説明

異常検知システム

【課題】恒温恒湿槽等の様々な温湿度環境下に晒されていた検知対象ガスであっても、ガス濃度が異常値であるかを正確に検知できるようにする。
【解決手段】恒温恒湿槽10の試験室22内から取り出した高温多湿のサンプリング空気を、冷却装置30のペルチェ素子35により冷却し且つ除湿することで、検知装置50に供給するサンプリング空気を、検知装置50において検知対象ガスの濃度が異常値であるかを正確に検知するために必要な温度条件及び湿度条件に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば電子機器や電子・半導体部品の特性評価等のために用いられる試験装置として、試料を収容する試験室内を所定の温度及び湿度に保つための恒温恒湿槽が知られている。
【0003】
こうした恒温恒湿槽では、例えば特許文献1に開示されているように、空気を加熱する加熱器、空気を冷却するための冷凍機、及び湿度を調整するための加湿器といった空調機器を制御して、試験室内に調和空気を供給することにより、その試験室内を所定の温度や所定の湿度に一定に保つようにしている。
【0004】
このような恒温恒湿槽では、試験室内に設置した試料から可燃性ガスや一酸化炭素等の検知対象ガスが発生することがある。ここで、検知対象ガスが発生した状態で恒温恒湿槽の運転を継続すると、人体や環境に対して危険を及ぼすおそれ等がある。そこで、サンプリング空気中に含まれる検知対象ガスの濃度が異常値であることを検知する検知器を設けて、異常であると判定された場合には警報ブザーを鳴らしたり表示モニタにエラーメッセージを表示する等の警報動作を行ったり、槽内に設けられている換気装置や消火装置等を作動させることで、危険を回避できるようにしている。
【特許文献1】特開平7−140061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検知器においてガス濃度が異常値であるかを正確に検知するためには、検知器に供給するサンプリング空気を、概ね常温付近(40℃以下)の温度で且つ結露を起こさない湿度に設定する必要がある。
【0006】
しかしながら、上述した恒温恒湿槽のように、様々な温湿度環境下に晒されていた高温多湿のサンプリング空気を検知器に直接供給した場合には、検知器が誤動作したり動作エラーとなる等、ガス濃度が異常値であるかを正確に検知することができないおそれがあった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、恒温恒湿槽等の様々な温湿度環境下に晒されていた検知対象ガスであっても、ガス濃度が異常値であるかを正確に検知できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、本発明は、高温多湿のサンプリング空気を冷却手段により冷却及び除湿し、冷却及び除湿した後のサンプリング空気を検知手段に供給するようにした。
【0009】
具体的に、本発明は、サンプリング空気中に含まれる検知対象ガスの濃度が異常値であることを検知する検知手段を有する異常検知システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、前記検知手段にサンプリング空気を供給する供給通路の上流側に設けられ、該検知手段に供給するサンプリング空気を冷却する冷却手段を備え、
前記冷却手段は、
下流端が前記供給通路の上流側に接続され、サンプリング空気が流通する冷却通路と、
前記冷却通路内を流通するサンプリング空気を、電圧が印可されることで生じる熱電効果によって冷却するペルチェ素子と、
前記ペルチェ素子によって結露させたサンプリング空気中の水分を前記冷却通路内から排水する排水通路と、
前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可又は停止する制御手段とを有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項1の発明では、供給通路の上流側には冷却手段が設けられており、冷却手段で冷却されたサンプリング空気が供給通路を介して検知手段に供給される。冷却手段は、冷却通路と、ペルチェ素子と、排水通路と、制御手段とを有している。冷却通路内を流通するサンプリング空気は、ペルチェ素子によって冷却される。ペルチェ素子の冷却により結露したサンプリング空気中の水分は、排水通路から排水される。ペルチェ素子は、制御手段により電圧の印加の許可又は停止が制御される。
【0012】
このような構成とすれば、検知手段に供給するサンプリング空気を、検知手段において検知対象ガスの濃度が異常値であるかを正確に検知するために必要な温度条件及び湿度条件に設定することができる。具体的に、検知手段でガス濃度を正確に検知しようとすると、サンプリング空気を、概ね常温付近(40℃以下)の温度で且つ結露を起こさない湿度に設定する必要がある。
【0013】
そこで、本発明では、冷却手段の冷却通路を流通するサンプリング空気を、ペルチェ素子を用いて冷却させるようにしている。これにより、例えば、サンプリング空気が高温状態であった場合でも、温度を常温以下に低下させることができる。そして、常温以下に低下したサンプリング空気は、供給通路を流通する際に外気と熱交換され、検知手段に供給される前に常温付近まで温度が上昇することで相対湿度が低下して、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0014】
また、サンプリング空気をペルチェ素子を用いて冷却させることで、例えば、サンプリング空気が多湿状態であった場合でも、サンプリング空気中の水分が冷却により結露して除湿されることとなる。これにより、検知手段にサンプリング空気を供給しても結露を起こすことがなく、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0015】
また、冷却通路内で結露した結露水は、そのまま放置しておくと冷却通路内で冷却されて凍り付くことで冷却通路を塞いでしまい、サンプリング空気が冷却通路内をスムーズに流通できなくなるおそれがあるが、本発明では、冷却通路内の結露水が排水通路を介して排水されるため、このような不具合を解消することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1において、
前記ペルチェ素子の低温部の表面温度を検出するペルチェ温度センサを備え、
前記制御手段は、前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定の下限温度以下になったときに前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を停止する一方、所定の上限温度以上になったときに該ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可するように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2の発明では、ペルチェ温度センサによりペルチェ素子の低温部の表面温度が検出される。そして、制御手段により、ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定の下限温度以下になったときには、ペルチェ素子に対する電圧の印加が停止される。一方、所定の上限温度以上になったときには、ペルチェ素子に対する電圧の印加が許可される。
【0018】
このような構成とすれば、ペルチェ素子の低温部の表面温度をサンプリング空気の冷却に必要な温度範囲内に設定することができる。また、ペルチェ素子がサンプリング空気を過度に冷却することで冷却通路内の水分が凍結して冷却通路を閉塞してしまうのを防止するために、ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可又は停止させるように制御したから、ペルチェ素子に対して常に電圧を印加した場合に比べて省電力化を図ることができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
前記冷却手段の下流側に配置され、前記供給通路内を流通するサンプリング空気の温度を検出する供給温度センサを備え、
前記制御手段は、前記供給温度センサで検出された検出温度が所定温度以上の場合に、前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可するように構成されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3の発明では、冷却手段の下流側に配置された供給温度センサにより、供給通路内を流通するサンプリング空気の温度が検出される。そして、制御手段により、供給温度センサで検出された検出温度が所定温度以上の場合に、ペルチェ素子に対する電圧の印加が許可される。
【0021】
このような構成とすれば、適切な温度に設定されたサンプリング空気を検知手段に対して供給することができる。具体的に、省電力化を図るためにペルチェ素子に対する電圧の印加を停止させているとき等には、冷却通路を流通するサンプリング空気が十分に冷却されないまま供給通路を介して検知手段に供給されてしまうおそれがある。しかしながら、本発明では、供給通路を流通するサンプリング空気の温度を供給温度センサで検出して、サンプリング空気が高温状態であると判断したときに、直ちにペルチェ素子に対して電圧を印加することで、検知手段においてガス濃度を正確に検知できる温度に設定することができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項2又は3において、
前記ペルチェ素子の高温部に設けられ、送風動作によって該高温部の熱を放熱する送風手段を備え、
前記送風手段は、前記制御手段による前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可又は停止する制御動作とは独立して、連続的に送風動作を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項4の発明では、ペルチェ素子の高温部には、送風動作によって高温部の熱を放熱する送風手段が設けられる。そして、制御手段により、ペルチェ素子に対する電圧の印加が許可又は停止される制御動作が行われるが、送風手段では、この制御動作とは独立して連続的に送風動作が行われる。
【0024】
このような構成とすれば、ペルチェ素子の高温部の熱が送風手段により連続的に放熱されるため、ペルチェ素子に対する電圧の印加を停止した場合でも送風手段の送風動作が停止することはなく、ペルチェ素子の低温部における温度上昇の速度を遅くすることができる。このため、電圧の印加を停止してからペルチェ素子の低温部の表面温度が上昇して、再び電圧を印加させて冷却するまでの期間を長く確保することができ、省電力化を図る上で有利となる。
【0025】
請求項5の発明は、請求項4において、
前記送風手段は、前記供給通路に向かって送風動作を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項5の発明では、送風手段により、供給通路に向かって送風動作が行われる。このような構成とすれば、送風手段から送風される排熱によって供給通路内のサンプリング空気が温められることとなり、冷却手段で冷却したサンプリング空気を検知手段に供給する前に常温付近まですぐに上昇させて、相対湿度を低下させることができる。ここで、供給通路に対して送風を行うためには、供給通路をなす配管を送風手段の吹き出し位置を通るように取り回しを行うか、又は送風手段の吹き出し方向が供給通路に向かうように送風手段を配置すればよい。
【0027】
請求項6の発明は、請求項2乃至5のうち何れか1項において、
オペレータに対して所定の警報動作を行う警報手段を備え、
前記制御手段は、前記ペルチェ素子への電圧の印加を停止させてから前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以下である場合に、前記警報手段を作動させて所定の警報動作を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0028】
請求項6の発明では、ペルチェ素子への電圧の印加が停止されてからペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以下である場合に、制御手段により警報手段が作動され、オペレータに対して所定の警報動作が行われる。
【0029】
このような構成とすれば、ペルチェ素子によるサンプリング空気の過冷却を防止して、冷却通路内で結露水が冷却されて凍り付くことで冷却通路を塞いでしまい、サンプリング空気が冷却通路内をスムーズに流通できなくなる等の不具合を解消することができる。
【0030】
具体的に、制御手段によりペルチェ素子に対して電圧の印加が停止されるように制御したとしても、故障や断線等の要因によってペルチェ素子が冷却動作を継続するおそれがある。しかしながら、本発明では、ペルチェ素子への電圧の印加が停止されてからペルチェ素子の低温部の表面温度を検出して、検出温度が所定温度以下である場合に所定の警報動作を行うようにしているから、警報動作に基づいてオペレータが装置を緊急停止する等のトラブル対策を実施することができる。
【0031】
請求項7の発明は、請求項6において、
前記制御手段は、前記ペルチェ素子への電圧の印加を許可してから前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以上である場合に、前記警報手段を作動させて所定の警報動作を行うように構成されていることを特徴とするものである。
【0032】
請求項7の発明では、ペルチェ素子への電圧の印加が許可されてからペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以上である場合に、制御手段により警報手段が作動され、オペレータに対して所定の警報動作が行われる。
【0033】
このような構成とすれば、制御手段によりペルチェ素子に対して電圧の印加が許可された後でペルチェ素子が冷却動作を行っていないと判断したときに、所定の警報動作を行うようにしているから、警報動作に基づいてオペレータが装置を緊急停止する等のトラブル対策を実施することができる。
【0034】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項において、
試験室内を所定の温度に保つ恒温槽、又は該試験室内を所定の温度及び湿度に保つ恒温恒湿槽を備え、
前記恒温槽又は前記恒温恒湿槽は、前記試験室内の空気をサンプリング空気として取り出すために、前記冷却手段の冷却通路の上流端に接続されていることを特徴とするものである。
【0035】
請求項8の発明では、試験室内を所定の温度に保つ恒温槽、又は試験室内を所定の温度及び湿度に保つ恒温恒湿槽を備えている。この恒温槽又は恒温恒湿槽は、冷却手段の冷却通路の上流端に接続され、試験室内の空気がサンプリング空気として取り出される。
【0036】
このような構成とすれば、恒温槽や恒温恒湿槽のように様々な温湿度環境下に晒されていた高温多湿のサンプリング空気であっても、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。具体的に、高温多湿のサンプリング空気を検知手段に対して直接供給した場合には、サンプリング空気中に含まれる水分が検知手段において結露を起こす等、検知手段が誤動作したり動作エラーとなってガス濃度が異常値であるかを正確に検知することができないおそれがあるが、本発明では、恒温槽や恒温恒湿槽の試験室内のサンプリング空気を検知手段に供給する前に、適切な温度条件及び湿度条件に設定することができ、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、検知手段に供給するサンプリング空気を、検知手段において検知対象ガスの濃度が異常値であるかを正確に検知するために必要な温度条件及び湿度条件に設定することができる。具体的に、冷却手段の冷却通路を流通するサンプリング空気をペルチェ素子を用いて冷却させることで、サンプリング空気が高温状態であった場合でも、温度を常温以下に低下させることができる。そして、常温以下に低下したサンプリング空気は、供給通路を流通する際に外気と熱交換され、検知手段に供給される前に常温付近まで温度が上昇することで相対湿度が低下して、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0038】
また、サンプリング空気が多湿状態であった場合でも、サンプリング空気中の水分が冷却により結露して除湿されることとなる。これにより、検知手段にサンプリング空気を供給しても結露を起こすことがなく、検知手段においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0039】
また、冷却通路内で結露した結露水は、そのまま放置しておくと冷却通路内で冷却されて凍り付くことで冷却通路を塞いでしまい、サンプリング空気が冷却通路内をスムーズに流通できなくなるおそれがあるが、本発明では、冷却通路内の結露水が排水通路を介して排水されるため、このような不具合を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0041】
図1は、本発明の実施形態に係る異常検知システムの構成を示す正面図であり、図2は、右側面図である。図1及び図2に示すように、この異常検知システム1は、恒温恒湿槽10と、冷却装置30と、検知装置50とを備えている。
【0042】
前記恒温恒湿槽10は、上部本体11と、上部本体11の下側に位置して上部本体11を支持するとともに、その内部に制御ボックス15(制御手段)等を収容する下部本体12とを備えている。下部本体12の下端部の4隅には、下部本体12の高さ調整のための調整ボルト13と、下部本体12を移動可能とするキャスタ14とがそれぞれ取り付けられている。
【0043】
前記上部本体11は、その内部に略直方体の内部空間20を有するとともに、その前側が開口した略矩形箱状に形成されており、この開口を開閉する開閉扉16がヒンジ(不図示)を介して取り付けられている。この開閉扉16には、内部空間20内の温湿度を表示したり装置に異常が発生したときに警報やエラーメッセージ等を表示する警報動作を行うための表示モニタ17(警報手段)や、開閉時にオペレータが把持する取っ手18が設けられている。
【0044】
前記上部本体11は、内部空間20を区画形成する内壁と、上部本体11の外装を構成する外壁と、その両壁の間に充填された断熱材によって構成されている。内部空間20には、その前後方向の所定位置に区画壁21が立設されており、それによって内部空間20は、区画壁21よりも前側であって、開閉扉16によって開閉される試験室22と、区画壁21よりも後側であって、調和空気の循環路とされる空調室23との2室に分けられている。内部空間20が断熱材で覆われていることによって、試験室22内は、外部雰囲気温度及び湿度に影響されない密閉空間とされている。
【0045】
前記区画壁21の下部には、試験室22内の循環空気を吸い込む吸込口21aが形成されているとともに、その上部には、試験室22内に循環空気を吹き出す吹出口21bが形成されている。この吸込口21a及び吹出口21bを通じて、試験室22と空調室23とは互いに連通しており、試験室22内の下部から空調室23内に吸い込まれた空気は、その空調室23内を下から上へと流れて、試験室22内の上部に吹き出されることになる(図2の2点鎖線の矢印参照)。
【0046】
前記空調室23内には、その下部から上部に向かって順に、空気を加湿するための加湿ヒータ24、冷媒を蒸発させてその蒸発熱によって空気を冷却するための冷却器25、空気を加熱するための、例えばワイヤストリップヒータからなる加熱ヒータ26、及び空気を循環させるためのファン27(例えばシロッコファン)がそれぞれ配設されている。そうして、この恒温恒湿槽10では、加湿ヒータ24、冷却器25及び加熱ヒータ26のそれぞれからなる空調機器を適宜動作させることによって、試験室22内の温度及び湿度を、設定された温度及び湿度で一定となるようにしている。
【0047】
前記加湿ヒータ24は、水が溜められるパン24aと、そのパン24aの水を加熱して蒸気を発生させるヒータ24b(例えばシーズヒータ)とを備えている。なお、パン24aには、下部本体12内に配設されたタンク(図示省略)からの水が適宜供給される。
【0048】
ここで、前記試験室22内の温湿度は、冷却器25、加熱ヒータ26及び加湿ヒータ24をフィードバック制御することによって、設定された温湿度となるように制御される。より具体的には、試験室22内の温度は、冷却器25と加熱ヒータ26とのバランスにより制御され、試験室22内の湿度は、冷却器25と加熱ヒータ26と加湿ヒータ24とのバランスにより制御される。そして、冷却器25において冷媒が蒸発することにより、その蒸発熱によって空調室23内の空気が冷却される。こうして、加熱ヒータ26及び加湿ヒータ24の運転とバランスされることで、試験室22内が設定された温湿度で一定にされる。
【0049】
次に、本発明の特徴部分である、冷却装置30の構成について説明する。この冷却装置30は、上部本体11の側壁面に取り付けられている。図3は、冷却装置の冷却通路内におけるサンプリング空気の流通方向を示す断面図であり、図4は、冷却装置の側面断面図である。図3及び図4に示すように、この冷却装置30は、内部に冷却通路32を有する冷却箱体31と、冷却通路32内を流通するサンプリング空気を冷却するペルチェ素子35と、ペルチェ素子35の高温部35bに当接する放熱用フィン37と、放熱用フィン37を介してペルチェ素子35の高温部35bの熱を放熱する送風ファン38とを備えている。
【0050】
前記冷却箱体31は、内部に略直方体の空間を有し、この空間を複数の仕切板31aで仕切ることでジグザグ状の冷却通路32が形成されている。具体的に、この仕切板31aは、L字状に折り曲げられ且つ冷却箱体31の幅方向長さよりも短い長さに形成され、複数の仕切板31aが冷却箱体31の上下方向に間隔をあけて配置されている。このとき、最下段の仕切板31aは、その左端部が冷却箱体31の左側壁面寄りに配置されており、仕切板31aの右端部と冷却箱体31の右側壁面との間に隙間が設けられている。次に、下から2段目の仕切板31aは、その右端部が冷却箱体31の右側壁面寄りに配置されており、仕切板31aの左端部と冷却箱体31の左側壁面との間に隙間が設けられている。3段目以降の仕切板31aについても同様に交互に配置されている。このように、冷却箱体31と仕切板31aとの隙間を左右交互に設けることで、サンプリング空気が冷却箱体31内をジグザグ状に流通する冷却通路32が形成されている。
【0051】
前記冷却箱体31の左側壁面における下側位置には、サンプリング空気を吸入する吸入配管43が接続されている。また、冷却箱体31の左側壁面における上側位置には、供給配管44が接続されている。すなわち、サンプリング空気は、冷却通路32内を下方から上方に向けてジグザグ状に流通することとなる。
【0052】
また、前記冷却箱体31の底面には、排水管33(排水通路)が接続されている。この排水管33は、冷却通路32内で冷却されたサンプリング空気中の水分が結露した結露水Wを外部に排水するためのものである。この結露水Wは、冷却箱体31と仕切板31aとの隙間から順次下方に落下していき、最終的に冷却箱体31の底面に到達して排水管33から排水されるようになっている。
【0053】
前記ペルチェ素子35は、板状体に形成され、電圧が印可されることで生じる熱電効果によって低温部35aと高温部35bとが表面に生じる素子であり、冷却箱体31の表面(図4では左側面)に低温部35aが当接するように配置されている。このペルチェ素子35は、制御ボックス15(図2参照)に接続され、制御ボックス15からの制御信号に基づいて、電圧の印加が許可又は停止されるようになっている。ここで、制御ボックス15の出力電圧を、ペルチェ素子35の低温部35aの温度が冷却通路32を流通するサンプリング空気の露点よりも低くなるように設定することで、サンプリング空気中に含まれる水分が結露して結露水Wが生成されるようになっている。
【0054】
また、前記ペルチェ素子35の厚さ方向の略中央部には、低温部35aの表面温度を検出するための熱電対34(ペルチェ温度センサ)が挿通されている。熱電対34で検出された検出温度を示す信号は、制御ボックス15に送信され、詳しくは後述するが、この検出温度に基づいてペルチェ素子35の動作が制御されるようになっている。
【0055】
前記冷却箱体31及びペルチェ素子35(高温部35bは除く)の周囲は、断熱材36により覆われており、冷却箱体31及びペルチェ素子35を保冷している。ペルチェ素子35の高温部35bには、放熱用フィン37が取り付けられている。また、放熱用フィン37の表面には、送風ファン38が取り付けられている。このように、送風ファン38は、ペルチェ素子35の高温部35b側に設けられ、送風動作によって高温部35bの熱を放熱するように構成されている。
【0056】
また、前記送風ファン38は、制御ボックス15に接続されており、制御ボックス15からの制御信号に基づいて送風動作を開始又は停止するように制御される。ここで、送風ファン38は、制御ボックス15によるペルチェ素子35に対する電圧の印加を許可又は停止する制御動作とは独立して、連続的に送風動作を行うように構成されている。
【0057】
このような構成とすれば、ペルチェ素子35の高温部35bの熱が送風ファン38により連続的に放熱されるため、ペルチェ素子35に対する電圧の印加を停止した場合でも送風ファン38の送風動作が停止することはなく、ペルチェ素子35の低温部35aにおける温度上昇の速度を遅くすることができる。このため、電圧の印加を停止してからペルチェ素子35の低温部35aの表面温度が上昇して、再び電圧を印加させて冷却するまでの期間を長く確保することができ、省電力化を図る上で有利となる。
【0058】
また、前記送風ファン38から吹き出された高温の空気は、そのまま上昇して冷却箱体31の側壁面の上側から上方に配管されている供給配管44に対して送風される。このような構成とすれば、送風ファン38から送風される排熱によって供給配管44内のサンプリング空気が温められることとなり、冷却装置30で冷却したサンプリング空気を検知装置50に供給する前に常温付近まですぐに上昇させて、相対湿度を低下させることができる。なお、送風ファン38の吹き出し位置を通るように供給配管44を取り回すようにすることで、直接的に排熱を吹き付けるようにしても良い。
【0059】
前記上部本体11の上面及び上部本体11の側壁面における装置前側には、サンプリング空気中に含まれる検知対象ガスの濃度が異常値であることを検知するための検知装置50がそれぞれ配置されている。
【0060】
具体的に、前記上部本体11の上面に配置された検知装置50は、可燃性ガスである水素ガスを検知するための水素ガス検知装置50aである。また、上部本体11の側壁面における装置前側に配置された検知装置50は、一酸化炭素を検知するためのCO検知装置50bである。これら検知装置50は、供給配管44を介して冷却装置30に接続され、冷却装置30で冷却されたサンプリング空気が供給されるようになっている。
【0061】
次に、恒温恒湿槽10、冷却装置30、及び検知装置50の接続関係について、図2を用いて説明する。図2に示すように、上部本体11の側壁面には、試験室22に連通するサンプリングポート41及びリターンポート42が設けられている。サンプリングポート41と冷却装置30の冷却通路32の上流端とは、吸入配管43を介して接続されている。これにより、恒温恒湿槽10の試験室22内の空気をサンプリング空気としてサンプリングポート41から取り出して、冷却装置30に吸入することができるようになっている。
【0062】
前記吸入配管43から吸入されたサンプリング空気は、冷却装置30の冷却通路32内をジグザグ状に流通しながらペルチェ素子35により冷却され、結露水Wが排水管33から排水されるようになっている。
【0063】
前記冷却通路32の下流端には、供給配管44が接続されている。供給配管44には、供給配管44内を流通するサンプリング空気の温度を検出する供給温度センサ44aが設けられている。この供給温度センサ44aで検出された検出温度を示す信号は、制御ボックス15に送信され、詳しくは後述するが、この検出温度に基づいてペルチェ素子35の動作が制御されるようになっている。
【0064】
前記供給配管44の配管途中には、供給配管44内のサンプリング空気の流量を検出するフローチェッカ45が設けられている。そして、供給配管44におけるフローチェッカ45よりも下流側では、供給配管44が2本に分岐されて、検知装置50である水素ガス検知装置50a及びCO検知装置50bの上流側にそれぞれ接続されている。
【0065】
前記水素ガス検知装置50a及びCO検知装置50bの下流側には、それぞれリターン配管46が接続されており、水素ガス検知装置50aで水素ガス濃度を検知した後のサンプリング空気と、CO検知装置50bで一酸化炭素濃度を検知した後のサンプリング空気とが、それぞれリターン配管46から流出するようになっている。これら2本のリターン配管46は、配管途中で合流して1本のリターン配管46を構成している。そして、このリターン配管46の下流端がリターンポート42に接続されている。これにより、検知装置50を通過した後のサンプリング空気がリターンポート42から試験室22内に再び戻されるようになっている。
【0066】
このような構成とすれば、恒温恒湿槽10の試験室22内から取り出したサンプリング空気を冷却装置30で冷却して、サンプリング空気を常温以下に冷却するとともに、サンプリング空気中に含まれる水分を結露させて除湿を行い、冷却装置30で冷却されたサンプリング空気を供給配管44内に流通させる途中で外気と熱交換させて常温付近まで温度を上昇させて相対湿度を低下させてから検知装置50に供給することができる。このため、検知装置50に供給するサンプリング空気を、検知装置50において検知対象ガスの濃度が異常値であるかを正確に検知するために必要な温度条件及び湿度条件に設定することができる。
【0067】
次に、異常検知システム1におけるペルチェ素子35の動作制御について、図5に示すフローチャート図に基づいて説明する。まず、ステップS101で、恒温恒湿槽10の電源を投入して加湿ヒータ24や加熱ヒータ26等の温湿度調整用の機器を作動させるとともに、冷却装置30の送風ファン38や検知装置50を作動させ、続くステップS102に進む。
【0068】
ステップS102では、供給温度センサ44aの検出温度に基づいて、供給配管44内を流通するサンプリング空気の温度が所定温度(例えば、+15℃)以上であるかを判定する。ステップS102での判定が「YES」の場合には、ステップS103に分岐する。ステップS102での判定が「NO」の場合には、冷却装置30による冷却を行わなくても検知装置50に対して常温付近のサンプリング空気を供給することができるため、そのまま待機する。
【0069】
ステップS103では、制御ボックス15からペルチェ素子35に対して制御信号が出力され、電圧の印加が許可される。これにより、ペルチェ素子35によるサンプリング空気の冷却が開始され、続くステップS104に進む。
【0070】
ステップS104では、熱電対34の検出結果に基づいて、ペルチェ素子35の低温部35aの表面温度が所定の下限温度(例えば、−5℃)以下であるかを判定する。ステップS104での判定が「YES」の場合には、ステップS105に分岐する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、ステップS109に分岐する。
【0071】
ステップS105では、ペルチェ素子35によるサンプリング空気の過冷却を防止するために、制御ボックス15からペルチェ素子35に対して制御信号が出力され、電圧の印加が停止される。これにより、ペルチェ素子35によるサンプリング空気の冷却が停止され、続くステップS106に進む。
【0072】
ステップS106では、熱電対34の検出結果に基づいて、電圧の印加を停止した後のペルチェ素子35の低温部35aの表面温度が所定温度(例えば、−10℃)以下であるかを判定する。ステップS106での判定が「YES」の場合には、ペルチェ素子35に対して電圧の印加が停止されるように制御したにもかかわらず、故障や断線等の要因によってペルチェ素子35が冷却動作を継続していると判断して、表示モニタ17に警報やエラーメッセージ等を表示する警報動作を行い、処理を終了する。ステップS106での判定が「NO」の場合には、ステップS108に分岐する。
【0073】
ステップS108では、熱電対34の検出結果に基づいて、電圧の印加を停止した後のペルチェ素子35の低温部35aの表面温度が所定の上限温度(例えば、+15℃)以上であるかを判定する。ステップS108での判定が「YES」の場合には、ステップS103に分岐して、ペルチェ素子35に電圧を印加してサンプリング空気の冷却を開始する。ステップS108での判定が「NO」の場合には、ステップS106に分岐する。
【0074】
次に、ステップS104で「NO」と判定された後のステップ109では、熱電対34の検出結果に基づいて、ペルチェ素子35の低温部35aの表面温度が所定温度(例えば、+20℃)以上であるかを判定する。ステップS109での判定が「YES」の場合には、ステップS110に分岐する。ステップS109での判定が「NO」の場合には、ステップS104に分岐する。
【0075】
ステップS110では、ペルチェ素子35に電圧を印加してサンプリング空気の冷却を開始してから所定時間(例えば、15分)が経過したかを判定する。ステップS110での判定が「YES」の場合には、ペルチェ素子35が断線している等の要因で正常に動作していないと判断して、ステップS107に分岐し、ステップS107において表示モニタ17に警報やエラーメッセージ等を表示する警報動作を行い、処理を終了する。ステップS110での判定が「NO」の場合には、ステップS104に分岐する。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る異常検知システム1によれば、検知装置50に供給するサンプリング空気を、検知装置50において検知対象ガスの濃度が異常値であるかを正確に検知するために必要な温度条件及び湿度条件に設定することができる。具体的に、冷却装置30の冷却通路32を流通するサンプリング空気をペルチェ素子35を用いて冷却させることで、サンプリング空気が高温状態であった場合でも、温度を常温以下に低下させることができる。そして、常温以下に低下したサンプリング空気は、供給配管44を流通する際に外気と熱交換され、検知装置50に供給される前に常温付近まで温度が上昇することで相対湿度が低下して、検知装置50においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0077】
また、サンプリング空気が多湿状態であった場合でも、サンプリング空気中の水分が冷却により結露して除湿されることとなる。これにより、検知装置50にサンプリング空気を供給しても結露を起こすことがなく、検知装置50においてガス濃度を正確に検知することができる。
【0078】
また、熱電対34でペルチェ素子35の低温部35aの表面温度を検出したり、供給温度センサ44aで供給配管44を流通するサンプリング空気の温度を検出しておき、ペルチェ素子35がサンプリング空気を過度に冷却することで通路内の水分が凍結して通路を閉塞してしまうのを防止するために、検出温度に基づいてペルチェ素子35に対する電圧の印加を許可又は停止させるように制御したから、ペルチェ素子35に対して常に電圧を印加した場合に比べて省電力化を図ることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、検知装置50として、水素ガス検知装置50a及びCO検知装置50bを用いた構成について説明したが、この形態に限定するものではなく、例えば、毒性ガスを検知する毒性ガス検知装置を用いる等、別の種類のガス濃度を検知する構成としても良い。また、水素ガス検知装置50a及びCO検知装置50bのうち何れか一方のみを搭載した構成としても良い。
【0080】
また、冷却装置30の冷却箱体31の内部の空間を仕切板31aで仕切ることで冷却通路32を形成するようにしたが、冷却箱体31の代わりに冷却配管を用いて冷却通路32を構成するようにしても良い。
【0081】
また、本実施形態では、装置に異常が生じたときの警報手段として、表示モニタ17に警報やエラーメッセージ等を表示して警報動作を行う構成について説明したが、例えば、警報ランプを点灯させたり、警報ブザーを鳴らしてオペレータに対して警報動作を行うようにしても良い。また、遠隔地のオペレータに対しては、エラーメッセージを電子メール等の通信手段により送信して警報を行うようにしても良い。
【0082】
また、本実施形態では、試験室22内を所定の温度及び湿度に保つ恒温恒湿槽10からサンプリング空気を取り出す構成としているが、恒温恒湿槽10の代わりに、試験室22内を所定の温度に保つ恒温槽からサンプリング空気を取り出す構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明は、恒温恒湿槽等の様々な温湿度環境下に晒されていた検知対象ガスであっても、ガス濃度が異常値であるかを正確に検知できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る異常検知システムの構成を示す正面図である。
【図2】異常検知システムの構成を示す右側面図である。
【図3】冷却装置の冷却通路内におけるサンプリング空気の流通方向を示す断面図である。
【図4】冷却装置の側面断面図である。
【図5】ペルチェ素子の動作制御を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0085】
1 異常検知システム
10 恒温恒湿槽
15 制御ボックス(制御手段)
17 表示モニタ(警報手段)
22 試験室
30 冷却装置(冷却手段)
32 冷却通路
33 排水管(排水通路)
34 熱電対(ペルチェ温度センサ)
35 ペルチェ素子
35a 低温部
35b 高温部
38 送風ファン(送風手段)
44 供給配管(供給通路)
44a 供給温度センサ
50 検知装置(検知手段)
50a 水素ガス検知装置(検知手段)
50b CO検知装置(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング空気中に含まれる検知対象ガスの濃度が異常値であることを検知する検知手段を有する異常検知システムであって、
前記検知手段にサンプリング空気を供給する供給通路の上流側に設けられ、該検知手段に供給するサンプリング空気を冷却する冷却手段を備え、
前記冷却手段は、
下流端が前記供給通路の上流側に接続され、サンプリング空気が流通する冷却通路と、
前記冷却通路内を流通するサンプリング空気を、電圧が印可されることで生じる熱電効果によって冷却するペルチェ素子と、
前記ペルチェ素子によって結露させたサンプリング空気中の水分を前記冷却通路内から排水する排水通路と、
前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可又は停止する制御手段とを有することを特徴とする異常検知システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記ペルチェ素子の低温部の表面温度を検出するペルチェ温度センサを備え、
前記制御手段は、前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定の下限温度以下になったときに前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を停止する一方、所定の上限温度以上になったときに該ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可するように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記冷却手段の下流側に配置され、前記供給通路内を流通するサンプリング空気の温度を検出する供給温度センサを備え、
前記制御手段は、前記供給温度センサで検出された検出温度が所定温度以上の場合に、前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可するように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記ペルチェ素子の高温部に設けられ、送風動作によって該高温部の熱を放熱する送風手段を備え、
前記送風手段は、前記制御手段による前記ペルチェ素子に対する電圧の印加を許可又は停止する制御動作とは独立して、連続的に送風動作を行うように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記送風手段は、前記供給通路に向かって送風動作を行うように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項6】
請求項2乃至5のうち何れか1項において、
オペレータに対して所定の警報動作を行う警報手段を備え、
前記制御手段は、前記ペルチェ素子への電圧の印加を停止させてから前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以下である場合に、前記警報手段を作動させて所定の警報動作を行うように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記制御手段は、前記ペルチェ素子への電圧の印加を許可してから前記ペルチェ温度センサで検出された検出温度が所定温度以上である場合に、前記警報手段を作動させて所定の警報動作を行うように構成されていることを特徴とする異常検知システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち何れか1項において、
試験室内を所定の温度に保つ恒温槽、又は該試験室内を所定の温度及び湿度に保つ恒温恒湿槽を備え、
前記恒温槽又は前記恒温恒湿槽は、前記試験室内の空気をサンプリング空気として取り出すために、前記冷却手段の冷却通路の上流端に接続されていることを特徴とする異常検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−78434(P2010−78434A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246556(P2008−246556)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000134730)ナガノサイエンス株式会社 (11)
【Fターム(参考)】