説明

発光ゲル及びその製造方法並びにECL素子

【課題】簡易なプロセスで製造可能で、優れた発光特性を有する新規な発光ゲル及びその製造方法並びにそれを利用したECL素子を提供する。
【解決手段】有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液が、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、の付加反応によって形成される高分子網目構造によって保持されていることを特徴とする、発光ゲルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学発光素子(ECL素子)の発光層に用いられる発光ゲルに関する。詳しくは、簡易なプロセスで製造可能で、優れた発光特性を有する新規な発光ゲル及びその製造方法並びにそれを利用したECL素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やポータブルゲーム機等の小型で高機能な携帯端末に適用可能な軽量かつ薄型の次世代ディスプレイとして、電気化学発光素子(ECL素子)が知られている。ECL素子は、自発発光するためバックライトが不要であり、液晶ディスプレイよりも更なる薄型、軽量化が可能である上に、高速応答、高輝度により鮮明な表示が得られる。また、発光層が溶液であるため、同じ自然発光型の有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子と比べて固体の発光層を蒸着する工程が不要であり、製造プロセスが簡便であるという利点を有している。
【0003】
かかるECL素子において、発光層に共役高分子系の物理ゲルを用いたものや、架橋高分子に低分子蛍光物質を分散した化学ゲルを用いたものが開発されている。これらのECL素子は、発光層がゲルであるため画素領域の形成が容易であり、フルカラー化に対応し易く、また発光面全体から一様な発光を得ることができる等の利点を備えている。しかしながら、これらのECL素子をディスプレイとして実用化するには、ラジカルの失活やラジカルの衝突確率の低さ等の点で課題があり、発光効率の改善が望まれていた。
【0004】
一方、先に本願発明者らは、トルエン中で環状シロキサン化合物あるいは籠状シルセスキオキサン化合物と、α,ω−非共役ジエンとのヒドロシリル化反応によって有機−無機ハイブリッドゲルが得られることを見出した(非特許文献1および2参照)。しかし、当該ゲルをECL素子に利用することについては未だ知られていない。
【非特許文献1】N. Naga, E. Oda, a. Toyota, K. Horie, H. Furukawa, Macromol. Chem. Phys. 2006, 207, 627-635.
【非特許文献2】N. Naga, E. Oda, a. Toyota, H. Furukawa, Macromol. Chem. Phys. 2007, 208, 2331-2338.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡易なプロセスで製造可能で、優れた発光特性を有する新規な発光ゲル及びその製造方法並びにそれを利用したECL素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ECL素子の発光層に利用可能な発光ゲルについて鋭意研究を重ねた結果、本発明者らが開発した上記ハイブリッドゲルが、極めて均一でかつ理想的なサイズの網目構造を有しており、ECL素子の光学ゲルとして極めて有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
(1)すなわち、本発明は、有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液が、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、の付加反応により形成される高分子網目構造によって保持されていることを特徴とする、発光ゲルである。
(2)本発明は、また、前記第1の多官能性モノマーは、下記一般式(I)
【0008】
【化11】

【0009】
[式中、R及びRは、それぞれが繰り返し単位毎に独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、nは、3〜20の整数を表す。]で示される環状シロキサン化合物又は下記一般式(II)、
【0010】
【化12】

下記一般式(III)
【0011】
【化13】

若しくは下記一般式(IV)
【0012】
【化14】

【0013】
[式中、R〜R14は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜50の1価の芳香族基若しくは−O−Si(R15)(R16)(R17)基を表し、R15〜R17は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表す。]で示される籠状シルセスキオキサン化合物であることを特徴とする、(1)に記載の発光ゲルである。
(3)本発明は、また、前記第2の多官能性モノマーは、下記一般式(V)
【0014】
【化15】

【0015】
[式中、R18及びR19は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、−Si(R20)(R21)(R22)基又は−O−Si(R23)(R24)(R25)基を表し、R20〜R25は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基若しくは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜50の2価の芳香族基又は−[Si(R26)(R27)−O−]−基を表し、R26及びR27は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、mは、1〜10の整数を表す。]で示される化合物であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の発光ゲルである。
【0016】
(4)本発明は、また、前記付加反応は、ヒドロシリル化反応である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の発光ゲルである。
【0017】
(5)本発明は、また、前記ヒドロシリル化反応は、遷移金属錯体触媒への光照射により開始されることを特徴とする、(4)に記載の発光ゲルである。
【0018】
(6)また、本発明は、(1)〜(5)に記載の発光ゲルからなる発光層を備えたことを特徴とする、ECL素子である。
【0019】
(7)また、本発明は、有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液の存在下で、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、を付加反応させることを特徴とする、発光ゲルの製造方法である。
(8)本発明は、また、前記第1の多官能性モノマーは、下記一般式(I)
【0020】
【化16】

【0021】
[式中、R及びRは、それぞれが繰り返し単位毎に独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、nは、3〜20の整数を表す。]で示される環状シロキサン化合物又は下記一般式(II)、
【0022】
【化17】

下記一般式(III)
【0023】
【化18】

若しくは下記一般式(IV)
【0024】
【化19】

【0025】
[式中、R〜R14は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜50の1価の芳香族基若しくは−O−Si(R15)(R16)(R17)基を表し、R15〜R17は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表す。]で示される籠状シルセスキオキサン化合物であることを特徴とする、(7)に記載の発光ゲルの製造方法である。
(9)本発明は、また、前記第2の多官能性モノマーは、下記一般式(V)
【0026】
【化20】

【0027】
[式中、R18及びR19は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、−Si(R20)(R21)(R22)基又は−O−Si(R23)(R24)(R25)基を表し、R20〜R25は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基若しくは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜50の2価の芳香族基又は−[Si(R26)(R27)−O−]−基を表し、R26及びR27は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、mは、1〜10の整数を表す。]で示される化合物であることを特徴とする、(7)又は(8)に記載の発光ゲルの製造方法である。
【0028】
(10)本発明は、また、前記付加反応は、ヒドロシリル化反応である、(7)〜(9)のいずれか1項に記載の発光ゲルの製造方法である。
【0029】
(11)本発明は、さらに、前記ヒドロシリル化反応は、遷移金属錯体触媒への光照射により開始されることを特徴とする、(10)に記載の発光ゲルの製造方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーの付加反応により形成されるゲルの網目サイズが、発光溶液の低分子発光材料の分子サイズと同程度で、かつ極めて均質であるので、発光溶液中に低分子発光材料が極めて均一に分散された発光ゲルを得ることができる。従って、本発明の発光ゲルをECL素子の発光層に用いた場合、極めて優れた発光効率を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る発光ゲルは、有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液が、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、の付加反応によって形成される高分子網目構造によって保持されていることを特徴とする、発光ゲルである。
【0032】
上記発光ゲルに用いられる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、低分子化合物に対して良溶媒であり、かつ、ヒドロシリル化反応を阻害しないものが好ましい。具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレンのような炭化水素系溶媒や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ハロゲン化ベンゼンのような芳香族炭化水素系溶媒及びこれらの誘導体等が挙げられる。また、複数種の溶媒を混合して使用することも可能である。
【0033】
上記発光ゲルに用いられる低分子発光材料としては、蛍光また燐光を示す化合物であれば特に限定されるものではないが、発光効率が高く、かつ、発光ゲルに用いる有機溶媒への溶解性が高い化合物が好ましい。具体例としては、ピレン、アントラセン、ペリレン、ルブレン、ペンタセン及びこれらの誘導体の有機化合物や、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2,2'−ジピリジル)ルテニウム等の有機金属化合物等が挙げられる。また、複数種の発光材料を混合して使用することも可能である。
【0034】
低分子発光材料の濃度は特に制限されるものではないが、発光効率、製造コストを考慮した場合、好ましくは0.001mM〜1M、特に好ましくは0.01〜100mMの範囲である。
前記第1の多官能性モノマーとしては、下記一般式(I)
【0035】
【化21】

【0036】
[式中、R及びRは、それぞれが繰り返し単位毎に独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、nは、3〜20の整数を表す。]で示される環状シロキサン化合物や、下記一般式(II)、
【0037】
【化22】

下記一般式(III)
【0038】
【化23】

又は下記一般式(IV)
【0039】
【化24】

【0040】
[式中、R〜R14は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜50の1価の芳香族基若しくは−O−Si(R15)(R16)(R17)基を表し、R15〜R17は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表す。]で示される籠状シルセスキオキサン化合物等が挙げられる。
【0041】
一般式(I)〜(IV)のR〜R17における炭素数2〜10のアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロビニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−プロビニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基等が挙げられ、炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等が挙げられ、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられ、炭素数6〜50の1価の芳香族基としては、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基等が挙げられる。また、nは、3〜20の整数であり、好ましくは3〜8の整数であり、特に好ましくは3及び4である。なお、一般式(I)〜(IV)において、R〜R17は、それぞれ独立して上記各定義の基を取り得る他、一般式(I)においては、R及びRは、それぞれが繰り返し単位(−Si(R)(R)−)毎に独立して上記各定義の基を取り得るものである(即ち、繰り返し単位毎に異なる基となってもよい)。
【0042】
前記第1の多官能性モノマーは、一般式(I)〜(IV)のいずれの構造の化合物においても、1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する多官能性モノマーであることが肝要である。ヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基が1分子内に3個未満の化合物では、目的とする発光ゲルを得ることができない。但し、一般式(I)〜(IV)の化合物であれば、複数種の化合物を混合して使用することも可能である。
前記第2の多官能性モノマーとしては、下記一般式(V)
【0043】
【化25】

【0044】
[式中、R18及びR19は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、−Si(R20)(R21)(R22)基又は−O−Si(R23)(R24)(R25)基を表し、R20〜R25は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基若しくは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜50の2価の芳香族基又は−[Si(R26)(R27)−O−]−基を表し、R26及びR27は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、mは、1〜10の整数を表す。]で示される化合物等が挙げられる。
【0045】
一般式(V)のR〜R17における炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜50の1価の芳香族基としては、一般式(I)〜(IV)と同様のものが挙げられる。また、化合物Xの炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、3−オキサペンチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基等が挙げられ、炭素数6〜50の2価の芳香族基としては、メタフェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、4,4'−イソプロピリデンジフェニレン基、4,4'−ビフェニレン基、4,4'−ジフェニレンスルフィド基、4,4'−ジフェニレンスルホン基、4,4'−ジフェニレンケトン基、4,4'−ジフェニレンエーテル基、3,4'−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パラキシリレン基、オルトキシリレン基等が挙げられる。
【0046】
前記第2の多官能性モノマーは、一般式(V)のいずれの構造の化合物においても、1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する多官能性モノマーであることが肝要である。ヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基が1分子内に1個の化合物では、目的とする発光ゲルを得ることができない。但し、一般式(V)の化合物であれば、複数種の化合物を混合して使用することも可能である。
【0047】
上記発光ゲル中のモノマー濃度、即ち第1の多官能性モノマーと第2の多官能性モノマーとの重量分率は、特に制限されるものではないが、網目構造の均一性を考慮した場合、好ましくは0.1〜50重量%、特に好ましくは1〜30重量%の範囲である。
【0048】
当該発光ゲル中の高分子網目構造を形成する第1の多官能性モノマーと第2の多官能性モノマーとの付加反応には、種々の反応を用いることができる。好ましくは、ヒドロシリル基とアルキニル基もしくはアルケニル基とのヒドロシリル化反応である。第1の多官能性モノマーと第2の多官能性モノマーとのヒドロシリル化反応において、ヒドロシリル基[Si−H]とアルキニル基[alkynyl]もしくはアルケニル基[alkenyl]とのモル比([Si−H]/[alkynyl]or[Si−H]/[alkenyl])は、好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは0.5〜2である。
【0049】
上記ヒドロシリル化反応には種々の遷移金属触媒を用いることができる。具体的には、HPtCl、Pt(0)−divinyltetramethyldisiloxane complex等の種々白金触媒や、RhCl(PPh(Ph=phenyl)等のロジウム触媒のほか、種々ニッケル、コバルト、パラジウム触媒等が挙げられる。
【0050】
特に好ましくは、光によりヒドロシリル化反応を開始する触媒による、光ヒドロシリル化反応である。光ヒドロシリル化触媒としては、Pt(acac)(acac=acetylacetonate)、Pt(ba)(ba=benzoylacetonate)、Pt(dbm)(bdm=dibenzoylmethanate)、Pt(hfac)(hfac=hexafluoroacethylacetonate)等の種々白金触媒や、Ni(acac)、Pd(acac)等の種々ニッケル、コバルト、パラジウム触媒等が挙げられる。
【0051】
ヒドロシリル化反応を開始する遷移触媒の濃度は特に制限されるものではないが、効率的な発光ゲルの形成、均一な高分子網目構造の形成、発光効率、製造コストを考慮した場合、好ましくは0.001g/L〜10g/L、特に好ましくは0.01g/L〜1g/Lの範囲である。
【0052】
反応温度は、通常−30℃〜300℃までにわたって実施することができるが、好ましくは0〜200℃、より好ましくは20〜150℃である。反応時間は一般的に使用するモノマー、触媒の種類や濃度、溶媒の種類により適宜決定されるが、1分から240時間の範囲を取り得る。
【0053】
本発明の発光ゲルには、本発明の効果が阻害されない範囲において、必要に応じて、添加剤、例えば、酸化防止剤、分散剤などを配合してもよい。
【0054】
上記発光ゲルを発光層として含むECL素子としては、特に制限されるものではなく、様々なものが可能である。具体的には、発光ゲルを電極基板で挟んだ単純な素子、櫛形電極を用いた素子が挙げられる。ECL素子の加工方法は特に制限されるものではなく、種々の方法を用いることができる。具体的には、電極間に有機溶媒、低分子発光材料、及び第1の多官能性モノマーと第2の多官能性モノマーとを付加反応させる方法や、発光ゲルを別途合成した後、電極間に挟む方法などが挙げられる。また、必要に応じて、種々のECL素子と併用することも可能である。
【実施例】
【0055】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明の発光ゲル、ECL素子及び発光ゲルの製造方法は、これらの実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[実施例1]
【0056】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及び1,5−ヘキサジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(1)
【0057】
アルミホイルを巻いた内径4mm、長さ9cmのNMR管へアセチルアセトナートプラチナム(Pt(acac))0.25μmolを導入して窒素置換した後、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.25mmol、1,5−ヘキサジエン0.50mmol及びピレンのトルエン溶液555μl(0.1mol/L)を導入し、上下に振り混ぜ均一な反応溶液を調製した。次いで、暗室にてアルミホイルを取り除き365nmの光(1220mW/cm)を20分間照射した後、暗室、室温で24h放置して透明のゲルを得た。
【0058】
得られたゲルの紫外可視吸収スペクトルを、島津製作所社製SHIMADZU・UV−1600PCを用いて測定し、次いで、得られたゲルの蛍光スペクトルを、紫外可視吸収スペクトルにおける最大吸収波長を励起波長として(励起波長:338nm)、島津製作所社製のSHIMADZU・RF−1500を用いて測定した。結果を図1に示す。なお、ピレンのトルエン溶液0.1mol/Lを用いて同様にして測定した結果を対照例1として示した。
【0059】
図1から明らかなように、得られたゲルは、対照例1と比較して、ピレンのモノマー発光に由来する390nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例2]
【0060】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及び1,5−ヘキサジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(2)
【0061】
ピレンのトルエン溶液の濃度を10mol/Lとした以外は実施例1と同様にして、透明のゲルを得た。
【0062】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例1と同様にして測定した(励起波長:338nm)。結果を図2に示す。なお、ピレンのトルエン溶液10mol/Lを用いて同様にして測定した結果を対照例2として示した。
【0063】
図2から明らかなように、得られたゲルは、対照例2と比較して、それぞれピレンのモノマー発光及びエキシマー発光に由来する390nm及び475nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例3]
【0064】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,9−デカジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(1)
【0065】
1,5−ヘキサジエンの代わりに1,9−デカジエンを用いた以外は実施例1と同様にして、透明ゲルを得た。
【0066】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例1と同様にして測定した。結果を図1に示す。
【0067】
図1から明らかなように、得られたゲルは、対照例1と比較して、ピレンのモノマー発光に由来する390nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例4]
【0068】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,9−デカジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(2)
【0069】
ピレンのトルエン溶液の濃度を10mol/Lとした以外は実施例3と同様にして、透明のゲルを得た。
【0070】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例2と同様にして測定した。結果を図2に示す。
【0071】
図2から明らかなように、得られたゲルは、対照例2と比較して、それぞれピレンのモノマー発光及びエキシマー発光に由来する390nm及び475nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例5]
【0072】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,5−ヘキサジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(1)
【0073】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの代わりに1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンを用いた以外は実施例1と同様にして、透明ゲルを得た。
【0074】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例1と同様にして測定した。結果を図1に示す。
【0075】
図1から明らかなように、得られたゲルは、対照例1と比較して、ピレンのモノマー発光に由来する390nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例6]
【0076】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,5−ヘキサジエンを用いたピレン含有発光ゲルの合成(2)
【0077】
ピレンのトルエン溶液の濃度を10mol/Lとした以外は実施例5と同様にして、透明のゲルを得た。
【0078】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例2と同様にして測定した。結果を図2に示す。
【0079】
図2から明らかなように、得られたゲルは、対照例2と比較して、それぞれピレンのモノマー発光及びエキシマー発光に由来する390nm及び475nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例7]
【0080】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,5−ヘキサジエンによるピレン含有発光ゲルの合成(1)
【0081】
1,5−ヘキサジエンの代わりに1,9−デカジエンを用いた以外は実施例5と同様にして、透明ゲルを得た。
【0082】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例1と同様にして測定した。結果を図1に示す。
【0083】
図1から明らかなように、得られたゲルは、対照例1と比較して、ピレンのモノマー発光に由来する390nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例8]
【0084】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,5−ヘキサジエンによるピレン含有発光ゲルの合成(2)
【0085】
ピレンのトルエン溶液の濃度を10mol/Lとした以外は実施例7と同様にして、透明ゲルを得た。
【0086】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例2と同様にして測定した。結果を図2に示す。
【0087】
図2から明らかなように、得られたゲルは、対照例2と比較して、それぞれピレンのモノマー発光及びエキシマー発光に由来する390nm及び475nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例9]
【0088】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,5−ヘキサジエンを用いたアントラセン含有発光ゲルの合成
【0089】
ピレンの代わりにアントラセンを用いた以外は実施例2と同様にして、透明ゲルを得た。
【0090】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例2と同様にして測定した。結果を図3に示す。なお、アントラセンのトルエン溶液10mol/Lを用いて同様にして測定した結果を対照例3として示した。
【0091】
図3から明らかなように、得られたゲルは、対照例3と比較して、402nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例10]
【0092】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと1,9−デカジエンを用いたアントラセン含有発光ゲルの合成
【0093】
ピレンの代わりにアントラセンを用いた以外は実施例4と同様にして、透明ゲルを得た。
【0094】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例4と同様にして測定した。結果を図4に示す。なお、実施例9でアントラセンのトルエン溶液10mol/Lを用いて測定した結果を対照例3として示した。
【0095】
図4から明らかなように、得られたゲルは、対照例3と比較して、403nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例11]
【0096】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,9−デカジエンを用いたアントラセン含有発光ゲルの合成
【0097】
ピレンの代わりにアントラセンを用いた以外は実施例6と同様にして、透明ゲルを得た。
【0098】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例9と同様にして測定した。結果を図3に示す。
【0099】
図3から明らかなように、得られたゲルは、対照例3と比較して、402nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
[実施例12]
【0100】
1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9,5,1,1,1,1]オクタシルセスキオキサンと1,9−デカジエンを用いたアントラセン含有発光ゲルの合成
【0101】
ピレンの代わりにアントラセンを用いた以外は実施例8と同様にして、透明ゲルを得た。
【0102】
得られたゲルの蛍光スペクトルを、実施例10と同様にして測定した。結果を図4に示す。
【0103】
図4から明らかなように、得られた透明ゲルは、対照例3と比較して、403nm付近の蛍光強度の増加が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0104】
上述したように、本発明によれば、発光溶液中に低分子発光材料が極めて均一に分散された発光ゲルを得ることができる。従って、本発明の発光ゲルは、ECL素子に用いた場合極めて優れた発光効率を達成することができるので、携帯電話、ポータブルゲーム機、ポータブル音楽プレーヤー、ポータブル映像プレーヤー等の携帯端末等の表示ディスプレイ用のECL素子の発光層として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明のピレン(0.1mol/L)含有発光ゲルの発光スペクトルである(実施例1、3、5及び7)。
【図2】本発明のピレン(10mol/L)含有発光ゲルの発光スペクトルである(実施例2、4、6及び8)。
【図3】本発明のアントラセン(10mol/L)含有発光ゲルの発光スペクトルである(実施例9及び11)。
【図4】本発明のアントラセン(10mol/L)含有発光ゲルの発光スペクトルである(実施例10及び12)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液が、
1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、
1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、
の付加反応により形成される高分子網目構造によって保持されていることを特徴とする、発光ゲル。
【請求項2】
前記第1の多官能性モノマーは、下記一般式(I)
【化1】

[式中、R及びRは、それぞれが繰り返し単位毎に独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、nは、3〜20の整数を表す。]で示される環状シロキサン化合物又は下記一般式(II)、
【化2】

下記一般式(III)
【化3】

若しくは下記一般式(IV)
【化4】

[式中、R〜R14は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜50の1価の芳香族基若しくは−O−Si(R15)(R16)(R17)基を表し、R15〜R17は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表す。]で示される籠状シルセスキオキサン化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の発光ゲル。
【請求項3】
前記第2の多官能性モノマーは、下記一般式(V)
【化5】

[式中、R18及びR19は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、−Si(R20)(R21)(R22)基又は−O−Si(R23)(R24)(R25)基を表し、R20〜R25は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基若しくは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜50の2価の芳香族基又は−[Si(R26)(R27)−O−]−基を表し、R26及びR27は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、mは、1〜10の整数を表す。]で示される化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の発光ゲル。
【請求項4】
前記付加反応は、ヒドロシリル化反応である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ゲル。
【請求項5】
前記ヒドロシリル化反応は、遷移金属錯体触媒への光照射により開始されることを特徴とする、請求項4に記載の発光ゲル。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の発光ゲルからなる発光層を備えたことを特徴とする、ECL素子。
【請求項7】
有機溶媒と低分子発光材料とからなる発光溶液の存在下で、
1分子内に3個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第1の多官能性モノマーと、
1分子内に2個以上のヒドロシリル基、アルキニル基又はアルケニル基を有する第2の多官能性モノマーと、
を付加反応させることを特徴とする、発光ゲルの製造方法。
【請求項8】
前記第1の多官能性モノマーは、下記一般式(I)
【化6】

[式中、R及びRは、それぞれが繰り返し単位毎に独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、nは、3〜20の整数を表す。]で示される環状シロキサン化合物又は下記一般式(II)、
【化7】

下記一般式(III)
【化8】

若しくは下記一般式(IV)
【化9】

[式中、R〜R14は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜50の1価の芳香族基若しくは−O−Si(R15)(R16)(R17)基を表し、R15〜R17は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数6〜50の1価の芳香族基を表す。]で示される籠状シルセスキオキサン化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の発光ゲルの製造方法。
【請求項9】
前記第2の多官能性モノマーは、下記一般式(V)
【化10】

[式中、R18及びR19は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、−Si(R20)(R21)(R22)基又は−O−Si(R23)(R24)(R25)基を表し、R20〜R25は、それぞれが独立して水素原子又は置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルケニル基若しくは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Xは、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜50の2価の芳香族基又は−[Si(R26)(R27)−O−]−基を表し、R26及びR27は、それぞれが独立して置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜50の1価の芳香族基を表し、mは、1〜10の整数を表す。]で示される化合物であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の発光ゲルの製造方法。
【請求項10】
前記付加反応は、ヒドロシリル化反応である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発光ゲルの製造方法。
【請求項11】
前記ヒドロシリル化反応は、遷移金属錯体触媒への光照射により開始されることを特徴とする、請求項10に記載の発光ゲルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−13589(P2010−13589A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176283(P2008−176283)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第19回高分子ゲル研究討論会、社団法人高分子学会 平成20年1月16日
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)