説明

異物検知センサの取付け構造及び異物検知装置

【課題】安価に且つ安定して異物検知センサを取付け場所に取り付けることができる異物検知センサの取付け構造を提供する。
【解決手段】異物から外力を受けて弾性変形されることにより当該異物を検知する異物検知センサ31を取り付ける取付け場所には、異物検知センサ31を取り付けるための取付け面が設けられている。異物検知センサ31の外周面には、異物検知センサ31の長手方向に沿って延びる帯状の貼着面32aが形成されている。そして、長手方向の少なくとも1箇所に幅方向に切り込まれた切込み部52を有する両面テープ51の厚さ方向の一方の第1接着面51aが貼着面32aに貼着され、両面テープ51の厚さ方向の他方の第2接着面51bが前記取付け面に貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物検知センサの取付け構造、該取付け構造を備えた異物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータ等の駆動力により電動でドアパネルを移動させて車体に形成された開口部(乗降口、後部開口部等)を開閉する電動ドア開閉装置には、開口部の周縁部とドアパネルとの間への異物の挟み込みを防止するために、開口部の周縁部とドアパネルとの間に存在する異物を検知する異物検知装置を備えたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された異物検知装置は、異物から加えられる外力によって弾性変形されることで当該異物を検知する長尺状の異物検知センサを備えている。異物検知センサは、ゴム材よりなり長尺状をなすプロテクタにて保持されている。プロテクタは、異物検知センサを内部に保持するセンサ支持部と、該プロテクタを車両に取り付けるための取付部とを有する。取付部には、プロテクタの長手方向に沿って延びる取付溝が形成されるとともに、同取付部には、取付溝の幅方向の両側に位置するように芯金が埋設されている。そして、センサ支持部に異物検知センサを保持したプロテクタは、ドアパネルの周縁部に固定されたブラケットを取付溝内に圧入し取付部にて同ブラケットを挟持することにより、ブラケットに対して固定されている。即ち、異物検知センサは、プロテクタ及びブラケットを介してドアパネルの周縁部に取り付けられている。
【0004】
また、従来、異物検知センサの長手方向に沿って同異物検知センサの外周面に両面テープを貼着し、当該両面テープを、ドアパネルの周縁部等の所望の取付け場所に貼着することで、異物検知センサをドアパネルに取り付けることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−16890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたプロテクタは、芯金をゴム材の内部に埋設する等複雑な形状をなしているため、製造コストが高くなるという問題があった。
一方、プロテクタではなく両面テープを用いて異物検知センサをドアパネルに取り付けると、製造コストを低く抑えることができる。しかし、車両において異物検知センサを取り付ける取付け場所(即ちドアパネルの周縁部等)は、湾曲する等、非直線状をなしていることがある。取付け場所の形状に合わせて異物検知センサを湾曲させると、異物検知センサの湾曲に両面テープが追従しきれず、同両面テープが異物検知センサから剥離してしまったり、同両面テープに皺が生じたりするという問題があった。そのため、異物検知センサを安定してドアパネルに取り付けることが困難であった。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価に且つ安定して異物検知センサを取付け場所に取り付けることができる異物検知センサの取付け構造及び異物検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、異物から外力を受けて弾性変形されることにより前記異物を検知する異物検知センサを取付け場所に取り付ける異物検知センサの取付け構造であって、前記取付け場所には、前記異物検知センサを取り付けるための取付け面が設けられ、前記異物検知センサの外周面には、前記異物検知センサの長手方向に沿って延びる帯状の貼着面が形成され、長手方向の少なくとも1箇所に幅方向に切り込まれた切込み部を有する両面テープの厚さ方向の一方の第1接着面が前記貼着面に貼着され、前記両面テープの厚さ方向の他方の第2接着面が前記取付け面に貼着されていることをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、異物検知センサは、従来のようにプロテクタを用いることなく同プロテクタよりも安価な両面テープで取付け場所に取り付けられる。そして、取付け場所に設けられた取付け面の形状に応じて異物検知センサが湾曲された場合、両面テープは、異物検知センサの湾曲に伴って切込み部が異物検知センサの長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサの湾曲に追従しやすくなる。また、両面テープは切込み部を有するため、異物検知センサの湾曲に伴う両面テープの変形が、同両面テープの局所に集中することが抑制される。従って、両面テープが貼着面から剥離したり同両面テープに皺が生じたりすることが抑制されるため、第1接着面は貼着面に、第2接着面は取付け面にそれぞれ安定して密着することができる。これらのことから、安価に且つ安定して異物検知センサを取付け場所に取り付けることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の異物検知センサの取付け構造において、前記切込み部は、前記両面テープにおける、前記取付け面の形状に応じて前記異物検知センサが湾曲される部分に対応する部分に形成されていることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、切込み部は、両面テープにおいて、取付け面の形状に応じて異物検知センサが湾曲される部分に対応する部分、即ち異物検知センサが直線状に取り付けられる部分に対応する部分に比べて当該両面テープが大きく引っ張られたり縮められたりする部分に形成されている。そのため、異物検知センサが湾曲される部分において両面テープが貼着面から剥離したり両面テープに皺が生じたりすることを効果的に抑制できる。従って、第1接着面は貼着面に、第2接着面は取付け面にそれぞれより安定して密着することができ、より安定して異物検知センサを取付け場所に取り付けることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の異物検知センサの取付け構造において、前記切込み部は、前記両面テープを前記両面テープの幅方向に横切り前記両面テープを長手方向に分割していることをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、異物検知センサをどの方向に湾曲した場合であっても、両面テープが貼着面から剥離したり両面テープに皺が生じたりすることを抑制できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の異物検知センサの取付け構造において、前記異物検知センサは、弾性変形可能な長尺状の中空絶縁体と、前記中空絶縁体の内部で互いに離間して対向配置されるとともに前記中空絶縁体の長手方向に螺旋状に延び前記中空絶縁体の弾性変形に伴って撓曲することで互いに接触可能な複数の電極線とを有し、前記貼着面は、前記中空絶縁体の外周面に形成されていることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、貼着面が形成された中空絶縁体は中空状をなすとともに、中空絶縁体の内側に設けられた複数の電極線は同中空絶縁体の長手方向に螺旋状に延びている。そのため、異物検知センサは、湾曲させ易い構成となっている。従って、異物検知センサは、湾曲した状態で両面テープによって安定して取付け場所に取り付けられる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、外力を受けて弾性変形される異物検知センサと、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の異物検知センサの取付け構造とを有し、前記異物検知センサの弾性変形により前記異物検知センサに接触した異物を検知する異物検知装置としたことをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、異物検知センサを取付け場所に安価に取り付けることができるため、異物検知装置の製造コストを低減できる。また、異物検知センサは、両面テープによって安定して取付け場所に取り付けられているため、異物検知センサに異物から外力が加えられたときに、安定して弾性変形することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の異物検知装置において、前記異物検知センサは、車体に設けられた開口部の周縁部、若しくは前記開口部を閉塞する開閉体における前記開口部の周縁部と対向する周縁部に取り付けられたことをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、車体に設けられた開口部の周縁部、若しくは開閉体における開口部の周縁部と対向する周縁部に、異物検知センサが安価に且つ安定して取り付けられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、安価に且つ安定して異物検知センサを取付け場所に取り付けることができる異物検知センサの取付け構造及び異物検知装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態にかかる異物検知装置を搭載した車両の概略図。
【図2】電動バックドア装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】ブラケットに取り付けられた異物検知センサの断面図。
【図4】異物検知センサの斜視図。
【図5】(a)は両面テープが貼着された異物検知センサの底面図、(b)は両面テープと共に湾曲された異物検知センサの底面図。
【図6】外力が加えられたときの異物検知センサの断面図。
【図7】(a)は別の形態の両面テープが貼着された異物検知センサの底面図、(b)は別の形態の両面テープと共に湾曲された異物検知センサの底面図。
【図8】(a)は別の形態の両面テープが貼着された異物検知センサの底面図、(b)は別の形態の両面テープと共に湾曲された異物検知センサの底面図。
【図9】別の形態の両面テープが貼着された異物検知センサの底面図。
【図10】別の形態の両面テープが貼着された異物検知センサの底面図。
【図11】(a)は別の形態の両面テープが貼着された異物検知センサの底面図、(b)は別の形態の両面テープと共に湾曲された異物検知センサの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は電動バックドア装置2を搭載している。車両1を構成する車体3の後部には、後部開口部4が形成されている。後部開口部4における上下方向の略中央部よりも下方の部位は、後部開口部4における略中央部よりも上方の部位よりも左右方向の幅が狭く形成されている。そして、この後部開口部4は、該後部開口部4に対応した形状をなすドアパネル5によって開閉される。
【0022】
ドアパネル5における上下方向の略中央部よりも下端側の部位(図1においては上側の約半分の部位)は、ドアパネル5における上下方向の略中央部よりも上端側の部位(図1においては下側の約半分の部位)よりも左右方向の幅が狭く形成されている。そのため、ドアパネル5の左右方向の両端は非直線状をなしている。このドアパネル5の上端部は、車体3の後部側面の上端部に回動可能に連結されている。そして、ドアパネル5は、車体3との連結部分を回動中心として、該ドアパネル5の下端部が上下方向に移動するように回動可能である。尚、ドアパネル5は、全閉位置と全開位置との間で移動される。全閉位置は、ドアパネル5が後部開口部4を完全に閉鎖する位置であり、全開位置は、ドアパネル5が後部開口部4を完全に開放する位置である。
【0023】
また、図1及び図2に示すように、ドアパネル5には、アクチュエータ6を備え車体3側に配置された駆動機構(図示略)が接続されている。電動バックドア装置2では、このアクチュエータ6が駆動されると、ドアパネル5が上下方向に回動されて後部開口部4を開閉するようになっている。
【0024】
図2に示すように、前記アクチュエータ6は、モータ7と、該モータ7の回転を減速して出力する減速機構(図示略)とを備えている。また、アクチュエータ6内には、モータ7の回転を検出する位置検出装置8が配置されている。位置検出装置8は、例えば、モータ7の回転軸(図示略)若しくは前記減速機構を構成する減速ギヤ(図示略)と一体回転するように設けられた磁石と、該磁石に対向配置されたホールIC(図示略)とから構成されている。そして、ホールICは、位置検出信号として、磁石の回転による該磁石の磁界の変化に応じたパルス信号を出力する。
【0025】
また、電動バックドア装置2は、ドアパネル5の開閉を指示するための操作スイッチ9を備えている。図1及び図2に示すように、この操作スイッチ9は、車両1の搭乗者等によって後部開口部4を開放するように操作されると、後部開口部4を開放するようにドアパネル5を回動させる旨の開信号を出力する。一方、操作スイッチ9は、搭乗者等によって後部開口部4を閉鎖するように操作されると、後部開口部4を閉鎖するようにドアパネル5を回動させる旨の閉信号を出力する。この操作スイッチ9は、車室内の所定箇所(ダッシュボード等)、ドアパネル5のドアレバー(図示略)、イグニッションキーと共に携行される携行品(図示略)等に設けられている。
【0026】
また、電動バックドア装置2は、ドアパネル5の周縁部と、後部開口部4におけるドアパネル5の周縁部と対向する周縁部との間に存在する異物を検知するための異物検知装置11を備えている。異物検知装置11は、ブラケット21を介してドアパネル5の周縁部に取り付けられた異物検知センサ31と、該異物検知センサ31に電気的に接続された通電検知部41とを備えている。
【0027】
図1に示すように、ブラケット21は、ドアパネル5における後部開口部4の周縁部と対向する周縁部に固定されており、詳しくは、ドアパネル5の内側面(即ちドアパネル5の車室側の側面)における左右方向の両端部にそれぞれ固定されている。各ブラケット21は、ドアパネル5の左右方向の両端部に沿って同ドアパネル5の上下に延びる略帯状をなしている。また、ブラケット21は、非直線状をなすドアパネル5の左右方向の両端部の形状に応じて、その長手方向(ドアパネル5の上下方向)の略中央部が湾曲している。
【0028】
図3に示すように、ブラケット21におけるドアパネル5と反対側の面(図3において上側の面)には、ブラケット21の長手方向(図3においては紙面垂直方向)に沿って延びる取付け凹部22が形成されている。取付け凹部22は、非直線状をなすブラケット21の形状に応じて、ブラケット21の長手方向の略中央部で湾曲した非直線状をなしている。また、取付け凹部22の幅は、該取付け凹部22の長手方向に沿って一定に形成されている。この取付け凹部22の底面は、ブラケット21の長手方向に沿って延びる帯状の取付け面23となっている。取付け凹部22が非直線状をなすため、取付け面23も取付け凹部22と同様の非直線状をなしている。また、取付け凹部22における幅方向の両内側面のうちドアパネル5の周縁から遠い方の内側面(図3において右側の内側面)は、取付け面23と直角をなす位置決め面24となっている。位置決め面24は、取付け凹部22における幅方向の両内側面のうちドアパネル5の周縁に近い方の内側面(図3において左側の内側面)よりも、取付け面23からの長さが長く形成されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、前記異物検知センサ31は、長尺な紐状をなしている。異物検知センサ31を構成する長尺状の中空絶縁体32は、弾性変形可能な絶縁体(軟質の樹脂材料やエラストマ等)により形成されている。
【0030】
中空絶縁体32の外周面には、該中空絶縁体32の長手方向に沿って延びる帯状の貼着面32aが形成されている。貼着面32aは、中空絶縁体32の長手方向と直交する断面(即ち図3に示す断面)において直線状をなしている。また、貼着面32aは、前記取付け面23よりも若干幅が狭く形成されるとともに、中空絶縁体32の長手方向に沿って一定の幅に形成されている。また、中空絶縁体32の外周面において貼着面32aの幅方向の両側には、互いに平行をなす一対の側面32b,32cが形成されている。側面32b,32cは、貼着面32aとそれぞれ直角をなすとともに、中空絶縁体32の長手方向に沿って延びている。更に、中空絶縁体32の外周面において、一対の側面32b,32cを挟んで貼着面32aと反対側となる部分には、円弧状の円弧面32dが形成されている。円弧面32dは、貼着面32aと反対側に突出するとともに、一方の側面32bと他方の側面32cとを連結するように形成されている。
【0031】
また、中空絶縁体32の内側には、該中空絶縁体32の長手方向に沿って延びる中空孔32eが形成されている。この中空孔32eを有することにより中空絶縁体32は中空状をなしている。また、中空絶縁体32の内側には、該中空絶縁体32にて保持される4本の電極線33〜36が互いに離間して対向配置されている。各電極線33〜36は、導電性細線を撚り合わせて形成され可撓性を有する中心電極37と、導電性及び弾性を有し中心電極37の外周を被覆する円筒状の導電被覆層38とから構成されている。そして、各電極線33〜36は、中空絶縁体32の内側に、周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)に配置されるとともに、周方向に隣り合う電極線33〜36間の間隔を一定に維持したまま、中空絶縁体32の長手方向に螺旋状に延びている。更に、各電極線33〜36は、その一部が中空絶縁体32の内側で同中空絶縁体32に埋設されることにより、同中空絶縁体32によって保持されている。
【0032】
図2に示すように、電極線33及び電極線35は、長手方向の一端(図2において左側の端)が互いに接続されて導通するとともに、電極線34及び電極線36も、長手方向の一端(図2において左側の端)が互いに接続されて導通している。また、電極線35及び電極線36の長手方向の他端は、抵抗39を介して電気的に接続されている。更に、電極線33の長手方向の他端は、通電検知部41に電気的に接続されるとともに、電極線34の他端は、グランドGNDに接続(即ち車体3に接地)される。
【0033】
図3に示すように、上記のような異物検知センサ31は、両面テープ51でブラケット21に取り付けられている。尚、図1に示すように、本実施形態の異物検知センサ31の取付け場所は、ドアパネル5の周縁部に固定されたブラケット21であり、異物検知センサ31は、該ブラケット21を介してドアパネル5の周縁部に固定されるものである。
【0034】
図3及び図5(a)に示すように、両面テープ51は、帯状をなすとともに、その幅は、前記貼着面32aの幅よりも若干狭い。尚、図3及び図5においては、両面テープ51の形状をわかりやすくするために、両面テープ51に微細なドットを付している。この両面テープ51には、その幅方向の両端部に複数の切込み部52が形成されている。各切込み部52は、両面テープ51の幅方向の端部から幅方向の中央部に向かって切り込まれた形状をなしており、両面テープ51を厚さ方向に貫通している。また、各切込み部52は、両面テープ51の幅方向の中央部に向かうに連れて該切込み部52の幅(切込み部52における両面テープ51の長手方向に沿った方向の長さ)が狭くなる三角形状をなしている。また、両面テープ51の幅方向の両端部において、複数の切込み部52は、両面テープ51の長手方向の一端から他端まで両面テープ51の長手方向に沿って一定の間隔で形成されている。更に、両面テープ51の幅方向の一方の端部に形成された複数の切込み部52と、同両面テープ51の幅方向の他方の端部に形成された複数の切込み部52とは、同両面テープ51の長手方向に沿って互い違いに形成されている。尚、この両面テープ51において、厚さ方向の一方の面(図3において上面)を第1接着面51aとし、厚さ方向の他方の面(図3において下面)を第2接着面51bとする。
【0035】
ここで、異物検知センサ31のブラケット21への取付け手順と合わせて、本実施形態の異物検知センサ31の取付け構造の作用を説明する。
異物検知センサ31をブラケット21に取り付ける際には、まず、中空絶縁体32の貼着面32aに、両面テープ51の第1接着面51aが貼着される。このとき、両面テープ51は、その長手方向が中空絶縁体32の長手方向に沿うように貼着面32aに貼着される。その後、両面テープ51の第2接着面51bが、ブラケット21の取付け面23に貼着されることにより、異物検知センサ31は両面テープ51によってブラケット21に取り付けられる。このとき、異物検知センサ31は、中空絶縁体32の側面32bをブラケット21の位置決め面24に当接させることにより、ブラケット21に対する取付け面23の幅方向の位置決めがなされる。また、異物検知センサ31は、非直線状の取付け面23の形状に応じて、部分的に湾曲されながら両面テープ51にてブラケット21に貼り付けられる。図5(b)に示すように、ブラケット21に設けられた取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲されると、両面テープ51は、異物検知センサ31の湾曲に伴って切込み部52が異物検知センサ31の長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサ31の湾曲に追従する。更に、両面テープ51における切込み部52と切込み部52との間のそれぞれの部分において、少しずつ変形することができる。従って、異物検知センサ31を湾曲させることにより生じる両面テープ51の変形が、同両面テープ51の局所に集中することが抑制される。よって、異物検知センサ31を湾曲しても、両面テープ51が貼着面32aから剥離したり同両面テープ51に皺が生じたりすることが抑制される。
【0036】
図2に示すように、前記通電検知部41は、異物検知センサ31の長手方向の他端部(図2において右側の端部であって抵抗39が設けられた側の端部)に設けられるとともに、前記電極線33に電流を供給している。そして、図2及び図3に示すように、異物検知センサ31に押圧力等の外力が加えられていない通常の状態では、通電検知部41から電極線33に供給される電流は、電極線35を通り、抵抗39を介して電極線36,34に流れる。一方、図2及び図6に示すように、異物検知センサ31を潰すような外力(図6において矢印α参照)が加えられると、外力が加えられた部位の中空絶縁体32が弾性変形するとともに該中空絶縁体32の弾性変形に伴って電極線33〜36が撓曲し、電極線33,35の少なくとも一方の電極線と、電極線34,36の少なくとも一方の電極線とが接触して短絡される。すると、通電検知部41から電極線33に供給される電流は、抵抗39を介さずに電極線36,34に流れることになる。従って、例えば、一定の電圧で電極線33に電流を供給している場合には、電流値が変化するため、通電検知部41は、この時の電流値の変化を検知することにより、異物検知センサ31に接触した異物を検知する。そして、通電検知部41は、この電流値の変化を検知すると、即ち異物検知センサ31に接触した異物を検知すると、後述のドアECU61に異物検知信号を出力する。尚、異物検知センサ31に対する外力が取り除かれると、中空絶縁体32が復元し、電極線33〜36も復元して非導通状態となる。
【0037】
図1及び図2に示すように、電動バックドア装置2は、ドアパネル5の内部に、前記アクチュエータ6によるドアパネル5の開閉作動を制御するドアECU61を備えている。ドアECU61は、ROM(Read only Memory)、RAM(Random access Memory)等を備えマイクロコンピュータとしての機能を有するとともに、車両1のバッテリ(図示略)から電源の供給を受けている。また、ドアECU61は、該ドアECU61に電気的に接続された通電検知部41に電流を供給している。そして、ドアECU61は、操作スイッチ9、位置検出装置8及び通電検知部41等から入力される各種信号に基づいてアクチュエータ6を制御する。
【0038】
次に、上記のように構成された電動バックドア装置2の動作を、図1及び図2を参照して統括的に説明する。
ドアECU61は、操作スイッチ9から開信号が入力されると、ドアパネル5を開作動させるべくアクチュエータ6を駆動する。尚、ドアECU61は、位置検出装置8から入力される位置検出信号に基づいてドアパネル5の回動位置を認識している。本実施形態では、ドアECU61は、位置検出信号のパルス数をカウントし、そのカウント値に基づいてドアパネル5の回動位置を認識している。そして、ドアパネル5が全開位置に配置されると、ドアECU61はアクチュエータ6を停止する。
【0039】
一方、操作スイッチ9から閉信号が入力されると、ドアECU61は、ドアパネル5を閉作動させるべくアクチュエータ6を駆動する。そして、ドアパネル5が全閉位置に配置されると、ドアECU61は、アクチュエータ6を停止する。尚、ドアパネル5の閉作動中に、異物検知センサ31に異物が接触して同異物検知センサ31に外力が加えられると、異物検知センサ31において中空絶縁体32が弾性変形されることにより電極線33,35の少なくとも一方の電極線と電極線34,36の少なくとも一方の電極線とが接触して短絡される。その結果、電極線33に供給する電流の電流値が変化するため、通電検知部41がドアECU61に異物検知信号を出力する。ドアECU61は、異物検知信号が入力されると、アクチュエータ6を反転させてドアパネル5を所定量だけ開作動させた後に同アクチュエータ6を停止させる。
【0040】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)異物検知センサ31は、従来のようにプロテクタを用いることなく同プロテクタよりも安価な両面テープ51でドアパネル5の周縁部に固定されたブラケット21に取り付けられる。そして、ブラケット21に設けられた取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲された場合、両面テープ51は、異物検知センサ31の湾曲に伴って切込み部52が異物検知センサ31の長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサ31の湾曲に追従しやすくなる。また、両面テープ51は切込み部52を有するため、異物検知センサ31の湾曲に伴う両面テープ51の変形が、同両面テープ51の局所に集中することが抑制される。従って、両面テープ51が貼着面32aから剥離したり同両面テープ51に皺が生じたりすることが抑制されるため、第1接着面51aは貼着面32aに、第2接着面51bは取付け面23にそれぞれ安定して密着することができる。これらのことから、安価に且つ安定して異物検知センサ31をドアパネル5の周縁部に固定されたブラケット21に取り付けることができる。
【0041】
(2)切込み部52は、両面テープ51において、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲される部分に対応する部分、即ち異物検知センサ31が直線状に取り付けられる部分に対応する部分に比べて当該両面テープ51が大きく引っ張られたり縮められたりする部分にも形成されている。そのため、異物検知センサ31が湾曲される部分において両面テープ51が貼着面32aから剥離したり両面テープ51に皺が生じたりすることを効果的に抑制できる。従って、第1接着面51aは貼着面32aに、第2接着面51bは取付け面23にそれぞれより安定して密着することができ、より安定して異物検知センサ31をブラケット21に取り付けることができる。
【0042】
(3)貼着面32aが形成された中空絶縁体32は中空状をなすとともに、中空絶縁体32の内側に設けられた4本の電極線33〜36は同中空絶縁体32の長手方向に螺旋状に延びている。そのため、異物検知センサ31は、湾曲させ易い構成となっている。従って、異物検知センサ31は、湾曲した状態で両面テープ51によって安定してブラケット21に取り付けられる。
【0043】
(4)異物検知センサ31をブラケット21に安価に取り付けることができるため、異物検知装置11の製造コストを低減できる。また、異物検知センサ31は、両面テープ51によって安定してブラケット21に取り付けられているため、異物検知センサ31に異物から外力が加えられたときに、安定して弾性変形することができる。従って、異物の検知感度の低下を抑制できる。
【0044】
(5)従来、取付け場所の取付け面が大きな曲率で湾曲しているために、両面テープが異物検知センサの湾曲に追従しきれず、取付け面における大きな曲率で湾曲している部分を避けるように複数本に分割して取り付けていた異物検知センサを、1本で構成することが可能となる。そして、取付け面全体に亘って1本の異物検知センサ31を取り付ける場合には、異物検知センサ31を複数本取り付ける場合に比べて、製造コストを低減することができる。更に、取付け面が大きな曲率で湾曲している部分にも異物検知センサ31が配置されるため、取付け面が大きな曲率で湾曲している部分においても異物の接触を検知することができるようになる。
【0045】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、車両1の後部に設けられた後部開口部4を開閉するドアパネル5を電動で開閉作動させる電動バックドア装置2に異物検知装置11を備えた。しかしながら、異物検知装置11は、電動バックドア装置2以外に、車両1に設けられた開口部を開閉する開閉体を電動で開閉作動させる電動ドア開閉装置に備えられてもよい。例えば、異物検知装置11は、車両1の側方に設けられた開口部(乗降口)を開閉するドアパネル(開閉体)を電動でスライド移動させる電動スライドドア装置に備えられてもよい。また、異物検知装置11は、車両1の上面に設けられた開口部を開閉するルーフパネル(開閉体)を電動で開閉作動させるサンルーフ装置に備えられてもよい。そして、何れの場合においても、異物検知センサ31は、車両1に設けられた開口部の周縁部、若しくは前記開口部を開閉する開閉体における前記開口部の周縁部と対向する周縁部に取り付けられる。
【0046】
・上記実施形態では、異物検知センサ31は、ドアパネル5における後部開口部4の周縁部と対向する周縁部にブラケット21を介して取り付けられている。しかしながら、異物検知センサ31は、後部開口部4の周縁部におけるドアパネル5の周縁部と対向する部分に取り付けられてもよい。この場合、後部開口部4の周縁部におけるドアパネル5の周縁部と対向する部分が取付け場所となり、この部分に取付け面が設けられる。
【0047】
・上記実施形態では、通電検知部41は、電極線33に一定の電圧で電流を供給し、電極線33〜36同士の接触に起因する電流値の変化を検知すると異物検知信号を出力する。しかしながら、通電検知部41は、電極線33〜36同士の接触に起因する電圧値の変化を検知すると異物検知信号を出力するように構成されてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、両面テープ51の幅方向の一方の端部に形成された複数の切込み部52と、同両面テープ51の幅方向の他方の端部に形成された複数の切込み部52とは、同両面テープ51の長手方向に沿って互い違いに形成されている。しかしながら、図7(a)に示すように、両面テープ51の幅方向の一方の端部に形成された複数の切込み部52と、同両面テープ51の幅方向の他方の端部に形成された複数の切込み部52とは、両面テープ51の幅方向にそれぞれ隣り合うように形成されてもよい。このようにしても、図7(b)に示すように、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲されると、両面テープ51は、異物検知センサ31の湾曲に伴って切込み部52が異物検知センサ31の長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサ31の湾曲に追従する。更に、両面テープ51における切込み部52と切込み部52との間のそれぞれの部分において、少しずつ変形することができる。従って、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
・両面テープ51に形成される切込み部の形状及び数は、上記実施形態の形状及び数に限らない。切込み部は、両面テープ51の長手方向の少なくとも1箇所に同両面テープ51の幅方向に切り込まれていればよい。例えば、図8(a)に示す例では、両面テープ51の幅方向の両端部に形成された複数の切込み部53は、両面テープ51の幅方向の端部から幅方向の中央部に向かって切り込まれた形状をなしており、両面テープ51を厚さ方向に貫通している。そして、各切込み部53は、両面テープ51の厚さ方向から見た形状が、矩形状をなしている。また、両面テープ51の幅方向の両端部において、複数の切込み部53は、両面テープ51の長手方向の一端から他端まで両面テープ51の長手方向に沿って一定の間隔で形成されている。更に、両面テープ51の幅方向の一方の端部に形成された複数の切込み部53と、同両面テープ51の幅方向の他方の端部に形成された複数の切込み部53とは、同両面テープ51の長手方向に沿って互い違いに形成されている。
【0050】
このようにしても、図8(b)に示すように、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲されると、両面テープ51は、異物検知センサ31の湾曲に伴って切込み部53が異物検知センサ31の長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサ31の湾曲に追従する。更に、両面テープ51における切込み部54と切込み部54との間のそれぞれの部分において、少しずつ変形することができる。従って、異物検知センサ31を湾曲させることにより生じる両面テープ51の変形が、同両面テープ51の局所に集中することが抑制される。よって、異物検知センサ31を湾曲しても、両面テープ51が貼着面32aから剥離したり同両面テープ51に皺が生じたりすることが抑制される。従って、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、図9に示すように、両面テープ51の幅方向の一方の端部に形成された複数の切込み部53と、同両面テープ51の幅方向の他方の端部に形成された複数の切込み部53とは、両面テープ51の幅方向にそれぞれ隣り合うように形成されてもよい。
【0051】
また、図10に示す例では、切込み部54は、両面テープ51における、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲される部分に対応する(貼着される)部分にのみ形成されている。切込み部54は、両面テープ51における異物検知センサ31が湾曲される部分に対応した部分に複数(図10に示す例では4つ)形成されている。そして、各切込み部54は、両面テープ51を同両面テープ51の幅方向に横切り、同両面テープ51を長手方向に分割している。このようにしても、上記実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。更に、切込み部54は、両面テープ51における、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲される部分に対応する部分のみに形成されているため、両面テープ51において、異物検知センサ31が直線状に取り付けられる部分に対応する部分には切込み部54は形成されていない。従って、異物検知センサ31が直線状に取り付けられる部分では、貼着面32a及び取付け面23と両面テープ51とがより広い面積で接着されるため、異物検知センサ31をブラケット21に更に安定して取り付けることができる。しかも、切込み部54は、両面テープ51を同両面テープ51の幅方向に横切り同両面テープ51を長手方向に分割しているため、異物検知センサ31をどの方向に湾曲した場合であっても、両面テープ51が貼着面32aから剥離したり両面テープ51に皺が生じたりすることを抑制できる。更に、切込み部が両面テープ51を長手方向に分割しない場合に比べて、異物検知センサ31をより大きく湾曲しても両面テープ51が貼着面32aから剥離したり両面テープ51に皺が生じたりし難い。
【0052】
また、図11(a)に示す例では、切込み部55は、両面テープ51における、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲される部分に対応する(貼着される)部分にのみ形成されている。そして、切込み部55は、両面テープ51における異物検知センサ31が湾曲される部分に対応した部分に複数(図11(a)に示す例では4つ)形成されている。また、各切込み部55は、両面テープ51を同両面テープ51の幅方向に横切り、同両面テープ51を長手方向に分割している。更に、各切込み部55は、異物検知センサ31が湾曲された場合に同異物検知センサ31の湾曲部の外側となる部分から内側となる部分に向かうに連れて幅(両面テープ51の長手方向に沿った方向の切込み部55の幅)が広くなるように形成されている。
【0053】
このようにしても、図11(b)に示すように、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲されると、両面テープ51は、異物検知センサ31の湾曲に伴って切込み部52が異物検知センサ31の長手方向に開く若しくは閉じることにより、異物検知センサ31の湾曲に追従する。更に、両面テープ51における切込み部55と切込み部55との間のそれぞれの部分において、少しずつ変形することができる。従って、異物検知センサ31を湾曲させることにより生じる両面テープ51の変形が、同両面テープ51の局所に集中することが抑制される。よって、異物検知センサ31を湾曲しても、両面テープ51が貼着面32aから剥離したり同両面テープ51に皺が生じたりすることが抑制される。従って、上記実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。また、図10に示す例と同様の効果を得ることができる。更に、異物検知センサ31が湾曲された湾曲部において、両面テープ51の幅方向の両端部のうち当該湾曲部の内側寄りの端部での両面テープ51の変形量をより小さくすることができる。従って、異物検知センサ31が湾曲された湾曲部において、両面テープ51に皺が生じることをより抑制することができる。
【0054】
尚、図10及び図11に示す例において、切込み部54,55は、両面テープ51の長手方向の一端から他端まで両面テープ51の長手方向に沿って所定の間隔で形成されてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、両面テープ51の幅方向の両端部において、複数の切込み部52は、両面テープ51の長手方向の一端から他端まで両面テープ51の長手方向に沿って一定の間隔で形成されている。しかしながら、切込み部52は、両面テープ51における、取付け面23の形状に応じて異物検知センサ31が湾曲される部分に対応する(貼着される)部分にのみ形成されてもよい。このようにすると、異物検知センサ31が直線状に取り付けられる部分では、貼着面32a及び取付け面23と両面テープ51とがより広い面積で接着されるため、異物検知センサ31をブラケット21に更に安定して取り付けることができる。
【0056】
・中空絶縁体32の外周面は、貼着面32aが形成されていれば、貼着面32a以外の部分の形状は上記実施形態の形状に限らない。例えば、中空絶縁体32の外周面は、多角筒状に形成されてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、異物検知センサ31は、ブラケット21を介してドアパネル5の周縁部に取り付けられている。しかしながら、異物検知センサ31は、両面テープ51にてドアパネル5の周縁部に直接取り付けられてもよい。この場合、ドアパネル5の周縁部が異物検知センサ31の取付け場所となり、ドアパネル5の周縁部に取付け面が設けられる。
【0058】
・上記実施形態では、異物検知センサ31は、4本の電極線33〜36を備えている。しかしながら、電極線は、異物検知センサ31に少なくとも2本備えられればよく、例えば6本備えられてもよい。また、電極線33〜36は、中空絶縁体32の内部で互いに離間して対向配置されるのであれば、必ずしも螺旋状をなさなくてもよい。
【0059】
・電極線33〜36は、軟銅よりなる単線であってもよい。また、電極線33〜36は、帯状であってもよい。
・異物検知センサ31は、弾性変形することで異物検知センサ31に接触した異物を検知するだけでなく、近接する異物との間の静電容量を検出できるように構成されてもよい。この場合、異物検知装置11では、異物検知センサ31を用いて検出された静電容量に基づいて、異物検知センサ31に近接する異物を検知する。
【符号の説明】
【0060】
3…車体、4…開口部としての後部開口部、5…開閉体としてのドアパネル、23…取付け面、31…異物検知センサ、32…中空絶縁体、32a…貼着面、33〜36…電極線、51…両面テープ、51a…第1接着面、51b…第2接着面、52〜55…切込み部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物から外力を受けて弾性変形されることにより前記異物を検知する異物検知センサを取付け場所に取り付ける異物検知センサの取付け構造であって、
前記取付け場所には、前記異物検知センサを取り付けるための取付け面が設けられ、
前記異物検知センサの外周面には、前記異物検知センサの長手方向に沿って延びる帯状の貼着面が形成され、
長手方向の少なくとも1箇所に幅方向に切り込まれた切込み部を有する両面テープの厚さ方向の一方の第1接着面が前記貼着面に貼着され、前記両面テープの厚さ方向の他方の第2接着面が前記取付け面に貼着されていることを特徴とする異物検知センサの取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載の異物検知センサの取付け構造において、
前記切込み部は、前記両面テープにおける、前記取付け面の形状に応じて前記異物検知センサが湾曲される部分に対応する部分に形成されていることを特徴とする異物検知センサの取付け構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の異物検知センサの取付け構造において、
前記切込み部は、前記両面テープを前記両面テープの幅方向に横切り前記両面テープを長手方向に分割していることを特徴とする異物検知センサの取付け構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の異物検知センサの取付け構造において、
前記異物検知センサは、弾性変形可能な長尺状の中空絶縁体と、前記中空絶縁体の内部で互いに離間して対向配置されるとともに前記中空絶縁体の長手方向に螺旋状に延び前記中空絶縁体の弾性変形に伴って撓曲することで互いに接触可能な複数の電極線とを有し、
前記貼着面は、前記中空絶縁体の外周面に形成されていることを特徴とする異物検知センサの取付け構造。
【請求項5】
外力を受けて弾性変形される異物検知センサと、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の異物検知センサの取付け構造とを有し、前記異物検知センサの弾性変形により前記異物検知センサに接触した異物を検知することを特徴とする異物検知装置。
【請求項6】
請求項5に記載の異物検知装置において、
前記異物検知センサは、車体に設けられた開口部の周縁部、若しくは前記開口部を閉塞する開閉体における前記開口部の周縁部と対向する周縁部に取り付けられたことを特徴とする異物検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−86714(P2013−86714A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230742(P2011−230742)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)