説明

発電パネル、及び発電パネルを用いた発電システム

【課題】発電パネルに対して情報出力機能一体的に付加することで、利用者の利便性を高めることが可能となる、発電パネルと、この発電パネルを用いた発電システムを提供すること。
【解決手段】歩行者の歩行による外力を圧電素子を介して電気に変換する発電パネル10A、10Bであって、歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位する筐体と、この筐体の内部に配置され、筐体の変位に伴って変形されることで発電する圧電素子と、圧電素子にて発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力する表示部50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外力を圧電素子を介して電気に変換する発電パネルと、この発電パネルを用いた発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子を用いた発電構造としては、例えば、圧電素子に直接外力を加えることで当該圧電素子を変形させて起電力を得るものや(例えば、特許文献1参照)、風力等の力を間接的に圧電素子に加えることで当該圧電素子を変形させて起電力を得るもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0003】
このように圧電素子を用いた発電の効率を高めるためには、圧電素子の変形量を増大させることが望ましい。このような点に鑑みて、本願発明者は、圧電素子の変形量を増大させることができる発電ユニットを提案した(例えば、特許文献3参照)。この発電ユニットは、一対の緩衝材の相互間に、振動板と、この振動板の側面に固定された圧電素子と、一方の緩衝材から圧電素子の中心に至る軸と、他方の緩衝材から振動板の側方に至る軸とを備えて構成されており、緩衝材が外力を受けて変形する場合に、この外力を軸を介して振動板と圧電素子に順次伝達し、振動板と共に圧電素子を反らせるように変形させることでその変形量を増大させることができる。
【0004】
このような発電効率の高い発電ユニットを用いることで、従来であれば使用されずに無駄になっていた各種の振動を、電力に変換して有効利用することができる。例えば、特許文献3の発電ユニットを発電ユニットをパネル化して発電パネルを構成し、この発電パネルを歩行者の歩行通路等の床面に埋め込み、この床面を歩行者が歩いた場合に、発電パネルの圧電素子が押圧され変形するようにしておくことで、発電を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−49388号公報
【特許文献2】特開平11−303726号公報
【特許文献3】特開2007−97278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような発電パネルは、単に発電のみを行うものであり、発電以外の機能がないため、この発電ユニットで発電した電力を利用するためには、別途に蓄電ユニットや出力ユニットの如き機器を準備して発電ユニットに接続する必要があり、利用者の利便性を低下させていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発電パネルに対して情報出力機能一体的に付加することで、利用者の利便性を高めることが可能となる、発電パネルと、この発電パネルを用いた発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、請求項1に記載の発電パネルは、歩行者の歩行による外力を発電体を介して電気に変換する発電パネルであって、歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位する筐体と、前記筐体の内部に配置され、前記変位により発電する前記発電体と、前記発電体にて発電された電力により、前記歩行者に対して所定情報を出力する出力手段とを備えた。
【0009】
請求項2に記載の発電パネルは、請求項1に記載の発電パネルにおいて、前記発電体は、圧電素子であり、前記圧電素子は、前記筐体の前記変位に伴って変形されることで発電する。
【0010】
請求項3に記載の発電パネルは、請求項2に記載の発電パネルにおいて、前記筐体の側面のうち、相互に対向する2つの側面の各々に、当該発電パネルを他の発電パネルと接続するためのものであって、当該発電パネルの前記圧電素子にて発電された電力を当該他の発電パネルに供給するための接続端子を設けた。
【0011】
請求項4に記載の発電パネルは、請求項3に記載の発電パネルにおいて、前記相互に対向する2つの側面の一方に設けた前記接続端子に供給された電力を、前記相互に対向する2つの側面の他方に設けた前記接続端子を介して前記他の発電パネルに供給するための供給路を設けた。
【0012】
請求項5に記載の発電パネルは、請求項3又は4に記載の発電パネルにおいて、前記筐体の平面形状を正方形状とし、前記筐体の全ての側面の各々に、前記接続端子を設けた。
【0013】
請求項6に記載の発電パネルは、請求項1から5のいずれか一項に記載の発電パネルにおいて、前記筐体の外部に向けて発光を行うことにより、前記所定情報を出力する発光手段として構成した。
【0014】
請求項7に記載の発電システムは、歩行者の歩行による外力を発電体を介して電気に変換する発電パネルを複数備えて構成された発電システムであって、前記複数の発電パネルの各々は、歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位する筐体と、前記筐体の内部に配置され、前記変位に伴って発電する前記発電体と、前記発電体にて発電された電力により、前記歩行者に対して所定情報を出力する出力手段とを備えて構成され、前記筐体の側面のうち、相互に対向する2つの側面の各々に、当該発電パネルを他の発電パネルと接続するためのものであって、当該発電パネルの前記発電体にて発電された電力を当該他の発電パネルに供給するための接続端子を設け、前記接続端子を介して前記複数の発電パネルを相互に接続し、前記相互に接続した複数の発電パネルのうち、いずれか一つの発電パネルの前記筐体が歩行による外力を受けることで、当該発電パネルの前記発電体が発電した際に、当該発電体にて発電された電力を前記接続端子を介して、当該発電パネルに接続された他の発電パネルに供給し、当該供給された電力によって当該他の発電パネルの前記出力手段を介して前記所定情報を出力可能とした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発電パネルによれば、発電パネルの筐体が歩行者の歩行による外力を受けて変位し、この変位に伴って発電体により発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力するので、発電パネルに対して情報出力機能一体的に付加することができ、情報出力機能を個別に設ける必要がなくなるので、発電パネルを用いて省エネルギーな情報出力を行う利用者の利便性を高めることが可能となる。
【0016】
請求項2に記載の発電パネルによれば、発電パネルの筐体が歩行者の歩行による外力を受けて変位し、この変位に伴って圧電素子が変形することで発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力するので、発電パネルに対して情報出力機能一体的に付加することができ、情報出力機能を個別に設ける必要がなくなるので、発電パネルを用いて省エネルギーな情報出力を行う利用者の利便性を高めることが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発電パネルによれば、筐体における相互に対向する2つの側面の各々に、発電パネルの圧電素子にて発電された電力を他の発電パネルに供給するための接続端子を設けたので、発電パネルにて発電された電力を用いた他の発電パネルにおける情報出力等を行うことが可能となり、歩行者が歩行している位置から離れた位置における情報出力等を行うことが可能となるので、歩行者が歩行している位置から離れた位置に行き先案内情報を表示する等、発電パネルによる情報出力形態の多様化を図ることが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発電パネルによれば、相互に対向する2つの側面の一方に設けた接続端子に供給された電力を、相互に対向する2つの側面の他方に設けた接続端子を介して他の発電パネルに供給するための供給路を設けたので、発電パネルに、当該発電パネルに隣接する他の2つの発電パネルの相互間における電力中継機能を持たせることができ、発電パネルによる電力供給形態の多様化を図ることが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発電パネルによれば、筐体の平面形状を正方形状とし、筐体の全ての側面の各々に、接続端子を設けたので、発電パネルを同一平面内において90、180、又は270度回転させた場合であっても、その側面の接続端子が、隣接する他の発電パネルの接続端子と接続されるので、発電パネルの配置の自由度を向上させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発電パネルによれば、出力手段を、筐体の外部に向けて発光を行うことにより、所定情報を出力する発光手段として構成したので、発光による情報出力を行うことにより、暗所においても情報出力を行うことが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の発電システムによれば、発電パネルを複数備えて構成された発電システムにおいて、発電パネルの筐体が歩行者の歩行による外力を受けて変位し、この変位に伴って発電体により発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力するので、発電パネルに対して情報出力機能一体的に付加することができ、情報出力機能を個別に設ける必要がなくなるので、発電パネルを用いて省エネルギーな情報出力を行う利用者の利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る発電システムを設置した居室の側面図である。
【図2】図1の居室の平面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】図1の要部拡大図であり、図3から可動板が変位した状態を示す図である。
【図5】発電モジュールの斜視図である。
【図6】発電モジュールの分解斜視図である。
【図7】変形例に係る発電体の分解斜視図である。
【図8】変形例に係る発電体の分解斜視図である。
【図9】発電パネルの平面図である。
【図10】発電パネルの平面図である。
【図11】接続端子の構造を示す説明図である。
【図12】発電システムの平面図である。
【図13】発電システムの平面図である。
【図14】変形例に係る発電パネルを用いた発電システムの平面図である。
【図15】変形例に係る発電パネルを用いた発電システムの平面図である。
【0023】
以下に、添付図面を参照して、この発明に係る発電パネルと、発電パネルを用いた発電システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について順次説明し、最後に、〔III〕本実施の形態の変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔I〕本実施の形態の基本的概念
まず、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る発電パネルは、外力を電気に変換して取り出すことを目的とするものであり、また、本実施の形態に係る発電システムは、複数の発電パネルを備えて構成された発電システムである。
【0025】
本実施の形態に係る発電パネル及び発電システムの特徴の一つは、概略的には、発電パネルが、発電体にて発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力する出力手段を備える点にある。ここで、所定情報の具体的内容は任意であり、例えば、歩行者の現在位置に関する情報、歩行者の行き先案内に関する情報、歩行者の体重に関する情報等を挙げることができる。以下では、歩行者の行き先案内に関する情報を出力する場合を例に挙げて説明する。
【0026】
また、本実施の形態に係る発電パネル及び発電システムの他の特徴の一つは、発電パネルで発電された電力を用いて、当該発電パネルの出力手段を介して情報出力を行うことに加えて、当該発電パネルに直接的又は間接的に接続された他の発電パネルの出力手段を介して情報出力を行うことで、歩行者の現在の歩行位置から離れた位置における情報出力を行うことが可能となる点にある。
【0027】
〔II〕本実施の形態の具体的内容
以下に、本本実施の形態の具体的内容について添付図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る発電システムを設置した居室の側面図、図2は、図1の居室の平面図である(なお、図2では、後述する接続端子40〜45、供給路46、及び表示部50を省略して示す)。これら各図に示すように、発電システム1は、複数の発電パネル10を並設して構成されたものであって、各発電パネル10は、居室2の床面3に埋め込み状に設置されている。
【0028】
図3は、図1の要部拡大図である。発電パネル10は、筐体20の内部に、複数の発電モジュール30を並設して構成されている。なお、以下では、図3における上方を上側、図1における下方を下側として説明する。
【0029】
最初に、筐体20について説明する。この筐体20は、歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位するものである。この筐体20は、全体として中空直方体状に形成されており、固定板21と、側板22と、可動板23とを備えて構成されている。固定板21は、図示しない設置面に対して固定的に配置された板状体であり、その上面は平坦面とされている。側板22は、固定板21の四周の各辺に対して直交するように配置された板状体である。可動板23は、固定板21に対して可動可能なように配置された板状体である。この可動板23における側板22に対応する各位置には、下面に開放する凹部23aが形成されており、この凹部23aに側板22の上端部22aが上下動自在に嵌合されている。この凹部23aには、図示しない弾性体が配置されており、外力(可動板23の上を歩行者が歩行することにより、歩行者の体重により可動板23に印加される力。以下同じ)に対する可動板23の移動量を調整すると共に、外力を受けていない可動板23を最上方位置(床面3に対してほぼ面一となる位置)に押し上げる。
【0030】
このような構造において、可動板23が外力を受けていない状態(非押圧状態)では、図3に示す状態となる。一方、可動板23が外力を受けている状態では、図4に示すように、可動板23が固定板21に近接する方向に移動する。このように構成された筐体20は、例えば、金属、樹脂、木材を用いて、外力による繰り返し荷重に耐え得る十分な強度を持って形成される。
【0031】
次に、発電モジュール30について説明する。この発電モジュール30は、発電体としての圧電素子31b、31c、32b、32cを備えて構成されたものであって、外力によって可動板23が固定板21に近接する方向に移動した状態において、当該可動板23を介して発電モジュール30の圧電素子31b、31c、32b、32cが押圧され変形することにより発電するものである。
【0032】
図5、6は、発電モジュール30の分解斜視図である。これら各図に示すように、発電モジュール30は、一対の発電体31、32を重合して構成されている。発電体31は、振動板31aと、一対の圧電素子31b、31cと、周辺スペーサ31dと、中心スペーサ31eとを備えている。発電体32は、振動板32aと、一対の圧電素子32b、32cと、周辺スペーサ32dと、中心スペーサ32eとを備えている。
【0033】
振動板31a、32aは、圧電素子31b、31c、32b、32cに応力を加える支持体であると共に、圧電素子圧電素子31b、31c、32b、32cの割れ強度を補強する補強材を兼ねるものであり、可撓性と耐久性を有する材質(例えば、ステンレス薄板)より形成される。この振動板31a、32aの平面形状は任意であるが、外力に対して均等に変形することが好ましく、本実施の形態1においては振動板31a、32aの平面形状を円形板状体としている。
【0034】
一対の圧電素子31b、31c、32b、32cは、筐体20の内部に配置され、筐体20の変位に伴って変形されることで発電する発電体であり、例えば、チタン酸バリウム、ジルコニア等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO3)等の圧電単結晶からなる。各圧電素子31b、31c、32b、32cは、振動板31a、32aの両面において、当該振動板31a、32aに対して接着剤等にて固定されている。これら圧電素子31b、31c、32b、32cの平面形状は任意であるが、振動板31a、32aと相似形状とすることが好ましく、本実施の形態1においては圧電素子31b、31c、32b、32cの平面形状を、振動板31a、32aより小径の円形板状体としている。振動板31a、32aに対する圧電素子31b、31c、32b、32cの平面的な配置位置も任意であるが、振動板31a、32aの平面中心位置における変形量が最も大きくなることから、当該平面中心位置に圧電素子31b、31c、32b、32cを配置することが好ましく、本実施の形態1においては振動板31a、32aと同心となる位置に圧電素子31b、31c、32b、32cを配置している。なお、図示は省略するが、圧電素子31b、31c、32b、32cは、一方の面にプラス端子、他方の面にマイナス端子を有し、プラス端子と結線されたプラスリード線と、マイナス端子と結線されたマイナスリード線が引き出され、これらが後述する接続端子40〜45に接続されることで、当該接続端子に対して電力が供給される。ただし、圧電素子31b、31c、32b、32cと接続端子400〜45との相互間に公知のブリッジ回路等の各種電気素子を配置してもよい。
【0035】
周辺スペーサ31dは、振動板31a及び圧電素子31bと固定板21との相互間隔を形成するためのものであり、周辺スペーサ32dは、振動板32a及び圧電素子32bと固定板21との相互間隔を形成するためのものである。このことにより、周辺スペーサ31d、32dは、振動板31a、32aと共に圧電素子31b、31c、32b、32cが変形して発電することを可能にすると共に、振動板31a、32a及び圧電素子31b、31c、32b、32cが所定量以上変形して破損等することを防止するストッパとして機能する。この周辺スペーサ31dは、振動板31aに固定された一対の圧電素子31b、31cの他方(ここでは、下側の圧電素子31b)よりも側方の位置であって、振動板31aの外縁近傍位置に当接するように配置され、振動板31aに接着剤にて固定されている。また、周辺スペーサ32dは、振動板32aに固定された一対の圧電素子32b、32cの他方(ここでは、下側の圧電素子32b)よりも側方の位置であって、振動板32aの外縁近傍位置に当接するように配置され、振動板32aに接着剤にて固定されている。また、周辺スペーサ31d、32dは、振動板31a、32aと共に圧電素子31b、31c、32b、32cが変形可能となるように、当該圧電素子31b、32bの肉厚よりも高くなるように形成されている。この周辺スペーサ31d、32dの具体的な形状は任意であるが、振動板31a、32aに対して均等に当接して力を分散することが好ましいため、本実施の形態1においては、圧電素子31b、32bを取り巻くように形成されたものであって、振動板31a、32aと同心位置に配置された環状体として形成されている。
【0036】
このような構成において発電パネル10を歩行者が歩行することにより、当該発電パネル10に外力が加わった場合、可動板23が固定板21に近接する方向に移動し、この可動板23によって周辺スペーサ32dが下方に押圧されて振動板32aが変形し、これに伴って圧電素子32b、32cが変形することで、発電を行う。また同時に、中心スペーサ32e及び中心スペーサ31eを順次介して圧電素子31cが下方に押圧されて振動板31aが変形し、これに伴って圧電素子31bが変形することで、発電を行う。
【0037】
また、中心スペーサ31e、32eは、発電体31、32の相互間隔を形成するためのものであると共に、可動板23の押圧力を発電体31から発電体32に伝達するためのものである。この中心スペーサ31eは、振動板31aに固定された一対の圧電素子31b、31cの一方(ここでは、上側の圧電素子31c)に当接するものであって、当該圧電素子31cの中央近傍に配置され、当該圧電素子31cに対して接着剤等にて固定されている。また、中心スペーサ32eは、振動板32aに固定された一対の圧電素子32b、32cの一方(ここでは、下側の圧電素子32c)に当接するものであって、当該圧電素子32cの中央近傍に配置され、当該圧電素子32cに対して接着剤等にて固定されている。なお、ここでは、下方の発電体31の中心スペーサ31eと、上方の発電体32の中心スペーサ32eとを別々に示しているが、これらを相互に一つの中心スペーサとして一体的に形成してもよい。
【0038】
なお、周辺スペーサ31d、32dは他の形状としてもよい。図7は、変形例に係る発電体の分解斜視図である。この図7に示すように、発電体31の周辺スペーサ31dを、圧電素子31bを取り巻く円周上の複数位置に配置された柱状体33として形成してもよい。特に、このように柱状体33とする場合には、積層構造の安定性を得るため、柱状体33を、振動板31aの平面中心位置を図心とする正三角形の各頂点に対応する3箇所に配置することが好ましく、あるいは3箇所以上に配置してもよい。同様に、発電体32についても周辺スペーサ32dを柱状体33とすることができる。
【0039】
あるいは、周辺スペーサ31d、32dは他の部品により兼用化されてもよい。図8は、変形例に係る発電体の分解斜視図である。この図8に示すように、発電体31の周辺スペーサ31dを、発電パネル10の図示しない電気部品を実装するための回路基板34により兼用化してもよい。すなわち、回路基板34には、圧電素子31bより大きな径であって、振動板31aよりも小さな径の貫通孔34aを形成し、この貫通孔34aに圧電素子31bを挿通させると共に、振動板31aの外縁を回路基板34の上面に当接させることで、回路基板34を周辺スペーサ31dとして使用してもよい。この場合には、貫通孔34aの下方に、圧電素子31bの変形量に対応する図示しない空間部を形成する。このような構造によれば、圧電素子31b、31cを回路基板34に電気的に接続することで、圧電素子31b、31cに対する配線経路を短縮することができると共に、周辺スペーサ31dとして専用の部品を使用する必要がなくなるので、発電パネル10の製造コストを低減することが可能となる。同様に、発電体32についても周辺スペーサ32dを回路基板34とすることができる。
【0040】
次に、このように構成された発電パネル10に設けられた情報出力機能について説明する。本実施の形態における発電パネル10をより具体的に説明すると、情報出力機能が異なる2種類の発電パネル10が用いられている。以下では、一方の種類の発電パネル10を発電パネル10A、他方の種類の発電パネル10を発電パネル10Bとして説明する。ただし、これらを特に区別する必要がない場合には、発電パネル10と総称する。図9は、発電パネル10Aの平面図、図10は、発電パネル10Bの平面図である。
【0041】
最初に、図9に示す発電パネル10Aについて説明する。この発電パネル10Aは、これまで説明した構成に加えて、複数の接続端子40〜45と表示部50を備える。これら複数の接続端子40〜45は、筐体20の側面のうち、相互に対向する2つの側面の各々に設けられている。これら接続端子40〜45は、当該発電パネル10を他の発電パネル10と接続するためのものであって、当該発電パネル10の圧電素子31b、31c、32b、32cにて発電された電力を当該他の発電パネル10に供給するためのものである。
【0042】
また、複数の接続端子40〜45のうち、2つの接続端子40、43は、筐体20の内部に施設された供給路46を介して相互に接続されている。この供給路46は、当該供給路46を備えた発電パネル10に対して接続された他の発電パネル10に対して電力を供給するための線路である。
【0043】
このような接続端子40〜45及び供給路46の機能及び構成をより具体的に説明すると、複数の接続端子40〜45のうち、接続端子40〜42は入力側の接続端子であり、接続端子43〜45は出力側の接続端子である。入力側の接続端子40〜42の中で、自己に供給路46が接続されている接続端子40は、他の発電パネル10の出力側の接続端子43から自己に入力された電力を、供給路46に供給する。また、入力側の接続端子40〜42の中で、自己に供給路46が接続されていない接続端子41、42は、他の発電パネル10の出力側の接続端子44、45から自己に入力された電力を、自己が設けられている発電パネル10の表示部50に供給する。一方、出力側の接続端子43〜45の中で、自己に供給路46が接続されている接続端子43は、入力側の入力端子40から供給路46を介して供給された電力を、自己に接続された他の電力パネルの入力側の接続端子40に供給する。また、出力側の接続端子43〜45の中で、自己に供給路46が接続されていない接続端子44、45は、自己が設けられている発電パネル10にて発電された電力を、自己に接続された他の電力パネルの入力側の接続端子41、42に供給する。すなわち、発電パネル10の圧電素子31b、31c、32b、32cにて発電された電力は、上述のプラスリード線及びマイナスリード線を介して、さらに必要に応じて公知の整流回路や蓄電素子を介して、出力側の接続端子44、45に供給される。なお、供給路46は、複数の接続端子40、43を相互に単に短絡する短絡線路として構成することもできるが、さらに公知の整流回路、蓄電素子、過電流保護回路等を付加してもよい。
【0044】
ここで、複数の接続端子40〜45は、発電パネル10の電気的な接続を行うことができる限りにおいて任意の位置や形状で構成することができるが、発電パネル10を相互に隙間なく敷設することにより、相互に隣接する発電パネル10の接続端子40〜45を自動的に接続できるような構成が好ましい。例えば、発電パネル10の筐体20の側板22に、当該側板22とほぼ面一状になるように、磁気接点として構成した接続端子40〜45を埋め込むことで、隣接する接続端子40〜45が磁気により相互に引き合うようにしてもよい。あるいは、発電パネル10の相互間に隙間を空けることが許容される場合には、図11に示すように、出力側の接続端子43〜45を側面L字状に形成し、入力側の接続端子40〜42を平面コ字状に形成して、平面コ字状の接続端子40〜42に側面L字状の接続端子43〜45を係止させるようにしてもよい。
【0045】
また、図9、10において、表示部50は、筐体20の外部に向けて発光する発光手段であり、複数のLED51にて構成されている。これら複数のLED51は、筐体20の可動板23において、当該可動板23の上面に面一状となるように埋め込まれており、あるいは、筐体20の可動板23の上面に配置されると共に、当該可動板23の上面に載置した図示しない透明板によって覆われている。ここでは、複数のLED51の平面的な配列を所定情報に対応した配列とすることで、当該LED51が点灯した場合に、所定情報を歩行者に出力することとしている。具体的には、複数のLED51の平面的な配列を矢印形状の配列とすることにより、当該LED51が点灯した場合に、矢印形状の光が出力されて歩行者に視認される。
【0046】
次に、図10に示す発電パネル10Bについて説明する。この発電パネル10Bは、図9の発電パネル10Aとほぼ同様に構成されているが、複数の接続端子40〜45のうち、接続端子42、45が供給路46にて接続されている点において異なる。
【0047】
次に、このように構成された2種類の発電パネル10A、10Bを用いた発電システム1について説明する。図12、13は、発電システム1の要部平面図である。この発電システム1は、2種類の発電パネル10A、10Bを交互に並設して構成されており、各発電パネル10A、10Bの接続端子40〜45は、当該発電パネル10A、10Bに隣接する他の発電パネル10A、10Bの接続端子40〜45と接続されている。
【0048】
このように構成された発電システム1において、図12に示すように、図示最左側の発電パネル10Aを歩行者が歩行することにより、当該発電パネル10Aに外力が加わった場合、当該発電パネル10Aの圧電素子31b、31c、32b、32cが変形することで発電を行う。
【0049】
この発電による電力は、当該発電パネル10Aの出力側の接続端子43〜45のうち、供給路46が接続されていない接続端子44、45に供給される。接続端子44に供給された電力は、左側から2番目の発電パネル10Bの入力側の接続端子41を介して、この発電パネル10Bの表示部50に供給されるので、この表示部50のLED51が点灯する。また、接続端子45に供給された電力は、左側から2番目の発電パネル10Bの入力側の接続端子45と供給路46を介して出力側の接続端子45に供給され、さらに左側から3番目の発電パネル10Aの入力側の接続端子42を介して、この発電パネル10Aの表示部50に供給されるので、この表示部50のLED51が点灯する。
【0050】
従って、図12の図示最左側の発電パネル10Aを歩行者が歩行することにより、当該発電パネル10Aにて発電された電力により、当該発電パネル10AのLED51は点灯しないが、左側から2番目及び3番目の発電パネル10A、10BのLED51が点灯する。特に、ここでは、LED51が図示右方向を示す矢印形状に配列されているので、歩行者の行き先(進行すべき方向)が、歩行者の現在位置よりも当該行き先側に進んだ位置で表示されることになる。
【0051】
次いで、歩行者が先に進み、図13に示すように、左側から2番目の発電パネル10Bを歩行することにより、当該発電パネル10Bに外力が加わった場合、当該発電パネル10Bにより発電が行われ、この発電による電力は、当該発電パネル10Bの出力側の接続端子43〜45のうち、供給路46が接続されていない接続端子43、44に供給される。接続端子43に供給された電力は、左側から3番目の発電パネル10Aの入力側の接続端子40と供給路46を介して出力側の接続端子43に供給され、さらに左側から4番目の発電パネル10Bの入力側の接続端子40を介して、この発電パネル10Bの表示部に50供給されるので、この表示部50のLED51が点灯する。接続端子44に供給された電力は、左側から3番目の発電パネル10Aの入力側の接続端子42を介して、この発電パネル10Aの表示部50に供給されるので、この表示部50のLED51が点灯する。
【0052】
従って、図13の左側から2番目の発電パネル10Bを歩行者が歩行することにより、当該発電パネル10Bにて発電された電力により、当該発電パネル10BのLED51は点灯しないが、左側から3番目及び4番目の発電パネル10A、10BのLED51が点灯する。以降同様に、歩行者の現在位置よりも1つ先の発電パネル10と2つ先の発電パネル10が点灯するので、歩行者に対して、その歩行位置を先取りした行き先案内情報を出力することができる。
【0053】
さらに、上述のような構成以外にも、表示部50や供給路46の構成が異なる複数種類の発電パネル10を準備し、これら各種の発電パネル10を混在させて発電システム1を構築することもできる。
【0054】
このような変形例に係る発電パネル10を用いた発電システム1の平面図を図14に示す。この発電システム1は、2種類の発電パネル10C、10Dを図示のような順番で並設して構成されている。上述した図9の発電パネル10Aに対して、発電パネル10Cは、接続端子41、44及び表示部50を設ける一方で、供給路46を省略して構成されたものであり、発電パネル10Dは、接続端子41、44及び供給路46を設ける一方で、表示部50を省略して構成されたものである。
【0055】
この発電システム1において、図示最左側の発電パネル10Cを歩行者が歩行した場合には、左側から2番目の発電パネル10DのLED51が点灯し、左側から2番目から4番目までのいずれかの発電パネル10Dを歩行者が歩行した場合には、図示最右側の発電パネル10CのLED51が点灯する。
【0056】
また、他の変形例に係る発電パネル10を用いた発電システム1の平面図を図15に示す。この発電システム1は、2種類の発電パネル10E、10Fを図示のような順番で並設して構成されている。これらの発電パネル10E、10Fは、筐体20の平面形状を正方形状として形成されており、上述した図9の発電パネル10Aに対して、発電パネル10Eは、接続端子40〜45が設けられた側面とは異なる側面に入力側の接続端子47と出力側の接続端子48を設けると共に、表示部50を設ける一方で、供給路46を省略して構成されたものであり、筐体20の全ての側面の各々に少なくとも一つの接続端子40〜45、47、48が設けられている。発電パネル10Fは、図14の発電パネル10Cと同じである。
【0057】
この発電システム1において、図示最左側の発電パネル10Eを歩行者が歩行した場合には、左側から2番目の発電パネル10EのLED51が点灯し、左側から2番目の発電パネル10Eを歩行者が歩行した場合には、左側から3番目の発電パネル10FのLED51が点灯し、以降同様に、歩行者が歩いている発電パネル10より1つ右側に位置する発電パネル10のLED51が点灯する。特に、この構成では、発電パネル10Eを図示と同一平面内において90、180、又は270度回転させた場合であっても、その側面の接続端子40〜47のいずれかが、隣接する他の発電パネル10Eの接続端子40〜47又は隣接する発電パネル10Fの接続端子41、44と接続されるので、発電パネル10Eの配置の自由度が向上する。
【0058】
(実施の形態の効果)
この実施の形態によれば、発電パネル10の筐体20が歩行者の歩行による外力を受けて変位し、この変位に伴って圧電素子31b、31c、32b、32cが変形することで発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力するので、発電パネル10に対して情報出力機能一体的に付加することができ、情報出力機能を個別に設ける必要がなくなるので、発電パネル10を用いて省エネルギーな情報出力を行う利用者の利便性を高めることが可能となる。
【0059】
また、筐体20における相互に対向する2つの側面の各々に、発電パネル10の圧電素子31b、31c、32b、32cにて発電された電力を他の発電パネル10に供給するための接続端子40〜45を設けたので、発電パネル10にて発電された電力を用いた他の発電パネル10における情報出力等を行うことが可能となり、歩行者が歩行している位置から離れた位置における情報出力等を行うことが可能となるので、歩行者が歩行している位置から離れた位置に行き先案内情報を表示する等、発電パネル10による情報出力形態の多様化を図ることが可能となる。
【0060】
また、相互に対向する2つの側面の一方に設けた接続端子40〜45に供給された電力を、相互に対向する2つの側面の他方に設けた接続端子40〜45を介して他の発電パネル10に供給するための供給路46を設けたので、発電パネル10に、当該発電パネル10に隣接する他の2つの発電パネル10の相互間における電力中継機能を持たせることができ、発電パネル10による電力供給形態の多様化を図ることが可能となる。
【0061】
また、筐体20の平面形状を正方形状とし、筐体20の全ての側面の各々に、接続端子40〜45を設けたので、発電パネル10を同一平面内において90、180、又は270度回転させた場合であっても、その側面の接続端子40〜45が、隣接する他の発電パネル10の接続端子40〜45と接続されるので、発電パネル10の配置の自由度を向上させることができる。
【0062】
また、出力手段を、筐体20の外部に向けて発光を行うことにより、所定情報を出力するLED51として構成したので、発光による情報出力を行うことにより、暗所においても情報出力を行うことが可能となる。
【0063】
発電パネル10を複数備えて構成された発電システム1において、発電パネル10の筐体20が歩行者の歩行による外力を受けて変位し、この変位に伴って圧電素子31b、31c、32b、32cが変形することで発電された電力により、歩行者に対して所定情報を出力するので、発電パネル10に対して情報出力機能一体的に付加することができ、情報出力機能を個別に設ける必要がなくなるので、発電パネル10を用いて省エネルギーな情報出力を行う利用者の利便性を高めることが可能となる。
【0064】
〔III〕各実施の形態の変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0065】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0066】
(発電パネルの全体構造について)
筐体20や発電モジュール30の構造は、各実施の形態に示したものに限定されない。例えば、筐体20については、外力を受けて発電モジュール30の変形を行わせるものができる限りにおいて、異なる構造としてもよく、例えば、固定板21の方が外力を受けて可動板23に近接する方向に移動するようにしたり、固定板21と可動板23のいずれか一方が他方に向けて近接する方向に移動するようにしてもよい(この場合には、固定板21の名称を可動板23に変更する)。また、発電モジュール30については、発電体31、32を3つ以上重合させてもよく、あるいは、重合させることなく発電体31、32を単に並設してもよい。
【0067】
(接続端子について)
接続端子40〜45、47、48としては、必ずしも物理的接触による電力供給を行わなくてもよく、例えば、電磁力を用いた公知の非接触式の電力供給構造を採用してもよい。また、物理的接触による電力供給を行う場合であっても、接続端子40〜45、47、48を筐体20の側面以外に設けることもでき、例えば、出力側の接続端子43〜45、48を、圧電素子31b、31c、32b、32cから電力供給を受ける延長コードの先端部に雄型端子として設け、入力側の接続端子40〜42、47を、出力側の接続端子43〜45、48を着脱自在に挿通させるための雌型端子として設けてもよい。
【0068】
(出力手段について)
出力手段を表示部50として構成する場合、表示部50は、LED51以外にも、例えば、小型モニタの如きものであってもよい。あるいは、出力手段を表示部50以外として構成してもよく、例えば、音声出力手段として構成したり、無線信号出力手段として構成してもよい。また、出力手段を筐体20の上面に設ける必要はなく、例えば、筐体20の外部に設けた出力手段を接続コードにより当該筐体20に接続してもよい。また、出力する情報の内容も変更可能であり、例えば、目的地までの距離を示す数値を各発電パネル10の表示部50に設定しておき、この数値をモニタや音声出力手段により出力するようにしてもよい。この他、文字、数字、記号、絵等の情報を出力してもよい。
【0069】
(発電体について)
発電体としては、圧電素子に代えて、外力(歪み、屈曲、若しくは圧縮を生じさせる力を含む)により発電が可能な任意の素材を用いることができる。例えば、イオン導電性高分子の膜(ゲル)の両面に金属(金等)をメッキしたイオン高分子金属複合材料(IPMC:Ionic Polymer−Metal Composite)や、イオン導電性高分子ゲル膜(ICPF:Ionic Conducting Polymergel Film)、あるいは、これらIPMCやICPFを用いた人工筋肉を使用することができる。また、コイルと、このコイルの内部に挿入される鉄芯とから発電体を構成し、可動板13の移動によってコイル又は鉄芯を移動させることで、電磁誘導により発電を行ってもよい。また、この鉄芯に代えて超磁歪材料を用いて、可動板13の移動によって超磁歪材料を加圧することで、逆磁歪発電を行ってもよい。また、エレクトレット基板と金属基板とを対向状態に配置して発電体を構成し、可動板13の移動によってエレクトレット基板又は金属基板を移動させることで、静電誘導により発電を行ってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 発電システム
2 居室
3 床面
10 発電パネル
20 筐体
21 固定板
22 側板
22a 上端部
23 可動板
23a 凹部
30 発電モジュール
31、32 発電体
31a、32a 振動板
31b、31c、32b、32c 圧電素子
31d、32d 周辺スペーサ
31e、32e 中心スペーサ
33 柱状体
34 回路基板
34a 貫通孔
40〜45、47、48 接続端子
46 供給路
50 表示部
51 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者の歩行による外力を発電体を介して電気に変換する発電パネルであって、
歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記変位により発電する前記発電体と、
前記発電体にて発電された電力により、前記歩行者に対して所定情報を出力する出力手段と、
を備えた発電パネル。
【請求項2】
前記発電体は、圧電素子であり、
前記圧電素子は、前記筐体の前記変位に伴って変形されることで発電する、
請求項1に記載の発電パネル。
【請求項3】
前記筐体の側面のうち、相互に対向する2つの側面の各々に、当該発電パネルを他の発電パネルと接続するためのものであって、当該発電パネルの前記圧電素子にて発電された電力を当該他の発電パネルに供給するための接続端子を設けた、
請求項2に記載の発電パネル。
【請求項4】
前記相互に対向する2つの側面の一方に設けた前記接続端子に供給された電力を、前記相互に対向する2つの側面の他方に設けた前記接続端子を介して前記他の発電パネルに供給するための供給路を設けた、
請求項3に記載の発電パネル。
【請求項5】
前記筐体の平面形状を正方形状とし、
前記筐体の全ての側面の各々に、前記接続端子を設けた、
請求項3又は4に記載の発電パネル。
【請求項6】
前記出力手段を、前記筐体の外部に向けて発光を行うことにより、前記所定情報を出力する発光手段として構成した、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発電パネル。
【請求項7】
歩行者の歩行による外力を発電体を介して電気に変換する発電パネルを複数備えて構成された発電システムであって、
前記複数の発電パネルの各々は、
歩行者の歩行が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変位する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記変位に伴って発電する前記発電体と、
前記発電体にて発電された電力により、前記歩行者に対して所定情報を出力する出力手段とを備えて構成され、
前記筐体の側面のうち、相互に対向する2つの側面の各々に、当該発電パネルを他の発電パネルと接続するためのものであって、当該発電パネルの前記発電体にて発電された電力を当該他の発電パネルに供給するための接続端子を設け、
前記接続端子を介して前記複数の発電パネルを相互に接続し、
前記相互に接続した複数の発電パネルのうち、いずれか一つの発電パネルの前記筐体が歩行による外力を受けることで、当該発電パネルの前記発電体が発電した際に、当該発電体にて発電された電力を前記接続端子を介して、当該発電パネルに接続された他の発電パネルに供給し、当該供給された電力によって当該他の発電パネルの前記出力手段を介して前記所定情報を出力可能とした、
発電パネルを用いた発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−250521(P2011−250521A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118745(P2010−118745)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(304027556)
【出願人】(507419172)株式会社音力発電 (8)