発電装置
【課題】圧電素子を使用した発電における発電量や耐久性等の課題を解決すること。
【解決手段】発電装置は、振動板61bと、この振動板61bの少なくとも片面に接合された圧電素子61aと、この圧電素子61aが接合された振動板61bとは異なる振動板であって、圧電素子61aが接合された振動板61bから至り、圧電素子61aが接合された振動板61bの平面方向とは異なる方向に向けられた振動板63aとを備える。
【解決手段】発電装置は、振動板61bと、この振動板61bの少なくとも片面に接合された圧電素子61aと、この圧電素子61aが接合された振動板61bとは異なる振動板であって、圧電素子61aが接合された振動板61bから至り、圧電素子61aが接合された振動板61bの平面方向とは異なる方向に向けられた振動板63aとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を使用した発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子を使用した発電や風力発電や太陽光発電等環境にやさしい発電方法が知られえている。これらは総称として一般的に環境にやさしい発電方法であることからエコ発電と呼ばれている。これらの発電方法は、今日のように環境問題が注目されていることもあり我々の社会の中に普及し始めている。
【0003】
また、近年日常生活において我々が情報を得る道具は携帯電話やインターネットを利用した端末機器等によるものが多くなってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−282915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの発電方法には各発電方法ごとに長所と短所がある。その短所として例えば、圧電素子を使用した発電では圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより発電を行うのであるが一般に、圧電素子は割れやすい素材であるため耐久性が小さいことやその発電量が少ないことが挙げられる。風力発電では設置する場所の面積の小さい小型風力発電の街中での普及が見られるが小型であるため発電量が少ないことが挙げられる。太陽光発電では設置するための広い面積を確保しなければならなく、その場所も太陽電池のメンテナンスを行いやすい所であることが望まれるためそのスペースの確保をどのようにするかが挙げられる。更に、これらの発電は発電を行う際に圧電素子による発電では圧電素子に外部から力が加わること、風力発電では風が吹くこと、太陽光発電では光があること等が前提になっているためその発電量は各発電機が設置された周囲の環境の変化に大きく依存することになる。
【0006】
また、近年日常生活の中で我々が情報を得る道具の中心的存在の一つである携帯電話やインターネットを利用した端末機器はその多くが電力を必要とするものであるため外出中携帯電話のバッテリーが無くなったり台風や雷等による災害時に停電したりするとこれらの端末機器は何らかの方法で電力を供給しなければ利用できないことになる。しかしながら、これらの電子機器に電力を供給することが出来て且つ、台風や雷等による停電時の際等の緊急時において設置する場所を選ばず迅速に移動させることおよび長期間の発電が可能な発電装置は見受けられない。更に、台風や雷等による災害時での利用を想定した上で日常的に使用できる電力提供や周囲の地図、天候等の情報提供のサービス行う完全自家発電型の端末装置を常設することは利用が想定されるビジネスマンや観光客等にとってとても便利であり、このような電力情報提供端末装置の普及はこれからのIT、ユビキタス社会において様々なサービス提供の普及にも寄与するものであり、実際にIT、ユビキタス関連の研究者や技術者の間では既にこのような端末装置の普及が望まれている。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、圧電素子を使用した発電における上記に挙げた発電量や耐久性等の課題を解決することと、その上でこれらの発電を総合的に利用することにより発電装置を設置する場所や周囲の環境の変化に対応した安定的な発電を行うことを可能にする発電装置およびこの発電装置による安定的な電力の提供を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の本発明は、振動板と、前記振動板の少なくとも片面に接合された圧電素子と、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板であって、前記圧電素子が接合された前記振動板から延出され、前記圧電素子が接合された前記振動板の平面方向とは異なる方向に向けられた振動板とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して直交する面とを有する、側面L字状に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向から、当該平行な面に対して直交する方向に至り、さらに前記圧電素子が接合された振動板の平面方向に戻る、側面U字状に形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して45度の方向に至る面とを有するように形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、複数設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板を、相互に異なる長さで形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の本発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板に、重りを設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の本発明は、請求項5及び7に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板の中で、一部の振動板のみに前記重りを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、風を受けて振動する羽として形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の本発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された振動板に土台を接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成された本発明によれば、圧電素子による発電の発電量の増加とその耐久性を向上させることや、圧電素子による発電装置の製造の簡略化や製造コストの低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態についての発電装置の発電部を示す一部断面図および斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に関わる発電装置の発電部を示す一部断面図および斜視図である。
【図3】圧電素子を支える軸の配置および形を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態についての発電装置の発電部を示す一部断面図である。
【図5】圧電素子を使用した発電装置を示す斜視図および発電装置内の圧電素子の配置を示す平面図である。
【図6】圧電素子を使用した発電装置の発電部を積層構造にしたときの一部断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態についての発電装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施形態についての発電装置を示す斜視図および断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態についての発電装置を示す斜視図および断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態についての発電装置を示す断面図および斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施形態についての発電装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施形態についての端末装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。圧電素子は、加えられた圧力により変形することで電気を生じる。一般に、圧電素子はその発電量を増やすために加える圧力を大きくすると割れやすくなる。
【0021】
図1に、本発明の第1の実態形態についての発電装置を示す。圧電素子11は、例えば、圧電素材として、チタン酸バリウム、ジルコニア(ZrO2)等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO3)等の圧電単結晶からなり、図1(a)に示すように、圧電素子11は、振動板12と接合された構造を持つ。この構造において振動板12は、圧電素子11を割れにくくする補強板としての働きもする。圧電素子11および振動板12は、圧電素子11の中心を軸13aにより支えられ、振動板12の周囲を軸13bにより支えられているため外力が加わる際もその位置に留まっている。軸13aは木材、ポリエチレン、ゴム等の緩衝材14aと接合されており、軸13bは木材、ポリエチレン、ゴム等の緩衝材14bと接合されている。図1(a)に示す構造は圧電素子を使用した発電装置の基本となる構造である。図1(b)に示すように、図1(a)の構造を持つ発電装置は外力として図1(b)に示すような圧力P(この場合は上方向からの圧力)が加わると、(押されることで)圧電素子11は圧電素子11aのように変形することにより発電する。この構造はてこの原理を利用しているため圧電素子11を効率良く変形することが可能であり、その結果、圧電素子11の変形による発電も効率良くなるのである。
【0022】
このとき、変形した圧電素子11aが過剰に変形して破損することを防止するために軸13bの先にはストッパーの働きをするストッパー15を有することにより圧電素子11aを保護する。この構造により、圧電素子を使用した発電を安定的に行うことが可能となる。このとき、例えば、図1(b)の隙間O1に示すように振動板12を軸13bに完全に接合せずに振動板12および圧電素子11aが変形する際にその変形の阻害とならないように隙間(「あそび」の部分)が出来るようにしても良い。
【0023】
例えば、直径4.0cmの円形で厚さ200μmの振動板に直径2.5cmの円形で厚さ200μmの圧電素子を接合させたものでは、圧電素子の中心を支える軸は直径0.5cmで高さ0.2cmの円柱形のもので、振動板の周囲を支える軸の先のストッパーは厚さ0.15cmとすると良い。
【0024】
図1(c1)は図1(a)の構造を斜め下から見た図である。図1(c2)は図1(a)の構造を斜め上から見た図である。圧電素子11は振動板12の片面のみに接合する場合の他にも図1(c1)と図1(c2)に示すように、圧電素子11は振動板12の両面に接合しても良い。更に、圧電素子および振動板は円形以外の形であっても良い。例えば、圧電素子および振動板の形を三角形や四角形等の角形とすることも良い他楕円形等にしても良い。そして、これらの圧電素子および振動板をそれ自体が全体的に反るような形にしても良い。このときの反り方は、図2(a)に示すように、軸13aを中心に圧電素子および振動板の周囲が軸13aのある面と反対側に反るようにしても良い。このようにすると、圧電素子の発電力が増す効果がある。一方、図2(b)に示すように、軸13aを中心に圧電素子および振動板の周囲が軸13aのある面と同じ側に反るようにしても良い。このようにすると、圧電素子の強度が増す効果がある。
【0025】
図1(d1)は圧電素子および振動板を長方形にする場合の図1(a)の構造を斜め下から見た図の例として挙げる。同様に、図1(d2)は圧電素子および振動板を長方形にする場合の図1(a)の構造を斜め上から見た図の例として挙げる。このようにする場合、軸13aおよび軸13bの形も同図に示すような形にしても良い。
【0026】
軸13bの本数は振動板12の周囲を支えるために必要な力によって調節すると良い。図1(c1)、(c2)は軸13bを三本使用した例であるが発電装置に加える圧力を大きくする場合および加える圧力が大きくなると見込まれる場合には図2(c1)のように軸13bの本数を三本以上使用すると良い。必要であれば図2(c2)のように軸13bを振動板12の周囲を全体的に囲むようにしても良い。勿論、発電装置に加える圧力を小さくする場合および加える圧力が小さくなると見込まれる場合には使用する軸13bの本数を三本以下にすることも良い。
【0027】
図2(d)は、図1(a)の構造を並べて配置した例であり、本発明の第1の実施形態については図2(d)のようにすることが出来る。
【0028】
図3に、圧電素子11を支える軸13aの配置および形を示したものである。図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)に示すように、軸13aは圧電素子11の中心を通る線上に少なくとも一つ以上配置することおよび軸13aの形は円柱形または四角柱等の立体形である。こうすることで、外力による圧力変化に対して圧電素子を効率良く変形させることが可能となる。なお、軸13aは緩衝器となる働きも兼ねるようにゴム、プラスチック等の弾性材料を使用しても良い。
【0029】
図4に、本発明の第2の実施形態についての発電装置を示す。振動板19に接合された圧電素子18は、軸13cにより支えられており、図4(a)に示すように振動板17によって隣り合う圧電素子18および振動板19は繋がった構造になっている。この構造により、外力による生じる圧力変化(図4(a)の場合は上からの圧力変化)を振動板17が振動板19および圧電素子18へ伝えることにより圧電素子18を変形させ発電させることが可能となる。このとき、圧電素子18の過剰な変形を防止するためのストッパーは図4(a)、(b)に示すように振動板19に接合させたストッパー16aおよび緩衝材20aに接合させたストッパー16bを有する構造とする。勿論、この構造においてストッパー16aおよびストッパー16bは厚さを厚くすることでどちらか一方のみを有する構造とすることも可能である。
【0030】
図5(a)は、図1から図4(a)、(b)に示す構造を有する圧電素子を使用した発電装置20の全体図の例である。図5(a)に示す圧電素子を使用した発電装置の内部の圧電素子の配置を図5(b)および図5(c)に示す。図5(b1)、(b2)に示すように、円形の圧電素子11cにおいて各圧電素子は任意の面積における配置密度を高くするため正三角形を隙間無く並べたときの交点に配置すると良い。図5(c1)、(c2)に示すように、長方形の圧電素子11rにおいて各圧電素子は任意の面積における配置密度を高くするため二組の圧電素子を並べて正方形に配置をしたものを一セットとして、この正方形を90度ずつ回転させて敷き詰めるように配置すると良い。これらのような配置は任意の面積に出来るだけ蜜に圧電素子を敷き詰められるだけでなく、加える外力の方向が緩衝材14bに対して垂直方向以外の場合、例えば、斜め方向からの圧力変化であっても圧電素子11による発電効率の低下を抑え、垂直方向からの圧電変化と同様の発電量を見込める発電をするも可能である。
【0031】
図6(a)、(b)は、圧電素子を使用した発電の発電量を増加させるために図1から図5に示す構造を有する発電装置において発電装置内に内蔵する圧電素子11を複数重ねた積層にする場合の構造を示したものである。このとき、圧電素子11を重ねることで外力が伝わりにくくならないように振動板12の周囲を軸13cにより支えることにより隙間O2を作ると良い。
図7に、本発明の第3の実施形態についての発電装置を示す。圧電素子を使用した発電装置21は、図1から図6に示す構造を有する発電装置であって、並べられた発電装置21を隣同士繋げる軸22および軸受け23によって構成されている。このような構造をとることにより、軸22が軸受け23内において回転、移動することで、並べられた発電装置21は折りたたむことおよび丸めることにより図7(a)に示す状態から図7(b1)および図7(b2)に示す状態へ変形させることが可能となる。並べられた発電装置21の隣同士を繋げる構造は図7(c)に示すように軸24および軸受け25によって構成されても良い。このような構造をとる場合は、並べられた発電装置21は折りたたむことおよび丸めることにより図7(d1)および図7(d2)に示す状態へ変形させることが可能となる。発電装置21の変形の途中経過(図7(a)のに示す状態から図7(b1)に示す状態への変形および図7(c)に示す状態から図7(d1)に示す状態への変形過程)を図7(e)および図7(f)に示す。
【0032】
図1から図7に示す構造は、これらの構造を有することで圧電素子を使用した発電装置において構造簡略化することが可能となるため、製造コスト低減にも繋がる。
【0033】
図8に、本発明の第4の実施形態についての発電装置を示す。発電装置31は、圧電素子を使用した発電装置であって、発電装置31は、発電装置21の構造を有する発電装置としても良く、発電装置31の少なくとも一方の面に太陽電池32およびペルチェ素子やゼーベック素子等を使用した温度差発電装置33等の太陽光発電装置を有する発電装置である。図8(a)、(b)、(c)に示すように、太陽電池32および温度差発電装置33は硬質ガラスまたは硬質塩化ビニル等の透明な樹脂34で覆われているため、外力による圧力変化の影響は受けることが無く、密閉された状態にある。この構造は太陽電池32および温度差発電装置33に対する劣化防止ならびに防水効果もある。そのため、耐久性にも優れた構造になっている。
【0034】
図9に、本発明の第5の実施形態についての発電装置を示す。発電装置41は、圧電素子を使用した発電装置であって、発電装置41は、発電装置21の構造を有する発電装置としても良く、発電装置41の少なくとも一方の面に発光ダイオード42や液晶パネル43や有機EL44や電光掲示板45等によるディスプレイ機能を有する発電装置であって、これらのディスプレイで表示する文字や画像や映像や音等の情報を処理する機能持つインターネットに接続可能なコンピュータ46を有する発電装置である。図9(a)、(b)に示すように、発光ダイオード42や液晶パネル43や有機EL44や電光掲示板45は硬質ガラスまたは硬質塩化ビニル等の透明な樹脂47で覆われているため、外力による圧力変化の影響は受けることが無く、密閉された状態にある。この構造は発光ダイオード42や液晶パネル43や有機ELや電光掲示板44に対する劣化防止ならびに防水効果もある。そのため、耐久性にも優れた構造になっている。
【0035】
図10に、本発明の第6の実施形態についての発電装置を示す。発電装置51aは垂直軸風車52を使用した風力発電装置であって、垂直軸風車52は、例えば、サボニウス型風車やダリウス型風車からなり、図10(a)に示すように、周囲を風力誘導装置53aによって覆われている。このようにして、風力を風力入り口Eに収集することにより垂直軸風車52の片側の羽にのみ当てることで風力による抵抗(垂直軸風車52の回転を妨げる力)を受けることなく、垂直軸風車52を回転させることが可能となる。更に、図10(b)に示すように、発電装置51bは垂直軸風車52を風力誘導装置53bによって覆うことにより風力を垂直軸風車52の片側の羽にのみ当てることで風力による抵抗を受けることなく、垂直軸風車52を回転させることが可能となる。垂直軸風車52は図10(d)に示すように、複数の垂直軸風車52を縦に並べることにより、発電量を増加させることも出来る。発電装置51aおよび発電装置51bの全体像をそれぞれ図10(c)および図10(e)に示す。発電装置51aおよび発電装置51bは、それぞれ回転軸54aおよび回転軸54bを有することならびに風力誘導装置53aおよび風力誘導装置53bの形状により風向きに応じて回転することにより向きを変えることが出来る。
【0036】
図11に、本発明の第7の実施形態についての発電装置を示す。図11(a)は、振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置であって、振動板61bに接合された圧電素子61aは図11(d1)に示すように、直角に曲げられた振動板63aと接合されており、同振動板63aの端にはゴム、鉛等の重りが接合された状態で土台64に接合されている。図11(b)は、振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置であって、振動板61bに接合された圧電素子61aは図11(d2)に示すように、曲線状の振動板63bと接合されており、同振動板63bの端にはゴム、鉛等の重りが接合された状態で土台64に接合されている。図11(d3)に示すように、圧電素子61aに接合する振動板は振動板63cのように45度の角度となるように曲げたものとすることも出来る。これらのようにすることにより、外力による振動が重り62aを揺らすことで、その動きが振動板63aおよび63bおよび63cを伝わることによって、圧電素子61aによる発電を行うことが出来る。このとき、重り62aの縦方向、横方向および斜め方向等全ての方向の動きを振動板63aおよび振動板63bおよび振動板63cを曲げたことで「ねじれ」の動きを利用することにより、振動板63aおよび振動板63bおよび振動板63cは伝えることが可能となる。その際、振動板63aおよび振動板63bと土台64は圧電素子61aに対して正面に向かい合わないようにずらす頃で「ねじれ」の動きを圧電素子61aにより効率的に伝えることが出来るようになる。図11(c)は振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置において、重り62aを羽62bに変えることにより風を受けることで発電することも可能となる。それから、圧電素子61aに接合する振動板63aおよび63bおよび63cの数は二つ以上にすることも可能である。この例を図11(e)に示す。図11に示す構造において重り62aおよび重り62bの全ての動きを伝える必要の無い場合は振動板63aおよび63bおよび63cは直線としても良い。更に、振動板63aおよび63bおよび63cの長さを変えることにより様々な振動周波数の重りの動きに対して共振するように調節することも可能である。
【0037】
図12に、本発明の第8の実施形態についての端末装置を示す。電力情報提供端末装置71は、移動可能な設置式の端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置である。電力情報供給端末装置71は、図1から図11に示す発電装置の少なくとも一つの発電装置によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置とすることにより環境にやさしいエコ発電によって電力および情報の供給、提供を行うことが可能となる。図12(a)は電力情報提供端末装置71の全体図の一例である。ディスプレイ装置73はタッチパネル機能を有するものとしても良い。太陽電池75aおよび手動式発電機75bを補助電源として電力情報提供端末装置71の設置することも良い。この他にも、応用として例えば発電装置21に無線装置77およびコンピュータ74を取り付けたものを人や車等の移動情報を感知する圧力感知装置76として利用することも可能である。このことは、通勤ラッシュや交通渋滞の整理を行う際に周囲の込み具合を把握したい箇所に圧力感知装置76を設置することで発電頻度や発電量から各地点の通行量の情報を得てそれを無線通信することにより効率的に交通整理を行うことが出来る等に役立つのである。
【実施例1】
【0038】
電力情報提供端末装置71は、移動可能な設置式の端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置である。電力情報供給端末装置71は、図1から図11に示す発電装置の少なくとも一つの発電装置によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置とすることにより環境にやさしいエコ発電によって電力および情報の供給、提供を行うことが可能となる。図12(a)は電力情報提供端末装置71の全体図の一例である。ディスプレイ装置73はタッチパネル機能を有するものとしても良い。太陽電池75aおよび手動式発電機75bを補助電源として電力情報提供端末装置71の設置することも良い。この他にも、応用として例えば発電装置21に無線装置77およびコンピュータ74を取り付けたものを人や車等の移動情報を感知する圧力感知装置76として利用することも可能である。このことは、通勤ラッシュや交通渋滞の整理を行う際に周囲の込み具合を把握したい箇所に圧力感知装置76を設置することで発電頻度や発電量から各地点の通行量の情報を得てそれを無線通信することにより効率的に交通整理を行うことが出来る等に役立つのである。
【0039】
(付記)
付記1に記載の発明は、人や車等の物体が動く際に生じる圧力変動により発電する発電装置であって、強い圧力変動に対しても圧電素子を破損すること無く発電することを可能にする圧電素子の過剰な変形を防止するストッパーを有することを特徴とする。
【0040】
付記2に記載の発明は、付記1に記載の発電機は、物体の移動によって生じる圧力変動を圧電素子に効率よく伝えるための振動板と圧電素子を支え圧力変動を受け止める軸を圧電素材の少なくとも一方の面に持つ構造を有することを特徴とする。
【0041】
付記3に記載の発明は、付記2に記載の前記軸は、圧電素材の中心を通る線上に少なくとも一つ以上有することを特徴とする付記1および付記2に記載の発電装置。
【0042】
付記4に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、前機構を有する発電装置であって、複数の圧電素材を圧電素材がずれないようにその周囲を支え収納することで積層にすることにより発電量を増す構造を有することを特徴とする発電装置。
【0043】
付記5に記載の発明は、前機構を有する小型発電装置を並べそれらを繋げる軸と軸受けをつけることにより発電装置全体を折りたたむことおよび丸めることの可能な構造を有するものであり移動可能であることを特徴とする発電装置。
【0044】
付記6に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、少なくとも一方の面に、表面を硬質ガラスや硬質塩化ビニル等の透明な樹脂で覆うことにより強度を上げた太陽エネルギーによる発電を行う太陽電池および温度差発電装置を有することを特徴とする発電装置。
【0045】
付記7に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、少なくとも一方の面に、表面を硬質ガラスや硬質塩化ビニル等の透明な樹脂で覆うことにより強度を上げた発光ダイオードや液晶パネルや有機ELや電光掲示板等によるディスプレイ機能を有する発電装置であって、これらのディスプレイで表示する文字や画像や映像や音等の情報を処理する機能持つインターネットに接続可能なコンピュータを有することを特徴とする発電装置。
【0046】
付記8に記載の発明は、少なくとも一つ以上の垂直軸風車を縦に重ねた風力発電装置であって、外側に発電装置を覆い風向きに対応して回転する風力誘導装置を有することにより風力の収集能力を向上させることおよび風力による風車の回転を妨げる抵抗を無くすことを特徴とする発電装置。
【0047】
付記9に記載の発明は、振動の力で発電する圧電素子を使用した発電装置であって、圧電材料の周囲に少なくとも一つ以上の角度を持って曲げられた振動板が接合された圧電素子において、振動板と振動板に接合した重りを有することによって縦方向と横方向と斜め方向の振動周波数で共振することで発電することを特徴とする圧電素子の発電装置。
【0048】
付記10に記載の発明は、移動可能な設置式の電力情報提供端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置と、ディスプレイ機能および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータを有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つことを特徴とする電力情報提供端末装置。
【0049】
付記11に記載の発明は、移動可能な設置式の電力情報提供端末装置であって、付記1、付記2、付記3、付記4、付記5、付記6、付記7、付記8または付記9のいずれかに記載の発電装置の全てあるいは一部によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置と、ディスプレイ機能および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータを有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つことを特徴とする電力情報提供端末装置、総合的に利用する発電システムに関するものである。
【0050】
(付記の効果)
上記付記のように構成された本発明によれば、圧電素子による発電、風力発電や太陽光発電等のエコ発電装置の発電量の増加とその耐久性を向上させることおよび圧電素子による発電装置の製造簡略化、製造コスト低減効果ならびに、これらの発電装置にインターネットに接続可能なコンピュータならびにディスプレイ機能等を有すること更に移動容易性ならびに設置容易性を有したことで、周囲の環境の変化にも対応して安定的な電力供給と情報提供を行うことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
電力情報提供端末装置を駅やコンビニエンスストアおよび公園等に設置することにより日常的に携帯電話やデジタルカメラ等の小型電子機器の充電を行えるためこれらの機器を電池の残量を気にすることなく使うことが出来、且つ、台風や雷等による停電時の際等の緊急時において設置する場所を選ばず迅速に移動させることおよび長期間の発電が可能なため防災対策としても役立つ。更に、日常的に使用できる電力需給や周囲の地図、天候等の情報提供のサービス行う完全自家発電型の端末装置を常設することは利用が想定されるビジネスマンや観光客等にとってとても便利であり、このような電力情報提供端末装置の普及はこれからのIT、ユビキタス社会において様々なサービス提供の普及にも寄与するものと思われる。
【0052】
現在、広告業界ではこれまでに無い技術を広告に利用する需要が大きい。何故なら、一般に広告において先ずは目に付くことが重要である。これに対して、新しくこれまでに無い技術やものは注目されやすいため、特に街中でのCM媒体としてそれを広告に使いたいのである。そのため、応用として電力情報供給端末装置は様々なディスプレイ装置を有することも可能なため新しい広告媒体としても産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
11、11a、18、61a 圧電素子
12、17、19、61b、63a、63b、63c 振動板
13a、13b、13c 軸
14a、14b、20a、20b 緩衝材
15、16a、16b ストッパー
20、21、31、41、51a、51b 発電装置
22、24 軸
23、25 軸受け
32、75a 太陽電池
33 温度差発電装置
34、47 樹脂
42 発光ダイオード
43 液晶パネル
44 有機EL
45 電光掲示板
46、74 コンピュータ
52 垂直軸風車
53a、53b 風力誘導装置
54a、54b 回転軸
62a 重り
62b 羽
64 土台
71 電力情報提供端末装置
72 充電装置
73 ディスプレイ装置
75b 手動式発電機
76 圧力感知装置
77 無線装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を使用した発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子を使用した発電や風力発電や太陽光発電等環境にやさしい発電方法が知られえている。これらは総称として一般的に環境にやさしい発電方法であることからエコ発電と呼ばれている。これらの発電方法は、今日のように環境問題が注目されていることもあり我々の社会の中に普及し始めている。
【0003】
また、近年日常生活において我々が情報を得る道具は携帯電話やインターネットを利用した端末機器等によるものが多くなってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−282915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの発電方法には各発電方法ごとに長所と短所がある。その短所として例えば、圧電素子を使用した発電では圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより発電を行うのであるが一般に、圧電素子は割れやすい素材であるため耐久性が小さいことやその発電量が少ないことが挙げられる。風力発電では設置する場所の面積の小さい小型風力発電の街中での普及が見られるが小型であるため発電量が少ないことが挙げられる。太陽光発電では設置するための広い面積を確保しなければならなく、その場所も太陽電池のメンテナンスを行いやすい所であることが望まれるためそのスペースの確保をどのようにするかが挙げられる。更に、これらの発電は発電を行う際に圧電素子による発電では圧電素子に外部から力が加わること、風力発電では風が吹くこと、太陽光発電では光があること等が前提になっているためその発電量は各発電機が設置された周囲の環境の変化に大きく依存することになる。
【0006】
また、近年日常生活の中で我々が情報を得る道具の中心的存在の一つである携帯電話やインターネットを利用した端末機器はその多くが電力を必要とするものであるため外出中携帯電話のバッテリーが無くなったり台風や雷等による災害時に停電したりするとこれらの端末機器は何らかの方法で電力を供給しなければ利用できないことになる。しかしながら、これらの電子機器に電力を供給することが出来て且つ、台風や雷等による停電時の際等の緊急時において設置する場所を選ばず迅速に移動させることおよび長期間の発電が可能な発電装置は見受けられない。更に、台風や雷等による災害時での利用を想定した上で日常的に使用できる電力提供や周囲の地図、天候等の情報提供のサービス行う完全自家発電型の端末装置を常設することは利用が想定されるビジネスマンや観光客等にとってとても便利であり、このような電力情報提供端末装置の普及はこれからのIT、ユビキタス社会において様々なサービス提供の普及にも寄与するものであり、実際にIT、ユビキタス関連の研究者や技術者の間では既にこのような端末装置の普及が望まれている。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、圧電素子を使用した発電における上記に挙げた発電量や耐久性等の課題を解決することと、その上でこれらの発電を総合的に利用することにより発電装置を設置する場所や周囲の環境の変化に対応した安定的な発電を行うことを可能にする発電装置およびこの発電装置による安定的な電力の提供を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の本発明は、振動板と、前記振動板の少なくとも片面に接合された圧電素子と、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板であって、前記圧電素子が接合された前記振動板から延出され、前記圧電素子が接合された前記振動板の平面方向とは異なる方向に向けられた振動板とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して直交する面とを有する、側面L字状に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向から、当該平行な面に対して直交する方向に至り、さらに前記圧電素子が接合された振動板の平面方向に戻る、側面U字状に形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して45度の方向に至る面とを有するように形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、複数設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板を、相互に異なる長さで形成したことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の本発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板に、重りを設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の本発明は、請求項5及び7に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板の中で、一部の振動板のみに前記重りを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、風を受けて振動する羽として形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の本発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の本発明において、前記圧電素子が接合された振動板に土台を接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成された本発明によれば、圧電素子による発電の発電量の増加とその耐久性を向上させることや、圧電素子による発電装置の製造の簡略化や製造コストの低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態についての発電装置の発電部を示す一部断面図および斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に関わる発電装置の発電部を示す一部断面図および斜視図である。
【図3】圧電素子を支える軸の配置および形を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態についての発電装置の発電部を示す一部断面図である。
【図5】圧電素子を使用した発電装置を示す斜視図および発電装置内の圧電素子の配置を示す平面図である。
【図6】圧電素子を使用した発電装置の発電部を積層構造にしたときの一部断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態についての発電装置を示す斜視図である。
【図8】本発明の第4の実施形態についての発電装置を示す斜視図および断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態についての発電装置を示す斜視図および断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態についての発電装置を示す断面図および斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施形態についての発電装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施形態についての端末装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。圧電素子は、加えられた圧力により変形することで電気を生じる。一般に、圧電素子はその発電量を増やすために加える圧力を大きくすると割れやすくなる。
【0021】
図1に、本発明の第1の実態形態についての発電装置を示す。圧電素子11は、例えば、圧電素材として、チタン酸バリウム、ジルコニア(ZrO2)等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO3)等の圧電単結晶からなり、図1(a)に示すように、圧電素子11は、振動板12と接合された構造を持つ。この構造において振動板12は、圧電素子11を割れにくくする補強板としての働きもする。圧電素子11および振動板12は、圧電素子11の中心を軸13aにより支えられ、振動板12の周囲を軸13bにより支えられているため外力が加わる際もその位置に留まっている。軸13aは木材、ポリエチレン、ゴム等の緩衝材14aと接合されており、軸13bは木材、ポリエチレン、ゴム等の緩衝材14bと接合されている。図1(a)に示す構造は圧電素子を使用した発電装置の基本となる構造である。図1(b)に示すように、図1(a)の構造を持つ発電装置は外力として図1(b)に示すような圧力P(この場合は上方向からの圧力)が加わると、(押されることで)圧電素子11は圧電素子11aのように変形することにより発電する。この構造はてこの原理を利用しているため圧電素子11を効率良く変形することが可能であり、その結果、圧電素子11の変形による発電も効率良くなるのである。
【0022】
このとき、変形した圧電素子11aが過剰に変形して破損することを防止するために軸13bの先にはストッパーの働きをするストッパー15を有することにより圧電素子11aを保護する。この構造により、圧電素子を使用した発電を安定的に行うことが可能となる。このとき、例えば、図1(b)の隙間O1に示すように振動板12を軸13bに完全に接合せずに振動板12および圧電素子11aが変形する際にその変形の阻害とならないように隙間(「あそび」の部分)が出来るようにしても良い。
【0023】
例えば、直径4.0cmの円形で厚さ200μmの振動板に直径2.5cmの円形で厚さ200μmの圧電素子を接合させたものでは、圧電素子の中心を支える軸は直径0.5cmで高さ0.2cmの円柱形のもので、振動板の周囲を支える軸の先のストッパーは厚さ0.15cmとすると良い。
【0024】
図1(c1)は図1(a)の構造を斜め下から見た図である。図1(c2)は図1(a)の構造を斜め上から見た図である。圧電素子11は振動板12の片面のみに接合する場合の他にも図1(c1)と図1(c2)に示すように、圧電素子11は振動板12の両面に接合しても良い。更に、圧電素子および振動板は円形以外の形であっても良い。例えば、圧電素子および振動板の形を三角形や四角形等の角形とすることも良い他楕円形等にしても良い。そして、これらの圧電素子および振動板をそれ自体が全体的に反るような形にしても良い。このときの反り方は、図2(a)に示すように、軸13aを中心に圧電素子および振動板の周囲が軸13aのある面と反対側に反るようにしても良い。このようにすると、圧電素子の発電力が増す効果がある。一方、図2(b)に示すように、軸13aを中心に圧電素子および振動板の周囲が軸13aのある面と同じ側に反るようにしても良い。このようにすると、圧電素子の強度が増す効果がある。
【0025】
図1(d1)は圧電素子および振動板を長方形にする場合の図1(a)の構造を斜め下から見た図の例として挙げる。同様に、図1(d2)は圧電素子および振動板を長方形にする場合の図1(a)の構造を斜め上から見た図の例として挙げる。このようにする場合、軸13aおよび軸13bの形も同図に示すような形にしても良い。
【0026】
軸13bの本数は振動板12の周囲を支えるために必要な力によって調節すると良い。図1(c1)、(c2)は軸13bを三本使用した例であるが発電装置に加える圧力を大きくする場合および加える圧力が大きくなると見込まれる場合には図2(c1)のように軸13bの本数を三本以上使用すると良い。必要であれば図2(c2)のように軸13bを振動板12の周囲を全体的に囲むようにしても良い。勿論、発電装置に加える圧力を小さくする場合および加える圧力が小さくなると見込まれる場合には使用する軸13bの本数を三本以下にすることも良い。
【0027】
図2(d)は、図1(a)の構造を並べて配置した例であり、本発明の第1の実施形態については図2(d)のようにすることが出来る。
【0028】
図3に、圧電素子11を支える軸13aの配置および形を示したものである。図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)に示すように、軸13aは圧電素子11の中心を通る線上に少なくとも一つ以上配置することおよび軸13aの形は円柱形または四角柱等の立体形である。こうすることで、外力による圧力変化に対して圧電素子を効率良く変形させることが可能となる。なお、軸13aは緩衝器となる働きも兼ねるようにゴム、プラスチック等の弾性材料を使用しても良い。
【0029】
図4に、本発明の第2の実施形態についての発電装置を示す。振動板19に接合された圧電素子18は、軸13cにより支えられており、図4(a)に示すように振動板17によって隣り合う圧電素子18および振動板19は繋がった構造になっている。この構造により、外力による生じる圧力変化(図4(a)の場合は上からの圧力変化)を振動板17が振動板19および圧電素子18へ伝えることにより圧電素子18を変形させ発電させることが可能となる。このとき、圧電素子18の過剰な変形を防止するためのストッパーは図4(a)、(b)に示すように振動板19に接合させたストッパー16aおよび緩衝材20aに接合させたストッパー16bを有する構造とする。勿論、この構造においてストッパー16aおよびストッパー16bは厚さを厚くすることでどちらか一方のみを有する構造とすることも可能である。
【0030】
図5(a)は、図1から図4(a)、(b)に示す構造を有する圧電素子を使用した発電装置20の全体図の例である。図5(a)に示す圧電素子を使用した発電装置の内部の圧電素子の配置を図5(b)および図5(c)に示す。図5(b1)、(b2)に示すように、円形の圧電素子11cにおいて各圧電素子は任意の面積における配置密度を高くするため正三角形を隙間無く並べたときの交点に配置すると良い。図5(c1)、(c2)に示すように、長方形の圧電素子11rにおいて各圧電素子は任意の面積における配置密度を高くするため二組の圧電素子を並べて正方形に配置をしたものを一セットとして、この正方形を90度ずつ回転させて敷き詰めるように配置すると良い。これらのような配置は任意の面積に出来るだけ蜜に圧電素子を敷き詰められるだけでなく、加える外力の方向が緩衝材14bに対して垂直方向以外の場合、例えば、斜め方向からの圧力変化であっても圧電素子11による発電効率の低下を抑え、垂直方向からの圧電変化と同様の発電量を見込める発電をするも可能である。
【0031】
図6(a)、(b)は、圧電素子を使用した発電の発電量を増加させるために図1から図5に示す構造を有する発電装置において発電装置内に内蔵する圧電素子11を複数重ねた積層にする場合の構造を示したものである。このとき、圧電素子11を重ねることで外力が伝わりにくくならないように振動板12の周囲を軸13cにより支えることにより隙間O2を作ると良い。
図7に、本発明の第3の実施形態についての発電装置を示す。圧電素子を使用した発電装置21は、図1から図6に示す構造を有する発電装置であって、並べられた発電装置21を隣同士繋げる軸22および軸受け23によって構成されている。このような構造をとることにより、軸22が軸受け23内において回転、移動することで、並べられた発電装置21は折りたたむことおよび丸めることにより図7(a)に示す状態から図7(b1)および図7(b2)に示す状態へ変形させることが可能となる。並べられた発電装置21の隣同士を繋げる構造は図7(c)に示すように軸24および軸受け25によって構成されても良い。このような構造をとる場合は、並べられた発電装置21は折りたたむことおよび丸めることにより図7(d1)および図7(d2)に示す状態へ変形させることが可能となる。発電装置21の変形の途中経過(図7(a)のに示す状態から図7(b1)に示す状態への変形および図7(c)に示す状態から図7(d1)に示す状態への変形過程)を図7(e)および図7(f)に示す。
【0032】
図1から図7に示す構造は、これらの構造を有することで圧電素子を使用した発電装置において構造簡略化することが可能となるため、製造コスト低減にも繋がる。
【0033】
図8に、本発明の第4の実施形態についての発電装置を示す。発電装置31は、圧電素子を使用した発電装置であって、発電装置31は、発電装置21の構造を有する発電装置としても良く、発電装置31の少なくとも一方の面に太陽電池32およびペルチェ素子やゼーベック素子等を使用した温度差発電装置33等の太陽光発電装置を有する発電装置である。図8(a)、(b)、(c)に示すように、太陽電池32および温度差発電装置33は硬質ガラスまたは硬質塩化ビニル等の透明な樹脂34で覆われているため、外力による圧力変化の影響は受けることが無く、密閉された状態にある。この構造は太陽電池32および温度差発電装置33に対する劣化防止ならびに防水効果もある。そのため、耐久性にも優れた構造になっている。
【0034】
図9に、本発明の第5の実施形態についての発電装置を示す。発電装置41は、圧電素子を使用した発電装置であって、発電装置41は、発電装置21の構造を有する発電装置としても良く、発電装置41の少なくとも一方の面に発光ダイオード42や液晶パネル43や有機EL44や電光掲示板45等によるディスプレイ機能を有する発電装置であって、これらのディスプレイで表示する文字や画像や映像や音等の情報を処理する機能持つインターネットに接続可能なコンピュータ46を有する発電装置である。図9(a)、(b)に示すように、発光ダイオード42や液晶パネル43や有機EL44や電光掲示板45は硬質ガラスまたは硬質塩化ビニル等の透明な樹脂47で覆われているため、外力による圧力変化の影響は受けることが無く、密閉された状態にある。この構造は発光ダイオード42や液晶パネル43や有機ELや電光掲示板44に対する劣化防止ならびに防水効果もある。そのため、耐久性にも優れた構造になっている。
【0035】
図10に、本発明の第6の実施形態についての発電装置を示す。発電装置51aは垂直軸風車52を使用した風力発電装置であって、垂直軸風車52は、例えば、サボニウス型風車やダリウス型風車からなり、図10(a)に示すように、周囲を風力誘導装置53aによって覆われている。このようにして、風力を風力入り口Eに収集することにより垂直軸風車52の片側の羽にのみ当てることで風力による抵抗(垂直軸風車52の回転を妨げる力)を受けることなく、垂直軸風車52を回転させることが可能となる。更に、図10(b)に示すように、発電装置51bは垂直軸風車52を風力誘導装置53bによって覆うことにより風力を垂直軸風車52の片側の羽にのみ当てることで風力による抵抗を受けることなく、垂直軸風車52を回転させることが可能となる。垂直軸風車52は図10(d)に示すように、複数の垂直軸風車52を縦に並べることにより、発電量を増加させることも出来る。発電装置51aおよび発電装置51bの全体像をそれぞれ図10(c)および図10(e)に示す。発電装置51aおよび発電装置51bは、それぞれ回転軸54aおよび回転軸54bを有することならびに風力誘導装置53aおよび風力誘導装置53bの形状により風向きに応じて回転することにより向きを変えることが出来る。
【0036】
図11に、本発明の第7の実施形態についての発電装置を示す。図11(a)は、振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置であって、振動板61bに接合された圧電素子61aは図11(d1)に示すように、直角に曲げられた振動板63aと接合されており、同振動板63aの端にはゴム、鉛等の重りが接合された状態で土台64に接合されている。図11(b)は、振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置であって、振動板61bに接合された圧電素子61aは図11(d2)に示すように、曲線状の振動板63bと接合されており、同振動板63bの端にはゴム、鉛等の重りが接合された状態で土台64に接合されている。図11(d3)に示すように、圧電素子61aに接合する振動板は振動板63cのように45度の角度となるように曲げたものとすることも出来る。これらのようにすることにより、外力による振動が重り62aを揺らすことで、その動きが振動板63aおよび63bおよび63cを伝わることによって、圧電素子61aによる発電を行うことが出来る。このとき、重り62aの縦方向、横方向および斜め方向等全ての方向の動きを振動板63aおよび振動板63bおよび振動板63cを曲げたことで「ねじれ」の動きを利用することにより、振動板63aおよび振動板63bおよび振動板63cは伝えることが可能となる。その際、振動板63aおよび振動板63bと土台64は圧電素子61aに対して正面に向かい合わないようにずらす頃で「ねじれ」の動きを圧電素子61aにより効率的に伝えることが出来るようになる。図11(c)は振動の力を利用することにより発電する圧電素子を使用した発電装置において、重り62aを羽62bに変えることにより風を受けることで発電することも可能となる。それから、圧電素子61aに接合する振動板63aおよび63bおよび63cの数は二つ以上にすることも可能である。この例を図11(e)に示す。図11に示す構造において重り62aおよび重り62bの全ての動きを伝える必要の無い場合は振動板63aおよび63bおよび63cは直線としても良い。更に、振動板63aおよび63bおよび63cの長さを変えることにより様々な振動周波数の重りの動きに対して共振するように調節することも可能である。
【0037】
図12に、本発明の第8の実施形態についての端末装置を示す。電力情報提供端末装置71は、移動可能な設置式の端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置である。電力情報供給端末装置71は、図1から図11に示す発電装置の少なくとも一つの発電装置によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置とすることにより環境にやさしいエコ発電によって電力および情報の供給、提供を行うことが可能となる。図12(a)は電力情報提供端末装置71の全体図の一例である。ディスプレイ装置73はタッチパネル機能を有するものとしても良い。太陽電池75aおよび手動式発電機75bを補助電源として電力情報提供端末装置71の設置することも良い。この他にも、応用として例えば発電装置21に無線装置77およびコンピュータ74を取り付けたものを人や車等の移動情報を感知する圧力感知装置76として利用することも可能である。このことは、通勤ラッシュや交通渋滞の整理を行う際に周囲の込み具合を把握したい箇所に圧力感知装置76を設置することで発電頻度や発電量から各地点の通行量の情報を得てそれを無線通信することにより効率的に交通整理を行うことが出来る等に役立つのである。
【実施例1】
【0038】
電力情報提供端末装置71は、移動可能な設置式の端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置である。電力情報供給端末装置71は、図1から図11に示す発電装置の少なくとも一つの発電装置によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置72と、ディスプレイ装置73および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータ74を有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つ端末装置とすることにより環境にやさしいエコ発電によって電力および情報の供給、提供を行うことが可能となる。図12(a)は電力情報提供端末装置71の全体図の一例である。ディスプレイ装置73はタッチパネル機能を有するものとしても良い。太陽電池75aおよび手動式発電機75bを補助電源として電力情報提供端末装置71の設置することも良い。この他にも、応用として例えば発電装置21に無線装置77およびコンピュータ74を取り付けたものを人や車等の移動情報を感知する圧力感知装置76として利用することも可能である。このことは、通勤ラッシュや交通渋滞の整理を行う際に周囲の込み具合を把握したい箇所に圧力感知装置76を設置することで発電頻度や発電量から各地点の通行量の情報を得てそれを無線通信することにより効率的に交通整理を行うことが出来る等に役立つのである。
【0039】
(付記)
付記1に記載の発明は、人や車等の物体が動く際に生じる圧力変動により発電する発電装置であって、強い圧力変動に対しても圧電素子を破損すること無く発電することを可能にする圧電素子の過剰な変形を防止するストッパーを有することを特徴とする。
【0040】
付記2に記載の発明は、付記1に記載の発電機は、物体の移動によって生じる圧力変動を圧電素子に効率よく伝えるための振動板と圧電素子を支え圧力変動を受け止める軸を圧電素材の少なくとも一方の面に持つ構造を有することを特徴とする。
【0041】
付記3に記載の発明は、付記2に記載の前記軸は、圧電素材の中心を通る線上に少なくとも一つ以上有することを特徴とする付記1および付記2に記載の発電装置。
【0042】
付記4に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、前機構を有する発電装置であって、複数の圧電素材を圧電素材がずれないようにその周囲を支え収納することで積層にすることにより発電量を増す構造を有することを特徴とする発電装置。
【0043】
付記5に記載の発明は、前機構を有する小型発電装置を並べそれらを繋げる軸と軸受けをつけることにより発電装置全体を折りたたむことおよび丸めることの可能な構造を有するものであり移動可能であることを特徴とする発電装置。
【0044】
付記6に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、少なくとも一方の面に、表面を硬質ガラスや硬質塩化ビニル等の透明な樹脂で覆うことにより強度を上げた太陽エネルギーによる発電を行う太陽電池および温度差発電装置を有することを特徴とする発電装置。
【0045】
付記7に記載の発明は、物体の移動によって生じる圧力変動により発電する圧電素子を使用した発電装置であって、少なくとも一方の面に、表面を硬質ガラスや硬質塩化ビニル等の透明な樹脂で覆うことにより強度を上げた発光ダイオードや液晶パネルや有機ELや電光掲示板等によるディスプレイ機能を有する発電装置であって、これらのディスプレイで表示する文字や画像や映像や音等の情報を処理する機能持つインターネットに接続可能なコンピュータを有することを特徴とする発電装置。
【0046】
付記8に記載の発明は、少なくとも一つ以上の垂直軸風車を縦に重ねた風力発電装置であって、外側に発電装置を覆い風向きに対応して回転する風力誘導装置を有することにより風力の収集能力を向上させることおよび風力による風車の回転を妨げる抵抗を無くすことを特徴とする発電装置。
【0047】
付記9に記載の発明は、振動の力で発電する圧電素子を使用した発電装置であって、圧電材料の周囲に少なくとも一つ以上の角度を持って曲げられた振動板が接合された圧電素子において、振動板と振動板に接合した重りを有することによって縦方向と横方向と斜め方向の振動周波数で共振することで発電することを特徴とする圧電素子の発電装置。
【0048】
付記10に記載の発明は、移動可能な設置式の電力情報提供端末装置であって、携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置と、ディスプレイ機能および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータを有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つことを特徴とする電力情報提供端末装置。
【0049】
付記11に記載の発明は、移動可能な設置式の電力情報提供端末装置であって、付記1、付記2、付記3、付記4、付記5、付記6、付記7、付記8または付記9のいずれかに記載の発電装置の全てあるいは一部によって発電した電力を充電する蓄電装置と蓄電装置から供給される電力を使用して動作する携帯電話、PHS、パソコン、携帯情報端末等の小型電子機器の充電装置と、ディスプレイ機能および無線LAN、MAN、WAN等の通信機能によりインターネットに接続可能なコンピュータを有することにより、電力供給と情報提供を行う機能を持つことを特徴とする電力情報提供端末装置、総合的に利用する発電システムに関するものである。
【0050】
(付記の効果)
上記付記のように構成された本発明によれば、圧電素子による発電、風力発電や太陽光発電等のエコ発電装置の発電量の増加とその耐久性を向上させることおよび圧電素子による発電装置の製造簡略化、製造コスト低減効果ならびに、これらの発電装置にインターネットに接続可能なコンピュータならびにディスプレイ機能等を有すること更に移動容易性ならびに設置容易性を有したことで、周囲の環境の変化にも対応して安定的な電力供給と情報提供を行うことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
電力情報提供端末装置を駅やコンビニエンスストアおよび公園等に設置することにより日常的に携帯電話やデジタルカメラ等の小型電子機器の充電を行えるためこれらの機器を電池の残量を気にすることなく使うことが出来、且つ、台風や雷等による停電時の際等の緊急時において設置する場所を選ばず迅速に移動させることおよび長期間の発電が可能なため防災対策としても役立つ。更に、日常的に使用できる電力需給や周囲の地図、天候等の情報提供のサービス行う完全自家発電型の端末装置を常設することは利用が想定されるビジネスマンや観光客等にとってとても便利であり、このような電力情報提供端末装置の普及はこれからのIT、ユビキタス社会において様々なサービス提供の普及にも寄与するものと思われる。
【0052】
現在、広告業界ではこれまでに無い技術を広告に利用する需要が大きい。何故なら、一般に広告において先ずは目に付くことが重要である。これに対して、新しくこれまでに無い技術やものは注目されやすいため、特に街中でのCM媒体としてそれを広告に使いたいのである。そのため、応用として電力情報供給端末装置は様々なディスプレイ装置を有することも可能なため新しい広告媒体としても産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
11、11a、18、61a 圧電素子
12、17、19、61b、63a、63b、63c 振動板
13a、13b、13c 軸
14a、14b、20a、20b 緩衝材
15、16a、16b ストッパー
20、21、31、41、51a、51b 発電装置
22、24 軸
23、25 軸受け
32、75a 太陽電池
33 温度差発電装置
34、47 樹脂
42 発光ダイオード
43 液晶パネル
44 有機EL
45 電光掲示板
46、74 コンピュータ
52 垂直軸風車
53a、53b 風力誘導装置
54a、54b 回転軸
62a 重り
62b 羽
64 土台
71 電力情報提供端末装置
72 充電装置
73 ディスプレイ装置
75b 手動式発電機
76 圧力感知装置
77 無線装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、
前記振動板の少なくとも片面に接合された圧電素子と、
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板であって、前記圧電素子が接合された前記振動板から延出され、前記圧電素子が接合された前記振動板の平面方向とは異なる方向に向けられた振動板とを備えること、
を特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して直交する面とを有する、側面L字状に形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向から、当該平行な面に対して直交する方向に至り、さらに前記圧電素子が接合された振動板の平面方向に戻る、側面U字状に形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して45度の方向に至る面とを有するように形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項5】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、複数設けたこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板を、相互に異なる長さで形成したこと、
を特徴とする請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板に、重りを設けたこと、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板の中で、一部の振動板のみに前記重りを設けたこと、
を特徴とする請求項5及び7に記載の発電装置。
【請求項9】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、風を受けて振動する羽として形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項10】
前記圧電素子が接合された振動板に土台を接合したこと、
を特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項1】
振動板と、
前記振動板の少なくとも片面に接合された圧電素子と、
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板であって、前記圧電素子が接合された前記振動板から延出され、前記圧電素子が接合された前記振動板の平面方向とは異なる方向に向けられた振動板とを備えること、
を特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して直交する面とを有する、側面L字状に形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向から、当該平行な面に対して直交する方向に至り、さらに前記圧電素子が接合された振動板の平面方向に戻る、側面U字状に形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、前記圧電素子が接合された振動板の平面方向と平行な面と、当該平行な面に対して45度の方向に至る面とを有するように形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項5】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、複数設けたこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項6】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板を、相互に異なる長さで形成したこと、
を特徴とする請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板に、重りを設けたこと、
を特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる複数の振動板の中で、一部の振動板のみに前記重りを設けたこと、
を特徴とする請求項5及び7に記載の発電装置。
【請求項9】
前記圧電素子が接合された前記振動板とは異なる振動板を、風を受けて振動する羽として形成したこと、
を特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項10】
前記圧電素子が接合された振動板に土台を接合したこと、
を特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の発電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−200607(P2010−200607A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72582(P2010−72582)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【分割の表示】特願2005−281270(P2005−281270)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(304027556)
【出願人】(507419172)株式会社音力発電 (8)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【分割の表示】特願2005−281270(P2005−281270)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(304027556)
【出願人】(507419172)株式会社音力発電 (8)
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