説明

画像記録装置

【目的】 アパチャー電極に障害が発生した場合、簡単にアパチャー電極のみの交換が可能な画像記録装置を提供すること。
【構成】 アパチャー電極100はトナー帯電供給ユニット40に搭載され、その基板保持部50に設置された端子51とアパチャー電極の電極端子132は接続されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンターや複写機に使用する画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特願平2−181083号に示されるようなトナーなどの粉体を帯電させた後、開口部を有するアパチャー電極を用いて記録する画像記録装置に於いては、帯電したトナーを担持する担持体をはじめとするトナー供給手段とアパチャー電極とを一体化していた。これは、アパチャー電極の寿命を考慮して、トナー供給手段の交換時期に合わせてアパチャー電極の交換を行わせるためであり、且つ使用者の交換時の利便を図ってたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来の画像記録装置においては、アパチャー電極に異常放電による損傷や回復不能な穴詰まり等が起こったような場合、アパチャー電極を交換する必要が生じるが、その際にトナー供給手段も同時に交換しなければならず、トナー供給手段本来の交換時期まで使用できない場合があった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、アパチャー電極に障害が発生した場合、簡単にアパチャー電極のみの交換が可能な画像記録装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の画像記録装置は、開口部を有し、その開口部を通過するトナーの流れを変調制御するアパチャー電極と、そのアパチャー電極の開口部に帯電したトナーを供給するトナー供給手段と、前記アパチャー電極に対向して、前記トナー供給手段の反対側に配置される対向電極とを備えるものであり、更に前記アパチャー電極は、装置本体より取り外す際に、前記トナー供給手段と一体的に取り外すことが可能であり、且つそれ自体のみで取り外すことも可能な構成となっている。
【0006】
【作用】上記の構成を有する本発明の画像記録装置において、前記アパチャー電極は、装置本体より取り外す際に、前記トナー供給手段と一体的に取り外すことが可能であり、且つそれ自体のみで取り外すことも可能である。
【0007】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
【0008】図1は、本発明の画像記録装置の記録ユニット10の斜視図であり、図2はその断面図である。
【0009】記録ユニット10は、対向電極ユニット部20と、トナーユニット30と、トナー帯電供給ユニット40とにより構成されている。対向電極ユニット20は、内部に円筒状の対向電極21と、その対向電極21につながれて駆動し得る対向電極駆動軸22が配置されている。対向電極ユニット部20の下部には、トナー帯電供給ユニット40が配置されている。トナー帯電供給ユニット40内部には、ブラシ46を有するブラシローラ44と、ブラシローラ44に近接して配置された規制ブレード48、掻きブレード49、及び供給ローラ47が設けられている。上部には後述するアパチャー電極100が設置されている。また、後方にはトナーの流出を防止する遮閉部材43が設けられている。
【0010】次にアパチャー電極100について説明する。図4は、アパチャー電極100の斜視図である。アパチャー電極100は、大きく分けて、励振体110と、ポリイミド基板130とで構成されている。励振体110は、アルミやステンレスなどの金属板で構成されており、その両端には振動子120が接着されている。この振動子120は、PZT等の圧電体に電極を付加したものであり、電圧を印加すれば振動するように構成されている。ポリイミド基板130は、高性能樹脂材料であるポリイミドフィルムに銅パターンを形成したものであり、厚みは約50μmである。すなわち、ポリイミド基板130の両面には、スキャン電極131が設けられており、端部には電極端子132が設けられている。そして、それらは図示しない導線により接続されており、電極端子132より電圧が印加されるように構成されている。
【0011】次に図3及び図5を利用して、アパチャー電極100搭載部について説明する。図3は、記録ユニットから対向電極ユニットを脱着した斜視図であり、また図5は、記録ユニットから対向電極ユニット及びアパチャー電極を脱着した斜視図である。図3において、記録ユニットから対向電極部20を外すと、すなわち勘合部53を引き抜くことにより、アパチャー電極100が露見される。この場合、前述したアパチャー電極100のスキャン電極131側が、上方に載置されている。更にアパチャー電極100を外すと、図5に示すようにトナー帯電供給ユニット40には、基板保持部50、励振体保持部52、端子51が設けられている。すなわちアパチャー電極100は、基板保持部50により基板部分を固定され、また励振体保持部52により励振体100を保持することができる。そして、基板保持部50に設けられた端子51と、前記アパチャー電極の電極端子132とは接続可能になっている。
【0012】また、トナー帯電供給ユニット40に密接して、トナーを収納するトナーユニット30が設けられている。トナーユニット30内には、トナー31が内蔵されていて、開放手段32によりトナーが帯電供給装置側に流入することができる様になっている。トナー帯電供給ユニット40とトナーユニット30は、爪33と回転孔41により固定され、使用者が回転着脱することが可能となっている。
【0013】さらに、このように構成される記録ユニット10が画像記録装置に設置される様子について説明する。図6は、画像記録装置の本体カバーを解放したときの状態を示す斜視図である。画像記録装置200の本体カバー201を開放すると、記録ユニット10が中央に配置されている。記録ユニット10は、シャーシ202に図示しない位置決めピンにより機械的に保持固定されている。また、記録ユニット10への電気的接続は、コネクタ203により行われている。
【0014】次に、上述のごとく構成される画像記録装置の動作について説明をする。
【0015】使用者が装置を使用している際に、異常放電やトナー付着等によりアパチャー電極が破壊されることがある。これは、導線部隣接間で短絡したり、電極の開口部が塞がれたりすることによるものである。この時使用者は、記録ユニット10を取り出し、対向電極部20を取り外す。そしてトナー帯電供給ユニット40上面に露出しているアパチャー電極100を外すことを行う。すなわち、図示しないアパチャー電極固定装置を解除し、アパチャー電極100を取り上げることにより、アパチャー電極の電極端子132と帯電供給ユニット40の接合が解放されて、且つアパチャー電極100は基板保持部50と励振体保持部52とから離れ簡単に取り外すことができる。
【0016】次に、使用者が未使用のアパチャー電極をトナー帯電供給ユニット40に搭載しようとする。この時はアパチャー電極100をトナー帯電供給ユニット40に載置し、図示しない電極固定装置にて保持する。これによりアパチャー電極の電極端子132と、端子51は確実に電気的接合を行なえるため、使用者は交換に際して障害になることは全く無い。従来、アパチャー電極はトナー帯電供給ユニットに一体化されていたため、障害時には電極のみ交換することは不可能であると共に、ユニット全体を故障として廃棄処分することは地球資源の保護の意味でも全く良くないことであった。しかし、本発明によりそのような問題点はすべて払拭され、機能的にも経済的にも優れた画像記録装置が提供できる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したことから明かなように、本発明の画像記録装置よれば、通常の交換時には装置本体よりトナー供給手段とアパチャー電極とを一体的に取り外すことが可能であり、アパチャー電極に障害が発生した場合には、それのみを取り外し、交換することが可能であることにより、使用者による交換時の手間が少なく、且つ非常に経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の記録ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録ユニットの断面図である。
【図3】記録ユニットから対向電極ユニットを脱着した斜視図である。
【図4】アパチャー電極の斜視図である。
【図5】記録ユニットから対向電極ユニット及びアパチャー電極を脱着した斜視図である。
【図6】本発明の画像記録装置の要部の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 記録ユニット
20 対向電極ユニット
30 トナーユニット
40 トナー帯電供給ユニット
100 アパチャー電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】 開口部を有し、その開口部を通過するトナーの流れを変調制御するアパチャー電極と、そのアパチャー電極の開口部に帯電したトナーを供給するトナー供給手段と、前記アパチャー電極に対向して、前記トナー供給手段の反対側に配置される対向電極とを備える画像記録装置において、前記アパチャー電極は、装置本体より取り外す際に、前記トナー供給手段と一体的に取り外すことが可能であり、且つそれ自体のみで取り外すことも可能な構成としたことを特徴とする画像記録装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate