説明

番組録画装置

【課題】 録画予約による放送番組の録画実行中における無駄な電力消費の発生を抑止し得る、番組録画装置を実現すること。
【解決手段】 録画予約に基づき受信したテレビジョン放送の放送番組を記録媒体に録画する手段と、録画予約による放送番組の録画実行中に放送番組の映像信号および音声信号を外部接続機器に出力可能な出力手段と、録画予約による放送番組の録画実行中であることを表示可能な表示手段とを、備えた番組録画装置において、録画予約による放送番組の録画実行中に、ユーザ設定に基づき、前記出力手段と前記表示手段の少なくとも一方に電力供給を停止することが可能な電力供給制御手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画予約(タイマ予約)により放送番組を録画する機能をもつDVDレコーダ、HDDレコーダ、VTRなどの番組録画装置に係り、特に、録画予約による放送番組の録画実行中の省電力化を図ることが可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の番組録画装置において、ユーザが放送番組表等で、録画をしておきたい番組があった場合、ユーザは、少なくとも放送チャンネルと番組が放送される時間帯とを録画予約(タイマ予約)をする。そして、録画予約された放送番組の録画開始時刻がくるまで、番組録画装置は、録画待機状態であることがユーザに判るよう表示を行い、録画待機状態となる。この録画待機状態では、番組録画装置の内部の電源供給は、CPUと表示部に行われる。録画開始時刻になると、CPUは、装置内の各回路に電源供給を行うように電源回路を制御するとともに、予約された放送チャンネル(の番組)を受信して、記録媒体へ番組の映像信号および音声信号を記録するように、受信系および録画系を制御する。このとき、番組録画装置は、外部接続機器(主としてテレビジョン受信機などのモニタ装置)へ、録画中の番組の映像信号および音声信号を出力しているとともに、表示部において現在録画実行中であることを表示している。
【0003】
なお、外部セットトップボックス内蔵テレビと記録再生装置(HDDレコーダ)とを接続してなる番組録画システムにおいて、記録再生装置が予約情報受け付け待機状態にある間、および予約待機状態にある間、記録再生装置の省電力化を図るようにした技術が知られている(特許文献1)。しかし、この特許文献1の技術は、記録再生装置がテレビジョン放送信号を受信する機能をもつものではなく、また、録画予約による放送番組の録画実行中の省電力化を図る技術でもない。
【特許文献1】特開2004−349790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の番組録画装置においては、録画予約による番組の録画実行中には、番組視聴中の通常の放送録画と同様に、番組録画装置の各回路へ電力が供給されて、番組録画装置に接続されたモニタ装置において録画中の番組の視聴が可能となるものの、モニタ装置において番組の視聴をユーザが行わない、あるいは、ユーザが行えない場合には、番組録画装置中の映像出力および音声出力を司る回路を動作させることは無駄であり、省電力化の観点からは問題であるという指摘があった。また、録画予約による番組の録画実行中には、表示部において現在録画実行中であることを表示するが、ユーザがこの録画中である旨の表示の確認を行わない、あるいは、ユーザが確認を行えない場合には、同様に表示部を動作させることは無駄であり、この点でも、省電力化の観点からは問題であるという指摘があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、録画予約による放送番組の録画実行中における無駄な電力消費の発生を抑止し得る、番組録画装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記した目的を達成するため、録画予約に基づき受信したテレビジョン放送の放送番組を記録媒体に録画する手段と、録画予約による放送番組の録画実行中に放送番組の映像信号および音声信号を外部接続機器に出力可能な出力手段と、録画予約による放送番組の録画実行中であることを表示可能な表示手段とを、備えた番組録画装置において、録画予約による放送番組の録画実行中に、ユーザ設定に基づき、前記出力手段と前記表示手段の少なくとも一方に電力供給を停止することが可能な電力供給制御手段を設けた、構成をとる。
また、前記電力供給制御手段が電力供給を停止する時間帯(時刻帯)を、設定可能な電力供給停止の時間設定手段を設けた、構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
前述したように、従来技術では録画予約による番組(放送番組)の録画が開始されると、番組録画装置からは、録画する放送番組の映像信号や音声信号が外部接続機器(テレビジョン受信機などのモニタ装置)に出力されるために、番組録画装置に外部接続されたモニタ装置において録画実行中の放送番組を視聴(モニタ)することができる。しかしながら、録画予約する場合の理由は、録画したい放送番組の放送時間帯には仕事や外出や就寝などしているという理由が多く、このような場合には、ユーザが放送番組を視聴していないので、番組録画装置より上述の映像信号や音声信号を外部接続機器に対して出力する必要がない。本発明では、録画実行時に番組の視聴をユーザが行わない、あるいは、ユーザが行えない場合には、ユーザ設定に基づいて、映像出力と音声出力を司る回路(信号処理回路)への電力供給を停止することが可能なので、録画予約による放送番組の録画実行時の消費電力の削減(省電力化)を図ることが可能となる。また、同様に、ユーザ設定に基づいて、番組録画装置の現在の動作モードなどを表示する表示部への電力供給を停止することが可能なので、この点でも、録画予約による放送番組の録画実行時の省電力化を図ることが可能となる。
さらに、上述の映像出力と音声出力を司る回路(信号処理回路)や、表示部に対して電力供給を停止する時間帯(時刻帯)を設定可能としているので、例えば、留守録でないけれど、就寝中に深夜番組を録画予約により録画する際や、日中の録画予約の時間帯には、家には殆どいないといった行動サイクルを有するユーザには、一度の設定で簡単に、録画予約による録画実行時の消費電力の削減(省電力化)が有効に機能するので大変便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と記す)に係る番組録画装置の機能構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態の番組録画装置における、録画予約による放送番組の録画実行の際の電力供給制御の処理フローを示すフローチャートである。
【0009】
図1において、10は放送受信部、11はエンコーダ/デコーダ部、12は記録媒体、13は信号処理部、14は外部に出力される映像信号、15は外部に出力される音声信号、16は番組録画装置の状態表示などを行う表示部、17、18は切り換えスイッチ、19は番組録画装置の各部への電力供給を行う電力供給部、20は番組録画装置全体の制御を司るCPU、21は電力供給停止の設定手段、22は電力供給停止の時間設定手段、23は録画予約手段、24は記録媒体の駆動および読み/書き等を行うドライブ部、25はCPU20から切り換えスイッチ17に出力される切り換え制御信号、26はCPU20から切り換えスイッチ18に出力される切り換え制御信号である。
【0010】
なお、本番組録画装置には、図示せぬモニタ装置(例えばテレビジョン受信機)が外部接続機器として接続されており、本番組録画装置からモニタ装置に映像信号14および音声信号15が出力可能となっている。
【0011】
図1に示す構成において、放送受信部10は、図示せぬアンテナを通してテレビジョン放送信号を受信し、放送受信部10で受信して復調された信号は、番組録画時にはエンコーダ/デコーダ部11において、アナログ信号をデジタル信号に変換した後、記録媒体に12に記録するのに好適な形態の信号(例えば、MPEG2の圧縮符号化信号)にエンコードされ、ドライバ部24により記録媒体12に書き込まれる。記録媒体12に記録された番組の再生時には、ドライバ部24により記録媒体12から読み出された信号は、エンコーダ/デコーダ部11においてデコードされた後、アナログ信号に変換されて、信号処理部13に出力される。信号処理部13には、放送受信部10から出力される信号またはエンコーダ/デコーダ部11から出力される信号が入力され、信号処理部13では、入力されてきた信号から、図示せぬモニタ装置で映像出力および音声出力するための映像信号14、音声信号15を生成して、これをモニタ装置に出力する。
【0012】
電力供給部19は、本番組録画装置の各部に電力供給を行い、CPU20に対しては常時電力を供給し、信号処理部13および表示部16に対しては、切り換えスイッチ17を介して電力を供給し、放送受信部10およびエンコーダ/デコーダ部11およびドライブ部24に対しては、切り換えスイッチ18を介して電力を供給する。切り換えスイッチ17は、ユーザによる設定情報に基づくCPU20からの指令(切り換え制御信号25)でオン/オフ制御され、切り換えスイッチは、装置の動作モードに基づくCPU20からの指令(切り換え制御信号26)でオン/オフ制御され、切り換えスイッチ17、18がオンのときに電力供給が行われ、切り換えスイッチ17、18がオフのときには電力供給が遮断される。
【0013】
録画予約手段23は、ユーザが所望する放送番組を録画予約(タイマ予約)する際に用いられ、この録画予約手段23による録画予約情報(受信チャンネル、月日、録画開始時刻、録画終了時刻など)はCPU20に設定記憶され、CPU20は、録画予約情報にしたがって、受信チャンネルの制御、記録媒体12への番組の記録制御を行う。
【0014】
表示部16は、録画予約するための対話式の画面表示や、受信している放送チャンネルの表示や、録画予約による録画待機状態であることを示す表示や、録画予約による放送番組の録画実行であることを示す表示などの、各種の表示をCPU20の制御の下に行う。
【0015】
電力供給停止の設定手段21は、録画予約による放送番組の録画実行時に、信号処理部13および表示部16に対して電力供給を行うか否かを、ユーザが設定するために用いられる。この電力供給停止の設定手段21は、例えば省エネキーなどの操作ボタンで構成され、電力供給停止の設定手段21による設定情報、つまり、省エネモードの設定か、非設定かは、CPU20に設定記憶される。
【0016】
電力供給停止の設定手段21により省エネモードが設定されている場合には、録画予約による録画待機状態から録画予約による放送番組の録画実行タイミングとなると、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ18をオンとさせて、録画処理を実行させるも、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17に対しては、オフ状態を維持させる。つまり、省エネモードが設定されている場合には、録画予約による放送番組の録画実行の際に、信号処理部13から、外部接続された図示せぬモニタ装置に対してモニタリングのための映像信号14、音声信号15が出力されず、また、表示部16においても何らの表示も行われないようになっており、これにより録画予約による録画待機状態での電力消費の低減を図るようになっている。
【0017】
これに対して、電力供給停止の設定手段21により省エネモードが設定されていない場合には、録画予約による録画待機状態から録画予約による放送番組の録画実行タイミングとなると、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17および切り換えスイッチ18を共にオンとさせて、録画処理を実行させ、また、信号処理部13から、外部接続された図示せぬモニタ装置に対してモニタリングのための映像信号14、音声信号15が出力させ、また、表示部16において、録画予約による放送番組の録画実行であることを示す表示を行わせる。
【0018】
電力供給停止の時間設定手段22は、電力供給停止の設定手段21によって省エネモードを設定せずに、この電力供給停止の時間設定手段22によってユーザが時間帯(時刻帯)を設定することにより、設定された時間帯内での、録画予約による放送番組の録画実行時の電力消費の低減を図るために用いられる。電力供給停止の時間設定手段22は、例えばカーソル移動キーや決定キーなどをもつ操作手段(例えばリモコン)などによって実現され、表示部16に時間帯設定画面を呼び出して表示させた状態で、この時間帯設定画面を用いて、ユーザが省エネのための時間帯の開始時刻および終了時刻を設定する。電力供給停止の時間設定手段22で入力された時間帯情報は、CPU20に設定記憶される。
【0019】
電力供給停止の時間設定手段22により時間帯が設定されている場合には、設定されている時間帯内において、録画予約による録画待機状態から録画予約による放送番組の録画実行タイミングとなると、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ18をオンとさせて、録画処理を実行させるも、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17に対しては、オフ状態を維持させる。つまり、省エネのための時間帯が設定されている場合には、録画予約による放送番組の録画実行の際に、信号処理部13から、外部接続された図示せぬモニタ装置に対してモニタリングのための映像信号14、音声信号15が出力されず、また、表示部16においても何らの表示も行われないようになっており、これにより録画予約による録画待機状態での電力消費の低減を図るようになっている。
【0020】
これに対して、電力供給停止の時間設定手段22による時間帯の設定がない場合、あるいは、時間帯の設定があっても、録画実行するときの時刻が時間帯外の場合には、録画予約による録画待機状態から録画予約による放送番組の録画実行タイミングとなると、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17および切り換えスイッチ18を共にオンとさせて、録画処理を実行させ、また、信号処理部13から、外部接続された図示せぬモニタ装置に対してモニタリングのための映像信号14、音声信号15が出力させ、また、表示部16において、録画予約による放送番組の録画実行であることを示す表示を行わせる。
【0021】
次に、図2のフローチャートを用いて、録画予約による放送番組の録画実行時におけるCPU20の電力供給制御の処理の流れを説明する。
【0022】
CPU20は、ユーザによって録画予約された放送番組の録画開始時刻の直前タイミングとなると(ステップS10)、ステップS11において、電力供給停止の時間設定手段22により省エネのための時間帯が設定されている否かの判定と、時間帯が設定されている場合には、現在時刻がその時間帯内にあるか否かの判定を行う。そして、時間帯が設定されていない場合、および、時間帯が設定されているもその時間帯内にない場合には、ステップS12に処理を進め、時間帯が設定されていてその時間帯内にある場合には、ステップS13に処理を進める。ステップS12では、電力供給停止の設定手段21により省エネモードが設定されているか否かの判定を行い、省エネモードが設定されている場合には、ステップS13に処理を進め、省エネモードが設定されていない場合には、ステップS14に処理を進める。
【0023】
ステップS13では、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17にオフ状態を維持させて、録画実行中には、信号処理部13および表示部14には電力供給を行わないように制御して、ステップS15に処理を進める。ステップS14では、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ17をオン状態に切り換え、録画実行中に、信号処理部13および表示部14に電力供給を行うように制御して、ステップS15に処理を進める。ステップS15では、CPU20は、録画予約による録画待機状態ではオフとなっていた切り換えスイッチ18をオン状態に切り換え、放送受信部10に録画予約された放送チャンネルを選局・受信させて、受信した放送番組の記録媒体12への録画を開始させる。
【0024】
このように、本実施形態では、電力供給停止の設定手段21により省エネモードが設定されている場合、および、電力供給停止の時間設定手段22により時間帯が設定されていて、設定されている時間帯内において録画予約による放送番組の録画実行タイミングとなる場合には、録画実行中には、信号処理部13および表示部14には電力供給を行わないので、電力消費の低減(省電力化)を図ることができる。
【0025】
なお、電力供給停止の時間設定手段22により設定された時間帯内と時間帯外とにまたがって録画を実行する場合には、設定された時間帯内の録画実行中のみ省電力化を図るようにしても、録画実行中の全ての時間において省電力化を図るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る番組録画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る番組録画装置における、録画予約による放送番組の録画実行の際の電力供給制御の処理フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0027】
10 放送受信部
11 エンコーダ/デコーダ部
12 記録媒体
13 信号処理部
14 映像信号
15 音声信号
16 表示部
17 切り換えスイッチ
18 切り換えスイッチ
19 電力供給部
20 CPU
21 電力供給停止の設定手段
22 電力供給停止の時間設定手段
23 録画予約手段
24 ドライブ部
25、26 切り換え制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画予約に基づき受信したテレビジョン放送の放送番組を記録媒体に録画する手段と、録画予約による放送番組の録画実行中に放送番組の映像信号および音声信号を外部接続機器に出力可能な出力手段と、録画予約による放送番組の録画実行中であることを表示可能な表示手段とを、備えた番組録画装置において、
録画予約による放送番組の録画実行中に、ユーザ設定に基づき、前記出力手段と前記表示手段の少なくとも一方に電力供給を停止することが可能な電力供給制御手段を設けたことを特徴とする番組録画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の番組録画装置において、
前記電力供給制御手段が電力供給を停止する時間帯(時刻帯)を、設定可能な電力供給停止の時間設定手段を設けたことを特徴とする番組録画装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−319536(P2006−319536A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138578(P2005−138578)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】