説明

画像蓄積機能付きファクシミリ装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、画像蓄積機能付きファクシミリ装置の改良に係り、特に、通常のファクシミリ装置程度の規模で、送受信した文書画像を恒久的に画像蓄積・保存することを可能にすると共に、ファクシミリに固有の情報を利用して、必要な文書画像が簡単に検索できるようにし、かつ、音声データを画像データと関連付けて送受信処理が行えるようにして、音声メッセージの有効な利用と、送受信の操作とを簡略化した画像蓄積機能付きファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原稿読取り部と、印刷部と、回線制御部と、記憶部とを有する、いわゆる画像蓄積機能付きフアクシミリ装置は、従来から公知である。
【0003】この従来の画像蓄積機能付きフアクシミリ装置では、記憶部(画像情報蓄積手段)として、メモリ(半導体メモリ)を使用しており、一時的に数ページ程度の画像情報を蓄積することが可能である。しかし、蓄積された画像情報は、その送信動作あるいは受信記録動作が完了すると、消去されてしまうので保存されることはない。
【0004】また、大容量の記憶部(半導体メモリやハードディスク等)を有し、複数の回線制御機構を備えたファクシミリ装置も公知である。
【0005】この種のファクシミリ装置は、複数のファクシミリ端末に接続されていて、当該ファクシミリ装置が受信しきれない場合に、一時的に画像情報を蓄積して保管したり、送信に先立って予め送信用の画像情報を蓄積しておき、相手方端末からの呼出しによって転送する機能も備えている。
【0006】すなわち、大容量の記憶部を有する従来のファクシミリ装置は、大規模な使用形態を前提としており、特に、外部記憶装置を使用すれば、多数の画像情報を蓄積・保存することが可能である。ところが、蓄積された画像情報の検索等は容易ではない。
【0007】ここで、ファクシミリ通信で使用する固有情報について説明する。ファクシミリ通信に関しては、CCITT勧告T.30によって、TSI(CIG),CSI,TTI,RTI等の固有情報について規定されている。
【0008】TSI(CIG)は、送信端末(発呼局)識別データで、数字20文字からなる送信端末(発呼局)の電話番号である。CSIは、受信端末(被呼局)識別データで、同じく数字20文字からなる受信端末(被呼局)の電話番号である。TSI(CIG)とCSIは、画像送信に先立つプロトコルにおいて、必ず送受されるコード信号である。
【0009】TTIは、画像データとして送られてくるページ毎の上部データであって、時刻、自端末名称、ページ等の情報である。このTTIは、非標準であるが、G3対応機では、殆どの機種がこの機能を有している。RTIも、非標準機能NSFによる被呼端末名称で、アルファベットや数字20文字で表現されている準標準データであり、G3対応機では、殆どの機種がこの機能を有している。
【0010】しかしながら、これらの情報を積極的に利用して、画像情報の検索等を行う機能を備えた画像蓄積機能付きファクシミリ装置は、提案されておらず、特に大容量の記憶部を有するファクシミリ装置では、蓄積された画像情報の検索等を迅速かつ正確に行うことができない、という不都合があった。
【0011】また、従来から、音声データと画像データとを処理するファクシミリ装置として、留守番電話機能を有するものも知られている。しかし、従来の留守番電話機能付きファクシミリ装置では、音声データと画像データとは、それぞれ独立したデータとして取扱っており、両者を関連付けて処理する機能は備えていなかった。
【0012】なお、従来からフアクシミリ装置には、一般的な機能の一つとして会話予約機能が付加されており、伝送の手順において、画像送信の後に会話を行う、という情報をやりとるすることによって、会話が予約され、受信側では、画像受信後、リング音によってオペレータの呼出しが行われる。このような会話予約は、相手先のファクシミリ端末にも、会話予約機能が設けられていることが必要であるが、現在では大半の機種に付加されている。
【0013】ところが、すでに触れたように、従来のファクシミリ装置では、音声データと画像データとはそれぞれ別のデータとして管理されており、この会話予約機能を利用する場合でも、画像データの送信が終了した後、例えばテープレコーダ等が作動されて、音声データが相手先へ送出される。
【0014】そのため、複数の文書と、それぞれに対応する補足音声メッセージとを送信するとき、あるいは同一の文書と、相手先に応じて異なる音声メッセージとを送信するときには、両者を簡単かつ正確に指定するのが困難であり、操作性が悪い、という不都合があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明では、従来の画像蓄積機能付きファクシミリ装置における上記の不都合、すなわち、大容量の記憶部を有するファクシミリ装置では、蓄積された画像情報の検索等を迅速かつ正確に行う手段が設けられていないので、検索時の操作性が低い、という不都合を解決し、ファクシミリ通信で使用する固有情報を利用した画像情報(画像ファイル)の検索を可能にすることによって、迅速かつ正確に大量の画像情報が管理できるようにしたファクシミリ装置を提供することを第1の目的とする。
【0016】また、従来の留守番電話機能付きの場合、音声データと画像データとを関連付けて処理する機能を備えていないため、会話予約機能を利用する場合に操作性が低い、という不都合を解決し、音声データと画像データとを関連付けて処理することができるように構成することにより、送信に際して、音声メッセージが自動的に送出できるようにすると共に、特に、順次同報の操作を簡便化して、操作性を向上させることを第2の目的とする。
【0017】さらに、複数の文書と、それぞれに対応する補足音声メッセージのデータを、一回の送信操作で行うことができるようにして、操作性を一層向上させることを第3の目的とする。
【0018】最後に、不在時送信(無人送信)の際にも、補足音声メッセージをタイムリーに伝えることができるようにすることを第4の目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】この本発明では、第1に、原精読取り部と、印刷部と、回線制御部と、画像を格納する大容量記憶部とを有する画像蓄積機能付きファクシミリ装置において、ビットマップ方式の表示部と、受信画像からTTI画像部であるか否かを判定して、これをTTIデータとして抽出するTTI画像抽出手段と、大容量記憶部内に設けられ、ファクシミリ通信に固有の情報と、画像ファイル名、受信または送信時刻の情報及びTTI画像抽出手段で抽出したTTIデータの画像に関する管理情報を記憶して、受信または送信文書画像の検索を行う際に用いられる画像ファイル台帳と、該ファイル台帳により所望の受信または送信文書画像の検索を行い、当該検索結果に該当する画像ファイル名の画像を抽出する検索手段とを備えることを特徴とする。
【0020】第2に、上記のファクシミリ装置において、TTI画像抽出手段が、受信画像から検出された画像の位置および高さによってTTI画像部であるか否かを判定するTTI画像判定手段と、TTI画像部の白領域を除去した画像をTTIデータとするデータ抽出手段とを有することを特徴とする。
【0021】第3に、上記のファクシミリ装置において、送信端末の電話番号と相手先名称との対応表を備え、該対応表によって、ファイル台帳における送信端末の電話番号から相手先名称への変換を行い、変換された名称を用いて受信画像の検索を行うように構成している。
【0022】第4に、上記のファクシミリ装置において、大容量記憶部内の画像ファイル台帳に設けられ、画像ファイルと音声ファイルとの対応関係を制御する情報からなる画像ファイル・音声ファイル対応表と、音声データ符号化手段と、音声データ復号化手段、とを備え、前記画像ファイル・音声ファイル対応表によって受信または送信文書の画像データと音声データとを関連させて送受信を行うように構成している。
【0023】第5に、上記第4のファクシミリ装置において、ファクシミリ通信における会話予約機能を備え、該会話予約機能による会話予約を使用することにより、画像ファイル・音声ファイル対応表によって受信または送信文書の画像データと音声データとを関連させて送受信を行うように構成している。
【0024】第6に、上記第4のファクシミリ装置において、設定番号、画像ファイル名、関連音声ファイルの送信の有無を示す属性情報、送信先電話番号、および送信時刻の指定情報を格納する情報格納手段を備え、指定時刻になったとき、前記情報格納手段に格納された情報に従って画像データと音声データとの送信を行うように構成している。
【0025】
【実施例1】次に、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、図面を参照しながら、その実施例を詳細に説明する。この実施例は、請求項1の発明に対応している。
【0026】この実施例では、他のファクシミリ端末から被呼されたとき、プロトコルで受信した送信端末の電話番号(TSI)および時刻の情報を利用して、画像情報を受信して大容量記憶部へ格納すると共に、画像ファイル台帳に、画像ファイル名と、送信端末の電話番号、および時刻の情報を書込んでおく。
【0027】そして、これらの送信端末の電話番号、および時刻の情報(ファクシミリに固有の情報)によって、いつ、どこから送られたきた画像情報であるか、を指定することにより、容易に検索することができるようにしている。
【0028】また、送信する画像情報についても、その画像を読込んで、大容量記憶部へ格納する際に、CSI(受信端末の電話番号)の情報を同様に書込んでおけば、容易に検索することができる。
【0029】図1は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の一実施例を示す機能ブロック図である。図において、1は光ディスク等の大容量記憶装置で、1aはその画像ファイル台帳エリア、1bと1cは画像ファイルエリア、2は主制御部、3は表示部、4はタッチパネル等から構成されるキー入力部、5は印刷部、6は原稿読取り部、7は回線制御部、8はハンドセット部(受話部)を示す。
【0030】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置では、この図1に示す機能ブロック図において、光ディスク等の大容量記憶装置1に、画像ファイル台帳エリア1aと、1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1cとが設けられている点に、主たる特徴を有している。
【0031】図2は、画像ファイル台帳の一構成例を示す図である。この発明で使用する画像ファイル台帳は、図2に示すように、「画像ファイル名」、「時刻」、「CIGまたはTSI」および、「送信または受信の区別」を示す情報から構成されている。
【0032】受信された文書画像、あるいは送信する文書は、必要に応じて、1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1cに格納されて保存され、各画像データは、この図2の画像ファイル台帳によって管理され、また、検索されることになる。
【0033】このように、図1の大容量記憶装置1内には、1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1cに格納された各画像情報(画像ファイル)を管理する画像ファイル台帳(図1の画像ファイル台帳エリア1a)が設けられている。
【0034】図1に示した各ブロックの機能は、概略次のとおりである。光ディスク等の大容量記憶装置1は、送受信の画像情報を記憶することができる画像ファイルエリア1b,1cと、画像ファイルの各画像情報を管理する台帳エリア1aとを有している。
【0035】主制御部2は、ファクシミリ装置の全体の制御を司る機能部(システム・コントロール・ユニット)と、大容量記憶装置1の画像情報を管理する機能とを有している。表示部3は、LCDやCRT等からなる表示手段で、画像データをドットパターンで可視化する表示機能と、ファクシミリ交信時や画像情報の操作時に、仮想キーボード等によるキー入力画面やメニュー画面等を表示する機能とを有している。
【0036】キー入力部4は、表示部3の前面に設けられたタッチパネル等からなるキー入力手段で、表示部3の画面上に表示される仮想キーボードやメニュー画面等と、画像上の位置を検出するタッチパネルとから構成される。印刷部5は、画像データをドットパターンで印字する印刷手段である。
【0037】原稿読取り部6は、イメージスキャナ等の画像入力手段である。回線制御部7は、ファクシミリ端末の送受信を制御する回線制御機能を有している。ハンドセット部8は、ファクシミリ端末に接続された電話機の受話部である。
【0038】説明の順序として、まず、ファクシミリ受信時の動作について説明する。外部回線を介して他のファクシミリ端末から被呼されると、プロトコル(送信手順)により各データを送受信する。
【0039】図3は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、受信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#1〜#5はステップを示す。
【0040】まず、ステップ#1で、受信プロトコルを行う。次のステップ#2で、TSIおよび時刻の情報を保存する。先の図1に示すファクシミリ装置では、これらのデータの内、TSIおよび時刻の情報を、台帳用データとして一時的に保存する。
【0041】ステップ#3で、受信した画像情報を、大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに格納する。ステップ#4で、画像ファイル名を決定する。ステップ#5へ進み、先に保存した台帳用データに、画像ファイル名と受信属性をセットして、大容量記憶装置1内の画像ファイル台帳エリア1aの台帳に書込む。
【0042】以上の処理によって、受信した画像データが、図1の大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶され、また、その台帳が作成される。
【0043】次に、ファクシミリ送信時の動作について説明する。送信に際しては、図1の原稿読取り部6に、送信原稿をセットし、読取ったデータを大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶させ、送信先の電話番号を入力する。
【0044】図4は、ファクシミリ送信時における数字仮想キーボードの一例を示す図である。図示されない項目選択画面で、送信を指示すると、この図4のような数字仮想キーボードのキー入力が、表示部3の画面上に表示される。
【0045】この図4では、最下欄の入力モードで「数字」が選択された場合であり、この画面上で、左中央のテンキー「1」〜「9」または「0」のエリアを指等で指示(タッチ)すれば、相手先の電話番号を入力することができる。
【0046】図5は、ファクシミリ送信の文書名登録時における英字仮想キーボードの一例を示す図である。
【0047】入力モードとして「英字」を選択すると、この図5に示すような英字仮想キーボードの画面が、表示部3の画面上に表示される。この図5の画面上で、所望のファイル名を入力する。
【0048】図6は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、送信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#11〜#14はステップを示す。
【0049】ステップ#11で、送信プロトコルを行う。ステップ#12で、送信端末の電話番号(TSI)および時刻の情報を保存するために、台帳用データにセットする。
【0050】ステップ#13で、画像情報の送信を行う。次のステップ#14で、台帳用データに、画像ファイル名、送信属性をセットして、台帳に書込む。
【0051】以上の処理によって、送信した画像データが、図1の大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶され、また、その台帳が作成される。このようにして、図1の大容量記憶装置1に記録・保存された、受信および送信の画像データは、必要に応じて検索される。
【0052】次に、検索時の処理について説明する。
図7は、検索時におけるメニュー画面の一例を示す図である。図示されない検索の項目選択画面で、検索を指示すると、この図7の検索条件設定画面が、例えば先の図4R>4の画面上にウインドウ表示される。
【0053】この図7の表示画面上で、検索条件として、「開始日時」と「終了日時」、さらに、必要に応じて交信の相手先の「電話番号」を入力すれば、その条件の文書名が表示される。例えば、検索条件として「開始日時」と「終了日時」とを入力し、検索指定キーを入力すると、次の図8のような画面が表示される。
【0054】図8は、検索時における検索結果の表示画面の一例を示す図である。この図8の表示画面で、最右欄の選択キーによって、所望の文書を選択し、最下欄の「内容表示」を指示すれば、指示された画像データが表示される。
【0055】図9は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、検索・内容表示時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#21〜#34はステップを示す。
【0056】ステップ#21で、検索指定キーが入力されたか否か判断し、もし、入力されたときは、ステップ#22へ進んで、図7のような条件設定画面を表示する。次のステップ#23で、キー入力があるか否かについて判断し、キー入力されたときは、ステップ#24で、図4の数字仮想キーボードから入力する。
【0057】ステップ#24で数字仮想キーボードから入力されたとき、あるいは先のステップ#23でのキー入力の有無の判断で、入力されたキーがないときは、次のステップ#25へ進み、設定キーが入力されたか否か判断する。
【0058】もし、設定キーの入力がなければ、再びステップ#23へ戻って、以下同様の処理を繰返えし、ステップ#25で設定キーが入力されたことを検知すると、次のステップ#26へ進む。ステップ#26で、検索条件に合った候補データの集合を生成して、図8のように表示して、再びステップ#21へ戻る。
【0059】ステップ#21で、検索指定キーが入力されないときは、ステップ#27へ進み、スクロールアップキーの入力があるか否か判断し、もし、入力があれば、ステップ#28で、候補の表示位置を全表示行数の半分程度に相当する数データ分だけ、上方へズラせて、再びステップ#21へ戻る。
【0060】また、スクロールアップキーの入力がなければ、次のステップ#29で、スクロールダウンキーの入力があるか否かについて判断し、もし、入力があれば、ステップ#30へ進み、候補の表示位置を全表示行数の半分程度に相当する数データ分だけ、下方へズラせて、再びステップ#21へ戻る。
【0061】もし、スクロールダウンキーの入力がなければ、次のステップ#31へ進み、選択キーの入力があるか否か判断し、もし、入力があれば、ステップ#32へ進み、選択されたデータを反転表示して、再びステップ#21へ戻る。
【0062】また、ステップ#31の判断で、選択キーの入力がなければ、ステップ#33へ進み、内容表示キーの入力があるか否か判断し、もし、入力があれば、ステップ#34へ進み、選択されたデータの画像ファイルの内容を表示する。また、もし、このステップ#33の判断で、内容表示キーの入力がなければ、再びステップ#21へ戻る。
【0063】以上のステップ#21〜#34の処理によって、検索・内容表示の処理が実行される。したがって、受信文書画像を恒久的に蓄積・保存することが可能となり、しかも、蓄積された画像情報を容易に検索・利用することができる。
【0064】
【実施例2】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、他の実施例を説明する。この実施例は、請求項2の発明に対応している。すなわち、受信画像から検出された画像の位置および高さによってTTI画像部であるか否かを判定するTTI画像抽出手段と、該TTI画像抽出手段によって抽出された画像について黒画素の存在する走査線の連続を検出する手段、とが付加され、TTI画像部であることを検出したときは、高さ以上の白領域を除去した画像を用いて受信画像の検索を行うように構成している。
【0065】その動作を具体的にいえば、TTI画像抽出手段によって、受信した画像情報の前端部にあるTTI画像(イメージデータ)を抽出し、その余白部を取除いて「TTI画像ファイル」の情報を作成し、大容量記憶装置1内に設けられたTTI画像ファイルエリアに格納しておく。
【0066】このTTI画像ファイルの情報を、先の実施例の画像ファイル台帳の情報と同時に使用して、所望の画像ファイルを検索すれば、多数の画像情報の中から、一層容易に検索することが可能になる。
【0067】図10は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。図における符号は図1と同様であり、また、1dと1eは光ディスク等の大容量記憶装置1内に設けられたTTI画像ファイルエリア、2aは主制御部2内に設けられたTTI画像抽出部を示す。
【0068】すでに述べたように、この図10に示すブロック図は、先の図1のブロック図で、大容量記憶装置1内にTTI画像ファイルエリア1d,1eが設けられている点と、主制御部2内にTTI画像抽出部2aが設けられている点で相違している。
【0069】次の図11は、TTI画像の一例を示す図で、(1)は受信したTTI画像、(2)は抽出されたTTI画像である。TTI画像は、キャラクタジェネレータによって発生された画像で、その高さは、16ドット程度である。
【0070】この実施例においては、受信記録紙の先端に記録された図11(1) のTTI画像から、余白部を取除き、図11(2) に示すようなTTI画像を抽出して画像ファイル台帳を作成し、大容量記憶装置1内のTTI画像ファイルエリア1d,1eに格納しておき、検索時に、画像ファイル台帳エリア1aの情報(図2参照)と共に画面上に表示する。
【0071】TTI画像の抽出に際しては、まず、全白でない走査線が14〜26ドット程度連続する部分を探す。なお、ここでは、ノイズのサイズを2ドット、キャラクタジェネレータのサイズを16〜24ドットとする。そして、受信した画像の開始位置が、用紙の上端から1cm以内であれば、TTI画像とみなして抽出する。
【0072】一般に、このTTI画像部には、余白部分がかなりあるので、見易くするために、例えばTTI画像の高さよりも幅のある白領域を除去する。この白領域の除去は、走査線毎にオア処理を行えば、「0」の連続している間が白領域の幅となるので、容易に検出することができる。このようにして抽出した画像を、検索用のTTI画像として使用する。
【0073】また、送信の場合には、相手先の名称、すなわち、RTI(被呼端末名称)を利用する(現在のファクシミリ送置には多く付加されている相手先名称の登録機能)が、利用できないときは、キー入力によって所望の名称を付けておく。このように、RTIやキー入力による名称を使用することによって、送信画像についても、受信画像と同様の保存・検索を行うことが可能となる。
【0074】次の図12は、画像ファイル台帳の他の一構成例を示す図である。この図12に示す画像ファイル台帳は、先の図2に示した画像ファイル台帳と同様に、「画像ファイル名」、「時刻」、「CIGまたはTSI」、「送信または受信の区別」を示す情報の他に、受信された文書画像から抽出されたTTI画像の「TTIファイル名」が付加された構成である。
【0075】この付加された「TTIファイル名または名称」は、図10の光ディスク等の大容量記憶装置1内に設けられたTTI画像ファイルエリア1d,1eに格納されて、図2の画像ファイル台帳に格納されている対応する項目と、ポインタ等で接続されている。
【0076】なお、「名称」は、画像情報を送信する場合に表示され、受信画像の場合、抽出された「TTIファイル名」が表示される。そして、検索時には、最初の「画像ファイル名」を除く項目が、検索の画面上に表示される。
【0077】次に、フローチャートを参照して、TTI画像の抽出時の動作を説明する。図13は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、TTI画像の抽出時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図面において、#41〜#53はステップを示す。
【0078】ステップ#41で、白ラインカウンタ、黒ラインカウンタ、オアラインバッファの内容を、全て「0」にして、初期化する。ステップ#42で、全白ラインであるか否かについて判断し、もし、全白ラインであれば、ステップ#43へ進み、白ラインカウンタの内容をインクリメントして、再びステップ#42へ戻る。
【0079】ステップ#42で、全白ラインでないことを検知すると、ステップ#44へ進み、白ライン数が例えば10mmのような一定の値以下であるか否か判断する。具体的にいえば、7.7画素/mmの場合には、77ライン以下であるか否かについて判断する。
【0080】もし、白ライン数が10mm以下であれば、ステップ#45へ進み、次のラインが非全白ラインであるか否か判断し、もし、非全白ラインを検知したときは、ステップ#46で、黒ラインカウンタの内容をインクリメントすると共に、オアラインバッファの内容とオア処理を行って、再びステップ#45へ戻る。
【0081】ステップ#45で、非全白ラインでないことを検知したときは、ステップ#47へ進み、黒ライン数が「14〜26」の間であるかについて判断し、黒ライン数が「14〜26」の間であれば、ステップ#48で、その黒ライン数を高さに設定する。
【0082】次のステップ#49で、オアラインバッファの内容について、「0」の連続点が高さ以上の位置を除く部分をTTI領域から抽出し、ステップ#50へ進み、抽出した画像をTTI画像として、大容量記憶装置1内のTTI画像ファイル台帳エリア1d,1eに格納し、この図13のフローを終了する。
【0083】また、先のステップ#44における判断で、白ライン数が10mm以下のとき、および、ステップ#47における判断で、黒ライン数が「14〜26」の間でないときは、ステップ#51へ進み、「TTI画像なし」をセットする。以上のステップ#41〜#51の処理によって、TTI画像の抽出処理が終了し、先の図1212に示したようなTTI画像ファイル台帳が作成される。
【0084】このように、この実施例では、検索に際して、実際に受信した文書のTTI画像を抽出して作成したTTI画像ファイル台帳を使用するので、受信文書画像の管理が容易である上に、その内容も正確である。
【0085】
【実施例3】次に、さらに別の実施例を説明する。この実施例は、請求項3の発明に対応している。この実施例では、交信時のプロトコルで得られる相手先の電話番号のデータを利用し、その電話番号に対応する名称に変換して、検索時に相手方の名称で表示するようにしている。
【0086】図14は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。図面における符号は図1と同様であり、また、1fは光ディスク等の大容量記憶装置1内に設けられた電話番号−相手名称対応表エリアを示す。この図14では、光ディスク等の大容量記憶装置1内に、電話番号−相手名称対応表エリア1fが設けられている点が、先の図1と異なっている。
【0087】図15は、電話番号−相手名称対応表の一例を示す図である。ファクシミリ交信は、通常、相手方とその電話番号とが分っている場合に行われるケースが大半である。そこで、この図15に示すように、予め、その電話番号と、それに対応する相手先の名称との対応表を作成して、光ディスク等の大容量記憶装置1内に設けられた電話番号−相手名称対応表エリア1fに格納しておく。
【0088】この実施例の場合には、先の図8に示した検索時における検索結果の表示画面で、「相手先電話番号」の欄には、図15の「名称」が表示されることになる。このように、予め作成した電話番号−相手名称対応表を利用することにより、相手方を確実に知ることが可能となるので、迅速に所望の文書を検索することができる。
【0089】したがって、相手方が、予め電話番号−相手名称対応表に入力されている電話番号の場合には、その名称によって検索することも可能となるので、画像情報の利用が一層容易になる。
【0090】
【実施例4】次に、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、第4の実施例を詳細に説明する。この実施例は、請求項4の発明に対応している。
【0091】この実施例では、画像ファイルと音声ファイルとの対応関係を制御する情報からなる画像ファイル・音声ファイル対応表を使用することによって、画像データと音声データとの関連付けした処理が行えるようにしている。
【0092】図16は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。図における符号は図1と同様であり、また、1aは光ディスク等の大容量記憶装置1内に設けられた画像ファイル−音声ファイル対応表エリア、1gと1hは音声ファイルエリア、9は音声データ符号化・復号化部を示す。
【0093】この実施例では、先の図1に示した機能ブロック図において、光ディスク等の大容量記憶装置1内に、1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1cのファイルエリアの他に、画像ファイル−音声ファイル対応表エリア1aと、同じく1個または複数個の音声ファイルエリア1g,1hとが設けられ、また、音声データ符号化・復号化部9が設けられている。その他の構成は、全て同様である。
【0094】図17は、画像ファイル−音声ファイル対応表の一例を示す図である。この実施例で使用する画像ファイル−音声ファイル対応表は、図17に示すように、「画像ファイル名」と「音声ファイル名」とから構成されている。
【0095】この図17の実施例では、「画像ファイル名」の1行目の「SCN0001」は送信用の画像データで、音声メッセージが付いている場合であり、また、2行目の「FAX0001」は受信用の画像データで、音声メッセージがない場合である。なお、音声メッセージが付いている画像データを受信したときには、「音声ファイル名」の該当欄にそのファイル名が記録される。
【0096】図16の大容量記憶装置1内には、図17の画像ファイル−音声ファイル対応表エリア1aの他に、すでに述べたように、1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1c、および、同じく1個または複数個の音声ファイルエリア1g,1hとが設けられている。
【0097】そして、画像ファイルエリア1b,1cに格納された各画像情報(画像ファイル)と、音声ファイルエリア1g,1hとは、画像ファイル−音声ファイル対応表によって関連付けされて管理される。
【0098】図16に示したブロック図で、新たに付加された機能を説明すれば、概略次のとおりである。光ディスク等の大容量記憶装置1は、送受信の画像情報を記憶することができる画像ファイルエリア1b,1cと、音声メッセージを記憶することができる音声ファイルエリア1g,1h、および、画像ファイルと音声ファイルとの対応関係の情報を記憶する画像ファイル・音声ファイル対応表エリア1aとを有している。
【0099】また、音声データ符号化・復号化部9は、大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hへ蓄積するために、電話機(送話機)から入力された音声データをデジタルデータに変換して符号化し、また、相手先へ送出するために、音声ファイルエリア1g,1hに記憶されている符号化されたデジタルデータを復号化する機能を有している。
【0100】外部回線を介して他のファクシミリ端末から被呼されると、プロトコル(送信手順)により各データを送受信する。
【0101】図18は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、受信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#61〜#65はステップを示す。
【0102】まず、ステップ#61で、受信プロトコルを行う。次のステップ#62で、画像データを受信しながら、画像ファイル(図16の画像ファイルエリア1b,1c)に格納する。
【0103】ステップ#63で、会話予約があるか否かについて判断し、もし、会話予約があれば、ステップ#64で、例えば「ただいま機械録音状態です。ピーとなったらメッセージをどうぞ」のような、録音用応答メッセージを送出する。
【0104】ステップ#65へ進み、受信した音声データを、図16の音声データ符号化・復号化部9によってADPCM符号化しながら、図16の大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hに書込む。
【0105】以上の処理によって、受信した画像データが、図16の大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶され、また、図17に示したような画像ファイル−音声ファイル対応表が作成される。
【0106】次に、ファクシミリ送信時の動作について説明する。送信に際しては、図16の原稿読取り部6に、送信原稿をセットし、読取った画像データを大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶させ、また、送信先の電話番号を入力して蓄積する。
【0107】この場合に、音声データを付けたいときには、マイクによって必要な音声メッセージを入力する。入力された音声データは、図16の音声データ符号化・復号化部9によってADPCM符号化され、大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hに書込まれて蓄積される。
【0108】次に、音声データと画像データとの対応づけを行う。この場合には、先の図17に関連して説明したように、音声ファイル名と画像ファイル名とをキー入力する(図17の1行目の「SCN0001」と「SND0001」、参照)。
【0109】画像ファイルを送信する際、「音声付」あるいは「音声無」の設定を行い(後出の図24参照)、「音声付」のときには、会話予約機能を用いて送信する。画像データの送信が終了すると、オペレータを呼出し、通話状態になると、大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hから該当する音声データを読出して復号化しながら、回線制御部7を介して相手先の端末へ音声メッセージを送出する。
【0110】なお、相手先の端末が、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置と同様の機能を有するファクシミリ装置の場合には、伝送の手順において、音声データの送信を行う旨の信号を設定すれば、符号化データのままで音声データを送信することができるので、高音質の音声の送受信が可能である。
【0111】図19は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、送信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#71〜#77はステップを示す。
【0112】ステップ#71で、送信情報に音声メッセージを付けるか否か判断し、もし、音声メッセージを付けるときは、次のステップ#72で、会話予約のプロトコルを行う。ステップ#73で、会話予約が正常であれば、音声送信フラグをセットして、ステップ#75へ進む。
【0113】また、先のステップ#71で、音声メッセージを付けないときは、ステップ#74で、通常の送信プロトコルを行って、ステップ#75へ進む。ステップ#75で、画像情報の送信を行う。
【0114】ステップ#76で、音声送信フラグがセットされているか否か判断し、もし、セットされていれば、ステップ#77で、図16の大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hに格納されている音声データをADPCM符号化しながら音声送信を行って、この図19のフローを終了する。
【0115】もし、音声送信フラグがセットされていなければ、画像情報の送信が終了したとき、同様にこの図1919のフローを終了する。以上の処理によって、図16に示した大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶された画像データが、相手先の端末へ送信される。このようにして、図16の大容量記憶装置1に記録・保存された、受信および送信の画像データは、必要に応じて検索される。
【0116】次に、画像データの入力時の処理について説明する。図20は、画像データ入力時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#81〜#85はステップを示す。
【0117】ステップ#81で、読込みボタンが押下されたか否か判断し、もし、押下されなければ、押下されるまで待機する。読込みボタンが押下されたことを検知すると、ステップ#82へ進み、図16の原稿読取り部6によって画像データを読込み、ファイルとして格納する。
【0118】次のステップ#83で、名称ボタンが押下されたか否か判断し、もし、名称ボタンが押下されたことを検知すると、ステップ#84へ進み、表示部3に表示された仮想キーボードによって、ファイル名を入力する。
【0119】また、ステップ#83の判断で、名称ボタンが押下されなけれれば、ステップ#85へ進んで、ファイル名を表示する。この場合には、システム内のシーケンシャルな名称が表示されることになる。
【0120】ファイル名の入力時における操作は、先に述べた第1の実施例と同様で、先に説明した、例えば図5R>5のような英字仮想キーボードを使用する。図示されない項目選択画面で、ファイル名の入力を指示すると、図5R>5に示すような英字仮想キーボードの画面が、表示部3の画面上に表示される。なお、この図5は、入力モードとして「英字」を選択した場合について示している。
【0121】この図5の画面上で、所望のファイル名を入力する。また、数字を使用してファイル名を入力したいときには、図5の最下欄の入力モードで「数字」を選択する。
【0122】同様に、ファイル名として数字を使用するときには、先の図4のような数字仮想キーボードの表示画面上で、所望のキーを選択する。なお、平仮名のときは「かな」、片仮名のときは「カナ」を、図5の最下欄の入力モードで選択すればよく、この場合には、いわゆる、かな漢字変換機能によって、漢字を入力することも可能である。
【0123】次に、音声の登録操作について説明する。図21は、この発明において、音声登録時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。図において、#91〜#100はステップを示す。
【0124】ステップ#91で、録音開始ボタンが押下されたか否か判断し、もし、押下されなければ、押下されるまで待機する。録音開始ボタンが押下されたことを検知すると、ステップ#92へ進み、マイクによって音声のメッセージを入力しながら、図16の音声データ符号化・復号化部9によりADPCM符号化(エンコード)して、音声データを生成する。
【0125】次のステップ#93で、録音停止ボタンが押下されたか否か判断し、もし、録音停止ボタンが押下されたことを検知すると、ステップ#95へ進む。もし、録音停止ボタンが押下されなけれれば、ステップ#94へ進んで、最大録音時間に達したか否か判断し、まだ、最大録音時間に達しないときは、再び先のステップ#92へ戻って、同様の処理を繰返えす。
【0126】ステップ#94で、最大録音時間に達したことを検知すると、ステップ#95へ進む。ステップ#95で、名称ボタンが押下されたか否か判断し、もし、押下されたことを検知すると、ステップ#96へ進み、表示部3に表示された仮想キーボードによって、音声のファイル名を入力する。この場合にも、図5のような画面が表示される。
【0127】また、ステップ#95の判断で、名称ボタンが押下されないことを検知したときは、ステップ#97へ進み、ファイル名を表示する。この場合にも、先の画像の場合と同様に、システム内のシーケンシャルな名称が表示されることになる。
【0128】ステップ#98で、設定ボタンが押下されたか否か判断し、もし、押下されたことを検知すると、ステップ#99へ進み、ADPCM符号化された音声データを、図16の大容量記憶装置1内の音声ファイルエリア1g,1hに書込んで、この図21のフローを終了する。
【0129】また、ステップ#98の判断で、設定ボタンが押下されなけれれば、ステップ#40へ進み、キャンセルボタンが押下されたか否か判断し、押下されなければ、再び先のステップ#98へ戻って、同様の処理を繰返えす。ステップ#100で、キャンセルボタンが押下されたことを検知すると、この図21のフローを終了する。以上の処理によって、音声メッセージの登録が行われる。
【0130】図22は、音声登録時における仮想キーボードの一例を示す図である。図示されない音声登録の項目選択画面で、音声登録を指示すると、この図22の音声登録設定画面が、ウインドウ表示される。先の図21に関連して説明した各ボタンの操作は、この図22の仮想キーボードの画面上で行う。
【0131】例えば、この図22の表示画面上において、最下欄の「音声名称」や「キャンセル」、「設定」等の表示エリアを指等で指示すれば、対応するキー入力が得られる。また、その上欄の「開始」や「停止」の指示についても、同様である。
【0132】この実施例によれば、送信に際して、音声メッセージが自動的に送出されるので、ファクシミリを送信した旨を迅速に伝えることが可能となり、特に、順次同報には、極めて便利である。また、複数の文書と、それぞれに対応する補足音声メッセージのデータを、一回の送信操作で行うことができる。
【0133】
【実施例5】次に、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、第5の実施例を説明する。この実施例は、請求項5と6の発明に対応している。
【0134】この実施例では、時刻指定設定情報を予め設定しておくことによって、光ディスク等の大容量記憶装置1内の1個または複数個の画像ファイルエリア1b,1c、および/あるいは、同じく1個または複数個の音声ファイルエリア1g,1hに記録・蓄積された画像データや音声データを、指定された時刻に送信することができるように構成している。
【0135】図23は、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の第5の実施例を示す機能ブロック図である。図における符号は図16と同様であり、また、2bは主制御部2内に設けられた時刻指定設定情報格納部を示す。この図23のブロックでは、主制御部2内に半導体メモリ等からなる時刻指定設定情報格納部2bが設けられている点で、先の実施例と異なっている。
【0136】次の図24は、時刻指定設定情報格納部に設定された時刻情報の一例を示す図である。先の図23の時刻指定設定情報格納部2bには、この図24に一例を示すように、「設定番号」、「時刻」、「画像ファイル名」、「音声属性」、および「送信先電話番号」からなる送信の時刻を指定する情報が格納される。
【0137】例えば「2」のように、同一の「設定番号」に複数のファイルが指定されたときは、画像データを順番に送信した後に、オペレータを呼出し、音声データを復号化しながら、相手端末へ送出する。設定された時刻の検出や、検出後の送信動作等は、従来のファクシミリ装置と同様である。
【0138】次の図25は、同一の「設定番号」に複数のファイルが指定された場合において、画像ファイルと音声メッセージの送出状態の一例を示す図である。同一の「設定番号」に複数のファイルが指定されたときは、この図25に示すように、最初に画像データを、「画像データ1」,「画像データ2」,……,「画像データn」を全て連続して順次送信する。
【0139】その後、オペレータを呼出して、音声データを、「音声メッセージ1」,「音声メッセージ2」,……,「音声メッセージn」の順序で連続して送信する。このように、画像データを順次送信した後に、オペレータを呼出して音声データを送信することにより、電話をかけ直す必要なしに、一回の通信だけで送信処理を行うことが可能になり、操作能率が向上される。
【0140】また、先に説明した第4の実施例の場合と同様に、相手先の端末が、この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置と同様の機能を有するファクシミリ装置の場合には、データの区切りを示す情報を送信することにより、受信側で各データを分割することが可能であるから、交信の効率を一層高くすることができる。このように、この実施例によれば、不在時送信(無人送信)の際にも、補足音声メッセージをタイムリーに伝えることができる。
【0141】もし、音声送信フラグがセットされていなければ、画像情報の送信が終了したとき、同様にこの図1919のフローを終了する。以上の処理によって、図16に示した大容量記憶装置1内の画像ファイルエリア1b,1cに記憶された画像データが、相手先の端末へ送信される。このようにして、図16の大容量記憶装置1に記録・保存された、受信および送信の画像データは、必要に応じて検索される。
【0142】なお、会話予約機能を使用せず、予め送信時刻等をセットしておけば、音声データを相手先の端末へ送信することも可能であり、また、留守番話として、受信した音声データを必要な管理情報と共に、記録することもできる。
【0143】
【発明の効果】この発明の画像蓄積機能付ファクシミリ装置によれば、ジュ新文相画像を恒久的に蓄積・保存することが可能になり、しかもTTIデータをも参考にして蓄積された画像情報を検索するので、当該検索が容易、かつ、速やかに行うことができる(請求項1の発明に対応する効果)。
【0144】また、第2に、検索に際して、実際に受信した文書のTTI画像から白領域を除去した画像をTTIデータとするようにしたので、当該TTIデータ量が小さくできる(請求項2の発明に対応する効果)。
【0145】第3に、予め作成した電話番号−相手名称対応表を利用することにより、相手方を確実に知ることが可能となるので、迅速に所望の文書を検索することができる(請求項3の発明に対応する効果)。
【0146】第4に、送信に際して、音声メッセージが自動的に送出されるので、ファクシミリを送信した旨を迅速に伝えることが可能となり、特に、順次同報には、極めて便利である。さらに、複数の文書と、それぞれに対応する補足音声メッセージのデータを、一回の送信操作で行うことができる(請求項4に対応する効果)。
【0147】第5に、不在時送信(無人送信)の際にも、補足音声メッセージをタイムリーに伝えることができる(請求項5に対応する効果)。
【0148】第6に、予め送信時刻等をセットしておけば、音声データを相手先の端末へ送信することも可能であり、また、留守番話として、受信した音声データを必要な管理情報と共に、記録することもできる(請求項5に対応する効果)、等の多くの優れた効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】画像ファイル台帳の一構成例を示す図である。
【図3】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、受信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ファクシミリ送信時における数字仮想キーボードの一例を示す図である。
【図5】ファクシミリ送信の文書名登録時における英字仮想キーボードの一例を示す図である。
【図6】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、送信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】検索時におけるメニュー画面の一例を示す図である。
【図8】検索時における検索結果の表示画面の一例を示す図である。
【図9】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、検索・内容表示時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。
【図11】TTI画像の一例を示す図である。
【図12】画像ファイル台帳の他の一構成例を示す図である。
【図13】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、TTI画像の抽出時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。
【図15】電話番号−相手名称対応表の一例を示す図である。
【図16】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。
【図17】画像ファイル−音声ファイル対応表の一例を示す図である。
【図18】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、受信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、送信時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】画像データ入力時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】この発明において、音声登録時における主要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】音声登録時における仮想キーボードの一例を示す図である。
【図23】この発明の画像蓄積機能付きファクシミリ装置について、その要部構成の他の実施例を示す機能ブロック図である。
【図24】時刻指定設定情報格納部に設定された時刻情報の一例を示す図である。
【図25】同一の「設定番号」に複数のファイルが指定された場合において、画像ファイルと音声メッセージの送出状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 大容量記憶装置で、1aはその画像ファイル台帳エリアと画像ファイル−音声ファイル対応表エリア、1bと1cは画像ファイルエリア、1dと1eはTTI画像ファイルエリア、1fは電話番号−相手名称対応表エリア、1gと1hは音声ファイルエリア
2 主制御部で、2aはそのTTI画像抽出部、2bはその時刻指定設定情報格納部
3 表示部
4 キー入力部
5 印刷部
6 原稿読取り部
7 回線制御部
8 ハンドセット部
9 音声データ符号化・復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 原精読取り部と、印刷部と、回線制御部と、画像を格納する大容量記憶部とを有する画像蓄積機能付きファクシミリ装置において、ビットマップ方式の表示部と、受信画像からTTI画像部であるか否かを判定して、これをTTIデータとして抽出するTTI画像抽出手段と、前記大容量記憶部内に設けられ、ファクシミリ通信に固有の情報と、画像ファイル名、受信または送信時刻の情報及びTTI画像抽出手段で抽出したTTIデータの画像に関する管理情報を記憶して、受信または送信文書画像の検索を行う際に用いられる画像ファイル台帳と、該ファイル台帳により所望の受信または送信文書画像の検索を行い、当該検索結果に該当する画像ファイル名の画像を抽出する検索手段とを有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】 請求項1のファクシミリ装置において、前記TTI画像抽出手段が、受信画像から検出された画像の位置および高さによってTTI画像部であるか否かを判定するTTI画像判定手段と、TTI画像部の白領域を除去した画像を前記TTIデータとするデータ抽出手段とを有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】 請求項1のファクシミリ装置において、送信端末の電話番号と相手先名称との対応表を備え、該対応表によって、ファイル台帳における送信端末の電話番号から相手先名称への変換を行い、変換された名称を用いて受信画像の検索を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】 請求項1のファクシミリ装置において、大容量記憶部内の画像ファイル台帳に設けられ、画像ファイルと音声ファイルとの対応関係を制御する情報からなる画像ファイル・音声ファイル対応表と、音声データ符号化手段と、音声データ復号化手段、とを備え、前記画像ファイル・音声ファイル対応表によって受信または送信文書の画像データと音声データとを関連させて送受信を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】 請求項4のファクシミリ装置において、ファクシミリ通信における会話予約機能を備え、該会話予約機能による会話予約を使用することにより、画像ファイル・音声ファイル対応表によって受信または送信文書の画像データと音声データとを関連させて送受信を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項6】 請求項4のファクシミリ装置において、設定番号、画像ファイル名、関連音声ファイルの送信の有無を示す属性情報、送信先電話番号、および送信時刻の指定情報を格納する情報格納手段を備え、指定時刻になったとき、前記情報格納手段に格納された情報に従って画像データと音声データとの送信を行うことを特徴とするファクシミリ装置。

【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図15】
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【図17】
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【図1】
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【図4】
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【図11】
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【図6】
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【図18】
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【図22】
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【図5】
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【図8】
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【図12】
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【図25】
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【図19】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【特許番号】特許第3098783号(P3098783)
【登録日】平成12年8月11日(2000.8.11)
【発行日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−33745
【出願日】平成3年2月1日(1991.2.1)
【公開番号】特開平4−211565
【公開日】平成4年8月3日(1992.8.3)
【審査請求日】平成10年1月28日(1998.1.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【参考文献】
【文献】特開 平2−39671(JP,A)
【文献】特開 昭63−67077(JP,A)
【文献】特開 平1−216664(JP,A)
【文献】特開 平2−76459(JP,A)
【文献】特開 昭64−68173(JP,A)