説明

発電マット

【課題】人が発電マット上を歩行する際の動きにより帯電させ、帯電した電荷を収集することにより給電することができる発電マットを提供する。
【解決手段】本発電マット1は、一方の面が床面9に対向しているシート状の誘電体4と、誘電体の他方の面に、誘電体に対する間隔を変位可能に設けられている変位電極5と、変位電極と誘電体との間に設けられると共に、変位電極と誘電体とを接触させる外力があるときは変位電極と誘電体とを接触する方向に変位させて変位電極との間に接触帯電を発生させ、外力がないときは変位電極と誘電体とを離隔する方向に変位させて変位電極との間に剥離帯電を発生させる変位手段5と、を備えることを特徴とする。このような発電マットは、従来の圧電素子を利用した発電マット1に比べて構造を極めて簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が歩いたり足踏みをしたりすることにより発電を行う発電マットに関する。更に詳しくは、人が発電マット上を歩行する際の動きにより帯電させ、帯電した電荷を収集することにより給電することができる発電マットに関する。本発電マットは、配設場所近辺の照明や各種センサの電源として用いる等、各種負荷の電源として用いることができる。
【背景技術】
【0002】
従来より、床面にシート状の発電装置を設置して通行人の歩行により発電を行うシステムが開発されている。例えば、シート状の圧電素子を階段に配置すると共に、前記圧電素子を階段の照明装置に接続したシステムが知られている(特許文献1を参照。)。このシステムでは、通行人が階段を昇降する際に、踏みつけられた圧電素子が発電して照明装置を点灯させることができる。また、シート状の圧電素子を駅構内の通路、例えば改札等に設置することで、通行人の移動により圧電素子が発電し、この電力を取り出して利用するシステムが知られている(特許文献2を参照。)。
【0003】
しかし、上述したいずれの発電システムも圧電素子を利用して発電を行っているため、歩行する面の全面に小さな圧電素子を敷き詰める必要があるため、各圧電素子を配線する必要がある等煩雑であるという問題がある。また、圧電素子は高価である。更に、圧電素子に対して長期間にわたって繰り返し外圧が加わるので、圧電素子の電極が剥離する等の劣化を起こし、発電量の低下を招くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−353913号公報
【特許文献2】特開2006−197704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記現状に鑑みてなされたものであり、人が発電マット上を歩行する際の動きにより帯電させ、帯電した電荷を収集することにより給電することができ、簡易な構造で安価であって、且つ長期的使用でも劣化が少ない発電マットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の通りである。
1.一方の面が床面に対向しているシート状の誘電体と、前記誘電体の他方の面に、前記誘電体に対する間隔を変位可能に設けられている変位電極と、前記変位電極と前記誘電体との間に設けられると共に、前記変位電極と前記誘電体とを接触させる外力があるときは前記変位電極と前記誘電体とを接触する方向に変位させて該変位電極との間に接触帯電を発生させ、前記外力がないときは前記変位電極と前記誘電体とを離隔する方向に変位させて該変位電極との間に剥離帯電を発生させる変位手段と、
を備えることを特徴とする発電マット。
2.前記変位電極は中央部が突出するよう湾曲した板材から成り、前記変位手段は、前記変位電極であって、踏みつけられたときに該変位電極の湾曲部分が変形することにより変位することができる前記1.記載の発電マット。
3.前記変位電極は前記誘電体側の面に多数の凹凸部が形成されており、前記誘電体は弾性体から成り、前記変位手段は前記凹凸部及び前記誘電体であって、踏みつけられたときに該誘電体が変形することにより変位することができる前記1.記載の発電マット。
4.前記誘電体は弾性体から成り且つ前記変位電極側の面に多数の凹凸部が形成されており、前記変位手段は前記誘電体であって、踏みつけられたときに該誘電体の前記凹凸部が平坦化するように変形することにより変位することができる前記1.記載の発電マット。
5.上側の面にカーペットを更に備える前記2.乃至前記4.のいずれかに記載の発電マット。
6.上側の面にカーペットを更に備え、且つ前記変位電極は前記カーペットの裏面に形成されたアルミ箔である前記5.記載の発電マット。
【発明の効果】
【0007】
本発明の発電マットによれば、変位電極及び誘電体を備え、変位手段により変位電極及び誘電体の間隔が接触する方向と離隔する方向とに変位することによって、接触帯電及び剥離帯電を発生するので、発生した静電気を変位電極及びアースである床面が電源の入力に接続されている負荷に給電することができる。
このため、従来の圧電素子を利用した発電マットのように、小さな素子を多数敷き詰めずに、前面を1つの素子としても損失がないため、構造を極めて簡素化することができ、安価な発電マットを得ることができるようになる。また、従来の圧電素子のように誘電体に電極が電気的に接続されていなくても、近接していれば帯電するため、長期的の使用でも劣化しにくく、発電効率が落ちることを抑制できる。
【0008】
また、変位電極が変位する場合は、電極自体の撓みを用いて変位することができるため、構造を簡単にすることができる。即ち、変位手段として別個の部材は不要であり、簡易な構造とすることができる。しかも、変位量を大きく取ることができるので、発電量を大きくすることができる。
更に、誘電体が変位する場合は、変位電極を薄く、例えば箔状にすることができるので、発電マット全体を薄くして見栄えを向上することができる。
また、変位電極の誘電体側の面又は誘電体の変位電極側の面に多数の凹凸部が形成されている場合は、発電マットを全体として平坦にすることができるので、見栄えを損ねることがない。
また、上面にカーペットを備える場合は、一般的な足拭きマットと同様に歩行者の靴底に接触して水分や塵を取り除くことができ、更にはマットとしての意匠性を高めることができる。ここで、カーペットの裏面に箔状アルミを備えると共にこの箔状アルミ箔が電極である場合は、発電マットの薄型化及び軽量化を図ることができる。即ち、従来のように厚くて硬い圧電素子を使用する場合に比べて、マット自体が厚くなったり柔軟性が失われてしまったりすることを防止することができるので、歩行時の感触の変化を抑制し、且つ運搬性や収納性を犠牲にすることがない。更に、カーペットの裏面にアルミ薄膜を蒸着することで、一体形成が可能となるので、部品点数を削減して発電マットの作成を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例に係る発電マットを示す中央縦断面側面図であり、(A)は何もしていない状態、(B)は靴底が接触した状態、(C)は踏み込んで変位電極が誘電体に接触した状態、(D)は足を上げて変位電極が誘電体から離隔した状態、(E)は再び踏み込んで変位電極が誘電体に接触した状態である。
【図2】変位電極が下方に湾曲した発電マットの実施例を示す中央縦断面側面図である。
【図3】変位手段がコイルばねである発電マットの実施例を示す中央縦断面側面図であり、(A)は何もしていない状態、(B)は踏み込んで変位電極が誘電体に接触した状態である。
【図4】誘電体に凹凸部を設けた発電マットの実施例を示す中央縦断面側面図であり、(A)は何もしていない状態、(B)は踏み込んで変位電極が誘電体に接触した状態である。
【図5】変位電極に凹凸部を設けた発電マットの実施例を示す中央縦断面側面図であり、(A)は何もしていない状態、(B)は踏み込んで変位電極が誘電体に接触した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜5を参照しながら本発明の発電マットを詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0011】
本発明に係る発電マットは、シート状であって、アースである床面に一方の面が接触している誘電体と、誘電体の他方の面に誘電体に対して変位可能に設けられると共に、床面との間に負荷が接続される変位電極と、変位電極と誘電体とを接触した状態と離隔した状態とに変位させる変位手段と、を備えることを特徴とする。
前記「床面」は、アースとして機能し、且つ発電マットの載置可能な面であればよく、任意の場所の床面とすることができる。
前記「誘電体」は、シート状であって、床面と変位電極との間に挟持され、変位電極との間で接触帯電及び剥離帯電を発生するものである限り、その形状、材質、数量等は特に問わない。例えば、誘電体の厚みは、誘電体の強度及び踏みつけの感触等を勘案して適宜選択することができる。また、誘電体の材質としては、任意に選択することができ、この例として、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、セラミック、樹脂フィルム積層体等とすることができる。このうちシリコーンゴムは、密着性を高めることができるため、実質の誘電率を高めることができ好ましい。
前記「接触帯電」とは、誘電体と変位電極との間隔が狭くなる又は接触することにより、変位電極及び大地との間に電位差が生じることをいう。
前記「剥離帯電」とは、誘電体と変位電極が接触した状態からその間隔が広くなることにより、変位電極及び大地との間に電位差が生じることをいう。
接触帯電及び剥離帯電は、同じ変位量であっても誘電体と変位電極との間隔が狭いとき程、帯電量が大きくなる。
尚、接触帯電及び剥離帯電における誘電体と変位電極との間隔は全体が均等に変化してもよいし、部分的に変化しても良い。
【0012】
前記「変位電極」は、誘電体の床面と反対側に誘電体に対して変位可能に設けられると共に、床面との間に負荷が接続される限り、その形状、構造、材質、数量等は特に問わない。例えば、アルミ、鉄及び銅等及びこれらの合金の金属板、並びにこれらの箔状体等とすることができる。また、変位電極にカーペットを積層する場合は、これらに蒸着した箔状のアルミを変位電極とすることができる。
【0013】
前記「変位手段」は、変位電極と誘電体との間に設けられると共に、変位電極と誘電体とを接触させる外力があるときは変位電極と誘電体とを接触した状態に変位させて接触帯電を発生させ、外力がないときは変位電極と誘電体とを離隔した状態に変位させて剥離帯電を発生させる限り、その形状、構造、材質、数量等は特に問わない。
ここで、変位電極としては、例えば、中央部が突出するよう湾曲したアルミ板であるようにでき、この場合は、変位手段は変位電極により兼用されることができる。あるいは、変位電極としては、例えば、平坦なアルミ板であるようにでき、この場合は、変位手段としては、例えば、変位電極を誘電体に対して接触した状態と離れた状態とに変位可能に支持するコイルばねとすることができる。
更には、変位電極は誘電体側の面に多数の凹凸部が形成されていると共に、誘電体は弾性体から成り、且つ変位手段は凹凸部及び誘電体であるようにしたり、あるいは誘電体は弾性体から成り変位電極側の面に多数の凹凸部が形成されたりすると共に、変位手段は凹凸部であるようにできる。このような「凹凸部」は、踏みつけにより変形して平坦になる形状、又は、凹凸部に対向する部材が踏みつけにより凹凸部と密着するように変形することができればよく、任意に選択することができる。
【0014】
前記「負荷」は、その電源入力の一方が変位電極に接続され、他方が、発電マットが載置されている床面と同電位となる場所に接地されており、発電マットで発電した静電気の給電が可能であるものである限り、その形状、構造、材質、数量等は特に問わない。負荷としては、例えば、LEDやバルブ等の発光装置とすることができる。また、負荷を、発電マットを踏んだか否かを検出するセンサとして利用することもできる。更に、発電マットの上面にカーペットを備えるようにできる。
【実施例】
【0015】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)発電マットの構成
本実施例に係る発電マット1は、図1に示すように、床面9から、誘電体4と、誘電体4に対して変位可能に設けられる変位電極5と、カーペット6と、を積層して形成されて成り、変位電極5と誘電体4とを接触した状態と離隔した状態とに変位させる変位手段7と、床面9と共通のアース及び変位電極5から配線されている負荷8と、を備えるものである。この発電マット1は、誘電体4を底面として床面9に設置されている。
【0016】
変位電極5は、中央部が上方に突出するよう湾曲したアルミ板としている。変位電極5は面に垂直な方向に弾性変形可能であり、変位手段7は変位電極5と兼用されている。変位電極5は、変位電極5と誘電体4とを接触させる上方からの外力があるときは、図1(C)に示すように弾性変形して平坦化し、変位電極5と誘電体4とが接触した状態に変位され、これらの間に接触帯電を発生させる。また、変位電極5は、上方からの外力がないときは、図1(D)に示すように元の湾曲した形状に復元して変位電極5と誘電体4との平均間隔が広くなる状態に変位され、これらの間に剥離帯電を発生させる。
誘電体4は、シリコーンゴム製のシートとしている。カーペット6は、ゴム製の基材と、これに植設されたウール製の繊維体とから成る。
負荷8は、極性を反対にして並列に接続した一対のLED10,11としており、電極の一方を床面9に接続してアースとしており、他方を変位電極5に接続している。ここでは、変位電極5から床面9に電流が流れる際に発光する方を第1LED10とし、床面9から変位電極5に電流が流れる際に発光する方を第2LED11としている。
【0017】
(2)発電マットの作用
次に、前記構成の発電マット1の作用について説明する。ここでは、靴12を履いた歩行者が発電マット1の上を歩行した場合について説明する。
図1(B)に示すように歩行者が発電マット1を踏み込むと、変位電極5の湾曲が平坦に弾性変形されて、変位電極5と誘電体4との間隔が狭くなり、図1(C)に示すように最後には接触する。この変位に伴って、変位電極5の電子が床面9側に移動して接触面では変位電極5がプラス側に、床面9がマイナス側に帯電する接触帯電が発生し、第1LED10が発光する。
そして、発電マット1から靴12を上げると、図1(D)に示すように変位電極5が元の湾曲した形状に復元して、変位電極5と誘電体4とが離隔する。この変位に伴って、床面9の電子が変位電極5側に移動して変位電極5がマイナス側に、床面9がプラス側に帯電する剥離帯電が発生し、第2LED11が発光する。
このように、図1(C)、(E)に示すように発電マット1を踏み込んだときには、床面9から変位電極5に電流が流れて第1LED10が発光し、一方、図1(D)に示すように発電マット1から靴12を上げたときには、変位電極5から床面9に電流が流れて第2LED11が発光するため、これを繰り返すことにより、各LED10,11が交互に発光されるようになる。
【0018】
(3)実施例の効果
本実施例の発電マット1によると、変位電極5及び誘電体4を備え、変位手段7によりこれらが接触した状態と離隔した状態とに変位し、これらの間で接触帯電及び剥離帯電を発生するので、これにより発生した静電気を収集して負荷8に対して給電することができる。これにより、従来の圧電素子を利用した発電マット1に比べて構造を極めて簡素化することができ、安価な発電マット1を得ることができるようになる。また、従来の圧電素子のような発電部品を使用していないので、長期的の使用でも劣化して発電効率が落ちることを抑制できる。
また、変位電極5が変形することにより変位するので、変位量を大きく取ることができ、発電量を大きくすることができる。しかも、変位手段7として別個の部材は不要であり、簡易な構造とすることができる。
また、上面にカーペット6を備えているので、一般的な足拭きマットと同様に歩行者の靴底に接触して水分や塵を取り除くことができ、更にはマットとしての意匠性を高めることができる。
【0019】
尚、本発明においては、前記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、前記実施例では、変位電極5は中央部が上方に突出するよう湾曲したアルミ板としたが、これに限定されず、図2に示すように、中央部が下方に突出するよう湾曲したアルミ板としてもよい。また、変位電極5として中央部が突出するよう湾曲したアルミ板を採用すると共に変位手段7は変位電極5と兼用されているようにしたが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、変位電極5として平坦なアルミ板を採用すると共に、変位手段7として変位電極5を誘電体4に対して接触した状態(図3(B))と離れた状態(図3(A))とに変位可能に支持するコイルばねを採用することができる。
【0020】
また、前記実施例では、変位電極5が変形して変位手段7を兼用するようにしたが、これに限定されず、誘電体4が変形して変位手段7を兼用するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、誘電体4は弾性体から成り変位電極5側の面に多数の凹凸部が形成されていると共に、変位手段7は凹凸部であるようにできる。この場合、発電マット1が踏まれることにより、変位電極5が誘電体4の凹凸部を押し込み、誘電体4が弾性変形して、両者が面接触する(図4(B))。また、発電マット1から靴が上げられると、誘電体4が元の形状に復元して、変位電極5が誘電体4から持ち上げられて両者は離隔して点接触となる(図4(A))。この構成によると、電極を薄く、例えば、箔状にすることができるので、カーペット6の裏面に蒸着したアルミ薄膜から成るようにできる。よって、発電マット1の薄型化及び軽量化をすることができる。即ち、従来のように厚くて硬い圧電素子を使用する場合に比べて、マット自体が厚くなったり柔軟性が失われたりしまうことを防止することができるので、歩行時の感触の変化を抑制し、且つ運搬性や収納性を犠牲にすることがない。また、カーペット6と変位電極5との一体形成が可能となるので、部品点数を削減して発電マット1の作成を容易にすることができる。
【0021】
また、前記実施例では、変位電極5が変形して変位手段7を兼用するようにしたが、これに限定されず、例えば、図5に示すように、変位電極5は誘電体4側の面に多数の凹凸部が形成されていると共に、誘電体4は弾性体から成り、且つ変位手段7は凹凸部及び誘電体4であるようにすることができる。この場合、発電マット1が踏まれることにより、変位電極5の凹凸部が誘電体4に食い込み、誘電体4が弾性変形して、両者が面接触する(図5(B))。また、発電マット1から靴が上げられると、誘電体4が元の形状に復元して、変位電極5の凹凸部が誘電体4から持ち上げられて両者は離隔して点接触となる(図5(A))。この構成によると、発電マット1を全体として平坦にすることができるので、見栄えを損ねることがない。
【0022】
また、前記実施例では、発電マット1は、下から、誘電体4と、変位電極5と、カーペット6と、を積層して成るようにしたが、これに限定されず、例えば、最低限、変位電極5と誘電体4があれば発電は可能であるので、カーペット6はなくてもよい。
更に、前記実施例では、負荷8は、極性を反対にして並列に接続した一対LED10,11としたが、これに限定されず、例えば、バルブあるいは蓄電器としたり、更には発電マット1を踏んだか否かを検出するセンサとしたりしてもよい。
また、前記実施例では、変位電極5は平坦なアルミ板としたが、これに限定されず、例えば、アルミ箔としてもよい。この場合、隣接するカーペット6に蒸着したアルミ薄膜とできるので、一体形成が可能となり、部品点数を削減して発電マット1の作成を容易にすることができる。あるいは、変位電極5としては、網目状やはしご状に組んだワイヤとしてもよい。この場合、発電マット1の薄型化及び軽量化をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発電マットは、歩行者が歩行することで発電を行い、配設場所近辺の照明や各種センサの電源として用いる等、各種電力の供給源として用いる技術として利用される。特に、静電気を利用して発電を行う技術として好適に利用される。更に、歩行者や台車等の移動体を検出するためのセンサとして用いることもできる。
【符号の説明】
【0024】
1;発電マット、4;誘電体、5;変位電極、6;カーペット、7;変位手段、8;負荷、9;床面、10;第1LED、11;第2LED。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面が床面に対向しているシート状の誘電体と、
前記誘電体の他方の面に、前記誘電体に対する間隔を変位可能に設けられている変位電極と、
前記変位電極と前記誘電体との間に設けられると共に、前記変位電極と前記誘電体とを接触させる外力があるときは前記変位電極と前記誘電体とを接触する方向に変位させて該変位電極との間に接触帯電を発生させ、前記外力がないときは前記変位電極と前記誘電体とを離隔する方向に変位させて該変位電極との間に剥離帯電を発生させる変位手段と、
を備えることを特徴とする発電マット。
【請求項2】
前記変位電極は中央部が突出するよう湾曲した板材から成り、
前記変位手段は、前記変位電極であって、踏みつけられたときに該変位電極の湾曲部分が変形することにより変位することができる請求項1記載の発電マット。
【請求項3】
前記変位電極は前記誘電体側の面に多数の凹凸部が形成されており、
前記誘電体は弾性体から成り、
前記変位手段は前記凹凸部及び前記誘電体であって、踏みつけられたときに該誘電体が変形することにより変位することができる請求項1記載の発電マット。
【請求項4】
前記誘電体は弾性体から成り且つ前記変位電極側の面に多数の凹凸部が形成されており、
前記変位手段は前記誘電体であって、踏みつけられたときに該誘電体の前記凹凸部が平坦化するように変形することにより変位することができる請求項1記載の発電マット。
【請求項5】
上側の面にカーペットを更に備える請求項2乃至4のいずれか1項に記載の発電マット。
【請求項6】
上側の面にカーペットを更に備え、且つ前記変位電極は前記カーペットの裏面に形成されたアルミ箔である請求項5記載の発電マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−172367(P2011−172367A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32926(P2010−32926)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】