説明

痩身作用を有する飲料

【課題】 痩身作用を有する飲料を提供し、痩身願望の人々に副作用のない、日常的飲料として摂取することができるようにする。
【解決手段】 香料の香りが交感神経活性化作用を有する事を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は少なくとも1種以上の香料よりなる成分として含むことを特徴とする飲料を提供するものであるが、具体的には、キズイセンオイル、カーネーションオイル、ジャスミンオイル、シソオイル、セロリーオイル、より選ばれる1種又は2種以上の原料による香料を含有する痩身作用を有する飲料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、痩身作用を有する飲料を提供し、痩身願望の人々に副作用のない、日常的飲料として摂取することができるようにする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自律神経系はその働きの違いから交感神経系と副交感神経系に分類されており、各臓器や器官の機能を相互に調節している。そのうち交感神経系の活性化は心拍数増加、胃腸活動の抑制他、様々な作用を及ぼすことが知られており、ホルモン等の作用を受けると同時に精神的な緊張状態によっても引き起こされる。一方、香料が様々な精神作用を及ぼすことは伝承的にも良く知られており、気持ちを落ち着ける香りが古くから知られている。更に近年では、その鎮静用が脳波測定等によっても実証されつつある。
【0003】
特開2003−310213号公報(特許文献1)には、特定の化合物とウーロン茶、プアール茶、焙煎ハトムギ、杜仲の葉、ジャスミンの花からなる群から選択される抽出物を含有することを特徴とする痩身用食品。更に、(c)糖アルコールを含有する請求項1記載の痩身用食品。更に、(d)L−ヒスチジン、プロリンを含有する痩身用食品。(a)と(b)の含有比が10:1〜1:20である痩身用食品。
【0004】
特開2003−160483号公報(特許文献2)には、全身もしくは局所の脂肪組織の減少を促進することによる肥満体質の改善、又は同組織の増大を防止することによる肥満の抑制もしくは防止に有効な脂肪分解促進剤及び痩身方法、痩身用飲食品組成物が開示されている。
【0005】
特開2003−146870号公報(特許文献3)には、全身もしくは局所の脂肪組織の減少を促進することによる肥満体質の改善、又は同組織の増大を防止することによる肥満の抑制もしくは防止に有効な脂肪分解促進剤及び皮膚外用剤並びに飲食品組成物、痩身
方法が開示されている。
【0006】
特開2003−116487号公報(特許文献4)には、有効に肥満の防止・解消を図るため、アミノ酸ペプタイドを50重量部、ギムネマシルベスタを30重量部、共役リノール酸を20重量部、異性化リノール酸を20重量部、難消化性デキストリンを20重量部、コ・エンザイムQ10を3〜10重量部の割合で痩身用食品を構成した。アミノ酸ペプタイド及びコ・エンザイムQ10は脂肪吸収阻害作用、脂質合成阻害作用、脂質代謝促進作用を有する。共役リノール酸及び異性化リノール酸は体脂肪低下作用、体脂肪減少作用を有する。ギムネマシルベスタ及び難消化性デキストリンは胃・腸管の吸収抑制、脂質吸収抑制作用を有する。これらは天然原料由来の成分で、併用することにより、肥満の防止・解消の相乗効果を得ることが開示されている。
【0007】
特開平9−241127号公報(特許文献5)には、チンピ、茶、蓮肉、高麗人参、カミツレおよびシコンの抽出物を含有することを特徴とする痩身用化粧料および痩身剤である。チンピ、茶、蓮肉、高麗人参、カミツレおよびシコンの抽出物は市販品を利用することができる。本発明の痩身用化粧料は、基礎化粧料、メイクアップ化粧料、浴用剤、石鹸などの剤型を、そして、本発明の痩身剤は、散剤、丸剤、錠剤、外用剤、注射剤、坐剤などの剤型を採用することができることが開示されている。
【0008】
特開平8−23973号公報(特許文献6)には、本発明のα−グルコシダーゼ阻害剤は、キシリトール、キシロースを構成糖とするオリゴ糖、並びにキシロースの誘導体からなる群、(2)アラビトールからなる群、(3)エリスロース及びエリスリトールからなる群、(4)グリセルアルデヒド及びグリセリンからなる群、から選択された1種又は2種以上の糖化合物を有効成分とする。このα−グルコシダーゼ阻害剤は、消化性糖と組合せることにより、食品、甘味料、飼料として利用される。α−グルコシダーゼ阻害剤が、炭水化物を含む食品
に、食品 中の炭水化物量(糖質量)に対して1〜40重量%となるように配合されていることを特徴とする、糖の緩慢な消化作用を有し且つインスリン分泌を低く抑える作用を有する痩身用食品が開示されている。
【0009】
特開平7−115935号公報(特許文献7)には、麦緑素〔大麦(Hordium
vulgare L.var.nudum
Hook)の若葉(草丈20〜30cm分株最大期)を採集し、洗浄したのち搾汁し、繊維質を除いた青汁を噴霧乾燥した緑色の粉末である。〕α−サイクロデキストリン、α−リノレン酸を含有して成る痩身用食品が開示されている。
【0010】
特開平7−115934号公報(特許文献8)には、α−サイクロデキストリン,α−リノレン酸を含有して成る痩身用食品が開示されている。
【0011】
特開平6−343419号公報(特許文献9)には、α−サイクロデキストリン、γ−リノレン酸及びサポニンとを含有せしめた痩身用食品が開示されている。
【0012】
特開平6−153861号公報(特許文献10)には、分岐のα−サイクロデキストリン、γ−リノレン酸及び活性機能性ペプチドとを含有せしめた痩身用食品が開示されている。
【0013】
特開平6−153860号公報(特許文献11)には、α−サイクロデキストリンにγ−リノレン酸を包接せしめて、必要に応じ、活性機能性ペプチドと共に含有せしめた痩身用食品が開示されている。
【0014】
特公平8−13257号公報(特許文献12)には、α−サイクロデキストリンにγ−リノレン酸が包接されて含有されて成る痩身用食品。更に活性機能性ペプチドが含有されて成る痩身用食品が開示されている。
【0015】
特公平7−102113号公報(特許文献13)には、分岐のα−サイクロデキストリン、γ−リノレン酸及び活性機能性ペプチドとを含有して成る痩身用食品が開示されている。
【0016】
特許第3396542号公報(特許文献14)には、(全重量250mgに対して、ググルエキス粉末を25〜60mg、ギムネマエキス粉末を50〜80mg、無臭ニンニクエキス粉末5〜25mgを、グアルガム粉末を10〜30mgと、食物繊維を20〜40mgとの割合で混合された痩身食品用組成物に、さらに、5〜20mgのポリデキストロース、1〜15mgのサイクロデキストリンと、20〜100mgのバレイショ澱粉との結合剤が混合され、成形されて成ることを特徴とする固形状の痩身用食品が開示されている。
【0017】
特許第3319493号公報(特許文献14)には、植物油脂不ケン化物を25〜75重量%、及び茶葉エキスを75〜25重量%の割合で含有して成る混合物を主成分として含有してなる痩身用食品。植物油脂不ケン化物が、フィトステロール又はフィトステロールの組成成分を含有するものである痩身用食品。
【0018】
特許第2605208号公報(特許文献15)には、α−サイクロデキストリン、γ−リノレン酸及び白人参とを含有して成る痩身用食品が開示されている。
【0019】
特開2002−265977号公報(特許文献16)には、フェンネルオイル、グレープフルーツオイル、ペッパーオイル、ヒソップオイル、セージオイル、エストラゴンオイル、ユーカリオイル、ローズマリーオイル、シンナモンオイル、クローブオイル、イランイランオイル、ジンジャーオイル、ゼラニウムオイル又はオリバナム、あるいは上記オイル中の活性成分であるリモネン、ピネン、ミルセン又はベンジルベンゾエートより選ばれる1種又は2種以上を含有し、好ましくは更にカフェインを含有する、痩身作用を有する交感神経活性化香料組成物。リモネン、ピネン、ミルセン及びベンジルベンゾエートより選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする交感神経活性化香料組成物。フェンネルオイル、グレープフルーツオイル、ペッパーオイル、ヒソップオイル、セージオイル、エストラゴンオイル、ユーカリオイル、ローズマリーオイル、シンナモンオイル、クローブオイル、イランイランオイル、ジンジャーオイル、ゼラニウムオイル及びオリバナムより選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする痩身用香料組成物。リモネン、ピネン、ミルセン及びベンジルベンゾエートより選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする痩身用香料組成物。カフェインを更に含有することを特徴とする痩身
用組成物が開示されている。
【0020】
このように香料が精神作用をも含め全身系に様々な影響を及ぼすことは「アロマテラピー」としても世界各地で臨床されてきたが、痩身作用効果の実証的な研究は、長期のデータ収集を要するため、なされてこなかった。
【特許文献1】特開2003−310213号公報
【特許文献2】特開2003−160483号公報
【特許文献3】特開2003−146870号公報
【特許文献4】特開平9−241127号公報
【特許文献5】特開平9−241127号公報
【特許文献6】特開平8−23973号公報
【特許文献7】特開平7−115935号公報
【特許文献8】特開平7−115934号公報
【特許文献9】特開平6−343419号公報
【特許文献10】特開平6−153861号公報
【特許文献11】特開平6−153860号公報
【特許文献12】特公平8−13257号公報
【特許文献13】特公平7−102113号公報
【特許文献14】特許第3396542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、痩身作用を有する飲料を提供し、痩身願望の人々に副作用のない、日常的飲料として摂取することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ある種の香料の香りが交感神経活性化作用を有する事を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は少なくとも1種以上の香料よりなる成分として含むことを特徴とする飲料を提供するものであるが、具体的には、キズイセンオイル、カーネーションオイル、ジャスミンオイル、シソオイル、セロリーオイル、より選ばれる1種又は2種以上の原料による香料を含有する痩身作用を有する飲料を提供する。
【0023】
以下にこれらの、抽出オイルの性状を列記する。キズイセン(ジョンキル)
、キズイセンはヒガンバナ科に属し、花の香りはナルシサスよりも繊細で華やかでありスイセンの中で最も強い香りである。香料は花を石油エーテル抽出してコンクリートを得、これからアブソリュートを得る。ジョンキルアブソリュートはダークブラウンからオレンジ色をした粘性のある液体で、チュベローズと良く似た濃厚な香りする。
香気成分としてはメチルベンゾエート、ベンジルベンゾエートやメチルシンナメートをはじめとするシンナミックアシッドのエステル、リナロール、メチルアンスラニレート、インドールなどが報告されている。
【0024】
カーネーション
、英名でカーネーション、仏名はウイエと呼ばれる強い芳香を持つ多年生の植物で、ナデシコ科に属する。古くから栽培され親しまれている花で、幸福のシンボルとして母の日や復活祭などの行事に欠かせない花である。カ―ネーション香料は石油エーテルで抽出したコンクリートからアブソリュートを得る方法がとられますが、収油率0.03%と低く高価なため生産量が減少している。カーネーションの花は濃厚でスパイシ−なクローブ様の香りがします。香気成分としては、オイゲノール、フェニルエチルアルコール、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリシレート、シンナミルアルコール、シトロネロールなどがみいだされている。
【0025】
ジャスミン、ジャスミンはローズとともに最も好まれ多用されてきている香料素材である。原産はインド北部とされ、モクセイ科オウバイ属の常緑潅木で、世界各地で100種以上が栽培されています。香料用にはスペインジャスミンと呼ばれる種類が栽培され、フランス、エジプト、モロッコ、インド、中国などで香料の抽出が行われています。ジャスミンの香りは、花を石油エーテル、主にヘキサンで抽出して得られたコンクリートをエタノールで脱ワックスし、アブソリュートの形で使用される。香気成分として主なものは、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート、リナロール、フィトール類などですが、特徴的なものはメチルジャスモネート、シスジャスモン、インドールなどです。ちなみに、中国でジャスミンティ−の香り付けに利用されているものは、茉莉花(マツリカ)という熱帯性の種類で、こちらはジャスモン類を全く含まないくちなしの花に似たグリーンフローラルな香りである。
【0026】
シソ、シソは、シソ科シソ属に分類される一年草で、原産地はヒマラヤ・中国・ミャンマー地方一帯だとされています。天ぷら、刺身、吸い物、梅干しなどの代表的な日本食にも広く使われており、我々日本人にとって最も馴染み深い食品の一つである。シソの独特の香り成分は、ペリルアルデヒドやリモネン、カリオフィレンなどです。なかでも成分の半分以上を占めるペリルアルデヒドはシソアルデヒドとも呼ばれ、強い抗菌作用・防腐効果がある。
【0027】
セロリー、セロリーはセリ科の2年草である。香料は種子を水蒸気蒸留して得られるセロリーシードオイルが主で、黄色又は緑褐色の液体で、強くスパイシーなセロリー特有の香りがすめ。セロリーシードオイルの主な香気成分は、リモネン、セリネン、ミルセン、α―ピネン、β―ピネン、ブチルフタライド、ペンチルベンゼンなどで、特徴的なものはジヒドロフタライド類である。その中でも特にセダノライドがセロリシードらしさに関与している。香料の用途としては、食品には、カレーやソース類、または肉類の加工食品に広く使われ、またリキュールの構成原料にもなっている。比較に用いた種々の抽出オイルの特徴の記載は、割愛する。
【0028】
すなわち、香料を添加することによって、特定の種の香料が痩身作用があることを見出した。すなわち、本発明は、下記の構成を要旨とする痩身作用を有する飲料に関するものである。(1)キズイセン、カーネーション、ジャスミン、シソ、セロリーのいずれか1種または複数種の原料による香料を含有する痩身作用を有する飲料。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、痩身作用を有する飲料を提供し、痩身願望の人々に副作用のない、日常的飲料として摂取することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
オイル抽出の方法は、厳密には、それぞれの原料により最適な方法を見出す必要がある。本発明では、個々の原料の抽出部位を乾燥粉末にし、水および有機溶媒にて抽出し、水蒸気蒸留によって、留分を回収した。この場合、抽出方法にもよるが痩身作用を期待するには、概ね、原料換算の重量として、飲料あるいは低アルコール飲料1L当り、1g程度含有することが望ましい。
【実施例】
【0031】
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明は、実施例によって限定されるものではない。それぞれの原料の適部100gを粉砕し、水800gを添加し、60℃にて2時間撹拌抽出を行った。冷却後、固液分離し抽出液700gを得た。抽出液を合成吸着剤(ダイヤイオンHP-20(三菱化学(株))に通液した。水にて洗浄後、95%エタノール500mLを通液し、95%エタノール脱着液400gを得た。脱着液を水蒸気蒸留し、10gの留液を得た。香料を原料換算の重量として、市販無香料紅茶ティーバックより熱水にて、1Lの抽出液を得た。上記製造方法で得た抽出液を0.2g添加し、試料とした。20〜30歳の女性5名に、1ヶ月間、前記紅茶飲料を毎晩就寝前に飲用してもらい、連用テスト前後の体重、を比較した(体重減少量kgは、5人の平均値である)。結果は次の表1の通りであった。
【0032】
表1
香料の種類 体重減少量kg
1.チュベローズ 0.3
2.イリス 0.2
3.マリーゴールド 0.1
4.オレンジフラワー 0.4
5.キズイセン 1.1 *
6.スイセン 0.6
7.カーネーション 1.0 *
8.ラベンター 0.5
9.ライラック 0.3
10.スズラン 0.2
12.ジャスミン 1.2 *
13.ザクロ 0.5
14.チェリー 0.4
15.アプリコット 0.3
16.ペピーノ 0.1
17.ペアー 0.2
18.オレンジフラワー 0.1
19.バラ 0.3
20.ザクロ +0.2
21.ペピーノ +0.1
22.シイタケ 0.6
23.シソ 1.1 *
24.セロリー 1.3 *
25.香料添加なし +0.1
*:1kg以上の体重減少があったもの
次に1kg以上の体重減少があったもの成分の組み合わせ効果を検討した。それぞれを、紅茶抽出液に0.1gずつ添加した。
【0033】
表2
香料の種類 組み合わせ 体重減少量kg
5. キズイセン ○ 1.6
12.ジャスミン ○
【0034】
表3
香料の種類 組み合わせ 体重減少量kg
7. カーネーション ○ 1.5
23.シソ ○
【0035】
表4
香料の種類 組み合わせ 体重減少量kg
12.ジャスミン ○ 1.7
24.セロリー ○
表2〜表4より多少の組み合わせによる効果が認められる(数値は5人の平均値)。
【0036】
<結果> キズイセン、カーネーション、ジャスミン、シソ、セロリーのいずれか1種または複数種の原料による香料を含有する飲料には痩身作用が認められた。また、組み合わせによる効果も認められた。































【特許請求の範囲】
【請求項1】
キズイセン、カーネーション、ジャスミン、シソ、セロリーのいずれか1種または複数種を原料とした香料を含有する痩身作用を有することを特徴とする、飲料。















































【公開番号】特開2006−25672(P2006−25672A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207799(P2004−207799)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(304033502)
【Fターム(参考)】