説明

画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法

【課題】簡易な構成でかつ高い解像度の多色の繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも透光性を有し、間隙をもって対向して配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入され、複数種類の互いに色の異なる着色粒子群からなり、且つ各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる第1の粒子群と、を備えた画像表示媒体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法に係り、粒子の移動により画像を表示する画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、繰り返し書き換えが可能なシート状の画像表示媒体として、Twisting Ball Display(2色塗り分け粒子回転表示)、電気泳動、磁気泳動、サーマルリライタブル媒体、メモリ性を有する液晶などの表示技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
前記表示技術の内、Twisting Ball Display、メモリ性液晶などは、画像のメモリ性には優れているが、表示面を紙のように十分な白表示とすることができず、そのため画像を表示した場合に、画像を表示した部分と表示しない部分との区別を目視で確認しにくい、すなわち、画質が悪くなるという問題があった。また電気泳動、磁気泳動を用いた表示技術は、画像のメモリ性を有し、かつ白色液体中に着色粒子を分散させた技術であるため、白表示には優れるが、画像表示部分を形成する黒(色)表示は着色粒子同士の隙間に常に白色液体が入り込むため、灰色がかってしまい、画質が悪くなるという問題があった。
【0004】
また、画像表示媒体の内側には白色液体が封入されているため、画像表示媒体を画像表示装置から取り外して紙のようにラフに取り扱った場合には、白色液体が画像表示媒体外部に漏出するおそれがある。また、Twisting Ball Displayは表示のメモリ性もあり、画像表示媒体の内部には、粒子周囲のキャビティにのみオイルが存在するが、ほとんど固体状態なのでシート化は比較的容易である。しかし、白く塗り分けられた半球面を表示側に完全に揃えた場合でも、球と球の隙間に入り込んだ光線は反射されず内部でロスしてしまうため、原理的にカバレッジ100%の白色表示はできず、やや灰色がかってしまうという問題がある。また、粒子サイズは画素サイズよりも小さいサイズであることが要求されるため、高解像度表示のためには色が塗り分けられた微細な粒子を製造しなければならず、高度な製造技術を要するといった問題もある。
【0005】
上記のような問題を解決する表示技術として、トナー粒子を用いたディスプレー技術として、着色トナー粒子と白色トナー粒子を対向する電極基板間に封入し、電極基板間の電界により着色トナー粒子、あるいは、白色トナー粒子が移動し、表示側の基板内側へ付着して着色トナー粒子と白色トナー粒子とのコントラストにより画像表示する表示技術が提案されている。本表示技術は、画像表示媒体が全て固体で構成されており、白と黒(色)の表示を原理的に100%切り替えることができる点で優れている。しかし、上記技術は、原理的には良好な2色コントラストを得る表示技術であり、2色以上の多色表示を行うためには、CMYやRGBなどにセグメント分割された画素を個別に駆動して表示する必要がある。このような画素の分割は、同じ画素数でも表示解像度を1/3に低減し、媒体構成を複雑化し、また各色のセグメントを個別に駆動するために装置の複雑化に繋がるといった問題があった。さらにこれによって、画像表示媒体や画像表示装置のコストアップに繋がるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】USP6017584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事実に鑑み成されたものであり、簡易な構成でかつ高い解像度の多色の繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像表示媒体は、少なくとも透光性を有し、間隙をもって対向して配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入され、複数種類の互いに色の異なる着色粒子群からなり、且つ各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる第1の粒子群と、を備えている。
【0009】
請求項1に記載の画像表示媒体は、少なくとも透光性を有し、間隙をもって対向して配置された一対の基板間に、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる色の異なる複数種の着色粒子群を備えるので、光照射によって光照射領域にある第1の粒子群を選択的に帯電状態から非帯電状態とすることができる。この第1の粒子群は、帯電状態では、互いに同一極性且つ略均一な帯電量に帯電されていることが好ましい。
【0010】
このように、外部から一対の基板間に電界を形成することで、帯電状態の粒子のみを選択的に移動させることができるので、画素位置に応じた位置に電圧を印加する場合のようにマトリクス電極や画素電極を必要とせず、画像表示媒体を簡易な構造とすることができる。また、マトリクス電極や画素電極等を使用しないため、画像の解像度が電極解像度に制約されず、より高解像度の画像表示を実現することができる。
【0011】
また、特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる着色粒子群からなる第1の粒子群を用いることによって、表示に不要な着色粒子のみ除き、表示に必要な着色粒子を確実に残すことができるので、表示される色度の高安定性という効果が得られる。
【0012】
請求項2に記載の画像表示媒体の、前記第1の粒子群の各粒子は、光照射によって電子および正孔を発生させる電荷発生材料と、電子または正孔を輸送する電荷輸送材料を含むことができる。
粒子が負極性に帯電している場合は、光照射によって発生した電子は電子のみを輸送する電荷輸送材料によって粒子中を移動して接触する電極から流出する。その一方で光照射によって発生した正孔は粒子内に留まり、負極性の表面電荷と中和した状態となり、粒子は非帯電状態になる。また、光照射と同時に粒子と接触する電極が正の電圧となるよう基板間に電圧を印加すると、粒子中の電子の移動が促進される。
粒子が正極性に帯電している場合は、光照射によって発生した正孔は正孔のみを輸送する電荷輸送材料によって粒子中を移動して接触する電極から流出する。その一方で光照射によって発生した電子は粒子内に留まり、正極性の表面電荷と中和した状態となり、粒子は非帯電状態になる。また、光照射と同時に粒子と接触する電極が負の電圧となるよう基板間に電圧を印加すると、粒子中の正孔の移動が促進される。
【0013】
請求項3に記載の画像表示媒体は、請求項1または請求項2に記載の画像表示媒体において、前記第1の粒子群は、赤色の光により帯電状態から非帯電状態となるシアン色の粒子からなるシアン着色粒子群、緑色の光により帯電状態から非帯電状態となるマゼンタ色の粒子からなるマゼンタ着色粒子群、青色の光により帯電状態から非帯電状態となるイエロー色の粒子からなるイエロー着色粒子群の少なくとも1種類の着色粒子群から構成することができる。
【0014】
このため、光照射手段によって光照射を行うとともに、一対の基板間に電界を形成することで、選択的にイエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の内の少なくとも1色の粒子について一対の基板間を移動させて画像を表示することができるので、多色カラー表示が可能となる。
【0015】
請求項4に記載の画像表示媒体は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像表示媒体において、前記一対の基板間に前記第1の粒子群とは異なる色の絶縁性粒子を更に封入し、該絶縁性粒子を、前記第1の粒子群の粒子各々が通過可能な間隙をもって前記一対の基板の対向方向に略直交する方向に配列することができる。
【0016】
このように、第1の粒子群とは異なる色の絶縁性粒子を一対の基板間に配列するので、第1の粒子群が一対の基板間を移動して絶縁性粒子の背面側に位置されることで、絶縁性粒子の色を画像表示媒体の色として表示することができる。
【0017】
請求項5に記載の画像表示装置は、前記画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に照射する光照射手段と、前記一対の基板間に電圧を印加して電位差を発生させる電圧印加手段と、を備えている。
【0018】
光照射手段によって、画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を、画像表示媒体に照射すると共に、一対の基板間に電位差を発生させるので、画素位置に応じた位置に電圧を印加する場合のようにマトリクス電極や画素電極を必要とせず、簡易な構成の画像表示装置とすることができる。また、画像の解像度が電極解像度に制約されないため、より高解像度な画像表示を実現可能な画像表示を提供することができる。
【0019】
請求項6に記載の画像表示装置は、請求項5に記載の画像表示装置において、前記第1の粒子群の内の、前記色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を照射するように、前記光照射手段を制御すると共に、前記第1の粒子群の内の帯電状態の粒子が前記一対の基板の何れか一方の基板に移動した後に他方の基板に移動するような電圧を複数回印加した後に、該一方の基板に帯電状態の粒子が移動するような電圧を印加するように前記電圧印加手段を制御する制御手段を備えることができる。
【0020】
第1の粒子群の各粒子が一対の基板間のどのような位置にあるかによって、光照射手段による特定の波長の光が照射されない粒子が発生する場合がある。請求項6に記載の画像表示装置では、色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を照射すると共に、第1の粒子群の内の帯電状態の粒子が一対の基板の何れか一方の基板に移動した後に他方の基板に移動するような電圧を複数回印加した後に、該一方の基板に帯電状態の粒子が移動するような電圧を印加するので、画像表示媒体に含まれる第1の粒子群の略全てに特定波長の光を照射することができる。
【0021】
このため、色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を照射することで、画像表示媒体に含まれる第1の粒子群の内の、非帯電状態とする対象となる略全ての粒子を非帯電状態とすることができるので、表示するべき色の領域に表示する対象外となる色が混入されることによる画質劣化を抑制することができる。
【0022】
請求項7の画像表示装置は、請求項5または請求項6に記載の画像表示装置において、前記光照射手段は、前記第1の粒子群の内の、シアン色の粒子からなるシアン着色粒子群を非帯電状態とする光として赤色の光、マゼンタ色の粒子からなるマゼンタ着色粒子群を非帯電状態とする光として緑色の光、及びイエロー色の粒子からなるイエロー着色粒子群を非帯電状態とする光として青色の光を前記画像表示媒体に照射することができる。
【0023】
請求項8の画像表示装置は、請求項5から請求項7の何れか1項に記載の画像表示装置において、前記光照射手段は、前記第1の粒子群の内の、前記画像表示媒体に表示する画像の各画素に対応する色データの色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を、前記画像表示媒体の各画素に対応する領域に照射することができる。このため、高解像度の画像表示装置を提供することができる。
【0024】
請求項9に記載の画像表示方法によって、簡易な構成でかつ高い解像度の多色の繰り返し書き換えが可能な画像表示方法を提供することができる。具体的には、請求項9に記載の画像表示方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体の前記一対の基板間に電界または磁界を形成し、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に、該画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を照射する。
【0025】
また、請求項10に記載の画像表示方法によって、簡易な構成でかつ高い解像度の多色の繰り返し書き換えが可能な画像表示方法を提供することができる。具体的には、請求項9に記載の画像表示方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に、該画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を照射し、前記第1の粒子群の内の帯電状態の粒子が前記一対の基板の何れか一方の基板に移動した後に他方の基板に移動するような電界を複数回形成した後に、該一方の基板に帯電状態の粒子が移動するように前記一対の基板間に電界を形成する。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明の画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法によれば、一対の基板間に互いに色が異なると共に各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射により帯電された帯電状態から非帯電状態となる複数種類の粒子群を備え、光照射によって移動させる対象となる粒子のみを帯電状態とするので、簡易な構成でかつ高い解像度の多色の繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体、画像表示装置、及び画像表示方法を提供することができる、という効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
本発明の実施の形態に係る画像表示装置は、図1に示すように、画像を表示するための画像表示媒体12、光照射部14、電圧印加部16、及び制御部18を含んで構成されている。制御部18は、電圧印加部16及び光照射部14に信号授受可能に接続されている。
【0029】
なお、画像表示媒体12が本発明の画像表示媒体に相当し、画像表示装置10が本発明の画像表示装置に相当し、電圧印加部16が、本発明の画像表示装置の電圧印加手段に相当し、制御部18が、本発明の画像表示装置の制御手段に相当する。
【0030】
画像表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20と、表示基板20に微小間隙をもって対向する背面基板22と、の間に表示基板20と背面基板22との間を一定間隔に保持するための間隙部材24と、この表示基板20と背面基板22と間隙部材24とによって形成される領域の内部(以下、適宜分割領域と称する)に、第1の粒子群34及び絶縁性粒子36が封入されて構成されている。
【0031】
なお、上記分割領域が画像表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応されるように、間隙部材24を設けることで、各画素毎の色表示を可能に構成することができる。
【0032】
画像表示媒体12の表示基板20及び背面基板22としては、透明なガラス基板やアクリルなどの樹脂基板、透明な各種フィルムを使用することができる。
【0033】
また、表示基板20及び背面基板22を構成する材料としては、例えば、ガラスまたはプラスチック等が挙げられるが、紙ハードコピーに近いフレキシブル性やラフな取り扱いにも耐えられる機械強度に優れる点で、プラスチック材料を用いる事が望ましい。そのようなプラスチック基板としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられる。基板の厚みとしては、自己支持性やフレキシブル性、軽量性、重ねた時の厚みなどの点で50μm〜500μm程度が好適である。
本実施の形態では、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートを用いた。
【0034】
表示基板20には、表示電極26が積層されている。背面基板22には、背面電極30が積層されている。なお、表示電極26上にさらに表面コート層28を形成し、背面電極30上にさらに表面コート層32を形成してもよい。
【0035】
表示電極26及び背面電極30としては、インジウム錫酸化物(ITO)電極や、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、銅電極、ニッケル電極、等を用いることができる。表示電極は透明性を要するが、背面電極はその限りではない。本実施の形態では、ITO電極を表示電極26及び銅電極を背面電極30として用い、表示部の全面積を覆う連続した一枚の電極を表示面と背面にそれぞれ用意し、間隙部材24を介して対向するシートとなるように設けた。
【0036】
表面コート層32はなくてもよいが、電極の導電性を損なわない範囲で、厚さ数nmのチタン酸化物や、シリカ酸化物、アルミ酸化物等の無機薄膜やポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスチレン、エポキシ等の樹脂薄膜、およびそれらの混合物からなる薄膜等を用いることができる。また、表面コート層28としては、透明性を損なわない窒化珪素等の無機薄膜や、透明性の高いポリカーボネート、アクリル、ポリエステル等の樹脂膜等を用いることができる。
【0037】
このような基板上に電極を備えた構成は、例えば、縦×横×厚さ=25mm×25mm×1.1mmの透明なITO付き7059ガラス基板を使用することにより容易に形成できる。なお、表示基板20、背面基板22、表示電極26、及び背面電極30を構成する材料の詳細については後述する。
【0038】
間隙部材24は、例えば、背面基板22に熱硬化性エポキシ樹脂をスクリーン印刷によって所望のパターン形状に塗布し、これを加熱硬化させ、さらに必要な高さになるまでこの工程を繰返すことによって形成することができる。本実施の形態では間隙部材24の高さを0.1mmとした。
【0039】
なお、間隙部材24は、上記印刷方法の他、ドライフィルム型フォトレジストのフォトエッチングなどによって形成することができる。また、射出圧縮成形やエンボス加工、熱プレス加工等によって所望の表面形状に形成した熱可塑性フィルムを背面基板22に接着することで形成することもできる。また、エンボス加工や熱プレス加工によれば、間隙部材24を背面基板22と一体成形とすることも可能である。もちろん、透明性を損なわなければ表示基板20側に間隙部材24を形成してもよいし、表示基板20と一体成形してもよい。
【0040】
背面電極30及び表示電極26はそれぞれ電圧印加部16に接続されている。電圧印加部16は、特に図示はしないが、電界発生装置、シーケンサ、及びコントローラ(ロジックIC)等から構成され、電界発生装置は、電源、波形発生装置、及び増幅装置等から構成されている。電圧印加部16は、制御部18の制御によって所定のタイミングで、所定レベルの電圧を背面電極30及び表示電極26に印加することによって、表示基板20側と背面基板22側に電位差を発生させる。
【0041】
光照射部14は、例えば、CRTのような面発光デバイスとファイバー光学系や結像光学系などを組み合わせた光書き込み装置より構成されている。光照射部14は制御部18による制御によって、画像表示媒体12に表示する画像の画像データの、各画素の色を示す色データに応じて、各画素に対応する分割領域に光を照射する。
【0042】
光照射部14は、図2に示すように、画像表示媒体12の背面基板22側から光を照射する発光部44を備えている。
【0043】
発光部44は、緑色の光を照射する緑色発光部44G、赤色の光を照射する赤色発光部44R、及び青色の光を照射する青色発光部44Bと、を備えている。赤色発光部44R、青色発光部44B、及び緑色発光部44Gの発光または非発光の切替えは、制御部18の制御により行われる。
【0044】
発光部44としては、例えば、蛍光灯、ハロゲンランプ、蛍光表示管、プラズマ発光素子、EL(エレクトロルミネッセンス)発光素子、及びLED等を用いることができる。
【0045】
制御部18は、発光部44から照射される光の色を切替える。すなわち制御部18は、画像データの各画素に対応する分割領域に、各画素の色データに応じた色以外の第1の粒子34を非帯電状態とするような特定波長の光を照射するように、光照射部14を制御する。
【0046】
光照射部14の発光部44は、リニアガイド46によって支持されている。このリニアガイド46は、画像表示媒体12の背面基板22から所定間隔を介して設けられ、背面基板22の板面に添った方向に長い長尺状部材48の長手方向に移動可能に支持されている。リニアガイド46は、制御部18に信号授受可能に接続され、リニアガイド46を長尺状部材48の長手方向に移動させるためのモータ50を含んで構成されている。
【0047】
このため、光照射部14は、制御部18によるモータ50の制御及び発光部44の発光制御によって、リニアガイド46が背面基板22の板面に添った方向に移動されることで、背面基板22、背面電極30、及び表面コート層32を介して、各分割領域の全面に対して均一な光強度の光を照射可能に構成されている。
【0048】
なお、発光部44から照射される光が均一に分割領域に照射されるように、図示を省略するレンズを介して分割領域に照射されるようにしてもよい。
【0049】
なお、光照射部14と制御部18とは、配線などで接続するほか、例えば、無線、電磁波、赤外線及び超音波等を利用して信号授受可能に接続されていてもよい。
【0050】
また、光照射部14は、背面基板22、背面電極30、及び表面コート層32を介して、各分割領域の全面に対して均一な光強度の光を照射可能に構成されていればよく、上記構成に限られるものではない。
【0051】
例えば、光照射部14として、RGBの波長を発振する各レーザー光源からの光を画素毎に変調したスポット光として走査光学系により一次元、または二次元的に走査するレーザー露光装置を用いたり、蛍光灯、ハロゲンランプなどからの照明光などを波長分解して、直接あるいは、反射物や透過物を介して照射したり、レンズで結像する構成の光源をした露光装置を適用することが可能である。
【0052】
上記第1の粒子群34は、複数種類の互いに色の異なる着色粒子群からなり、且つ各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態へと遷移する粒子群である。なお、これらの第1の粒子群34は、帯電された帯電状態では、同一の極性及び略均一な電位に帯電されている。
【0053】
本実施の形態では、第1の粒子群34を構成する複数種類の着色粒子群として、赤色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となるシアン色の粒子によるシアン着色粒子群34C、緑色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となるマゼンタ着色粒子群34M、及び青色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となるイエロー色の粒子によるイエロー着色粒子群34Yを、1対1対1の割合(粒子個数比)で混合した第1の粒子群34が、画像表示媒体12に封入されている。
この混合比は、発色の均一性や滑らかさの観点から同一比率(1対1対1であることが好ましい)。
【0054】
本実施の形態では、具体的には、以下のような手順で調整したシアン着色粒子群34C、マゼンタ着色粒子群34M、及びイエロー着色粒子群34Yを用いた。
【0055】
シアン着色粒子群34Cの調整について説明する。
まず、ポリエステル樹脂100重量部、ベンズイミダゾールペリレン2重量部、C.I.ピグメントブルー15:3を5重量部、n型水素化アモルファス炭化シリコン粉末10重量部、CO40PY CHARGE PSY VP2038(クラリアントジャパン社製)を2重量部、酢酸エチル110重量部をボールミルで48時間分散しA液とする。次に、カルボキシメチルセルロース2%水溶液を100重量部調整し、B液とした。次に乳化器でB液100重量部を攪拌し、その中にA液50重量部をゆっくり投入して混合液を懸濁する。その後、混合液を減圧して酢酸エチルを除去し、水洗、乾燥、分級して体積平均一次粒径が約3μmのシアン着色粒子群34Cを得た。
このシアン着色粒子群34Cと絶縁性粒子36を混合攪拌したのち、イソパラフィン系炭化水素溶媒に分散することにより、シアン着色粒子群34Cと絶縁性粒子36の分散液を得た。
【0056】
このシアン着色粒子群34Cは、画像表示装置10の画像表示媒体12の背面電極上に封入されて、赤色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となる。
【0057】
なお、このシアン着色粒子群34Cは、画像表示媒体12に封入されたときには、所定の電位に帯電された状態である。なお、この所定の電位とは、画像表示媒体12に封入されるその他の着色粒子群34(マゼンタ着色粒子群34M、及びイエロー着色粒子群34Y)の帯電量と略同一且つ同一極性の帯電量を示している。上記の例ではいずれも負極性である。
この帯電量は、シアン着色粒子群34Cと絶縁性粒子36とを混合攪拌することにより調整することができる。
【0058】
次に、マゼンタ着色粒子群34Mの調整について説明する。
まず、ポリエステル樹脂100重量部、ベンズイミダゾールペリレン2重量50部、C.I.ピグメントレッド57を4重量部、n型水素化アモルファス炭化シリコン粉末10重量部、CO40PY CHARGE PSY VP2038(クラリアントジャパン社製)を2重量部、酢酸エチル110重量部をボールミルで48時間分散しC液とし、一方、カルボキシメチルセルロース2%水溶液を100重量部調整し、D液とした。次に乳化器でD液100重量部を攪拌し、その中にC液50重量部をゆっくり投入して混合液を懸濁した。その後減圧下で酢酸エチルを除去し、水洗、乾燥、分級して体積平均一次粒径が約3μmのマゼンタ着色粒子群34Mを得た。
このマゼンタ着色粒子群34Mと絶縁性粒子36を混合攪拌したのち、イソパラフィン系炭化水素溶媒に分散することによりマゼンタ着色粒子群34Mと絶縁性粒子36の分散液を得た。
【0059】
上記の調整により、体積平均一次粒径が約3μmのマゼンタ着色粒子群34Mを得た。
このマゼンタ着色粒子群34Mは、緑色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となる。
【0060】
なお、このマゼンタ着色粒子群34Mは、画像表示媒体12に封入されたときには、上記所定の電位に帯電された状態である。
この帯電量は、マゼンタ着色粒子群34Mを絶縁性粒子36と混合攪拌することにより調整することができる。
【0061】
次に、イエロー着色粒子群34Yの調整について説明する。
まず、ポリエステル樹脂100重量部、ベンズ30イミダゾールペリレン2重量部、C.I.ピグメント・イエロー12を5重量部、n型水素化アモルファス炭化シリコン粉末10重量部、CO40PY CHARGE PSY VP2038(クラリアントジャパン社製)を2重量部、酢酸エチル110重量部をボールミルで48時間分散しE液とした。一方、カルボキシメチルセルロース2%水溶液を100重量部調整し、F液とした。次に乳化器でF液100重量部を攪拌し、その中にE液50重量部をゆっくり投入して混合液を懸濁した。その後減圧下で酢酸エチルを除去し、水洗、乾燥、分級して体積平均一次粒径が約3μmのイエロー着色粒子群34Yを得た。
このイエロー着色粒子群34Yと絶縁性粒子36を混合攪拌したのち、イソパラフィン系炭化水素溶媒に分散することによりイエロー着色粒子群34Yと絶縁性粒子36の分散液を得た。
【0062】
上記の調整により、体積平均一次粒径が約3μmのイエロー着色粒子群34Yを得た。
このイエロー着色粒子群34Yは、青色の光が照射されることにより帯電状態から非帯電状態となる。
【0063】
なお、このイエロー着色粒子群34Yは、画像表示媒体12に封入されたときには、上記所定の電位に帯電された状態である。
この帯電量は、イエロー着色粒子群34Yを絶縁性粒子36と混合攪拌することにより調整することができる。
【0064】
次に、絶縁性粒子36について説明する。絶縁性粒子36は、同一の分割領域中に封入されている第1の粒子群34の色とは異なる色で且つ絶縁性の粒子であり、第1の粒子群34の粒子各々が通過可能な間隙をもって背面基板22と表示基板20の対向方向に略直交する方向に配列されている。
すなわち、絶縁性粒子36間の間隙を通って、背面基板22側から表示基板20側、または表示基板20側から背面基板22側へと第1の粒子群34の各々の粒子は移動することができる。本実施の形態では、絶縁性粒子36は、白色の粒子を用いる場合を説明するが、同一の分割領域中に封入されている第1の粒子群34の色とは異なる色であればよく、黒色等であってもよい。
【0065】
絶縁性粒子36は、例えば、図1に示すように、第1の粒子群34を構成する粒子各々が通過可能な間隙をもって、背面基板22と表示基板20との対向方向に略直交する方向に配列されている。また、絶縁性粒子36は、背面基板22と絶縁性粒子36との間、及び表示基板20と絶縁性粒子36との間に、第1の粒子群34の各粒子が、背面基板22と表示基板20の対向方向に複数積層可能な程度の間隔を介して設けられている。
【0066】
背面基板22と表示基板20との間に、上述のような条件を満たすように絶縁性粒子36を設けるには、上記で作成したシアン着色粒子群34Cと絶縁性粒子36の分散液、マゼンタ着色粒子群34Mと絶縁性粒子36の分散液、イエロー着色粒子群34Yと絶縁性粒子36の分散液、とを混合して3色粒子群と絶縁粒子36との分散液を作成し、背面基板22と表示基板20との間に封入する。
例えば、3色粒子群と絶縁粒子36の混合分散液を隔壁が立った背面基板22上へ充填し、その上へ表示基板20を載せて、隔壁の頂点部と表示基板とを封止すればよい。
【0067】
この絶縁性粒子36の調整について説明する。
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、酸化チタン:(タイペークCR6
3:石原産業社製):45重量部、およびシクロヘキサン:5重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作成する。 炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて微粉砕することにより、炭カル分散液Bを作成する。2%セロゲン水溶液:4.3g、炭カル分散液8.5g、および20%食塩水:50gを混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作成する。分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gを、充分混合し、超音波機で脱気を10分行う。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施する。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入する。次に60℃で10時間反応させ粒子を作成する。冷却後、この分散液を、凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間シクロヘキサンを除く。得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行う。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥させる。
【0068】
上記の調整により、体積平均一次粒径が約23μm絶縁性粒子36を得た。
このような絶縁性粒子36として、市販品としては、積水化成品工業(株)社製、商品名:製MBX−20ホワイト、MBX−20ブラックや、ダイキン工業(株)社製、商品名:ルブロンL、東芝シリコーン(株)社製、商品名:トスパール等を挙げることができる。
【0069】
本発明の画像表示媒体12は、背面電極30及び表面コート層32が積層された背面基板22上に、上述のようにして間隙部材24を形成した後に、上記各シアン着色粒子群34C、マゼンタ着色粒子群34M、及びイエロー着色粒子群34Yの絶縁性粒子36との各混合攪拌粒子群を
1対1対1の割合で混合した第1の粒子群34と絶縁性粒子36とをイソパラフィン系炭化水素などの絶縁性透明溶媒に分散した分散液を充填した。絶縁性粒子36を、第1の粒子群34に対して1/10の量にした。
この絶縁性粒子36と背面基板22との間隙は、15〜20μmであり、着色粒子が基板の対向方向に4〜6層積層され、その上部に同程度の空間をもった程度の間隙であった。
【0070】
次に、表示電極26及び表面コート層28が積層された表示基板20の面を、背面基板22と対向対置するように間隙部材24上に配置し、ダブルクリップで加圧保持して間隙部材24と表面コート層28、及び間隙部材24と表面コート層32とをそれぞれ密着させることにより、画像表示媒体12を形成した。
【0071】
ここで、上記第1の粒子群34の各々の粒子は、上記一例に示したように、正孔および電子を発生させる電荷発生材料と、正孔または電子を輸送する電荷輸送材料、及び帯電制御材を含んで構成されている。
なお、この正孔および電子を発生させる電荷発生材料、正孔又は電子を輸送する電荷輸送材料、帯電制御材、絶縁性粒子36を構成する材料、表示基板20及び背面基板22を構成する材料としては、前述したものに限定されない。例えば、以下に述べるものを選択して使用することもできる。
【0072】
例えば、正孔または電子を発生させる電荷発生材料にとしては、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウム系染料、スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染料、トリアリルメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更にアモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン-テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化銅、硫化ニッケル、硫化亜鉛等の無機材料等を挙げることができる。
【0073】
また、正孔又は電子を輸送する電荷輸送材料としては、電子を輸送する電子輸送材料と、正孔を輸送する正孔輸送材料とがある。電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキノン系化合物、テトラシアノエチレン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、フルオレノン系化合物、キサントン系化合物、フェナントラキノン系化合物、無水フタール酸系化合物、ジフェノキノン系化合物、ビラン化合物等の有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレンーテルル合金、硫化カドミウム、硫化銅、硫化ニッケル、硫化アンチモン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛等からなる無機N型半導体材料が挙げられる。
【0074】
また、正孔輸送材料としては、低分子化合物では、ピレン系化合物、カルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、アリールアミン系化合物、アリールメタン系化合物、ベンジジン系化合物、チアゾール系化合物、スチルベン系化合物、ブタジエン系化合物等が挙げられ、高分子化合物としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン-ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール-ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール-ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等の有機化合物や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化銅、硫化ニッケル、硫化アンチモン、硫化亜鉛、酸化チタンからなる無機のP型半導体が挙げられる。
【0075】
帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属微粒子、各種カップリング剤により表面処理され40た酸化金属微粒子を挙げることができる。
【0076】
なお、電荷輸送材料及び電荷発生材料をバインドして1つの粒子とするためのバインダー樹脂としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好ましいが、そのような高分子重合体としては、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ-メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げられる。なお、バインダー樹脂はこれらに限定されるものではなく、これらのバインダー樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いることができる。さらに、これらのバインダー樹脂と共に、分散安定剤、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。
【0077】
なお、本発明で使用する電荷輸送材料、電荷発生材料、電荷制御材、バインダー樹脂などは、ここに挙げたものに限定されるものではなく、また、その使用に際しては単独、あるいは2種類以上混合して用いることもできる。
【0078】
また、本実施の形態および後述する各実施の形態での電荷発生材料および電荷輸送材料含有粒子の製造方法として用いることのできる方法は以下の通りである。
【0079】
第1の粒子群34の製造方法の一つに、溶解懸濁法が知られている。溶解懸濁法はポリエステルやスチレンなどの樹脂と顔料などを溶剤に溶解・分散した油相液を、水溶性樹脂を含む水相中で混合・懸濁して粒子化し、溶媒を除去して乾燥粉体化する方法である。電荷輸送材、例えばn型水素化アモルファス炭化シリコン粉末とポリエステル樹脂と着色顔料とを溶剤に溶解・分散した油相液を、水性溶媒中で混合・懸濁して粒子化し、溶媒除去粉体化することにより、電荷輸送材入りの粒子が得られる。電荷発生材料および電荷輸送材としては、前述のものが利用できる。
【0080】
着色剤としては公知の有機、もしくは無機の顔料や染料、油溶性染料を使用できる。例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタンなどの無機顔料、ファストイエロ、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウンなどのアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、フラバンドロンイエロー、シフロモアンドロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレットなどの縮合多環系顔料などが挙げられる。
【0081】
油相成分の調整に用いる溶媒としては一般の有機溶媒を用いることができる。例えば、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。
【0082】
水性媒体としては、主として水が用いられるが、水溶性溶媒を混合して用いることもできる。さらに、分散剤を添加することが粒径分布上好ましい。
【0083】
なお、上記第1の粒子群34と絶縁性粒子36はイソパラフィン系炭化水素に分散するとして説明したが、シリコーンオイル等、絶縁性溶媒であれば上記に限らない。また、空気などの気体や、加熱すると溶融して液体になるホットメルト材料でもよい。
【0084】
各画素毎に、間隙部材24によって画像表示媒体12の分割領域(表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって構成される空間領域)を設ける場合には、分割領域毎に上記光照射部14を設けると共に、制御部18によって各分割領域の光照射部14毎に、画像データに含まれる各画素毎に色を示す色データに基づいた制御(図3参照)を行うようにすればよい。
【0085】
次に、本発明の画像表示媒体12を用いた画像表示装置10の作用を説明する。
【0086】
画像表示装置10の制御部18では、図示を省略する外部装置から画像表示装置10に表示する画像の画像データが図示を省略する通信部を介して入力されると、図3に示す処理ルーチンが実行されてステップ100に進む。
なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、特定の画素の色を示す色データが入力されるものとして説明する。しかし、実際には、入力された画像データの各画素の色を示す色データに基づいて、各画素に対応する分割領域毎に下記処理を実行すればよい。
【0087】
なお、図3に示す処理ルーチンが実行される前に、初期化処理として、画像表示媒体12に封入されている第1の粒子群34の全てが背面基板22側に移動されるように、電圧印加部16によって電圧が印加されているものとして説明する。初期化処理として、表示基板と背面基板間の電界を複数回切り替えて、第1の粒子群34を絶縁性粒子36の間を通過しつつ、絶縁性粒子36および背面電極基板30あるいは背面表面コート層32と接触することとにより帯電状態を整える。なお、第1の粒子群34の全てが背面基板22側に移動された状態(図4(A)参照)では、画像表示媒体12は、表示基板20側から視認されると、絶縁性粒子36の色が呈示されるため、絶縁性粒子36の色が白色である場合には、白色表示がなされる。
【0088】
ステップ100では、取得した色データを読取る。
【0089】
次のステップ102では、上記ステップ100で読み取った色データに基づいて、該色データの画素に対応する分割領域に光照射を行うように光照射部14を制御する。
【0090】
ステップ102の処理は、具体的には、例えば、ある分割領域に黄色の表示を行う場合には、分割領域内のイエロー着色粒子群34Yのみを帯電状態とし、分割領域内に含まれるその他の着色粒子群34(シアン着色粒子群34C、及びマゼンタ着色粒子群34M)を非帯電状態とするために、シアン着色粒子群34Cを非帯電状態とするための赤色の光と、マゼンタ着色粒子群34Mを非帯電状態とするための緑色の光を対応する分割領域に照射する処理を開始するように、光照射部14を制御する。
【0091】
この処理によって、図4(A)に示すように、光照射部14の赤色発光部44R及び緑色発光部44G各々から青色の光及び緑色の光が、画像表示媒体12の対応する分割領域に照射される。
【0092】
なお、ステップ102の処理において、該色データの画素に対応する分割領域内を光照射するときには、モータ50を制御することによって分割領域内においてリニアガイド46を移動させることにより、この分割領域内に発光部44による光を均一に照射することが可能となる。ここで光照射部14を制御して光照射は終了する。
なお、ステップ102の処理において、制御部18の制御によって背面電極30を接地するか、または、第1の粒子群34の帯電状態の粒子が背面電極30への接触状態を継続するような電圧を表示電極26及び背面電極30に印加するように、電圧印加部16を制御してもよい。
【0093】
次のステップ104では、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子が表示基板20側に移動するような電圧を表示電極26及び背面電極30に印加するように、電圧印加部16を制御する。
【0094】
ステップ104における制御部18の制御によって、電圧印加部16は、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子が背面基板22側から表示基板20側に移動するように、表示基板20と背面基板22との間に電位差を発生させるための電圧を表示電極26及び背面電極30に印加する。
【0095】
ステップ104の処理により、図4(B)に示すように、第1の粒子群34の内の、上記ステップ102の光照射部14による光照射の開始によって非帯電状態とされた粒子以外の粒子が、背面基板22側から絶縁性粒子36の間隙を介して表示基板20側に移動する。
【0096】
ここで、光照射部14から光が照射されたときに、第1の粒子群34の内の背面基板22に近い位置に位置されていた粒子については、光照射部14によって十分に光が照射されるが、光照射部14による光照射の困難な位置に位置していた粒子には、十分に光が照射されないという問題がある。
【0097】
このため、図4(B)に示すように、第1の粒子群34の内、赤色の光によって非帯電状態となるシアン着色粒子群34Cと、緑色の光によって非帯電状態となるマゼンタ着色粒子群34Mと、の内の全ての粒子が非帯電状態とならず、マゼンタ着色粒子群34Mの内の帯電状態である粒子と、シアン着色粒子群34Cの内の帯電状態である粒子と、が、イエロー着色粒子群34Yと共に表示基板20側に移動する。
このため、表示基板20側には、イエロー着色粒子群34Yのみではなく、シアン着色粒子群34Cの一部の粒子及びマゼンタ着色粒子群34Mの内の一部の粒子もまた移動するため、画質劣化が発生する。
【0098】
そこで、次のステップ106では、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子が背面基板22側に移動するような電圧を表示電極26及び背面電極30に印加するように、電圧印加部16を制御する。
【0099】
ステップ106における制御部18の制御によって、電圧印加部16は、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子が背面基板22側に移動するように、表示基板20と背面基板22との間に電位差を発生させるための電圧を表示電極26及び背面電極30に印加する。
【0100】
ステップ106の処理により、第1の粒子群34の内の、帯電状態とされた粒子が背面基板22側に移動する。このため、図4(C)に示すように、第1の粒子群34の内の、帯電状態とされた粒子と、非帯電状態の粒子の双方が、背面基板22側に位置される。
【0101】
次のステップ108では、上記ステップ102及び104及びステップ106の一連の処理が予め定めた所定回数、繰り返し実行されたか否かを判別する。
【0102】
ステップ108の判断は、上記ステップ102及び104及びステップ106の処理を行うべき所定回数を予め制御部18の図示を省略するメモリに記憶すると共に、上記ステップ102及び104及びステップ106の一連の処理が実行される度に、制御部18内に予め設けたカウンタをカウントアップし、このカウントアップ後の値が、上記メモリに記憶された所定回数と同一であるか否かを判別することによって判断することができる。
【0103】
なお、制御部18の図示を省略するメモリに予め記憶される上記「所定回数」とは、予め第1の粒子群34の全てが背面基板22側に位置された状態から、第1の粒子群34の内の特定の色の第1の粒子群34のみが表示基板20側に移動される状態となるまでに必要な上記ステップ102及び104及びステップ106の一連の処理の繰り返し回数を計測し、この計測結果を所定回数として、予め制御部18の図示を省略するメモリに記憶するようにすればよい。
【0104】
上記ステップ102乃至ステップ108の処理によって、上記ステップ102及び104及びステップ106の処理が一度ずつ実行されたのみでは光照射部14による光の照射が行われなかった第1の粒子群34の内の粒子についても、上記ステップ102及び上記ステップ104及びステップ106の処理が繰り返し実行されることにより、分割領域内の第1の粒子群34の略全ての粒子に光照射部14による光が照射される。
【0105】
このため、光照射部14によって照射される光の色によって非帯電状態となるべき色の第1の粒子群34の略全ての粒子について、光を照射して非帯電状態とすることができる。本実施の形態では、着色粒子群34の内のマゼンタ着色粒子群34M、及びシアン着色粒子群34Cの全てに赤色と緑色の光を照射することができ、非帯電状態とすることができる。
【0106】
次のステップ110では、制御部18内の図示を省略するカウンタの値をクリア(「0」にする)した後に、再度上記ステップ104と同様に、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子が表示基板20側に移動するような電圧を表示電極26及び背面電極30に印加するように、電圧印加部16を制御する。
【0107】
ステップ110の処理により、図4(D)に示すように、第1の粒子群34の内の、上記ステップ102の光照射部14による光照射の開始によって非帯電状態とされた粒子以外の粒子として、イエロー着色粒子群34Yのみが背面基板22側から絶縁性粒子36の間隙を介して表示基板20側に移動する。
【0108】
次のステップ112では、上記ステップ110までに行われた電圧印加を終了するように、電圧印加部16を制御した後に、本ルーチンを終了する。
【0109】
以上説明したように、本発明の画像表示媒体12によれば、複数種類の互いに色の異なる着色粒子群34(イエロー着色粒子群34Y、マゼンタ着色粒子群34M、及びシアン着色粒子群34C)であって、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる第1の粒子群34を表示基板20と背面基板22との間に封入し、各色の着色粒子群34を非帯電状態とする波長の光を選択的に照射すると共に、基板間に電位差を発生させることで、画像表示を行うので、画素位置に応じた位置に電圧を印加する場合のようにマトリクス電極や画素電極を必要とせず、画像表示媒体12を簡易な構成とすることができるとともに、画像の解像度が電極解像度に制約されず、より高解像度な画像表示を実現することができる。
【0110】
また、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる第1の粒子群34を表示基板20と背面基板22との間に封入するので、表示に不要な着色粒子のみ除き、表示に必要な着色粒子を確実に残すことができるので、表示される色度の高安定性という効果が得られる。
【0111】
また、光照射部14によって、特定の色の着色粒子群34を非帯電状態とするための光の照射が開始された後に、第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子を背面基板22側から表示基板20側へ移動させた後に、背面基板22側に移動させる一連の処理を繰り返し実行した後に、再度第1の粒子群34の内の帯電状態の粒子を表示基板20側へと移動させるので、画像表示媒体12に含まれる第1の粒子群34の略全ての粒子について光照射部14による光照射を行うことができる。
【0112】
このため、第1の粒子群34の内の、光照射部14によって照射される光の色によって非帯電状態となるべき色の着色粒子群34の略全ての粒子について、特定の波長の光を照射することができるので、非帯電状態とするべき粒子の略全てを非帯電状態とすることができ、画質劣化を抑制しつつ所望の色を表示することが可能となる。
【0113】
なお、本実施の形態では、イエロー着色粒子群34Yのみを選択的に表示基板20側に移動させる場合を説明したが、イエロー着色粒子群34Y、マゼンタ着色粒子群34M、及びシアン着色粒子群34Cの内の少なくとも1色または複数色の着色粒子群34を表示基板20側に選択的に移動させるようにしてもよい。
【0114】
この場合には、表示基板20側に移動させる色に応じた着色粒子群34のみを帯電状態とし、移動させる対象となる以外の色の着色粒子群34が非帯電状態となるように、移動させる対象となる以外の色の着色粒子群34を非帯電状態とするための色の光を上記ステップ102の処理において照射するようにすればよい。
【0115】
また、本実施の形態では、表示基板20と背面基板22との間に電界を形成することによって第1の粒子群34を移動させる場合を説明したが、磁界を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本実施の形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る画像表示装置の概略構成図である。
【図3】本実施の形態の画像表示装置の制御部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図4】(A)〜(D)は、本実施の形態の画像表示装置において、図3のフローチャートが実行されたときの第1の粒子群の状態遷移を示した説明図である。
【符号の説明】
【0117】
10 画像表示装置
12 画像表示媒体
14 光照射部
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
26 表示電極
30 背面電極
34Y イエロー着色粒子群
34C シアン着色粒子群
34M マゼンタ着色粒子群
34 着色粒子群
36 絶縁性粒子
44 発光部
44B 青色発光部
44R 赤色発光部
44G 緑色発光部
4G 緑色発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも透光性を有し、間隙をもって対向して配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に封入され、複数種類の互いに色の異なる着色粒子群からなり、且つ各色の着色粒子群に対応する特定波長の光の照射によって帯電された帯電状態から非帯電状態となる第1の粒子群と、
を備えた画像表示媒体。
【請求項2】
前記第1の粒子群の各粒子は、光照射によって電子および正孔を発生させる電荷発生材料と、電子または正孔を輸送する電荷輸送材料を含む請求項1に記載の画像表示媒体。
【請求項3】
前記第1の粒子群は、赤色の光により帯電状態から非帯電状態となるシアン色の粒子からなるシアン着色粒子群、緑色の光により帯電状態から非帯電状態となるマゼンタ色の粒子からなるマゼンタ着色粒子群、青色の光により帯電状態から非帯電状態となるイエロー色の粒子からなるイエロー着色粒子群の少なくとも1種類の着色粒子群からなる請求項1または請求項2に記載の画像表示媒体。
【請求項4】
前記一対の基板間に前記第1の粒子群とは異なる色の絶縁性粒子を更に封入し、該絶縁性粒子を、前記第1の粒子群の粒子各々が通過可能な間隙をもって前記一対の基板の対向方向に略直交する方向に配列した請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示媒体。
【請求項5】
前記画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に照射する光照射手段と、
前記一対の基板間に電圧を印加して電位差を発生させる電圧印加手段と、
を備えた画像表示装置。
【請求項6】
前記第1の粒子群の内の、前記色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を照射するように、前記光照射手段を制御すると共に、前記第1の粒子群の内の帯電状態の粒子が前記一対の基板の何れか一方の基板に移動した後に他方の基板に移動するような電圧を複数回印加した後に、該一方の基板に帯電状態の粒子が移動するような電圧を印加するように前記電圧印加手段を制御する制御手段を備えた請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記光照射手段は、前記第1の粒子群の内の、シアン色の粒子からなるシアン着色粒子群を非帯電状態とする光として赤色の光、マゼンタ色の粒子からなるマゼンタ着色粒子群を非帯電状態とする光として緑色の光、及びイエロー色の粒子からなるイエロー着色粒子群を非帯電状態とする光として青色の光を前記画像表示媒体に照射する請求項5または請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記光照射手段は、前記第1の粒子群の内の、前記画像表示媒体に表示する画像の各画素に対応する色データの色以外の粒子を非帯電状態とするような特定波長の光を、前記画像表示媒体の各画素に対応する領域に照射する請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体の前記一対の基板間に電界または磁界を形成し、
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に、該画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を照射する、
画像表示方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に、該画像表示媒体に表示する色を示す色データに応じて、該色データに応じた色以外の粒子を非帯電状態とするような、各色の着色粒子群に対応する特定波長の光を照射し、
前記第1の粒子群の内の帯電状態の粒子が前記一対の基板の何れか一方の基板に移動した後に他方の基板に移動するような電界を複数回形成した後に、該一方の基板に帯電状態の粒子が移動するように前記一対の基板間に電界を形成する、
画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−219005(P2007−219005A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36878(P2006−36878)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)