説明

画像表示装置およびその組み立て方法

【課題】 画像品質を低下させることなく、容易に組み立てることができる画像表示装置およびその組み立て方法を提供する。
【解決手段】 拡散板41は、矩形板状の本体部410と、本体部410の主面に平行で外方に突出する拡散板突起部411とからなる。拡散板突起部411は、本体部410を厚み方向Zに見た矩形の4辺を成す全ての周縁部に設けられる。光学シート40は、シート本体部400を厚み方向Zに見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2辺を成す縁部にシート突起部401が設けられる。このとき、2枚の光学シート40a,40bのうち、たとえば、光学シート40aには、シート本体部400aの2つの長辺を成す縁部にシート突起部401aが設けられ、光学シート40bには、シート本体部400bの2つの短辺を成す縁部にシート突起部401bが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を拡散する拡散板と光学シートとを備える画像表示装置およびその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの画像表示装置は、表示画像の画質向上のために、表示パネルと光源との間に拡散板、光学シートなどを重ね合わせ、光源から表示パネルに照射される光を制御している。
【0003】
特許文献1記載の表示装置は、拡散板および光学シートを含み、拡散板および光学シートの外周辺にそれぞれ突起が設けられる。
【0004】
特許文献2記載の表示装置は、光源ユニット、複数の光学シートおよびモールドフレームを含み、光学シートは、メイン本体部および外郭方向に突出したシートガイド部を含む。モールドフレームは、光学シートのシートガイド部が収納されるシートガイド溝が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−24483号公報
【特許文献2】特開2008−103334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
拡散板および光学シートは、樹脂製であるため、光源から発生する熱によって膨張、変形しやすい。そのため、拡散板および光学シートは、枠体に固定部材を用いて固定するのではなく、特許文献1,2に記載されるように突起部を設け、枠体に設けた孔に突起部を嵌合させることで、拡散板および光学シートを枠体に保持している。
【0007】
特に、表示面側から見た枠体およびベゼルの幅を限りなく小さくした表示装置では、突起部の突出長さを短くする必要があるため、突起部によって拡散板および光学シートを枠体に保持するためには、拡散板および光学シートの本体部の外郭寸法と、枠体の内周面の寸法とは高精度に一致させる必要がある。
【0008】
特許文献1記載の表示装置のように、拡散板および光学シートの4辺に、突起部を設けた場合、表示装置の組み立てが困難となる。枠体に設けられた孔に、光学シートの突起を嵌合させようとすると、光学シートを変形させて全ての突起部を孔に嵌合させる作業が必要になるが、4辺に設けられた突起部を嵌合させる作業は困難である。また、拡散板と光学シートとを重ね合わせた状態で、これらをスライドさせて枠体の孔に、拡散板の突起部と光学シートの突起部とを嵌合させようとすると、拡散板は重く、光学シートは軽いために突起部を同時に嵌合させることも困難である。
【0009】
本発明の目的は、画像品質を低下させることなく、容易に組み立てることができる画像表示装置およびその組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、液晶素子を有し、前記液晶素子によって画像を一方面側に表示するための液晶パネルと、
前記液晶パネルよりも他方面側に配置される基台と、
前記基台に設けられ、前記液晶パネルに他方面側から光を照射する光源と、
前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記光源から出射した光を拡散させる拡散板であって、矩形板状の本体部と、前記本体部を厚み方向に見た矩形の4辺において、本体部の主面に平行で外方に突出する拡散板突起部とを有する拡散板と、
前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記拡散板を透過した光の光学特性を変更する複数の光学シートであって、矩形薄板状の第1シート本体部と、前記第1シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの長辺のみにおいて、前記第1シート本体部の主面に平行で外方に突出する第1シート突起部とを有する第1光学シートと、矩形薄板状の第2シート本体部と、前記第2シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの短辺のみにおいて、前記第2シート本体部の主面に平行で外方に突出する第2シート突起部とを有する第2光学シートと、を含む光学シートと、
前記液晶パネル、前記拡散板および前記光学シートを、それぞれの面方向外方から接触して保持する、枠体状の固定構造体であって、内周面に開口した、前記拡散板突起部および前記シート突起部が嵌合される嵌合孔が設けられる固定構造体とを含むことを特徴とする画像表示装置である。
【0011】
また本発明は、前記拡散板突起部および前記シート突起部は、突出方向の両端部がテーパ状に設けられていることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記第1光学シートは、前記第2光学シートよりも、前記液晶パネル側に設けられることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記第1光学シートおよび前記第2光学シートの前記第1シート突起部および前記第2シート突起部の少なくともいずれかは、互いに平行な2辺において、非対称な位置に設けることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記固定構造体は、複数の固定部材からなることを特徴とする。
また本発明は、前記光学シートは、さらに矩形薄板状の第3シート本体部と、前記第3シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの長辺のみにおいて、前記第3シート本体部の主面に平行で外方に突出する第3シート突起部とを有する第3光学シートをさらに含み、
前記第1光学シートの前記第1シート突起部は、2つの辺の長手方向一方側の領域にのみ設けられ、前記第3光学シートの前記第3シート突起部は、2つの辺の長手方向他方側の領域にのみ設けられ、前記第1光学シートと前記第3光学シートとは回転対称となるように構成されることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記画像表示装置を組み立てる組み立て方法であって、
前記拡散板を前記固定構造体に設置する第1工程と、
前記第2シート本体部を長辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記拡散板の表面に前記第2シート突起部を接触させ、前記第2シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第2シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる第2工程と、
前記第1シート本体部を短辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記第2光学シートの表面に前記第1シート突起部を接触させ、前記第1シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第1シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる第3工程と、
前記液晶パネルを前記固定構造体に設置する第4工程とを含むことを特徴とする画像表示装置の組み立て方法である。
【0016】
また本発明は、前記第2工程および第3工程では、前記第1シート本体部および前記第2シート本体部の下面側にシャフトを設置して前記シャフトに前記第1光学シートおよび前記第2光学シートを湾曲状態とし、その後前記シャフトを下降させるとともに、前記シャフトを延在方向に引き抜くことによって前記第1シート突起部および前記第2シート突起部を前記嵌合孔に嵌合させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、拡散板は、前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記光源から出射した光を拡散させる。また拡散板は、矩形板状の本体部と、前記本体部を厚み方向に見た矩形の4辺において、本体部の主面に平行で外方に突出する拡散板突起部とを有する。
【0018】
光学シートは、前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記拡散板を透過した光の光学特性を変更する。第1光学シートは、矩形薄板状の第1シート本体部と、前記第1シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの長辺のみにおいて、前記第1シート本体部の主面に平行で外方に突出する第1シート突起部とを有する。第2光学シートは、矩形薄板状の第2シート本体部と、前記第2シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの短辺のみにおいて、前記第2シート本体部の主面に平行で外方に突出する第2シート突起部とを有する。枠体状の固定構造体は、内周面に開口し、前記拡散板突起部および前記シート突起部が嵌合される嵌合孔が設けられる。
【0019】
これにより、第1光学シートおよび第2光学シートは、シート突起部が設けられない辺の中央部において湾曲状態としたのち、これを平坦状態に復帰させるとともに第1シート突起部および第2シート突起部を嵌合孔に嵌合させることができる。
【0020】
また、第1シート突起部および第2シート突起部が、拡散板突起部とともに嵌合孔に嵌合されるので、拡散板のみを透過した光が照射されることもないので、輝度むらも発生しない。
【0021】
以上より、画像品質を低下させることなく、画像表示装置を容易に組み立てることができる。
【0022】
また本発明によれば、前記拡散板突起部および前記シート突起部は、突出方向の両端部がテーパ状に設けられるので、嵌合孔に嵌合させるときに接触して変形や欠けが発生することを防止することができる。
【0023】
また本発明によれば、前記第1光学シートは、前記第2光学シートよりも、前記液晶パネル側に設けられる。
【0024】
前記第1光学シートは、長辺にシート突起部が設けられていることから、使用状態での撓みが小さくなり、液晶パネルとの接触も防止できる。
【0025】
また本発明によれば、前記第1光学シートおよび前記第2光学シートの前記第1シート突起部および前記第2シート突起部の少なくともいずれかは、互いに平行な2辺において、非対称な位置に設けられる。
【0026】
光学シートは、裏面と表面とで表面状態が異なる場合があり、このような場合、設置する向きが予め決まっている。シート突起部を非対称な位置とすることで、表裏を間違えて設置する作業ミスを防止することができる。
【0027】
また本発明によれば、前記固定構造体は、複数の固定部材からなる。たとえば、拡散板は、固定構造体の一部の固定部材を分離した状態で設置することができる。
【0028】
また本発明によれば、前記第1光学シートの前記第1シート突起部は、2つの辺の長手方向一方側の領域にのみ設けられ、前記第3光学シートの前記第3シート突起部は、2つの辺の長手方向他方側の領域にのみ設けられる。また、前記第1光学シートと前記第3光学シートとは回転対称となるように構成される。
【0029】
実質的に第1光学シートと第3光学シートとは同じものであり、180°回転させた状態で使用することができる。
【0030】
また本発明によれば、第2工程では、前記第2シート本体部を長辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記拡散板の表面に前記第2シート突起部を接触させ、前記第2シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第2シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる。また、第3工程では、前記第1シート本体部を短辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記第2光学シートの表面に前記第1シート突起部を接触させ、前記第1シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第1シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる。
【0031】
これにより、画像品質を低下させることなく、画像表示装置を容易に組み立てることができる。
【0032】
前記第2工程および第3工程では、前記第1シート本体部および前記第2シート本体部の下面側にシャフトを設置して前記シャフトに前記第1光学シートおよび前記第2光学シートを湾曲状態とし、その後前記シャフトを下降させるとともに、前記シャフトを延在方向に引き抜くことによって前記第1シート突起部および前記第2シート突起部を前記嵌合孔に嵌合させる。
これにより、作業者を必要とせず、組み立て工程を容易に自動化できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態である画像表示装置10の断面図である。
【図2】画像表示装置10の構成を表す分解斜視図である。
【図3】光学シート40および拡散板41の平面図である。
【図4】変位阻止部材21の構成を示す外観図である。
【図5】拡散板41の設置手順を示す図である。
【図6】光学シート40の設置手順を示す図である。
【図7】光学シート40aの他の実施形態を示す平面図である。
【図8】3枚以上の光学シートを用いる他の実施形態における2枚の光学シート40aを示す平面図である。
【図9】テーパ405aを設けたシート突起部401aの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明の実施形態である画像表示装置10の断面図である。図1では、後述する光源およびランプホルダは、省略している。図2は、画像表示装置10の構成を表す分解斜視図である。
【0035】
画像表示装置10は、本実施形態では液晶パネル11を備えており、画像を表示する液晶表示装置である。画像表示装置10は、液晶パネル11と、シャーシ12と、固定構造体13と、枠部16と、連結部材17と、光学シート40と、拡散板41とを含んで構成される。
【0036】
第1実施形態において、画像表示装置10は、テレビジョン受像機またはパーソナルコンピュータなどにおいて、画像情報を出力することによって、画像を表示画面に表示する装置である。表示画面は、液晶素子を有する液晶パネル11によって形成され、液晶パネル11は、平板状の形状に形成される。液晶パネル11において、厚み方向Zの2つの向きを前面側Z1および背面側Z2とする。
【0037】
液晶パネル11は、液晶素子を有し、液晶素子によって、画像を一方面18側に表示する。シャーシ12は、液晶パネル11の固定に用いられる基台であり、液晶パネル11よりも他方面19側に配置される。一方面18側は、前面側Z1であって、他方面19側は、背面側Z2である。
【0038】
固定構造体13は、液晶パネル11の固定を補助する複数の部材から成り、分割可能に構成されることが好ましい。固定構造体13は、1または複数の変位阻止部材21を含んで構成され、変位阻止部材21は、対向部22と、接触部24とを有する。対向部22は、液晶パネル11を厚み方向Zに見たときの液晶パネル11の外縁部の少なくとも一部に、他方面19側から対向する。接触部24は、外縁部に対して液晶パネル11の面方向外方から接触する。枠部16は、液晶パネル11の外縁部に一方面18側から対向し、固定構造体13とともに外縁部を挟持する。これによって、液晶パネル11は、枠部16に対して一方面18側への相対的な変位が阻止される。連結部材17は、変位阻止部材21をシャーシ12に連結する。
【0039】
液晶パネル11は、長方形の板状に形成され、変位阻止部材21は、液晶パネル11の外縁部の少なくとも一辺を成す部分に液晶パネル11の面方向外方から接触する。したがって、変位阻止部材21を、一辺を成す部分に設ける場合には、変位阻止部材21を、他の3つの辺において固定構造体13を成す部材とは、分離可能に構成することができる。
【0040】
変位阻止部材21が液晶パネル11の面方向外方から接触する、前記少なくとも一辺を成す部分は、液晶パネル11の短辺を成す一対の端部26のうちの一方を含む。
【0041】
変位阻止部材21は、シャーシ12に係合する係合部を有し、シャーシ12は、係合部に係合される被係合部を有する。係合部が被係合部に係合し、連結部材17によるシャーシ12と変位阻止部材21との連結が解除された状態では、接触部24は、被係合部を支点として、シャーシ12に対して揺動変位可能である。また接触部24は、揺動変位することによって液晶パネル11に対して近接および離隔する。
【0042】
連結部材17は、ねじ部材で構成され、変位阻止部材21に螺合することによって、変位阻止部材21をシャーシ12に連結する。またねじ部材は、変位阻止部材21に対する角変位に伴って、変位阻止部材21に対して進退する。変位阻止部材21の接触部24は、ねじ部材が変位阻止部材21に対して進退することによって、揺動変位する。
【0043】
画像表示装置10は画像を、前面側Z1から見て視認可能に表示する。画像表示装置10において、液晶パネル11と平行に配置される平板状の部品については、「前面側」(Z1)および「背面側」(Z2)の用語を、液晶パネル11を基準としたときと同じ向きを意味するものとして用いる。画像表示装置10において、液晶パネル11の周囲を面方向外方から囲繞する枠部16は、いわゆる狭額縁化されている。たとえば、マルチディスプレイシステムに用いる場合には、複数の画像表示装置10を一方向に沿ってまたはマトリクス状に配置する。このとき、互いに隣接する画像表示装置10の境目に当たる部分、すなわち枠部16は画像が表示されない非表示部分となる。マルチディスプレイにおいて、互いに隣接する画像表示装置10に表示される画像は、本来連続する画像であるが、枠部16のZ方向から見た幅が大きいと、非表示部分の幅が大きくなってしまう。マルチディスプレイシステムに用いるような画像表示装置10では、非表示部分の幅をなるべく小さくするために、枠部16の幅を小さくする狭額縁化が求められる。第1実施形態において画像表示装置10は、液晶パネル11の対角線が60インチで、縦横比率が9対16の狭額縁化された液晶表示装置とした。
【0044】
画像表示装置10は、液晶パネル11よりも背面側に配置される複数の光源32を含んで構成され、複数の光源32は、シャーシ12に取付けられる。光源32から出射された光は、拡散板41、光学シート40を通過し、さらに液晶パネル11を介して画像表示装置10よりも前面側に放射され、画像表示を行う表示光として使用される。光源32としては、たとえば蛍光管、LED(Light Emitting Diode)などの各種発光部材を用いることができる。枠部16は、液晶パネル11、シャーシ12、固定構造体13、連結部材17および光源32を収容する筐体の一部を成す。
【0045】
第1実施形態において筐体は、枠部16と、枠部16とともに筐体を成す背面側部材とを有する。枠部16は、前面側Z1からみて液晶パネル11の面方向外方に延在して配置され、枠部16単独で、または背面側部材とともに内部空間を規定する。
【0046】
画像表示装置10を、前面側Z1から見て、枠部16および液晶パネル11は長方形に形成される。この長方形は、画像表示装置10が画像を表示するときの通常の姿勢において、縦長に配置されても横長に配置されても構わないけれども、第1実施形態では横長に載置される。枠部16は、厚み方向Zに垂直な平板状部分36と、液晶パネル11をその面方向外方から囲繞する外周部37とを含む。平板状部分36は、固定構造体13とともに液晶パネル11を挟持する。
【0047】
液晶パネル11は、2枚の基板11aを含み、厚み方向Zに見て長方形の板状に形成される。液晶パネル11は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を含み、2枚の基板11aの隙間には液晶が注入されている。液晶表示パネルは、背面側の光源32からの光がバックライトとして照射されることによって、表示機能を発揮する。前記2枚の基板11aには、液晶パネル11における画素の駆動制御用のドライバー(ソースドライバー)、種々の素子および配線が設けられている。
【0048】
固定構造体13は、液晶パネル11よりも背面側、かつシャーシ12よりも前面側に配置され、シャーシ12に取付けられる。固定構造体13の構造の詳細については、後述する。固定構造体13とシャーシ12との間には、光学シート40、拡散板41、ランプホルダ42、光源32、および反射シート43が配置される。光源32は、たとえば、複数本の蛍光管38を含み、蛍光管38は、ランプホルダ42によってシャーシ12に取付けられる。蛍光管38よりも前面側には、拡散板41が配置され、拡散板41の前面側には光学シート40が配置される。拡散板41および光学シート40は、液晶パネル11に平行に配置される。
【0049】
拡散板41は、蛍光管38から発せられた光を、面方向に拡散することによって、輝度が局所的に偏ることを防止する。光学シート40は、複数の光学シートで構成され、本実施形態では、2枚の光学シート40aおよび光学シート40bで構成される。光学シート40は、表示画質を向上させるための種々の機能が付与された機能性樹脂シートからなる。たとえば、拡散板41を介して背面側から到達した光の進行の向きを、前面側に向ける機能を有する。拡散板41では、輝度が面方向に偏ることを防ぐために、光の進行方向は、ベクトル成分として、面方向の成分を多く含む。これに対し光学シート40は、面方向のベクトル成分を多く含む光の進行方向を、厚み方向Zの成分を多く含む光の進行方向に変換する。具体的には、光学シート40は、レンズまたはプリズム状に形成される部分が面方向に多数並んで形成され、これによって、厚み方向Zに進行する光の拡散度を小さくする。したがって、画像表示装置10による表示において、輝度を上昇させることができる。
【0050】
シャーシ12は、厚み方向Zに垂直な平板状の底部39と、底部39に連なり底部39から立ち上がる側壁部44と、側壁部44のうち底部39が連なる部分とは反対側の部分に連なり底部39と平行に広がる平板状のフランジ部45とを含んで形成される。底部39は、厚み方向Zに見て長方形に形成される。側壁部44は、底部39のうち短辺を成す2つの端部26と、長辺を成す2つの端部27とから前面側に立ち上がって形成される。これによって、平板状の側壁部44が底部39の周囲に4つ、形成される。
【0051】
各側壁部44は、短冊形に形成され、底部39の厚み方向Zに平行である。側壁部44のうち、最も前面側の端部には、フランジ部45が連なる。フランジ部45は、厚み方向Zに見て、底部39よりも面方向外方に広がって形成される。フランジ部45は、底部39の厚み方向Zに垂直な細長い短冊形に形成される。これによって、フランジ部45は、側壁部44と同様に4つ、形成される。したがって、4つのフランジ部45は、厚み方向Zに見て長方形に形成される。「垂直」は、理想的な垂直および略垂直の両方を含み、「平行」は、理想的な平行および略平行の両方を含む。
【0052】
液晶パネル11、シャーシ12の底部39、光学シート40および拡散板41はいずれも液晶パネル11の厚み方向Zに見て長方形に形成され、それぞれの長辺方向Xは互いに平行であり、それぞれの短辺方向Yも互いに平行である。
【0053】
第1実施形態では、フランジ部45のうち、側壁部44が連なる端部とは反対側の、底部39に関して面方向外方に位置する端部から、さらに前面側に突出する襟部46が形成される。襟部46は、厚み方向Zに平行な短冊形の形状に形成される。また襟部46は、4つのフランジ部45のうち、3つのフランジ部45に対応して形成される。第1実施形態では、襟部46は、短辺を成す2つのフランジ部45のうちの1つと、長辺を成す2つのフランジ部45とに対応して形成される。短辺を成す2つのフランジ部45のうち他の1つには、襟部46は設けられていない。
【0054】
反射シート43は、底部39の前面側の表面の少なくとも一部と、フランジ部45とに接触して配置される。反射シート43は、側壁部44に対しては接触して配置されてもよく、また接触せず配置されてもよい。反射シート43の少なくとも前面側に臨む表面は、光源32からの光に対して高い反射率、理想的には100%の反射率を有する。
【0055】
蛍光管38は、底部39および底部39の前面側に配置された反射シート43に対し、前面側から近接して複数配置される。各蛍光管38は、底部39の長辺方向Xに長く延びて設置される。ランプホルダ42は、複数の蛍光管38に対し、これらの長手方向両端部をシャーシ12に対して固定する。蛍光管38の長手方向一方に配置されるランプホルダ42と、長手方向他方に配置されるランプホルダ42とは、大略的にはそれぞれ直方体に形成され、直方体のうち前面側に臨む表面は、厚み方向Zに垂直に配置される。
【0056】
各ランプホルダ42は、側壁部44よりも内側に配置され、各ランプホルダ42の前面側に臨む表面は、フランジ部45の前面側に臨む表面とともに一平面内に配置され、これらの表面に、拡散板41の外縁部が接触して配置される。液晶パネル11、固定構造体13、光学シート40、拡散板41、ランプホルダ42、蛍光管38、反射シート43およびシャーシ12は、枠部の外周部37よりも液晶パネル11に関する面方向内方に配置される。
【0057】
第1実施形態では、固定構造体13は、変位阻止部材21と、シャーシ12に対して嵌合して固定される嵌合固定部材48とを含む。嵌合固定部材48は、少なくともシャーシ12の襟部46に嵌合して固定される。第1実施形態では、嵌合固定部材48は、襟部46が挿入される凹溝49が形成される嵌合部51と、嵌合部51に連なりフランジ部45の前面側を覆う平坦部52と、シャーシ12の側壁部44を内周面側から覆う内側部54とを含む。
【0058】
嵌合部51の前面側には、前面側に臨み、液晶パネル11の外縁部に対向する対向部22と、対向部22よりも面方向外方において前面側に突出し、液晶パネル11に面方向外方から接触する接触部24とが形成される。この対向部22は、液晶パネル11の外縁部を枠部16の平板状部分36とともに挟持する部分である。したがって、対向部22は、液晶パネル11の外縁部に確実に対向する必要があり、また対向部22は、可及的に細く設定すれば細く設定するほど、狭額縁化の実現を容易にすることができる。
【0059】
液晶パネル11の各辺を成す端部に接触する対向部22について、厚み方向Zおよび各辺の両方に垂直な方向における対向部22の寸法を、「幅寸法」と称する。画像表示装置10の一例として、たとえば60インチの画像表示装置10の場合、液晶パネル11のうち画像の表示領域は、およそ長辺方向Xの寸法が133cmで、短辺方向Yの寸法がおよそ75cmである。この場合において対向部22の幅寸法は、3mm程度に設定される。
【0060】
嵌合固定部材48は、襟部46を有する3つの辺に対応して長方形のうち3つの辺を成す形状に、一体的に形成される。したがって、内側部54の前面側の端部は、平坦部52の面方向内方の端部に連なって形成される。内側部54は、液晶パネル11の厚み方向Zに平行な3つの平板状の部分を含み、各平板状の部分には、1または複数の貫通孔53が形成される。この貫通孔53には、ねじ部材によって実現される連結部材17が、各平板状の部分に垂直に挿入される。
【0061】
変位阻止部材21は、4つのフランジ部45のうち、襟部46が設けられていない部分に対応して設けられる。したがって、変位阻止部材21は、長方形を成す4つの辺のうち1つの辺を成して形成される。変位阻止部材21は、フランジ部45の一部を支点として角変位可能に設けられる。襟部46が設けられていないフランジ部45には、変位阻止部材21が角変位するときに支点となる部分が形成される。具体的には、1つまたは複数の位置に凹部56が形成され、変位阻止部材21の一部がこれに係合する。
【0062】
変位阻止部材21は、フランジ部45の前面側を覆い、フランジ部45のうち角変位の支点となる部位に接触する支点接触部57と、支点接触部57に連なり、シャーシ12の側壁部44を内周面側から覆い、シャーシ12に対して連結部材17によって連結される被連結部58と、平坦部52から前面側に立ち上がる形状に形成される角変位部62とを含む。
【0063】
支点接触部57は、シャーシ12の底部39と平行な平板状の平板状部分59と、平板状部分59から背面側に突出する突出部63とから構成される。突出部63は、フランジ部45に形成される凹部56に係合する係合部であり、フランジ部45に形成される凹部56は、変位阻止部材21に形成される突出部63に係合される被係合部である。これによって変位阻止部材21は、フランジ部45の凹部56を支点として、揺動可能である。
【0064】
変位阻止部材21において、被連結部58は、液晶パネル11の厚み方向Zに平行に形成され、支点接触部57のうち、液晶パネル11に関する面方向内方の端部に連なり、背面側に延びて形成される。被連結部58には凹所が形成され、凹所には雌ねじが形成される。凹所は、被連結部58を貫通することなく形成される。これによって、光が被連結部58を通過してしまうことを防止する。
【0065】
角変位部62と被連結部58は、液晶パネル11の厚み方向Zに平行に形成され、支点接触部57のうち、液晶パネル11に関する面方向外方の端部に連なり、前面側に延びて形成される。角変位部62の前面側には、前面側に臨み、液晶パネル11の外縁部に対向する対向部22と、対向部22よりも面方向外方において前面側に突出し、液晶パネル11に面方向外方から接触する接触部24とが形成される。変位阻止部材21の対向部22も、液晶パネル11の外縁部を枠部16の平板状部分36とともに挟持する部分である。したがって、対向部22は、液晶パネル11の外縁部に確実に対向する必要があり、また対向部22は、可及的に細く設定すれば細く設定するほど、狭額縁化の実現を容易にすることができる。
【0066】
液晶パネル11の厚み方向Zにおいて、接触部24の寸法は、液晶パネル11の厚み寸法に対してほぼ同一に、かつわずかに小さく設定される。これによって、枠部16の平板状部材が液晶パネル11の外縁部の前面側から接触し、対向部22とともに液晶パネル11を挟持するときに、液晶パネル11が厚み方向Zにがたつくことを防止することができる。
【0067】
光学シート40は、矩形薄板状のシート本体部400と、シート本体部400の主面に平行な方向で外方に突出するシート突起部401とからなる。本実施形態では、光学シート40は、光学シート40aおよび光学シート40bの2枚の光学シートからなる。図3は、光学シート40a,40bおよび拡散板41の平面図である。図3(a)は、光学シート40aの平面図であり、図3(b)は、光学シート40bの平面図であり、図3(c)は、拡散板41の平面図である。
【0068】
光学シート40aは、矩形薄板状のシート本体部400aと、シート本体部400aの主面に平行な方向で外方に突出するシート突起部401aとからなり、光学シート40bは、矩形薄板状のシート本体部400bと、シート本体部400bの主面に平行な方向で外方に突出するシート突起部401bとからなる。
【0069】
拡散板41は、矩形板状の本体部410と、本体部410の主面に平行で外方に突出する拡散板突起部411とからなる。拡散板突起部411は、本体部410を厚み方向Zに見た矩形の4辺を成す全ての周縁部に設けられる。
【0070】
これに対して、光学シート40は、シート本体部400を厚み方向Zに見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2辺を成す縁部にシート突起部401が設けられる。このとき、2枚の光学シート40a,40bのうち、たとえば、光学シート40aには、シート本体部400aの2つの長辺を成す縁部にシート突起部401aが設けられ、光学シート40bには、シート本体部400bの2つの短辺を成す縁部にシート突起部401bが設けられる。
【0071】
拡散板突起部411と、光学シート40のシート突起部401とは、拡散板41と光学シート40とが重ね合わされた状態で厚み方向Zに対向する位置に設けられる。また、拡散板突起部411の形状と、光学シート40のシート突起部401の形状とは、略同一に形成され、光学シート40のシート突起部401の大きさと拡散板突起部411の大きさとは、略同一かまたは、光学シート40のシート突起部401の大きさのほうがわずかに大きく形成される。
【0072】
光源32から照射される光は、拡散板41の本体部410のみならず拡散板突起部411にも入射し、拡散板41の前面側に通過する。光学シート40は、拡散板41よりも厚み方向前面側に配置されるので、シート突起部401が、拡散板突起部411に対向する位置に存在しなかった場合、拡散板突起部411を通過した光は、シート突起部401を通過することなく、液晶パネル11に照射される。したがって、液晶パネル11に照射される光には、拡散板41と光学シート40の両方を通過した光と、拡散板41のみを通過した光とがあり、この2種類の照射光によって輝度むらが発生する。
【0073】
拡散板41の本体部410の4辺を成す周縁部全体に拡散板突起部411を設けた場合、光学シート40も同様に、シート本体部400の4辺を成す周縁部全体にシート突起部401を設けることが好ましい。しかしながら、光学シート40の周縁部全体にシート突起部401を設けてしまうと、組み立て工程において、光学シート40を設置することは困難となる。
【0074】
光学シート40および拡散板41の固定構造体13への設置は、シート突起部401および拡散板突起部411を、固定構造体13に設けられた嵌合孔に嵌合させることで行う。
【0075】
図4は、変位阻止部材21の構成を示す外観図である。図4(a)は、変位阻止部材21を内周側からみた図であり、図4(b)は、切断面線A−Aからみた断面図である。詳細には、嵌合固定部材48および変位阻止部材21のそれぞれの内周面に開口する嵌合孔60に、シート突起部401および拡散板突起部411を嵌合させる。固定構造体13全体の内周全周にわたって嵌合孔60が形成される。拡散板41は、周縁部全体に設けられた拡散板突起部411が嵌合孔60に嵌合され、抜け止めされることで固定構造体13に保持される。光学シート40aは、2つの長辺を成す縁部に設けられたシート突起部401aが嵌合孔60に嵌合され、光学シート40bは、2つの短辺を成す縁部に設けられたシート突起部401bが嵌合孔に嵌合され、抜け止めされることで固定構造体13に保持される。
【0076】
図5は、拡散板41の設置手順を示す図である。図5(a)に示すように、嵌合固定部材48を外方に開くように変形させて、拡散板41の3辺を成す縁部に設けられた拡散板突起部411を嵌合固定部材48に設けられた嵌合孔60に嵌合させる。次に図5(b)に示すように、拡散板41の残りの1辺を成す縁部に設けられた拡散板突起部411を、変位阻止部材21に設けられた嵌合孔60に嵌合させる。最後に図5(c)に示すように、変位阻止部材21を連結部材17でシャーシ12にビス留めして拡散板41の設置を終了する。この時点では、光学シート40および液晶パネル11は設置されていない。
【0077】
次に光学シート40を設定するときの手順について説明する。図6は、光学シート40の設置手順を示す図である。
【0078】
図5に示した手順で拡散板41を設置した状態で、光学シート40bを設置する。
光学シート40bは、2つの短辺を成す縁部にのみシート突起部401bが設けられているので、シート突起部401bを嵌合孔60に嵌合する作業においては、図6(a)に示すように、シート本体部400bの長辺中央部で湾曲させた状態で、設置された拡散板41の表面にシート突起部401bを接触させる。次に、シート本体部400bの湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、シート突起部401bを本体部410の表面に沿って移動させることで、図6(b)に示すように、容易にシート突起部401bを嵌合孔60に嵌合させることができる。
【0079】
このような手順で光学シート40bを設置する。光学シート40bが設置された状態で光学シート40aの設置を行う。光学シート40aは、2つの長辺を成す縁部にのみシート突起部401aが設けられているので、シート突起部401aを嵌合孔60に嵌合する作業においては、図6(c)に示すように、シート本体部400aの短辺中央部で湾曲させた状態で、設置された光学シート40bの表面にシート突起部401aを接触させる。次に、シート本体部400aの湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、シート突起部401aをシート本体部400bの表面に沿って移動させることで、図6(d)に示すように、容易にシート突起部401aを嵌合孔60に嵌合させることができる。
【0080】
さらに、図6(a)に示すように、シート本体部400bを湾曲状態とするために、シート本体部400bの下面側にシャフト80bを設置し、シャフト80bに光学シート40bを載せた状態とする。その後シャフト80bを下降させて、拡散板41に近づけるとともに、シャフト80bを延在方向に引き抜くことによってシート突起部401bを嵌合孔60に嵌合させることができる。
【0081】
これと同様に、図6(c)に示すように、シート本体部400aを湾曲状態とするために、シート本体部400aの下面側にシャフト80aを設置し、シャフト80aに光学シート40bを載せた状態とする。その後シャフト80aを下降させて、光学シート40bに近づけるとともに、シャフト80aを延在方向に引き抜くことによってシート突起部401aを嵌合孔60に嵌合させることができる。
【0082】
なお、設置手順において、シャフト80a,80bの使用は必須ではなく、光学シート40に対して互いに反する2方向から外力を付与し、シート本体部400を上に凸の湾曲状態とすることができれば、他の部材を使用したり、作業者の手作業で行ってもよい。
【0083】
図7は、光学シート40aの他の実施形態を示す平面図である。
上記の実施形態では、光学シート40aは、シート突起部401aの設ける位置を2つの長辺において対称となる位置に設けている。ここで、光学シート40は、表面と裏面とで異なる表面状態であり、設置する場合には、設置する面の向きが予め決まっている。したがって、シート突起部401の位置が対称である場合は、表裏を間違えて設置しようとしたときに、シート突起部401が、嵌合孔60に嵌合できてしまうので、設置時に作業者が目視したり、表裏がわかるようなマーキングを施す必要がある。しかしながら、表裏を間違えて設置する作業ミスを防止することはできない。
【0084】
そこで、本実施形態では、図7に示すように、シート突起部402aを2つの長辺に設ける位置を非対称とする。非対称にシート突起部402aを設けた場合、表裏を逆にして設置しようとしても、シート突起部402aと嵌合孔60との位置が一致しないので、設置することはできない。したがって、表裏を間違えて設置する作業ミスを防止することができる。
【0085】
また、本発明の光学シート40は、2枚に限らず3枚以上用いてもよい。このとき、上記の実施形態のように、少なくとも1枚の光学シートには、2つの長辺、または2つの短辺にシート突起部を設ける構成であればよく、たとえば、2枚の光学シートにおいて、2つの平行な辺にシート突起部を設けることは上記実施形態と同じであるが、設置する位置を一致させる必要はない。図8は、3枚以上の光学シートを用いる他の実施形態における2枚の光学シート40aを示す平面図である。
【0086】
2枚の光学シート40aには、いずれも2つの長辺を成す縁部にシート突起部403a、404aが設けられている。ここで、一方の光学シート40aには、2つの長辺を成す縁部の長手方向一方側の領域にのみシート突起部403aを設けており、他方の光学シート40aには、2つの長辺を成す縁部の長手方向他方側の領域にのみシート突起部404aを設けている。2枚の光学シート40aを重ね合わせた状態では、拡散板突起部411の全てと、2枚の光学シート40aのシート突起部403a,404aとが対向するように構成される。本実施形態では、2枚の光学シート40aは、シート突起部403a,404aの位置が回転対称となっている。したがって、これら2枚の光学シート40aは面方向の向きが180°異なっているだけで、実質的には同じ光学シート40aである。すなわち、1種類の光学シートを2枚準備し、一方を回転させることで2種の光学シートのように扱うことができる。
【0087】
光学シートのシート突起部および拡散板の突起部の厚み方向から見た平面形状は、たとえば矩形状でもよいが、テーパを設けた矩形状であることが好ましい。図9は、テーパ405aを設けたシート突起部401aの例を示す図である。シート突起部401aの突出方向両側にテーパ405aを設ける。嵌合孔60とシート突起部401aとの間には、突出方向幅において、ほとんど間隙がないような寸法となっていることから、シート突起部401aを嵌合孔60に嵌合させる際に、シート突起部401aが嵌合孔60の周辺に接触してシート突起部401aが割れたり、欠けたりするおそれがある。上記のようにテーパ405aを設けることで、シート突起部401aの嵌合孔60との嵌合時に接触を避けられるとともに、嵌合後には、シート突起部401aと嵌合孔60との間の間隙も十分に小さくすることができる。
【符号の説明】
【0088】
10 画像表示装置
11 液晶パネル
11a 基板
12 シャーシ
13 固定構造体
21 変位阻止部材
32 光源
38 蛍光管
39 底部
40,40a,40b 光学シート
41 拡散板
60 嵌合孔
400,400a,400b シート本体部
401,401a,401b シート突起部
410 本体部
411 拡散板突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶素子を有し、前記液晶素子によって画像を一方面側に表示するための液晶パネルと、
前記液晶パネルよりも他方面側に配置される基台と、
前記基台に設けられ、前記液晶パネルに他方面側から光を照射する光源と、
前記光源と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記光源から出射した光を拡散させる拡散板であって、矩形板状の本体部と、前記本体部を厚み方向に見た矩形の4辺において、本体部の主面に平行で外方に突出する拡散板突起部とを有する拡散板と、
前記拡散板と前記液晶パネルとの間に設けられ、前記拡散板を透過した光の光学特性を変更する複数の光学シートであって、矩形薄板状の第1シート本体部と、前記第1シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの長辺のみにおいて、前記第1シート本体部の主面に平行で外方に突出する第1シート突起部とを有する第1光学シートと、矩形薄板状の第2シート本体部と、前記第2シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの短辺のみにおいて、前記第2シート本体部の主面に平行で外方に突出する第2シート突起部とを有する第2光学シートと、を含む光学シートと、
前記液晶パネル、前記拡散板および前記光学シートを、それぞれの面方向外方から接触して保持する、枠体状の固定構造体であって、内周面に開口した、前記拡散板突起部および前記シート突起部が嵌合される嵌合孔が設けられる固定構造体とを含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記拡散板突起部および前記シート突起部は、突出方向の両端部がテーパ状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記第1光学シートは、前記第2光学シートよりも、前記液晶パネル側に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1光学シートおよび前記第2光学シートの前記第1シート突起部および前記第2シート突起部の少なくともいずれかは、互いに平行な2辺において、非対称な位置に設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記固定構造体は、複数の固定部材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記光学シートは、さらに矩形薄板状の第3シート本体部と、前記第3シート本体部を厚み方向に見た矩形の4辺のうち、互いに平行な2つの長辺のみにおいて、前記第3シート本体部の主面に平行で外方に突出する第3シート突起部とを有する第3光学シートをさらに含み、
前記第1光学シートの前記第1シート突起部は、2つの辺の長手方向一方側の領域にのみ設けられ、前記第3光学シートの前記第3シート突起部は、2つの辺の長手方向他方側の領域にのみ設けられ、前記第1光学シートと前記第3光学シートとは回転対称となるように構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像表示装置を組み立てる組み立て方法であって、
前記拡散板を前記固定構造体に設置する第1工程と、
前記第2シート本体部を長辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記拡散板の表面に前記第2シート突起部を接触させ、前記第2シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第2シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる第2工程と、
前記第1シート本体部を短辺中央部で湾曲させた状態で、設置された前記第2光学シートの表面に前記第1シート突起部を接触させ、前記第1シート本体部の湾曲状態を、平坦状態に復帰させるとともに、前記第1シート突起部を前記固定構造体の嵌合孔に嵌合させる第3工程と、
前記液晶パネルを前記固定構造体に設置する第4工程とを含むことを特徴とする画像表示装置の組み立て方法。
【請求項8】
前記第2工程および第3工程では、前記第1シート本体部および前記第2シート本体部の下面側にシャフトを設置して前記シャフトに前記第1光学シートおよび前記第2光学シートを湾曲状態とし、その後前記シャフトを下降させるとともに、前記シャフトを延在方向に引き抜くことによって前記第1シート突起部および前記第2シート突起部を前記嵌合孔に嵌合させることを特徴とする請求項7記載の画像表示装置の組み立て方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−33415(P2012−33415A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173073(P2010−173073)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】