説明

発色用紙

【目的】 化学的、機械的発色手段との接触によりその接触部位に多種類の色が発色する用紙を提供する。
【構成】 白紙1に、化学的あるいは機械的接触によって発色する材料を複数互いに隣接させて印刷してなる用紙。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、無色の発色手段でなぞった時に、その接触軌跡に沿って複数の色が互いに隣接して発色する用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一種の塗り絵として、白紙の表面に薄く一定の図柄が線図で描いてあり、その線に沿って、あるいはその図柄に沿って特定の範囲を無色透明の発色インクでなぞると、例えばチューリップがその花の部分は赤なら赤に、葉や茎の部分は緑に着色されて発色するものがある。これは図柄の相当部分にあらかじめその部分特有の色が発色するような液体が印刷されており、乾燥時には無色透明で前記の発色インクとの接触によって反応が起こり発色してくるものである。
【0003】
このような従来の発色用紙には、特定のインクに反応して発色するもののみではなく、例えば圧力に反応して発色するものや、熱に感応して発色するものも知られている。
【考案が解決しようとする問題点】
【0004】
上記のような従来の発色用紙では、あらかじめ製作者によって作られた線図の上をなぞるだけであり、興趣に欠けるという欠点があった。つまり使用者は、発色用紙の表面に、自己の発意によって絵を描いたり文字を書くことはできない。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本考案は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、発色手段との接触により特有の色、好ましくは赤、黄、橙、緑、青、藍、紫の七色を呈する複数種の液体を、無色好ましくは白色の紙にランダムなパターンで印刷してなる。
【0006】
【実施例】
本考案をその構成を示す実施例で説明する。
図1は、白紙1に、発色材料たる多種類の液体を用いて、赤2、黄3、橙4、緑5、青6、藍7、紫8の七色を線状に、かつ互いに密にランダムなパターンで用紙全面に施してなる。図面上では線の縞模様が実際には目視できないのであるが、各種の色を発色する含浸液の態様を模式的に示す。
次いで、白紙1の表面を別体に作成した発色手段でなぞると、なぞった領域が発色して複数の色の組み合わせからなる図柄等が現れてくる。
この発色手段にはマーカータイプの液体式、あるいは加圧式あるいは加熱式のものが含まれることは言うまでもない。
【0007】
図2に示す他の実施例は、封筒30の表面に図1に示すように複数の発色材料をランダムに施してなる。
図3に示す他の実施例は、便箋40の表面に図1に示すように複数の発色材料をランダムに施してなる。
この他に、本考案の対象となる発色用紙としては、画用紙、折り紙、カード、メモなど文字や絵を描く対象となるものはすべてが含まれる。
【考案の効果】
【0008】
上記のように、本考案によれば、白紙の上に透明なペン等の発色手段で文字や絵を描くと、複数の色からなる文字や絵が描けるため、意外性に富み興趣につきない。
また、パターンがランダムであるため、色彩の現れかたが予測、計算できず、特にいわゆる墨流しのような技法を用いると、さらに偶然性の織りなす美麗な絵や文字が描ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す平面図である。
【図2】本考案の他の実施例を示す平面図である。
【図3】本考案の他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 白紙
2 赤、 3 黄、 4 橙、 5 緑、6 青、 7 藍、 8 紫、 30 封筒、 40 便箋

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】多種類の発色材料をあらかじめ紙の表面の一部または全部にランダムなパターンで印刷し、この紙の表面を別体の発色手段でなぞり、前記紙の表面に複数の色からなるランダムなパターンの図柄等を発色させる発色用紙。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3004957号
【登録日】平成6年(1994)9月21日
【発行日】平成6年(1994)12月6日
【考案の名称】発色用紙
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−8154
【出願日】平成6年(1994)6月3日
【出願人】(000131371)株式会社システムクリエイツ (2)