説明

発注情報管理装置、発注装置および発注管理システム

【課題】在庫の有無などを自動確認することで発注業務の迅速化を図る。
【解決手段】発注情報管理装置50では、受信した発注品情報から、欠品の有無、代替品の有無、搬送手段の手配可能日などを納品調整情報として発注元(発注装置)20に送り、発注元からの回答情報に基づいて発注情報を確定してから、最終的な発注情報を配給管理センタ30と物流センタ60に送る。物流センタ60では発注品の取り揃えや搬送手段の手配を行って発注品の納品が行われる。この自動処理システムによって、発注内容を早期に確定できる。配給管理センタ30では、複数の発注元の発注状況を一括管理できる。物流センタ60では、確定した発注情報に基づいて資材の調達、搬送手段の手配等を迅速に実行できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発注情報管理装置、発注に使用する発注装置およびこれらの発注管理システムに関する。詳しくは、発注情報の変更処理の簡素化を図り、資材や機材に関する発注管理の省力化を達成できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
配電設備等の配電工事を担当する部署(多くは営業所)から、配電工事に必要な資材(機材を含む。以下同じ)を資材配給元から調達する場合、発注資材をそのまま納品先(配給先)に納品(配給)できないケースがある。
【0003】
例えば、資材配給センタ側に発注資材の在庫がなく、欠品であるとき。このときは欠品が補充されるまで配電工事を中止するか、あるいは発注資材の代替品で賄うことができる場合に、代替品の配給でも可能かどうかの判断を、発注者に確認をとる必要がある。
【0004】
また、発注資材が重量のある資材(変圧器や制御器など)であって、これらの資材を搬入するための搬送機材(クレーン車など)を用意しなければ、納品先に搬入できない資材であるときは、納品先にその資材をそのまま納品(受け渡し)してよいかどうか、さらには納品できないときは、予め指定された別の指定先があるかどうかの判断を行う必要がある。
【0005】
これらの判断を行うため、従来では、発注内容を資材配給センタ側で点検し、上述のような資材が含まれているときは、資材発注者に電話等を利用して確認し、指示を仰ぐような管理システムとなっている。
【0006】
なお、資材などの製品を受発注する受発注システムや運搬システムについては既に知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−132869号公報
【特許文献2】特開2002−324295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1には製品の受発注システムとして、製品生産工場に対する製品手配の指示回数をできるだけ少なくできる受発注システムが開示されている。この受発注システムでは、製品発注側において製品生産計画の立案内容に基づいた製品納品指示を製品受注側に行い、製品受注側ではその納品指示に従い、製品生産工場側に製品の出荷指示を行うことで、製品手配回数を削減できるようにしたものである。
【0009】
また、特許文献2には搬送手段の位置、運搬経路の所要時間、到着地に関する情報を一元管理することで、交通渋滞等による運行の遅延を回避できる技術が開示されている。したがって、何れの特許文献にも、発注資材の在庫切れに伴う代替手段の考えや、納品に伴う搬送手段の要否などを判断する技術は開示されていない。
【0010】
上述のように発注が行なわれたときには、従来では資材配給センタ側で発注内容を確認し、欠品など発注資材によっては発注担当者との間で連絡を取り合う必要がある。そのために、発注処理に時間がかかったり、人手を介して発注の調整処理を行わなければならず、資材発注処理の迅速化や、資材の発注管理システムの省力化などを図ることができない。
【0011】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特に発注資材の調整処理が必要と思われる項目を予め用意しておき、発注項目にそのような項目が含まれている場合には、発注元への確認を自動的に行うことで、資材発注処理の迅速化などを達成した発注装置やその発注管理システムなどを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る発注情報管理装置では、資材の発注項目を含む発注品情報の受信手段と、
欠品リストを参照して受信した発注項目に対する欠品の有無を判別し、欠品であるときは納品調整項目としてリストアップする欠品検索手段と、
上記欠品検索情報に関連して上記欠品に対する代替品リストを参照して検索して、上記欠品に対する代替品が存在する場合には代替品リストをリストアップする代替品検索手段と、
要搬送品目リストを検索して、上記発注品が搬送手段による搬入が必要であるときは、上記搬送手段の手配可能日を読み出してリストアップする搬送管理手段と、
上記欠品検索手段、代替品検索手段および管理手段でリストアップされた各情報を納品調整情報等として生成する納品調整情報生成手段と、
上記納品調整情報を上記発注元に送信する送信手段と、
上記納品調整情報に対する回答情報に基づいて最終発注情報を確定する発注情報確定手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載したこの発明に係る発注装置では、発注情報に関連した納品調整情報を受信する受信手段と、
受信した上記納品調整情報を表示する表示手段と、
上記納品調整情報に対する回答情報の入力手段と、
上記関連情報を送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0014】
そして、請求項8に記載したこの発明に係る発注管理システムでは、発注品情報を生成すると共に、上記発注品情報に対する納品調整情報からその回答情報を生成する発注装置と、
複数の上記発注装置からの発注情報を管理する配給管理センタと、
上記配給管理センタから転送された発注情報を受信すると共に、上記発注情報に基づいて生成された上記納品調整情報を上記発注装置に送信する発注情報管理装置とからなり、
上記発注情報管理装置では、上記発注品に対する調整すべき項目が存在するときは、上記納品調整情報を上記発注装置に直接送信することを特徴とする。
【0015】
請求項1および請求項5に係る発明は発注管理システムの一部を構成するものであり、請求項8は発注管理システム全体に係る発明である。
【0016】
これらの発明にあって発注情報管理装置では、発注元から発注される資材のリストを予め用意し、その資材リストに基づいて欠品リストを作成すると共に、欠品に対する代替品があるときはその代替品リストを用意しておく。発注品としては配電工事に伴う各種の機材例を示す。
【0017】
また、発注品によっては相当重量がある物もあるので、クレーン車や特殊な搬送車などを用いて搬入しなければならないことがある。その場合にはその資材と搬送手段とをリンクさせ、搬送手段が必要な品目リストを作成すると共に、搬送手段の稼働スケジュール(稼働予定日)に基づいて手配可能な日をリストとして用意しておく。これらの情報は何れも納品調整情報となる。
【0018】
そしてこの発注情報管理装置では、受信した発注項目(発注品)を順次確認して納品調整情報をリストアップし、リストアップした納品調整情報を発注元に自動配信する。
【0019】
発注元(発注装置)では、受信した納品調整情報に基づいてその回答情報を作成して返信してくるので、この回答情報に基づいて最終発注情報を確定する。したがって発注情報管理装置は、資材配給センタとして機能する。確定した発注情報は配給管理センタと、資材を保管し管理する物流センタに転送される。
【0020】
このように発注情報管理装置では、自動的に納品調整情報を発注元に送り、発注元からの回答情報に基づいて発注情報を確定して必要な個所に配信できる。発注管理システムの一部として配給管理センタとしての発注情報管理装置を設けることで、最終的な発注情報に基づいて複数の発注元(多くは、本店管轄の営業所)の発注状況を一括管理できる。同じく物流センタでは、確定した発注情報に基づいて資材の調達、搬送手段の手配等を迅速に実行できる。
【発明の効果】
【0021】
この発明に係る発注情報管理装置では、発注情報のうち発注の調整を必要とする発注品に対する欠品等の情報を予め用意し、これらに該当するときには納品調整情報を発注元に送り、発注元からの回答に合わせて最終的な発注情報を生成するようにしたものである。
【0022】
これによれば、発注情報管理装置側での人手を介すことなく、発注品の調整を実現できるので、発注処理の簡素化、迅速化を達成できる。
【0023】
また、この発明に係る発注装置では、発注処理を行うと共に、発注処理後に納品調整情報を受信したときにはその回答情報を送信することで、発注品の在庫の有無、代替品の有無など発注品に関する情報を迅速に確定できるなどの特徴を有する。
【0024】
そして、この発明に係る発注管理システムでは、配給管理センタと資材配給センタである発注情報管理装置および端末装置としての発注装置との間を相互に結んで発注品の全体的な管理を行うようにしたものであるから、発注品の確定、発注品の調達、最終発注情報の配給管理センタへの登録などを一元的に管理できる特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
続いて、この発明に係る発注情報管理装置、発注装置および発注管理システムの好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1はこの発明に係る発注管理システム10の一例を示す要部の系統図である。この例では、説明の便宜上配電工事などに使用される工事用資材を発注する発注管理システムに適用した場合である。工事用資材(機材)としては、柱上や地上に設置される各種変圧器、制御器、開閉器、電線、碍子など配電設備に必要とされる機材を総称する。
【0027】
図1において、この発注管理システム10は、端末装置を使用した発注装置20と、発注装置20から受信した発注票の情報を保存すると共に特定端末向けに送信する配給管理センタ30と、資材配給センタとして機能する発注情報管理装置50と、この発注情報管理装置50側からの最終発注情報を受信して発注品の納品(配給)を行う物流センタ60とで構成され、これらが専用回線若しくは公衆回線などを使用した通信回線40によって相互に結ばれている。したがって、発注装置20自体でも直接通信回線40を介して発注情報管理装置50と通信できるように通信網が構築されている。
【0028】
発注装置20は、配電工事を取り扱う営業所に設置されたパーソナルコンピュータなどの端末装置などが利用される。営業所は本店(本社)管轄の営業所を指す。したがって、配給管理センタ30には複数の発注装置20A〜20N(図では、N=3)からの情報が集約される。
【0029】
配給管理センタ30は本社によって管理される本社管轄のサーバであり、発注票に登録された情報(発注情報)が、例えば営業所単位で保存される。
【0030】
発注情報管理装置50は、資材配給センタとして機能するものであって、発注品の最終的な取りまとめを、発注品管理サーバ(後述する)に保存された情報を参照しながら処理する。簡単に説明するならば、発注品に対する欠品などを探し当て、それの対処法を納品調整情報として発注装置20側に送り、発注装置20側から戻ってきた回答情報に基づいて最終的な発注情報を生成し、物流センタ60などに送り出す機能を有する。
【0031】
物流センタ60は、発注品や搬送手段などの保管・管理場所であり、発注情報に基づいて発注品を取り揃え、希望納品日(希望配給日)に、指定された営業所(あるいは指定された工事会社など)に発注品を納品する。発注情報にクレーン車などの搬送手段が要求されているときは、搬送手段の手配も納品と同時に行う。
【0032】
続いて、各部の説明を図2以下を参照して行う。説明の都合上、発注情報管理装置50から行う。
【0033】
図2はこの発明に係る発注情報管理装置50の一例を示す系統図であって、この例ではパーソナルコンピュータなどの端末装置本体50Aと、この端末装置本体50Aに接続された管理サーバ90を利用して実現している。
【0034】
端末装置本体50Aは、装置全体の制御を司る制御部(CPU)70を有すると共に、発注品情報を処理するための処理プログラムなどが格納されたプログラム用メモリ(この例では、ROM)72および処理データの一時的格納用およびワーキング用のメモリ(この例では、RAM)74がバス80に接続されて構成される。
【0035】
バス80にはさらに送受信用のインタフェース76が接続され、端子78を通して外部との通信が行われる。この例では、通信回線40を介して配給管理センタ30および後述する発注装置20と接続されると共に、後述する物流センタ60とも接続できるようにネットワークが構築されている。
【0036】
そしてこの例では、発注品の管理サーバ90がバス80に接続される。発注品管理サーバ90は、取り扱う発注品の品目情報を始めとして、発注品に対する欠品情報や欠品に対する代替品情報などが蓄積されている。そのためこの例では、管理サーバ90としては、欠品リスト情報をストアした格納部(メモリエリア)92を始めとして、欠品に対する代替品リスト情報をストアした格納部94さらには発注品を搬入するときに使用するクレーン車などの搬送手段の手配可能日をストアした格納部96が設けられている。
【0037】
さらに、ロット単位のような梱包単位以外での発注数量であるときは、工事会社での受け渡しとなるような内規を備えた受発注システムであることも想定して発注品管理サーバ90には、上述に加えて工事会社のリストを収めた格納部98も用意されている。
【0038】
この発注情報管理装置50では、受信した発注品情報に基づいてそれぞれの格納部92〜96を参照しながら、欠品、代替品および排出の手配可能日などの発注品調整情報が生成される。
【0039】
したがってこの発注情報管理装置50では、少なくとも以下の機能を有する。
(1)資材の発注項目を含む発注品情報の受信機能(手段)。
(2)欠品リストを参照して受信した発注項目に対する欠品の有無を判別すると共に、欠品であるときは納品調整項目としてリストアップする欠品検索機能。
(3)欠品検索情報に関連して欠品に対する代替品リストを参照して検索し、欠品に対する代替品が存在する場合には代替品リストをリストアップする代替品検索機能。
(4)要搬送品目リストを検索して、発注品が搬送手段による搬入が必要であるときは、搬送手段の手配可能日を読み出してリストアップする搬送管理機能。
(5)発注品の発注数量の単位がロット単位のような梱包単位の発注であるかを検索する発注数量検索機能。
(6)欠品検索手段、代替品検索手段および管理手段でリストアップされた各情報を納品調整情報等として生成する納品調整情報生成機能。
(7)納品調整情報を発注元に送信する送信機能。
(8)納品調整情報に対する回答情報に基づいて最終発注情報を確定する発注情報確定機能。
(9)発注情報確定手段において生成した、回答情報を反映させた最終発注情報を物流センタに送信する送信機能。
【0040】
続いて、発注装置20の具体例を図3を参照して説明する。
発注装置20もパーソナルコンピュータなどの端末装置が使用される。そのため、この発注装置20は装置全体の制御を司る制御部(CPU)100を始めとして、発注品情報を処理するための処理プログラムなどが格納されたプログラム用メモリ(この例では、ROM)102および処理データの一時的格納用およびワーキング用のメモリ(この例では、RAM)104を有する。CPU100、ROM102およびRAM104はそれぞれバス110に接続される。
【0041】
バス110にはさらに送受信用のインタフェース106が接続され、端子108を通して外部との通信が行われる。この例では、専用回線を介して配給管理センタ30に接続されると共に、通信回線40を介して発注情報管理装置50とも接続できるようにネットワークが構築されている。
【0042】
発注装置20には、キーボードなどの操作部112が設けられ、この操作部112を利用して発注品情報の入力処理および後述する納品調整情報に対する回答情報の入力処理が行われる。入力された情報は表示部(液晶モニタなど)114に表示される。また、この発注装置20には発注票(発注データ)の格納部116が設けられ、操作部112を利用して作成された発注票の情報が格納部116にストアされる。
【0043】
図4は、発注票の一例を示す画面表示例である。この表示画面120の上段部には「発注票」などと標準されたタイトル表示部122となされ、またこの上段部には発注元の情報の入力欄124として使用される。
【0044】
表示画面120の中央部以下は発注情報入力欄126となされる。この発注情報入力欄126には、まず発注品の品番(コード番号)か、品名を入力する欄が単一若しくは複数個設けられている。以下に示す例は、発注品のコード番号を参照して処理される例である。この発注品に対する数量をさらに入力する。数量としては、ロット単位(梱包単位)が基本であるが、ロット単位以外の発注も受け付ける。
【0045】
ロット単位以外のときは、指定された営業所以外への配送となる場合も考慮される。ただしこれは、ロット単位以外は工事会社での受け渡しとなるような内規を持った受発注システムであるときに適用される項目である。また、1個の発注品ごとに発注票を起こすような受発注システムとなっているときは、発注品の入力欄は1つとなる。
【0046】
配給希望日を入力する欄には、「××月××日」のように納品希望日が入力される。配給先の入力欄は、納品場所の指定であって、営業所か、それ以外(工事会社)の場所が指定されることになる。
【0047】
そして、表示画面120の最下段には「送信」キー128が設けられ、送信キー128を操作すれば、発注票に入力した情報が発注品情報として発注票格納部116に保存されると共に、同一の情報が配給管理センタ30にも送信される。したがって送信キー128は、入力情報の確定キーとしても機能する。
【0048】
配給管理センタ30では、受信したこの発注品情報(発注票の情報)を、営業所名(コード番号等)を利用して営業所単位で保存し、それぞれの営業所で使用する資材の一元管理が行われると共に、発注品情報はさらに発注情報管理装置50にもインターネットなどの通信回線40を介して送られる。
【0049】
さて、上述した発注情報管理装置50では以下のような処理が実行される。図5はその発注管理処理例を示す。また、以下の例は、発注票に複数の発注品を同時に指定できるような受発注システムに適用した場合を示す。
【0050】
発注情報管理装置50では発注品情報を受信することで、発注管理処理プログラムが自動的に起動される。まず、発注品情報のうち発注品の項目を順次参照し、欠品の有無を欠品リスト格納部92を参照しながら検索する(ステップ141)。
【0051】
発注品が欠品であるときで、代替できないときは欠品情報を保存し、代替できるときは、欠品リストに関連付けられた代替品リスト格納部94を参照し、発注品に対する代替品があるかどうかが検索される(ステップ142)。発注品が代替できないとき、あるいは代替できるときその代替品の在庫があるかどうかを調べて、その結果が一時的に保存される。
【0052】
続いて、発注品に対する搬送手段の助けが必要かどうかがチェックされる(ステップ143)。変圧器や制御器などのように発注品によっては相当な重量であって、クレーン車などの搬送手段を借りないと搬入できないものがある。発注品の品番(コード番号)を参照することで、その発注品が搬送手段を要するか否かを判別する。
【0053】
判別の結果、搬送手段を要すると判断されたときは、次に配給指定日に搬送手段の空き状態が確認され(ステップ144)、空いていない場合には、何時その搬送手段を手配できるかどうかを管理サーバ90に設けられた、搬送手段手配可能日を格納した手配日可能リストの格納部96を参照する。そして、最も早い手配可能日を含む2〜3の可能日をリストとして読み出してこれを保存する(ステップ145)。
【0054】
次に、発注された品目の数量がロット単位かどうかを調べる(ステップ146)。上述したような受発注システムの場合には、ロット単位のような梱包単位以外の指定であって、配給先(納品先)が営業所となっているときは、配給先を変更する必要がある(ステップ147)。したがってこのような場合には工事会社リストの格納部98を参照して、例えば指定された営業所に最も近くの工事会社が発注品の新たな配給先として指定される(ステップ148)。
【0055】
以上のような検索処理が全ての発注品に対して実行される(ステップ149)。全ての発注品に対して上述した検索処理が実行されたのち、保存した変更内容を納品調整項目として発注元に自動転送することで一連の発注管理処理が終了する(ステップ150)。
【0056】
ここで、納品調整項目とは、上述したように欠品の有無、欠品に対する代替品が可能なときはその代替品リスト、発注品の搬入に搬送手段が必要なときで配給希望日に手配できないときは手配可能日のリスト、ロット単位以外の発注であるときは発注品の配給先の変更場所(多くは工事会社)などである。予め用意された定型の納品調整票の必要個所に上述した情報を自動挿入したのち発注先に送られる。納品調整票のデータは管理サーバ90に備えられているものとする。
【0057】
このように上述した発注情報管理装置50では、受信した発注品情報から、欠品の有無、代替品の有無、搬送手段の手配可能日などを納品調整情報として発注元(発注装置)20に自動送信することができる。
【0058】
納品調整情報を受信した発注元である発注装置20では、以下の処理が行われる。
【0059】
図6を参照して説明すると、資材配給センタである発注情報管理装置50より上述した納品調整情報を受信すると、自動的に回答情報作成プログラムが起動され、発注票の表示に代えてこの納品調整情報が表示画面120に表示される(ステップ161,162)。
【0060】
発注元である営業所の担当者は納品調整項目のそれぞれの内容を検討して回答する。納品調整項目に表示された内容の回答欄が予め用意されている場合、その回答欄に、発注情報管理装置50側の調整内容に同意するか、同意しないときにはその具体的な変更内容を入力する。全ての納品調整項目に対する回答が行われ、回答確定キーが操作されたときには(ステップ163)、納品調整情報に対する回答情報が発注票格納部116に保存されると共に、発信元である発注情報管理装置50側に送信される(ステップ164)。
【0061】
発注情報管理装置50側ではこの回答情報を受け取ると、最終発注情報の作成処理に遷移する。図7を参照して説明する。回答情報を受信すると、最終発注情報処理プログラムが起動される(ステップ171)。返信された回答情報を踏まえて納品調整情報の書き替え処理(調整項目の内容を更新する確定処理)が実行される(ステップ172)。その後、書き替えられた納品調整情報(確定情報)が最終発注情報として保存されると共に、配給管理センタ30と物流センタ60のそれぞれに自動送信される(ステップ173)。
【0062】
配給管理センタ30では、この最終発注情報を受信することで、発注元である発注装置20からの発注票を更新し、営業所からの発注として保存する。物流センタ60は、最終発注情報に基づいて、発注品を取り寄せたり、搬送手段の準備に取り掛かり、配給日に指定された営業所若しくは工事会社への搬入を行う。
【0063】
なお、ステップ171において、発注装置20側より回答情報の返信がなく、時間切れとなったときには発注装置20側である営業所の担当者に催促メールを打診する(ステップ174)。担当者が端末装置から離れていることも考えられるからである。
【0064】
このように、この発明に係る発注管理システム10では、配給管理センタ30と資材配給センタである発注情報管理装置50および端末装置としての発注装置20との間を相互に結んで発注品の全体的な管理を行うようにしたものである。
【0065】
これによれば、発注品の確定、発注品の調達、最終発注情報の配給管理センタ30への登録などを一元的に管理できる特徴を有する。
【0066】
この発明に係る発注情報管理装置では、発注情報のうち発注の調整を必要とする発注品に対する欠品等の情報を予め用意し、これらに該当するときには納品調整情報を発注元に送り、発注元からの回答に合わせて最終的な発注情報を生成する。これによれば、発注情報管理装置側での人手を介すことなく、発注品の調整を実現できるので、発注処理の簡素化、迅速化を達成できる。
【0067】
また、この発明に係る発注装置では、発注処理を行うと共に、発注処理後に納品調整情報を受信したときにはその回答情報を送信することで、発注品の在庫の有無、代替品の有無など発注品に関する情報を迅速に確定できるなどの特徴を有する。
【0068】
この発明は、発注品として変圧器や制御器などの配電設備に必要な資材を調達する資材管理システムに適用したが、各種の産業資材を調達する部門にこの発明を適用できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
この発明は、配電設備に必要な資材を調達する資材管理システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】この発明に係る発注管理システムの一例を示す要部の概念図である。
【図2】この発明に係る発注情報管理装置の一例を示す系統図である。
【図3】この発明に係る発注装置の一例を示す系統図である。
【図4】発注票作成画面表示例である。
【図5】発注管理処理例を示すフローチャートである。
【図6】回答情報の作成処理例を示すフローチャートである。
【図7】最終発注情報の作成処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
10・・・発注管理システム、20(20A〜20C)・・・発注装置、30・・・配給管理センタ、40・・・通信回線、50・・・発注情報管理装置、60・・・物流センタ、90・・・発注品管理サーバ、116・・・発注票格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
資材の発注項目を含む発注品情報の受信手段と、
欠品リストを参照して受信した発注項目に対する欠品の有無を判別すると共に、欠品であるときは納品調整項目としてリストアップする欠品検索手段と、
上記欠品検索情報に関連して上記欠品に対する代替品リストを参照して検索して、上記欠品に対する代替品が存在する場合には代替品リストをリストアップする代替品検索手段と、
要搬送品目リストを検索して、上記発注品が搬送手段による搬入が必要であるときは、上記搬送手段の手配可能日を読み出してリストアップする搬送管理手段と、
上記欠品検索手段、代替品検索手段および管理手段でリストアップされた各情報を納品調整情報等として生成する納品調整情報生成手段と、
上記納品調整情報を上記発注元に送信する送信手段と、
上記納品調整情報に対する回答情報に基づいて最終発注情報を確定する発注情報確定手段とを有する
ことを特徴とする発注情報管理装置。
【請求項2】
上記発注情報管理装置では、上記各手段に加え、さらに上記発注品の発注数量の単位がロット単位のような梱包単位の発注であるかを検索する発注数量検索手段を有し、
上記梱包単位よりも少ない発注であるときは、納品先の変更指示を上記納品調整情報として付加する
ことを特徴とする請求項1記載の発注情報管理装置。
【請求項3】
上記発注情報管理装置では、さらに上記発注元より上記納品調整情報に対する回答情報を上記受信手段で受信したときは、上記発注情報確定手段において生成した、回答情報を反映させた最終発注情報を物流センタに送信する送信手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の発注情報管理装置。
【請求項4】
上記送信手段では、上記発注確定情報を、複数の上記発注元を管理する配給管理センタにも送信する
ことを特徴とする請求項3記載の発注情報管理装置。
【請求項5】
発注情報に関連した納品調整情報を受信する受信手段と、
受信した上記納品調整情報を表示する表示手段と、
上記納品調整情報に対する回答情報の入力手段と、
上記回答情報を送信する送信手段とを有する
ことを特徴とする発注装置。
【請求項6】
上記納品調整情報は、発注品の欠品情報、上記欠品に対する代替品リスト情報、上記発注品が搬送手段による搬入が必要なとき、該搬送手段の手配可能日で構成される
ことを特徴とする請求項5記載の発注装置。
【請求項7】
上記回答情報は、上記納品調整情報の発信元に返信される
ことを特徴とする請求項5記載の発注装置。
【請求項8】
発注品情報を生成すると共に、上記発注品情報に対する納品調整情報からその回答情報を生成する発注装置と、
複数の上記発注装置からの発注情報を管理する配給管理センタと、
上記配給管理センタから転送された発注情報を受信すると共に、上記発注情報に基づいて生成された上記納品調整情報を上記発注装置に送信する発注情報管理装置とからなり、
上記発注情報管理装置では、上記発注品に対する調整すべき項目が存在するときは、上記納品調整情報を上記発注装置に直接送信する
ことを特徴とする発注管理システム。
【請求項9】
上記発注情報管理装置では、上記納品調整情報に関する回答情報に基づいて最終発注情報を生成し、生成した最終発注情報を上記配給管理センタと、資材を保管・管理する物流センタに送信する
ことを特徴とする請求項8記載の発注管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−75862(P2009−75862A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244204(P2007−244204)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(507055914)株式会社エネルギア・ロジスティックス (5)