説明

疑似餌収納ケース

【課題】疑似餌を傷付けることなく保持固定して持ち運ぶことができるとともに、洗浄性に優れた疑似餌収納ケースを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の疑似餌収納ケース1は、疑似餌50を載置するための載置面2aを有するベース体2と、ベース体2上に立設され、疑似餌50の基部53を係止して保持するための複数の係止溝29が形成される保持板20と、疑似餌50の少なくとも釣針50bを外側から覆って収納するための開閉自在な収納カバー5とを備える。この疑似餌収納ケース1によれば、複数の疑似餌50をその擬似餌本体50aが収納カバー5の外側に露出した状態でベース体2の載置面2a上に並べて保持板20に取り付け保持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小魚等の餌の形態を模した疑似餌本体に釣針を取り付けて成る釣用疑似餌を収納するための疑似餌収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ルアーフィッシングにおいては、餌の形態を模した疑似餌本体(ルアー本体)に釣針を取り付けて成る釣用疑似餌(ルアー)が用いられる。このようなルアーは、ルアー本体および釣針の形態、ルアー本体に対する釣針の取り付け位置や取り付け形態などに関して様々なものが知られているが、いずれも、水中でのリーリングにより小魚が泳ぐような動きをルアーに与えることにより対象魚を誘い、ルアー本体を捕食しようとする対象魚をルアー本体の釣針に針掛かりさせるものである。
【0003】
例えば、イカ釣りでは、餌木と呼ばれるイカ釣り専用のルアーが用いられ、この餌木は、海老や小魚の形態を模した餌木本体と、餌木本体の尻尾部に一体に設けられる傘針とから成る。そして、このような餌木は、イカが餌木に誘われて餌木本体に抱き付くことにより傘針がイカの身肉に引っ掛って釣れるようになっている。
【0004】
ところで、餌木本体は様々な光沢や色彩のものが各種存在しており、釣り人はその時の状況に応じた光沢や色彩の餌木を選択して使用する。また、これらの光沢や色彩といった餌木固有の要素は、釣果に大きな影響を及ぼすものであるため、餌木を使用後に洗浄するとともに傷付けることなく保管収納して持ち運ぶことが望まれる。
【0005】
そのため、従来から、餌木を傷付けないように保管収納して持ち運ぶための収納ケースが知られている。例えば、特許文献1は、複数の通し溝を形成した係止板と、複数の挟み溝を形成した保持板とをケース本体に装着して成り、釣針の軸部を通し溝に係止させてルアー本体を挟み溝に挟み込むことによりルアーを収納保持できるようになっている釣り用ルアーケースを開示している。また、特許文献2は、餌木の尻尾部を嵌入可能な略V字形の切欠部を形成した仕切板をケース本体内に立設し、餌木本体収納部に軟質保護シートを敷設して成る餌木収納ケースを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−214749号
【特許文献2】特開2001−204338号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および特許文献2に開示される収納ケースはいずれも、ルアー(餌木)を傷付けないように運搬することを課題としているため、ケース本体内でルアーの釣針(フック)を固定してルアー本体を保持することはできるが、釣行後に使用したルアーを1つずつ洗浄してケースに取り付けなければならず、効率的な洗浄を行なえるとは言い難かった。
【0008】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、疑似餌を傷付けることなく保持固定して持ち運ぶことができるとともに、洗浄性に優れた疑似餌収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、餌の形態を模した疑似餌本体の基部に釣針を取り付けて成る疑似餌を収納するための疑似餌収納ケースであって、疑似餌を載置するための載置面を有するベース体と、前記ベース体上に立設され、疑似餌の基部を係止して保持するための複数の係止溝が形成される保持板と、疑似餌の少なくとも釣針を外側から覆って収納するための開閉自在な収納カバーとを備え、複数の疑似餌をその擬似餌本体が前記収納カバーの外側に露出した状態で前記ベース体の載置面上に並べて前記保持板に取り付け保持できることを特徴とする。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、複数の疑似餌をベース体の載置面上に並べて保持板に取り付け保持できるため、疑似餌を傷付けることなく保持固定して持ち運ぶことが可能になるとともに、擬似餌本体を収納カバーの外側に露出した状態で載置面上に並べて保持できるため、複数の疑似餌を収納ケースに収納した状態で一括洗浄でき、洗浄性に優れる(洗浄効率が良い)。また、開閉自在な収納カバーによって疑似餌の釣針を覆うことができるため、収納ケースの取り扱い中に釣針が指に刺さる事態を回避でき、安全な使用を確保できる。
【0011】
なお、上記構成において、収納カバーは、複数の疑似餌の釣針を一括して覆うようになっていてもよく、あるいは、個々の疑似餌の釣針を個別に収納できるように各疑似餌に対応して個別に設けられてもよい。また、収納カバーは、釣針を外部に露出させる開放状態と、釣針を覆って収納する閉塞状態との間で開閉できれば、その開閉形態はどのような形態であってもよい。更に、保持板に形成される係止溝の数、および、ベース体上に立設される保持板の数は任意である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記収納カバーには、その閉じられた状態でも内側の釣針を洗浄できるようにする通水孔が設けられることを特徴とする。
【0013】
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、収納カバーに設けた通水孔の存在により、収納カバーが閉じられた状態でもカバー内側の釣針を容易に洗浄することができ(通水孔を通じて収納カバーの内側に洗浄水を流通させることができ)、複数の疑似餌を収納ケースに収納した状態での一括洗浄を疑似餌全体にわたって良好に行なうことができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記収納カバーには、その閉じられた状態で保持板に保持される疑似餌の釣針を保持板に対して押し付け付勢するための付勢手段が設けられることを特徴とする。
【0015】
この請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、保持板に保持される疑似餌の釣針が付勢手段によって保持板に押し付けられるため、保持板に対する疑似餌の保持安定性が良好となり、収納ケースの移動時や洗浄時に収納カバーと疑似餌の表面とが互いに擦れ合って傷付くことを防止できる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、釣針が押し付けられる前記保持板の表面は、釣針の滑りを防止する防滑面として形成されることを特徴とする。
【0017】
この請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用効果を更に促進できるとともに、付勢手段によって保持板に押し付けられる疑似餌の釣針が保持板の表面に対して滑ることが防止され、保持板と疑似餌の釣針とが互いに擦れ合って針先が傷んだり、保持板が傷付くことを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、疑似餌を傷付けることなく保持固定して持ち運ぶことができるとともに、洗浄性に優れた疑似餌収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】収納カバーが閉じられた状態における本発明の一実施形態に係る疑似餌収納ケースの斜視図である。
【図2】収納カバーが開放された状態における本発明の一実施形態に係る疑似餌収納ケースの斜視図である。
【図3】疑似餌の釣針を保持板に対して押し付け付勢するための付勢手段の幾つかの例を示す部分斜視図である。
【図4】疑似餌が保持板に保持されて収納カバーが閉じられた状態における図1の疑似餌収納ケースの横断面図である。
【図5】保持板の係止溝と釣針が押し付けられる保持板の表面とを拡大して示す保持板の部分正面図である。
【図6】収納カバーの変形例を示し、(a)は収納カバーの斜視図、(b)は収納カバーの開閉構造を特に示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る疑似餌収納ケースの実施形態について説明する。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態に係る疑似餌収納ケース1は、複数の釣用疑似餌50を一括して収納するためのものであり、複数の疑似餌50を載置するための載置面2aを有するベース体2を備える。
【0022】
なお、本実施形態の疑似餌50は、例えばイカ釣り専用の餌木として形成されており、図4に明確に示されるように、餌(海老や小魚等)の形態を模した疑似餌本体(餌木本体)50aを有し、疑似餌本体50aには、必要に応じて目や髭等が取付けられ、色柄模様が付される。また、疑似餌本体50aの基部53には傘針状の釣針50bが一体に設けられており、疑似餌本体50aの先端部には、魚釣用リールから繰り出される釣糸が連結係止される釣糸係止部が設けられる。
【0023】
また、図1および図2に示されるように、疑似餌収納ケース1のベース体2上には、疑似餌の基部53を係止して保持するための複数の係止溝29が形成される複数(図では3つ)の保持板20が立設されている。この場合、保持板20は、後述する収納カバー5を閉じた状態で収納カバー5同士の間に疑似餌本体50aのための載置空間Sを確保するように、互いに所定の間隔を隔てて略平行に並列配置されている。また、保持板20に形成される複数の係止溝29は、保持板20の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられており、保持板20の上端縁から略鍵穴状に下方へと延びている。具体的には、各係止溝29は、疑似餌本体50aの基部53を通し入れるための直線状の通し溝29aと、疑似餌本体50aの基部53を下側から保持する略円形状の凹溝29bとから成る(特に図4および図5参照)。
【0024】
また、本実施形態の疑似餌収納ケース1は、保持板20に保持される疑似餌50の少なくとも釣針50bを外側から覆って収納するための開閉自在な箱型の収納カバー5を備えている。本実施形態において、収納カバー5は、例えば合成樹脂によって形成されており、各保持板20毎に1つずつ対応付けて設けられる(すなわち、3つ設けられている)。具体的には、各収納カバー5は、対応する1つの保持板20に保持される全ての疑似餌50の基部53の一部と釣針50bとを一括して覆うように保持板20の全長にわたって延びており、前壁5aと、上壁5bと、後壁5cと、左右側壁5d,5dとによって疑似餌50の基部53の一部と釣針50bとを収納するための収納空間Vを内側に形成することができる。そして、各収納カバー5は、両側壁5d,5dの外面から側方に突設される回動軸11がベース体2の両端縁に立設されたブラケット13に回動可能に軸支されることにより、釣針50bを外部に露出させる開放状態(図2の右端に位置される収納カバー5を参照)と、釣針50bを覆って収納する閉塞状態(図1参照)との間で開閉できるようになっている。そして、収納カバー5が閉じられた状態では、疑似餌50の擬似餌本体50a(基部53の一部を除く)のみが収納カバー5の外側に露出した状態でベース体2の載置空間S内に位置される。
【0025】
なお、本実施形態において、各収納カバー5は、対応する1つの保持板20に保持される全ての疑似餌50の基部53の一部と釣針50bとを一括して覆うように保持板20の全長にわたって延びているが、個々の疑似餌50の釣針50bを個別に収納できるように各疑似餌50に対応して個別に設けられてもよいことは言うまでもない。
【0026】
なお、各収納カバー5の前壁5aには、保持板20に保持される各疑似餌50の擬似餌本体50aの外周面と遊嵌する嵌合溝15が、保持板20の各係止溝29に対応して設けられている。すなわち、収納カバー5の前壁5aには、その下端縁から略逆U字状を成して上方へと延びる嵌合溝15が、係止溝29の数と同じ数だけ、前壁5aの長手方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられている。また、図2に明確に示されるように、各収納カバー5の前壁5aの長手方向の略中央部位には、その下端縁に所定形状のロック片37が形成されており、このロック片37がベース体2の載置面2a上に形成される係止穴39に係脱自在に係止されることにより収納カバー5の閉塞状態がロックされるようになっている。
【0027】
また、各収納カバー5には、その閉じられた状態でも内側の釣針50bを洗浄できるようにする通水孔9が設けられている。具体的に、本実施形態の通水孔9は、(閉じられた状態の)収納カバー5の後壁5cの下端縁とベース体2の載置面2aとの間に設けられる隙間として形成されており、収納カバー5の全長にわたって延びている。
【0028】
また、各収納カバー5には、その閉じられた状態で保持板20に保持される疑似餌50の釣針50bを保持板20に対して押し付け付勢するための付勢手段が設けられている。具体的には、この付勢手段は、収納カバー5の後壁5cの内面に、収納空間Vに面して各係止溝29毎に対応して設けられる(図1および図2参照)。より具体的には、本実施形態の付勢手段は、図3の(a)および図4に明確に示されるように、後壁5cの内面から収納空間V内へと突出した状態で垂下する板バネ状の切片25として形成される。これらの切片25は、後壁5cへ向けて弾性的に変形できるように後壁5cから一定の隙間30を隔てて位置される。
【0029】
なお、このような付勢手段としては、前述した切片25以外に、様々な形態のものが考えられる。例えば、図3の(b)に示される付勢手段は、左右両端が後壁5cに接続された状態で収納空間V内へと凸状に突き出る薄肉の(変形し易いように厚さが薄い)ストリップ25Aとして形成されており、後壁5cへ向けて弾性的に変形できるように後壁5cから一定の隙間32を隔てて位置される。また、図3の(c)に示される付勢手段は、後壁5cの内面に固定される弾性体25Bから成る。この弾性体25Bは、合成樹脂性の発泡材、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体などから形成され、各係止溝29毎に対応して設けられてもよく、あるいは、後壁5cの全長にわたって長く延在していてもよい(保持板20に保持される全ての疑似餌50に共通の付勢手段として設けられてもよい)。付勢手段を各係止溝29毎に対応して設けると、それぞれの疑似餌50の釣針50bの長さに対応して付勢手段が個別に変形できるため、釣針50bをその長さとは無関係に保持板20に対して確実に押し当てることができ、有益である。
【0030】
また、本実施形態において、付勢手段によって釣針50bが押し付けられる保持板20の表面は、釣針50bの滑りを防止する防滑面として形成されている。具体的には、図5の(a)に示されるように、釣針50bが押し付けられる保持板20の表面(当接面)20aは、略平行に延びる複数の線状の凹部または凸部40を含む防滑面58として形成されている。あるいは、釣針50bが押し付けられる保持板20の表面(当接面)20aは、図5の(b)に示されるように、多数の凹状の穴42が点在して成る防滑面58として形成されてもよく、または、図5の(c)に示されるように、保持板20に貼り付けられ且つ保持板20の素材に比べて軟質な部材45から成る防滑面58として形成されてもよい。
【0031】
このように、上記構成の疑似餌収納ケース1を用いて疑似餌50を収納保持する場合には、まず、収納カバー5を開放した状態で、使用済みの疑似餌50の基部53を保持板20の係止溝29に係止させる。その後、収納カバー5を閉じて、収納カバー5のロック片37をベース体2の係止穴39に係止させて収納カバー5の閉塞状態をロックすると、収納カバー5の後面5cに設けられた付勢手段25(または、25A,25B)によって、疑似餌50の釣針50bが保持板20に対して押し当てられ、保持板20に対する疑似餌50の保持状態が安定してガタ付くことなく固定される。この状態では、ベース体2上にある全ての疑似餌50は、その擬似餌本体50aが収納カバー5の外側に露出した状態で、ベース体2の載置面2a上に並べて保持板20に取り付け保持されている。そして、その状態で、今度は、疑似餌収納ケース1ごと水中に浸して揺さぶることにより、あるいは、疑似餌収納ケース1全体に洗浄水をかけ流すなどして、疑似餌収納ケース1を洗浄すると、収納カバー5の外部に露出する疑似餌本体50aが洗浄されるのは勿論のこと、収納カバー5の通水孔9を通じて収納カバー5内の収納空間V内にも洗浄水が流通するため、収納空間V内に位置する疑似餌50の釣針50bも洗浄される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の疑似餌収納ケース1によれば、複数の疑似餌50をベース体2の載置面2a上に並べて保持板20に取り付け保持できるため、疑似餌50を傷付けることなく保持固定して持ち運ぶことが可能になるとともに、擬似餌本体50aを収納カバー5の外側に露出した状態で載置面2a上に並べて保持できるため、複数の疑似餌50を収納ケース1に収納した状態で一括洗浄でき、洗浄性に優れる(洗浄効率が良い)。また、開閉自在な収納カバー5によって疑似餌50の釣針50bを覆うことができるため、収納ケース1の取り扱い中に釣針50bが指に刺さる事態を回避でき、安全な使用を確保できる。
【0033】
また、本実施形態の疑似餌収納ケース1によれば、収納カバー5に設けた通水孔9の存在により、収納カバー5が閉じられた状態でもカバー内側の釣針50bを容易に洗浄することができ(通水孔9を通じて収納カバー5の内側に洗浄水を流通させることができ)、複数の疑似餌50を収納ケース1に収納した状態での一括洗浄を疑似餌全体にわたって良好に行なうことができる。
【0034】
また、本実施形態の疑似餌収納ケース1によれば、保持板20に保持される疑似餌50の釣針50bが付勢手段25(25A,25B)によって保持板20に押し付けられるため、保持板20に対する疑似餌50の保持安定性が良好となり、収納ケース1の移動時や洗浄時に収納カバー5と疑似餌50の表面とが互いに擦れ合って傷付くことを防止できる。
【0035】
また、本実施形態の疑似餌収納ケース1によれば、釣針50bが押し付けられる保持板20の表面が、釣針50bの滑りを防止する防滑面58として形成されているため、釣針50bが保持板20の表面に対して滑ることが防止され、保持板20に対する疑似餌50の保持安定性が良好となって、収納ケース1の移動時や洗浄時に収納カバー5と疑似餌50の表面とが互いに擦れ合って傷付くことを防止できるとともに、保持板20と疑似餌50の釣針50bとが互いに擦れ合って針先が傷んだり、保持板20が傷付くことも防止できる。
【0036】
以上、本発明の様々な実施形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態において、収納カバー5は、複数の疑似餌50の釣針50bを一括して覆うようになっているが、個々の疑似餌50の釣針50bを個別に収納できるように各疑似餌50に対応して個別に収納カバー5を設けてもよい。また、保持板20に形成される係止溝29の数、および、ベース体2上に立設される保持板20の数は任意である。また、収納カバー5は、釣針50bを外部に露出させる開放状態と、釣針50bを覆って収納する閉塞状態との間で開閉できれば、その開閉形態はどのような形態であってもよく、例えば図6に示されるように、ベース体2と収納カバー5の後壁5cの下端部とが薄肉の連結部55で結合され、この結合部55を中心に収納カバー5がベース体2に対して開閉(回動)できるようになっていてもよい。また、前述した実施形態において、通水孔9は、(閉じられた状態の)収納カバー5の後壁5cの下端縁とベース体2の載置面2aとの間に設けられる隙間として形成され、収納カバー5の全長にわたって延びているが、図6に示されるように、(閉じられた状態の)収納カバー5の後壁5cの下端縁とベース体2の載置面2aとの間に隙間を設けることなく、収納カバー5の後壁5cに複数の通水孔9Aを所定の間隔を隔てて設けてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 疑似餌収納ケース
2 ベース体
2a 載置面
5 収納カバー
9,9A 通水孔
20 保持板
25,25A,25B 付勢体(付勢手段)
29 係止溝
50 疑似餌
50a 疑似餌本体
50b 釣針
53 基部
58 防滑面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
餌の形態を模した疑似餌本体の基部に釣針を取り付けて成る疑似餌を収納するための疑似餌収納ケースであって、
疑似餌を載置するための載置面を有するベース体と、
前記ベース体上に立設され、疑似餌の基部を係止して保持するための複数の係止溝が形成される保持板と、
疑似餌の少なくとも釣針を外側から覆って収納するための開閉自在な収納カバーと、
を備え、
複数の疑似餌をその擬似餌本体が前記収納カバーの外側に露出した状態で前記ベース体の載置面上に並べて前記保持板に取り付け保持できることを特徴とする疑似餌収納ケース。
【請求項2】
前記収納カバーには、その閉じられた状態でも内側の釣針を洗浄できるようにする通水孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の疑似餌収納ケース。
【請求項3】
前記収納カバーには、その閉じられた状態で保持板に保持される疑似餌の釣針を保持板に対して押し付け付勢するための付勢手段が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の疑似餌収納ケース。
【請求項4】
釣針が押し付けられる前記保持板の表面は、釣針の滑りを防止する防滑面として形成されることを特徴とする請求項3に記載の疑似餌収納ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−115198(P2012−115198A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266919(P2010−266919)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】