説明

畜舎用回転式シャッター及びこれを備えた畜舎

【課題】畜舎内の粉塵を飛散させずに家畜の排泄物を運搬できる畜舎用回転式シャッター及びこれを備える畜舎を提供する。
【解決手段】畜舎用回転式シャッター1は、内部に略円筒状の空洞部を有し、この円筒の円弧面からなる側面の一部に開口された複数の開口部14が、各空間域と各々連通される固定枠体10と、固定枠体10の中心軸と同軸であって回転自在な回転軸12と、回転軸12から略放射状に複数突出し、複数の開口部14同士を隔離可能である回転翼13と、を備える。回転軸12の回転に伴って、回転翼13は固定枠体10の内壁面を摺動しながら回転でき、回転翼13がどの回転位置にあっても、回転翼13によって複数の開口部14同士は常に貫通せず隔離されており、気圧が異なる複数の空間域同士が連通せずに隔離状態を維持したまま、所望の物質を往来させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜舎用回転式シャッターに関するもので、特に畜舎に設置される畜舎用回転式シャッターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家畜の糞や敷料などの固形物は、肥料価値が高いため、とくに処理しないでそのまま農地に施用することもあるが、取り扱い性や安全性の点から乾燥処理や堆肥化が広く行われている。従来、家畜の糞尿、特に鶏糞の処理は、屋外に設けた処理槽に投入して発酵させる方法、この発酵させた鶏糞を天日または火力乾燥させる方法、または発酵させることなく直接天日或いは火力乾燥させる方法が採用されていた。
【0003】
ところが、糞処理に伴う非常な悪臭が作業環境の悪化を招き、また周囲の住環境に悪影響を及ぼす虞があった。さらに、発酵のみで乾燥をおこなわない鶏糞は水分を含んでいるので扱い勝手が悪い。また、天日乾燥の場合は広い乾燥場を要するのみならず、臭気粉塵等が飛散して公害汚染となる。加えて、火力乾燥の場合は、多大の設備費を要するという問題があった。
【0004】
上記の問題を受け、大がかりな設備を要せずして糞尿処理を効率よく行う方法が開発されている(特許文献1)。図4に示す畜舎100は、その左右両側が隔壁によって区画され、中央部が鶏糞処理室101、左右両側の各部屋が鶏舎102となっている。鶏舎102内では鶏が飼育され、ここで生じた鶏糞107は、鶏糞処理室101へと運搬され堆積される。
【0005】
また、鶏舎102の外壁には吸気孔104が穿設されている。さらに、鶏糞処理室101との隔壁には排出孔105穿設され、この排出孔105に対応させた排出用のファン106が取り付けられている。排出用のファン106を回転させると、鶏舎102内は陰圧となり、外気が吸気孔104より進入する。進入した外気は畜舎102内で暖められ、さらに排気用のファン106に吸引されて、排出孔105を介して鶏糞処理室101へと排気される。この暖かい空気によって、鶏糞処理室101内に体積された鶏糞を発酵乾燥させることができる。
【0006】
しかしながら、鶏糞を鶏糞処理室101へと運搬する際、陰圧状態の鶏舎102を開放すると、開口部から外気が吹き込み、鶏舎102内の飼料粉末や鶏糞、羽毛等の粉塵が舞い上がる問題があった。これにより、作業者の作業がし難い上、粉塵が鶏舎102外へ飛散し公害汚染を引き起こす虞があった。
【特許文献1】特開平6−153734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものである。本発明の重要な目的は、畜舎内の粉塵を飛散させずに家畜の排泄物を回収できる畜舎用回転式シャッター及びこれを備える畜舎を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の畜舎用回転式シャッターは、畜舎20内の、気圧が異なる複数の空間域の界面近傍に設置される畜舎用回転式シャッター1であって、内部に略円筒状の空洞部を有し、かつ円筒の円弧面からなる側面の一部であって、円筒の中心と直交する方向に開放した複数の開口部14が、各空間域と各々連通される固定枠体10と、固定枠体10の中心軸と同軸であって回転自在な回転軸12と、回転軸12から略放射状に複数突出し、複数の開口部14同士を隔離可能である回転翼13と、を備える。回転軸12の回転に伴って、回転翼13は固定枠体10の内壁面を摺動しながら回転でき、回転翼13がどの回転位置にあっても、回転翼13によって複数の開口部14同士は常に貫通せず隔離されており、気圧が異なる複数の空間域同士が連通せずに隔離状態を維持したまま、所望の物質を往来させることが可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の畜舎用回転式シャッターは、複数の回転翼13の放射角度はほぼ均等であり、放射角度は、円筒の連続した側面と円筒の中心がなす中心角と同等以下であることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、本発明の第3の畜舎用回転式シャッターを備えた畜舎は、気圧が異なる複数の空間域を区切る隔壁21を有する畜舎20であって、隔壁21には、内部に略円筒状の空洞部を有し、かつ円筒の円弧面からなる側面の一部であって、円筒の中心と直交する方向に開放した複数の開口部14が、各空間域と各々連通される固定枠体10と、固定枠体10の中心軸と同軸であって回転自在な回転軸12と、回転軸12から略放射状に複数突出し、複数の開口部14同士を隔離可能である回転翼13と、を備える畜舎用回転式シャッター1が設置されている。回転軸12の回転に伴って、回転翼13は固定枠体10の内壁面を摺動しながら回転でき、回転翼13がどの回転位置にあっても、回転翼13によって複数の開口部14同士は常に連通せず隔離されており、気圧が異なる複数の空間域同士が連通せずに隔離状態を維持したまま、所望の物質を往来させることが可能であることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の畜舎用回転式シャッターを備えた畜舎は、家畜を飼育する飼育室22と、飼育室22の床によって区画され、家畜の排泄物が回収されるピット部23と、を有しており、畜舎用回転式シャッター1は、床に設置されている。飼育室22は、外気が吸気される吸気孔7と、飼育室22外へ排気する圧力型換気扇6とを備えており、飼育室22は、圧力型換気扇6の稼働により陰圧となり、ピット部23と気圧差を生じる構造を有している。また、飼育室22とピット部23とが連通せずに隔離状態を維持したまま、飼育室22の家畜の排泄物をピット部23に移動させることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1及び第2発明によれば、開口部同士の隔離状態を常に維持したまま、ある開口部から固定枠体の区画内に回収された所望の物質を、隣接する開口部側へと運搬することができる。したがって、気圧の異なる界面が連通されて、所望の物質が飛散等することを回避できる。
【0013】
第3及び第4発明によれば、気圧が異なる複数の空間域同士を連通させることなく隔離し、気圧差を維持しながら、所望の物質を往来させることができる。特に、畜舎内の、気圧の異なる飼育室とピット部間において、気流を発生させずに、飼育室で収集された家畜の排泄物をピット部に運搬することができる。したがって気流による風が、排泄物等の粉塵を吹き上げることもなく、畜舎外への環境汚染を食い止めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための、畜舎用回転式シャッター及びこれを備えた畜舎を例示するものであって、本発明は、畜舎用回転式シャッター及びこれを備えた畜舎を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【実施例】
【0015】
(畜舎用回転式シャッター)
実施例1に係る畜舎用回転式シャッターは、気圧が異なる複数の空間域の界面近傍に設置される。この畜舎用回転式シャッター1の平面図を図1に示す。畜舎用回転式シャッター1は、円弧面状の曲面を有する枠11をほぼ対向するように組み立てられた略筒状の固定枠体10を有しており、枠11の間には、所定の間隔をおいて開口部14が配置される。また、固定枠体10は、枠11の長手方向(図1における手前或いは奥方向)における両端において、外方に閉じた側板9を有する。つまり固定枠体10は、その内部に円筒状の空洞部を有しており、かつ円筒の円弧面からなる側面の一部には、円筒の中心と直交する方向に開放した複数の開口部14を備える。さらに、この開口部14は気圧が異なる各空間域と各々連通される。
【0016】
枠11の曲面は、一枚の板を湾曲させて円弧面状とすることができる。実施例1の枠11では、複数の板15を、所定の角度で各々連結させることにより、相対的にほぼ円弧面状の曲面を形成した。この方法であれば板15の枚数と連結角度を調整することで、種々の面積や屈曲度を有する曲面に対応できる。さらに、枠11の曲面上であって、この曲面にほぼ沿うように、弾性を有するポリプロピレン製等の弾性シート16を被覆する。実施例1では、弾性シート16を固定枠体10内の空洞部側へ、弾性シート16と板15とを離間させた状態で張設している。例えば弾性シート16の両端部を、枠11の開口部14側で、螺子等の留め具により固定する。この際、弾性シート16を円弧状に湾曲させると共に、円弧状の内径が後述する回転翼13で形成される回転体の外径よりも若干小さくする。これにより、回転翼13が回転する際、回転翼13の先端が弾性シート16を押圧して弾性変形させ、密着状態で回転翼13を回転可能として、回転翼13と弾性シート16との間で隙間を無くし空気漏れを防止する。さらに、回転翼13の先端にエッジを形成し、弾性シート16に付着した異物、例えば乾燥した鶏糞を刮ぎ落とす効果も得られる。
【0017】
また、畜舎用回転式シャッター1は、固定枠体10の中心軸と一致する回転軸12を有している。この回転軸12は、その一端がチェーン等の連結手段2で連結されたモータ8により回転駆動され、固定枠体10に対して一方の回転方向に回転可能である。実施例1では時計回り(図1に示す矢印方向)に回転するようになされているが、逆回転でも同様の効果を奏することができる。
【0018】
さらに、回転自在な回転軸12からは複数枚の回転翼13が、固定枠体10の開口部14或いは枠11側へと放射状に突出して連結されており、これにより固定枠体10内を複数の区画に仕切ることができる。回転翼13は、回転軸12から固定枠体10の内壁、つまり枠11の円弧面及び側板9までの隙間をほぼ塞ぐことができる形状をなし、回転軸12の回転に連動して固定枠体10の内壁に沿いながら回転する。したがって、隣接する回転翼13と固定枠体10の内壁面とで仕切られた区画は、ほぼ閉塞状態とできるが、区画は回転翼13の回転に連動して回転し、区画が少なくとも開口部14の一部と連通されると外方へ開放状態となる。さらに、回転の際、隣接する回転翼13の放射角度は維持され、両方の開口部14の間には常に回転翼13が位置する。つまり、回転翼13がどの回転位置にあっても開口部14同士は回転翼13によって隔離されており、各開口部14が連通する気圧の異なる空気が、互いに流出入するのを防ぐことができる。
【0019】
また、回転翼13の枚数及び放射角度は、前述した開口部14及び枠11の大きさに関連しているため、両者を考慮して決定される。例えば、回転軸12を中心として、隣接する回転翼13の放射角度は、最小の枠11を構成する円弧の中心角と比べて、同等以下とする。これにより、常に開口部14間同士を隔離できる。また、開口部14及び枠11の大きさを同一とすれば、固定枠体10内の各区画の容量が均等となり、ここに進入する所望の運搬物質をほぼ均等に回転できるため、回転軸12の偏心を低減できる。
【0020】
実施例1の固定枠体10は、具体的に、同じサイズの2つの開口部14が対向して設けられており、枠11と開口部14を構成する円弧の長さが同一である。つまり固定枠体10の中心と各円弧で形成される中心角は等しい。また、回転翼13は、回転自在な回転軸12から等角度間隔で放射状に4枚連結されており、固定枠体10内をほぼ4等分に区画している。
【0021】
(畜舎)
畜舎用回転式シャッター1は以下のようにして使用される。図2は、畜舎用回転式シャッター1を備えた畜舎20の平面図である。この畜舎20は、高床式の2階建て構造であり、鶏等の家畜が飼養される2階の飼育室22と、家畜の排泄物、特に糞が回収される1階のピット部23とを有する。上下階層は、隔壁21、つまり飼育室22の床によって区切られている。このような高床式構造とすることで換気性能が高まる他、高温多湿の夏期対策となり家畜の飼育環境が向上する。また、1階のピット部23に回収された糞は、自然通風で乾燥発酵され有機質肥料とできる。
【0022】
ところで、畜舎20は窓のない家屋とすることもできる。これにより、畜舎20内の排泄物や羽等の粉塵が舎外へ飛散することがないため公害対策となるうえ、家畜の臭気対策にもなる。さらに光線管理や環境制御が容易となる。このようなウインドレスタイプの畜舎では換気システムの構築が重要となり、空気の流れを定めた強制排気を施す。例えば、畜舎内の空気の流れを一方向に定め、排気方向を限定することが可能な換気法として、陽圧換気と陰圧換気がある。陽圧換気は、圧力型送風機を用い、空気を畜舎内に吹き込んで畜舎内を陽圧にして、舎外との圧力差によって舎内の空気を排気口から排出する換気法である。陰圧換気は、逆に舎内の空気を圧力型換気扇によって舎外に排出し、舎内を陰圧にして吸気口から新鮮な空気を吸引する換気法である。両者とも、換気効果を上げるためには、畜舎が密閉構造であることが重要である。また、換気扇(排気孔)の位置と吸気孔の位置関係が舎内の空気の流れを決める。
【0023】
実施例1の飼育室22では、陰圧換気法を採用しており、飼育室22の壁面には畜舎20外と連通した吸気孔7が設置され、この吸気孔7と隔離された所定の位置に圧力型換気扇6が備えられる。つまり圧力型換気扇6を稼働させると飼育室22は陰圧となり、ピット部23との気圧差が生じる。
【0024】
畜舎用回転式シャッターは、気圧差を有する複数の空間域の界面近傍であって、各空間域に畜舎用回転式シャッターの各開口部が連通するよう設置される。実施例1に係る畜舎用回転式シャッター1の2つの開口部14は、図2で示すように上下に対向して位置している。この開口部を便宜上、上部開口部14a、下部開口部14bと命名する。畜舎用回転式シャッター1は、上部開口部14aが畜舎20の飼育室22と連通し、下部開口部14bがピット部23と連通するよう配置される。
【0025】
また、飼育室22には、複数段に積み重ねられた多数の鶏を収納可能な複数列のケージ5が併設されている。ケージ5の各列毎の下方には、例えば通風型のダクトが備わり、家畜の排泄物を受ける。ダクト内で乾燥された排泄物、特に糞は、臭気が低減し取り扱いが容易となる。乾燥された糞は、ベルトコンベアー等の運搬装置4でもって所定の位置に回収され、さらに飼育室22側に開口した畜舎用回転式シャッター1の上部開口部14aを介して、畜舎用回転式シャッター1内に運搬される。
【0026】
図3は畜舎用回転式シャッター1内に運搬された糞3の移動経路を説明する畜舎20の要部拡大平面図である。図3(a)で示すように畜舎用回転式シャッター1の上部開口部14aから回転翼13のある第1区画Bに進入した糞3は、矢印で示す時計回りに回転する回転翼13に誘導されて、図3(b)で示す位置に移動する。さらに回転翼13が回転することにより図3(c)に示すように、第1区画Bは、下部開口部14bを通じてピット部23と連通し、糞3がピット部23へと排出される。
【0027】
上記の構造を備える畜舎用回転式シャッター1であれば、上部開口部14aと下部開口部14bとが回転翼13によって常に隔離されているため、それぞれ気圧の異なる空気が互いに流出入することなく、糞を別室に運搬させることができる。すなわち、気圧差によって生じる風により、乾燥した家畜の糞や、羽等の粉塵が飼育室22内で舞い上がることないため、作業がし易いうえ粉塵が舎外へ排出されることもない。
【0028】
畜舎用回転式シャッター1の材質は特に限定しないが、特に糞が付着する個所においてはプラスチック等の耐食性のあるものが好ましい。また、図示しないが、固定枠体10の内壁面と当接する回転翼13の周縁近傍に、弾性を有するへら、例えばゴムやポリエチレン製等のへらを連結することもできる。このへらにより、回転翼13と固定枠体10との密着度が増し、開口部14同士の連通を確実に隔離できる。また、乾燥が不十分な、或いは水気を吸収した糞が固定枠体10に付着した際、回転翼13の回転に伴って回動するへらが、これを刮ぎ落とせるよう、へらの先端にエッジを設けることが好ましい。
【0029】
また、回転翼13は畜舎用回転式シャッター1より脱着可能とするのが好ましい。これにより汚れた場合は洗浄でき、メンテナンスが容易となる。また、畜舎用回転式シャッター1の稼働時間は特に限定されない。例えばセンサーを介して、糞が所定の量だけ蓄積された時のみ運搬装置4(図2参照)を稼働させ、これと連動して畜舎用回転式シャッター1を稼働させることも可能である。また、家畜として鶏を一例に挙げたが、その種類は特に限定せず、同様に発酵乾燥させる排泄物は鶏糞に限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の畜舎用回転式シャッター及びこれを備えた畜舎は、鶏糞状の鶏糞処理に好適に
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例1に係る畜舎用回転式シャッターの平面図である。
【図2】実施例1に係る畜舎の平面図である。
【図3】実施例1に係る畜舎の要部拡大平面図である。
【図4】従来例に係る畜舎の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…畜舎用回転式シャッター
2…連結手段
3…糞
4…運搬装置
5…ケージ
6…圧力型換気扇
7…吸気孔
8…モータ
9…側板
10…固定枠体
11…枠
12…回転軸
13…回転翼
14…開口部
14a…上部開口部
14b…下部開口部
15…板
16…弾性シート
20…畜舎
21…隔壁
22…飼育室
23…ピット部
100…畜舎
101…鶏糞処理室
102…鶏舎
103…ケージ
104…吸気孔
105…排出孔
106…ファン
107…鶏糞
B…第1区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畜舎(20)内の、気圧が異なる複数の空間域の界面近傍に設置される畜舎用回転式シャッター(1)であって、
内部に略円筒状の空洞部を有し、かつ該円筒の円弧面からなる側面の一部であって、該円筒の中心と直交する方向に開放した複数の開口部(14)が、前記各空間域と各々連通される固定枠体(10)と、
前記固定枠体(10)の中心軸と同軸であって回転自在な回転軸(12)と、
前記回転軸(12)から略放射状に複数突出し、前記複数の開口部(14)同士を隔離可能である回転翼(13)と、を備え、
前記回転軸(12)の回転に伴って、前記回転翼(13)は前記固定枠体(10)の内壁面を摺動しながら回転でき、
前記回転翼(13)がどの回転位置にあっても、前記回転翼(13)によって前記複数の開口部(14)同士は常に貫通せず隔離されており、
前記気圧が異なる複数の空間域同士が連通せずに隔離状態を維持したまま、所望の物質を往来させることが可能であることを特徴とする畜舎用回転式シャッター。
【請求項2】
請求項1に記載の畜舎用回転式シャッター(1)であって、
前記複数の回転翼(13)の放射角度はほぼ均等であり、
前記放射角度は、前記円筒の連続した側面と前記円筒の中心がなす中心角と同等以下であることを特徴とする畜舎用回転式シャッター。
【請求項3】
気圧が異なる複数の空間域を区切る隔壁(21)を有する畜舎(20)であって、
前記隔壁(21)には、
内部に略円筒状の空洞部を有し、かつ該円筒の円弧面からなる側面の一部であって、該円筒の中心と直交する方向に開放した複数の開口部(14)が、前記各空間域と各々連通される固定枠体(10)と、
前記固定枠体(10)の中心軸と同軸であって回転自在な回転軸(12)と、
前記回転軸(12)から略放射状に複数突出し、前記複数の開口部(14)同士を隔離可能である回転翼(13)と、を備える畜舎用回転式シャッター(1)が設置されており、
前記回転軸(12)の回転に伴って、前記回転翼(13)は前記固定枠体(10)の内壁面を摺動しながら回転でき、
前記回転翼(13)がどの回転位置にあっても、前記回転翼(13)によって前記複数の開口部(14)同士は常に連通せず隔離されており、
前記気圧が異なる複数の空間域同士が連通せずに隔離状態を維持したまま、所望の物質を往来させることが可能であることを特徴とする畜舎用回転式シャッター(1)を備えた畜舎。
【請求項4】
請求項3に記載の畜舎(20)であって、
前記畜舎(20)は、
家畜を飼育する飼育室(22)と、
前記飼育室(22)の床によって区画され、家畜の排泄物が回収されるピット部(23)と、を有しており、
前記畜舎用回転式シャッター(1)は、前記床に設置されており、
前記飼育室(22)は、外気が吸気される吸気孔(7)と、前記飼育室(22)外へ排気する圧力型換気扇(6)とを備えており、
前記飼育室(22)は、前記圧力型換気扇(6)の稼働により陰圧となり、前記ピット部(23)と気圧差を生じる構造を有しており、
前記飼育室(22)と前記ピット部(23)とが連通せずに隔離状態を維持したまま、前記飼育室(22)の家畜の排泄物を前記ピット部(23)に移動させることができることを特徴とする畜舎用回転式シャッター(1)を備えた畜舎。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−125359(P2008−125359A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310068(P2006−310068)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(303041630)株式会社アイピープランテック (1)
【Fターム(参考)】