1000Vに設定され、画像露光で電位が低下した露光部は、0〜−数10Vに電位が低下し、静電潜像を形成し、現像時には、表面電位と潜像電位のほぼ中間の現像バイアス電圧(例えば、−300V)を現像器13の現像ロ−ラに印加する。
【0020】現像工程では、現像ロ−ラ上に付着しているマイナス帯電トナ−が、現像バイアスと潜像電位とで形成する電界によって、感光体10上の静電潜像に付着してトナ−像を形成する。
【0021】クリ−ナ−レスプロセスでは、この現像工程と同時に、均一化プロセスで感光ドラム10上に分散された転写残りトナ−が、表面電位と現像バイアスとで形成する電界によって、感光体10上より現像ロ−ラに回収される。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、装置の停止時に、感光ドラム10に付着した残留トナーや紙粉と、帯電器11のコロナ放電により生じたオゾンと、空気中の窒素とが化学結合して化合物が生成され、これが感光ドラム10に付着する。
【0023】これは、トナーや紙粉内の硫黄(S)成分、カリウム(K)成分、ナトリウム(Na)成分が、オゾン、窒素と化学結合し、NaNO3 、KNO3 等の化合物が生成され、感光ドラム10に付着する。
【0024】このような化合物は、装置を稼働し、感光ドラム10を回転させている間は、装置内が活性化されており、湿度が低いため生成されず、装置を停止する(ドラムの回転を停止する)と生成される。
【0025】この化合物は、低抵抗のため、装置を起動させると、感光ドラム10のこの化合物上では、電荷を保持することができないため、印字情報を感光ドラム10に書き込めないため、印字抜けが発生する。
【0026】このため、従来技術では、次の問題があった。
■従来のクリーナーレスプロセスでは、散らしブラシ18は、感光ドラム10を削ることなく、トナーを散らすだけの接触力のため、このような付着化合物を除去できず、結果的に印字抜けを防止できない。
【0027】■クリーナー15を設ければ、かかる付着化合物を除去できるが、これでは、、クリーナーレスプロセスを実行できない。
【0028】従って、本発明は、クリ−ナ−レスプロセスにおいて、付着化合物を除去し、印字抜けを防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図である。
【0030】本発明の請求項1は、回転するエンドレス状の潜像担持体10と、前記潜像担持体10を帯電する帯電部11と、前記帯電された潜像担持体10に潜像を形成する潜像形成部12と、前記潜像担持体10の潜像をトナーにより現像する現像部13と、前記潜像担持体10のトナー像をシートに転写する転写部14とを有し、転写後の残留トナーを前記現像部13で回収するクリーナーを有しない画像形成装置において、前記潜像担持体10の付着物を除去し、回収する当接部25と、当接部25を当接動作させる駆動部26とを設け、潜像担持体10を回転させない状態に置いた後、前記潜像担持体10を回転させる時に、且つ、像形成が行われる前に、前記駆動部26により前記当接部25を回転する前記潜像担持体10に当接させて、前記潜像担持体10の付着物を除去し、回収することを特徴とする。
【0031】本発明の請求項2は、請求項1において、前記当接部25前記潜像担持体10の付着物をかきとることを特徴とする。
【0032】本発明の請求項3は、請求項1又は2において、前記当接部25、ブレード25ー1と、前記除去した付着物を溜める溜まり部25ー2とを有することを特徴とする。
【0033】
【0034】
【0035】本発明の請求項は、請求項1又は2又はにおいて、前記当接部25の当接時に、前記現像部13に、前記現像を行う時のバイアス電位と逆極性の逆バイアス電位を印加することを特徴とする。
【0036】
【作用】本発明の請求項1では、装置の停止時に、かかる化合物が生成されるため、当接部25と駆動部26とを設け、装置の停止後の潜像担持体10の回転開始時に、当接部を潜像担持体10に当接させて、かかる生成化合物を除去しようとするものである。
【0037】これにより、クリーナーを設けない画像形成装置において、潜像担持体に付着した付着物を除去できるため、安定なクリーナーレス画像形成が可能となる。又、像形成前に除去動作を行うため、画像形成動作に影響を与ず、しかも潜像担持体10を削ることなく、生成化合物を除去して、クリーナーレスプロセスを実行できる。更に、潜像担持体から除去した付着物を回収するため、付着物が現像部で回収されて、現像部のトナー帯電に影響を与えることを防止できる。
【0038】本発明の請求項では、当接部25が、潜像担持体10から付着物をかきとるため、潜像担持体10に生成化合物が付着しても、潜像担持体10から生成化合物を除去できる
【0039】本発明の請求項では、当接部25が、ブレード25ー1と溜まり部25ー2とを有するため、当接部25により、潜像担持体10から付着物を除去し、回収することができる
【0040】本発明の請求項では、当接時に、現像部13に逆バイアスを印加するため、帯電器11の立ち上がりにおいても、潜像担持体10の残留トナーを回収できる。
【0041】
【実施例】
(a)画像形成装置の説明図2は本発明の一実施例全体構成図、図3は本発明の一実施例要部構成図であり、電子写真プリンタを示している。
【0042】図中、図1、図6で示したものと同一の記号で示してあり、20は感光ドラムであり、アルミドラム上に機能分離型有機感光体を厚さ約26ミクロンに塗布したものであり、外径が24mmで、矢印反時計方向に周速度24mm/sで回転されるもの、21は前帯電器であり、感光ドラム20の表面を一様帯電するスコロトロンで構成され、高圧電源Vcによって、コロナワイヤ21−1に−3〜−8kVの電圧を印加し、且つスコロトロン開口部に取り付けたメッシュ21−2とドラムアース間にバリスタRを挿入し、感光ドラム20表面の電位が均一となるように制御している。
【0043】尚、バリスタRを用いずに、所定の感光体表面電位に相当する電圧を発生する電源をメッシュ21−2に接続しても良い。この実施例では、感光ドラム20表面が、−650Vになるように設定した。
【0044】22は光学ユニットであり、一様帯電された感光ドラム20を画像露光して、静電潜像を形成するものであり、LEDアレイとセルフォックアレイとを組み合わせたLED光学系を用いており、感光ドラム20を画像パターンに応じて、画像露光することによって、−50〜−100Vの静電潜像が形成される。
【0045】23は現像器であり、感光ドラム20上の静電潜像に帯電トナーを付着させ、可視化するものであり、金属製のスリーブ28−2と、その内部に設けた複数の磁極のマグネットローラ28−1から構成される現像ローラ28を有し、スリーブ28−2内部のマグネットローラ28−1を固定し、スリーブ28−2の回転によって、後述する磁性現像剤を搬送する。
【0046】このスリーブ28−2には、電源Vbと電源VrとがスイッチSWを介して印加され、通常は現像バイアス電圧Vbが、起動時には逆バイアス電圧Vrが供給される。
【0047】現像ローラ28の周囲は、現像室23−1を構成しており、現像室23−1内には、磁性キャリアと磁性トナーの混合物である二成分現像剤40が充満している。
【0048】この現像室23−1は、一定の容積であり、現像室23−1の磁性キャリアの量は一定であるから、磁性トナーを供給して、この現像室23−1の現像剤を一定に保つことにより、トナー濃度の制御を不要にできる。
【0049】即ち、トナー濃度の制御ポイントに相当するキャリア量を、現像室23−1に充填することにより、自動的にトナー濃度は所定の範囲に制御される。
【0050】現像剤40は、磁性キャリアに、平均粒径70ミクロンのマグネタイトキャリアを、磁性トナーに、平均粒径7ミクロンの重合法を用いて製造した磁性トナーを用いている。
【0051】この重合トナーは、粒径が揃い、粒度分布がシャープであるため、後述する転写工程において、感光ドラム20のトナー像と用紙との密着性が均一となり、転写部での電界が均一となるため、従来の粉砕法によるトナーより、転写効率を向上させることができ、粉砕トナーでは、60〜90%であった転写効率が、重合トナーでは、90%以上に改善される。
【0052】このトナーでは、トナー濃度は、5〜60wt%が適当であるが、本実施例では、15±5wt%に設定した。
【0053】23−2はドクターブレードであり、現像ローラ28が感光ドラム20に供給する現像剤量が、感光ドラム20上の静電潜像に供給過剰にならないように、反対に供給不足にならないように調整するものであり、ドクターブレード23−2のエッジと現像ローラ28表面とのギャップで行い、通常ギャップは、0.1〜1.0mm程度に調整される。
【0054】23−3はトナー収容部であり、磁性トナーのみが充填されており、内部にアジテータ23−4が備えられており、アジテータ23−4の回転により、トナーを現像室23−1に供給するものである。
【0055】この現像室23−1内に供給されたトナーは、スリーブ28−2の現像剤搬送力、現像ローラ28の磁力及びドクターブレード23−2の現像剤規制機能によって、現像室23−1内で攪拌され、キャリアと摩擦することにより、所定極性及び帯電量に帯電する。本実施例では、マイナスに帯電するように、キャリアとトナーの帯電系列を調整している。
【0056】29はトナーカートリッジであり、トナー41が充填されており、交換可能に現像器23に取り付けられ、トナーエンプティ時に交換して、トナー41をトナー収容部23−3に供給するものである。
【0057】24は転写器であり、コロナ放電器で構成され、感光ドラム20上のトナー像を静電的に用紙Pに転写するものであり、コロナワイヤに電源Vtで+3〜+10kVの電圧を印加して、コロナ放電で電荷を発生させ、用紙P裏面を帯電させ、感光ドラム20上のトナー像を用紙Pに転写するものであり、電源Vtは、一定電荷量を用紙に供給することにより、環境による転写効率の低下を低減できる定電流電源が望ましい。
【0058】25は掻き取り部であり、ゴム製のブレード25−1と、溜まり部25−2とを有し、感光ドラム20の付着化合物を掻き取るためのものであり、後述するものである。
【0059】27は定着器であり、用紙P上のトナー像を熱定着するものであり、熱源であるハロゲンランプ27−2を内部に備えたヒートローラ27−1と加圧ローラ(バックアップローラ)27−3とから構成され、用紙Pを加熱することにより、トナー像を用紙Pに定着するものである。
【0060】30は用紙カセットであり、用紙を収容し、装置に着脱自在なもの、31はピックローラであり、用紙カセット30の用紙をピックするもの、32はレジストローラであり、ピックされた用紙が突き当てられて、用紙の先端を揃え、転写器24に搬送するもの、33は排紙ローラであり、定着後の用紙をスタッカ34に排出するもの、34はスタッカであり、装置の上面に設けられ、排出された用紙をスタックするものである。
【0061】この実施例の動作を説明すると、スコロトロン帯電器21により、感光ドラム20の表面を、−650Vに一様帯電し、その後LED光学系22により画像露光することにより、感光ドラム20上には、背景部が−650Vの、印字部が−50〜−100Vの静電潜像が形成される。
【0062】現像器23の現像ローラ28のスリーブ28−2には、スイッチSWにより、電源Vbにより現像バイアス電圧(−400V)が印加されているため、この静電潜像は、現像器23により、予めキャリアとの攪拌によりマイナス帯電された重合トナーによって現像され、トナー像となる。
【0063】一方、用紙カセット30からピックローラ31により用紙がピックされ、レジストローラ32で先端が揃えられ、転写器24方向に搬送される。
【0064】そして、トナ−像は、転写器24によって、静電力により用紙Pに転写され、用紙Pのトナー像は、定着器27により用紙P上に定着され、U字形状の搬送パスを通って、排紙ローラ33によりスタッカ34に排出される。
【0065】転写後に感光ドラム20上に残ったトナーは、スコロトロン帯電器21とLED光学系22を通り、現像器23に到達し、次の現像プロセスと同時に現像ローラ28に回収され、回収されたトナーは、現像器23において、再使用される。
【0066】この装置は、極めて小型であり、図2に示すように、装置の長さが、用紙カセット30を含まずに、305mmであり、用紙カセット30をセットしても、445mmであり、高さは100mmであり、パーソナルユースのプリンタとして、机上の設置が容易である。
【0067】更に、クリーナーレスプロセスをとっても、前帯電器21と転写器24とを、非接触型の放電器で構成したため、感光ドラム20上のトナーが、これらユニットに付着することがなく、安定に一様帯電と転写を実行できる。
(b)一実施例の説明
【0068】図4は本発明の一実施例掻き取り部の説明図、図5は本発明の一実施例説明図である。
【0069】図4の掻き取り部25の構成において、25ー1はゴムブレードであり、感光ドラム20に押し当てられ、感光ドラム20の異物(付着化合物)等を掻き落とすもの、25−2は溜まり部であり、ゴムブレード25−1により掻き落とされた異物を溜めておくもの、25−3は係合棒であり、後述する駆動部に係合するもの、25−4はスプリングであり、掻き取り部25を装置ベース方向に付勢するものである。
【0070】一方、駆動部26では、26−1は駆動カムであり、駆動軸26−2の回転力により回動して、駆動カム26−1に係合する係合棒25−3を押し、掻き取り部25を感光ドラム20に押し付けるものである。
【0071】この動作は、駆動カム26−1の非動作時には、図4(A)に示すように、スプリング25−4の復帰力により、掻き取り部25は感光ドラム20から離れている。
【0072】一方、異物を掻き取る時には、図4(B)に示すように、駆動軸26−2を回転させて、駆動カム26−1を回動し、駆動カム26−1に係合する係合棒25−3を押して、掻き取り部25を感光ドラム20に押し付ける。
【0073】これにより、掻き取り部25のゴムブレード25−1が、感光ドラム20に押し当てられ、感光ドラム20の回転に伴い、感光ドラム20の付着物を掻き取り、掻き落とされた付着物は、溜まり部25−2に落ち、収容される。
【0074】そして、駆動カム26−1の回動を解除すると、図4(A)に示したように、スプリング25−4の復帰力により、掻き取り部25は感光ドラム20から離れる。
【0075】図5(A)において、50は制御部であり、マイクロプロセッサ(MPU)で構成され、装置各部の制御を行うもの、51はモータであり、感光ドラム20、現像器23等を駆動するものである。
【0076】図5(B)により、感光ドラム20の付着物除去処理について説明する。
■電源をオンすると、制御部(プロセッサという)50は、付着物除去処理の実行を開始し、先ず、掻き取り駆動部26を駆動して、駆動軸26−2を回転し、駆動カム26−1を回動し、掻き取り部25を感光ドラム20に押し付け、掻き取り部25のゴムブレード25−1を感光ドラム20に押し当てる。
【0077】■次に、プロセッサ50は、モータ51を起動して、感光ドラム20を回転させるとともに、スイッチSWを逆バイアスVr側に切り換え、現像ローラ28に正の電圧を印加する。
【0078】これにより、回転する感光ドラム20の付着物がゴムブレード25−1により掻き落とされ、溜まり部25−2に収容される。この時の、ブレード25−1のブレード圧力は、20〜24g・cm程度が望ましい。
【0079】これとともに、現像ローラ28の逆バイアスにより、感光ドラム20上の残留マイナストナーが回収される。
【0080】■プロセッサ50は、感光ドラム20の回転数が所定回転数(例えば、2回転以上)となると、一旦モータ51を停止し、感光ドラム20の回転を停止させ、掻き取り駆動部26の駆動を解除し、掻き取り部25を感光ドラム20からリリース(離間)し、スイッチSWの逆バイアス電源Vrの接続を解除して、通常のイニシャルシーケインスに戻る。
【0081】このようにして、感光ドラム20がある一定時間以上停止し、感光ドラム20上の残留トナー、紙粉等が、オゾン、窒素等と化学反応して、化合物を生成し、感光ドラム20に化合物が付着した状態にある時に、感光ドラム20を起動する時点で、本来のイニシャルシーケンスの前に、掻き取り部25を感光ドラム20に押し付け、かかる化合物を掻き取り、化合物による弊害を事前に除去する。
【0082】このような、化合物の掻き取りは、感光ドラム20を若干ではあるが、削り取ることになるため、この掻き取り部25の掻き取りは最小限とし、例えば、感光ドラム20の2回転だけとして、かかる掻き取りによる感光ドラム20の寿命の低減を最小とする。
【0083】又、同時に、現像器13に逆バイアスを印加して、感光ドラム20の残留トナーを除去するため、化合物の除去と残留トナーの回収とを同時に実行できる。
(c)他の実施例の説明
【0084】上述の実施例の他に、本発明は、次のような変形が可能である。
■クリーナーレスプロセスにおいて、掻き取り部を設けているが、その他に、散らしブラシ、除電ランプを設けても良い。
【0085】■当接部として、散らしブラシとは別の掻き取り部により説明したが、散らしブラシのみとし、これの駆動部を設けて、感光ドラム10への接触圧力を変化させて、付着物の除去と、残留トナーの散らしとを選択的に実行するようにしても良い。
【0086】■掻き取り動作を、電源オン時で説明したが、電源オン中で、所定時間(例えば、10時間程度)感光ドラムを回転しない状態が続いた時に、かかる掻き取り動作を行うようにしても良い。
【0087】■画像露光部として、LED光学系を用いたが、レーザ−光学系、液晶シャッタ光学系、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)光学系等を用いても良い。
【0088】■現像器を二成分磁性現像法で説明したが、二成分非磁性現像法、磁性トナ−現像法、一成分非磁性現像法等周知の現像法を用いてもよい。
【0089】■上述の実施例では、潜像形成機構を電子写真機構で説明したが、トナ−像を転写する潜像形成機構(例えば,静電記録機構等)にも使用でき、シ−トPは用紙に限らず、他の媒体を用いることができる。
【0090】■画像形成装置をプリンタで説明したが、複写機、ファクシミリ等他の画像形成装置であっても良い。
【0091】以上、本発明を実施例により説明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、次の効果を奏する。クリーナーを設けない画像形成装置において、潜像担持体に付着した付着物を除去できるため、安定なクリーナーレス画像形成が可能となる。
【0093】像形成前に除去動作を行うため、画像形成動作に影響を与ず、しかも潜像担持体10を削ることなく、生成化合物を除去して、クリーナーレスプロセスを実行できる■潜像担持体から除去した付着物を回収するため、付着物が現像部で回収されて、現像部のトナー帯電に影響を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例全体構成図である。
【図3】本発明の一実施例要部構成図である。
【図4】本発明の一実施例かき取り部の説明図である。
【図5】本発明の一実施例説明図である。
【図6】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
10、20 感光ドラム(潜像担持体)
11、21 前帯電器
12、22 LED光学系(潜像形成部)
13、23 現像器
14、24 転写器
25 掻き取り部(当接部)
26 掻き取り駆動部
27 定着器
28 現像ローラ
30 用紙カセット
34 スタッカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転するエンドレス状の潜像担持体(10)と、前記潜像担持体(10)を帯電する帯電部(11)と、前記帯電された潜像担持体(10)に潜像を形成する潜像形成部(12)と、前記潜像担持体(10)の潜像をトナーにより現像する現像部(13)と、前記潜像担持体(10)のトナー像をシートに転写する転写部(14)とを有し、転写後の残留トナーを前記現像部(13)で回収するクリーナーを有しない画像形成装置において、前記潜像担持体(10)に当接して、前記潜像担持体(10)の付着物を除去し、回収する当接部(25)と、前記当接部(25)を当接動作させる駆動部(26)とを設け、前記潜像担持体(10)を回転させない状態に置いた後、前記潜像担持体(10)を回転させる時に、且つ、像形成が行われる前に、前記駆動部(26)により前記当接部(25)を回転する前記潜像担持体(10)に当接させて、前記潜像担持体(10)の付着物を除去し、回収することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記当接部(25)が、前記潜像担持体(10)の付着物をかきとることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】 前記当接部(25)、ブレード(25ー1)と、前記除去した付着物を溜める溜まり部(25ー2)とを有することを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
【請求項4】 前記当接部(25)の当接時に、前記現像部(13)に、前記現像を行う時のバイアス電位と逆極性の逆バイアス電位を印加することを特徴とする請求項1又は2又は3の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】第2992421号
【登録日】平成11年(1999)10月15日
【発行日】平成11年(1999)12月20日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−356750
【出願日】平成4年(1992)12月22日
【公開番号】特開平6−194998
【公開日】平成6年(1994)7月15日
【審査請求日】平成9年(1997)7月3日
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【参考文献】
【文献】特開 昭60−119589(JP,A)
【文献】特開 平4−287063(JP,A)
【文献】特開 平2−109061(JP,A)
【文献】特開 昭61−144683(JP,A)