発射用球供給装置
【課題】 スプロケットが遊技球を通過させる方向と反対の方向に回転することを防止することにより、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる発射用球供給装置を提供すること。
【解決手段】 弾発部23の進退により遊技球Bを発射する発射用球供給装置Aに、複数の球搬送凹部28が外周部に形成され、遊技球Bの重さによって回転することにより遊技球Bを通過させるスプロケット25と、往復回転することにより上側係合部32と下側係合部33とをスプロケット25に対して交互に進退させて球搬送凹部28の凸曲線部28aに係合させるストッパ30とを設けた。さらに、弾発部23の進退に連動してストッパ30を往復回転させる連動機構40と、スプロケット25が他方向に回転することを防止する逆転防止機構35とを設けた。
【解決手段】 弾発部23の進退により遊技球Bを発射する発射用球供給装置Aに、複数の球搬送凹部28が外周部に形成され、遊技球Bの重さによって回転することにより遊技球Bを通過させるスプロケット25と、往復回転することにより上側係合部32と下側係合部33とをスプロケット25に対して交互に進退させて球搬送凹部28の凸曲線部28aに係合させるストッパ30とを設けた。さらに、弾発部23の進退に連動してストッパ30を往復回転させる連動機構40と、スプロケット25が他方向に回転することを防止する逆転防止機構35とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機における球供給路から、発射レールの下端に設けられた発射位置に遊技球を供給するために用いられる発射用球供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ機においては、パチンコ機の表面下部に設けられた供給皿内の遊技球を、球供給路を介して発射レールの下端に設けられた発射位置に送り、発射位置に送られた遊技球を、駆動部の作動により発射位置に対して進退する弾発部で打撃して発射レールから遊技盤に送り出すようにしている。この場合、一度に、複数の遊技球が発射位置に供給されることを防止するために、弾発部の1回の進退に対して、1個の遊技球を球供給路を通過させて発射位置に供給する機構を備えた発射用球供給装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この発射用球供給装置では、1個の遊技球を係合可能な凹部と、歯部とが外周縁に交互に形成されたスプロケットを、球供給路に臨ませて回転可能に配置している。そして、このスプロケットを、凹部に位置する遊技球の重さによって回転させることにより、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に1個ずつ通過させる。また、スプロケットの近傍には、スプロケットの歯部に係合可能な上側係合部と下側係合部とを備えたストッパが回転可能に設けられている。このストッパは、プランジャ式ソレノイドの駆動によって発射位置に対して進退する弾発部と連動して往復回転するように構成されている。
【0004】
そして、ストッパが弾発部の進退に連動して往復回転することにより、上側係合部と下側係合部とを、交互にスプロケットの歯部に係合させたり、その係合を解除させたりする。このとき、上側係合部と歯部との係合が解除されてから、下側係合部と歯部とが係合し、さらに、下側係合部と歯部との係合が解除されて上側係合部と歯部とが係合するまでの間に、遊技球の重さによってスプロケットが回転し、1個の遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−29375号公報
【発明の概要】
【0006】
前述した従来のスプロケットとストッパとを備えた発射用球供給装置では、遊技球を供給するタイミングに一定の間隔を持たせるために、上側係合部と下側係合部とが、交互に、スプロケットが遊技球を通過させる方向に回転することを防止するように構成されている。しかしながら、スプロケットは、遊技球を通過させる方向だけでなく、その反対方向にも回転可能になっており、スプロケットが往復回転する際に、振動によりがたついて遊技球を通過させる方向の反対方向に回転した場合には、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットの歯部と球供給路の壁部との間に遊技球が挟み込まれてスプロケットが回転不能の状態になったりすることがある。また、反対方向に回転したスプロケットがストッパに係合して弾発部の進退に悪影響が生じることもある。
【0007】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、スプロケットが遊技球を通過させる方向と反対の方向に回転することを防止することにより、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる発射用球供給装置を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係る発射用球供給装置の構成上の特徴は、発射レール(16)の下端に設けられた発射位置(16a)に遊技球(B)を供給する球供給路(17)と、発射位置に対して進退可能に設けられた弾発部(23)と弾発部を発射位置に対して進退させることにより発射位置に供給される遊技球を弾発部に打撃させる駆動部(20a)とを備えた打球装置(20)と、複数の球搬送凹部(28)が外周部に形成され、外周部を球供給路に臨ませて配置された回転体からなり、球搬送凹部に入る遊技球の重さによって一方向に回転することにより、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させるスプロケット(25)と、往復回転可能に設置された本体(31)と、本体の上部と下部からそれぞれスプロケット側に突出する上側係合部(32)と下側係合部(33)とを備え、往復回転することによって、上側係合部と下側係合部とをスプロケットに対して交互に進退させて球搬送凹部の縁部(28a)に係合させることによりスプロケットの一方向への回転を制止し、上側係合部と下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、スプロケットの一方向への回転を許容するストッパ(30)と、弾発部の進退に連動してストッパを往復回転させる連動手段(40)と、スプロケットが他方向に回転することを防止する逆回転防止手段(35)とを備えたことにある。
【0009】
本発明に係る発射用球供給装置では、スプロケットの外周部に、複数の球搬送凹部が形成され、ストッパに、本体の上部と下部からそれぞれ突出して、スプロケットの球搬送凹部の縁部に係合できる上側係合部と下側係合部とが備わっている。また、スプロケットが他方、すなわち、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させるために回転する方向と逆の方向に回転することを防止する逆回転防止手段も備わっている。
【0010】
このため、上側係合部がスプロケットの一方向への回転を制止しているときに、振動などによりスプロケットが他方向に回転しようとしても、逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。同様に、下側係合部がスプロケットの一方向への回転を制止しているときに、振動などによりスプロケットが他方向に回転しようとしても、逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。また、上側係合部および下側係合部がともにスプロケットに係合していないときにも逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。これによって、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットの歯部と球供給路の壁部との間に遊技球が挟み込まれてスプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる。
【0011】
また、本発明では、連動手段が、弾発部の進退に連動してストッパを往復回転させることにより、上側係合部と下側係合部とを交互にスプロケットの球搬送凹部の縁部に係合させ、上側係合部と下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、遊技球の重さにより、スプロケットの一方向への回転を許容する。このため、遊技球は、弾発部の1回の進退に対して1個ずつ発射位置に供給される。この場合、弾発部が待機位置にあるときに、上側係合部がスプロケットの上側の球搬送凹部の縁部に係合し、このときに、所定の球搬送凹部内に遊技球が保持される。つぎに、弾発部が発射位置に進み、すでに発射位置に供給されている遊技球を打撃する間に、上側係合部と球搬送凹部の縁部との係合が解除され、下側係合部がスプロケットの下側の球搬送凹部の縁部に係合する。この間にスプロケットが一方向に回転して遊技球を発射位置に供給する。
【0012】
また、弾発部が待機位置に戻るときに、下側係合部と球搬送凹部の縁部との係合が解除され、上側係合部が、再度上側の球搬送凹部の縁部に係合し、このときに、スプロケットが一方向に回転して次の遊技球を球搬送凹部内に導く。このように、遊技球を発射位置に供給する動作が、弾発部が遊技球を打撃する動作と同じタイミングで行われる。なお、駆動部としては、ロータリソレノイドやプランジャ式ソレノイドを用いることができる。また、連動手段としては、カムやリンク等を用いて機械的に連動させる連動機構や、別途、ストッパを往復回転させるソレノイドを設け、このソレノイドの作動を駆動部の作動と電気的に連動させる連動装置等を用いることができる。
【0013】
また、本発明に係る発射用球供給装置の他の構成上の特徴は、逆回転防止手段を、スプロケットと同軸に設けられスプロケットと一体となって回転するラチェット歯車(36)と、スプロケットが一方向に回転するときにはラチェット歯車に係合せずにスプロケットの回転を許容し、スプロケットが他方向に回転しようとするときにはラチェット歯車に係合してスプロケットの回転を制止する回転防止部(37)とで構成したことにある。本発明によると、比較的簡単な構成で、スプロケットが他方向に回転することを確実に防止できる。
【0014】
また、本発明に係る発射用球供給装置のさらに他の構成上の特徴は、回転防止部を、基部(37a)がストッパと同軸上に回転可能に支持され先端部がラチェット歯車の歯部に向かって延びる棒状に形成したことにある。本発明によると、回転防止部をストッパと同軸に設けるため、別途回転防止部を設置するスペースを設ける必要がなくなり、装置が大型化することを防止できる。
【0015】
また、本発明に係る発射用球供給装置の他の構成上の特徴は、駆動部をソレノイドの作動によりプランジャを進退させるプランジャ式ソレノイドで構成し、連動手段を、軸(41d)を中心に回転でき軸を挟んで一端がプランジャの進退にしたがって回転するソレノイドレバー(41)と、一端がソレノイドレバーの軸を挟んだ他端に回転可能に連結され他端がストッパの本体におけるスプロケット側と反対側部分(41c)に回転可能に連結された中継レバー(42)とで構成したことにある。これによると、駆動部としてプランジャ式ソレノイドを用いた発射用球供給装置において、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る発射用球供給装置を示した斜視図である。
【図2】外カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した斜視図である。
【図3】内カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した斜視図である。
【図4】内カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した正面図である。
【図5】外カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した正面図である。
【図6】ラチェット歯車が取り付けられたスプロケットを示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】発射用球供給装置が備えるストッパを示した正面図である。
【図8】歯止め爪を示しており、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図9】弾発部が上昇したときの発射用球供給装置の内カバーを外して内部を示した正面図である。
【図10】弾発部が上昇したときの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【図11】遊技球をスプロケットの位置まで供給したときの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【図12】最初の遊技球を供給口から送り出したのちの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る発射用球供給装置Aの外観を示しており、図2および図3は発射用球供給装置Aの内部の異なる部分を示している。この発射用球供給装置Aは、設置用ケース10を介してパチンコ機本体(図示せず)の下部に組み込まれており、パチンコ機本体の表面に設けられた供給皿内の遊技球B(図11および図12参照)を、後述する球供給路17を介して発射レール16の下端に設けられた発射位置16aに供給するものである。発射用球供給装置Aは、設置用ケース10に、打球装置20と、スプロケット25と、ストッパ30と、逆転防止機構35と、打球装置20が備える弾発部23とストッパ30とを連動させる連動機構40とを設置して構成されている。以下、本明細書では、左右、前後および上下の方向は、図1ないし図3に基づいて記載する。
【0018】
設置用ケース10は、ベース11と、内カバー12と、外カバー13とで構成されている。そして、ベース11は、図4に示したように、基板11aと、周壁部11bと、取付部11cとで構成されている。基板11aは、右下から左上に延びる長方形部分の上部に、長方形部分の右上の縁部の上端から水平方向に左側に延びる縁部と、左下の縁部の上端から上方に延びる縁部とを有する三角形の部分を形成した形状をしており、周壁部11bは、基板11aの上部の水平部分を除いた周縁部から前方に突出する枠状の壁部で構成されている。取付部11cは、基板11aの上部の上下方向に延びる縁部の左側に位置しており略四角形に形成されている。
【0019】
また、基板11aにおける幅方向の略中央には、上端から下部側に向かって傾斜して延びる下ガイド壁14が形成され、下ガイド壁14の右上に間隔をおいて下ガイド壁14と平行する上ガイド壁15が形成されている。そして、下ガイド壁14の下端に発射レール16が設置されている。発射レール16の断面形状は、略M形に形成されており、上面に長手方向に沿った断面V形の浅い溝が形成されている。この発射レール16は、ねじ14aによって下ガイド壁14に固定されている。
【0020】
上ガイド壁15は、下ガイド壁14と発射レール16との間に遊技球Bを余裕を持って通すことのできる間隔を保って形成されており、その下端に下ガイド壁14に向かって突出する球停止部15aが設けられている。この球停止部15aは、下ガイド壁14に向かって下方に延びたのちに、屈曲して右方向に延びて周壁部11bに連結された正面視が略L形の壁部で構成されており、その角部の前部に切欠き部15bが設けられている。
【0021】
すなわち、下ガイド壁14および発射レール16と、上ガイド壁15との間は、遊技球Bが遊技盤に向けて発射される球発射路を構成し、その下端の幅は、球停止部15aが下ガイド壁14に向かって突出することによって狭められ、遊技球Bが通過できなくなっている。本実施形態では、この発射レール16の下端側部分と球停止部15aとの間の遊技球Bが通過できない部分を発射位置16aとしている。
【0022】
内カバー12は、図5に示したように、内カバー本体12aと周壁部12bとからなっており、ベース11の右下から左上に延びる長方形部分の前部に取り付けられている。内カバー本体12aは、右下から左上に延びる長方形部分と、その長方形部分の左上部から左下に向かって突出する小さな三角形の部分と、長方形部分の右側における上下方向の中央部分から右上に向かって突出する大きな三角形の部分とからなっている。
【0023】
そして、周壁部12bは、内カバー本体12aの周縁部における球供給路17が形成された部分を除いた部分に形成された前後方向の長さが短い壁部で構成されている。また、内カバー本体12aの下部には、ベース11内に連通する略四角形の大きな穴部12cが形成されており、その周縁部には周壁部12bと前後方向の長さが同じ周壁部12dが形成されている。さらに、内カバー本体12aにおける穴部12cの左下方(内カバー本体12aの左下部の角部近傍)には、縦長の長円形の小さな穴部12eが形成されている。また、内カバー本体12aの下部における穴部12cと穴部12eとの間に、前後に貫通する円筒状の軸受け部18aが形成され、内カバー本体12aの左縁部側の上下方向の略中央には、円筒状のばね支持部19が形成されている。
【0024】
球供給路17は、パチンコ機本体の供給皿から内カバー12の略中央にかけて形成されており、その下端は発射位置16aに連通している。球供給路17は、内カバー本体12aの一部と、内カバー本体12aの前面から互いの間隔を保って前方に突出するガイド側壁17a,17bと、ガイド側壁17a,17bの前部を覆う外カバー13の一部との間に形成されている。球供給路17は、内カバー12に設けられた大きな三角形の部分に設けられており、設置用ケース10の右上部側から左下方に緩やかに傾斜して中央側に延びたのちにS字状に緩やかに曲がって下方に延びている。そして、内カバー本体12aにおける球供給路17の下端に対応する部分には球供給路17を発射位置16aに連通させる供給口17cが開口している。
【0025】
外カバー13は、段違いの外カバー本体13aと周壁部13bとからなっており、ねじ11dによって内カバー12とともに、ベース11に取り付けられている。外カバー本体13aは、内カバー本体12aを、小さな三角形の部分の下端部から上方に向かって延びる境界線で区切り、その左側部分を他の部分よりも後方に位置させた形状をしており、周壁部13bは、外カバー本体13aの周縁部における球供給路17が形成された部分を除いた部分に後方に向かって形成された壁部で構成されている。この外カバー13には、ガイド側壁17a,17bに対向して配置され、ガイド側壁17a,17bよりも前後方向の長いガイド側壁が形成されている。
【0026】
また、ガイド側壁17aに対向する外カバー13のガイド側壁におけるS字状に曲がった部分には、遊技球Bの直径の2倍程度の長さの開口部(ガイド側壁が形成されていない部分)が形成されている。ガイド側壁17bにおけるその開口部の右側後方部分には、球供給路17の内部側に向かって突出する突部17dが形成されており、外カバー13のガイド側壁における突部17dに対向する部分にも同形の突部が形成されている。また、外カバー本体13aの表面上部側部分には前方に突出する長円形の突部からなるケーシング13cが形成されている。このケーシング13cの内部には逆転防止機構35を収容する空間が形成され、前壁には前後に貫通する2つの軸受け穴13d,13eが形成されている。
【0027】
打球装置20は、プランジャ式ソレノイドからなる駆動部20aと弾発部23とからなっている。駆動部20aは、軸方向を発射レール16の延びる方向に合わせた状態に配置された円筒状のコイルを収容する矩形のソレノイド本体21と、ソレノイド本体21を軸方向に貫通するスリーブ22とを備えており、スリーブ22の内部にはプランジャが軸方向に移動可能に配置されている。プランジャの軸方向の両側にはそれぞれスリーブ22から突出するプッシュバー23a(図9参照),23bが設けられており、上部に位置するプッシュバー23aの先端には、打撃部23cが取り付けられている。また、スリーブ22の内部には、プランジャを発射位置16aに対して後退させる方向に付勢するばねが設けられている。
【0028】
なお、プッシュバー23a,23bおよび打撃部23cで本発明に係る弾発部23が構成される。この打球装置20は、ソレノイド本体21に備わっているコイルに通電がされてないときには、ばねの付勢力によりプランジャが下方の待機側に付勢され、コイルに通電がされると、プランジャが吸引されてプランジャとともにプッシュバー23a,23bおよび打撃部23cが発射位置16a側に移動する。また、ソレノイド本体21は、略四角板状の取付台21aの上面に設置されており、打球装置20は、取付台21aをねじ21bによって基板11aに固定することによってベース11に組み込まれている。そして、ソレノイド本体21の前部は、穴部12cを貫通して内カバー12の前方に突出している。
【0029】
スプロケット25は、図6に示したように、軸部26と、軸部26の外周に形成された歯部形成部27とで構成されている。軸部26は、外周の前部が大径で後部が小径になった段違いの円筒状に形成され、歯部形成部27は、リング状の板の外周縁に5つの同形の球搬送凹部28を一定間隔で形成した形状に形成されている。そして、各球搬送凹部28間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部27aが構成される。各球搬送凹部28の縁部は、一方側が径方向に延び他方が一方側に対して直交する方向に延びる略L形に形成されている。この球搬送凹部28を設けることによって、図6(a)に示したスプロケット25が時計周り方向に回転するときの各歯部27aにおける回転方向の前方側の縁部には、径方向に延びる緩やかな凸曲線部28aが形成されている。
【0030】
また、図6(a)に示したスプロケット25が時計周り方向に回転するときの各歯部27aにおける回転方向の後方側の縁部の外周側には、円周方向に延びる短い直線部と、直線部から屈曲して内周側に延びる凸曲線部28aよりも短く真直ぐな傾斜線部とからなる屈曲線部28bが形成されている。また、軸部26の内部には軸穴26aが形成されている。そして、軸部26の前面には前方に突出するラチェット歯車36がスプロケット25と一体に形成されている。このラチェット歯車36は、軸方向が短い筒状体の外周面に5つの同形の係合溝36aを一定間隔で形成した形状に形成されている。
【0031】
そして、各係合溝36a間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部36bが構成される。各係合溝36aの縁部は、前述した球搬送凹部28の縁部と逆の形状をしており、ラチェット歯車36が時計回り方向に回転するときの前方に位置する縁部が径方向に延び、回転方向の後方に位置する縁部が径方向に対して直交する方向に延びる略L形に形成されている。また、ラチェット歯車36の軸穴36cは、軸穴26aと同径で連続する穴部で構成されている。このラチェット歯車36は、後述する歯止め爪37とで逆転防止機構35を構成するものである。スプロケット25とラチェット歯車36とは、内カバー12と外カバー13との間に位置しており、内カバー12に形成された軸受け穴(図示せず)と外カバー13のケーシング13cに形成された軸受け穴13dとに掛け渡された支軸26bを軸穴26a,36cに通して回転可能な状態で設置されている。
【0032】
また、スプロケット25は、右側の一部が球供給路17内に位置するようにしてガイド側壁17aの開口部に配置されている。このスプロケット25と、ガイド側壁17bの突部17dとの間隔は、球搬送凹部28内に遊技球Bを位置させた状態でスプロケット25を時計周り方向に回転させたときに、遊技球Bが通過でき、スプロケット25が停止状態にあるときには、遊技球Bが通過できない長さに設定されている。また、スプロケット25は、球供給路17内を上流から流下してくる遊技球Bが、右側に位置する球搬送凹部28内に入ったときに、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転する。
【0033】
ストッパ30は、図7に示したように、円板状のストッパ本体31と、ストッパ本体31の外周から異なる方向に向かってそれぞれ延びる連結片31a,31b,31cとを備えている。そして、連結片31aの先端前面に上側係合部32が設けられ、連結片31bの先端前面に下側係合部33が設けられ、連結片31cの先端に連結軸34が設けられている。ストッパ本体31の中心には軸穴31dが形成されている。
【0034】
連結片31aは、ストッパ本体31の外周における右上部分(図7の状態での右上)から右斜め上方に向かって延びる細長い板状に形成されており、その先端形状は前方から見た状態で上部が円弧状で下部が真っ直ぐに傾斜して延びた先細り形状に形成されている。そして、連結片31aの先端前面に、前方に突出する上側係合部32が形成されている。上側係合部32は、連結片31aの長手方向に沿った長さの方が、連結片31aの幅方向に沿った長さよりも僅かに長くなっており、先端部32aの縁部は、連結片31aの先端部に沿った形状になっている。上側係合部32のストッパ本体31側の後端部32bの縁部は、幅方向の中央側が両側よりもストッパ本体31側に突出したV形に形成されている。
【0035】
連結片31bは、ストッパ本体31の外周における右下部分から右斜め下方に向かって延びる細長い板状に形成されており、その基端部は、連結片31aの幅と略同じ幅に形成され、先端側部分は前方から見た状態で先細り状に形成されている。連結片31bの先端側部分の先細り状は、連結片31bの右側縁部が先端側に行くほどを左側縁部に近づくように、右側縁部を左側縁部に対して傾斜させるとともに、左側縁部の先端部分が先端側に行くほどを右側縁部に近づくように、左側縁部の先端部を右側縁部に対して傾斜させることにより形成されている。そして、連結片31bの前面に、前方に突出する下側係合部33が形成されている。
【0036】
下側係合部33は、連結片31bの前面に連結片31bの基端側部分を除いた略全体にかけて形成されている。下側係合部33の先端部33aは、右側の緩やかな傾斜部と左側の急な傾斜部とが交差する頂部で構成されている。また、下側係合部33のストッパ本体31側の後端部33bの縁部は、前方から見た状態で、ストッパ本体31側に突出する半円状に形成されている。下側係合部33の先端部33aとストッパ本体31の中心部との間の長さは、上側係合部32の後端部32bのV形の頂部とストッパ本体31の中心部との間の長さと同じに設定されている。
【0037】
連結片31cは、ストッパ本体31の外周における左下部分から左斜め下方に向かって延びる幅の大きな板状に形成されており、その先端形状は前方から見た状態で半円状に形成されている。そして、連結片31cの前面先端側に、前方に突出する小径の円柱状の連結軸34が形成されている。このように構成されたストッパ30は、内カバー12と外カバー13との間に位置しており、内カバー12に形成された軸受け穴(図示せず)と外カバー13のケーシング13cに形成された軸受け穴13eとに掛け渡された支軸31eを軸穴31dに通して回転可能な状態で設置されている。
【0038】
ストッパ30は、ストッパ本体31および連結片31a,31b,31cをスプロケット25よりも後方に位置させて、スプロケット25の近傍に設置されている。そして、上側係合部32と下側係合部33との前後方向の位置が、スプロケット25と同じ位置になるようにするとともに、上側係合部32と下側係合部33とがスプロケット25の外周側に位置するようにして設置されている。また、ストッパ30は、上側係合部32と下側係合部33とでスプロケット25を挟んだ状態で往復回転でき、その回転により上側係合部32と下側係合部33とが交互にスプロケット25の球搬送凹部28内に対して進退するように設置されている。
【0039】
このため、上側係合部32と下側係合部33との少なくとも一方が、スプロケット25の可動範囲よりも外側に位置しているときに、スプロケット25は、歯部27aを上側係合部32や下側係合部33の位置を通過させて回転することができる。また、支軸31eにおけるストッパ30の前部には、本発明に係る回転防止部としての歯止め爪37が設置されている。この歯止め爪37は、図8に示したように、軸を前後方向に向けた環状の回転基部37aと、回転基部37aの外周上部から右側に延びる棒状の爪部37bとを備えている。また、回転基部37aの中央には軸穴37cが形成され、回転基部37aの下部から爪部37bの左右方向の中央部にかけての部分の前部には三角壁37dが形成されている。
【0040】
この歯止め爪37は、爪部37bの先端をラチェット歯車36に向けて支軸31eに回転可能に取り付けられている。爪部37bの先端はラチェット歯車36の係合溝36aに接触できる位置まで延びており、自重によって下方に付勢されている。このため、歯止め爪37の爪部37bは、ラチェット歯車36が時計周り方向に回転するときには、ラチェット歯車36の外周側に位置し、ラチェット歯車36が反時計周り方向に回転するときには係合溝36aに食い込んで、ラチェット歯車36の回転を制止する。前述したように、この歯止め爪37とラチェット歯車36とで本発明に係る逆転防止機構35が構成され、逆転防止機構35は、ケーシング13c内に設置されている。そして、ケーシング13cの周壁の上部で、歯止め爪37の爪部37bは上方への移動を制限され、ラチェット歯車36との係合が解除された状態からは僅かしか上方に移動できなくなっている。
【0041】
また、ストッパ30は、連動機構40を介して、打球装置20のプッシュバー23bに連動するように配置されており、打球装置20の作動に連動して回転する。連動機構40は、ソレノイドレバー41と、中継レバー42とを備えている。ソレノイドレバー41は、正面視が左右に細長い菱形部分41aの右端に右側および下方に延びる板状の作用片41bを形成し、左端前部に前方に突出する連結軸部41cを形成するとともに、菱形部分41aの左右方向の中央でかつ上部側部分に前後に突出する軸部41dを形成した構成をしている。また、菱形部分41aの後面には、円柱状の凸部18が軸部41dと同軸で、かつ菱形部分41aと一体に形成されている。この凸部18は、菱形部分41aと基板11aとの間隔が一定値以下になることを防止するために設けられている。
【0042】
そして、軸部41dを、内カバー本体12aの軸受け部18aに挿入することによって、ソレノイドレバー41は回転可能に支持されている。また、作用片41bはプッシュバー23bの下端側に位置しておりプッシュバー23bが下方に移動したときに、ソレノイドレバー41は時計回り方向に回転する。ソレノイドレバー41の菱形部分41aと作用片41bとはベース11内に配置されているが、連結軸部41cは、内カバー本体12aの穴部12eを貫通して内カバー本体12aの前面側に突出している。この連結軸部41cは後部が大径で前部が小径になった段違いの軸部で構成されている。
【0043】
中継レバー42は、長い棒体で構成されており、下端と上端とにそれぞれ軸方向を前後に向け軸方向の長さが短い連結筒部42a,42bが形成され、左縁部の上部には左側から屈曲して上方に延びるフック42cが形成されている。そして、連結筒部42aに、連結軸部41cの前部の小径部分が回転可能に挿通し、連結筒部42bに、ストッパ30の連結軸34が回転可能に挿通している。また、フック42cと内カバー本体12aのばね支持部19とには中継レバー42を下方に付勢するばね43が掛け渡されている。
【0044】
このため、プッシュバー23bが下方に移動したときにストッパ30は時計回り方向に回転して、図2ないし図5に示したように、上側係合部32をスプロケット25に係合させ、プッシュバー23bが上方に移動したときにばね43の付勢力によりストッパ30は反時計回り方向に回転して、図9および図10に示したように、下側係合部33をスプロケット25に係合させる。そして、上側係合部32とスプロケット25との係合が解除され、下側係合部33がスプロケット25に係合するまでの間、および下側係合部33とスプロケット25との係合が解除され、上側係合部32がスプロケット25に係合するまでの間にスプロケット25は遊技球Bの重さによって時計回り方向に回転する。
【0045】
このように構成された発射用球供給装置Aが備わったパチンコ機を使用する場合には、まず、球受皿に所定量の遊技球Bを入れる。これによって、先に球受皿に入った遊技球Bから順に、球供給路17を流下していく。そして、先頭の遊技球Bは、図11に示したように、スプロケット25における球供給路17内に位置する球搬送凹部28と突部17dとの間まで進む。この場合、弾発部23は下降し、中継レバー42はばね43の弾性に抗して上昇し、ストッパ30は時計周り方向に回転し、上側係合部32はスプロケット25の上部に位置する歯部27aに係合した状態になっている。
【0046】
つぎに、操作部(図示せず)を回転操作することによって、打球装置20を作動させる。これによって、ソレノイド本体21のコイルに通電され、プランジャが吸引されると、弾発部23は上方に移動して、図3および図4の状態から図10の状態を経て図9および図12の状態になる。すなわち、図10は、弾発部23が上昇することによって、中継レバー42がばね43の弾性によって下降するとともに、ストッパ30が反時計周り方向に回転して上側係合部32が上部側に位置する歯部27aの先端部から離れ、下側係合部33が下部側に位置する歯部27aに係合しようとしている状態を示している。そして、図9および図12は、下側係合部33が下部側に位置する歯部27aに係合した状態を示している。
【0047】
この間に、スプロケット25は、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転し、最初の遊技球Bは、球搬送凹部28内から球供給路17の供給口17cを通過して発射位置16aに向かう。なお、図12に示した状態のときに、最初の遊技球Bは、まだ、発射位置16aに達していないため、弾発部23は空振りの状態になる。そして、ソレノイド本体21のコイルへの通電が停止されると、ばねの付勢力により弾発部23は下降する。その間に、最初の遊技球Bは、発射位置16aに到達し、つぎの遊技球Bが、球搬送凹部28内に入っていく。そして、再度、ソレノイド本体21のコイルに通電され、弾発部23が上方に移動すると、最初の遊技球Bは弾発部23の打撃部23cによって打撃される。
【0048】
打撃された遊技球Bは、発射レール16および下ガイド壁14を通過してパチンコ機本体の表面に設けられた遊技盤に入っていく。その間に、つぎの遊技球Bが、発射位置16aに到達し、さらにつぎの遊技球Bが球搬送凹部28内に入っていく。このような動作が繰り返されることにより、遊技球Bが1個ずつ供給皿から球供給路17に送られ、球供給路17に配置されたスプロケット25を通過して発射位置16aに供給される。そして、発射位置16aに到達した遊技球Bは、弾発部23の打撃部23cによって打撃される。この間、スプロケット25は、時計周り方向に回転する状態と、上側係合部32または下側係合部33によって、回転を制止された状態を繰り返す。
【0049】
また、スプロケット25が時計周り方向に回転する際、歯止め爪37は、ラチェット歯車36の回転を妨げることなく、爪部37bの先端がラチェット歯車36の外周上部を乗り越えていく状態になる。そして、スプロケット25の球搬送凹部28に遊技球Bが入っていないときなどに、はずみでスプロケット25が反時計周り方向に回転しようとしたときには、爪部37bの先端がラチェット歯車36の係合溝36aに係合して、ラチェット歯車36の反時計周り方向の回転を制止する。このため、複数の遊技球Bが一度にスプロケット25を通過したり、スプロケット25の歯部27aと球供給路17の突部17dとの間に、遊技球Bが挟み込まれてスプロケット25が回転不能の状態になったりすることが防止される。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る発射用球供給装置Aでは、球搬送凹部28内に遊技球Bを位置させその遊技球Bの重さで時計周り方向に回転することにより遊技球Bを通過させるスプロケット25が、一部を球供給路17内に突出させて設置されている。そして、スプロケット25の近傍に、往復回転することにより、スプロケット25の球搬送凹部28の凸曲線部28aに交互に係合してスプロケット25の時計周り方向の回転を制止する上側係合部32と下側係合部33とが備わったストッパ30が設置されている。このため、上側係合部32と下側係合部33との球搬送凹部28の凸曲線部28aへの係合が切り替わる際に、スプロケット25に遊技球Bの重さが加わるとスプロケット25が回転して遊技球Bを1個ずつ通過させる。
【0051】
さらに、スプロケット25とストッパ30とに掛けて、スプロケット25が反時計周り方向に回転することを防止する逆転防止機構35が設置されている。このため、スプロケット25に遊技球Bの重さが加わっていないときに、振動などによりスプロケット25が反時計回り方向に回転しようとしても、逆転防止機構35によって、スプロケット25の反時計周り方向への回転は制止される。これによって、複数の遊技球Bがスプロケット25を通過したり、スプロケット25の歯部27aと球供給路17の突部17dとの間に遊技球Bが挟み込まれてスプロケット25が回転不能の状態になったり、さらには、スプロケット25とストッパ30とが絡んでロックされた状態になることを防止できる。
【0052】
また、逆転防止機構35を、スプロケット25と一体に形成されたラチェット歯車36と、ストッパ30と同軸に設けられた棒状の歯止め爪37とで構成したため、比較的簡単な構成にすることができるとともに、設置スペースが小さくて済むようになる。さらに、連動機構40を、弾発部23の進退にしたがって回転移動するソレノイドレバー41と、下端がソレノイドレバー41の左端に回転可能に連結され上端がストッパ30の連結片31cに回転可能に連結された中継レバー42とを備えたリンク機構で構成したため、簡単な構成で、打球装置20の作動と、ストッパ30の作動とを連動させることができる。
【0053】
また、本発明に係る発射用球供給装置は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、打球装置20として、プランジャ式ソレノイドを用いているが、これに代えてロータリソレノイドを用いることもできる。この場合、弾発部としては、基部を中心として回転でき、先端における発射位置に対向する面に打撃部が設けられた棒状の発射杵を用いる。また、連動機構は、下側係合部がスプロケットに接近するようにストッパを回転させる付勢手段と、発射杵とストッパとの間に設けられ、ストッパを、付勢手段の付勢力に抗して発射杵の発射位置からの後退に追従させて、上側係合部がスプロケットに接近するように回転させる押圧手段とで構成することができる。さらに、逆転防止機構は、前述した実施形態と同様、ラチェット歯車と歯止め爪とで構成し、スプロケットとストッパとにかけて設置することができる。
【0054】
また、前述した実施形態では、スリーブ22に内蔵されたばねの付勢力により弾発部23を後退させているが、このばねに代えて弾発部23を下方に吸引する磁石を用いてもよい。さらに、前述した実施形態では、爪部37bの先端は自重によってラチェット歯車36側に付勢されているが、爪部37bの先端をラチェット歯車36側に付勢するばね等の付勢部材を用いてもよい。これによると、爪部37bの先端の係合溝36aへの係合がより確実になる。また、歯止め爪37は、支軸31eでなく、内カバー12に別途支軸を設けてその支軸に回転可能に取り付けてもよい。
【0055】
また、前述した実施形態では、ラチェット歯車36の歯部36bの数を、スプロケット25の歯部27aの数と同じ5個にしているが、歯部36bの数は、歯部27aの数以上にしてもよい。これによると、スプロケット25の逆回転の防止をより小さな範囲で行うことができる。なお、歯部27aの数も5個以外の複数にすることができる。また、本発明に係る発射用球供給装置のそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
16…発射レール、16a…発射位置、17…球供給路、20…打球装置、20a…駆動部、23…弾発部、25…スプロケット、28…球搬送凹部、28a…凸曲線部、30…ストッパ、31…ストッパ本体、32…上側係合部、33…下側係合部、35…逆転防止機構、36…ラチェット歯車、36b…歯部、37…歯止め爪、37a…回転基部、37b…爪部、40…連動機構、41…ソレノイドレバー、42…中継レバー、A…発射用球供給装置、B…遊技球。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機における球供給路から、発射レールの下端に設けられた発射位置に遊技球を供給するために用いられる発射用球供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ機においては、パチンコ機の表面下部に設けられた供給皿内の遊技球を、球供給路を介して発射レールの下端に設けられた発射位置に送り、発射位置に送られた遊技球を、駆動部の作動により発射位置に対して進退する弾発部で打撃して発射レールから遊技盤に送り出すようにしている。この場合、一度に、複数の遊技球が発射位置に供給されることを防止するために、弾発部の1回の進退に対して、1個の遊技球を球供給路を通過させて発射位置に供給する機構を備えた発射用球供給装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この発射用球供給装置では、1個の遊技球を係合可能な凹部と、歯部とが外周縁に交互に形成されたスプロケットを、球供給路に臨ませて回転可能に配置している。そして、このスプロケットを、凹部に位置する遊技球の重さによって回転させることにより、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に1個ずつ通過させる。また、スプロケットの近傍には、スプロケットの歯部に係合可能な上側係合部と下側係合部とを備えたストッパが回転可能に設けられている。このストッパは、プランジャ式ソレノイドの駆動によって発射位置に対して進退する弾発部と連動して往復回転するように構成されている。
【0004】
そして、ストッパが弾発部の進退に連動して往復回転することにより、上側係合部と下側係合部とを、交互にスプロケットの歯部に係合させたり、その係合を解除させたりする。このとき、上側係合部と歯部との係合が解除されてから、下側係合部と歯部とが係合し、さらに、下側係合部と歯部との係合が解除されて上側係合部と歯部とが係合するまでの間に、遊技球の重さによってスプロケットが回転し、1個の遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−29375号公報
【発明の概要】
【0006】
前述した従来のスプロケットとストッパとを備えた発射用球供給装置では、遊技球を供給するタイミングに一定の間隔を持たせるために、上側係合部と下側係合部とが、交互に、スプロケットが遊技球を通過させる方向に回転することを防止するように構成されている。しかしながら、スプロケットは、遊技球を通過させる方向だけでなく、その反対方向にも回転可能になっており、スプロケットが往復回転する際に、振動によりがたついて遊技球を通過させる方向の反対方向に回転した場合には、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットの歯部と球供給路の壁部との間に遊技球が挟み込まれてスプロケットが回転不能の状態になったりすることがある。また、反対方向に回転したスプロケットがストッパに係合して弾発部の進退に悪影響が生じることもある。
【0007】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、スプロケットが遊技球を通過させる方向と反対の方向に回転することを防止することにより、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる発射用球供給装置を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係る発射用球供給装置の構成上の特徴は、発射レール(16)の下端に設けられた発射位置(16a)に遊技球(B)を供給する球供給路(17)と、発射位置に対して進退可能に設けられた弾発部(23)と弾発部を発射位置に対して進退させることにより発射位置に供給される遊技球を弾発部に打撃させる駆動部(20a)とを備えた打球装置(20)と、複数の球搬送凹部(28)が外周部に形成され、外周部を球供給路に臨ませて配置された回転体からなり、球搬送凹部に入る遊技球の重さによって一方向に回転することにより、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させるスプロケット(25)と、往復回転可能に設置された本体(31)と、本体の上部と下部からそれぞれスプロケット側に突出する上側係合部(32)と下側係合部(33)とを備え、往復回転することによって、上側係合部と下側係合部とをスプロケットに対して交互に進退させて球搬送凹部の縁部(28a)に係合させることによりスプロケットの一方向への回転を制止し、上側係合部と下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、スプロケットの一方向への回転を許容するストッパ(30)と、弾発部の進退に連動してストッパを往復回転させる連動手段(40)と、スプロケットが他方向に回転することを防止する逆回転防止手段(35)とを備えたことにある。
【0009】
本発明に係る発射用球供給装置では、スプロケットの外周部に、複数の球搬送凹部が形成され、ストッパに、本体の上部と下部からそれぞれ突出して、スプロケットの球搬送凹部の縁部に係合できる上側係合部と下側係合部とが備わっている。また、スプロケットが他方、すなわち、遊技球を球供給路の上流側から発射位置側に通過させるために回転する方向と逆の方向に回転することを防止する逆回転防止手段も備わっている。
【0010】
このため、上側係合部がスプロケットの一方向への回転を制止しているときに、振動などによりスプロケットが他方向に回転しようとしても、逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。同様に、下側係合部がスプロケットの一方向への回転を制止しているときに、振動などによりスプロケットが他方向に回転しようとしても、逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。また、上側係合部および下側係合部がともにスプロケットに係合していないときにも逆回転防止手段によって、スプロケットの他方向への回転は阻止される。これによって、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットの歯部と球供給路の壁部との間に遊技球が挟み込まれてスプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる。
【0011】
また、本発明では、連動手段が、弾発部の進退に連動してストッパを往復回転させることにより、上側係合部と下側係合部とを交互にスプロケットの球搬送凹部の縁部に係合させ、上側係合部と下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、遊技球の重さにより、スプロケットの一方向への回転を許容する。このため、遊技球は、弾発部の1回の進退に対して1個ずつ発射位置に供給される。この場合、弾発部が待機位置にあるときに、上側係合部がスプロケットの上側の球搬送凹部の縁部に係合し、このときに、所定の球搬送凹部内に遊技球が保持される。つぎに、弾発部が発射位置に進み、すでに発射位置に供給されている遊技球を打撃する間に、上側係合部と球搬送凹部の縁部との係合が解除され、下側係合部がスプロケットの下側の球搬送凹部の縁部に係合する。この間にスプロケットが一方向に回転して遊技球を発射位置に供給する。
【0012】
また、弾発部が待機位置に戻るときに、下側係合部と球搬送凹部の縁部との係合が解除され、上側係合部が、再度上側の球搬送凹部の縁部に係合し、このときに、スプロケットが一方向に回転して次の遊技球を球搬送凹部内に導く。このように、遊技球を発射位置に供給する動作が、弾発部が遊技球を打撃する動作と同じタイミングで行われる。なお、駆動部としては、ロータリソレノイドやプランジャ式ソレノイドを用いることができる。また、連動手段としては、カムやリンク等を用いて機械的に連動させる連動機構や、別途、ストッパを往復回転させるソレノイドを設け、このソレノイドの作動を駆動部の作動と電気的に連動させる連動装置等を用いることができる。
【0013】
また、本発明に係る発射用球供給装置の他の構成上の特徴は、逆回転防止手段を、スプロケットと同軸に設けられスプロケットと一体となって回転するラチェット歯車(36)と、スプロケットが一方向に回転するときにはラチェット歯車に係合せずにスプロケットの回転を許容し、スプロケットが他方向に回転しようとするときにはラチェット歯車に係合してスプロケットの回転を制止する回転防止部(37)とで構成したことにある。本発明によると、比較的簡単な構成で、スプロケットが他方向に回転することを確実に防止できる。
【0014】
また、本発明に係る発射用球供給装置のさらに他の構成上の特徴は、回転防止部を、基部(37a)がストッパと同軸上に回転可能に支持され先端部がラチェット歯車の歯部に向かって延びる棒状に形成したことにある。本発明によると、回転防止部をストッパと同軸に設けるため、別途回転防止部を設置するスペースを設ける必要がなくなり、装置が大型化することを防止できる。
【0015】
また、本発明に係る発射用球供給装置の他の構成上の特徴は、駆動部をソレノイドの作動によりプランジャを進退させるプランジャ式ソレノイドで構成し、連動手段を、軸(41d)を中心に回転でき軸を挟んで一端がプランジャの進退にしたがって回転するソレノイドレバー(41)と、一端がソレノイドレバーの軸を挟んだ他端に回転可能に連結され他端がストッパの本体におけるスプロケット側と反対側部分(41c)に回転可能に連結された中継レバー(42)とで構成したことにある。これによると、駆動部としてプランジャ式ソレノイドを用いた発射用球供給装置において、複数の遊技球が球供給路を通過したり、スプロケットが回転不能の状態になったりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る発射用球供給装置を示した斜視図である。
【図2】外カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した斜視図である。
【図3】内カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した斜視図である。
【図4】内カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した正面図である。
【図5】外カバーを外して発射用球供給装置の内部を示した正面図である。
【図6】ラチェット歯車が取り付けられたスプロケットを示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図7】発射用球供給装置が備えるストッパを示した正面図である。
【図8】歯止め爪を示しており、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図9】弾発部が上昇したときの発射用球供給装置の内カバーを外して内部を示した正面図である。
【図10】弾発部が上昇したときの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【図11】遊技球をスプロケットの位置まで供給したときの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【図12】最初の遊技球を供給口から送り出したのちの発射用球供給装置の外カバーを外して内部を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る発射用球供給装置Aの外観を示しており、図2および図3は発射用球供給装置Aの内部の異なる部分を示している。この発射用球供給装置Aは、設置用ケース10を介してパチンコ機本体(図示せず)の下部に組み込まれており、パチンコ機本体の表面に設けられた供給皿内の遊技球B(図11および図12参照)を、後述する球供給路17を介して発射レール16の下端に設けられた発射位置16aに供給するものである。発射用球供給装置Aは、設置用ケース10に、打球装置20と、スプロケット25と、ストッパ30と、逆転防止機構35と、打球装置20が備える弾発部23とストッパ30とを連動させる連動機構40とを設置して構成されている。以下、本明細書では、左右、前後および上下の方向は、図1ないし図3に基づいて記載する。
【0018】
設置用ケース10は、ベース11と、内カバー12と、外カバー13とで構成されている。そして、ベース11は、図4に示したように、基板11aと、周壁部11bと、取付部11cとで構成されている。基板11aは、右下から左上に延びる長方形部分の上部に、長方形部分の右上の縁部の上端から水平方向に左側に延びる縁部と、左下の縁部の上端から上方に延びる縁部とを有する三角形の部分を形成した形状をしており、周壁部11bは、基板11aの上部の水平部分を除いた周縁部から前方に突出する枠状の壁部で構成されている。取付部11cは、基板11aの上部の上下方向に延びる縁部の左側に位置しており略四角形に形成されている。
【0019】
また、基板11aにおける幅方向の略中央には、上端から下部側に向かって傾斜して延びる下ガイド壁14が形成され、下ガイド壁14の右上に間隔をおいて下ガイド壁14と平行する上ガイド壁15が形成されている。そして、下ガイド壁14の下端に発射レール16が設置されている。発射レール16の断面形状は、略M形に形成されており、上面に長手方向に沿った断面V形の浅い溝が形成されている。この発射レール16は、ねじ14aによって下ガイド壁14に固定されている。
【0020】
上ガイド壁15は、下ガイド壁14と発射レール16との間に遊技球Bを余裕を持って通すことのできる間隔を保って形成されており、その下端に下ガイド壁14に向かって突出する球停止部15aが設けられている。この球停止部15aは、下ガイド壁14に向かって下方に延びたのちに、屈曲して右方向に延びて周壁部11bに連結された正面視が略L形の壁部で構成されており、その角部の前部に切欠き部15bが設けられている。
【0021】
すなわち、下ガイド壁14および発射レール16と、上ガイド壁15との間は、遊技球Bが遊技盤に向けて発射される球発射路を構成し、その下端の幅は、球停止部15aが下ガイド壁14に向かって突出することによって狭められ、遊技球Bが通過できなくなっている。本実施形態では、この発射レール16の下端側部分と球停止部15aとの間の遊技球Bが通過できない部分を発射位置16aとしている。
【0022】
内カバー12は、図5に示したように、内カバー本体12aと周壁部12bとからなっており、ベース11の右下から左上に延びる長方形部分の前部に取り付けられている。内カバー本体12aは、右下から左上に延びる長方形部分と、その長方形部分の左上部から左下に向かって突出する小さな三角形の部分と、長方形部分の右側における上下方向の中央部分から右上に向かって突出する大きな三角形の部分とからなっている。
【0023】
そして、周壁部12bは、内カバー本体12aの周縁部における球供給路17が形成された部分を除いた部分に形成された前後方向の長さが短い壁部で構成されている。また、内カバー本体12aの下部には、ベース11内に連通する略四角形の大きな穴部12cが形成されており、その周縁部には周壁部12bと前後方向の長さが同じ周壁部12dが形成されている。さらに、内カバー本体12aにおける穴部12cの左下方(内カバー本体12aの左下部の角部近傍)には、縦長の長円形の小さな穴部12eが形成されている。また、内カバー本体12aの下部における穴部12cと穴部12eとの間に、前後に貫通する円筒状の軸受け部18aが形成され、内カバー本体12aの左縁部側の上下方向の略中央には、円筒状のばね支持部19が形成されている。
【0024】
球供給路17は、パチンコ機本体の供給皿から内カバー12の略中央にかけて形成されており、その下端は発射位置16aに連通している。球供給路17は、内カバー本体12aの一部と、内カバー本体12aの前面から互いの間隔を保って前方に突出するガイド側壁17a,17bと、ガイド側壁17a,17bの前部を覆う外カバー13の一部との間に形成されている。球供給路17は、内カバー12に設けられた大きな三角形の部分に設けられており、設置用ケース10の右上部側から左下方に緩やかに傾斜して中央側に延びたのちにS字状に緩やかに曲がって下方に延びている。そして、内カバー本体12aにおける球供給路17の下端に対応する部分には球供給路17を発射位置16aに連通させる供給口17cが開口している。
【0025】
外カバー13は、段違いの外カバー本体13aと周壁部13bとからなっており、ねじ11dによって内カバー12とともに、ベース11に取り付けられている。外カバー本体13aは、内カバー本体12aを、小さな三角形の部分の下端部から上方に向かって延びる境界線で区切り、その左側部分を他の部分よりも後方に位置させた形状をしており、周壁部13bは、外カバー本体13aの周縁部における球供給路17が形成された部分を除いた部分に後方に向かって形成された壁部で構成されている。この外カバー13には、ガイド側壁17a,17bに対向して配置され、ガイド側壁17a,17bよりも前後方向の長いガイド側壁が形成されている。
【0026】
また、ガイド側壁17aに対向する外カバー13のガイド側壁におけるS字状に曲がった部分には、遊技球Bの直径の2倍程度の長さの開口部(ガイド側壁が形成されていない部分)が形成されている。ガイド側壁17bにおけるその開口部の右側後方部分には、球供給路17の内部側に向かって突出する突部17dが形成されており、外カバー13のガイド側壁における突部17dに対向する部分にも同形の突部が形成されている。また、外カバー本体13aの表面上部側部分には前方に突出する長円形の突部からなるケーシング13cが形成されている。このケーシング13cの内部には逆転防止機構35を収容する空間が形成され、前壁には前後に貫通する2つの軸受け穴13d,13eが形成されている。
【0027】
打球装置20は、プランジャ式ソレノイドからなる駆動部20aと弾発部23とからなっている。駆動部20aは、軸方向を発射レール16の延びる方向に合わせた状態に配置された円筒状のコイルを収容する矩形のソレノイド本体21と、ソレノイド本体21を軸方向に貫通するスリーブ22とを備えており、スリーブ22の内部にはプランジャが軸方向に移動可能に配置されている。プランジャの軸方向の両側にはそれぞれスリーブ22から突出するプッシュバー23a(図9参照),23bが設けられており、上部に位置するプッシュバー23aの先端には、打撃部23cが取り付けられている。また、スリーブ22の内部には、プランジャを発射位置16aに対して後退させる方向に付勢するばねが設けられている。
【0028】
なお、プッシュバー23a,23bおよび打撃部23cで本発明に係る弾発部23が構成される。この打球装置20は、ソレノイド本体21に備わっているコイルに通電がされてないときには、ばねの付勢力によりプランジャが下方の待機側に付勢され、コイルに通電がされると、プランジャが吸引されてプランジャとともにプッシュバー23a,23bおよび打撃部23cが発射位置16a側に移動する。また、ソレノイド本体21は、略四角板状の取付台21aの上面に設置されており、打球装置20は、取付台21aをねじ21bによって基板11aに固定することによってベース11に組み込まれている。そして、ソレノイド本体21の前部は、穴部12cを貫通して内カバー12の前方に突出している。
【0029】
スプロケット25は、図6に示したように、軸部26と、軸部26の外周に形成された歯部形成部27とで構成されている。軸部26は、外周の前部が大径で後部が小径になった段違いの円筒状に形成され、歯部形成部27は、リング状の板の外周縁に5つの同形の球搬送凹部28を一定間隔で形成した形状に形成されている。そして、各球搬送凹部28間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部27aが構成される。各球搬送凹部28の縁部は、一方側が径方向に延び他方が一方側に対して直交する方向に延びる略L形に形成されている。この球搬送凹部28を設けることによって、図6(a)に示したスプロケット25が時計周り方向に回転するときの各歯部27aにおける回転方向の前方側の縁部には、径方向に延びる緩やかな凸曲線部28aが形成されている。
【0030】
また、図6(a)に示したスプロケット25が時計周り方向に回転するときの各歯部27aにおける回転方向の後方側の縁部の外周側には、円周方向に延びる短い直線部と、直線部から屈曲して内周側に延びる凸曲線部28aよりも短く真直ぐな傾斜線部とからなる屈曲線部28bが形成されている。また、軸部26の内部には軸穴26aが形成されている。そして、軸部26の前面には前方に突出するラチェット歯車36がスプロケット25と一体に形成されている。このラチェット歯車36は、軸方向が短い筒状体の外周面に5つの同形の係合溝36aを一定間隔で形成した形状に形成されている。
【0031】
そして、各係合溝36a間に位置する突起で、一定間隔に配置された5つの同形の歯部36bが構成される。各係合溝36aの縁部は、前述した球搬送凹部28の縁部と逆の形状をしており、ラチェット歯車36が時計回り方向に回転するときの前方に位置する縁部が径方向に延び、回転方向の後方に位置する縁部が径方向に対して直交する方向に延びる略L形に形成されている。また、ラチェット歯車36の軸穴36cは、軸穴26aと同径で連続する穴部で構成されている。このラチェット歯車36は、後述する歯止め爪37とで逆転防止機構35を構成するものである。スプロケット25とラチェット歯車36とは、内カバー12と外カバー13との間に位置しており、内カバー12に形成された軸受け穴(図示せず)と外カバー13のケーシング13cに形成された軸受け穴13dとに掛け渡された支軸26bを軸穴26a,36cに通して回転可能な状態で設置されている。
【0032】
また、スプロケット25は、右側の一部が球供給路17内に位置するようにしてガイド側壁17aの開口部に配置されている。このスプロケット25と、ガイド側壁17bの突部17dとの間隔は、球搬送凹部28内に遊技球Bを位置させた状態でスプロケット25を時計周り方向に回転させたときに、遊技球Bが通過でき、スプロケット25が停止状態にあるときには、遊技球Bが通過できない長さに設定されている。また、スプロケット25は、球供給路17内を上流から流下してくる遊技球Bが、右側に位置する球搬送凹部28内に入ったときに、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転する。
【0033】
ストッパ30は、図7に示したように、円板状のストッパ本体31と、ストッパ本体31の外周から異なる方向に向かってそれぞれ延びる連結片31a,31b,31cとを備えている。そして、連結片31aの先端前面に上側係合部32が設けられ、連結片31bの先端前面に下側係合部33が設けられ、連結片31cの先端に連結軸34が設けられている。ストッパ本体31の中心には軸穴31dが形成されている。
【0034】
連結片31aは、ストッパ本体31の外周における右上部分(図7の状態での右上)から右斜め上方に向かって延びる細長い板状に形成されており、その先端形状は前方から見た状態で上部が円弧状で下部が真っ直ぐに傾斜して延びた先細り形状に形成されている。そして、連結片31aの先端前面に、前方に突出する上側係合部32が形成されている。上側係合部32は、連結片31aの長手方向に沿った長さの方が、連結片31aの幅方向に沿った長さよりも僅かに長くなっており、先端部32aの縁部は、連結片31aの先端部に沿った形状になっている。上側係合部32のストッパ本体31側の後端部32bの縁部は、幅方向の中央側が両側よりもストッパ本体31側に突出したV形に形成されている。
【0035】
連結片31bは、ストッパ本体31の外周における右下部分から右斜め下方に向かって延びる細長い板状に形成されており、その基端部は、連結片31aの幅と略同じ幅に形成され、先端側部分は前方から見た状態で先細り状に形成されている。連結片31bの先端側部分の先細り状は、連結片31bの右側縁部が先端側に行くほどを左側縁部に近づくように、右側縁部を左側縁部に対して傾斜させるとともに、左側縁部の先端部分が先端側に行くほどを右側縁部に近づくように、左側縁部の先端部を右側縁部に対して傾斜させることにより形成されている。そして、連結片31bの前面に、前方に突出する下側係合部33が形成されている。
【0036】
下側係合部33は、連結片31bの前面に連結片31bの基端側部分を除いた略全体にかけて形成されている。下側係合部33の先端部33aは、右側の緩やかな傾斜部と左側の急な傾斜部とが交差する頂部で構成されている。また、下側係合部33のストッパ本体31側の後端部33bの縁部は、前方から見た状態で、ストッパ本体31側に突出する半円状に形成されている。下側係合部33の先端部33aとストッパ本体31の中心部との間の長さは、上側係合部32の後端部32bのV形の頂部とストッパ本体31の中心部との間の長さと同じに設定されている。
【0037】
連結片31cは、ストッパ本体31の外周における左下部分から左斜め下方に向かって延びる幅の大きな板状に形成されており、その先端形状は前方から見た状態で半円状に形成されている。そして、連結片31cの前面先端側に、前方に突出する小径の円柱状の連結軸34が形成されている。このように構成されたストッパ30は、内カバー12と外カバー13との間に位置しており、内カバー12に形成された軸受け穴(図示せず)と外カバー13のケーシング13cに形成された軸受け穴13eとに掛け渡された支軸31eを軸穴31dに通して回転可能な状態で設置されている。
【0038】
ストッパ30は、ストッパ本体31および連結片31a,31b,31cをスプロケット25よりも後方に位置させて、スプロケット25の近傍に設置されている。そして、上側係合部32と下側係合部33との前後方向の位置が、スプロケット25と同じ位置になるようにするとともに、上側係合部32と下側係合部33とがスプロケット25の外周側に位置するようにして設置されている。また、ストッパ30は、上側係合部32と下側係合部33とでスプロケット25を挟んだ状態で往復回転でき、その回転により上側係合部32と下側係合部33とが交互にスプロケット25の球搬送凹部28内に対して進退するように設置されている。
【0039】
このため、上側係合部32と下側係合部33との少なくとも一方が、スプロケット25の可動範囲よりも外側に位置しているときに、スプロケット25は、歯部27aを上側係合部32や下側係合部33の位置を通過させて回転することができる。また、支軸31eにおけるストッパ30の前部には、本発明に係る回転防止部としての歯止め爪37が設置されている。この歯止め爪37は、図8に示したように、軸を前後方向に向けた環状の回転基部37aと、回転基部37aの外周上部から右側に延びる棒状の爪部37bとを備えている。また、回転基部37aの中央には軸穴37cが形成され、回転基部37aの下部から爪部37bの左右方向の中央部にかけての部分の前部には三角壁37dが形成されている。
【0040】
この歯止め爪37は、爪部37bの先端をラチェット歯車36に向けて支軸31eに回転可能に取り付けられている。爪部37bの先端はラチェット歯車36の係合溝36aに接触できる位置まで延びており、自重によって下方に付勢されている。このため、歯止め爪37の爪部37bは、ラチェット歯車36が時計周り方向に回転するときには、ラチェット歯車36の外周側に位置し、ラチェット歯車36が反時計周り方向に回転するときには係合溝36aに食い込んで、ラチェット歯車36の回転を制止する。前述したように、この歯止め爪37とラチェット歯車36とで本発明に係る逆転防止機構35が構成され、逆転防止機構35は、ケーシング13c内に設置されている。そして、ケーシング13cの周壁の上部で、歯止め爪37の爪部37bは上方への移動を制限され、ラチェット歯車36との係合が解除された状態からは僅かしか上方に移動できなくなっている。
【0041】
また、ストッパ30は、連動機構40を介して、打球装置20のプッシュバー23bに連動するように配置されており、打球装置20の作動に連動して回転する。連動機構40は、ソレノイドレバー41と、中継レバー42とを備えている。ソレノイドレバー41は、正面視が左右に細長い菱形部分41aの右端に右側および下方に延びる板状の作用片41bを形成し、左端前部に前方に突出する連結軸部41cを形成するとともに、菱形部分41aの左右方向の中央でかつ上部側部分に前後に突出する軸部41dを形成した構成をしている。また、菱形部分41aの後面には、円柱状の凸部18が軸部41dと同軸で、かつ菱形部分41aと一体に形成されている。この凸部18は、菱形部分41aと基板11aとの間隔が一定値以下になることを防止するために設けられている。
【0042】
そして、軸部41dを、内カバー本体12aの軸受け部18aに挿入することによって、ソレノイドレバー41は回転可能に支持されている。また、作用片41bはプッシュバー23bの下端側に位置しておりプッシュバー23bが下方に移動したときに、ソレノイドレバー41は時計回り方向に回転する。ソレノイドレバー41の菱形部分41aと作用片41bとはベース11内に配置されているが、連結軸部41cは、内カバー本体12aの穴部12eを貫通して内カバー本体12aの前面側に突出している。この連結軸部41cは後部が大径で前部が小径になった段違いの軸部で構成されている。
【0043】
中継レバー42は、長い棒体で構成されており、下端と上端とにそれぞれ軸方向を前後に向け軸方向の長さが短い連結筒部42a,42bが形成され、左縁部の上部には左側から屈曲して上方に延びるフック42cが形成されている。そして、連結筒部42aに、連結軸部41cの前部の小径部分が回転可能に挿通し、連結筒部42bに、ストッパ30の連結軸34が回転可能に挿通している。また、フック42cと内カバー本体12aのばね支持部19とには中継レバー42を下方に付勢するばね43が掛け渡されている。
【0044】
このため、プッシュバー23bが下方に移動したときにストッパ30は時計回り方向に回転して、図2ないし図5に示したように、上側係合部32をスプロケット25に係合させ、プッシュバー23bが上方に移動したときにばね43の付勢力によりストッパ30は反時計回り方向に回転して、図9および図10に示したように、下側係合部33をスプロケット25に係合させる。そして、上側係合部32とスプロケット25との係合が解除され、下側係合部33がスプロケット25に係合するまでの間、および下側係合部33とスプロケット25との係合が解除され、上側係合部32がスプロケット25に係合するまでの間にスプロケット25は遊技球Bの重さによって時計回り方向に回転する。
【0045】
このように構成された発射用球供給装置Aが備わったパチンコ機を使用する場合には、まず、球受皿に所定量の遊技球Bを入れる。これによって、先に球受皿に入った遊技球Bから順に、球供給路17を流下していく。そして、先頭の遊技球Bは、図11に示したように、スプロケット25における球供給路17内に位置する球搬送凹部28と突部17dとの間まで進む。この場合、弾発部23は下降し、中継レバー42はばね43の弾性に抗して上昇し、ストッパ30は時計周り方向に回転し、上側係合部32はスプロケット25の上部に位置する歯部27aに係合した状態になっている。
【0046】
つぎに、操作部(図示せず)を回転操作することによって、打球装置20を作動させる。これによって、ソレノイド本体21のコイルに通電され、プランジャが吸引されると、弾発部23は上方に移動して、図3および図4の状態から図10の状態を経て図9および図12の状態になる。すなわち、図10は、弾発部23が上昇することによって、中継レバー42がばね43の弾性によって下降するとともに、ストッパ30が反時計周り方向に回転して上側係合部32が上部側に位置する歯部27aの先端部から離れ、下側係合部33が下部側に位置する歯部27aに係合しようとしている状態を示している。そして、図9および図12は、下側係合部33が下部側に位置する歯部27aに係合した状態を示している。
【0047】
この間に、スプロケット25は、遊技球Bの重さによって時計周り方向に回転し、最初の遊技球Bは、球搬送凹部28内から球供給路17の供給口17cを通過して発射位置16aに向かう。なお、図12に示した状態のときに、最初の遊技球Bは、まだ、発射位置16aに達していないため、弾発部23は空振りの状態になる。そして、ソレノイド本体21のコイルへの通電が停止されると、ばねの付勢力により弾発部23は下降する。その間に、最初の遊技球Bは、発射位置16aに到達し、つぎの遊技球Bが、球搬送凹部28内に入っていく。そして、再度、ソレノイド本体21のコイルに通電され、弾発部23が上方に移動すると、最初の遊技球Bは弾発部23の打撃部23cによって打撃される。
【0048】
打撃された遊技球Bは、発射レール16および下ガイド壁14を通過してパチンコ機本体の表面に設けられた遊技盤に入っていく。その間に、つぎの遊技球Bが、発射位置16aに到達し、さらにつぎの遊技球Bが球搬送凹部28内に入っていく。このような動作が繰り返されることにより、遊技球Bが1個ずつ供給皿から球供給路17に送られ、球供給路17に配置されたスプロケット25を通過して発射位置16aに供給される。そして、発射位置16aに到達した遊技球Bは、弾発部23の打撃部23cによって打撃される。この間、スプロケット25は、時計周り方向に回転する状態と、上側係合部32または下側係合部33によって、回転を制止された状態を繰り返す。
【0049】
また、スプロケット25が時計周り方向に回転する際、歯止め爪37は、ラチェット歯車36の回転を妨げることなく、爪部37bの先端がラチェット歯車36の外周上部を乗り越えていく状態になる。そして、スプロケット25の球搬送凹部28に遊技球Bが入っていないときなどに、はずみでスプロケット25が反時計周り方向に回転しようとしたときには、爪部37bの先端がラチェット歯車36の係合溝36aに係合して、ラチェット歯車36の反時計周り方向の回転を制止する。このため、複数の遊技球Bが一度にスプロケット25を通過したり、スプロケット25の歯部27aと球供給路17の突部17dとの間に、遊技球Bが挟み込まれてスプロケット25が回転不能の状態になったりすることが防止される。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る発射用球供給装置Aでは、球搬送凹部28内に遊技球Bを位置させその遊技球Bの重さで時計周り方向に回転することにより遊技球Bを通過させるスプロケット25が、一部を球供給路17内に突出させて設置されている。そして、スプロケット25の近傍に、往復回転することにより、スプロケット25の球搬送凹部28の凸曲線部28aに交互に係合してスプロケット25の時計周り方向の回転を制止する上側係合部32と下側係合部33とが備わったストッパ30が設置されている。このため、上側係合部32と下側係合部33との球搬送凹部28の凸曲線部28aへの係合が切り替わる際に、スプロケット25に遊技球Bの重さが加わるとスプロケット25が回転して遊技球Bを1個ずつ通過させる。
【0051】
さらに、スプロケット25とストッパ30とに掛けて、スプロケット25が反時計周り方向に回転することを防止する逆転防止機構35が設置されている。このため、スプロケット25に遊技球Bの重さが加わっていないときに、振動などによりスプロケット25が反時計回り方向に回転しようとしても、逆転防止機構35によって、スプロケット25の反時計周り方向への回転は制止される。これによって、複数の遊技球Bがスプロケット25を通過したり、スプロケット25の歯部27aと球供給路17の突部17dとの間に遊技球Bが挟み込まれてスプロケット25が回転不能の状態になったり、さらには、スプロケット25とストッパ30とが絡んでロックされた状態になることを防止できる。
【0052】
また、逆転防止機構35を、スプロケット25と一体に形成されたラチェット歯車36と、ストッパ30と同軸に設けられた棒状の歯止め爪37とで構成したため、比較的簡単な構成にすることができるとともに、設置スペースが小さくて済むようになる。さらに、連動機構40を、弾発部23の進退にしたがって回転移動するソレノイドレバー41と、下端がソレノイドレバー41の左端に回転可能に連結され上端がストッパ30の連結片31cに回転可能に連結された中継レバー42とを備えたリンク機構で構成したため、簡単な構成で、打球装置20の作動と、ストッパ30の作動とを連動させることができる。
【0053】
また、本発明に係る発射用球供給装置は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、打球装置20として、プランジャ式ソレノイドを用いているが、これに代えてロータリソレノイドを用いることもできる。この場合、弾発部としては、基部を中心として回転でき、先端における発射位置に対向する面に打撃部が設けられた棒状の発射杵を用いる。また、連動機構は、下側係合部がスプロケットに接近するようにストッパを回転させる付勢手段と、発射杵とストッパとの間に設けられ、ストッパを、付勢手段の付勢力に抗して発射杵の発射位置からの後退に追従させて、上側係合部がスプロケットに接近するように回転させる押圧手段とで構成することができる。さらに、逆転防止機構は、前述した実施形態と同様、ラチェット歯車と歯止め爪とで構成し、スプロケットとストッパとにかけて設置することができる。
【0054】
また、前述した実施形態では、スリーブ22に内蔵されたばねの付勢力により弾発部23を後退させているが、このばねに代えて弾発部23を下方に吸引する磁石を用いてもよい。さらに、前述した実施形態では、爪部37bの先端は自重によってラチェット歯車36側に付勢されているが、爪部37bの先端をラチェット歯車36側に付勢するばね等の付勢部材を用いてもよい。これによると、爪部37bの先端の係合溝36aへの係合がより確実になる。また、歯止め爪37は、支軸31eでなく、内カバー12に別途支軸を設けてその支軸に回転可能に取り付けてもよい。
【0055】
また、前述した実施形態では、ラチェット歯車36の歯部36bの数を、スプロケット25の歯部27aの数と同じ5個にしているが、歯部36bの数は、歯部27aの数以上にしてもよい。これによると、スプロケット25の逆回転の防止をより小さな範囲で行うことができる。なお、歯部27aの数も5個以外の複数にすることができる。また、本発明に係る発射用球供給装置のそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
16…発射レール、16a…発射位置、17…球供給路、20…打球装置、20a…駆動部、23…弾発部、25…スプロケット、28…球搬送凹部、28a…凸曲線部、30…ストッパ、31…ストッパ本体、32…上側係合部、33…下側係合部、35…逆転防止機構、36…ラチェット歯車、36b…歯部、37…歯止め爪、37a…回転基部、37b…爪部、40…連動機構、41…ソレノイドレバー、42…中継レバー、A…発射用球供給装置、B…遊技球。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射レールの下端に設けられた発射位置に遊技球を供給する球供給路と、
前記発射位置に対して進退可能に設けられた弾発部と、前記弾発部を前記発射位置に対して進退させることにより、前記発射位置に供給される遊技球を前記弾発部に打撃させる駆動部とを備えた打球装置と、
複数の球搬送凹部が外周部に形成され、前記外周部を前記球供給路に臨ませて配置された回転体からなり、球搬送凹部に入る遊技球の重さによって一方向に回転することにより、遊技球を前記球供給路の上流側から前記発射位置側に通過させるスプロケットと、
往復回転可能に設置された本体と、前記本体の上部と下部からそれぞれ前記スプロケット側に突出する上側係合部と下側係合部とを備え、往復回転することによって、前記上側係合部と前記下側係合部とを前記スプロケットに対して交互に進退させて前記球搬送凹部の縁部に係合させることにより前記スプロケットの一方向への回転を制止し、前記上側係合部と前記下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、前記スプロケットの一方向への回転を許容するストッパと、
前記弾発部の進退に連動して前記ストッパを往復回転させる連動手段と、
前記スプロケットが他方向に回転することを防止する逆回転防止手段と
を備えたことを特徴とする発射用球供給装置。
【請求項2】
前記逆回転防止手段を、前記スプロケットと同軸に設けられ前記スプロケットと一体となって回転するラチェット歯車と、前記スプロケットが一方向に回転するときには前記ラチェット歯車に係合せずに前記スプロケットの回転を許容し、前記スプロケットが他方向に回転しようとするときには前記ラチェット歯車に係合して前記スプロケットの回転を制止する回転防止部とで構成した請求項1に記載の発射用球供給装置。
【請求項3】
前記回転防止部を、基部が前記ストッパと同軸上に回転可能に支持され先端部が前記ラチェット歯車の歯部に向かって延びる棒状に形成した請求項2に記載の発射用球供給装置。
【請求項4】
前記駆動部をソレノイドの作動によりプランジャを進退させるプランジャ式ソレノイドで構成し、前記連動手段を、軸を中心に回転でき前記軸を挟んで一端が前記プランジャの進退にしたがって回転するソレノイドレバーと、一端が前記ソレノイドバーの軸を挟んだ他端に回転可能に連結され他端が前記ストッパの本体における前記スプロケット側と反対側部分に回転可能に連結された中継レバーとで構成した請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の発射用球供給装置。
【請求項1】
発射レールの下端に設けられた発射位置に遊技球を供給する球供給路と、
前記発射位置に対して進退可能に設けられた弾発部と、前記弾発部を前記発射位置に対して進退させることにより、前記発射位置に供給される遊技球を前記弾発部に打撃させる駆動部とを備えた打球装置と、
複数の球搬送凹部が外周部に形成され、前記外周部を前記球供給路に臨ませて配置された回転体からなり、球搬送凹部に入る遊技球の重さによって一方向に回転することにより、遊技球を前記球供給路の上流側から前記発射位置側に通過させるスプロケットと、
往復回転可能に設置された本体と、前記本体の上部と下部からそれぞれ前記スプロケット側に突出する上側係合部と下側係合部とを備え、往復回転することによって、前記上側係合部と前記下側係合部とを前記スプロケットに対して交互に進退させて前記球搬送凹部の縁部に係合させることにより前記スプロケットの一方向への回転を制止し、前記上側係合部と前記下側係合部との球搬送凹部の縁部に対する係合が切り換わる際に、前記スプロケットの一方向への回転を許容するストッパと、
前記弾発部の進退に連動して前記ストッパを往復回転させる連動手段と、
前記スプロケットが他方向に回転することを防止する逆回転防止手段と
を備えたことを特徴とする発射用球供給装置。
【請求項2】
前記逆回転防止手段を、前記スプロケットと同軸に設けられ前記スプロケットと一体となって回転するラチェット歯車と、前記スプロケットが一方向に回転するときには前記ラチェット歯車に係合せずに前記スプロケットの回転を許容し、前記スプロケットが他方向に回転しようとするときには前記ラチェット歯車に係合して前記スプロケットの回転を制止する回転防止部とで構成した請求項1に記載の発射用球供給装置。
【請求項3】
前記回転防止部を、基部が前記ストッパと同軸上に回転可能に支持され先端部が前記ラチェット歯車の歯部に向かって延びる棒状に形成した請求項2に記載の発射用球供給装置。
【請求項4】
前記駆動部をソレノイドの作動によりプランジャを進退させるプランジャ式ソレノイドで構成し、前記連動手段を、軸を中心に回転でき前記軸を挟んで一端が前記プランジャの進退にしたがって回転するソレノイドレバーと、一端が前記ソレノイドバーの軸を挟んだ他端に回転可能に連結され他端が前記ストッパの本体における前記スプロケット側と反対側部分に回転可能に連結された中継レバーとで構成した請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の発射用球供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−192066(P2012−192066A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58898(P2011−58898)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000148287)株式会社浅間製作所 (114)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000148287)株式会社浅間製作所 (114)
【Fターム(参考)】
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